JP2004507452A - 選択的エストロゲン受容体モジュレーターとしてのトリフェニルエチレン誘導体の特定の塩の形態 - Google Patents

選択的エストロゲン受容体モジュレーターとしてのトリフェニルエチレン誘導体の特定の塩の形態 Download PDF

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Abstract

本発明は、選択的エストロゲン受容体モジュレーターとしての3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸などのトリフェニルエチレン化合物の新規な塩の形態に関する。本発明はまた、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌および結腸癌、骨粗鬆症、心臓血管疾患、ならびに良性増殖性障害の治療および/または予防方法、ならびに本発明の化合物の薬剤組成物を提供する。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、選択的エストロゲン受容体モジュレーターとしての3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸などのトリフェニルエチレン誘導体の新規な塩の形態に関する。本発明はまた、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌および結腸癌、骨粗鬆症、心臓血管疾患、ならびに良性増殖性障害を含む哺乳動物におけるエストロゲン刺激による疾患の治療および/または予防方法、ならびに本発明の化合物の薬剤組成物を提供する。
【0002】
(発明の背景)
米国では、毎年約18万人の女性が乳癌と診断されている。これらの女性の大部分は、外科手術および局所放射線療法により疾患から回復している。しかしながら、毎年ほぼ6万人の女性がさらに転移性乳癌を発症し、これらの患者のうち4万5千人が最終的にその悪性腫瘍により死亡している。転移性乳癌が治癒することはまれであるが、患者の生存時間を延長し転移性病変に関連する罹患率を低下させる現代の医薬品で処置することはできる。これらの療法で真っ先に挙げられるものは、選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)を含むホルモン操作である。SERMは、受容体において様々な種類の構造変化を引き起こし、それによって様々なはっきりした生物学的特徴を引き出すことができるエストロゲン受容体の小さなリガンドである。SERMは、乳癌組織の成長に影響するだけでなく、他の生理学的プロセスにも影響を及ぼす。乳癌において最も広く使われているSERMはタモキシフェンであり、これは患者の約50%で客観的な反応を生み出す部分的なエストロゲン受容体アゴニスト/アンタゴニストである。残念なことに、タモキシフェンを服薬する患者の100%が最終的にタモキシフェン耐性腫瘍を再発する。タモキシフェン治療が失敗する患者の約50%は、続く卵巣除去、アロマターゼ阻害薬、または他のSERMなどのホルモン操作療法に反応するはずである。転移性乳癌のホルモン操作療法にとってセカンドライン療法がこれまでにない必要性を示しているのは、タモキシフェン療法に失敗する患者にとって単一薬剤が最適な治療にならなかったためである。理想的な薬剤は、かつてタモキシフェン療法に反応した女性において転移性乳癌病変の退縮を引き起こす薬物であろう。本発明は、その内容の全体を参照により本明細書に組み込む米国特許番号5,681,835に記載の化合物3−[4[(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸の新規な高溶解性である塩の形態を対象とする。
【0003】
SERMは、子宮組織の増殖、骨格骨密度、および血漿コレステロール値を含む心臓血管の健康状態を調節する。一般に、エストロゲンは、乳房および子宮内膜組織の増殖を刺激し、骨密度を高め、血漿中コレステロールを低下させる。多くのSERMは、他の機能を刺激しながらこれらの機能のいくつかに拮抗するという点で二機能である。例えば、タモキシフェンはエストロゲン受容体における部分的アゴニスト/アンタゴニストであり、エストロゲン誘発性乳癌細胞の増殖を阻害するが、子宮内膜組織の成長を刺激し、骨損失を予防する。エストロゲンは、ヒトにおける基本的性徴の進行および維持を刺激する重要なステロイドホルモンである。過去において、エストロゲンは、特定の病状および疾患の治療に有用であることが見いだされてきた。例えば、卵巣によって産生されるステロイドホルモンであるエストラジオールは、骨粗鬆症、心臓血管疾患、月経前症候群、閉経に関連する血管運動性症状、萎縮性膣炎、外陰萎縮症、女性の性腺機能低下症、原発卵巣不全、多毛症および前立腺癌の治療に有用である。
【0004】
エストロゲンによるホルモン補充療法(HRT)は、閉経後の女性における骨粗鬆症に対し臨床的に有効な治療であることが明らかにされている。しかしながら、股関節部骨折の50%減少および心臓血管疾患の30%減少が証明されている臨床試験にもかかわらず、適格な女性のうち現在HRTを処方されている女性は15%未満である。ノンコンプライアンスは、エストロゲンを単独で用いるHRTで認められる子宮内膜癌が2倍に増加するリスク、ならびにエストロゲン療法と乳癌との関連性に対する患者および医師の懸念に起因する。臨床的には証明されていないが、乳癌の疑いが持たれるこのリスクは、閉経後の女性のかなりの割合でHRTを禁忌にしてしまった。プロゲスチンとの併用療法は、エストロゲンの骨保護作用を維持しながら子宮を癌から予防することが分かっているが、プロゲスチンは、消退出血、胸痛および気分変動などの他の副作用を生み出す。
【0005】
心筋梗塞、血栓塞栓症、脳血管疾患、および子宮内膜癌を含む、エストロゲン療法に関連するより重篤な副作用に鑑みて、有効な非ステロイドエストロゲンおよび抗エストロゲン化合物を発見するためにかなり多くの研究が行われてきた。一般に、このような化合物は、エストロゲン性と抗エストロゲン性の双方を特徴とするが、それは化合物はすべてエストロゲン受容体に結合するが、受容体の位置に応じてエストロゲン作用または抗エストロゲン作用を引き起こすことができるためである。過去において、様々な非ステロイドエストロゲンおよび抗エストロゲン化合物のエストロゲン受容体との結合は、これらの化合物の化学構造中に繰り返される共通のファーマコフォア(スキームAで下記に示す)の存在に起因すると推定されてきた。
【0006】
【化2】
Figure 2004507452
【0007】
その後、このファーマコフォアは、非ステロイドエストロゲンおよび抗エストロゲン化合物が構築される構造的主鎖になった。ヘキセストロール、タモキシフェン、クロマン、トリフェニルエチレン、DES、クロミフェン、セントクロマン(centchroman)、ナフォキシジン(nafoxidene)、トリオキシフェン(trioxifene)、トレミフェン、ジンドキシフェン(zindoxifene)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、DABP、TAT−59などの様々な化合物および他の構造的に関連する化合物の構造物中にこのファーマコフォアが存在することは、エストロゲン受容体結合特異性に対する分子キーとして当技術分野で認められるようになった。
【0008】
エストロゲンはまた、エストロゲン受容体(ER)陽性乳癌細胞においてマイトジェンの役目を果たすことが分かった。したがって、抗エストロゲン薬、エストロゲンの作用に対抗する合成化合物は、疾患の進行を止めるか遅延させるのに臨床的に有効であった(JordanおよびMurphy、Endocrine Reviews 11:578−610 1990);Parker、Breast Cancer Res. Treat. 26:131−137(1993))。これらの合成ERモジュレーターの有用性およびその後の作用機序の分析は、ER作用に有用な洞察を提供した。
【0009】
ヒトエストロゲン受容体(ER)は、転写調節因子の核受容体スーパーファミリーの1つである(Evans、Science 240:889−895(1988))。ホルモンが存在しない場合、この受容体は転写に不活性化な状態で標的細胞の核内にとどまっている。リガンドが結合すると、ERは、構造変化を受け、最終的に標的遺伝子中の特定の調節領域との連関につながる事象のカスケードを開始する(O’Malley et al.、Hormone Research 47:1−26(1991))。転写に対するその後の作用は、細胞およびDNA結合受容体のプロモーターコンテキスト(context)によって影響される(Tora et al. Cell 59:471−487(1989)(Tasset et al.、Cell 62:1177−1181(1990); McDonnell et all Mol. Endocrinol. 9:659−669(1995); Tzukerman et al. Mol. Endocrinol. 8:21−30(1994))。このようにして生理学的ERアゴニストのエストラジオールは、生殖系、骨格系および心臓血管系においてその生物活性を発揮する(ClarkおよびPeck、Female Sex Steroids: Receptors and Function (eds) Monographs Springer−Verlag、New York(1979); Chow et al.、J. Clin. Invest. 89:74−78(1992); Eaker et al. Circulation 88:1999−2009(1993))。
【0010】
この点で最も研究されている化合物の一つは、トリフェニルエチレン誘導体であるタモキシフェン(TAM)、(Z)1,2−ジフェニル−1−[4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]−1−ブテン(JordanおよびMurphy、Endocrine Reviews 11:578−610(1990))である。タモキシフェンは、乳房および卵巣の大部分のER陽性腫瘍においてアンタゴニストの役目を果たすが、骨および心臓血管系では逆のアゴニスト活性、さらに子宮では部分的アゴニスト活性を示す(Kedar et al. Lancet 343:1318−1321(1994); Love et al.、New Engl. J. Med. 326:852−856(1992); Love et al.、Ann. Intern. Med. 115:860−864(1991))。したがって、ERタモキシフェン複合体のアゴニスト/アンタゴニスト活性は、細胞コンテキストに影響される。この重要な観察は、ERが活性または不活性な状態で細胞中に存在するに過ぎないことを支持する長年のモデルとは明らかに反している(ClarkおよびPeck、Female Sex Steroids: Receptors and Functions (eds) Monographs on Endocrinology、Springer−Verlag、New York(1979))。それどころか、この観察は、同一の受容体を介して作用する異なるリガンドが異なる細胞において異なる生物作用(biology)を示すことができることを示している。この選択性の機序の定義付けは、ERシグナリングの異常が関係している大部分のER含有乳癌で観察されるタモキシフェン耐性などのプロセスの理解を前進させる可能性がある(TonettiおよびJordan、Anti−Cancer Drugs 6:498−507(1995))。
【0011】
タモキシフェン、ならびにラロキシフェンとして知られる構造的に類似した化合物は、他の様々な疾患状態の治療および/または予防の他に、骨粗鬆症、心臓血管疾患、および乳癌の治療および/または予防のために開発されてきた。両化合物は、血漿中コレステロール値に対するプラス効果と乳癌および子宮癌の発生率を大きく低下させることと合わせ、骨塩密度に対する骨保護作用を示すことが分かった。残念なことには、タモキシフェンとラロキシフェンは共に、子宮内膜癌および肝細胞癌などの許容できないレベルの生命にかかわる副作用を有している。
【0012】
タモキシフェンの細胞選択的アゴニスト/アンタゴニスト活性として考え得る機序がin vitroの研究法を用いて決定されている(Tora et al.、Cell 59:477487(1989); Tasset et al.、Cell 62:1177−1187(1990); McDonnell et al. 、Mol. Endocrinol. 9:659−669(1995); Tzukerman et al.、Mol. Endocrinol. 8:21−30(1994))。重要なことには、タモキシフェンはER内に構造変化を引き起こし、これはエストラジオールによって引き起こされる構造変化とは区別可能であることが分かった(McDonnell et al.、Mol. Endocrinol. 9:659−669(1995); (Beekman et al.、Molecular Endocrinology 7:1266−1274(1993))。さらに、転写活性に必要なER内の配列の決定は、これらの特異的リガンド受容体複合体が細胞の転写機構によってどのように区別して認識されるかを示している。具体的には、ERは、転写装置との相互作用を可能にする2個所の活性化ドメイン、AF−1(活性化機能function−1)およびAF−2を含むことが分かった。全体のERの有効性に対するこれらのAFの相対的寄与は、細胞によって異なる(Tora et al.、Cell 59:477−487(1989); McDonnell et al.、Mol. Endocrinol. 9:659−669(1995); Tzukerman et al.、Mol. Endocrinol. 8:21−30(1994))。エストラジオールは、ある細胞環境でどちらのAFが支配的であるかに関係なく最大の活性を示す点でAF−1とAF−2アゴニストの両方の役目を果たすと判断された。一方、タモキシフェンはAF−2アゴニストとしての役目を果たし、AF−2が必要とされるかAF−2が支配的なアクチベータである細胞中でER活性を阻害する(Tora et al.、Cell 59:477−487(1989); McDonnell et al.、Mol. Endocrinol. 9:659−669(1995); Tzukerman et al.、Mol. Endocrinol. 8:21−30(1994))。逆に、AF−1のみが必要とされる場合、タモキシフェンはアゴニストの役目を果たす(McDonnell et al.、Mol. Endocrinol. 9:659−669(1995); Tzukerman et al.、Mol. Endocrinol. 8:21−30(1994))。次に、相対的AF−1/AF−2活性に基づき、ERモジュレーターを機序の異なる4つのグループに定義すると、完全アゴニスト(すなわち、エストラジオール)、タモキシフェンおよびラロキシフェンによって代表される2つの部分的アゴニスト、およびICI182,780が代表的なものである純粋(pure)アンタゴニストとなる(McDonnell et al.、Mol. Endocrinol. 9:659−669(1995); Tzukerman et al.、Mol. Endocrinol. 8:21−30(1994))。これらの結果は、いくつかのERモジュレーターの生物活性において観察された差異の機序的説明を提供し、異なる組織においてERが動作する機序は同一でないことを示している。
【0013】
興味深いことに、エストロゲンおよびタモキシフェンなどのERモジュレーターがこれらのin vitro系で示すアゴニスト活性は、まるごとの動物の生殖器官における活性を反映している。この相関関係は骨にまでは及ばないが、エストラジオール、タモキシフェンおよびラロキシフェンは様々な程度のAF−1/AF−2アゴニスト活性を示し、すべてが卵巣切除ラットモデルにおける骨損失を有効に予防する。したがって、ステロイド系純粋抗エストロゲン薬(すなわち、ICI182,780)は例外として、知られているすべての種類のERモジュレーターは、ヒトおよび関連する動物モデルにおいて骨損失を防ぐように見える一方で、他の組織では様々な程度のエストロゲン活性を示す(Chow et al.、J. Clin. Invest. 89:74−78(1992); Love et al.、New Engl. J. Med. 326:852−856(1992); Draper et al.、Biochemical Markers of Bone and Lipid Metabolism in Healthy Postmenopausal Woman. In C. ChristiansenおよびB. Biis(eds) Proceedings 1993. Fourth International Symposium on Osteoporosis and Consensus Development Conference、Handelstrykkeriet、Aalborg;Wagner et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:8739−8744(1996);Black et al.、J. Clin. Invest 93:63−69(1994))。
【0014】
望ましからぬいずれの副作用も最小限に抑えながら骨保護活性などの有益な特徴を保持する一連の非ステロイド化合物が最も有利であろう。前述のファーマコフォア主鎖がエストロゲン受容体結合特異性を担っていると現在は一般に認められているが、今回、特定の新規なエストロゲン結合リガンドを本明細書に記載のように構築し、このようなファーマコフォアをベースとする化合物の特定部分に組み込むことにより、癌のリスク増加などの望ましからぬ特徴を最小限に抑えながら骨保護機能などの有益な特徴を最大限に引き出すことができることを知るに至った。
【0015】
本発明は、癌のリスク増加などの望ましからぬ副作用を最小限に抑えながら有益な特徴を保持する、選択的エストロゲン受容体モジュレーターの新規な高溶解性である塩の形態を提供する。
【0016】
(発明の概要)
本発明は、選択的エストロゲン受容体モジュレーターとしての、3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸などの式(I)によって表される化合物の新規な塩の形態について記載する。
【0017】
【化3】
Figure 2004507452
【0018】
本発明はまた、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌および結腸癌、骨粗鬆症、心臓血管疾患、ならびに良性増殖性障害を含むエストロゲン刺激による疾患の治療および/または予防方法、ならびに本発明の化合物の薬剤組成物を対象とする。
【0019】
(発明の詳細な説明)
本発明は、選択的エストロゲン受容体モジュレーターとしての3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸などのトリフェニルエチレン誘導体の新規な塩の形態に関する。本発明はまた、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌および結腸癌、骨粗鬆症、心臓血管疾患、ならびに良性増殖性障害の治療および/または予防方法、ならびに本発明の化合物の薬剤組成物を提供する。
【0020】
第一の実施形態では、本発明は、式(I)による新規化合物、またはその立体異性体もしくは薬剤として許容されるその塩の形態について記載する。
【0021】
【化4】
Figure 2004507452
【0022】
式中、
薬剤として許容される塩の形態は、群:ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メグルミンおよびリジンから選択され、
は、(CHCR=CRであり、
は、群:H、CH、OH、OCH、OCHCH、CH(CHから選択され、
は、群:H、CH、OH、OCH、OCHCH、CH(CHから選択され、
は、群:CN、NO、CH、CHCH、CHCHYおよびYから選択され、
およびRは、出現するごとに、群:H、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、XC1−3アルキル、XC2−4アルケニル、XC2−4アルキニルおよびYから独立に選択され、
は、出現するごとに、群:CN、C1−4アルキル−OH、C(O)NR1011、C(O)NR1213、C(O)(O)R12、C(O)NHC(O)R12、CO(NH)(NOR12)、C(O)NHCH12、C(NH)(NOR12)、S(O)R12、S(O)(O)(OR12)、S(O)(O)(NHCO12)、PO12、P(O)(NR1213)(NR1213)、P(O)(NR1213)(OR14)、CONR12(CHOCH、CONR12(CHNR、およびCHで置換されたオキサジアゾールから独立に選択され、
およびRは、出現するごとに、群:C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、O−C1−7アルキル、C1−7アルキル−Y、およびフェニルから独立に選択され、
10およびR11は独立してCHまたはCであるか、一緒になって窒素原子を介して結合するモルホリノ基を形成し、
12およびR13およびR14は、出現するごとに、群:H、C1−12アルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、O−C1−12アルキル、O−C2−12アルケニル、O−C2−12アルキニル、C3−7シクロアルキル、、C3−7シクロアルケニル、線状および環状ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびYから独立に選択され、
Xは、群:OおよびSから選択され、
Yは、群:F、Cl、Br、およびIから選択され、
nは、0、1、および2から選択され、
qは、群:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および12から選択される。
【0023】
好ましい実施形態では、本発明は、XがOである式(I)の新規化合物を提供する。
【0024】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが、群:C(O)NR1011、C(O)NR1213、C(O)(O)R12、C(O)NHC(O)R12、C(NH)(NOR12)、S(O)(O)(NHCO12)、PO12、P(O)(NR1213)(NR1213)、およびP(O)(NR1213)(OR14)から選択される式(I)の新規化合物を提供する。
【0025】
好ましい実施形態では、本発明は、RおよびRが、群:H、OH、およびOCHから独立に選択される式(I)の新規化合物を提供する。
【0026】
好ましい実施形態では、本発明は、RおよびRがHである式(I)の新規化合物を提供する。
【0027】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが、群:CH、CHCH、およびCHCHClから選択される式(I)の新規化合物を提供する。
【0028】
好ましい実施形態では、本発明は、RおよびRが、群:HおよびC1−4アルキルから独立に選択される式(I)の新規化合物を提供する。
【0029】
好ましい実施形態では、本発明は、RおよびRが、群:H、C1−7アルキルおよびC3−7シクロアルキルから独立に選択される式(I)の新規化合物を提供する。
【0030】
好ましい実施形態では、本発明は、R12、R13およびR14が、群:H、C1−12アルキルおよびC2−12アルケニルから独立に選択される式(I)の新規化合物を提供する。
【0031】
好ましい実施形態では、本発明は、RがHであり、RがC(O)OR12であり、R12がHである式(I)の新規化合物を提供する。
【0032】
好ましい実施形態では、本発明は、nが0である式(I)の新規化合物を提供する。
【0033】
好ましい実施形態では、本発明は、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHCHであり、nが0であり、Rが群:C(O)NR1213およびC(O)OR12から選択される式(I)の新規化合物を提供する。
【0034】
より好ましい実施形態では、本発明は、RがC(O)NR1213である式(I)の新規化合物を提供する。
【0035】
より好ましい実施形態では、本発明は、RがC(O)OR12である式(I)の新規化合物を提供する。
【0036】
より好ましい実施形態では、本発明は、化合物が3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸である式(I)の新規化合物を提供する。
【0037】
さらにより好ましい実施形態では、本発明は、薬剤として許容される塩の形態が、群:メグルミン、およびリジンから選択される式(I)の新規化合物を提供する。
【0038】
最も好ましい実施形態では、本発明は、薬剤として許容される塩の形態がメグルミンである3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸を提供する。
【0039】
最も好ましい実施形態では、本発明は、薬剤として許容される塩の形態がリジンである3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸を提供する。
【0040】
本発明の別の実施形態は、薬剤として許容される坦体および治療上有効量の式(I)の化合物を含む薬剤組成物を提供する。
【0041】
本発明の別の実施形態は、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌および結腸癌、骨粗鬆症、心臓血管疾患、子宮内膜症、子宮筋腫、アルツハイマー病、黄斑変性症、尿失禁、2型糖尿病、および良性増殖性障害を治療する方法であって、このような治療を必要とする宿主に治療上有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0042】
(定義)
本明細書で用いる以下の用語および表現は、指示された意味を有する。本発明の化合物は、非対称に置換された炭素原子を含むことがあり、光学活性体またはラセミ体として単離することができる。ラセミ体の分割または光学活性な出発材料からの合成などによる光学活性体の調製方法は当技術分野ではよく知られている。特定の立体化学または異性体が具体的に指示されていない限り、すべてのキラル体、ジアステレオマー体、ラセミ体、およびすべての幾何学的な構造異性体が意図されている。
【0043】
用語「アルキル」には、指定の炭素原子数を有する分枝鎖と直鎖の飽和脂肪族炭化水素基が共に含まれることを意図している。アルキルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよびs−ペンチルが含まれるが、これらに限定されるものではない。さらに、この用語には、無置換と置換アルキル基が共に含まれることを意図しており、後者は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル、アルコキシ、エステル、エーテル、シアノ、ホスホリル、アミノ、イミノ、アミド、スルフヒドリル、アルキルチオ、チオエステル、スルホニル、ニトロ、ヘテロシクロ、アリールまたはヘテロアリールによって置き換えられるが、これらに限定されない1個または複数個の水素置換基を有するアルキル部分を指す。当業者は、適切な場合には、置換された部分自体も同様に置換できることも理解するであろう。本明細書で用いる用語「ハロアルキル」は、1個または複数個のハロゲンで置換されたアルキルを指す。
【0044】
本明細書で用いる用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。「アリール」は、フェニル、インダニルおよびナフチルなどであって、それらに限定されない、指定の炭素原子数を含む芳香族部分を意味することを意図している。
【0045】
本明細書で用いる用語「シクロアルキル」「ビシクロアルキル」「炭素環」または「炭素環式残基」は、安定な3から7員のいずれかの単環式もしくは二環式または7から13員の二環式もしくは三環式であって、飽和、部分的に不飽和またはまたは芳香族性であってもよいいかなる環も意味することを意図している。このような炭素環の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、またはテトラヒドロナフチル(テトラリン)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
本明細書で用いる用語「複素環」または「複素環式系」は、安定な5から7員の単環式もしくは二環式、または7から10員の二環式複素環を意味することを意図し、それらは飽和、部分的に不飽和、または不飽和(芳香族)であり、炭素原子、ならびにN、OおよびSからなる群から独立に選択される1から4個のヘテロ原子からなり、上記で定義した任意の複素環式環がベンゼン環と縮合した任意の二環式基が含まれる。窒素およびイオウヘテロ原子は場合によって酸化されていてもよい。複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子でその懸垂基と結合していてもよく、これは安定な構造をもたらす。本明細書に記載の複素環式環は、得られる化合物が安定ならば、炭素原子または窒素原子上で置換されていてもよい。具体的に知られているならば、複素環内の窒素は場合によって四級化されていてもよい。複素環内のSおよびO原子の総数が1を超える場合には、これらのヘテロ原子が互いに隣接しないことが好ましい。複素環内のSおよびO原子の総数は1以下が好ましい。本明細書で用いる用語「芳香族複素環式系」は、炭素原子ならびにN、OおよびSからなる群から独立に選択される1から4個のヘテロ原子からなる安定な5から7員の単環式もしくは二環式、または7から10員の二環式複素環式芳香環を意味することを意図している。芳香族複素環内のSおよびO原子の総数は1以下が好ましい。
【0047】
複素環の例には、1H−インダゾール、2−ピロリドニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、2H−ピロリル、3H−インドリル、4−ピペリドニル、4aH−カルバゾール、4H−キノリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダザロニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、b−カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニルペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、キサンテニルが含まれるが、これらに限定されるものではない。好ましい複素環にはピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、1H−インダゾリル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、またはイサチノイルが含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば、上記の複素環を含む縮合環およびスピロ化合物も含まれる。
【0048】
本明細書で用いる用語「ヘテロアリール」は、縮合ベンゼン環を場合によって有し、無置換または置換されていてもよい5員または6員の複素環式芳香環基を指す。
【0049】
用語「線状および環状ヘテロアルキル」は、用語「アルキル」に従って定義され、化学的に安定な分子種を提供すると考えられる窒素またはイオウなどの他の原子で炭素原子が適当に置き換えられている。
【0050】
本明細書で用いる「薬剤として許容される塩」は、それらの酸または塩基塩を製造することにより親化合物を修飾した、開示化合物の誘導体を意味する。薬剤として許容される塩の例には、アミンなどの塩基性残基の鉱酸または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが含まれるが、それらに限定されるものではない。薬剤として許容される塩には、例えば、非毒性の無機または有機酸から生成される親化合物の従来型の非毒性塩または四級アンモニウム塩が含まれる。例えば、このような従来型の非毒性塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導された塩;酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、メグルミン、リジン、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマール酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機塩から調製された塩などが含まれる。
【0051】
本発明の薬剤として許容される塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から、従来型の化学的方法により合成することができる。このような塩は一般に、遊離の酸または塩基形のこれらの化合物を、化学量論量の適当な塩基または酸と、水もしくは有機溶媒、または両者の混合物中で反応させることによって調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水媒体が好ましい。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、18版、Mack Publishing Company、Easton、PA、1990、p.1445に見いだされ、その開示の全体が詳細に示されるように参照により本明細書に組み込む。
【0052】
本明細書では、語句「薬剤として許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症もなく、妥当なベネフィット/リスク比に比例するように、ヒトおよび動物の組織に接触して用いるのに適している化合物、材料、組成物および/または剤形を指すために用いられる。
【0053】
本明細書で用いる用語「プロドラッグ」には、そのプロドラッグが哺乳類の対象に投与された時に、in vivoで本発明の活性な親薬物を放出する、共有結合した任意の坦体が含まれることを意図している。プロドラッグは、医薬品の多くの望ましい性質(すなわち、溶解性、バイオアベイラビリティ、製造など)を向上させることが知られていることから、本発明の化合物をプロドラッグ体で送達してもよい。すなわち、本発明は、今回の特許請求の範囲に記載の化合物、それらを送達する方法、およびそれらを含む組成物を包含することを意図している。本発明のプロドラッグは、修飾が通常の操作またはin vivoのどちらかで切断されて親化合物になるように、化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグには、ヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基が任意の基と結合した本発明の化合物が含まれ、本発明のプロドラッグが哺乳類対象に投与された時に切断され、それぞれ、遊離のヒドロキシ、遊離のアミノ、または遊離のスルフヒドリル基を生成する。プロドラッグの例には、本発明の化合物中のアルコールおよびアミン官能基の酢酸、ギ酸および安息香酸誘導体が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0054】
「置換された」は、「置換された」を用いる表現中で指定された原子上の1個または複数個の水素が、指示された基から選択されて置き換えられることを意味するが、ただし、指定された原子の通常の原子価を超えてはならず、その置換が安定な化合物を与えるものとする。置換基がケト(すなわち、=O)基の場合、原子上の2個の水素原子が置き換わる。
【0055】
本明細書で用いる用語「抗癌」または「抗増殖」剤には、アルトレタミン、ブスルファン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、チオテパ、クラドリビン、フルオロウラシル、フロクスウリジン、ゲムシタビン、チオグアニン、ペントスタチン、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、シタラビン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾトシン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、イプロプラチン、テトラプラチン(tetraplatin)、ロバプラチン(lobaplatin)、JM216、JM335、フルダラビン、アミノグルテチミド、フルタミド、ゴセレリン、ロイプロリド、酢酸メゲストロール、酢酸シプロテロン、タモキシフェン、アナストロゾール、ビカルタミド、デキサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、プレドニゾン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキシルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ロソキサントロン(losoxantrone)、マイトマイシン−c、プリカマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、トポテカン、イリノテカン、9−アミノカンプトテカン(camptothecan)、9−ニトロカンプトテカン、GS−211、エトポシド、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、プロカルバジン、アスパラギナーゼ、ペグアスパルガーゼ(pegaspargase)、オクトレオチド、エストラムスチン、ヒドロキシ尿素および1999年3月2日にTimothy Wilsonに発行された米国特許5,681,835に開示された化合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。THFはテトラヒドロフランの略語であり、DMEはエチレングリコールジメチルエーテルの略語である。
【0056】
本明細書のための用語「宿主」は、ヒトを含む哺乳動物を指す。
【0057】
(用量および製剤)
本発明の選択的エストロゲン受容体モジュレーター化合物は、活性な薬剤と哺乳動物の体内の薬剤作用部位との接触を生み出すいかなる手段によっても癌または他の疾患の治療または予防として投与することができる。本発明の化合物は、個々の治療薬として、あるいは本発明による他の化合物および/または抗癌剤もしくは抗増殖剤などの他の治療薬と併用し、医薬品と併せて用いることができる従来のいかなる手段によっても投与することができる。併用する場合には、治療薬を一緒に投与するか、治療薬またはそれらの活性な代謝物が重なった時間内に宿主に存在しさえすれば別々に投与することができる。治療薬は単独で投与できるが、選ばれた投与経路および標準的な製薬の慣行に基づいて選択される薬剤担体と共に投与されることが好ましい。
【0058】
投与量は、特定の薬剤の薬力学的特性ならびに薬剤の投与方法および経路;レシピエントの年齢、健康、および体重;症状の性質および広がり;併用治療の種類;治療の回数;および所望の効果などの知られている要素によって異なることは言うまでもない。活性成分の1日投与量は体重1キログラム当たり約0.001から約1000ミリグラムと予想され、好ましい投与量は約0.1から約30mg/kgである。
【0059】
投与に適した組成物の剤形は、単位当たり約1mgから約100mgの活性成分を含有する。これらの薬剤組成物において、活性成分は通常、組成物の全重量に対して約0.5−95重量%の量で存在する。活性成分は、カプセル剤、錠剤および散剤などの固体剤形、またはエリキシル剤、シロップ剤および懸濁剤などの液体剤形で経口投与することができる。無菌液体剤形で非経口的に投与することもできる。
【0060】
ゼラチンカプセルは、活性成分、およびラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末担体を含有する。同様の希釈剤を用い、圧縮錠剤を製造することができる。錠剤とカプセル剤は共に、徐放製品として製造し、数時間にわたる薬物の連続放出を提供することができる。圧縮錠剤を糖衣またはフィルムコーティングし、不快な味をマスクし大気から錠剤を保護したり、胃腸管内の選択的な崩壊のために腸溶コーティングすることができる。経口投与のために液体剤形は、着色剤および着香剤を含有し、患者の受容性を増すことができる。
【0061】
一般的に、水、適当な油、食塩水、水性ブドウ糖(グルコース)、および関連する糖溶液およびプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールが非経口水剤に適当な坦体である。非経口投与用の水剤は、活性成分の水溶性の塩、適当な安定化剤と、必要ならば緩衝性物質を含むことが好ましい。単独あるいは混合した重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸などの抗酸化剤は、適当な安定化剤である。クエン酸およびその塩ならびにナトリウムEDTAも使用することができる。さらに、非経口水剤は、塩化ベンザルコニウム、メチルまたはプロピルパラベン、およびクロロブタノールなどの保存剤を含有することができる。適当な薬剤坦体は、当技術分野における標準的参考書であるRemington’s Pharmaceutical Sciences、18版、Mack Publishing Company、Easton、PA、1990に記載されており、その開示を参照により本明細書に組み込む。
【0062】
(実施例)
以下の実施例によって本発明をより一層理解することができる。本発明の他の特徴は、以下の説明、および実例として示すものでそれらに限定されることを意図していない典型的な実施形態の中で当業者に明らかになるはずである。
【0063】
(合成)
カリウム塩:
3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸(0.98g、2.8mmol)およびKCO(0.39g、2.8mmol)をエタノール(10mL)中、室温(RT)で一夜撹拌した。反応剤が完全に溶けなかったため、エタノールを蒸発させ、イソプロパノール(50mL)で置き換えた。得られた懸濁液を加熱沸騰させ、次いで、透明な溶液が得られるまで水を2mLずつ加えた(HO11mLを要した)。溶液を室温まで冷却させた後、冷凍庫中、−20℃で一夜冷却することにより結晶化を促した。上澄みをピペットにより除去し、追加のイソプロパノール(2×2mL)で固体を洗浄し、前と同様にピペットで除去した。高真空中、56℃で48時間固体を乾燥した。収量0.15g、無色の固体。
【0064】
ナトリウム塩:
3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸(0.50g、1.4mmol)および1.0M NaOH(1.4mL、1.4mmol)をメタノール(10mL)中、室温で一夜撹拌した。得られた透明な溶液を蒸発乾固し、次いでイソプロパノール(40mL)を加えた。この懸濁液を加熱還流した。固体の一部のみが溶けた。一夜沸騰させた後、加熱を中止し、溶液を室温まで冷却させた。得られた固体を濾過によって集め、イソプロパノールで洗浄した。高真空中、100℃で48時間乾燥すると、無色の固体0.38gが得られた。
【0065】
N−メチル−D−グルカミン塩:
透明な溶液がちょうど得られるまで、3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸(2.0g、5.6mmol)およびN−メチル−D−グルカミン(1.1g、5.6mmol、MeOHから新たに再結晶した)を最小量の無水EtOH中で沸騰させた(167mLを要した)。次いで、溶液をゆっくりと冷却させ、室温で一夜放置した。得られた固体を濾過によって集め、EtOHで洗浄し、高真空中、室温で48時間乾燥すると、塩(2.69g、収率87%)が無色の針状晶として得られた、融点168.5−169℃。
分析C3239NOとして計算値はC:69.92;H:7.15;N:2.56であり、実測値はC:69.90;H:7.12;N:2.49であった。
【0066】
リジン塩:
3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸(10.2g、28.8mmol)をエタノール200mL中に入れて55−60℃まで温め、HO10mLに溶かしたL−リジン(4.42g、30.2mmol)を加えた。混合物を加熱し、濃縮した。エタノール100mLを加え、20分間加熱して還流した。混合物を20℃まで徐々に冷却させ、再び15分間加熱還流し、20℃まで冷却させ、2時間撹拌して濾過した。ケーキをエタノール50mLで洗浄し、オーブン中75−80℃で乾燥すると、13.9g(93%)が得られた。
【0067】
ジシクロヘキシルアミン塩:
3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸(1.70g、4.8mmol)を65℃でエタノール10mL中に入れ、ジシクロヘキシルアミン(0.91g、5.0mmol)の溶液と共に加熱した。均一な混合物を10分間加熱還流し、撹拌しながら20℃まで冷却させた。エタノール11mLを加え、再び加熱還流し、50℃までゆっくりと冷却させ、30分間保って20℃まで冷却させた。生成した塩を濾過し、エタノールで洗浄し、オーブン中で乾燥すると、1.36g、53%が得られた。
【0068】
3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸、SERM化合物、およびそのメグルミンおよびリジン塩の平衡水溶解度は、対応する化合物の水懸濁液を室温で48時間回転装置上に置くことによって測定した。0.45マイクロメートルのPTFEフィルタを用いてサンプルを濾過し、HPLCにより分析した。濾液のpHも測定した。
【0069】
3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸(遊離酸)は、0.0086mg/mLの平衡水溶解度を有している。
【0070】
3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸(メグルミン塩)は、0.7mg/mLの平衡水溶解度を有している。
【0071】
3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸(リジン塩)は、0.4mg/mLの平衡水溶解度を有している。
【0072】
(有用性)
式(I)の化合物の生物活性は、下記に示す以下のプロトコルに従って評価した。
【0073】
当業者が理解しているように、エストロゲン受容体結合アッセイのいくつかの許容される変法が知られており、適当な受容体と結合する能力に関する本発明の化合物の初期スクリーニングに利用することができる。
【0074】
エストロゲン受容体結合
エストロゲン受容体結合は、競合アッセイおよび組換えヒトエストロゲン受容体アルファを用いて測定した。阻害剤の存在下または非存在下に受容体および3H−エストラジオールを一夜インキュベートした。膜濾過を用い、結合していない3H−エストラジオールを分離することにより、受容体に結合した3H−エストラジオールをそれぞれの阻害剤濃度において測定した。3H−エストラジオールの結合を50%抑える濃度は、結合阻害曲線および算出したKdから決定した。
【0075】
細胞増殖阻害
ホルモン依存性ヒト乳癌細胞系MCF−7は、96ウエルのディッシュ中で成長させた。エストロゲンの存在下または非存在下にSERM(10−4−10−12M)を滴加した。増殖は、細胞数の指標としてスルホローダミンB染色によりモニターした(SRB; Skehan P、Storeng R、Scudiero D、et al. New colorimetric cytotoxicity assay for anticancer drug screening. J. Natl Cancer Inst 1990; 82:1107−12)。細胞増殖を50%抑制するのに必要なSERMの濃度は、薬物の用量−反応滴定曲線から決定した。
【0076】
子宮湿重量阻害
卵巣を切除した雌性マウスに、食塩水、あるいは17β−エストラジオールS.C. 0.32μgおよびラブロフィル(labrofil)もしくはラブロフィルに溶かしたSERMを含有する食塩水を経口(0−50mg/kg)で1、2、および3日目に投与した。4日目にマウスを安楽死させ、子宮を注意深く解剖した。吸い取り後、子宮の湿重量を測定した。単独で投与した場合のエストロゲン刺激による子宮成長を抑制する能力および子宮成長を刺激する能力について薬剤を比較した。図1はエストロゲン刺激によるマウス子宮重量の用量依存性阻害を示す。
【0077】
MCF−7またはMCF−7タモキシフェン依存性腫瘍増殖
MCF−7腫瘍は、エストロゲン補充した胸腺欠損マウスで成長させた(Robinson S.P.およびJordan V.C.、Cancer Res. 49 1758−62 1989)。腫瘍の移植日を0日目とした。SERM療法は、皮下に埋め込んだ連続放出調製物として、あるいは頻回投与(sc、ipまたはpo)により行った。腫瘍増殖はキャリパー測定によってモニターし、式:体積=幅×長さにより体積に換算した。
【0078】
血中脂質
コレステロールおよび血中脂質は、Kauffman et al(JPET 280:146−153 1997)に従って測定した。成熟(60−90)日齢のSpraque Dawleyラットを卵巣切除し、SERMで4−7日間毎日処置した。心臓から採血後、循環するコレステロール、HDLおよびトリグリセリドを市販の検定法を用いて測定した。
【0079】
骨塩密度研究
成熟したSpraque Dawleyラットを卵巣切除あるいは偽手術した。SERMあるいはエストロゲンで4から6週間、動物を毎日処置した。骨密度は、先に述べたように二重エネルギーX線吸収によって測定した(J.Med Chem 1994 37 1550−1552)。

Claims (21)

  1. 式(I)の化合物であって、
    Figure 2004507452
    式中、
    薬剤として許容される塩の形態は、群:ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メグルミンおよびリジンから選択され、
    は、(CHCR=CRであり、
    は、群:H、CH、OH、OCH、OCHCH、CH(CHから選択され、
    は、群:H、CH、OH、OCH、OCHCH、CH(CHから選択され、
    は、群:CN、NO、CH、CHCH、CHCHYおよびYから選択され、
    およびRは、出現するごとに、群:H、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、XC1−3アルキル、XC2−4アルケニル、XC2−4アルキニルおよびYから独立に選択され、
    は、出現するごとに、群:CN、C1−4アルキル−OH、C(O)NR1011、C(O)NR1213、C(O)(O)R12、C(O)NHC(O)R12、CO(NH)(NOR12)、C(O)NHCH12、C(NH)(NOR12)、S(O)R12、S(O)(O)(OR12)、S(O)(O)(NHCO12)、PO12、P(O)(NR1213)(NR1213)、P(O)(NR1213)(OR14)、CONR12(CHOCH、CONR12(CHNR、およびCHで置換されたオキサジアゾールから独立に選択され、
    およびRは、出現するごとに、群:C1−7アルキル、C3−7シクロアルキル、O−C1−7アルキル、C1−7アルキル−Y、およびフェニルから独立に選択され、
    10およびR11は独立してCHまたはCであるか、一緒になって窒素原子を介して結合するモルホリノ基を形成し、
    12およびR13およびR14は、出現するごとに、群:H、C1−12アルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、O−C1−12アルキル、O−C2−12アルケニル、O−C2−12アルキニル、C3−7シクロアルキル、、C3−7シクロアルケニル、線状および環状ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびYから独立に選択され、
    Xは、群:OおよびSから選択され、
    Yは、群:F、Cl、Br、およびIから選択され、
    nは、0、1、および2から選択され、
    qは、群:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および12から選択されることを特徴とする化合物、またはその立体異性体もしくは薬剤として許容されるその塩の形態。
  2. XがOであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. が、群:C(O)NR1011、C(O)NR1213、C(O)(O)R12、C(O)NHC(O)R12、C(NH)(NOR12)、S(O)(O)(NHCO12)、PO12、P(O)(NR1213)(NR1213)、およびP(O)(NR1213)(OR14)から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
  4. およびRが、群:H、OH、およびOCHから独立に選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  5. およびRがHであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  6. が、群:CH、CHCH、およびCHCHClから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  7. およびRが、群:HおよびC1−4アルキルから独立に選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  8. およびRが、群:H、C1−7アルキルおよびC3−7シクロアルキルから独立に選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  9. 12、R13およびR14が、群:H、C1−12アルキルおよびC2−12アルケニルから独立に選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  10. がHであり、RがC(O)OR12であり、R12がHであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  11. nが0であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  12. がHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHCHであり、nが0であり、Rが群:C(O)NR1213およびC(O)OR12から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  13. がC(O)NR1213であることを特徴とする、請求項12に記載の化合物。
  14. がC(O)OR12であることを特徴とする、請求項12に記載の化合物。
  15. 化合物が3−[4(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル]−アクリル酸であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  16. 薬剤として許容される塩の形態が、群:メグルミン、およびリジンから選択されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
  17. 薬剤として許容される塩の形態がメグルミンであることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
  18. 薬剤として許容される塩の形態がリジンであることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
  19. 薬剤として許容される坦体および治療上有効量の請求項1から18のいずれか一項に記載の1個または複数個の化合物を含むことを特徴とする薬剤組成物。
  20. 乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌および結腸癌、骨粗鬆症、心臓血管疾患、および良性増殖性障害を治療する方法であって、このような治療を必要とする宿主に治療上有効量の請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含むことを特徴とする方法。
  21. 宿主においてエストロゲン刺激による癌を予防または治療する方法であって、前記宿主に、前記予防または治療を行うのに十分な量の請求項1−18のいずれか一項に記載の化合物または薬剤として許容されるその塩を投与することを含み、前記癌が式Iの前記化合物以外のエストロゲン受容体モジュレーターに耐性であることを特徴とする方法。
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