JP2004503477A - 低収縮重合性歯科材料 - Google Patents
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Abstract
低収縮重合性歯科材料は、重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレート、重合性モノマー、重合開始剤および/または増感剤、安定剤および充填剤を70〜85パーセントの量で含む。重合中の体積収縮は2.0体積以下である。
Description
【0001】
(技術背景)
歯科充填材料は、重合性有機モノマーおよび/またはポリマー、重合性モノマー、重合開始剤、ならびに充填剤からなることが多い。知られている市販の歯科用コンポジットは、300〜500MPaの圧縮強度および130〜170MPaの曲げ強度などの有用な機械的性質を示す。さらに、過去の年月にわたって耐摩耗性、辺縁封鎖性(marginal integrity)、疲労挙動(fatigue behavior)およびそれらの光学的性質に関して改良が行われてきた。しかしながら、これらのコンポジットの重合中には2.5〜4.0%の体積収縮が生じることが多い。これは、材料中の微小破壊および時にはエナメル質辺縁亀裂(enamel edge cracks)を引き起こすことがある。これらの欠陥によって、二次的な虫歯が生じることが多い。したがって、他の有用な性質を犠牲にすることなしに低減された体積収縮を示す新たなコンポジット材料を提供することが望まれている。
【0002】
歯科材料用のモノマーとしては、その有利な特性から2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン(Bis−GMA)を使用することが知られている。しかしながら、このモノマーは比較的高い粘性を示すことから、粘性の低いモノマーを使用することが必要である。収縮が重合性有機モノマーの分子量に直接依存することが知られている。一方、モノマーの分子量の増加は樹脂の粘性の増加につながる。したがって、低い粘性を達成し、所望量の充填剤の混合を可能にするためにオリゴエチレングリコールジメタクリレートなどの重合性モノマーが用いられる。しかしながら、重合性モノマー類は、それ自体で比較的大きな収縮性を示し、例えば純粋なトリエチレングリコールジメタクリレートの場合12.89体積%である。このことは、高い架橋密度および脆性につながる。
【0003】
アルコキシル化Bis−GMAが15〜30%の含有量で比較的低粘度のモノマーとして用いられ、レドックス重合性ペースト−ペーストコンポジットに応用されてきた。しばしば、機械的性質、吸水および耐水性を改善するために他の重合性モノマーと併せてエトキシル化またはプロポキル化Bis−GMAが使用された。最近、ウレタンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル−オキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン、およびいわゆるビスEMA6を含むコンポジットが用いられてきた。もう一つは6〜8個のエトキシ部位を有するエトキシル化Bis−GMAであり、これは15〜45%の含有量で用いられる。特に断らない限り、すべてのパーセントまたは「%」は重量(w/w)によるものとする。
【0004】
セメント組成物を調製するためにジイソシアネートとグリセロールジ(メタ)アクリレートの反応生成物が用いられている。さらに、ビニルウレタン縮合物(オキシプロピル化ビスフェノール−A)、ヘキサメチレンイソシアネートおよびヒドロキシプロピルメタクリレートなどの化合物が調製されている。
【0005】
米国特許第4,089,763号には、最大寸法が500μm(マイクロメーターまたは「ミクロン」)を超えない粒子ならびにウレタン・プレポリマーおよび重合性エチレン不飽和モノマーの反応生成物である、少なくとも2個の重合性エチレン不飽和基を含む重合性プレポリマーを含む組成物を用いることによる歯の修復方法が記載されている。
【0006】
トリシクロデカン誘導体、ポリオール、ジイソシアネートおよびヒドロキシアルキルメタクリレートのウレタンジメタクリレートなどの特別なモノマーは、比較的小さな体積収縮を示し、このことは高分子量モノマーの使用が歯科用コンポジットへの応用に成功するであろうと期待される理由となっている。
【0007】
(発明の開示)
したがって、本発明の目的は、低収縮重合性歯科材料を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、歯科用修復材料として有用な材料を提供することである。
【0009】
これらおよびその他の本発明の目的は、以下の記載から明らかとなるであろう。そして、それらの目的は、特許請求の範囲に記載された本発明によって達成される。
【0010】
包括的には、低収縮重合性歯科材料は、
(i)有機または無機充填剤70〜85w/w、および
(ii)重合性樹脂マトリックス15〜30%w/wの混合物からなり、
2%v/v(体積による)以下の体積重合収縮を有する。別の実施形態においては、本材料は、
(i)重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレート25〜40%w/w、
(ii)アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレート45〜65%w/w、
(iii)重合性モノマー0〜20%w/w、
(iv)重合開始剤および/または増感剤および安定剤0.1〜3.0%w/w、および
(v)抗菌性化合物0〜10%w/wの混合物を含むことができる。
【0011】
別の実施形態においては、上記アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレートは、下記式:
【化5】
[R1およびR2は独立的にH(水素)または単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R3は二官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、O、S、SO2またはC(CF3)2を表し;aおよびbはa+bが約2〜約20であるような整数である]により特徴付けることができる。
【0012】
あるいは、上記アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレートは下記式:
【化6】
[式中、R1およびR2は独立的にHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;aおよびbはa+bが約2と約20との間にあるような整数である]により特徴付けることができる。
【0013】
さらに別の実施形態においては、上記重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレートは、下記分子AおよびBとC
【化7】
[式中、R4はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R5は二官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、O、S、SO2またはC(CF3)2であり;R6はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R7は二官能性の置換もしくは非置換C2〜C30アルキレン、C5〜C30置換もしくは非置換シクロアルキレン、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンであり;aおよびbは整数である]との反応生成物であり、AとBとのモル比が1.0対0と0.2対0.8との間で変化し、かつ(A+B)とCとのモル比が1.0対0.05と1.0対1.1との間で変化する。
【0014】
さらに別の実施形態では、上記重合性ジまたはポリ(メタ)アクリレートが、下記分子AおよびBとC
【化8】
[式中、R4はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R6はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R7は二官能性の置換もしくは非置換C2〜C30アルキレン、C5〜C30置換もしくは非置換シクロアルキレン、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンであり;aおよびbは上述したような整数である]との反応生成物から形成され、AとBとのモル比が1.0対0と0.2対0.8との間で変化し、かつ(A+B)とCのモル比が1.0対0.05と1.0対1.1との間で変化する。
【0015】
上記重合性モノマーは、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、3,(4),8,(9)−ジメタクリロイルオキシメチルトリシクロデカン、ジオキソランビスメタクリレート、ビニル−、ビニレン−またはビニリデン−、アクリル−またはメタクリル置換スピロオルトエステル、スピロオルトカーボネートまたはビシクロオルトエステル、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、フルフリルメタクリレートのような単官能性または多官能性アクリレートまたはメタクリレートである。
【0016】
(発明の説明)
驚くべきことに、2%v/v以下の体積重合収縮を有する低収縮重合性歯科材料が
(i)有機または無機充填剤70〜85w/w%、および
(ii)重合性樹脂マトリックス15〜30%w/wの混合物として得られることを見いだした。
【0017】
上記重合性樹脂マトリックスは、例えば、
(i)重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレート25〜40%w/w、
(ii)アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレート45〜65%w/w、
(iii)重合性モノマー0〜20%w/w、および
(iv)重合開始剤および/または増感剤および安定剤0.1〜3.0%w/wの混合物からなる。
【0018】
上記アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレートは、下記式によって特徴付けることができ、
【化9】
式中、R1およびR2は独立的にHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R3は二官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、O、S、SO2またはC(CF3)2を表し;かつaおよびbは整数である。好ましくは、a+bは2と20との間であり、より好ましくはa+bは8と20との間である。
【0019】
好ましくは、上記アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレートは、下記式により特徴付けられ、
【化10】
式中、R1およびR2は独立的にHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;かつaおよびbは整数である。
【0020】
有用な重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレートの例は、下記の分子AおよびBとジイソシアネートCとの反応生成物であり、
【化11】
ここで、AとBとのモル比は1.0対0と0.2対0.8との間で変化し、(A+B)とCとのモル比は1.0対0.05と1.0対1.1との間で変化し、式中、R4はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンまたはヘテロアリーレンを表し;R5は二官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、O、S、SO2またはC(CF3)2であり;R6はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R7は、二官能性の置換もしくは非置換C2〜C30アルキレン、C5〜C30置換もしくは非置換シクロアルキレン、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンであり;かつaおよびbは上述したような整数である。
【0021】
あるいは、上記重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレートは、下記の分子AおよびBとジイソシアネートCとの反応によって得られ、
【化12】
ここで、AとBとのモル比は1.0対0と0.2対0.8との間で変化し、(A+B)とCとのモル比は1.0対0.05と1.0対1.1との間で変化し、式中、R4はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R6はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンまたはヘテロアリーレンを表し;R7は、二官能性の置換もしくは非置換C2〜C30アルキレン、C5〜C30置換もしくは非置換シクロアルキレン、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンまたはヘテロアリーレンであり;かつaおよびbは上記のような整数である。
【0022】
重合性モノマーとしては、たとえば、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、3,(4),8,(9)−ジメタクリロイルオキシメチルトリシクロデカン、ジオキソランビスメタクリレート、ビニル−、ビニレン−もしくはビニリデン−、アクリル−もしくはメタクリル置換スピロオルトエステル、スピロオルトカーボネートまたはビシクロオルトエステル、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、フルフリルメタクリレートなどの単官能性または多官能性アクリレートまたはメタクリレートが使用できる。
【0023】
光開始剤は、例えば0.1〜3重量%の含有量のベンゾインメチルエーテル、ベンジルケタール、カンファーキノン/アミンもしくはアシルホスフィンオキシド、またはその他の慣用の有用な光開始剤である。
【0024】
本低収縮歯科材料には、無機充填剤、La2O3、ZrO2、BiPO4、CaWO4、BaWO4、SrF2、Bi2O3、多孔質ガラスなどの無機化合物、またはポリマー粒質物などの有機充填剤、または有機充填剤および/または無機充填剤の組み合わせ、または反応性無機充填剤であって約10μm以下の平均直径を有するものが充填される。
【0025】
上記の体積収縮は、重合コンポジットおよび未重合コンポジットの密度測定およびこれに続く体積収縮計算に基づくAccuPyc1300(Micrometrics、USA)を用いて測定した。この方法は、W.D.Cook等、Dent.Mat.15(1999)447において用いられ、説明されている。
【0026】
収縮を評価するためのアルキメデス法は未重合材料および重合材料の重量を空気中および水中で測定することに基づいている。これらの数値から密度が計算される。未重合材料および重合材料の各密度を用いて収縮を計算する。
【0027】
実施例1
2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン27.864g、エトキシル化Bis−GMA CD540 61.308g、ジエチレングリコールジメタクリレート2.500gおよびラウリン酸ジブチルスズ(dibutyl tinlaurate)0.330gを40℃で攪拌、加熱しながら均一に混合した。この反応混合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.898gを加え、2220cm−1におけるイソシアネートの吸収バンドが完全に消失するまで反応させた。
【0028】
その後、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール0.1g、カンファーキノン0.300gおよびジメチルアミノ安息香酸エチルエステル0.350gをこの重合性マトリックス樹脂に溶解した。この樹脂は、23℃における57.3±0.8Pa*sの粘度および20℃における1.5360の屈折率を有している。
【0029】
重合性マトリックス樹脂24.350gおよびバリウムアルモ(barium alumo)ケイ酸塩ガラス75.650gを用い、真空中で混合および撹拌することによりコンポジットを調製した。
【0030】
コンポジットの性質の概要を表1に示す。
【0031】
実施例2
2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン20.898g、エトキシル化Bis−GMA(CD540 Sartomer)63.395g、ビスフェノール−A−プロポキシラート(propoxylat)(1PO/フェノール)4.681g、ジエチレングリコールジメタクリレート2.500gおよびラウリン酸ジブチルスズ0.330を40℃において攪拌加熱しながら均一に混合した。この反応混合物にヘキサメチレンジイソシアネート7.898gを加え、2220cm−1におけるイソシアネートの吸収バンドが完全に消失するまで反応させた。
【0032】
その後、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール0.1g、カンファーキノン0.300gおよびジメチルアミノ安息香酸エチルエステル0.350gをこの重合性マトリックス樹脂に溶解した。この樹脂は、23℃における48.6±0.2Pa*sの粘度、20℃における1.5361の屈折率、および体積収縮dV(A)=4.15%を有している。
【0033】
重合性マトリックス樹脂24.560gおよびバリウムアルモケイ酸塩ガラス75.440gを用い、真空中で混合および撹拌することによりコンポジットを調製した。
【0034】
コンポジットの性質の概要を表1に示す。
【0035】
比較実施例1〜10
市販のコンポジットAccuPyc1330を用いた収縮測定の結果ならびにそれらの機械的性質を以下に要約する。
【表1】
【0036】
上記の説明による歯科材料が本発明の目的を達成し、当技術分野に貢献することは今や明らかであろう。上記の説明は、本発明の好ましい実施形態を例示するものである。しかしながら、ここで用いた概念は、本発明の範囲から逸脱することなく、上記説明に基づいて他の種々の実施形態において用いることができる。
(技術背景)
歯科充填材料は、重合性有機モノマーおよび/またはポリマー、重合性モノマー、重合開始剤、ならびに充填剤からなることが多い。知られている市販の歯科用コンポジットは、300〜500MPaの圧縮強度および130〜170MPaの曲げ強度などの有用な機械的性質を示す。さらに、過去の年月にわたって耐摩耗性、辺縁封鎖性(marginal integrity)、疲労挙動(fatigue behavior)およびそれらの光学的性質に関して改良が行われてきた。しかしながら、これらのコンポジットの重合中には2.5〜4.0%の体積収縮が生じることが多い。これは、材料中の微小破壊および時にはエナメル質辺縁亀裂(enamel edge cracks)を引き起こすことがある。これらの欠陥によって、二次的な虫歯が生じることが多い。したがって、他の有用な性質を犠牲にすることなしに低減された体積収縮を示す新たなコンポジット材料を提供することが望まれている。
【0002】
歯科材料用のモノマーとしては、その有利な特性から2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン(Bis−GMA)を使用することが知られている。しかしながら、このモノマーは比較的高い粘性を示すことから、粘性の低いモノマーを使用することが必要である。収縮が重合性有機モノマーの分子量に直接依存することが知られている。一方、モノマーの分子量の増加は樹脂の粘性の増加につながる。したがって、低い粘性を達成し、所望量の充填剤の混合を可能にするためにオリゴエチレングリコールジメタクリレートなどの重合性モノマーが用いられる。しかしながら、重合性モノマー類は、それ自体で比較的大きな収縮性を示し、例えば純粋なトリエチレングリコールジメタクリレートの場合12.89体積%である。このことは、高い架橋密度および脆性につながる。
【0003】
アルコキシル化Bis−GMAが15〜30%の含有量で比較的低粘度のモノマーとして用いられ、レドックス重合性ペースト−ペーストコンポジットに応用されてきた。しばしば、機械的性質、吸水および耐水性を改善するために他の重合性モノマーと併せてエトキシル化またはプロポキル化Bis−GMAが使用された。最近、ウレタンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル−オキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン、およびいわゆるビスEMA6を含むコンポジットが用いられてきた。もう一つは6〜8個のエトキシ部位を有するエトキシル化Bis−GMAであり、これは15〜45%の含有量で用いられる。特に断らない限り、すべてのパーセントまたは「%」は重量(w/w)によるものとする。
【0004】
セメント組成物を調製するためにジイソシアネートとグリセロールジ(メタ)アクリレートの反応生成物が用いられている。さらに、ビニルウレタン縮合物(オキシプロピル化ビスフェノール−A)、ヘキサメチレンイソシアネートおよびヒドロキシプロピルメタクリレートなどの化合物が調製されている。
【0005】
米国特許第4,089,763号には、最大寸法が500μm(マイクロメーターまたは「ミクロン」)を超えない粒子ならびにウレタン・プレポリマーおよび重合性エチレン不飽和モノマーの反応生成物である、少なくとも2個の重合性エチレン不飽和基を含む重合性プレポリマーを含む組成物を用いることによる歯の修復方法が記載されている。
【0006】
トリシクロデカン誘導体、ポリオール、ジイソシアネートおよびヒドロキシアルキルメタクリレートのウレタンジメタクリレートなどの特別なモノマーは、比較的小さな体積収縮を示し、このことは高分子量モノマーの使用が歯科用コンポジットへの応用に成功するであろうと期待される理由となっている。
【0007】
(発明の開示)
したがって、本発明の目的は、低収縮重合性歯科材料を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、歯科用修復材料として有用な材料を提供することである。
【0009】
これらおよびその他の本発明の目的は、以下の記載から明らかとなるであろう。そして、それらの目的は、特許請求の範囲に記載された本発明によって達成される。
【0010】
包括的には、低収縮重合性歯科材料は、
(i)有機または無機充填剤70〜85w/w、および
(ii)重合性樹脂マトリックス15〜30%w/wの混合物からなり、
2%v/v(体積による)以下の体積重合収縮を有する。別の実施形態においては、本材料は、
(i)重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレート25〜40%w/w、
(ii)アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレート45〜65%w/w、
(iii)重合性モノマー0〜20%w/w、
(iv)重合開始剤および/または増感剤および安定剤0.1〜3.0%w/w、および
(v)抗菌性化合物0〜10%w/wの混合物を含むことができる。
【0011】
別の実施形態においては、上記アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレートは、下記式:
【化5】
[R1およびR2は独立的にH(水素)または単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R3は二官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、O、S、SO2またはC(CF3)2を表し;aおよびbはa+bが約2〜約20であるような整数である]により特徴付けることができる。
【0012】
あるいは、上記アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレートは下記式:
【化6】
[式中、R1およびR2は独立的にHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;aおよびbはa+bが約2と約20との間にあるような整数である]により特徴付けることができる。
【0013】
さらに別の実施形態においては、上記重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレートは、下記分子AおよびBとC
【化7】
[式中、R4はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R5は二官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、O、S、SO2またはC(CF3)2であり;R6はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R7は二官能性の置換もしくは非置換C2〜C30アルキレン、C5〜C30置換もしくは非置換シクロアルキレン、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンであり;aおよびbは整数である]との反応生成物であり、AとBとのモル比が1.0対0と0.2対0.8との間で変化し、かつ(A+B)とCとのモル比が1.0対0.05と1.0対1.1との間で変化する。
【0014】
さらに別の実施形態では、上記重合性ジまたはポリ(メタ)アクリレートが、下記分子AおよびBとC
【化8】
[式中、R4はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R6はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R7は二官能性の置換もしくは非置換C2〜C30アルキレン、C5〜C30置換もしくは非置換シクロアルキレン、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンであり;aおよびbは上述したような整数である]との反応生成物から形成され、AとBとのモル比が1.0対0と0.2対0.8との間で変化し、かつ(A+B)とCのモル比が1.0対0.05と1.0対1.1との間で変化する。
【0015】
上記重合性モノマーは、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、3,(4),8,(9)−ジメタクリロイルオキシメチルトリシクロデカン、ジオキソランビスメタクリレート、ビニル−、ビニレン−またはビニリデン−、アクリル−またはメタクリル置換スピロオルトエステル、スピロオルトカーボネートまたはビシクロオルトエステル、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、フルフリルメタクリレートのような単官能性または多官能性アクリレートまたはメタクリレートである。
【0016】
(発明の説明)
驚くべきことに、2%v/v以下の体積重合収縮を有する低収縮重合性歯科材料が
(i)有機または無機充填剤70〜85w/w%、および
(ii)重合性樹脂マトリックス15〜30%w/wの混合物として得られることを見いだした。
【0017】
上記重合性樹脂マトリックスは、例えば、
(i)重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレート25〜40%w/w、
(ii)アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレート45〜65%w/w、
(iii)重合性モノマー0〜20%w/w、および
(iv)重合開始剤および/または増感剤および安定剤0.1〜3.0%w/wの混合物からなる。
【0018】
上記アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレートは、下記式によって特徴付けることができ、
【化9】
式中、R1およびR2は独立的にHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R3は二官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、O、S、SO2またはC(CF3)2を表し;かつaおよびbは整数である。好ましくは、a+bは2と20との間であり、より好ましくはa+bは8と20との間である。
【0019】
好ましくは、上記アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレートは、下記式により特徴付けられ、
【化10】
式中、R1およびR2は独立的にHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;かつaおよびbは整数である。
【0020】
有用な重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレートの例は、下記の分子AおよびBとジイソシアネートCとの反応生成物であり、
【化11】
ここで、AとBとのモル比は1.0対0と0.2対0.8との間で変化し、(A+B)とCとのモル比は1.0対0.05と1.0対1.1との間で変化し、式中、R4はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンまたはヘテロアリーレンを表し;R5は二官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、O、S、SO2またはC(CF3)2であり;R6はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R7は、二官能性の置換もしくは非置換C2〜C30アルキレン、C5〜C30置換もしくは非置換シクロアルキレン、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンであり;かつaおよびbは上述したような整数である。
【0021】
あるいは、上記重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレートは、下記の分子AおよびBとジイソシアネートCとの反応によって得られ、
【化12】
ここで、AとBとのモル比は1.0対0と0.2対0.8との間で変化し、(A+B)とCとのモル比は1.0対0.05と1.0対1.1との間で変化し、式中、R4はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンもしくはヘテロアリーレンを表し;R6はHまたは単官能性の置換もしくは非置換C1〜C18アルキル、C5〜C18置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンまたはヘテロアリーレンを表し;R7は、二官能性の置換もしくは非置換C2〜C30アルキレン、C5〜C30置換もしくは非置換シクロアルキレン、置換もしくは非置換C5〜C30アリーレンまたはヘテロアリーレンであり;かつaおよびbは上記のような整数である。
【0022】
重合性モノマーとしては、たとえば、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、3,(4),8,(9)−ジメタクリロイルオキシメチルトリシクロデカン、ジオキソランビスメタクリレート、ビニル−、ビニレン−もしくはビニリデン−、アクリル−もしくはメタクリル置換スピロオルトエステル、スピロオルトカーボネートまたはビシクロオルトエステル、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、フルフリルメタクリレートなどの単官能性または多官能性アクリレートまたはメタクリレートが使用できる。
【0023】
光開始剤は、例えば0.1〜3重量%の含有量のベンゾインメチルエーテル、ベンジルケタール、カンファーキノン/アミンもしくはアシルホスフィンオキシド、またはその他の慣用の有用な光開始剤である。
【0024】
本低収縮歯科材料には、無機充填剤、La2O3、ZrO2、BiPO4、CaWO4、BaWO4、SrF2、Bi2O3、多孔質ガラスなどの無機化合物、またはポリマー粒質物などの有機充填剤、または有機充填剤および/または無機充填剤の組み合わせ、または反応性無機充填剤であって約10μm以下の平均直径を有するものが充填される。
【0025】
上記の体積収縮は、重合コンポジットおよび未重合コンポジットの密度測定およびこれに続く体積収縮計算に基づくAccuPyc1300(Micrometrics、USA)を用いて測定した。この方法は、W.D.Cook等、Dent.Mat.15(1999)447において用いられ、説明されている。
【0026】
収縮を評価するためのアルキメデス法は未重合材料および重合材料の重量を空気中および水中で測定することに基づいている。これらの数値から密度が計算される。未重合材料および重合材料の各密度を用いて収縮を計算する。
【0027】
実施例1
2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン27.864g、エトキシル化Bis−GMA CD540 61.308g、ジエチレングリコールジメタクリレート2.500gおよびラウリン酸ジブチルスズ(dibutyl tinlaurate)0.330gを40℃で攪拌、加熱しながら均一に混合した。この反応混合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート7.898gを加え、2220cm−1におけるイソシアネートの吸収バンドが完全に消失するまで反応させた。
【0028】
その後、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール0.1g、カンファーキノン0.300gおよびジメチルアミノ安息香酸エチルエステル0.350gをこの重合性マトリックス樹脂に溶解した。この樹脂は、23℃における57.3±0.8Pa*sの粘度および20℃における1.5360の屈折率を有している。
【0029】
重合性マトリックス樹脂24.350gおよびバリウムアルモ(barium alumo)ケイ酸塩ガラス75.650gを用い、真空中で混合および撹拌することによりコンポジットを調製した。
【0030】
コンポジットの性質の概要を表1に示す。
【0031】
実施例2
2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン20.898g、エトキシル化Bis−GMA(CD540 Sartomer)63.395g、ビスフェノール−A−プロポキシラート(propoxylat)(1PO/フェノール)4.681g、ジエチレングリコールジメタクリレート2.500gおよびラウリン酸ジブチルスズ0.330を40℃において攪拌加熱しながら均一に混合した。この反応混合物にヘキサメチレンジイソシアネート7.898gを加え、2220cm−1におけるイソシアネートの吸収バンドが完全に消失するまで反応させた。
【0032】
その後、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール0.1g、カンファーキノン0.300gおよびジメチルアミノ安息香酸エチルエステル0.350gをこの重合性マトリックス樹脂に溶解した。この樹脂は、23℃における48.6±0.2Pa*sの粘度、20℃における1.5361の屈折率、および体積収縮dV(A)=4.15%を有している。
【0033】
重合性マトリックス樹脂24.560gおよびバリウムアルモケイ酸塩ガラス75.440gを用い、真空中で混合および撹拌することによりコンポジットを調製した。
【0034】
コンポジットの性質の概要を表1に示す。
【0035】
比較実施例1〜10
市販のコンポジットAccuPyc1330を用いた収縮測定の結果ならびにそれらの機械的性質を以下に要約する。
【表1】
【0036】
上記の説明による歯科材料が本発明の目的を達成し、当技術分野に貢献することは今や明らかであろう。上記の説明は、本発明の好ましい実施形態を例示するものである。しかしながら、ここで用いた概念は、本発明の範囲から逸脱することなく、上記説明に基づいて他の種々の実施形態において用いることができる。
Claims (17)
- 低収縮重合性歯科材料であって、
(iii)有機または無機充填剤70〜85w/w、および
(iv)重合性樹脂マトリックス15〜30%w/wの混合物からなり、
2%v/v以下の体積重合収縮を有する重合性歯科材料。 - 前記重合性樹脂マトリックスが、
(vi)重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレート25〜40%w/w、
(vii)アルコキシル化ビスフェノールジメタクリレート45〜65%w/w、
(viii)重合性モノマー0〜20%w/w、
(ix)重合開始剤および/または増感剤および安定剤0.1〜3.0%w/w、および
(x)抗菌性化合物0〜10%w/wの混合物からなる請求項1記載の低収縮重合性歯科材料。 - a+bが好ましくは2と20との間の範囲内にある請求項3記載の低収縮重合性歯科材料。
- a+bが8〜20である請求項3記載の低収縮重合性歯科材料。
- a+bが2〜20である請求項6記載の低収縮重合性歯科材料。
- a+bが8〜20である請求項6記載の低収縮重合性歯科材料。
- 前記重合性ジ−またはポリ(メタ)アクリレートが、下記分子AおよびBとC
- 前記重合性ジまたはポリ(メタ)アクリレートが、下記分子AおよびBとC
- 前記重合性モノマーが単官能性および多官能性アクリレートまたはメタクリレートである請求項2記載の低収縮重合性歯科材料。
- 前記モノマーが、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、3,(4),8,(9)−ジメタクリロイルオキシメチルトリシクロデカン、ジオキソランビスメタクリレート、ビニル−、ビニレン−またはビニリデン−、アクリル−またはメタクリル置換スピロオルトエステル、スピロオルトカーボネートまたはビシクロオルトエステル、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、フルフリルメタクリレートである請求項11記載の低収縮重合性歯科材料。
- 前記重合開始剤および/または増感剤が、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルケタール、カンファーキノンまたはアシルホスフィンオキシドからなる群より選ばれた光開始剤である請求項2記載の低収縮重合性歯科材料。
- 重合開始剤が、ジベンゾイルペルオキシド/芳香族または脂肪族第三アミン、第三ブチルペルオキシベンゾエート/アスコルビン酸/金属化合物から選ばれたレドックス開始剤である請求項2記載の低収縮重合性歯科材料。
- 前記充填剤が、無機充填剤;La2O3、ZrO2、BiPO4、CaWO4、BaWO4、SrF2、Bi2O3、多孔質ガラスなどの無機化合物またはポリマー粒質物などの有機充填剤または有機充填剤および/または無機充填剤の組み合わせまたは反応性無機充填剤である請求項1記載の低収縮重合性歯科材料。
- 前記充填剤が脆化ガラス繊維またはこれら充填剤と無機および/または有機充填剤との組成物である請求項1記載の低収縮重合性歯科材料。
- 前記抗菌性化合物が、トリクロサンまたはクロロヘキシジンから選ばれた抗菌作用物質である請求項1記載の低収縮重合性歯科材料。
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