JP2004503005A - 流体流れシミュレーションのための同次数法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、複合領域において移動自由表面を有する粘性の非圧縮層流のNavier−Stokes方程式を解くための方法を提供する。この方法は、離散化運動量方程式を、固定メッシュにおいて有限要素手順を使用して誘導する。この離散化運動量方程式の圧力および速度が、メッシュのすべての節点で定義される。この方法は離散化連続方程式をさらに提供し、速度が要素節点間のガウス点で定義される。さらに、ガウス点速度は節点速度の関数である。離散化運動量および連続方程式が解かれて圧力場が決定される。次いで、速度場が、新たに決定された圧力場から決定される。速度および圧力場が各節点で解かれるので、解の精度が保たれる。予測されたガウス点速度場は、質量を要素タイプについてのマシンの丸めレベルに保存し、圧力勾配および速度を一定のベースで評価することができる。
Description
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、同じ発明のものにより、同時係属で所有者が同じである2000年7月1日出願の「EQUAL ORDER METHOD FOR FLUID FLOW SIMULATION」という名称の米国特許出願第09/610,641号の一部継続出願である。参照される出願は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、Navier−Stokes方程式を解くための数値的方法に関し、粘性の非圧縮層流体流れのコンピュータ・シミュレーションにおける応用例を有し、詳細には、有限要素制御量の技術を使用した方法に関し、流体の速度および圧力が同じ次数で評価されて、計算効率を犠牲にすることなく解の精度が保たれるものである。
【0003】
(発明の背景)
非圧縮粘性流れのモデリングには一般に、Navier−Stokes方程式を解いて速度場を得ることが含まれる。Navier−Stokes方程式は、非圧縮粘性流れの質量保存および運動量バランスの基本法則を記載する。所与の圧力場について、運動量方程式を解くことにおける特定の難点はない。正確な圧力場を運動量方程式に代入することによって、結果として得られる速度場が連続制約を満たす。速度場の計算における難点は、圧力場がわからないときに存在する。圧力場は間接的に連続方程式を介して指定される。さらに、圧力を得るための明白な方程式はない。
【0004】
圧力の決定に関する難点は、圧力を運動量方程式から除く方法に通じてきた。たとえば、他者およびGosman他により記載された周知の「stream−function/vorticity method」(Heat and Mass Transfer in Recirculating Flows,Academic,ニューヨーク,1969年)である。流れ関数/渦度法はいくつかの魅力ある特徴を有しているが、圧力がとても巧妙に除かれており、これは頻繁に所望の結果、または、密度および他の流体特性の計算に必要な中間結果にさえなるものである。加えて、この方法を容易に3次元の状態に拡張することができない。大抵の実際の問題が3次元であるので、本質的に2次元に制限される方法は重大な制限を欠点として有する。
【0005】
運動量方程式を解くため、かつ圧力場を得るために、数値的方法が開発されてきた。有限差分法としては、SIMPLE(PatenkarによるSemi−Implicit Method for Pressure−Linked Equations,Numerical Heat Transfer and Fluid Flow,McGraw Hill,1980年)およびSIMPLER(SIMPLE Revised)アルゴリズムが、有限差分技術を使用した数値的方法の周知の例である。SIMPLEおよびSIMPLER法は有限要素技術を使用し、流れ領域を離散化し、運動量方程式を代数方程式のセットに変換する。圧力勾配項が、離散化された運動量方程式において、2つの格子点間圧力低下によって表現される。この表現の1つの結果は、圧力場の解の非一意性である。代替格子点での圧力の値が一様である限り、離散化された形式の運動量方程式は、チェッカーボード圧力場を一様の圧力場から区別することができない。しかし、チェッカーボード圧力場における結果に通じる可能性は、解を受け入れ不可能にするべきである。この表現の別の結果は、圧力が実質的に、実際に使用されたものより粗い格子から取られることである。この実施は解の精度を減らす。方程式の離散化では、すべての変数が同じ格子点上で計算されることが要求されないことが、理解されている。SIMPLEおよびSIMPLER法は圧力のチェッカー・ボーディングを、「スタッガード(staggered)」格子を速度成分のために使用することによって解く。スタッガード格子では、速度成分が、主要格子点の周囲の標準制御量に関連してスタッガードされた格子上で計算される。スタッガード格子に基づくコンピュータ・プログラムは、速度成分の場所についてのすべての索引付けおよび幾何学的情報を伴わなければならず、格子点間値の補間を実行しなければならない。さらに、「スタッガード」格子は、不規則的に成形された有限要素にメッシュされる流れ領域に適用することが困難である。
【0006】
非圧縮粘性の流れを有限要素法によりモデリングするとき、次数低減および次数低減積分法が、予測された圧力場におけるチェッカーボード問題を克服するように示唆されてきた。次数低減法は、圧力がより粗い格子において、たとえば、有限要素メッシュの代替節点の位置で評価されることを示唆する(BaligaおよびPatankarのA Control Volume Finite−Element Method for Two Dimensional Fluid Flows and Heat Transfer,Numerical Heat Transfer,6,245ー261(1980年))。次数低減積分法は、低次補間関数を使用して、1つの圧力項についての完全積分より少ない結果となる各要素内の圧力プロファイルを記載することを示唆する。次数低減法(reduced order method)または次数低減積分法(reduced integration method)のいずれも圧力場の精度を減らし、したがって後続の質量フラックス計算の精度を損なう。これらの方法は特定の応用例においてある成功を示しているが、それらの汎用な応用には多数の制限がある。特に、移動自由表面が存在するとき、予測された自由表面の場所の精度および分解能は、質量保存がどの程度十分に満たされるかに大いに依拠する。圧力場が密接に質量保存に結合されるので、圧力の次数を速度に相対的に減らすことは、質量保存の精度および予測された自由表面の場所も比例して減ることを意味する。
【0007】
したがって、非圧縮粘性流体流れの運動量方程式を、予測された速度、圧力および自由表面の場所の精度が計算効率を犠牲にすることなく保たれるように解く方法の必要性がある。
【0008】
(発明の概要)
したがって、本発明の1つの好ましい目的は、粘性の非圧縮層流体流れのNavier−Stokes方程式を解くための数値的方法であって、流体の速度および圧力が同じ次数で評価されて、計算効率を犠牲にすることなく解の精度が保たれる方法を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの好ましい目的は、運動量方程式を解くため、かつ、全体的な質量保存をマシンの丸め許容差に維持することができるような精度の解を提供するための数値的方法を提供することである。
【0010】
本発明の一実施形態は、結合された運動量および質量保存式を解くための数値的方法である。この方法はプロセッサ環境内で動作することが好ましい。この方法は流れ領域を有限要素のメッシュに離散化する。速度、圧力および質量保存において同じ精度を維持するために、速度および圧力が各節点で定義され、運動量方程式が、典型的な有限要素手順により離散化される。予測された圧力場におけるチェッカーボード問題は、ガウス点速度場を各要素内の圧力勾配と同じ次数により定義することによって回避され、連続方程式が、節点速度ではなくガウス点速度により離散化される。ガウス点は、多次元高次多項式を数値的に積分することができるサンプリング点である。ガウス点、およびガウス求積法と呼ばれる数値的積分法の詳細は、T.Y.YangによるFinite Element Structural Analysis,Prentice−Hall Inc.において見つけることができる。提案された方法がチェッカーボード問題を、解の精度を犠牲にすることなく除くことができる理由は、線形(1次)三角形要素におけるその効果をPatankarのスタッガード格子法と比較することによって、最も明らかに例示することができる。速度および圧力が各節点上で定義された線形三角形(3節点)要素では、圧力勾配が定数である。提案された方法によれば、ガウス速度が定数であるべきであり、これは3つの節点における速度の平均に等しい。概念上、この単一点ガウス速度は、複数の節点で定義された圧力場の内部で「中心化」され、これは、スタッガード点を有限差分手順においてPatankerの方法における速度について使用する効果に類似する。数学的根拠のより詳細はこの実施形態の記載に含まれる。速度および圧力場が各節点で解かれるので、解の精度が保たれる。予測されたガウス点速度場は、質量を要素タイプについてのマシンの丸めレベルに保存し、圧力勾配および速度を一定のベースで評価することができる。本発明の一態様は、流れ領域における非圧縮性の粘性の流れの支配方程式を解く方法を提供することであり、この方法は、前記流体流れの前記流れ領域の離散化されたメッシュを提供することを含み、前記メッシュは節点を有する要素を含み、さらに、離散化運動量平衡方程式を有限要素定式化に基づいて誘導することを含み、圧力および速度が前記メッシュの要素のあらゆる節点で定義され、さらに、離散化質量保存式を前記有限要素定式化に基づいて誘導することを含み、圧力勾配が各要素上で定義され、速度が各要素内のガウス点で定義され、それにより前記ガウス点速度は前記圧力勾配と同じ次数を有し、さらに、速度および圧力を前記流れ領域の各節点で決定すること、前記誘導および前記決定を、前記速度値の収束テストが満たされるまで繰り返すことを含む。
【0011】
本発明のもう1つの態様は、非圧縮粘性流体流れをシミュレートするための、プロセッサ環境内で動作する方法であり、この方法は、前記流体の材料特性および境界条件を入力すること、前記流体流れの流れ領域を有限要素のメッシュに離散化することを含み、各要素は節点を有し、さらに、圧力および速度を前記節点で定義すること、離散化運動量方程式を節点で定義された前記速度および圧力に基づいて誘導すること、ガウス点速度を前記各要素内で定義することを含み、前記ガウス点速度は前記要素における圧力勾配と同じ次数を有し、前記節点で定義された前記速度の関数であり、さらに、離散化連続方程式を前記ガウス点速度に基づいて誘導すること、前記有限要素の前記各節点での圧力および速度の値を決定すること、および前記誘導および前記決定を、前記速度値の収束テストが満たされるまで繰り返すことを含む。
【0012】
本発明のさらなる態様は、流れ領域内の粘性、非圧縮性の層流の運動量方程式を解くための、プロセッサ環境内で動作する数値的方法であり、この方法は、(a)前記流れ領域を、節点およびフラクシング(fluxing)表面を有する有限要素のメッシュに離散化すること、(b)運動量方程式を形成することを含み、速度および圧力が前記有限要素の各節点で定義され、さらに、(c)前記各有限要素内のガウス点速度を定義することを含み、前記ガウス点速度は同じ前記各有限要素の節点で定義された前記速度から計算され、さらに、(d)速度を更新すること、(e)前記形成、コンピューティング、計算および更新を、前記速度の収束テストが満たされるまで繰り返すことを含む。
【0013】
他の目的、実施形態、形式、態様、特徴、利点および利益は、本明細書に提供された記載および図面から明らかになるであろう。
【0014】
(好ましい実施形態の説明)
本発明の原理の理解を促進するため、以下で図面において例示した実施形態を参照し、特定の言語を使用して同じものを記載する。それにもかかわらず、本発明の範囲の制限がそれにより意図されないことは理解されよう。例示した実施形態におけるいかなる変更およびさらなる修正、および、本発明が関係する技術分野の当業者に標準的に想起されるであろうものとして企図される、本明細書に例示した本発明の原理のいかなるさらなる応用も含まれる。
【0015】
例示した本発明の実施形態は、運動量および質量保存式を解いて、複合領域における非圧縮性の流体流れの速度および圧力分布を得るために適用可能な方法である。この方法はガウス点速度場を導入し、これが圧力におけるチェッカーボード問題を防止し、圧力および速度をあらゆる節点で評価できるようにし、よってこの名称が同次数法となる。この方法は、流体の速度および圧力への正確な解を提供し、流体の質量保存を、計算デバイスの切捨て制限(マシンの丸めレベル)に満たすことができるようにする。この方法の一実施形態は、溶解材料流れのコンピュータ・シミュレーションに組み込むために設計される。これらのシミュレーションは、鋳造挙動の予測、鋳型設計の効率の向上、および、温度および注入速度制御など、適切な処理状態の決定において利点を有する。最も重要なことは、正確な質量保存が収縮孔の形成をシミュレートするために必須であることである。凝固中の合金の密度増大は小さく、たとえばAl357では6%なので、質量保存における小さい誤差が拡大され、予測された孔への有意な誤差に通じる可能性がある。さらに、圧力場が連続方程式に結合されるので、質量保存からのいかなる逸脱も、大きい非物質的な変動を、予測された圧力場において引き起こすようになる。結果として、モデルが、鋳型において必要とされた注入/ドエル圧力または対応するクランプ力を予測することができなくなる。
【0016】
本発明の方法は一般に、移動自由表面の有無にかかわらず、安定または不安定な問題について、ニュートンまたは非ニュートン流体に適用可能である。
本発明の好ましい実施形態は、プロセッサ・ベースの計算デバイス内で動作するように設計される。通常、この方法のロジック・ルーチンは記憶媒体上に存在し、これは例えば、ハード・ディスク、光ディスク、磁気テープ、またはプロセッサによってアクセス可能であるいずれかの現況技術の記憶媒体である。このとき図1を参照すると、本発明の方法を実行することができる、典型的なプロセッサ・システムが示される。従来のコンピュータ・システム2はプロセッサ4を含み、これは読み取り専用メモリ(ROM)およびランダム・アクセス・メモリ(RAM)へのアクセスを有し、ケーブルまたは他の手段によって入力および出力デバイスに動作可能に接続される。例示したように、これらの入力および出力デバイスには、ディスプレイ5、キーボード6、マウス7、プリンタ8、入力/出力記憶装置9またはそれらのいかなる組合せもが含まれる可能性がある。プロセッサ4はオペレーティング・システムと協同して、この方法のロジック・ルーチンを実行し、データを入力デバイスから受信かつ格納し、計算を実行し、データを出力デバイスに送信する。別法として、実行可能プログラム、入力データおよび出力データをローカル・システムに、あるいはネットワークを介してアクセスすることができるリモート・システムに格納することができる。従来のコンピュータ・システムを例示したが、他の接続手段、および入力および出力デバイスを、本発明から逸脱することなく代りに使用することができる。具体的には、例示したこの方法の実施形態は、UNIX(登録商標)オペレーティング・システムを使用してSilicon Graphicシステム内で動作する。しかし、類似の計算機能、メモリ機能およびグラフィック表示を有する他のシステムを使用することもできる。
【0017】
本発明の方法は、有限要素手順に基づいて開発され、流れ領域が、節点(または格子点)を有する有限要素のメッシュに細分され、そこで変数、たとえば速度、圧力およびフロント・ロケーション・パラメータが定義される。有限要素メッシュは、モデリングされる流れ領域に応じて1、2または3次元にすることができる。
【0018】
「流れ領域」という用語は以下で、その内部で流体が流れることができる物理的または論理的な境界、たとえば鋳型として定義される。流れ領域を部分的に液体によって充填することができるので、これらの変数を空の領域において解くことは効率的ではなくなる。計算効率を向上させるために、「計算領域」が流れ領域内の要素のサブセットとして定義され、そこで空間が液体によって充填される。計算領域の境界外部の変数は解かれない。不安定な問題では、計算領域の境界が、流体が流れ領域を通って流れるときに各時間ステップにおいて調整される。
【0019】
可変パラメータが有限要素メッシュの節点で評価される。これらの可変パラメータには、たとえば圧力および温度などのスカラ、およびたとえば2/3次元問題における速度などのベクトルが含まれる。典型的な有限要素方法に従って、いかなる空間座標における可変パラメータも、その節点の値およびいわゆる形状関数を使用して補間することができる。各要素について、運動量形状関数Niのセットおよび質量形状関数Miのセットを定義することができ、要素内部の変数fの関数値を以下のように表すことができる。
【0020】
【数10】
【0021】
ただし、Fiはi番目の節点における変数の値であり、Liはi番目の節点に関連付けられた運動量形状関数Niまたは質量形状関数Miのいずれかであり、nは要素における節点の総数である。
【0022】
節点における各速度成分について、線形代数方程式を運動量方程式から誘導することができ、運動量形状関数および節点速度および節点圧力変数により表すことができる。同様に、連続方程式が質量形状関数およびガウス点速度変数により離散化される。これらの代数方程式を解くことによって、Navier−Stoke方程式への近似解を得ることができる。
【0023】
離散化方程式を、いくつかの従来の有限要素手順に従って誘導することができ、これはたとえばリッツ、ガラーキン、最小二乗法、配置、または一般には、J.N.Reddyによる「An Introduction to the Finite Element Method」,McGraw−Hill International Book Companyにおける重み付け残差有限要素法、または「Control−Volume Based Finite−Element Formation of the Heat Conduction Equations」,Progress in Astronomical and Aeronautical Engineering,Vol.86,305ー327ページ,1983年)における制御量有限要素法である。一実施例として、ガラーキンまたは制御量有限要素法では、1セットの形状関数を使用して、変数が要素上でどのように変化するかを記載する。形状関数は、線形またはそれより高い次数にすることができる。好ましい実施形態では、運動量方程式が上の手順のうちの1つに従って離散化される。質量保存(連続)式は、各要素における圧力勾配と同じ次数を有する、特に定義されたガウス速度により離散化される。
【0024】
結果として生じる離散化運動量および質量保存式を解くための多数の方法がある。収束解を受け入れ可能な誤差内で生成することができるいかなるソルバも、提案された方法により適用可能である。しかし、変数の数が多いとき、たとえば、大型の複雑な空洞における溶解合金の流体流れおよび熱伝導をシミュレートするとき、すべての方程式が一度に直接解かれる場合、計算プロセスが不十分になる可能性がある。好ましい実施形態では、離散化運動量方程式が連続方程式に挿入されて、ポワソン圧力方程式が形成される。ポワソン圧力方程式は、直接あるいは反復的に解くことができる。反復的なソルバは、直接的なソルバより少ない記憶を必要とし、より少ない計算ステップを必要とする可能性がある。しかし、反復は、数列が不都合な状態にある場合、収束しない可能性がある。新しい圧力場が得られた後、各速度成分が、対応する運動方程式から連続的に更新される。上の手順は、圧力および速度場における増分変化が、プロセッサの切捨て制限など、無視可能なほど小さくなるまで、繰り返される。
【0025】
このとき図2を参照すると、この図は、制御量有限要素法に基づいて開発された本発明の方法の一実施形態の流れ図を示し、結合された質量および運動量方程式が反復的に解かれるものである。例示した制御量有限要素定式化では、Navier−Stoke運動量微分方程式が、各制御量上で積分される。節点の間の可変パラメータの変量を表す区分的プロファイルが、必要とされた積分を評価するために使用される。この結果、離散化方程式が節点のグループの可変パラメータの値を含むことになる。この方法で得られた離散化方程式は、有限制御量のための可変パラメータについての保存原理を表す。制御量ベースの有限要素定式化の魅力ある一特徴は、結果として生じる解が、質量、運動量およびエネルギーなどの量の積分保存を制御量のいかなるグループ上でも、かつ、計算プロセッサの切捨て制限内の計算領域全体上で満たすことができることである。
【0026】
(a)有限要素メッシュの作成、段階101。
段階101で、流れ領域が、節点(または格子点)を有する有限要素のメッシュに離散化または細分され、一義に定義された制御量が各節点を囲んで構築される。各節点に隣接した要素が、制御量の一部(副制御量)および対応する制御量フラクシング面を収容する。いかなるタイプの要素のメッシュも使用することができ、これは例えば、有限差分法に類似した規則的な格子、または典型的な有限要素法に従って作成された不規則的なメッシュである。不規則的なメッシュは、不規則的な領域の適合において、かつローカル・グリッド・リファインメント(local grid refinement)の提供においてより柔軟性を提供する。提案された同次数法は、移動または固定有限要素メッシュのいずれかに適用可能である。移動メッシュ法は、移動自由表面の場所においてより正確な予測を生成することができる。しかし、移動メッシュ法はしばしば、時間ステップにおける制限によるメッシュの歪みおよびより重い計算を欠点として有する。固定メッシュが本発明において好ましく、これは主として、複合領域における自由表面流れを処理するためのその柔軟性のためである。
【0027】
有限要素メッシュを、いかなる従来の手順によって作成することもできる。このような適切な手順は、たとえば1991年4月24日に発行されたArakawaの「Three−Dimensional Geometry Processing Method and Apparatus Therefor」という名称の米国特許第5,010,501号、および1996年9月3日に発行されたMeshkatの「Method and System for Producing Mesh Representations of Objects」という名称の米国特許第5,553,206号において開示されている。
【0028】
2次元問題のモデリングでは、2次元有限要素メッシュが必要となり、図3および4に示すものに類似した三角形有限要素のメッシュが好ましく、これもその幾何学的柔軟性のためである。しかし、quadra−lateral要素も適用可能である。このとき図3を参照すると、三角形有限要素10が3つの頂点12を有する。流体の可変パラメータ、すなわち、温度、速度および圧力が、要素10の節点(格子点)12で評価される。本発明の詳細、ガウス点速度Vgおよびガウス点圧力勾配▽Pgが各要素内で定義され、これらが同じ次数を有し、節点12での変数から計算されるようになる。
【0029】
有限要素10は、辺の中点14を質量重心16に結合することによって、3つの副制御量18に分割することができる。各副制御量18は、4つのフラクシング表面30によって境界が付けられ、ここで材料が1つの副制御量から別の制御量へ流れることができる。頂点12を囲むこれらの副制御量18がその節点についての制御量を形成する。例えば、図4のように、頂点22が6つの副制御量23―28によって囲まれ、陰影の付いた面積が頂点22の制御量20を表現する。制御量20が6つの副制御量23ー28からなることを例示したが、副制御量のうちいくつかのみが液体によって充填されるか、あるいは部分的に充填されることが可能である。したがって、充填、および部分的に充填された制御量のみが計算領域に含まれる。所与のメッシュでは、各SCVにおける充填状況を定義する方が、制御量全体においてのみ充填状況を定義するよりも、予測された移動自由表面へのよりよい柔軟性およびよりよい分解能を提供することができる。しかし、制御量全体における充填状況を定義することにより、プログラムの構造が簡素化される。
【0030】
3次元問題のモデリングでは、3次元有限要素メッシュが必要となる。四面体要素が六面体要素よりも好ましく、これは使用可能な自動四面体メッシャの好都合さのためである。図5のように、線形四面体要素40は4つの頂点42および4つの表面を有する。有限要素40を、表面の質量中心44(四面体要素40の各表面の質量中心)を量の質量重心46(四面体の質量重心)に結合することによって、4つの副制御量48に分割することができる。各副制御量48は、6つのフラクシング表面を有する六面体である。
【0031】
三角形および四面体有限要素を例示し、これらが好ましいが、他の幾何学形状有限要素またはそれらの組合せを使用できることを理解されたい。加えて、線形有限要素をその簡素さのために例示する。しかし、有限要素を他のいずれかの次数にすることができることが企図される。
【0032】
計算領域は、不必要な変数を除外するように、かつ、計算時間を短縮するように定義されることが好ましい。計算領域の境界を、米国特許第5,572,434号において開示されたWang他に従って描くことができ、その開示が全体として明白に参照により本明細書に組み込まれる。Wangは計算領域の境界を、流れ領域における要素の充填状況に従って描く。Wangは、図6のような三角形要素の流れ領域について、空の要素62がその副制御量のすべてが空である要素であること、充填要素64がそのすべての副制御量が充填された要素であること、および部分充填要素66が少なくとも1つの、しかしその副制御量のすべてより少ない部分が充填された要素であることを定義する。さらに、Wangは、流れ領域の節点を内側または外側節点として指定する。節点が充填副制御量のみによって囲まれている場合、これは「内側節点」67として指定される。他のすべてのノードは「外側節点」である。これらの外側節点がさらにいくつかのグループに分割され、充填および部分充填副制御量に関連付けられた外側節点が「自由表面節点」68として知られ、自由表面節点に隣接しているが、それ自体は充填副制御量に関連付けられていないものが「駆動節点」69と呼ばれる。計算領域の境界70は、空の副制御量に関連付けられるこれらの外側節点を連結し、駆動節点に隣接する線として定義される。Wangの計算領域を定義する方法を例示したが、意味をなす解を可能にする、計算領域を定義する他のいかなる方法も、本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0033】
(b)初期パラメータを入力する、段階102。
段階102で、有限要素メッシュ、制御量の充填状況、流体の特性、たとえば温度、圧力および速度などの可変パラメータの初期値、およびこれらの変数の境界制約が入力される。これらの変数の値は、反復計算が進行するにつれて更新される。
【0034】
(c)離散化運動量方程式を誘導する、段階103。
流体流れの質量および運動量の保存を支配する汎用方程式を、式(1)ー(4)によって表すことができる。
【0035】
質量の保存は以下の通りである。
【0036】
【数11】
【0037】
運動量の保存は以下の通りである。
【0038】
【数12】
【0039】
【数13】
【0040】
【数14】
【0041】
ただし、以下の通りである。
x,y,z=デカルト座標変数
u,v,w=それぞれx、yおよびz方向における速度ベクトルVの大きさ
τ=時間
ρ=流体の密度
P=圧力
V=流れ速度ベクトル
μ=粘性
gx,gy,gz=それぞれx、yおよびz方向における重力の大きさ
【0042】
上の運動量方程式(2)ー(4)は、非圧縮粘性流れの基本的な保存法則を記載する。式(2)ー(4)は、それぞれが流体流れに関係する物理現象を表すいくつかの項の合計である。これらの項の実施例には、慣性、移流、拡散、体積力および圧力勾配が含まれる。一般に、解決かつ選択される問題に直接関係のある項、および残りの項がグループ化され、集合的にソース項として定義される。制御量有限要素定式化を使用して、要素行列を計算して関心のある項を概算することができる。次いで、これらの行列が全体運動量行列(離散化運動量方程式のセット)に組み立てられ、これを反復的、明示的あるいは暗示的、あるいはそれらの組合せで解いて、Navier−Stoke方程式の解を概算することができる。
【0043】
例示したこの方法の実施形態は、SchneiderおよびZedanによって提示された、全体運動量行列を組み立てるための方法(「Control−Volume−Based Finite Element Formulation of the Heat Conduction Equations」,Progress in Astronomical and Aeronautical Engineering,Vol.86,305ー327ページ、1983年)に従う。「線形形状関数」またはプロファイル仮定を使用して、従属変数が要素上でどのように変化するかを記載する。支配方程式が制御量上で積分され、これは各副制御量からの制御量についての積分保存への寄与を含む。
【0044】
SchneiderおよびZedanの方法を例示するが、他の制御量ベースの手順またはガラーキン法を使用することができる。
例示した実施形態では、移流、拡散および圧力勾配についての項が選択される。組立てプロセスの後、各運動量方程式の左側を、速度成分上で動作する係数行列によって表現することができる。右側にはソース項および圧力勾配項がある。
【0045】
数学的に、被積分関数が定数であるとみなされる場合、式(5)は以下のような結果となる。
【0046】
【数15】
【0047】
移流項では、streamline upwind演算子が使用され、以下の式(6)によって表現される。
【0048】
【数16】
【0049】
ただし、φはいずれかの従属変数、Sは流線に沿った距離、添字vは量を示し、添字sは流線関数を示す。
拡散項では、グリーンの定理を使用して、量積分を、境界をなす表面を通じたフラックスの積分に変換し、これを以下の式(7)によってモデリングする。
【0050】
【数17】
【0051】
ただし、σ、vは表面および量積分をそれぞれ示し、φはいずれかの従属変数であり、Jはフラックスの寄与であり、ωは面積である。節点iからの面jについてのフラックスの寄与は、式(8)によって以下のように表される。
【0052】
【数18】
【0053】
ただし、以下の通りである。
Niは形状関数であり、a11ーa33はヤコビアン行列の余因子であり、ωxj、ωyj、ωzjは面積ωの成分であり、αは拡散率である。
【0054】
組立てプロセスの後、運動量方程式の左側の各項が、速度成分上で動作する係数行列によって表現される。
簡単にするために2次元の場合を考察すると、組み立てられた全体運動量方程式を、以下のように式(9)および(10)によってモデリングすることができる。
【0055】
【数19】
【0056】
【数20】
【0057】
ただし、aij項は影響係数行列を作成し、nは近隣副制御量のフラクシング面の総数である。圧力勾配を面積積分の外側に引っ張ると、式(9)および(10)が以下の式(11)ー(15)のように計算し直される。
【0058】
【数21】
【0059】
かつ、
【0060】
【数22】
【0061】
であり、ただし以下の通りである。
【0062】
【数23】
【0063】
【数24】
【0064】
【数25】
【0065】
節点ハット速度u^iおよびv^iは、近隣の副制御量の節点速度ujおよびvjからなり、圧力成分を含まない。
例示した本発明の実施形態は、線形要素を有する2次元の流れに適用されるが、この方法は、より高次の要素を有するより低いかつより高い次元の流れに適用可能であることを理解されたい。
【0066】
(d)節点ハット速度u^i、v^iおよびKiを計算する、段階104。
段階104で、係数行列aijが最初に、最初に提供された推定速度場から計算される。これらの新たに計算された係数行列の値および節点速度値である、近隣の副制御量から解釈されたujおよびvjを使用して、節点ハット速度u^i、v^iおよびKiが式13ー15に従って計算される。
【0067】
(e)ガウス点ハット速度およびガウス点係数を計算する、105
段階105で、本発明はガウス点速度ベクトルおよびその関連する係数を要素平均量として定義する。ガウス点ハット速度u^g、v^gおよびガウス点係数項Kgは、それらの節点相対物の平均値であり、以下の式(16)ー(18)によって提供される。
【0068】
【数26】
【0069】
【数27】
【0070】
かつ、
【0071】
【数28】
【0072】
であり、ただし、neは要素内のフラクシング面の数である。ガウス点速度を以下のように表すことができる。
【0073】
【数29】
【0074】
【数30】
【0075】
上のガウス点速度ugおよびvgについての2次元式では、圧力勾配∂P/∂x、∂P/∂yがフラクシング表面上で一定である。整合性のため、項ug、vgおよびKgもフラクシング表面上で一定でなければならない。
【0076】
従来は、ガウス点項の補間は、要素形状関数Niを使用して計算されていたであろう。しかし、形状関数を含む計算はガウス点速度に、要素に渡って線形変化を与え、その間、圧力勾配は要素上で一定である。この矛盾は結果として、質量をマシンの丸めレベルに保存することができない計算スキームを生じ、チェッカーボード圧力に通じる。
【0077】
(f)ポワソン圧力方程式を形成し、解く、段階106。
段階106で、ガウス点フラクシング速度ugおよびvgについての式を以下の連続方程式(21)に挿入することにより、
【0078】
【数31】
【0079】
圧力についてのポワソン方程式が得られる。ポワソン圧力方程式(22)は以下のように表される。
【0080】
【数32】
【0081】
この方程式を要素のフラクシング表面である面積A上で積分すると、圧力場を以下のように表すことができる。
【0082】
【数33】
【0083】
グリーンの定理を使用して、これらの面積積分が線積分に変換され、これを以下の式(24)によって表現する。
【0084】
【数34】
【0085】
ただし、δは線経路である。先に段階105で計算されたガウス点ハット速度およびガウス点係数項u^g、v^gおよびkμcの値を使用して、ポワソン圧力方程式を解いて、各要素での圧力勾配を出すことができる。この面積積分が、圧力場の式(23)が解かれる前に、線積分に変換されることを例示したが、異なる数学的操作を使用する他の方法を使用することができる。例えば、元の面積積分を解くガラーキン定式化を使用することができる。さらに、運動量方程式および質量保存式を、線形行列方程式のセットに結合し、例えば、行列反転法など直接的なソルバ、または例えば、共役勾配法など反復的なソルバを使用することによって解くことができる。
【0086】
(g)速度場を更新する、段階107。
節点速度項uiおよびvi、およびガウス点速度ugおよびvgを、新たに誘導された圧力場および値u^i、v^i、Ki、u^g、v^gおよびKgを式11、12、19および20に挿入することによって、計算することができる。
【0087】
圧力および速度場が更新された後、例えば、各SCVの充填状況および温度など、流体の流動学的かつ熱物理的特性に影響を及ぼす他の変数が、更新速度場を使用して決定される。流れ場に影響を及ぼさない変数では、これらの値が、流れ場が収束した後に決定されることが好ましい。
【0088】
(h)速度収束についてチェックする、段階108。
反復プロセスは、さらなる反復が従属変数の精度を向上しないとき、収束したと言われる。実際には、反復プロセスは、所望の精度が得られるときに終了される。運動量方程式が非線形であり、流体特性は速度場および温度により変化する可能性があるので、反復は、増分変化が無視可能なほどに小さくなるまで要求される。この方法のこの例示的実施形態では、すべての速度値がユーザにより供給された許容差に収束するまで、流れ方程式が反復的に解かれる。上の収束基準が、例示した実施形態について選択されたが、他の収束基準、例えば、範囲またはしきい値を、本発明の精神から逸脱することなく使用することができる。
【0089】
この段階で、この方法は、熱の流れ場が安定する場合、完了される。そうでない場合、この方法が段階103へ戻り、更新された変数を後に続く時間ステップに使用して、式のセットを形成する。
【0090】
数値的テストは、通常、その反復中に高粘性の流れについて速度場が高速に収束することを示している。しかし、より低いレイノルズ数を有する流体では、結合された質量および運動量方程式を同時に解くことにより、より高速な収束を得ることを促進することができる。
【0091】
加えて、質量および運動量方程式を要素レベルで維持するために、ガウス点フラクシング速度場が実際に質量をマシンの丸めレベルに保存することが観察される。さらに、圧力のチェッカー・ボーディングが除去される。
【0092】
ガウス点速度および圧力場を使用して、結合された質量および運動量方程式を解くことは、例示した方法に限定されないことを理解されたい。本発明は、例えば、ガラーキンの方法など、他の重み付け残差定式化によって誘導された運動量方程式の他の離散化形式に適用可能である。加えて、本発明はまた、式を暗示的に解く方法、例えば、ペナルティ関数法にも適用可能である。
【0093】
本発明を図面および前述の記載において詳細に例示かつ記載したが、これは特性において制限的ではなく例示的であるとみなされるべきであり、好ましい実施形態のみを示し、記載したこと、および、本発明の精神内に入るすべての変更および修正が保護されることが望まれることは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのマシンの概略図である。
【図2】本発明の方法の一実施形態を概略的に示す流れ図である。
【図3】本発明の方法の例示された実施形態において使用されるものに類似した三角形有限要素の一実施例の図である。
【図4】本発明の方法の例示された実施形態によって好ましいとされる、制御量および関連付けられた副制御量およびフラクシング表面を含む、三角形有限要素メッシュの一実施例の図である。
【図5】本発明の方法の一実施形態によって好ましいとされる四面体有限要素の一実施例の図である。
【図6】計算領域の境界を示す2次元流れ領域の一実施例の図である。
(関連出願の相互参照)
本願は、同じ発明のものにより、同時係属で所有者が同じである2000年7月1日出願の「EQUAL ORDER METHOD FOR FLUID FLOW SIMULATION」という名称の米国特許出願第09/610,641号の一部継続出願である。参照される出願は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、Navier−Stokes方程式を解くための数値的方法に関し、粘性の非圧縮層流体流れのコンピュータ・シミュレーションにおける応用例を有し、詳細には、有限要素制御量の技術を使用した方法に関し、流体の速度および圧力が同じ次数で評価されて、計算効率を犠牲にすることなく解の精度が保たれるものである。
【0003】
(発明の背景)
非圧縮粘性流れのモデリングには一般に、Navier−Stokes方程式を解いて速度場を得ることが含まれる。Navier−Stokes方程式は、非圧縮粘性流れの質量保存および運動量バランスの基本法則を記載する。所与の圧力場について、運動量方程式を解くことにおける特定の難点はない。正確な圧力場を運動量方程式に代入することによって、結果として得られる速度場が連続制約を満たす。速度場の計算における難点は、圧力場がわからないときに存在する。圧力場は間接的に連続方程式を介して指定される。さらに、圧力を得るための明白な方程式はない。
【0004】
圧力の決定に関する難点は、圧力を運動量方程式から除く方法に通じてきた。たとえば、他者およびGosman他により記載された周知の「stream−function/vorticity method」(Heat and Mass Transfer in Recirculating Flows,Academic,ニューヨーク,1969年)である。流れ関数/渦度法はいくつかの魅力ある特徴を有しているが、圧力がとても巧妙に除かれており、これは頻繁に所望の結果、または、密度および他の流体特性の計算に必要な中間結果にさえなるものである。加えて、この方法を容易に3次元の状態に拡張することができない。大抵の実際の問題が3次元であるので、本質的に2次元に制限される方法は重大な制限を欠点として有する。
【0005】
運動量方程式を解くため、かつ圧力場を得るために、数値的方法が開発されてきた。有限差分法としては、SIMPLE(PatenkarによるSemi−Implicit Method for Pressure−Linked Equations,Numerical Heat Transfer and Fluid Flow,McGraw Hill,1980年)およびSIMPLER(SIMPLE Revised)アルゴリズムが、有限差分技術を使用した数値的方法の周知の例である。SIMPLEおよびSIMPLER法は有限要素技術を使用し、流れ領域を離散化し、運動量方程式を代数方程式のセットに変換する。圧力勾配項が、離散化された運動量方程式において、2つの格子点間圧力低下によって表現される。この表現の1つの結果は、圧力場の解の非一意性である。代替格子点での圧力の値が一様である限り、離散化された形式の運動量方程式は、チェッカーボード圧力場を一様の圧力場から区別することができない。しかし、チェッカーボード圧力場における結果に通じる可能性は、解を受け入れ不可能にするべきである。この表現の別の結果は、圧力が実質的に、実際に使用されたものより粗い格子から取られることである。この実施は解の精度を減らす。方程式の離散化では、すべての変数が同じ格子点上で計算されることが要求されないことが、理解されている。SIMPLEおよびSIMPLER法は圧力のチェッカー・ボーディングを、「スタッガード(staggered)」格子を速度成分のために使用することによって解く。スタッガード格子では、速度成分が、主要格子点の周囲の標準制御量に関連してスタッガードされた格子上で計算される。スタッガード格子に基づくコンピュータ・プログラムは、速度成分の場所についてのすべての索引付けおよび幾何学的情報を伴わなければならず、格子点間値の補間を実行しなければならない。さらに、「スタッガード」格子は、不規則的に成形された有限要素にメッシュされる流れ領域に適用することが困難である。
【0006】
非圧縮粘性の流れを有限要素法によりモデリングするとき、次数低減および次数低減積分法が、予測された圧力場におけるチェッカーボード問題を克服するように示唆されてきた。次数低減法は、圧力がより粗い格子において、たとえば、有限要素メッシュの代替節点の位置で評価されることを示唆する(BaligaおよびPatankarのA Control Volume Finite−Element Method for Two Dimensional Fluid Flows and Heat Transfer,Numerical Heat Transfer,6,245ー261(1980年))。次数低減積分法は、低次補間関数を使用して、1つの圧力項についての完全積分より少ない結果となる各要素内の圧力プロファイルを記載することを示唆する。次数低減法(reduced order method)または次数低減積分法(reduced integration method)のいずれも圧力場の精度を減らし、したがって後続の質量フラックス計算の精度を損なう。これらの方法は特定の応用例においてある成功を示しているが、それらの汎用な応用には多数の制限がある。特に、移動自由表面が存在するとき、予測された自由表面の場所の精度および分解能は、質量保存がどの程度十分に満たされるかに大いに依拠する。圧力場が密接に質量保存に結合されるので、圧力の次数を速度に相対的に減らすことは、質量保存の精度および予測された自由表面の場所も比例して減ることを意味する。
【0007】
したがって、非圧縮粘性流体流れの運動量方程式を、予測された速度、圧力および自由表面の場所の精度が計算効率を犠牲にすることなく保たれるように解く方法の必要性がある。
【0008】
(発明の概要)
したがって、本発明の1つの好ましい目的は、粘性の非圧縮層流体流れのNavier−Stokes方程式を解くための数値的方法であって、流体の速度および圧力が同じ次数で評価されて、計算効率を犠牲にすることなく解の精度が保たれる方法を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの好ましい目的は、運動量方程式を解くため、かつ、全体的な質量保存をマシンの丸め許容差に維持することができるような精度の解を提供するための数値的方法を提供することである。
【0010】
本発明の一実施形態は、結合された運動量および質量保存式を解くための数値的方法である。この方法はプロセッサ環境内で動作することが好ましい。この方法は流れ領域を有限要素のメッシュに離散化する。速度、圧力および質量保存において同じ精度を維持するために、速度および圧力が各節点で定義され、運動量方程式が、典型的な有限要素手順により離散化される。予測された圧力場におけるチェッカーボード問題は、ガウス点速度場を各要素内の圧力勾配と同じ次数により定義することによって回避され、連続方程式が、節点速度ではなくガウス点速度により離散化される。ガウス点は、多次元高次多項式を数値的に積分することができるサンプリング点である。ガウス点、およびガウス求積法と呼ばれる数値的積分法の詳細は、T.Y.YangによるFinite Element Structural Analysis,Prentice−Hall Inc.において見つけることができる。提案された方法がチェッカーボード問題を、解の精度を犠牲にすることなく除くことができる理由は、線形(1次)三角形要素におけるその効果をPatankarのスタッガード格子法と比較することによって、最も明らかに例示することができる。速度および圧力が各節点上で定義された線形三角形(3節点)要素では、圧力勾配が定数である。提案された方法によれば、ガウス速度が定数であるべきであり、これは3つの節点における速度の平均に等しい。概念上、この単一点ガウス速度は、複数の節点で定義された圧力場の内部で「中心化」され、これは、スタッガード点を有限差分手順においてPatankerの方法における速度について使用する効果に類似する。数学的根拠のより詳細はこの実施形態の記載に含まれる。速度および圧力場が各節点で解かれるので、解の精度が保たれる。予測されたガウス点速度場は、質量を要素タイプについてのマシンの丸めレベルに保存し、圧力勾配および速度を一定のベースで評価することができる。本発明の一態様は、流れ領域における非圧縮性の粘性の流れの支配方程式を解く方法を提供することであり、この方法は、前記流体流れの前記流れ領域の離散化されたメッシュを提供することを含み、前記メッシュは節点を有する要素を含み、さらに、離散化運動量平衡方程式を有限要素定式化に基づいて誘導することを含み、圧力および速度が前記メッシュの要素のあらゆる節点で定義され、さらに、離散化質量保存式を前記有限要素定式化に基づいて誘導することを含み、圧力勾配が各要素上で定義され、速度が各要素内のガウス点で定義され、それにより前記ガウス点速度は前記圧力勾配と同じ次数を有し、さらに、速度および圧力を前記流れ領域の各節点で決定すること、前記誘導および前記決定を、前記速度値の収束テストが満たされるまで繰り返すことを含む。
【0011】
本発明のもう1つの態様は、非圧縮粘性流体流れをシミュレートするための、プロセッサ環境内で動作する方法であり、この方法は、前記流体の材料特性および境界条件を入力すること、前記流体流れの流れ領域を有限要素のメッシュに離散化することを含み、各要素は節点を有し、さらに、圧力および速度を前記節点で定義すること、離散化運動量方程式を節点で定義された前記速度および圧力に基づいて誘導すること、ガウス点速度を前記各要素内で定義することを含み、前記ガウス点速度は前記要素における圧力勾配と同じ次数を有し、前記節点で定義された前記速度の関数であり、さらに、離散化連続方程式を前記ガウス点速度に基づいて誘導すること、前記有限要素の前記各節点での圧力および速度の値を決定すること、および前記誘導および前記決定を、前記速度値の収束テストが満たされるまで繰り返すことを含む。
【0012】
本発明のさらなる態様は、流れ領域内の粘性、非圧縮性の層流の運動量方程式を解くための、プロセッサ環境内で動作する数値的方法であり、この方法は、(a)前記流れ領域を、節点およびフラクシング(fluxing)表面を有する有限要素のメッシュに離散化すること、(b)運動量方程式を形成することを含み、速度および圧力が前記有限要素の各節点で定義され、さらに、(c)前記各有限要素内のガウス点速度を定義することを含み、前記ガウス点速度は同じ前記各有限要素の節点で定義された前記速度から計算され、さらに、(d)速度を更新すること、(e)前記形成、コンピューティング、計算および更新を、前記速度の収束テストが満たされるまで繰り返すことを含む。
【0013】
他の目的、実施形態、形式、態様、特徴、利点および利益は、本明細書に提供された記載および図面から明らかになるであろう。
【0014】
(好ましい実施形態の説明)
本発明の原理の理解を促進するため、以下で図面において例示した実施形態を参照し、特定の言語を使用して同じものを記載する。それにもかかわらず、本発明の範囲の制限がそれにより意図されないことは理解されよう。例示した実施形態におけるいかなる変更およびさらなる修正、および、本発明が関係する技術分野の当業者に標準的に想起されるであろうものとして企図される、本明細書に例示した本発明の原理のいかなるさらなる応用も含まれる。
【0015】
例示した本発明の実施形態は、運動量および質量保存式を解いて、複合領域における非圧縮性の流体流れの速度および圧力分布を得るために適用可能な方法である。この方法はガウス点速度場を導入し、これが圧力におけるチェッカーボード問題を防止し、圧力および速度をあらゆる節点で評価できるようにし、よってこの名称が同次数法となる。この方法は、流体の速度および圧力への正確な解を提供し、流体の質量保存を、計算デバイスの切捨て制限(マシンの丸めレベル)に満たすことができるようにする。この方法の一実施形態は、溶解材料流れのコンピュータ・シミュレーションに組み込むために設計される。これらのシミュレーションは、鋳造挙動の予測、鋳型設計の効率の向上、および、温度および注入速度制御など、適切な処理状態の決定において利点を有する。最も重要なことは、正確な質量保存が収縮孔の形成をシミュレートするために必須であることである。凝固中の合金の密度増大は小さく、たとえばAl357では6%なので、質量保存における小さい誤差が拡大され、予測された孔への有意な誤差に通じる可能性がある。さらに、圧力場が連続方程式に結合されるので、質量保存からのいかなる逸脱も、大きい非物質的な変動を、予測された圧力場において引き起こすようになる。結果として、モデルが、鋳型において必要とされた注入/ドエル圧力または対応するクランプ力を予測することができなくなる。
【0016】
本発明の方法は一般に、移動自由表面の有無にかかわらず、安定または不安定な問題について、ニュートンまたは非ニュートン流体に適用可能である。
本発明の好ましい実施形態は、プロセッサ・ベースの計算デバイス内で動作するように設計される。通常、この方法のロジック・ルーチンは記憶媒体上に存在し、これは例えば、ハード・ディスク、光ディスク、磁気テープ、またはプロセッサによってアクセス可能であるいずれかの現況技術の記憶媒体である。このとき図1を参照すると、本発明の方法を実行することができる、典型的なプロセッサ・システムが示される。従来のコンピュータ・システム2はプロセッサ4を含み、これは読み取り専用メモリ(ROM)およびランダム・アクセス・メモリ(RAM)へのアクセスを有し、ケーブルまたは他の手段によって入力および出力デバイスに動作可能に接続される。例示したように、これらの入力および出力デバイスには、ディスプレイ5、キーボード6、マウス7、プリンタ8、入力/出力記憶装置9またはそれらのいかなる組合せもが含まれる可能性がある。プロセッサ4はオペレーティング・システムと協同して、この方法のロジック・ルーチンを実行し、データを入力デバイスから受信かつ格納し、計算を実行し、データを出力デバイスに送信する。別法として、実行可能プログラム、入力データおよび出力データをローカル・システムに、あるいはネットワークを介してアクセスすることができるリモート・システムに格納することができる。従来のコンピュータ・システムを例示したが、他の接続手段、および入力および出力デバイスを、本発明から逸脱することなく代りに使用することができる。具体的には、例示したこの方法の実施形態は、UNIX(登録商標)オペレーティング・システムを使用してSilicon Graphicシステム内で動作する。しかし、類似の計算機能、メモリ機能およびグラフィック表示を有する他のシステムを使用することもできる。
【0017】
本発明の方法は、有限要素手順に基づいて開発され、流れ領域が、節点(または格子点)を有する有限要素のメッシュに細分され、そこで変数、たとえば速度、圧力およびフロント・ロケーション・パラメータが定義される。有限要素メッシュは、モデリングされる流れ領域に応じて1、2または3次元にすることができる。
【0018】
「流れ領域」という用語は以下で、その内部で流体が流れることができる物理的または論理的な境界、たとえば鋳型として定義される。流れ領域を部分的に液体によって充填することができるので、これらの変数を空の領域において解くことは効率的ではなくなる。計算効率を向上させるために、「計算領域」が流れ領域内の要素のサブセットとして定義され、そこで空間が液体によって充填される。計算領域の境界外部の変数は解かれない。不安定な問題では、計算領域の境界が、流体が流れ領域を通って流れるときに各時間ステップにおいて調整される。
【0019】
可変パラメータが有限要素メッシュの節点で評価される。これらの可変パラメータには、たとえば圧力および温度などのスカラ、およびたとえば2/3次元問題における速度などのベクトルが含まれる。典型的な有限要素方法に従って、いかなる空間座標における可変パラメータも、その節点の値およびいわゆる形状関数を使用して補間することができる。各要素について、運動量形状関数Niのセットおよび質量形状関数Miのセットを定義することができ、要素内部の変数fの関数値を以下のように表すことができる。
【0020】
【数10】
【0021】
ただし、Fiはi番目の節点における変数の値であり、Liはi番目の節点に関連付けられた運動量形状関数Niまたは質量形状関数Miのいずれかであり、nは要素における節点の総数である。
【0022】
節点における各速度成分について、線形代数方程式を運動量方程式から誘導することができ、運動量形状関数および節点速度および節点圧力変数により表すことができる。同様に、連続方程式が質量形状関数およびガウス点速度変数により離散化される。これらの代数方程式を解くことによって、Navier−Stoke方程式への近似解を得ることができる。
【0023】
離散化方程式を、いくつかの従来の有限要素手順に従って誘導することができ、これはたとえばリッツ、ガラーキン、最小二乗法、配置、または一般には、J.N.Reddyによる「An Introduction to the Finite Element Method」,McGraw−Hill International Book Companyにおける重み付け残差有限要素法、または「Control−Volume Based Finite−Element Formation of the Heat Conduction Equations」,Progress in Astronomical and Aeronautical Engineering,Vol.86,305ー327ページ,1983年)における制御量有限要素法である。一実施例として、ガラーキンまたは制御量有限要素法では、1セットの形状関数を使用して、変数が要素上でどのように変化するかを記載する。形状関数は、線形またはそれより高い次数にすることができる。好ましい実施形態では、運動量方程式が上の手順のうちの1つに従って離散化される。質量保存(連続)式は、各要素における圧力勾配と同じ次数を有する、特に定義されたガウス速度により離散化される。
【0024】
結果として生じる離散化運動量および質量保存式を解くための多数の方法がある。収束解を受け入れ可能な誤差内で生成することができるいかなるソルバも、提案された方法により適用可能である。しかし、変数の数が多いとき、たとえば、大型の複雑な空洞における溶解合金の流体流れおよび熱伝導をシミュレートするとき、すべての方程式が一度に直接解かれる場合、計算プロセスが不十分になる可能性がある。好ましい実施形態では、離散化運動量方程式が連続方程式に挿入されて、ポワソン圧力方程式が形成される。ポワソン圧力方程式は、直接あるいは反復的に解くことができる。反復的なソルバは、直接的なソルバより少ない記憶を必要とし、より少ない計算ステップを必要とする可能性がある。しかし、反復は、数列が不都合な状態にある場合、収束しない可能性がある。新しい圧力場が得られた後、各速度成分が、対応する運動方程式から連続的に更新される。上の手順は、圧力および速度場における増分変化が、プロセッサの切捨て制限など、無視可能なほど小さくなるまで、繰り返される。
【0025】
このとき図2を参照すると、この図は、制御量有限要素法に基づいて開発された本発明の方法の一実施形態の流れ図を示し、結合された質量および運動量方程式が反復的に解かれるものである。例示した制御量有限要素定式化では、Navier−Stoke運動量微分方程式が、各制御量上で積分される。節点の間の可変パラメータの変量を表す区分的プロファイルが、必要とされた積分を評価するために使用される。この結果、離散化方程式が節点のグループの可変パラメータの値を含むことになる。この方法で得られた離散化方程式は、有限制御量のための可変パラメータについての保存原理を表す。制御量ベースの有限要素定式化の魅力ある一特徴は、結果として生じる解が、質量、運動量およびエネルギーなどの量の積分保存を制御量のいかなるグループ上でも、かつ、計算プロセッサの切捨て制限内の計算領域全体上で満たすことができることである。
【0026】
(a)有限要素メッシュの作成、段階101。
段階101で、流れ領域が、節点(または格子点)を有する有限要素のメッシュに離散化または細分され、一義に定義された制御量が各節点を囲んで構築される。各節点に隣接した要素が、制御量の一部(副制御量)および対応する制御量フラクシング面を収容する。いかなるタイプの要素のメッシュも使用することができ、これは例えば、有限差分法に類似した規則的な格子、または典型的な有限要素法に従って作成された不規則的なメッシュである。不規則的なメッシュは、不規則的な領域の適合において、かつローカル・グリッド・リファインメント(local grid refinement)の提供においてより柔軟性を提供する。提案された同次数法は、移動または固定有限要素メッシュのいずれかに適用可能である。移動メッシュ法は、移動自由表面の場所においてより正確な予測を生成することができる。しかし、移動メッシュ法はしばしば、時間ステップにおける制限によるメッシュの歪みおよびより重い計算を欠点として有する。固定メッシュが本発明において好ましく、これは主として、複合領域における自由表面流れを処理するためのその柔軟性のためである。
【0027】
有限要素メッシュを、いかなる従来の手順によって作成することもできる。このような適切な手順は、たとえば1991年4月24日に発行されたArakawaの「Three−Dimensional Geometry Processing Method and Apparatus Therefor」という名称の米国特許第5,010,501号、および1996年9月3日に発行されたMeshkatの「Method and System for Producing Mesh Representations of Objects」という名称の米国特許第5,553,206号において開示されている。
【0028】
2次元問題のモデリングでは、2次元有限要素メッシュが必要となり、図3および4に示すものに類似した三角形有限要素のメッシュが好ましく、これもその幾何学的柔軟性のためである。しかし、quadra−lateral要素も適用可能である。このとき図3を参照すると、三角形有限要素10が3つの頂点12を有する。流体の可変パラメータ、すなわち、温度、速度および圧力が、要素10の節点(格子点)12で評価される。本発明の詳細、ガウス点速度Vgおよびガウス点圧力勾配▽Pgが各要素内で定義され、これらが同じ次数を有し、節点12での変数から計算されるようになる。
【0029】
有限要素10は、辺の中点14を質量重心16に結合することによって、3つの副制御量18に分割することができる。各副制御量18は、4つのフラクシング表面30によって境界が付けられ、ここで材料が1つの副制御量から別の制御量へ流れることができる。頂点12を囲むこれらの副制御量18がその節点についての制御量を形成する。例えば、図4のように、頂点22が6つの副制御量23―28によって囲まれ、陰影の付いた面積が頂点22の制御量20を表現する。制御量20が6つの副制御量23ー28からなることを例示したが、副制御量のうちいくつかのみが液体によって充填されるか、あるいは部分的に充填されることが可能である。したがって、充填、および部分的に充填された制御量のみが計算領域に含まれる。所与のメッシュでは、各SCVにおける充填状況を定義する方が、制御量全体においてのみ充填状況を定義するよりも、予測された移動自由表面へのよりよい柔軟性およびよりよい分解能を提供することができる。しかし、制御量全体における充填状況を定義することにより、プログラムの構造が簡素化される。
【0030】
3次元問題のモデリングでは、3次元有限要素メッシュが必要となる。四面体要素が六面体要素よりも好ましく、これは使用可能な自動四面体メッシャの好都合さのためである。図5のように、線形四面体要素40は4つの頂点42および4つの表面を有する。有限要素40を、表面の質量中心44(四面体要素40の各表面の質量中心)を量の質量重心46(四面体の質量重心)に結合することによって、4つの副制御量48に分割することができる。各副制御量48は、6つのフラクシング表面を有する六面体である。
【0031】
三角形および四面体有限要素を例示し、これらが好ましいが、他の幾何学形状有限要素またはそれらの組合せを使用できることを理解されたい。加えて、線形有限要素をその簡素さのために例示する。しかし、有限要素を他のいずれかの次数にすることができることが企図される。
【0032】
計算領域は、不必要な変数を除外するように、かつ、計算時間を短縮するように定義されることが好ましい。計算領域の境界を、米国特許第5,572,434号において開示されたWang他に従って描くことができ、その開示が全体として明白に参照により本明細書に組み込まれる。Wangは計算領域の境界を、流れ領域における要素の充填状況に従って描く。Wangは、図6のような三角形要素の流れ領域について、空の要素62がその副制御量のすべてが空である要素であること、充填要素64がそのすべての副制御量が充填された要素であること、および部分充填要素66が少なくとも1つの、しかしその副制御量のすべてより少ない部分が充填された要素であることを定義する。さらに、Wangは、流れ領域の節点を内側または外側節点として指定する。節点が充填副制御量のみによって囲まれている場合、これは「内側節点」67として指定される。他のすべてのノードは「外側節点」である。これらの外側節点がさらにいくつかのグループに分割され、充填および部分充填副制御量に関連付けられた外側節点が「自由表面節点」68として知られ、自由表面節点に隣接しているが、それ自体は充填副制御量に関連付けられていないものが「駆動節点」69と呼ばれる。計算領域の境界70は、空の副制御量に関連付けられるこれらの外側節点を連結し、駆動節点に隣接する線として定義される。Wangの計算領域を定義する方法を例示したが、意味をなす解を可能にする、計算領域を定義する他のいかなる方法も、本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0033】
(b)初期パラメータを入力する、段階102。
段階102で、有限要素メッシュ、制御量の充填状況、流体の特性、たとえば温度、圧力および速度などの可変パラメータの初期値、およびこれらの変数の境界制約が入力される。これらの変数の値は、反復計算が進行するにつれて更新される。
【0034】
(c)離散化運動量方程式を誘導する、段階103。
流体流れの質量および運動量の保存を支配する汎用方程式を、式(1)ー(4)によって表すことができる。
【0035】
質量の保存は以下の通りである。
【0036】
【数11】
【0037】
運動量の保存は以下の通りである。
【0038】
【数12】
【0039】
【数13】
【0040】
【数14】
【0041】
ただし、以下の通りである。
x,y,z=デカルト座標変数
u,v,w=それぞれx、yおよびz方向における速度ベクトルVの大きさ
τ=時間
ρ=流体の密度
P=圧力
V=流れ速度ベクトル
μ=粘性
gx,gy,gz=それぞれx、yおよびz方向における重力の大きさ
【0042】
上の運動量方程式(2)ー(4)は、非圧縮粘性流れの基本的な保存法則を記載する。式(2)ー(4)は、それぞれが流体流れに関係する物理現象を表すいくつかの項の合計である。これらの項の実施例には、慣性、移流、拡散、体積力および圧力勾配が含まれる。一般に、解決かつ選択される問題に直接関係のある項、および残りの項がグループ化され、集合的にソース項として定義される。制御量有限要素定式化を使用して、要素行列を計算して関心のある項を概算することができる。次いで、これらの行列が全体運動量行列(離散化運動量方程式のセット)に組み立てられ、これを反復的、明示的あるいは暗示的、あるいはそれらの組合せで解いて、Navier−Stoke方程式の解を概算することができる。
【0043】
例示したこの方法の実施形態は、SchneiderおよびZedanによって提示された、全体運動量行列を組み立てるための方法(「Control−Volume−Based Finite Element Formulation of the Heat Conduction Equations」,Progress in Astronomical and Aeronautical Engineering,Vol.86,305ー327ページ、1983年)に従う。「線形形状関数」またはプロファイル仮定を使用して、従属変数が要素上でどのように変化するかを記載する。支配方程式が制御量上で積分され、これは各副制御量からの制御量についての積分保存への寄与を含む。
【0044】
SchneiderおよびZedanの方法を例示するが、他の制御量ベースの手順またはガラーキン法を使用することができる。
例示した実施形態では、移流、拡散および圧力勾配についての項が選択される。組立てプロセスの後、各運動量方程式の左側を、速度成分上で動作する係数行列によって表現することができる。右側にはソース項および圧力勾配項がある。
【0045】
数学的に、被積分関数が定数であるとみなされる場合、式(5)は以下のような結果となる。
【0046】
【数15】
【0047】
移流項では、streamline upwind演算子が使用され、以下の式(6)によって表現される。
【0048】
【数16】
【0049】
ただし、φはいずれかの従属変数、Sは流線に沿った距離、添字vは量を示し、添字sは流線関数を示す。
拡散項では、グリーンの定理を使用して、量積分を、境界をなす表面を通じたフラックスの積分に変換し、これを以下の式(7)によってモデリングする。
【0050】
【数17】
【0051】
ただし、σ、vは表面および量積分をそれぞれ示し、φはいずれかの従属変数であり、Jはフラックスの寄与であり、ωは面積である。節点iからの面jについてのフラックスの寄与は、式(8)によって以下のように表される。
【0052】
【数18】
【0053】
ただし、以下の通りである。
Niは形状関数であり、a11ーa33はヤコビアン行列の余因子であり、ωxj、ωyj、ωzjは面積ωの成分であり、αは拡散率である。
【0054】
組立てプロセスの後、運動量方程式の左側の各項が、速度成分上で動作する係数行列によって表現される。
簡単にするために2次元の場合を考察すると、組み立てられた全体運動量方程式を、以下のように式(9)および(10)によってモデリングすることができる。
【0055】
【数19】
【0056】
【数20】
【0057】
ただし、aij項は影響係数行列を作成し、nは近隣副制御量のフラクシング面の総数である。圧力勾配を面積積分の外側に引っ張ると、式(9)および(10)が以下の式(11)ー(15)のように計算し直される。
【0058】
【数21】
【0059】
かつ、
【0060】
【数22】
【0061】
であり、ただし以下の通りである。
【0062】
【数23】
【0063】
【数24】
【0064】
【数25】
【0065】
節点ハット速度u^iおよびv^iは、近隣の副制御量の節点速度ujおよびvjからなり、圧力成分を含まない。
例示した本発明の実施形態は、線形要素を有する2次元の流れに適用されるが、この方法は、より高次の要素を有するより低いかつより高い次元の流れに適用可能であることを理解されたい。
【0066】
(d)節点ハット速度u^i、v^iおよびKiを計算する、段階104。
段階104で、係数行列aijが最初に、最初に提供された推定速度場から計算される。これらの新たに計算された係数行列の値および節点速度値である、近隣の副制御量から解釈されたujおよびvjを使用して、節点ハット速度u^i、v^iおよびKiが式13ー15に従って計算される。
【0067】
(e)ガウス点ハット速度およびガウス点係数を計算する、105
段階105で、本発明はガウス点速度ベクトルおよびその関連する係数を要素平均量として定義する。ガウス点ハット速度u^g、v^gおよびガウス点係数項Kgは、それらの節点相対物の平均値であり、以下の式(16)ー(18)によって提供される。
【0068】
【数26】
【0069】
【数27】
【0070】
かつ、
【0071】
【数28】
【0072】
であり、ただし、neは要素内のフラクシング面の数である。ガウス点速度を以下のように表すことができる。
【0073】
【数29】
【0074】
【数30】
【0075】
上のガウス点速度ugおよびvgについての2次元式では、圧力勾配∂P/∂x、∂P/∂yがフラクシング表面上で一定である。整合性のため、項ug、vgおよびKgもフラクシング表面上で一定でなければならない。
【0076】
従来は、ガウス点項の補間は、要素形状関数Niを使用して計算されていたであろう。しかし、形状関数を含む計算はガウス点速度に、要素に渡って線形変化を与え、その間、圧力勾配は要素上で一定である。この矛盾は結果として、質量をマシンの丸めレベルに保存することができない計算スキームを生じ、チェッカーボード圧力に通じる。
【0077】
(f)ポワソン圧力方程式を形成し、解く、段階106。
段階106で、ガウス点フラクシング速度ugおよびvgについての式を以下の連続方程式(21)に挿入することにより、
【0078】
【数31】
【0079】
圧力についてのポワソン方程式が得られる。ポワソン圧力方程式(22)は以下のように表される。
【0080】
【数32】
【0081】
この方程式を要素のフラクシング表面である面積A上で積分すると、圧力場を以下のように表すことができる。
【0082】
【数33】
【0083】
グリーンの定理を使用して、これらの面積積分が線積分に変換され、これを以下の式(24)によって表現する。
【0084】
【数34】
【0085】
ただし、δは線経路である。先に段階105で計算されたガウス点ハット速度およびガウス点係数項u^g、v^gおよびkμcの値を使用して、ポワソン圧力方程式を解いて、各要素での圧力勾配を出すことができる。この面積積分が、圧力場の式(23)が解かれる前に、線積分に変換されることを例示したが、異なる数学的操作を使用する他の方法を使用することができる。例えば、元の面積積分を解くガラーキン定式化を使用することができる。さらに、運動量方程式および質量保存式を、線形行列方程式のセットに結合し、例えば、行列反転法など直接的なソルバ、または例えば、共役勾配法など反復的なソルバを使用することによって解くことができる。
【0086】
(g)速度場を更新する、段階107。
節点速度項uiおよびvi、およびガウス点速度ugおよびvgを、新たに誘導された圧力場および値u^i、v^i、Ki、u^g、v^gおよびKgを式11、12、19および20に挿入することによって、計算することができる。
【0087】
圧力および速度場が更新された後、例えば、各SCVの充填状況および温度など、流体の流動学的かつ熱物理的特性に影響を及ぼす他の変数が、更新速度場を使用して決定される。流れ場に影響を及ぼさない変数では、これらの値が、流れ場が収束した後に決定されることが好ましい。
【0088】
(h)速度収束についてチェックする、段階108。
反復プロセスは、さらなる反復が従属変数の精度を向上しないとき、収束したと言われる。実際には、反復プロセスは、所望の精度が得られるときに終了される。運動量方程式が非線形であり、流体特性は速度場および温度により変化する可能性があるので、反復は、増分変化が無視可能なほどに小さくなるまで要求される。この方法のこの例示的実施形態では、すべての速度値がユーザにより供給された許容差に収束するまで、流れ方程式が反復的に解かれる。上の収束基準が、例示した実施形態について選択されたが、他の収束基準、例えば、範囲またはしきい値を、本発明の精神から逸脱することなく使用することができる。
【0089】
この段階で、この方法は、熱の流れ場が安定する場合、完了される。そうでない場合、この方法が段階103へ戻り、更新された変数を後に続く時間ステップに使用して、式のセットを形成する。
【0090】
数値的テストは、通常、その反復中に高粘性の流れについて速度場が高速に収束することを示している。しかし、より低いレイノルズ数を有する流体では、結合された質量および運動量方程式を同時に解くことにより、より高速な収束を得ることを促進することができる。
【0091】
加えて、質量および運動量方程式を要素レベルで維持するために、ガウス点フラクシング速度場が実際に質量をマシンの丸めレベルに保存することが観察される。さらに、圧力のチェッカー・ボーディングが除去される。
【0092】
ガウス点速度および圧力場を使用して、結合された質量および運動量方程式を解くことは、例示した方法に限定されないことを理解されたい。本発明は、例えば、ガラーキンの方法など、他の重み付け残差定式化によって誘導された運動量方程式の他の離散化形式に適用可能である。加えて、本発明はまた、式を暗示的に解く方法、例えば、ペナルティ関数法にも適用可能である。
【0093】
本発明を図面および前述の記載において詳細に例示かつ記載したが、これは特性において制限的ではなく例示的であるとみなされるべきであり、好ましい実施形態のみを示し、記載したこと、および、本発明の精神内に入るすべての変更および修正が保護されることが望まれることは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのマシンの概略図である。
【図2】本発明の方法の一実施形態を概略的に示す流れ図である。
【図3】本発明の方法の例示された実施形態において使用されるものに類似した三角形有限要素の一実施例の図である。
【図4】本発明の方法の例示された実施形態によって好ましいとされる、制御量および関連付けられた副制御量およびフラクシング表面を含む、三角形有限要素メッシュの一実施例の図である。
【図5】本発明の方法の一実施形態によって好ましいとされる四面体有限要素の一実施例の図である。
【図6】計算領域の境界を示す2次元流れ領域の一実施例の図である。
Claims (52)
- 流れ領域における非圧縮粘性流れの支配方程式を解く方法であって、
前記流体流れの前記流れ領域の離散化されたメッシュを提供するステップを含み、前記メッシュは、節点を有する要素を含み、さらに、
離散化運動量平衡方程式を有限要素定式化に基づいて誘導するステップを含み、圧力および速度が前記メッシュの要素のあらゆる節点で定義され、さらに、
離散化質量保存式を前記有限要素定式化に基づいて誘導するステップを含み、圧力勾配が各要素上で定義され、速度が各要素内のガウス点で定義され、それにより前記ガウス点速度は前記圧力勾配と同じ次数を有し、さらに、速度および圧力を前記流れ領域の各節点で決定するステップと、
前記誘導および前記決定を、前記速度値の収束テストが満たされるまで繰り返すステップとを含む方法。 - 前記各要素について、ガウス点速度が前記節点速度の関数である、請求項1に記載の方法。
- 前記決定するステップが、前記離散化運動量方程式を前記離散化質量保存式に挿入し、それによりポワソン圧力方程式を形成するステップ、および前記ポワソン圧力方程式を圧力場について解くステップを含む、請求項2に記載の方法。
- 前記ポワソン圧力方程式が反復的に解かれる、請求項3に記載の方法。
- 前記ポワソン圧力方程式が同時に解かれる、請求項3に記載の方法。
- 前記有限要素定式化が制御量ベースの有限要素手順である、請求項1に記載の方法。
- 前記有限要素定式化が重み付け残差有限要素法である、請求項1に記載の方法。
- 前記決定するステップが、計算領域を前記流れの要素のサブセットとして定義するステップ、および、前記圧力および前記速度を前記計算領域内の要素の節点においてのみ決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記メッシュが固定有限要素メッシュである、請求項1に記載の方法。
- 前記流れ領域が2次元であり、前記要素が三角形有限要素である、請求項1に記載の方法。
- 前記有限要素が3節点線形三角形要素である、請求項10に記載の方法。
- 前記ガウス点速度が、同じ前記要素の前記節点で定義された前記速度の平均である、請求項11に記載の方法。
- 前記流れ領域が3次元であり、前記要素が四面体有限要素である、請求項1に記載の方法。
- 前記有限要素が4節点線形四面体有限要素である、請求項13に記載の方法。
- 前記ガウス点速度が、同じ前記要素の前記節点で定義された4つの前記速度の平均である、請求項14に記載の方法。
- 前記要素が、線形形状関数を有する有限要素である、請求項1に記載の方法。
- 前記要素が1次(線形)より高い形状関数を有する有限要素である、請求項1に記載の方法。
- 前記流れ領域が2次元であり、前記要素が四辺形有限要素である、請求項1に記載の方法。
- 前記有限要素が4節点線形四辺形要素である、請求項18に記載の方法。
- 前記ガウス点速度が、同じ前記要素の節点で定義された前記4つの速度の平均である、請求項19に記載の方法。
- 前記流れ領域が3次元であり、前記要素が六面体有限要素である、請求項1に記載の方法。
- 前記有限要素が8節点線形六面体有限要素である、請求項21に記載の方法。
- 前記ガウス点速度が、同じ前記要素の節点で定義された前記8つの速度の平均である、請求項22に記載の方法。
- 非圧縮粘性流体流れをシミュレートするための、プロセッサ環境内で動作する方法であって、
前記流体の材料特性および境界条件を入力するステップと、
前記流体流れの流れ領域を有限要素のメッシュに離散化するステップとを含み、各要素は節点を有し、さらに、
圧力および速度を前記節点で定義するステップと、
離散化運動量方程式を、節点で定義された前記速度および圧力に基づいて誘導するステップと、
ガウス点速度を各要素内で定義するステップとを含み、前記ガウス点速度は前記要素における圧力勾配と同じ次数を有し、前記節点で定義された前記速度の関数であり、さらに、
離散化連続方程式を前記ガウス点速度に基づいて誘導するステップと、
圧力および速度の値を前記有限要素の前記各節点で決定するステップと、
前記誘導および前記決定を、前記速度値の収束テストが満たされるまで繰り返すステップとを含む方法。 - 前記決定するステップが、前記離散化運動量方程式および前記離散化連続方程式を結合してポワソン圧力方程式を形成するステップ、および前記ポワソン圧力方程式を圧力場について解くステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
- 前記ポワソン圧力方程式が反復的に解かれる、請求項25に記載の方法。
- 前記離散化方程式が制御量ベースの有限要素定式化に従って誘導される、請求項24に記載の方法。
- 前記離散化方程式が、重み付け残差ベースの有限要素定式化に従って誘導される、請求項24に記載の方法。
- 前記有限要素メッシュが固定メッシュである、請求項18に記載の方法。
- 前記シミュレーションがNavier−Stokes流体モデルに基づく、請求項29に記載の方法。
- 前記有限要素定式化が線形形状関数を有する、請求項24に記載の方法。
- 前記決定するステップが、計算領域を前記流れ領域の有限要素のサブセットとして定義するステップをさらに含み、前記圧力および前記速度が前記計算領域の前記有限要素のサブセット節点においてのみ決定される、請求項24に記載の方法。
- 前記流れ領域が2次元であり、前記要素が三角形有限要素である、請求項23に記載の方法。
- 前記有限要素が3節点線形三角形要素である、請求項33に記載の方法。
- 前記ガウス点速度が、同じ前記有限要素の前記節点で定義された3つの横速度の平均である、請求項34に記載の方法。
- 前記流れ領域が3次元であり、前記要素が四面体有限要素である、請求項24に記載の方法。
- 前記有限要素が4節点線形四面体有限要素である、請求項36に記載の方法。
- 前記ガウス点速度が、同じ前記要素の節点で定義された4つの前記速度の平均である、請求項36に記載の方法。
- 流体流れをモデリングするための、プロセッサ環境内で動作可能なデバイスであって、
請求項1ないし23に開示された方法を実行するための、プロセッサ内で実行可能なロジックを受信かつ格納するように適合された媒体を含むデバイス。 - 前記デバイスが入力/出力記憶装置である、請求項39に記載のデバイス。
- 前記プロセッサ環境が従来のコンピュータ・システムである、請求項40に記載のデバイス。
- 前記プロセッサ環境が、ローカル・システムからアクセス可能なリモート・ネットワーク・システムである、請求項41に記載のデバイス。
- 流れ領域内の粘性、非圧縮層流の運動量方程式を解くための、プロセッサ環境内で動作する数値的方法であって、
(a)前記流れ領域を、節点およびフラクシング表面を有する有限要素のメッシュに離散化するステップと、
(b)運動量方程式を形成するステップとを含み、速度および圧力が前記有限要素の各節点で定義され、さらに、
(c)前記各有限要素内のガウス点速度を定義するステップを含み、前記ガウス点速度が、同じ前記各有限要素の節点で定義された前記速度から計算され、さらに、
(d)速度を更新するステップと、
(e)前記形成、コンピューティング、計算および更新を、前記速度の収束テストが満たされるまで繰り返すステップとを含む方法。 - 前記メッシュが有限要素からなる、請求項43に記載の方法。
- 前記メッシュが固定メッシュである、請求項44に記載の方法。
- 前記有限要素が三角形要素である、請求項45に記載の方法。
- 前記有限要素が四面体要素である、請求項45に記載の方法。
- 前記速度を更新するステップが、離散化質量保存式を前記ガウス点速度に基づいて誘導するステップをさらに含む、請求項50に記載の方法。
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