JP2004502948A - アルギニン化合物の検出のための方法及びキット - Google Patents

アルギニン化合物の検出のための方法及びキット Download PDF

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Abstract

アルギニン化合物を検出するための方法及びキットが記載されている。本発明の方法及びキットは、アルギニン化合物関連疾患の診断のために用いることができる。

Description

【0001】
関連出願
この出願は、2000年7月6日に提出され、「アルギニン化合物の検出のための方法及びキット(Methods and Kits for the Detection of Arginine Compounds)」と題された同時係属中の米国仮特許出願シリアルナンバー第60/216,180号に優先権を主張する。
【0002】
発明の背景
L−アルギニンは一酸化窒素シンターゼ(NOシンターゼ)のための基質であって、一酸化窒素の前駆体、即ち多くの細胞経路の調節に関与する主要な細胞シグナリング分子である。L−アルギニン:NO経路は、心臓血管、神経及び免疫系の調節に関与していた。NOの阻害剤はギニアブタ及びウサギにおいて血圧を増加させること(AisakaらのBiochem. Biophys. Res. Commun. (1989)160:−881−886、Reesらの(1989)86: 3375−3378)、またヒトにおいて動脈の血管収縮を誘導すること(Vallanceらの(1989)Lancet 8670: 997−1000)がわかった。L−アルギニン:NO経路を調節するさまざまなアルギニン類似体が同定された(概説としてLeiper及びVallanceのCardiovascular Research, 43, 1999, 542−548を参照)。これらには、N−モノメチル−L−アルギニン(L−NMMA)、N,N−ジメチルアルギニン(ADMA、不斉ジメチルアルギニン)及びNG’−,N−ジメチルアルギニン(SDMA、対称性ジメチルアルギニン)が含まれる。
【0003】
発明の概要
一態様における本発明は、被験者の生体サンプル中のアルギニン化合物レベルを決定するための方法に関する。この方法には、生体サンプルをアルギニン感知物質と接触させる行程、及び得られる混合物を分析する行程が含まれる。好適な生体サンプルの例としては、血液、唾液、汗及び尿といった体液が挙げられる。都合のよい態様における生体サンプルは非侵襲的に得られる。特に好ましい態様においてはアルギニン化合物レベルは、アルギニン化合物感知物質と体液の混合物の色の変化、例えば光学的特性または蛍光の変化によって分析される。このような検出によって、治療的投与または他の介入を行うことに対する必要性を決定できる。アルギニン化合物の例には、L−アルギニン並びにメチルアルギニンN−モノメチル−L−アルギニン(L−NMMA)、N,N−ジメチルアルギニン(ADMA、不斉ジメチルアルギニン)及びNG’−,N−ジメチルアルギニン(SDMA、対称性ジメチルアルギニン)のようなアルギニンの誘導体が含まれる。
【0004】
本発明はまた、被験者におけるアルギニン化合物レベルを決定するのに好適なキットにも関連する。このキットは、使用指示書を備えていることが好ましい。キットの一態様においては、アルギニン感知物質は固体状で浸水性の基質に埋め込まれている。別の態様でのキットは、アルギニン(またはアルギニン化合物)感知物質を生体サンプルと混合するための容器を備えている。
【0005】
本発明はまた、化学式(I)のアルギニン化合物認識物質に少なくとも部分的に関する。
G(N)n(C)m   (I)
式中、Gはグアニジニウム認識部分、
Nはアンモニウム認識部分、
Cはカルボキシレート認識部分、並びに
n及びmは0から10のそれぞれ独立した整数である。
【0006】
発明の詳細な説明
アルギニン(Arg)及び不斉ジメチルアルギニン(ADMA)は血清及び尿のようなヒトの体液中に存在していて、アルギニン及びメチル化アルギニン残基を含むタンパク質が異化作用を受けて誘導される(Cooke, J. P. Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 2000, 2032−2037)。ADMAのレベルはさらに、酵素ジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼ(DDAH)が関与する主要な経路のような代謝経路を経て調節される。血流と血圧の重要なモジュレータ(Ress, D.D;らのPNAS, 1989, 86, 3375−3378)である一酸化窒素(NO)は、特定の酵素である一酸化窒素シンターゼ(NOS)によるアルギニンの代謝を経て生じる。アルギニンがNO合成に用いられるのに対し、対照的に内因性のADMAはNOSを阻害することによってNOを抑制調節する。異常な濃度のADMAは、腎不全、内皮機能不全症、及び総じて血管疾患のようなの種々の疾患の指標として機能できる(Cooke, J. P. Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 2000, 2032−2037)。利用可能なアルギニンのレベルは、高コレステロール血症または動脈硬化症の患者でのNO合成にとって非常に重要である。したがって体液に含まれるアルギニン及びADMAレベルを検出することは、これらの疾患を診断したり治療したりする際に役立つ。
【0007】
本発明は、生体サンプルに含まれるアルギニン化合物のレベルを決定するための方法及びキットに少なくとも部分的に関する。一態様において本発明は、生体サンプルに含まれるアルギニン化合物のレベルを決定できる診断用キットに関する。本発明は、アルギニン化合物関連疾患によって異常なアルギニン化合物レベルに陥っている可能性のある被験者に投与するのに適したアルギニン化合物のレベルを決定するための方法を含む。
【0008】
一態様において本発明は、生体サンプルに含まれるアルギニン化合物レベルを決定するための方法に関する。この方法には、生体サンプルをアルギニン感知物質と接触させる行程、及び得られた混合物を分析する行程が含まれる。好ましくはアルギニン感知物質はアルギニン化合物認識物質である。
【0009】
「生体サンプル」という用語には、潜在的にアルギニン化合物を含む可能性のある体液及び組織が含まれる。「生体サンプル」という用語にはまた、体液も含まれる。「体液」という用語は、例えば血液、血漿、尿、血清、唾液、汗、並びに脊髄及び脳の液を含む哺乳動物の身体から得られるすべての液体を含む。一態様においてアルギニン化合物は、メチルアルギニン、L−NMMA、ADMA、SDMAまたはL−アルギニンである。さらに生体サンプルは、処理済み(例えば細胞材料を破壊した血清)であってもよく、また非処理であってもよい。
【0010】
「アルギニン化合物」という用語には、L−アルギニン並びにメチルアルギニンN−モノメチル−L−アルギニン(L−NMMA)、N,N−ジメチルアルギニン(ADMA、不斉ジメチルアルギニン)及びNG’−,N−ジメチルアルギニン(SDMA、対称性ジメチルアルギニン)のようなアルギニンの誘導体が含まれる。本発明の方法及び組成物を用いて同定できる他のアルギニン誘導体も含まれる。ある種のアルギニン化合物が表1に示されている。
【0011】
【表1】
Figure 2004502948
【0012】
L−NMMAというアルギニン化合物は、活性化マクロファージの細胞毒性作用を阻害すること、またこれらの細胞内のL−アルギニンから誘導される硝酸塩及び亜硝酸塩の放出を抑制することが判明している。Furchgottの内皮細胞由来平滑筋弛緩因子が一酸化窒素である(PalmerらのNature (1987) 327: 524−526)と確認された後、L−NMMAがL−アルギニンから内皮細胞のNOが発生するのを阻害したことが発見された(PalmerらのNature (1988) 333: 664−666)。続いてL−NMMAは、L−アルギニン:NO経路の機能に入って探索するツールとなった。
【0013】
L−NMMAはアルギニン類似体として天然で細胞内で見出される。さらに不斉の、及び対称性のジメチルアルギニンが確認された。これらの置換されたメチルアルギニン化合物はアルギニンの取り扱いに影響を与えるとともに、NO合成とその調節経路を調節する。組織や体液に含まれるアルギニン及び他のアルギニン化合物(例えばメチル化誘導体)のレベルを決定すると、NO関連疾患の素因または進行の予測上及び診断上の値を呈する。
【0014】
アルギニン化合物のADMA及びSDMAは、ヒトにおいて主要な循環型のメチルアルギニンである。メチル化アルギニン残基が存在することは、ミエリン塩基性タンパク質、熱ショックタンパク質、核及び核小体のタンパク質を含む特定のタンパク質において気づかれた(LischweらのJ. Biol. Chem. (1985) 260: 14304−14310、LischweらのBiochemistry (1985) 22: 6025−6028)が、それらの機能は不明のままである。一連のタンパク質−アルギニンメチルトランスフェラーゼ酵素が同定されている(PaikらのBiol. Chem. (1968) 243:2108−2114、GhoshらのJ. Biol. Chem. (1988) 263: 19024−19033)。いくつかはヒストン及び非ヒストンの核タンパク質のような広い基質特性を持っているが、別のものはより選択的である。これらの酵素によって、L−NMMA及びSDMAメチル化アルギニンまたはL−NMMA及びADMAメチル化アルギニンを発生できる。メチルアルギニン残基の産生は高度に調節されており、結果的に数個のシグナル経路の調節を行うことになる。メチルアルギニン残基を含むタンパク質がタンパク質分解されると、遊離のメチルアルギニン残基が細胞質に放出されることになる(KakimotoらのJ. Biol. Chem. (1970) 245: 5751−5758)。
【0015】
最初に、タンパク質分解した後で放出されたメチルアルギニンは血漿に遊離し、さらに異化作用を受けることなく腎臓で浄化される。しかしながら1987年にSasaoka及び共同研究者らは、ラットにおいてADMAがシトルリン及びジメチルアミンに異化する経路が存在することを証明した(OgawaらのArch Biochem Biophys (1987) 252: 526−537)。ジメチルアルギニンジメチルアミノヒドロラーゼのような酵素が確認された(OgawaらのJ. Biol. Chem. (1989) 264: 10205−10209)。こうしてメチルアルギニンの合成と代謝はどちらも、正常な状態で高度に調節される。
【0016】
L−NMMA及びADMAは、NOとその調節経路の有効な阻害剤である。SDMAはNOの阻害剤ではなく、三つすべてのメチル化アルギニンは、アルギニン、リジン及びオルニチンも輸送するy+輸送体としてひとまとめにして知られたカチオン性アミノ酸輸送体によって細胞に入る(BogleらのAm. J. Physiol. (1995) 269: C750−C765)。このような輸送機構によって結果的に、細胞内でのアルギニンの濃度が細胞外濃度に比較して5倍以上になりうる。メチルアルギニンはNOの発生、並びにアルギニン及び他のカチオン性アミノ酸の輸送によって妨げられる。
【0017】
「アルギニン化合物レベル」という用語は、生体サンプルに含まれるアルギニン化合物の量、即ち濃度を含む。一態様において生体サンプルのアルギニン化合物レベルは、生体内のアルギニン化合物の濃度の指標である。都合のよいことに生体内のアルギニン化合物の濃度は、本発明の方法及びキットにより決定されたアルギニン化合物レベルから推定できる。本発明はある閾値濃度、即ち特定の状況または特定の患者(例えば、NO関連疾患または心臓血管疾患の患者)に対する最適または有利なアルギニン化合物濃度に基づいて調節されうる閾値濃度を超えるようなアルギニン化合物濃度が存在するか存在しないかを検出する方法及びキットを含む。例えば、アルギニン化合物のある閾値濃度は利用者に個別である可能性があるし、または利用者のグループ、例えば心臓血管疾患などの患者に個別である可能性がある。別の態様での本発明は、生体サンプルに含まれるアルギニン化合物の相対的または絶対的な濃度を検出する方法及びキットを含む。
【0018】
例えばADMA及びSDMAのアルギニン化合物レベルは、健康なヒトの血漿に約500nM−1μMであると決定された。しかしながら他のアルギニン化合物(例えば、L−NMMA)のアルギニン化合物レベルは一般にかなり低いことがわかった。メチルアルギニンも尿のような体液中に、約60μmol/24時間の濃度で検出されている(MacallisterらのNephrol Dial. Transplant. (1996) 11: 2449−2452)。
【0019】
しかしながらアルギニン化合物が異常なレベルであることは、本発明の方法及び組成物を用いて検出できる生体サンプルに含まれるアルギニン化合物の濃度または量によって特徴づけられるNO関連疾患または別の疾患のようなアルギニン化合物関連疾患の存在を指示しているか、または潜在的な存在を指示しているかそのいずれかのために用いることができる。「アルギニン化合物関連疾患」という用語には、L−アルギニン、ADMA、SDMA、及び/またはL−NMMAのようなアルギニン化合物が存在しているか、あるいは存在していないかによって特徴づけられる疾患または状態が含まれる。「NO関連疾患」という用語には、経路のいくつかの点でNOが関与し、かつ本発明の方法及び化合物を利用することで同定できる疾患が含まれる。この用語には、例えばL−アルギニン:NO経路が関与する疾患が含まれる。
【0020】
アルギニン化合物関連疾患の一例は、腎不全である。腎不全では、メチルアルギニンの排出が減少するとともに、血漿中にADMAとSDMAの両方が蓄積する(MacallisterらのBr. J. Pharmacol. (1996) 119: 1533−1540)。0.5−10μMの範囲が報告されている。本発明の方法、組成物及びキットはADMA及び/またはSDMAの異常なレベルを同定するために利用でき、それによって患者の疾患を診断する助けとなりうる。
【0021】
生体サンプル中のアルギニン化合物が異常レベルであることはまた、他のアルギニン化合物関連疾患を同定したり診断を助けたりするためにも用いることができる。ADMA及びSDMAは腎不全の患者では高く、それは透析後に低下する。腎不全でADMAのレベルが高くなることには、ナトリウムの操縦、増加した血管の緊張状態と反応性、高まったアテローム発生と免疫機能に対する影響が含まれる。高血圧の子供ではADMAのレベルが増加し、そして血圧が正に相関関係するとともに窒素酸化物とNO付加物の循環レベルが負に相関関係する(GoonasekeraらのJ. Hypertension (1997) 15: 901−909)。さらにADMAのレベルは、動物でもヒトでも高脂血症の存在の増加と相関関係があることが最近示された(Bode−BogerらのBiochem. Biophys. Res. Commun. (1996) 219: 598−603、BogerらのCirculation (1998) 98: 1842−1847)。この知見は、ADMAレベルが心臓血管疾患に対して新規な危険因子を表しているらしいことを示唆していた。したがって本発明の方法、キット及び物質、例えばアルギニン感知物質及び/または認識物質を利用することは、心臓血管疾患のようなアルギニン関連疾患に対するリスクがあるか、またはその疾患に罹患している患者を容易に同定するために用いることができる。
【0022】
増加したレベルのADMAが関与する他のアルギニン化合物関連疾患には、精神分裂病(DasらのNeurosci Lett. (1996) 215: 209−211)、胃粘膜のH.ピロリ感染症(FrandriksらのGastroenterology (1997) 113: 1570−1575)、アロキサン−誘導性過血糖症(MasudaらのBr. J. Pharmacol. (1999) 126: 211−218)、血栓性微小血管症(HerlitzらのScand J. Urol. Nephrol. (1997) 31: 477−479)、及びアテローム性硬化症(BogerらのCirculation (1997) 96: 1282−1290、MiyazakiらのCirculation (1999) 99: 1141−1146)が含まれる。したがって別の態様での本発明の方法、組成物及びキットは、体液中にアルギニン化合物が異常量存在するという特徴があるこれらの疾患または他の疾患のうちのどれかにかかるリスクがあるか、またはそれらの疾患のどれかに罹患している患者を同定するために利用できるであろう。
【0023】
ジメチルアルギニンによって表示された非常に低レベルのNO阻害剤は、広域スペクトルの生物学的活性を持っている。心臓血管系に対する作用は広範囲に記述されている。ヒトの血管では、L−NMMAは1μMの濃度でブラジキニン−誘導性の血管拡張性の阻害を20%まで引き起こす(Macallister Kidney Int. (1994) 45: 737−742)。敗血症性ショックの患者では、L−NMMAの循環レベルを5μMにまで増加させるのに充分なほどのL−NMMAを注入することが、血管抵抗性のかなりしっかりとした(70%以上)増加と動脈の血圧のずっと緩和な(10−15%)増加に関連する(PetrosらのCardiovascular Res. (1994)28: 34−39)。ADMAも低濃度で生物学的作用を生じ、ギニアブタにおいて10μMのオーダーの循環濃度であれば血圧を約15%増加させる(VallanceらのLancet (1992) 339: 572−575)。血管に対するメチルアルギニンの有意な作用はおそらく低い濃度であっても起こるが、それはL−NMMAが動脈の圧力に対して重要な影響を与えることなく全身の血管抵抗を増加させるとともに心臓の出力を低下させるためである。L−NMMA(1mg/kg)は低用量でヒトの腎臓の血流を減少させ、そしてナトリウムの操縦に影響を与えるが、血圧は影響を受けない。低レベルのNOS阻害剤は慢性的な影響を与える可能性もある。コレステロールを接種したウサギでは、動脈の血圧に有意に影響を与える用量のNOS阻害剤で新生脈管内膜の形成と早期のアテローム発生が顕著に高められる(CayatteらのArterioscler. Thromb. (1994) 14: 753−759)。これらのデータは、最小程度のNOSの阻害作用によって心臓血管系の長期間のホメオスタシスに密接に関係するらしい有意な生物学的作用を導くことができることを示している。
【0024】
一態様においてアルギニン化合物レベルは、アルギニンレベル、L−NMMAレベル、SDMAレベル、ADMAレベルまたはそれらの組み合わせである。
【0025】
「アルギニンレベル」という用語は、生体サンプルに含まれるアルギニンのレベル、量、または濃度のことを指す。同様に「L−NMMAレベル」という用語は、生体サンプルに含まれるL−NMMAのレベル、量または濃度のことを言う。「SDMAレベル」及び「ADMAレベル」という用語は、生体サンプルに含まれるそれぞれSDMAまたはADMAのレベル、濃度、または量のことを言う。
【0026】
「アルギニン感知物質」という用語には、生体サンプル中のアルギニン化合物レベルが決定できるようにアルギニン化合物と相互作用する物質が含まれる。都合のよいことにアルギニン化合物レベルの測定は実験装置を利用することなく認めることができる。例えば利点のある態様では、アルギニン化合物レベルが可視的に、例えば生体サンプルとアルギニン感知物質の混合物の色、色相または明暗度の変化によって検出できるようにアルギニン感知物質は生体サンプル中のアルギニン化合物と相互作用する。「実験装置」という用語には、HPLC、蛍光測定器、スペクトル測定器(NMR、IR)、光学密度測定器などが含まれる。「実験装置」という用語には、チャートまたは他の表の解決のための目視比較に必要なチャートまたは表、家庭に通常ある装置(例えば、冷蔵庫、冷凍庫、はさみ)、または例えば使用者または別の人にとって値段がそれほど高くなくキットとともに適当に梱包されうる溶液用の容器、皿、もしくはシリンジといった装置は含まれない。
【0027】
「相互作用する」または「相互作用」という用語には、サンプルに含まれるアルギニン化合物の検出を可能にするイベントが含まれる。一態様においてこの用語は、アルギニン化合物認識物質とサンプル中のアルギニン化合物との間の静電的または水素結合による相互作用を含む。さらに別の態様では、この相互作用は特定のアルギニン化合物に対して特異的である。
【0028】
他の態様ではアルギニン化合物レベルの測定するには、例えば蛍光を観察するために適当な波長をその混合物に当てる行程のような追加の行程を含む。そのうえ追加の物質を、アルギニン感知物質とアルギニン化合物の間に相互作用が存在することを検出するために用いるとよい。好ましくはアルギニン感知物質は、アルギニン化合物関連疾患またはL−アルギニンNO経路の疾患の指標であるL−アルギニン、L−NMMA、ADMA、SDMA、または他のアルギニン類似体と特異的に相互作用する。一態様においてアルギニン感知物質は、アルギニン化合物に結合するポリペプチドである例えば抗体またはそのフラグメントを含む。別の態様ではアルギニン感知物質は、例えばフラーレンのようなかご型分子を含む。都合のよいことにアルギニン感知物質は、例えばL−アルギニン、L−NMMA、ADMA、またはSDMAといった特定のアルギニン化合物と特異的に相互作用する。例えばL−アルギニン感知物質は、生体サンプル中のL−アルギニンレベルを指示できるようにL−アルギニンと特異的に相互作用するであろう。同様にADMA感知物質はADMAと特異的に相互作用することで生体サンプル中のADMAレベルを指示できる。さらに一種またはそれ以上の感知物質は、数種のアルギニン化合物を別個に特異的に検出できるように組み合わせて用いるとよい。さらに「アルギニン感知物質」という用語は、「アルギニン化合物認識物質」を含む。
【0029】
「アルギニン化合物認識物質」という用語は、アルギニン化合物と特異的に相互作用する物質を含む。アルギニン化合物認識物質は、例えばL−アルギニン(例えば、「L−アルギニン認識物質)、L−NMMA(例えば、「L−NMMA認識物質」)、ADMA(例えば、「ADMA認識物質」)、またはSDMA(例えばSDMA錦物質)、またはそれらの塩もしくはイオンといったある種のアルギニン化合物に対して特異的であろう。アルギニン化合物とアルギニン化合物認識物質との相互作用は、アルギニンまたはアルギニン化合物を修飾することなく、または酵素生成物を産生することなく検出できる。しかしながらアルギニン化合物の酸性または塩基性の置換基の脱プロトン化またはプロトン化はアルギニン化合物の修飾と考慮されない。
【0030】
アルギニン化合物認識物質は、その物質とアルギニン化合物との間の特異的な相互作用に関連する。「特異的に相互作用する」または「特異的な相互作用」という用語は、例えば類似の物理的性質を用いて分子を分離するための分子量、電荷、または気化点を利用するクロマトグラフィー技術(例えば、HPLC)のような分離及び検出の一般法が含まれるとは意図されていない。「特異的に相互作用する」または「特異的な相互作用」という用語にはアルギニン化合物認識物質とアルギニン化合物との間の相互作用が含まれるのであるが、それは、アルギニン化合物の化学的部分の大きさ、位置及び極性のような分子レベルの構造的特徴に基づいてアルギニン化合物を同定する能力を有している。さらに「アルギニン化合物感知物質」という用語には、「アルギニン化合物認識物質」が含まれる。好ましい態様ではアルギニン化合物認識物質は、アルギニン、L−NMMA、ADMA、またはSDMAと特異的に相互作用する。
【0031】
アルギニン化合物認識物質の例としては、例えば、アルギニン化合物並びに他の有機分子及び有機金属分子と検出可能に相互作用する抗体が挙げられる。
【0032】
好ましい態様ではアルギニン化合物認識物質は有機小分子である。「有機小分子」という用語には、有機系及び有機金属分子が含まれる。一態様において本発明の有機小分子は、サンプル中のアルギニン化合物の存在または濃度が検出できるようにアルギニン化合物と相互作用する。
【0033】
一態様においてアルギニン化合物認識物質は、L−アルギニン、L−NMMA、ADMA、SDMAなどのようなアルギニン化合物と特異的に相互作用する有機小分子である。これらの化合物は「ホストゲスト」化学の技術及び設計戦略を用いて合成並びに設計でき、この際、受容体が「ゲスト」(例えばアルギニン化合物)の特性を持つように設計されている。ホスト(認識物質)を設計する方法の例は、米国特許第5,030,728号、及び第5,128,466号において見いだせる。
【0034】
過去30年にわたって化学者らは他の有機分子と相互作用する能力のあるたくさんの有機化合物を設計しかつ合成してきた。これらの有機化合物はまた、「ゲスト」と結合して認識する生物学上の受容体と類似していることから「ホスト」化合物または「人工的受容体」とも命名されている。「ホストゲスト」または超分子化学は、生物学的な液体に含まれるアルギニン化合物などの分析物質を検出し、定量することのような莫大な数の生物医薬品への応用性を持っている。一態様において本発明は、アルギニン化合物と相互作用する「ホスト」のアルギニン感知物質を含む。
【0035】
例えば「ホストゲスト」超分子化学は、尿素「ゲスト」と相互作用するジケトン「ホスト」を作成するために用いられている(Bell, T. W.らのJ. Am. Chem. Soc. (1988) 110: 3673−3674)。この複合体の強度は、尿素と相互作用する前のジケトン「ホスト」の相対的な強固性、及びアルギニン化合物のNH安定基と強い水素結合を形成するためのほぼ理想的な位置にあるジケトンの水素−結合受容体窒素と酸素原子の位置によると考えられている。プレオーガナイゼーションの原理には、ホストの配置的な組織化の影響と結合する前の結合部位の溶媒和の低さの両方が含まれる(Cram, D. J. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. (1986) 25: 1039−1134)。さまざまなゲスト分子に対する他の一連の高度にプレオーガナイズした水素結合受容体も合成されかつ論じられている(Bell, T. W.らのAngew. Chem. Int. Ed. Engl., (1990) 29: 923−925、Beckless, D. L.らのTetrahedron(1995) 51: 363−376、米国特許第5,030,728号及び米国特許第5,283,333号)。
【0036】
アルギニン化合物と相互作用し、都合のよい場合にはこの相互作用のシグナルを形成するように設計された例えば有機小分子のアルギニン化合物認識物質は、生体サンプル中のアルギニン化合物レベルを決定するために用いることができる。
【0037】
水溶性アルギニン受容体である「アルギニンコルク」についての立方格子アプローチの一例がスキーム1に示されている(BellらのAngew, Chem., Int. Ed. Engl., 1999, 38, 2543−2547)。アルギニン化合物認識物質(1)は水中でアルキルグアニジニウムイオン、即ちアルギニンの側鎖と、アルギニンとの複合体の形成を伴って相互作用する。水中における1の複合体とアルギニンとの解離定数は1.1mMであることがわかった。受容体の水素−結合受容部位のプレオーガナイズネットワークとともに負にチャージした1のカルボキシル基とグアニジニウムイオンの正のチャージとの間に静電引力があるため、グアニジニウムイオンを伴う1の複合体が高度に安定化される。しかしながら受容体1はいくつかのアルキルグアニジニウム化合物と結合して認識特異性を欠如しており、それが選択的センサにとって重要である。
【0038】
【化108】
Figure 2004502948
【0039】
別の例ではしっかりとしたU−型形状のグアニジニウム受容体(2)(スキーム2)が、置換型グアニジニウムイオンに複合化して光吸収性を変化させる(BellらのAngew. Chem. Int. Ed. Eng. 1990, 29, 923−925)。受容体2は非置換のグアニジニウムイオンにのみ結合するように設計することで制限される。
【0040】
【化109】
Figure 2004502948
【0041】
本発明は、例えば相補的な静電作用とプレオーガナイズされた水素−結合相互作用を利用することによって、選択的にアルギニン化合物と相互作用するように設計された一連のアルギニン化合物認識物質に部分的に関する。一態様における本発明のアルギニン化合物認識物質は化学式(I)の物質である。
G(N)(C)   (I)
式中、Gはグアニジニウム認識部分であり、
Nはアンモニウム認識部分であり、
Cはカルボキシレート認識部分であり、そして
n及びmは0から10のそれぞれ独立した整数である。
一般にアルギニンは数個の官能基、グアニジニウム、アンモニウム及びカルボキシレートを持っていて、それが認識のために標的化されるであろう。一態様においてアルギニン化合物認識物質は、グアニジニウム認識部分(G)、アンモニウム認識部分(N)、及びカルボキシレート認識部分(C)を含む。アルギニン化合物認識物質はまた、グアニジニウム認識部分、アンモニウム認識部分、及びカルボキシレート認識部分を連結する結合部分をさらに含んでいてもよい。
【0042】
一態様でのアルギニン化合物認識物質は、スキーム3に示された一般構造式を持っている。
【化110】
Figure 2004502948
【0043】
「グアニジニウム認識部分」(「G」)という用語は、アルギニン化合物と配位結合する部分を含む。一態様においてこの部分は、アルギニン化合物のグアニジニウム部分と相互作用する。グアニジニウム認識部分は、生物学的濃度でアルギニン化合物と検出可能に配位結合することが好ましい。一態様でのグアニジニウム配位結合部分は多環性であって、都合がよいことに少なくとも一個のヘテロ環、例えば窒素含有ヘテロ環である例えばピリジル部分を含んでいてもよい。一態様におけるグアニジニウム認識部分は水素−結合受容性及び/またはアニオン性である。
【0044】
グアニジニウム認識部分は、それが特異的にアルギニンの非−メチル化グアニジニウム基(例えば、「非−メチル化グアニジニウム認識部分」)、NMMAのモノメチル化グアニジニウム基(例えば、「モノメチル化グアニジニウム認識部分」)、SDMAのグアニジニウム基の対称性ジメチル化(例えば、「対称性のジメチル化グアニジニウム認識部分」)またはADMAの不斉グアニジニウム基(例えば、「不斉のジメチル化グアニジニウム認識部分、「Q」)を認識するように設計されているとよい。「グアニジニウム認識部分」という用語には、これらの認識部分のそれぞれが含まれる(例えば、非−メチル化グアニジニウム認識部分、モノメチル化グアニジニウム認識部分、及び対称性と非対称性のグアニジニウム認識部分)。
【0045】
アルギニン認識物質に対する非−メチル化グアニジニウム認識部分の例としては、下記に示された次の構造式が挙げられる。
【化111】
Figure 2004502948
【化112】
Figure 2004502948
【化113】
Figure 2004502948
【化114】
Figure 2004502948
【0046】
さらにグアニジニウム認識部分の他の例としては、上記に示されたグアニジニウム認識部分の誘導体及び類似体が挙げられる。例えば上記に示したグアニジニウム認識部分は、それらの機能を実施する能力、例えばアルギニン化合物レベルを決定する能力を高めるためにさまざまな官能基で置換することができる。類似体には例えば、ヘテロ原子の置換、またはグアニジニウム認識部分もしくはアルギニン化合物認識部分が意図した機能、例えば生体サンプルのアルギニン化合物レベルを決定する機能を実施することを妨げないような別の変化が起きてい可能性がある以外は構造的に類似した化合物及び部分が含まれる。有利な位置態様では、上記に示したグアニジニウム認識部分の類似体または誘導体がその意図した機能を実施するアルギニン化合物認識物質の能力を高める。
【0047】
「不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分」、即ち「Q」という用語は、例えば下記に示したもののような強固なヘテロ芳香族配位結合部分などのジメチルグアニジニウム基と相互作用できる部分を含む。
【化115】
Figure 2004502948
【化116】
Figure 2004502948
【化117】
Figure 2004502948
この配位結合部分は中性、アニオン性であるか、またはカルボキシル基もしくはリン酸基のようなアニオン性置換基に結合できる。
【0048】
「アンモニウム認識部分」(「N」)という用語には、本発明のアルギニン化合物認識物質が意図した機能を実施する能力、例えばアルギニン化合物を検出する能力があるようにアルギニン化合物のアンモニウム部分と相互作用する部分が含まれる。別の態様ではアンモニウム認識部分は中性またはアニオン性の基であり、窒素や酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよい。アンモニウム認識部分の例としては、カルボニル、アミド、水酸基、ヒドロキシム、カルボキシレート、エーテル、エステル、ピリジン、ピリミジン、フェノレート、ホスフェート、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。アンモニウム認識部分には、一個または複数の介在結合基が含まれていてもよい。アンモニウム認識部分のいくつかの例が以下に示されている。
【化118】
Figure 2004502948
【化119】
Figure 2004502948
【化120】
Figure 2004502948
【化121】
Figure 2004502948
【化122】
Figure 2004502948
【化123】
Figure 2004502948
【化124】
Figure 2004502948
【化125】
Figure 2004502948
【化126】
Figure 2004502948
【化127】
Figure 2004502948
【化128】
Figure 2004502948
【化129】
Figure 2004502948
上述したアンモニウム認識部分の類似体及び誘導体も含まれる。
【0049】
「カルボキシレート認識部分」(「C」)という用語は、本発明のアルギニン化合物がその意図した機能を実行する能力があるようにアルギニン化合物のカルボキシレート部分と相互作用する能力のある部分を含む。カルボキシレート認識部分の例には、中性及びカチオン性の基が含まれる。別の態様ではカルボキシレート認識部分は、アミン、アミド、水酸基、ヒドロキシムまたは置換された尿素のような付加的な水素−結合供与基に任意で結合した例えばグアニジニウムまたはアンモニウムイオンといったカチオン性基を含んでいる。
【化130】
Figure 2004502948
【化131】
Figure 2004502948
【化132】
Figure 2004502948
【化133】
Figure 2004502948
【化134】
Figure 2004502948
【化135】
Figure 2004502948
【化136】
Figure 2004502948
【化137】
Figure 2004502948
【化138】
Figure 2004502948
【化139】
Figure 2004502948
式中、Zはアルキル、アルケニル、アルキニル、水素、アシル、水素、及びハロゲン原子である。上述したカルボキシレート認識部分の類似体及び誘導体も含まれる。
【0050】
「結合部分」という用語には、グアニジニウム認識部分またはジメチルグアニジニウム認識部分、アンモニウム認識部分、及びカルボキシレート認識部分を接続する(例えば供給結合を介して)部分が含まれる。結合部分は任意で置換された1から30の原子からなる鎖であってもよく、それは環、ヘテロ原子、一重結合、二重結合、及び三重結合を含んでいてもよい。有利な場合には、この結合部分によってアルギニン化合物認識物質が意図した機能、例えばアルギニン化合物を検出する機能を実施することが可能になる。
【0051】
アルギニン化合物認識物質は、部分G、A及びCの何らかの組み合わせと順序で含まれている。部分G、A、及びCの組み合わせは、線形または環状の様式に配列することができる。アルギニン認識物質のいくつかの例が以下に示されている。
【化140】
Figure 2004502948
【化141】
Figure 2004502948
【化142】
Figure 2004502948
【化143】
Figure 2004502948
【化144】
Figure 2004502948
【化145】
Figure 2004502948
【化146】
Figure 2004502948
【化147】
Figure 2004502948
【化148】
Figure 2004502948
【化149】
Figure 2004502948
【化150】
Figure 2004502948
【化151】
Figure 2004502948
【化152】
Figure 2004502948
【化153】
Figure 2004502948
【化154】
Figure 2004502948
式中Xは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロゲン、発色団、または蛍光団である。上述したアルギニン認識物質の類似体及び誘導体も含まれる。
【0052】
一態様における本発明のアルギニン感知物質及びアルギニン化合物認識物質には、BellらのAngew. Chem., Int. Ed. Engl., 1999, 38, 2543−2547に記載された化合物は含まれない。
【0053】
一態様における発色団は、アルギニン化合物のアルギニン化合物認識物質に対する相互作用部位に導入されてもよい。一態様において、対象のアルギニン化合物が複合化して光学的性質を変化させるアルギニン化合物認識物質の設計である。発色団または蛍光団が含まれていると、アルギニン化合物とアルギニン認識物質との相互作用の間の情報をうまく高めることができる(イオン及び分子認識の化学センサ(Chemosensors of Ion and Molecule Recognition), J. P. Desvergne, A. Czarnik, Eds., Kluwer: Dordrecht, The Netherlands, 1997, pp.121−132))。
【0054】
別の態様ではアルギニン化合物認識物質が、好ましくは特異的にADMAと検出可能に相互作用する能力のある「ADMA認識物質」である。一態様におけるADMA認識物質は、例えば相補的な静電作用及び/またはプレオーガナイズされた水素−結合相互作用を利用して、特異的にADMAと相互作用する。ADMAは数個の異なる置換基、ジメチルグアニジニウム、アンモニウム及びカルボキシレートを持っていて、それが認識する際に標的とされるらしい。一態様におけるADMA認識物質は化学式(II)の物質である。
G(N)(C)   (II)
式中、Qは不斉のジメチル化グアニジニウム認識部分であり、
Nはアンモニウム認識部分であり、
Cはカルボキシレート認識部分であり、そして
n及びmは0から10のそれぞれ独立した整数である。
【0055】
一態様におけるADMA認識物質は、少なくとも一つの不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分Q、少なくとも一つのアンモニウム認識部分N、及び少なくとも一つのカルボキシレート認識部分Cを含む。ADMA認識物質はまたはジメチルグアニジニウム認識部分、アンモニウム認識部分、及びカルボキシレート認識部分を接続する結合部分をさらに含んでいてもよい。一態様でのADMA認識物質は、下記に示されたスキームでQ−C−Nによって表示される。
Figure 2004502948
【0056】
ADMA認識物質は、部分Q、A及びCの何らかの組み合わせと順序で構成される。部分Q、A、及びCの組み合わせは、線形または環状の様式に配列することができる。ADMA認識物質のいくつかの例が以下に示されている。
【化155】
Figure 2004502948
【化156】
Figure 2004502948
【化157】
Figure 2004502948
【化158】
Figure 2004502948
【化159】
Figure 2004502948
【化160】
Figure 2004502948
【化161】
Figure 2004502948
【化162】
Figure 2004502948
【化163】
Figure 2004502948
式中Xは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロゲン、発色団、または蛍光団である。上述したADMA認識物質の類似体及び誘導体も含まれる。
【0057】
本発明はまた、本質的にここに記載されたアルギニン化合物認識物質と同様、ここに記載されたアルギニン化合物認識物質を含むキット、パッケージ及び他の製品にも少なくとも部分的に関する。
【0058】
「アルキル」という用語には、直鎖型アルキル基、分枝鎖型アルキル基、シクロアルキル(脂肪族環状)基、アルキル置換型シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換型アルキル基を含む飽和型脂肪族置換基が含まれる。
【0059】
さらにアルキルという用語は、「非置換型アルキル」と「置換型アルキル」の両方を含んでいて、その後者は炭化水素骨格の一個または複数の炭素上の水素と置換する置換基を備えたアルキル部分のことを言う。このような置換基には例えば、ハロゲン、水酸基、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロサイクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が含まれる。シクロアルキルは、例えば上述した置換基でさらに置換することもできる。「アルキルアリール」部分は、アリール(例えばフェニルメチル(ベンジル))で置換されたアルキルである。
【0060】
「アリール」という用語には、0から4個のヘテロ原子を含む5−及び6−員環の単環芳香族基、例えばベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、チアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンなどの芳香族基を持つアリール基が含まれる。アリール基にはまた、ナフチル、キノリル、インドリルなどのような多環性の融合型芳香族基も含まれる。環構造にヘテロ原子を持つこれらのアリール基はまた、「アリールヘテロ環」、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」とも言われる。芳香族環は、上記に記載されたような置換基、例えばハロゲン、水酸基、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロサイクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分のような置換基で、一個または複数の環位が置換されていてもよい。アリール基はまた、多環(例えばテトラリン)を形成するように芳香族でない脂肪族環状またはヘテロ環状の環で融合されていてもよく、またブリッジされていてもよい。
【0061】
「アルケニル」及び「アルキニル」という用語は、それぞれ少なくとも一つの二重結合または三重結合を含む以外は上記に記載したアルキルに長さ及びありうる置換基が類似した不飽和型脂肪族置換基を含む。
【0062】
炭素の数は別記して特定しない限りここで用いた場合の「低級アルキル」は上記に定義したアルキル基を意味するが、だたしその骨格構造には1個から5個の炭素原子を持っている。同様に「低級アルケニル」及び「低級アルキニル」も同じ長さの鎖を持っている。
【0063】
「アルコキシアルキル」、「ポリアミノアルキル」及び「チオアルコキシアルキル」という用語には、炭化水素骨格の一個または複数の炭素を置き換えて酸素、窒素または硫黄原子をさらに含む上述したようなアルキル基が含まれ、例えば酸素、窒素または硫黄原子である。
【0064】
「多環」または「多環ラジカル」という用語は二個またはそれ以上の輪になった環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール及び/またはヘテロサイクリル)のことを言い、そこでは二つまたはそれ以上の炭素が二個の隣接する環に共通であって、即ち例えば環が「融合環」である。非−隣接原子を介して結合する環は、「ブリッジ」環と言われる。多環の環のそれぞれは上記に記載したような置換基、例えばハロゲン、水酸基、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロサイクリル、アルキル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分のような置換基で置換されていてもよい。
【0065】
ここで用いた「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の何らかの元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は窒素、酸素、硫黄及びリンである。
【0066】
「置換された」という用語は、ハロゲン、水酸基、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロサイクリル、アルキル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分といった上述した置換基が含まれる。
【0067】
本発明の化合物のいくつかの構造は不斉炭素原子を含むことが注目されるでしょう。したがって別記して指示しない限りこのような不斉体(例えば、すべてのエナンチオマー及びジアステレオマー)から生じる異性体が本発明の範囲に含まれると理解すべきである。このような異性体は、従来の分離技術によって、また立体化学的に制御された合成法によって実質的に純粋な形で得ることができる。
【0068】
一態様においてアルギニン化合物のレベルは、例えばアルギニン感知物質及びアルギニン化合物の混合物の色の変化によって可視化して直接的に分析できる。
【0069】
本発明の一態様では、アルギニン感知物質またはその生成物の色、強度または濃淡をアルギニン化合物レベルの範囲を示すように目盛ることができる(例えば、アルギニン感知物質の色の強度は、サンプル中のアルギニン化合物レベルが増加した場合に増強するであろう。アルギニン感知物質の色または濃淡は、アルギニン化合物レベルが減少した場合に変化するであろう)。別の態様においては、得られた混合物は、得られた混合物の色、濃淡または強度を目盛られたスケールを用いて比較することによって分析され、それは体液中に、即ち好ましくは身体中に含まれるアルギニン化合物レベルを示す。別の態様においては、色の強度は例えば溶液の光学密度の変化を測定することによって、または蛍光放出を測定することによって定量的に検出できる。
【0070】
「色」という用語は、紫外線、可視光線、または赤外線スペクトルの吸収または放出放射の変化を含む。有利な場合の色の変化は、アルギニン感知物質の目に見える変化である。また色の変化は蛍光波長の変化であってもよい。さらに蛍光、色または光学的変化のレベルは、既知のスペクトル分析(例えば蛍光分析、色分析)法を用いて定量できる。
【0071】
アルギニン化合物認識物質の例としては、色、光の吸収強度もしくは波長、または蛍光放出強度もしくは波長に潜在的に役立つ変化のあるアルギニン化合物と特異的に相互作用する能力のある分子が挙げられる。このような光学的作用は、例えば転位、プロトン移動、イオン化、脱イオン化、立体配座の変化、極性化、溶媒変化またはアルギニン化合物認識物質とアルギニン化合物の間の電気的相互作用によって生じる可能性がある。アルギニン認識物質は、グアニジニウム化合物と一般的に相互作用することが知られている他の化合物を設計するために用いられる方法と同様の方法で設計できる(Bell, T. W.らのAngew. Chem. Int. Ed., (1999) 38, 2543−2548)。
【0072】
一態様において本発明のアルギニン化合物認識物質は、光学的シグナルを発生し、さらに高い親和性で対象のアルギニン化合物と結合するようにうまく設計することができる。このシグナルは例えば、アルギニン化合物認識物質の構造変化、アルギニン化合物認識物質の電気的極性化、または対象の化合物とアルギニン認識物質との間の他の電気的相互作用から結果的に光の吸収または放出に変化が起きる可能性がある。
【0073】
さらなる態様においては、アルギニン感知物質とアルギニン化合物との間の相互作用は、蛍光放出を利用して検出できる。放出強度が消滅化または増強されることは、アルギニン感知物質と対象のアルギニン化合物との間の電気的相互作用、または複合化したいずれかの物質の溶媒和の変化のような電気的要求のない行程から結果的に得られる。
【0074】
別の態様においては、この方法はまた、治療上有効量のアルギニン化合物を投与することによって体液サンプルが採取された患者においてアルギニン化合物レベルを増加させる行程も含む。
【0075】
「投与する」という用語は、アルギニン化合物が意図した機能を実行することが可能になるような投与ルートを含む。用いることのできる投与ルートの例には、非経口注入(例えば皮下、静脈内、及び筋肉内)、腹腔内注入、経口、吸入、及び経皮ルートが含まれる。注入は一回注入であってもよく、また連続的な注入であってもよい。投与ルートに依存してアルギニン化合物は、意図した機能を実行する能力に有害的に影響を与える可能性のある自然条件からそれを保護するように選択された物質で被覆されるか、または性質を持つとよい。アルギニン化合物は単独で投与してもよく、また薬学的に許容される担体とともに投与してもよい。さらにアルギニン化合物は、アルギニン化合物の混合物として投与してもよく、それはまた、薬学的に許容される担体と同時投与することもできる。好ましくはアルギニン化合物は経口投与される。
【0076】
「薬学的に許容される担体」という語句には、意図した機能を実行できるように被験者に、または被験者へ本発明の化合物を運搬したり移動したりすることに関与する液状もしくは固体状の賦形剤(filler)、希釈剤、賦形剤(excipient)、溶媒またはカプセル封入材料などの薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクルが含まれる。通常このような化合物は、一つの臓器から、即ち身体の一部分から別の臓器、即ち身体の一部分に運搬または移動される。それぞれの担体は、配合剤の他の成分と両立するとともに患者に障害を与えないという意味で「許容され」なくてはならない。薬学的に許容される担体として機能できる材料のいくつかの例には、乳糖、ブドウ糖及びショ糖のような糖類と、トウモロコシデンプン及びポテトデンプンのようなデンプン類と、セルロースと、並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びセルロースアセテートのようなセルロース誘導体と、トラガント粉末と、麦芽と、ゼラチンと、タルクと、ココアバター及び坐剤用ワックスのような賦形剤と、ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油のような油類と、プロピレングリコールのようなグリコール類と、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールのようなポリオール類と、エチルオレエート及びエチルラウレートのようなエステル類と、寒天と、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝化剤と、アルギニン酸と、発熱源を含まない水と、等張性塩水と、リンゲル液と、エチルアルコールと、リン酸緩衝溶液と、薬学的配合剤で用いられる他の非−毒性の融和性の物質が含まれる。
【0077】
経口投与するための本発明の固体状服用形態(カプセル剤、錠剤、ピル、糖衣錠、粉末剤、顆粒剤など)では、活性成分がクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二ナトリウムのような一種またはそれ以上の薬学的に許容される担体、及び/または以下のどれかと混合される。即ち、デンプン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、及び/もしくはケイ酸のような賦形剤(filler)または増量剤と、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及び/もしくはアカシアのような結合剤と、グリセロールのような希釈剤と、寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたはタピオカデンプン、アルギニン酸、ある種のシリケート類、及び炭酸ナトリウムのような崩壊剤と、パラフィンのような溶液遅延化剤と、四級アンモニウム化合物のような吸収促進剤と、例えばセチルアルコール及びグリセロールモノステアレートのような湿潤剤と、カオリン及びベントナイトクレイのような吸収剤と、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体状のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物のような潤滑剤と、着色剤である。カプセル剤、錠剤及びピルの場合では、薬学的組成物は緩衝剤も含むとよい。同様のタイプの固体状組成物はまた、ラクトース即ち乳糖と同様に高分子量のポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いてソフト及びハードの充填用ゼラチンカプセルに入れる賦形剤(filler)として利用することもできる。
【0078】
錠剤は、任意で一種またはそれ以上の付属成分とともに圧縮または成型によって作成できる。圧縮された錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性な希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコレートまたは架橋型ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、表面−活性剤または分散剤を用いて調製できる。成型された錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を適当な機械で成型することによって作成できる。
【0079】
錠剤、並びに糖衣錠、カプセル剤、ピル及び顆粒剤のような本発明の薬学的組成物の他の固体状服用形態は、薬学的−配合化の技術分野で周知の腸溶性皮膜及び他の皮膜のような皮膜及び殻を用いて任意で溝を付けたりまたは調製したりするとよい。それらはまた、活性成分のゆっくりとした、または調節された放出が、例えば望ましい放出プロフィールが得られるようにさまざまな比率にされたヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/またはミクロスフェアを用いて得られるように配合されていてもよい。それらは、例えば細菌−保持フィルターを通して濾過することによって、または使用する直前に滅菌水に、もしくはいくつかの他の滅菌性の注入可能な媒体に溶解することのできる滅菌性の固体組成物の形態に滅菌剤を混入することによって滅菌化できる。これらの組成物はまた、任意で不透明化剤を含んでいてもよく、さらにそれらが活性成分のみを放出する組成物からなっていてもよく、また任意であるが遅延した様式で胃腸管のある部分で好んで放出する組成物からなっていてもよい。利用できる埋設化組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。活性成分はまた、適当であれば上述した賦形剤の一つまたはそれ以上を用いてミクロ−カプセル封入型であってもよい。
【0080】
「治療上有効量」という用語には、治療される被験者の疾患の発症を抑制したり、そのような疾患の進行を有意に減少させたりするのに充分なアルギニン化合物の量が含まれる。治療上有効量は個人に基づいて決定することができ、そして治療すべき症状の重篤性や、類似体が用いられる場合は、特定の選択された類似体の活性についての考慮に少なくとも部分的に基づくであろう。さらにこのアルギニン化合物の有効量は、治療される被験者の年齢、性別及び体重によって異なるであろう。このようにアルギニン化合物の治療上有効量は、当業者によって臨床的な管理の下、日常的な範囲内の実験を利用して上記に記載されたような因子を用いることで決定できる。
【0081】
別の態様では本発明は、体液のアルギニン化合物レベルを決定するための移動式キットに特徴がある。一態様においてはこのキットは、アルギニン感知物質及び使用指示書を備えている。このキットはまた、容器、体液のためのバイアル、溶媒、及び治療上有効量のアルギニン化合物を備えていてもよい。
【0082】
アルギニンレベルを決定するための方法は現在利用可能であるが、一般にはこれらの方法は実験室の装置を拡張利用することに依存しているため、キットで利用することに適していない。
【0083】
好ましい態様ではアルギニン感知物質は固体支持体と関連しており、例えば担体マトリックスに埋設されている。有利な場合にはその担体マトリックスは、水及び他の生理的液体に不溶である。担体マトリックスの例としては、紙、スポンジ材料、セルロース、木材、織布及び不織布、ガラス繊維、ポリマー製フィルム、予め形成された微孔性の膜、合成及び修飾された天然に−発生するポリマー、または親水性の無機粉末が挙げられる。
【0084】
別の態様においてこの固体支持体は、アルギニン化合物感知物質が埋め込まれたテスト片である。テスト片には、通常は疎水性プラスチックから構成された支持片、または取ってと、アルギニン感知物質が導入される水分を吸収しやすい担体マトリックスまたは水分を吸収しにくい担体マトリックスを含む試薬テスト領域とが設けられている。一態様におけるこの担体マトリックスは、アルギニン感知物質を接触させ、そして検出可能もしくは測定可能な色の変遷を生じさせるように、担体マトリックスを通る毛細管現象に応答して体液が移動するのが可能になるような吸収性材料である。全血サンプルのアッセイではこの担体マトリックスは一般に、細胞材料に浸透することができない。したがって高度に着色された細胞はテストパッドから拭き取ったりブロッティングしたりでき、そしてアルギニン化合物についてのアッセイを妨害することもないし、またマスクしてしまうこともない。さらに担体マトリックスを細胞材料に浸透させる場合は当業者は、細胞材料の妨害作用を減少させるようにテストサンプルから細胞材料を分離するための方法及び装置を知っている。
【0085】
担体マトリックスは、それが実施的に不活性である限りアルギニン感知物質を入り込ませる能力のあるどれかの物質であればよく、そしてそれは液状のテストサンプルの可溶性成分に関係して多孔性即ち吸収性である。「担体マトリックス」という表現は、水及び他の生理的液体に不溶であって、水及び他の生理的液体に接触した場合に構造の完全性を維持する水を吸収しやすいか吸収しにくいかそのいずれかのマトリックスのことを言う。適当な水を吸収しやすいマトリックスには、濾紙、スポンジ材料、セルロース、木材、織布及び不織布などが含まれる。水を吸収しにくいマトリックスとしては、ガラス繊維、ポリマーフィルム、及び予め成型されているか微孔性の膜が挙げられる。他の適当な担体マトリックスには、シリカゲル、アルミナ、珪藻土などのような親水性の無機物質や、粘土質の物質や、布や、親水性の天延のポリマー材料であって特定するとセルロースビーズのようなセルロース材料、とりわけ濾紙やクロマトグラフィー紙のような繊維−含有ペーパーや、架橋されたゼラチン、セルロースアセテート、ポリビニルクロライド、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリスルホン類、ポリエステル類、ポリアクリレート類、ポリウレタン類、架橋されたデキストラン、アガロース、並びに他のそのような架橋型及び非架橋型の水−不溶性の親水性ポリマーのような合成または修飾された天然に発生するポリマーが含まれる。担体マトリックスは異なる化学的組成物からなっていてもよく、また化学的組成物の混合物であってもよい。マトリックスはまた、硬さと柔軟性を組み合わせた滑らかさと粗さに関連して変化させることもできる。
【0086】
本明細書において引用されたすべての参照文献、並びに公開された特許及び特許出願の内容は参照として本明細書に組み入れられる。
【0087】
本発明の具体例
実施例1:アルギニン化合物認識物質A(ACRSA)の合成
この実施例は、サンプルのアルギニン化合物認識物質(ACRSA)の合成法である。本発明の他の化合物は、本明細書に記載された他の方法によって、及び/または化学文献を参照することによって合成できる。
【0088】
H及び13C NMRスペクトルは、それぞれ300MHzと75MHzでジェネラルエレクトリック(General Electric)QE−300 NMRスペクトル測定器にて測定した。化学シフトは残りのプロトン性溶媒に参照した。
【化164】
Figure 2004502948
【0089】
2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(2)
1Lの高圧重壁パール(Parr)ボトルにキナルジン(1、52.4g、0.366mol)を充填し、0℃に冷却した。続いてTFA(200mL)を同じ温度で添加した。黄色の沈殿物が形成された。塩をTFAに溶解した後で炭素に載せた10%のPd(6.4g)を添加し、そのフラスコを高圧パール水素化装置に装着した。システム全体を水分アスピレータで排出し、続いて水素ガスを充填した。この排出/充填行程は三回以上繰り返した。次にこのシステムに高圧水素(45〜50psi)を充填し、振騰装置を作動させた。ボトルを室温で3日間、水素の消費がなくなるまで振騰した。残っている圧力を注意深く開放し、触媒をワットマンナンバー2(Whatman No.2)濾紙を通過させて真空濾過により除去し、水で洗浄した。この酸性溶液をNaOHペレットを用いて室温でpH10〜11になるまで塩基性にした。その生成物をヘキサン(100mL×3)を用いて抽出した。合わせたヘキサン抽出液を水(50mL×2)と塩水(100mL×1)を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させた。真空で溶媒を除去するとテトラヒドロキノリン2(81.9g、98%)が茶色のオイルとして得られた。物理データは、本明細書に参照文献として組み入れられるA. B. Khasanov’s Ph. D. Thesis, University of Nevada at Reno (2000)を参照のこと。
【化165】
Figure 2004502948
【0090】
8−ベンジリデン−2−スチリル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(3)
攪拌棒、コンデンサ、及び窒素ガス注入口を装着した1L−の丸底フラスコに、2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(2、80.5g、0.547mol)、PhCHO(222mL、2.19mol)、及びAcO(206mL、2.19mol)を充填した。この混合液を窒素雰囲気下、160〜170℃で5日間、加熱還流した。その後すべての揮発性物質を〜170℃で大気圧にて蒸留することによって除去した。残渣を熱EtOH(200mL)と混合し、70℃で攪拌した。この攪拌溶液を室温に冷却し、結晶化が容易になるように生成物3の結晶を蒔いた。沈殿物を真空濾過して集め、EtOH(100mL)を用いて洗浄し、そして真空で乾燥させることによって不純な淡い茶色の固体(175g)が得られた。粗物質をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行う(ヘキサンのみ)ことによって、ビスベンジリデン3(142.4g、83%)が淡黄色の固体として得られた。物理データは、A. B. Khasanov’s Ph. D. Thesis (2000)を参照のこと。
【化166】
Figure 2004502948
【0091】
6,7−ジヒドロ−8(5H)−キノリノン−2−カルボキシアルデヒド(4)
1L−の丸底フラスコにビスベンジリデン3(30.1g、93.1mmol)、CHCl(450mL)、及びMeOH(150mL)を添加した。この溶液を−78℃に冷却し、O/Oの気流を溶液がブルーになるまでその溶液を通して気泡化した。得られた溶液を窒素ガスを20分間気泡注入することによってパージし、続いてMeS(15mL)を−78℃で添加した。この混合液を一晩、室温に温まるままにし、その後溶媒を真空で除去した。エーテル(550mL)を残渣に添加し、得られた溶液をフリーザーで一晩冷却した。淡黄色の沈殿物を真空濾過して集め、エーテルを用いて洗浄してから真空で乾燥させることによってケトアルデヒド4(11.8g)が得られた。続いてエーテルを母液から真空で除去し、残渣をCHCl(300mL)に溶解した。その溶液を水(40mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させてから濾過し、そして溶媒を真空で蒸発させた。その残渣にエーテル(300mL)を添加し、混合液をフリーザーで一晩冷却した。淡黄色の結晶を真空濾過して集め、エーテルで洗浄してから真空乾燥させることによって同じアルデヒド4(3.22g)が得られた。5の全収量は15.0g(92%)である。物理データは、A. B. Khasanov’s Ph. D. Thesis (2000)を参照のこと。
【化167】
Figure 2004502948
【0092】
6,7−ジヒドロ−8(5H)−キノリノン−2−カルボン酸(5)
攪拌棒を装備した500mLのエーレンマイヤー(Erlenmeyer)フラスコに6,7−ジヒドロ−8(5H)−キノリノン−2−カルボキシアルデヒド(4、15.0g、85.6mmol)と蟻酸(17.0g、0.370mmol)を添加した。この混合物を、透明な溶液ができるまで攪拌した。続いて30%のH水溶液(28.0g)を10分間の時間をかけて0℃で滴下した。その固体が形成された後で水(50mL)を添加し、そして得られた混合液を一晩冷蔵した。白色沈殿物を真空濾過して集め、氷冷水で洗浄してから真空乾燥させることによってカルボン酸5(15.2g、93%)が得られた。物理データは、A. B. Khasanov’s Ph. D. Thesis (2000)を参照のこと。
【化168】
Figure 2004502948
【0093】
N1−(2−アミノエチル)−5−(ジメチルアミノ)−1−ナフタレンスルホンアルフリド(6) 攪拌棒、50mLの添加ロート、及び窒素ガス注入口を装備した100mLの丸底フラスコに、エチレンジアミン(15mL、224mmol)とCHCl(25mL)を充填した。添加ロートには、窒素雰囲気下、室温で激しく攪拌された反応混合液に30分間かけて滴下されたダンシルクロライド(1.00g、3.71mmol)を含むCHCl溶液(10mL)が充填された。一晩攪拌した後で得られた溶液をCHCl(50mL)で希釈し、水(50mL×3)を用いて洗浄してからNaSOで乾燥させた。真空で溶媒を蒸発させた後、トルエン/シクロヘキサン(3/2、100mL)から再結晶することによってダンシルアミン誘導体6(911mg、84%)が黄色から緑色の針状物として得られた。
Figure 2004502948
【化169】
Figure 2004502948
【0094】
N−[(5−ジメチルアミノ)−1−ナフタレンスルホニルアミオエチ]−6,7−ジヒドロ−8(5H)−キノリノン−2−カルボキシアミド(7)
攪拌棒と隔膜ゴムを装着した25mLの丸底フラスコに、窒素雰囲気下、室温でケト酸5(1.00g、5.23mmol)、CHCl(80mL)、及びEtN(2.9mL、20.8mmol)を充填した。この混合液を−20℃に冷却し、続いてi−PrOCOCl(10mL、10mmol、1.0MのPhMe溶液)を同じ温度で添加した。得られた溶液を大気温度に一晩温まるままにした。続いてアミン6(1.84g、6.27mmol)を室温で反応混合液に添加し、一晩攪拌を続けた。真空で溶媒を蒸発させた後、残渣をアルミナとシリカのゲル上でのクロマトグラフィーを連続的に行うことによってケトアミド7(759mg、31%)が黄色の固体として得られ、それは
Figure 2004502948
であった。
【化170】
Figure 2004502948
【0095】
4−アミノ−5−ピリミジンカルボニトリル(8)
攪拌棒、500mLの添加ロート、及び窒素ガス注入口を装備した1Lの丸底フラスコに、ホルムアミジンアセテート(39.5g、379mmol、EtOHから新たに再結晶化した)、マロノニトリル(12.8g、194mmol、t−ブチルメチルエーテルから新たに再結晶化した)、及び無水MeOH(210mL)を充填した。添加ロートには、激しく攪拌された反応混合液に10時間かけて滴下された2MのNaOMeを含むMeOH溶液(210mL)を充填した。得られた溶液を窒素雰囲気下室温で2日間攪拌し、続いて0℃で1.5時間冷却した。黄色の沈殿物を真空濾過して集め、冷却MeOHで洗浄してから真空乾燥させた。粗生成物8(20.9g)を10%の熱AcOH水溶液(850mL)から再結晶化した。0℃で生成した鮮黄色の結晶を真空濾過して集め、冷却水(80mL)を用いて洗浄してから真空乾燥させることによってアミノニトリル12(13.3g、57%)が得られた。物理データは、A. B. Khasanov’s Ph. D. Thesis (2000)を参照のこと。
【化171】
Figure 2004502948
【0096】
5,6−ジヒドロピリミド[4,5−b][1,10]フェナントロリン−2−カルボン酸、カリウム塩(9)
攪拌棒、コンデンサ、及び窒素ガス注入口を装備した250mLの丸底フラスコに、4−アミノ−5−ピリミジンカルボキシアルデヒド(8、2.00g、16.2mmol)、カルボン酸5(3.10g、16.2mmol)、及びMeOH(100mL)を充填した。この混合液を沸騰するまで加熱し、続いて1NのKOHを含むMeOH溶液(19mL)を滴下して、pH9〜10に到達させた。得られた混合液を窒素気流下、24時間加熱還流した。その後その混合液を室温に冷却し、一晩冷蔵した。沈殿物を真空濾過して集め、EtOH(30mL)を用いて洗浄してから真空乾燥させることによってカリウム塩9(4.17g、81%)が灰色の固体として得られた。物理データは、A. B. Khasanov’s Ph. D. Thesis (2000)を参照のこと。
【化172】
Figure 2004502948
【0097】
5,6−ジヒドロ−9−アミノ−8−[1,10]フェナントロリンカルボキシアルデヒド−2−カルボン酸(10)
攪拌棒、コンデンサを装備した500mLの丸底フラスコに、カリウム塩9(4.17g、13.2mmol)及び水(200mL)を充填した。この溶液を攪拌し、15%のHCl(3mL)をその混合液が室温でpH3〜4に到達するまで滴下した。沈殿した黄色固体の懸濁液を15.5時間加熱還流した。それからその混合液を室温に冷却し、NaCl(60g)で飽和させた後、EtOH/CHCl(1/7、500mL)を入れた1Lの丸底フラスコに装着した液体−液体連続抽出装置に移した。この懸濁液を4日間かけて抽出した。続いて有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過してから溶媒を真空除去することによってアミノアルデヒド10(3.05g、86%)が黄色固体として得られた。物理データは、A. B. Khasanov’s Ph. D. Thesis (2000)を参照のこと。
【化173】
Figure 2004502948
【0098】
N−[(5−ジメチルアミノ)−1−ナフタレンスルホニルアミノエチル]−5,6,9,10−テトラヒドロ[1,10]フェナントロリノ[2,3−b][1,10]フェナントロリン−13−カルボキシアミド−2−カルボン酸、カリウム塩(11)
攪拌棒、コンデンサ、及び窒素ガス注入口を装備した100mLの丸底フラスコに、アミノアルデヒド9(173mg、0.643mmol)、ケトアミド7(300mg、0.643mmol)、及びEtOH(40mL)を充填した。この混合液を沸騰するまで加熱し、続いて1NのKOHを含むMeOH溶液(1.6mL)を、pH9〜10に到達するまで3分間かけて滴下した。得られた混合液を窒素雰囲気下、5.5日間還流した。その後溶媒を真空で除去し、エーテル(35mL)とMeOH(10mL)をその残渣に添加した。沈殿物を真空濾過して集め、エーテルを用いて洗浄してから真空乾燥させることによってカリウム塩11(447mg、94%)が明るい緑色の固体として得られた。
【化174】
Figure 2004502948
【0099】
N−1(5−ジメチルアミノ)−1−ナフタレンスルホニルアミノエチル]−5,6,9,10−テトラヒドロ[1,10]フェナントロリノ[2,3−b][1,10]フェナントロリン−13−カルボキシアミド−2−カルボン酸(ACRSA)
攪拌棒を装備した10mLのバイアルに、カリウム塩11(447mg、0.60mmol)と水(10mL)を入れた。この溶液を攪拌し、15%のHCl(約500μL)をその混合液がpH3に到達するまで滴下した。一晩冷蔵した後、オレンジ色の沈殿物を真空濾過して集め、冷却水で洗浄してから真空乾燥させることによってDns−酸ACRSA(322mg、76%)がオレンジ色の固体として得られた。分析用サンプルは、MeOH−CHCl(8/5)から再結晶化することによって調製した。
Figure 2004502948
【0100】
実施例2:アルギニン化合物の検出
この実施例ではACRSA(アルギニン化合物認識物質)が、ACRSAの蛍光スペクトル強度の増加によってアルギニン化合物を検出した。
【0101】
この実施例で用いた蛍光スペクトルはフォトンテクノロジーインターナショナルQM−1ステディ(Photon Technology International QM−1 Steady)という蛍光システムに記録した。
【0102】
ACRSAは、メタノールとメチレンクロライドの95:5混合液に溶解した。5.43×10−5Mのアルギニンを添加した後、ACRSAの412における最大蛍光放出バンドは最初の強度の125%に増加した。
【0103】
実施例3:体液におけるアルギニン化合物レベルの決定
この実施例は、アルギニン認識物質が生体サンプル中のアルギニンを検出するためにどのように用いられるのかについて論じている。
【0104】
アルギニン認識物質はクロロホルム(.14mM)に溶解する。市販の供給元から入手したアルギニンを水に、約0μMから約50μM(.1mL、pH6.0、0.1MのMES緩衝液)の間の濃度で溶解する。有機系及び水系の溶液を振騰し、アルギニン認識物質の発色性の応答をそれぞれの濃度で測定する。
【0105】
唾液の生体サンプルを患者から採取する。その唾液を等量の水で希釈する。その溶液のpHを調節して0.1MのMES緩衝液を添加する。0.1mLの溶液を、クロロホルムにアルギニン認識物質を入れた0.14mMの溶液に添加する。その混合液を振騰し、アルギニン認識物質の発色性応答を測定し、上記で生成した曲線と比較する。
【0106】
等価物
当業者は、本明細書に記載した特定の態様及び方法に対する多くの等価物について認識しており、即ち日常的な範囲内の実験を用いて確かめることができると思われる。このような等価物は、特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【0107】
本明細書に引用したすべての特許、特許出願、及び文献は、参照文献として本明細書に明確に組み入れられる。

Claims (70)

  1. アルギニン化合物のレベルを決定するために、
    生体サンプルをアルギニン化合物認識物質と接触させる段階、
    得られる混合物を分析する段階
    を含む、被験者の生体サンプルにおけるアルギニン化合物のレベルを決定するための方法。
  2. 前記生体サンプルが生体組織である請求項1記載の方法。
  3. 前記生体組織がL−アルギニンNO経路を利用する組織である請求項2記載の方法。
  4. 前記生体サンプルが体液である請求項1記載の方法。
  5. 前記体液が、尿、血液、唾液、汗、並びに脊髄及び脳の液体からなる群より選択される請求項4記載の方法。
  6. 前記体液を非侵襲的に入手する段階をさらに含む請求項5記載の方法。
  7. 前記アルギニン化合物認識物質が有機系の小分子である請求項1記載の方法。
  8. 前記アルギニン化合物のレベルが可視的に直接分析できる請求項1記載の方法。
  9. 前記アルギニン化合物認識物質が、アルギニン化合物を接触させると色が変化する、請求項1記載の方法。
  10. 前記被験者のアルギニン化合物レベルを増加させるために、治療的に上有効量のアルギニン化合物を被験者に投与する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  11. 前記アルギニン化合物がL−アルギニンである請求項1記載の方法。
  12. 前記アルギニン化合物がL−NMMAである請求項1記載の方法。
  13. 前記アルギニン化合物がADMAである請求項1記載の方法。
  14. 前記アルギニン化合物がSDMAである請求項1記載の方法。
  15. 前記被験者がヒトである請求項1記載の方法。
  16. 前記アルギニン化合物認識物質が次の化学式である請求項1記載の方法:
    G(N)(C)   (I)
    式中、Gはグアニジニウム認識部分、
    Nはアンモニウム認識部分、
    Cはカルボキシレート認識部分、並びに
    n及びmは0から10のそれぞれ独立した整数である。
  17. 前記n及びmが1である請求項16記載の方法。
  18. 前記Gが多環である請求項16記載の方法。
  19. 前記Gが少なくとも一つのヘテロ環を含む請求項18記載の方法。
  20. 前記Gが水素−結合受容性である請求項16記載の方法。
  21. 前記Gがアニオン性である請求項16記載の方法。
  22. 前記Gが、非−メチル化グアニジニウム認識部分、モノメチル化グアニジニウム認識部分、対称性ジメチル化グアニジニウム認識部分、または不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分である、請求項16記載の方法。
  23. 前記グアニジニウム認識部分が以下の化学式からなる群より選択される請求項16記載の方法:
    Figure 2004502948
    Figure 2004502948
    Figure 2004502948
    Figure 2004502948
  24. 前記グアニジニウム認識部分が、不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分である請求項22記載の方法。
  25. 前記不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分が以下の化学式からなる群より選択される請求項24記載の方法:
    Figure 2004502948
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  26. 前記アンモニウム認識部分が中性またはアニオン性である請求項16記載の方法。
  27. 前記アンモニウム認識部分が一個または複数のヘテロ原子を含む請求項16記載の方法。
  28. 前記アンモニウム認識部分が、カルボニル、アミド、ヒドロキシル、ヒドロキシム、カルボキシレート、エーテル、エステル、ピリジン、ピリミジン、フェノレート、ホスフェート、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される部分を含む、請求項27記載の方法。
  29. 前記アンモニウム認識部分が以下の化学式からなる群より選択される請求項27記載の方法:
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  30. 前記カルボキシレート認識部分が中性またはカチオン性である請求項16記載の方法。
  31. 前記カチオン性カルボキシレート認識部分が、付加的な水素−結合供与基に任意で結合されたグアニジニウムまたはアンモニウムイオンである、請求項30記載の方法。
  32. 前記カルボキシレート認識部分が以下の化学式からなる群より選択される請求項30記載の方法:
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    式中、Zはアルキル、アルケニル、アルキニル、水素、アシル、水素、またはハロゲン原子である。
  33. 前記アルギニン化合物認識物質が少なくとも一つの結合部分をさらに含む請求項16記載の方法。
  34. 前記アルギニン化合物認識物質がアルギニン認識物質である請求項16記載の方法。
  35. 前記アルギニン認識物質が以下の化学式からなる群より選択される請求項34記載の方法:
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    式中、Xは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロゲン、発色団、または蛍光団である。
  36. 前記アルギニン化合物認識物質がADMA認識物質である請求項16記載の方法。
  37. 前記ADMA認識物質が次の化学式である請求項36記載の方法:
    Q(N)(C)   (II)
    式中、Qは不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分、
    Nはアンモニウム認識部分、
    Cはカルボキシレート認識部分、並びに
    n及びmは0から10のそれぞれ独立した整数である。
  38. 前記n及びmがそれぞれ1である請求項37記載の方法。
  39. 前記ADMA認識物質が以下の化学式からなる群より選択される請求項37記載の方法:
    Figure 2004502948
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    式中、Xは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロゲン、発色団、または蛍光団である。
  40. 次の化学式であるアルギニン化合物認識物質:
    G(N)(C)   (I)
    式中、Gはグアニジニウム認識部分、
    Nはアンモニウム認識部分、
    Cはカルボキシレート認識部分、並びに
    n及びmは0から10のそれぞれ独立した整数である。
  41. 前記n及びmが1である請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  42. 前記Gが多環である請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  43. 前記Gが少なくとも一つのヘテロ環を含む請求項42記載のアルギニン化合物認識物質。
  44. 前記Gが水素−結合受容性である請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  45. 前記Gがアニオン性である請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  46. 前記Gが、非−メチル化グアニジニウム認識部分、モノメチル化グアニジニウム認識部分、対称性ジメチル化グアニジニウム認識部分、または不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分である、請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  47. 前記グアニジニウム認識部分が以下の化学式からなる群より選択される請求項40記載のアルギニン化合物認識物質:
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  48. 前記グアニジニウム認識部分が不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分である請求項45記載のアルギニン化合物認識物質。
  49. 前記不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分が以下の化学式からなる群より選択される請求項48記載のアルギニン化合物認識物質:
    Figure 2004502948
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  50. 前記アンモニウム認識部分が中性またはアニオン性である請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  51. 前記アンモニウム認識部分が一個または複数のヘテロ原子を含む請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  52. 前記アンモニウム認識部分が、カルボニル、アミド、ヒドロキシル、ヒドロキシム、カルボキシレート、エーテル、エステル、ピリジン、ピリミジン、フェノレート、ホスフェート、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される部分を含む、請求項51記載のアルギニン化合物認識物質。
  53. 前記アンモニウム認識部分が以下の化学式からなる群より選択される請求項51記載のアルギニン化合物認識物質:
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  54. 前記カルボキシレート認識部分が中性またはカチオン性である請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  55. 前記カルボキシレート認識部分が、付加的な水素−結合供与基に任意で結合されたグアニジニウムまたはアンモニウムイオンである、請求項54記載のアルギニン化合物認識物質。
  56. 前記カルボキシレート認識部分が以下の化学式からなる群より選択される請求項54記載のアルギニン化合物認識物質:
    Figure 2004502948
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    式中、Zはアルキル、アルケニル、アルキニル、水素、アシル、水素、またはハロゲン原子である。
  57. 少なくとも一つの結合部分をさらに含む請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  58. アルギニン認識物質である請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  59. 前記アルギニン認識物質が以下の化学式からなる群より選択される、請求項58記載のアルギニン化合物認識物質:
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    式中、Xは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロゲン、発色団、または蛍光団である。
  60. 前記アルギニン化合物認識物質がADMA認識物質である請求項40記載のアルギニン化合物認識物質。
  61. 前記ADMA認識物質が次の化学式である請求項60記載のアルギニン化合物認識物質:
    Q(N)(C)   (II)
    式中、Qは不斉ジメチル化グアニジニウム認識部分、
    Nはアンモニウム認識部分、
    Cはカルボキシレート認識部分、並びに
    n及びmは0から10のそれぞれ独立した整数である。
  62. 前記n及びmがそれぞれ1である請求項61記載のアルギニン化合物認識物質。
  63. 前記ADMA認識物質が以下の化学式からなる群より選択される請求項61記載のアルギニン化合物認識物質:
    Figure 2004502948
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    式中、Xは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロゲン、発色団、または蛍光団である。
  64. アルギニン感知物質と使用説明書とを含む、生体サンプルにおけるアルギニン化合物レベルを決定するための携帯用キット。
  65. 前記アルギニン感知物質が固体支持体に結合される請求項64記載のキット。
  66. 前記アルギニン感知物質が担体マトリックス内に埋設されている請求項65記載のキット。
  67. 前記担体マトリックスが水及び他の生理的液体に不溶性である請求項66記載のキット。
  68. 前記担体マトリックスが、紙、スポンジ材料、セルロース、木材、織布及び不織布、ガラス繊維、ポリマー製フィルム、予め形成された微孔性の膜、合成ポリマー及び修飾された天然ポリマー、または親水性の無機粉末である、請求項67記載のキット。
  69. 前記アルギニン感知物質がアルギニン化合物認識物質である請求項64記載のキット。
  70. 前記アルギニン化合物認識物質が、アルギニン認識物質、L−NMMA認識物質、ADMA認識物質、またはSDMA認識物質である、請求項64記載のキット。
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