JP2004502563A - 誘電多層反射コーティングの製造方法 - Google Patents
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Abstract
誘電多層ミラーコーティングを製造する方法は、反射係数を高めるために、最初に所定の初期厚さの少なくとも2つの誘電層を形成する段階を特徴としている。次に、積層体を形成するように、層を上下に配置する。次に、層の相対的な厚さ比を維持しながら、積層体を変形させることによって、積層体の厚さを、したがって個別層の厚さを減少させる。
Description
【0001】
本発明は、誘電多層ミラーコーティングの製造方法に関する。
【0002】
光学窓および他の光学部材または装置の場合にスペクトルで選択した反射または透過搬送を行うために、誘電多層ミラーコーティング、すなわち、複数の誘電層からなるミラーコーティングが長らく使用されてきた。さらに、ミラーコーティングを電球に塗布することが周知である。そのようなミラーコーティングの目的は常に、放射光の一定部分を反射する一方、放射光の一定の別の波長を有する別の一定部分を透過することにある。
【0003】
従来の方法では、そのような多層ミラーコーティングは、一般的に異なった2つの誘電材料で構成された、可能であれば異なった屈折率を有する個別の誘電層を塗布することによって形成される。一般的に、層は、真空蒸着によるか、溶液からの析出によって塗布される。その場合、ミラーコーティングは、たとえば異なった2つの材料からなる二重層を数回重ねて、異なった層の周期的な連続を生じるようにして形成される。
【0004】
必要なミラー品質およびスペクトル反射−透過特性を得るために、異なった層は、最も狭い許容誤差内に正確に維持されるべき層厚さを有していなければならない。通常、光学的層厚さは、幾何学的層厚さにその層の誘電材料の屈折率を掛けたものである。光学的厚さは、二重層ごとに所定通りに変化することができる。
【0005】
そのような誘電多層ミラーコーティングの従来型製造方法は複雑である。たとえば、高コストで高価な高真空蒸着プラントが使用される。この方法では、層を個別に順次重ねて塗布する必要がある。さらに、ミラーコーティング方法は、バッチ生産の範囲内だけで実施することができる。密閉高真空蒸着技法の場合、組み立てライン生産の範囲内の大量生産ができない。さらに、層を個別に順次重ねて塗布することによって得ることができるミラー品質には限界がある。従来通りに、商業規模で曲面に塗布できるのは、せいぜい70の誘電層か、35の誘電二重層にすぎない。そこで、広帯域ミラーコーティング用に0.7の反射係数を得ることができる。従来の方法では、円筒形物体などの全体的に広がる誘電多層ミラーコーティングは、技術的に不可能である。そして、レンズ表面などの平面的またはわずかに湾曲した表面にしか、誘電多層ミラーコーティングを蒸着によって塗布できない。
【0006】
要約すると、従来の多層ミラーコーティングでは、せいぜい0.7の反射係数が得られるだけである。
【0007】
したがって、本発明の目的は、反射係数を高めた多層ミラーコーティングを簡単に実現できるようにする誘電多層ミラーコーティングの製造方法を説明することである。
【0008】
本発明によれば、上記目的は、請求項1の特徴段階によって誘電多層ミラーコーティングを製造する方法によって達成される。したがって、それぞれが所定の初期厚さを有する少なくとも2つの誘電層を最初に製造する。次に、層を上下に配置して、積層体を形成する。最後に、層の相対的な厚さ比を維持しながら積層体を変形させることによって、積層体の厚さを、したがって個別層の厚さを減少させる。
【0009】
本発明による方法では、誘電多層ミラーコーティングを製造する従来の方法、すなわち、個別層の蒸着または溶液からの層の析出以外にも、最終的に所望される数の層を最初に上下に配置して積層体を形成するようにして誘電多層ミラーコーティングを製造するさらなる可能性が存在することが認識されている。そうする際に、層の相対的な厚さ比が正確であるように、層の厚さを選択することが重要である。個別層は、ミラーコーティングの最終段階におけるよりはるかに厚くてもよく、このことは、個別層の取り扱いを相当に簡単にする。さらなる処理において、必要ならば、積層体の厚さ、または個別層の厚さを変形段階によって相当に減少させる。しかし、層の相対的な厚さ比は不変のままに保つ。言い換えると、積層体は、「巨視的に」前もって決定されて、製造処理の完了時に「微視的に」存在することができる。
【0010】
本発明の製造方法では、層の最大数を70の個別層または35の二重層までとする技術的制限が存在しない。したがって、たとえば、反射すべき波長の所定区間内では、反射するために個別層または二重層がそれぞれ関連するほぼ大多数の波長を反射することができる。このため、たとえば、400の二重層を使用することも極めて現実的である。その結果、これまで達成可能であった0.7の反射係数より相当に高い反射係数が得られる。
【0011】
したがって、誘電多層ミラーコーティングを製造する本発明の方法は、反射係数を高めた多層ミラーコーティングを簡単に実現できるようにする方法を定義する。
【0012】
誘電層の製造の範囲内において、層の初期厚さが前もって決定される。ここで、少なくとも2層の初期厚さが異なっていてもよい。3層以上を設ける場合、すべての層を異なった厚さにすることもできるが、一部の層を同一厚さにしてもよい。いずれの組み合わせも可能であるが、厚さを反射すべき放射光の波長に適合させなければならない。
【0013】
特に簡単なやり方では、少なくとも1つの層をガラスまたはプラスチック製にすることが可能である。これに関連して言うと、ガラスおよびプラスチックの組み合わせか、ガラスおよびプラスチックの均一な積層体でも可能である。
【0014】
所望の放射光を効果的に反射するために、少なくとも2層が異なった屈折率を有することができる。しかし、すべての層が異なった屈折率を有することも可能であろう。
【0015】
さらに、二重層を2層から形成することができる。さらなる発展では、光学的層厚さがそれぞれ異なる少なくとも2つの二重層を積み重ねることが可能であろう。
【0016】
具体的に言うと、層の上下配置は、層の積み重ねにすることができる。その変更例として、その配置は、層の巻き上げを含むこともできる。この場合、最初に2層を上下に積み重ねてから、1つとして巻き上げる。それによって、第1および第2層の規則的な連続を得ることができる。
【0017】
ミラーコーティングの高い機械的安定性に関して言えば、変形の前に積層体を2つのベース層間に挟むことができるであろう。ベース層の層厚さが、積層体およびベース層から得られる変形複合材料の後の厚さを決定し、「サンドイッチ」材料が生じる。変形処理で得られる層厚さの許容誤差は、変更処理後の複合材料の厚さに結びつけることができるので、やはり製造処理の最後に変形される厚いベース層を使用することによって、変形処理後の個別層の厚さの必要な許容誤差が確保される。
【0018】
ベース層の簡単な取り扱いに関して言うと、少なくとも1つのベース層を複数の個別層で形成することもできる。そのような個別層は、各部分変形段階に続いて段階的に、先行層の上に配置し、好ましくはそれに溶着することができる。
【0019】
簡単なやり方では、ベース層または個別層をガラスで形成することができる。そして、ベース層をベースガラスブロックの形にすることも可能である。
【0020】
層を確実に光学的接続するために、層を上下に配置した後、それらを互いに融着させて結合することが可能であろう。気泡が個別層間に形成されるのを防止するために、融着を真空下で行うことができる。しかし、異なった層成分が隣接の別の層内へ拡散または対流移動し、それによって異なった層の屈折率の違いにぶれが生じることを回避するために、結合温度に到達して維持するのを短時間にしなければならない。
【0021】
積層体の、また必要ならば、さらにベース層の変形に関して言うと、異なった方法が可能である。1つには、プレス加工によって変形を生じることができる。それの変更例として、同様に一種のプレス加工を応用した圧延によって変形を生じることができる。さらなる変更例では、変形を積層体の絞り加工によって生じることができる。すべての方法によって、層厚さ比を維持しながら、層厚さを必要な非常に薄い層厚さまで減少させることができる。
【0022】
熱の作用によって簡易変形を行うことができる。しかし、この場合には、加える温度が層材料の機械的降伏点の温度を大きく超えて、拡散または対流による望ましくない材料移動によって異なった層材料の貫入または混合が発生して、維持すべき幾何学的境界線の意図しない除去または変形を生じることがないように、監視しなければならない。
【0023】
拡散または対流プロセスを非常に広範囲に防止するために、追加熱を供給しないで変形を行うことができる。
【0024】
経済的に興味深い用例に関して言うと、変形した積層体から、管または曲面板を製造することができるであろう。管は、たとえば電球用の原材料として使用することができるであろう。曲面板は、自動車の製造に使用することができるであろう。
【0025】
ベース層が存在する場合、積層体または実際の誘電多層が複合材料の表面の一方のすぐ下方に、すなわち、管または曲面板の内表面の近傍に位置することが好都合である。それにより、内部で発生した赤外線などを高レベルに反射することができ、ベース層および積層体からなる複合材料での赤外線の残留吸収が最小になる。
【0026】
一方では、多層ミラーの範囲内で多層ミラーコーティングを実現することができる。この場合、さらなるベース層を必要とせず、積層体はほぼ自立している。
【0027】
それの変更例として、ベース体上の多層ミラーコーティングの範囲内で、多層ミラーコーティングを実現することができる。この場合、積層体は、実質的な支持を行うベース体または個別ベース層上に配置される。
【0028】
第3変更例、すなわち、積層体を2つのベース層の間に配置する可能性については、すでに説明済みである。この場合、ベース構造体が、積層体の両側に設けられる。
【0029】
本発明の方法は、ミラー特性または誘電層比に干渉することなく、より均一な変形を受けることができるミラーコーティングの製造、たとえば、円筒管または曲面窓ガラス板の製造を可能にする。したがって、たとえば、円筒形ランプ本体または電球などのための誘電多層ジャケットを製造することができる。これによってやはり、ランプなどのミラーコーティングを、1つの製造段階として、ランプの製造そのものから分離することができる。さらに、必要なミラーコーティング特性を材料が本来的にすでに備えている平面ガラス板、自動車ガラス板、自動車ヘッドライト板または電球を製造することが可能であり、別個の製造段階としてそれらの物体をミラーコーティングする処理を省略することができる。ミラーコーティングの特性は、ほぼいずれの所望厚さおよびほぼいずれの所望周期的連続でもよい層の配置によって決定される。
【0030】
誘電多層ガラス材料のガラス技術的用途に関して広範な試験を行った。誘電多層材料の製造処理は好ましくは、3つの製造段階に分割される。第1製造段階では、多層ガラス積層体を形成する。第2製造段階では、この積層体を圧延して平面ガラスにし、第3製造段階では、ランプの製造または電球の製造用の管を平面ガラス材料から製造する。
【0031】
最近のランプ技術では、電球がフィラメントまたはグローワイヤから放出された熱放射の大部分を反射してフィラメントまたはグローワイヤに戻すことが好都合であろう。これによって、フィラメントまたはグローワイヤのバックヒーティングが可能になり、それによって、同じフィラメントまたはグローワイヤ温度に達するために、反射電球がない従来型ランプの場合より少ない電気エネルギをフィラメントまたはグローワイヤに供給することができるようになる。電球の内側から反射することができる熱放射量が多いほど、供給電力とフィラメントまたはグローワイヤから放出または伝達される可視光との間の変換効率が高くなる。したがって、最近のランプでは、熱放射に対する、すなわち、一定の波長区間内の放射に対する反射係数が高いことが望ましい。本発明に従って製造された多層ミラーコーティングでは、所望の波長区間内で非常に高い反射係数を達成することができる。
【0032】
このために、必要な光学的反射または透過特性に従って、多層ガラス積層体が作製される。スペクトル透過範囲を、たとえば波長λ0〜λ1とする。反射のスペクトル範囲を、たとえば波長γ1〜γ2とする。波長λ1〜λ2で高い反射係数を有する広帯域反射の場合、個別層厚さdiは、使用中の2種類のガラスのそれぞれの屈折率niで、層厚さ限界d1=kλ1/(4n11)とd2=kλ2/(4n21)との間で連続的または段階的に増加する。この場合、全圧延処理中のガラス積層体の膨張係数をkとした時、光路のλ/4条件が適用される。
【0033】
しかし、層厚さ限界d2の場合、従って反射の帯域幅の場合、限界条件はd2<k3λ0/(4n01)であり、そうでなければ、最大限に透過されるはずの限界波長γ0の光も同様に最大限に反射されてしまうからである。短波透過限界λ0=0.4μmで屈折率の平均n0=1.59の場合、そこで想定された平均屈折率n2=1.53での長波反射限界は、λ2=3λ0n2/n0=1.15μmである。
【0034】
しかし、これは、ミラーコーティングに垂直に入射した放射部分に当てはまるだけである。ミラーコーティングに別の入射角度で当たった放射部分の場合、短波反射限界がより短い波長の方へ移動し、長波反射限界がより長い波長の方へ移動する。このため、必要透過範囲が全体で400nm〜700nmである場合、反射範囲が約700nm〜約2μになり、反射率が高くなる。
【0035】
ここに提案した製造方法は、極めて多数の誘電層を使用することができ、それは50を超え、一般的に数百の誘電層にすることができる。その結果、低屈折の種類のガラスの屈折率の小さい差を使用することができ、それは、誘電二重層の可能な数Nが大きいことによって、屈折率の小さい差が補償されて、高い屈折率R2N+1=(1−n1/n2 2N)2 /(1+n1/n2 2N)2 を期待することができるからである。たとえば、屈折率が1の空気に対してクラウンガラスの場合の1.5から重クラウンガラスの場合の1.6までのスペクトル反射範囲において2つの平均屈折率を有する10段階の積層の400の二重層の場合、最大反射係数を0.98と予想することができる。
【0036】
多層ガラス積層体の融着には、気泡がガラス層間に形成されることを防止するために、真空溶着処理が使用される。異なったガラス成分が隣接の別のガラス層内へ拡散または対流移動し、それによって異なったガラス層の屈折率の違いにぶれが生じることを抑制するために、結合温度に到達して維持するのを短時間にしなければならない。
【0037】
反射特性を定める実際の多層ガラス積層体は、2つのベースガラスブロックの間に挟まれ、このベースガラスブロックの層厚さが、後の平面ガラス材料またはランプ管材料の厚さを決定する。「サンドイッチ」材料が形成される。圧延処理で得られる層厚さの許容誤差は、圧延後の平面ガラスの合計厚さに関連するはずであるので、後に圧延される厚い層を使用することによって、圧延後の光学的個別厚さの必要な許容誤差が確保される。
【0038】
光学的λ/4層の許容誤差Δdiは、Δdi=Δdkである。平面ガラス製造で得られる許容誤差Δdは、たとえば、顕微鏡カバーガラスの場合で、絶対値で3/100mmにもなる。波長が1μmで、圧延後の対応の平均ガラス屈折率が1.5で、圧延後の必要平面ガラス厚さが1mmである場合、平均して顕微鏡カバーガラスの厚さ、すなわち、圧延前に3/10mmの二重層厚さの2倍である400の誘電二重層を備え、必要な二重層厚さが平均でλ/4の2倍の厚さ2di=0.33μmであるサンドイッチブロックの場合、維持すべき許容誤差は、1光学層当たり約30nmである。
【0039】
多層積層体は、ベースガラスカバーとベースガラス底部との間に配置される。一方では、後の平面ガラス厚さを決定することが、ベースガラスカバーおよびベースガラス底部の目的であり、他方、圧延処理中の表層劣化を防止して、中間の誘電多層領域が圧延処理の縁部ひずみの影響を受けないように保つことも、それらの目的である。kを膨張係数、dを圧延処理後の所望平面ガラス厚さとした時、サンドイッチブロック全体は、層厚さD=d/kである。
【0040】
一例として、1mm厚さの平面ガラスに圧延しようとする400の誘電二重層を備えたサンドイッチブロックの寸法を、圧延の前後について表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
圧延処理において例に示したような90cmのサンドイッチブロックの大きい初期層厚さを取り扱うことができるようにするために、ベースガラスブロックの代わりに合計で同一厚さの複数のガラス板を使用して、これらをそれぞれの部分圧延処理に続いて段階的にサンドイッチに融着することが可能である。
【0043】
ランプ製造用のミラーガラス材料のさらなる処理は、現在の平面ガラス製造技術によって実施することができる。製造段階の最後に、得られた圧延ガラスを丸めて、ランプ製造用のガラス管にすることができる。これに関連して言うと、実際の誘電多層は、たとえば、平面ガラスの表面の一方のすぐ下側に位置して、ガラス管の内表面側に延在するため、後の電球の赤外線の残留吸収を相当に減少させる。
【0044】
電球の外表面に蒸着させた従来技術のミラーコーティングの場合、赤外線は、最初に内側からベース材料を通過した後、ミラーコーティングに到達して反射する。この場合、ベース材料内での残留吸収が、スペクトルミラーコーティングを備えた白熱ランプのエネルギーバランスにおける消散損の大部分の原因となる。
【0045】
ランプを製造するためのミラーガラス管のさらなる処理は重要ではない。特に、ランプの製造処理に用いられるような電球の融着または密閉作業は、異なったガラス層のアップセットおよび膨張を招く程度である。その結果、短波反射限界が同様にやはりより短い波長の方へ移動し、透過損放射の増加が生じないであろう。
【0046】
ミラー層を別個に真空蒸着する従来型ランプ材料と比較して、多層ランプ材料の製造費用はおそらく増加するであろうが、別個のミラーコーティングのコストがないことから、また、製造の観点からランプの構造的形状をより好ましく最適化できると考えられることから、結局のところ経済的であることがわかるであろう。ミラーガラスに考えられるさらなる適用分野には、建物や自動車のガラス製品が含まれる。本例と同様に、熱放射の遮断などで、スペクトル反射および透過特性が望まれる。
【0047】
本発明のすべての利点から、成形の点でこれまではできなかった誘電多層ミラーまたはミラーコーティングの製造が可能になる。
【0048】
本発明に従った教示のさらなる好都合な改良およびさらなる発展に関しては、請求項が参照として援用される。
【0049】
最後になるが、上記の、特に任意に選択された例、たとえば400の二重層は、本発明の説明のために使用されているだけであって、本発明がその例に制限されることはない。
本発明は、誘電多層ミラーコーティングの製造方法に関する。
【0002】
光学窓および他の光学部材または装置の場合にスペクトルで選択した反射または透過搬送を行うために、誘電多層ミラーコーティング、すなわち、複数の誘電層からなるミラーコーティングが長らく使用されてきた。さらに、ミラーコーティングを電球に塗布することが周知である。そのようなミラーコーティングの目的は常に、放射光の一定部分を反射する一方、放射光の一定の別の波長を有する別の一定部分を透過することにある。
【0003】
従来の方法では、そのような多層ミラーコーティングは、一般的に異なった2つの誘電材料で構成された、可能であれば異なった屈折率を有する個別の誘電層を塗布することによって形成される。一般的に、層は、真空蒸着によるか、溶液からの析出によって塗布される。その場合、ミラーコーティングは、たとえば異なった2つの材料からなる二重層を数回重ねて、異なった層の周期的な連続を生じるようにして形成される。
【0004】
必要なミラー品質およびスペクトル反射−透過特性を得るために、異なった層は、最も狭い許容誤差内に正確に維持されるべき層厚さを有していなければならない。通常、光学的層厚さは、幾何学的層厚さにその層の誘電材料の屈折率を掛けたものである。光学的厚さは、二重層ごとに所定通りに変化することができる。
【0005】
そのような誘電多層ミラーコーティングの従来型製造方法は複雑である。たとえば、高コストで高価な高真空蒸着プラントが使用される。この方法では、層を個別に順次重ねて塗布する必要がある。さらに、ミラーコーティング方法は、バッチ生産の範囲内だけで実施することができる。密閉高真空蒸着技法の場合、組み立てライン生産の範囲内の大量生産ができない。さらに、層を個別に順次重ねて塗布することによって得ることができるミラー品質には限界がある。従来通りに、商業規模で曲面に塗布できるのは、せいぜい70の誘電層か、35の誘電二重層にすぎない。そこで、広帯域ミラーコーティング用に0.7の反射係数を得ることができる。従来の方法では、円筒形物体などの全体的に広がる誘電多層ミラーコーティングは、技術的に不可能である。そして、レンズ表面などの平面的またはわずかに湾曲した表面にしか、誘電多層ミラーコーティングを蒸着によって塗布できない。
【0006】
要約すると、従来の多層ミラーコーティングでは、せいぜい0.7の反射係数が得られるだけである。
【0007】
したがって、本発明の目的は、反射係数を高めた多層ミラーコーティングを簡単に実現できるようにする誘電多層ミラーコーティングの製造方法を説明することである。
【0008】
本発明によれば、上記目的は、請求項1の特徴段階によって誘電多層ミラーコーティングを製造する方法によって達成される。したがって、それぞれが所定の初期厚さを有する少なくとも2つの誘電層を最初に製造する。次に、層を上下に配置して、積層体を形成する。最後に、層の相対的な厚さ比を維持しながら積層体を変形させることによって、積層体の厚さを、したがって個別層の厚さを減少させる。
【0009】
本発明による方法では、誘電多層ミラーコーティングを製造する従来の方法、すなわち、個別層の蒸着または溶液からの層の析出以外にも、最終的に所望される数の層を最初に上下に配置して積層体を形成するようにして誘電多層ミラーコーティングを製造するさらなる可能性が存在することが認識されている。そうする際に、層の相対的な厚さ比が正確であるように、層の厚さを選択することが重要である。個別層は、ミラーコーティングの最終段階におけるよりはるかに厚くてもよく、このことは、個別層の取り扱いを相当に簡単にする。さらなる処理において、必要ならば、積層体の厚さ、または個別層の厚さを変形段階によって相当に減少させる。しかし、層の相対的な厚さ比は不変のままに保つ。言い換えると、積層体は、「巨視的に」前もって決定されて、製造処理の完了時に「微視的に」存在することができる。
【0010】
本発明の製造方法では、層の最大数を70の個別層または35の二重層までとする技術的制限が存在しない。したがって、たとえば、反射すべき波長の所定区間内では、反射するために個別層または二重層がそれぞれ関連するほぼ大多数の波長を反射することができる。このため、たとえば、400の二重層を使用することも極めて現実的である。その結果、これまで達成可能であった0.7の反射係数より相当に高い反射係数が得られる。
【0011】
したがって、誘電多層ミラーコーティングを製造する本発明の方法は、反射係数を高めた多層ミラーコーティングを簡単に実現できるようにする方法を定義する。
【0012】
誘電層の製造の範囲内において、層の初期厚さが前もって決定される。ここで、少なくとも2層の初期厚さが異なっていてもよい。3層以上を設ける場合、すべての層を異なった厚さにすることもできるが、一部の層を同一厚さにしてもよい。いずれの組み合わせも可能であるが、厚さを反射すべき放射光の波長に適合させなければならない。
【0013】
特に簡単なやり方では、少なくとも1つの層をガラスまたはプラスチック製にすることが可能である。これに関連して言うと、ガラスおよびプラスチックの組み合わせか、ガラスおよびプラスチックの均一な積層体でも可能である。
【0014】
所望の放射光を効果的に反射するために、少なくとも2層が異なった屈折率を有することができる。しかし、すべての層が異なった屈折率を有することも可能であろう。
【0015】
さらに、二重層を2層から形成することができる。さらなる発展では、光学的層厚さがそれぞれ異なる少なくとも2つの二重層を積み重ねることが可能であろう。
【0016】
具体的に言うと、層の上下配置は、層の積み重ねにすることができる。その変更例として、その配置は、層の巻き上げを含むこともできる。この場合、最初に2層を上下に積み重ねてから、1つとして巻き上げる。それによって、第1および第2層の規則的な連続を得ることができる。
【0017】
ミラーコーティングの高い機械的安定性に関して言えば、変形の前に積層体を2つのベース層間に挟むことができるであろう。ベース層の層厚さが、積層体およびベース層から得られる変形複合材料の後の厚さを決定し、「サンドイッチ」材料が生じる。変形処理で得られる層厚さの許容誤差は、変更処理後の複合材料の厚さに結びつけることができるので、やはり製造処理の最後に変形される厚いベース層を使用することによって、変形処理後の個別層の厚さの必要な許容誤差が確保される。
【0018】
ベース層の簡単な取り扱いに関して言うと、少なくとも1つのベース層を複数の個別層で形成することもできる。そのような個別層は、各部分変形段階に続いて段階的に、先行層の上に配置し、好ましくはそれに溶着することができる。
【0019】
簡単なやり方では、ベース層または個別層をガラスで形成することができる。そして、ベース層をベースガラスブロックの形にすることも可能である。
【0020】
層を確実に光学的接続するために、層を上下に配置した後、それらを互いに融着させて結合することが可能であろう。気泡が個別層間に形成されるのを防止するために、融着を真空下で行うことができる。しかし、異なった層成分が隣接の別の層内へ拡散または対流移動し、それによって異なった層の屈折率の違いにぶれが生じることを回避するために、結合温度に到達して維持するのを短時間にしなければならない。
【0021】
積層体の、また必要ならば、さらにベース層の変形に関して言うと、異なった方法が可能である。1つには、プレス加工によって変形を生じることができる。それの変更例として、同様に一種のプレス加工を応用した圧延によって変形を生じることができる。さらなる変更例では、変形を積層体の絞り加工によって生じることができる。すべての方法によって、層厚さ比を維持しながら、層厚さを必要な非常に薄い層厚さまで減少させることができる。
【0022】
熱の作用によって簡易変形を行うことができる。しかし、この場合には、加える温度が層材料の機械的降伏点の温度を大きく超えて、拡散または対流による望ましくない材料移動によって異なった層材料の貫入または混合が発生して、維持すべき幾何学的境界線の意図しない除去または変形を生じることがないように、監視しなければならない。
【0023】
拡散または対流プロセスを非常に広範囲に防止するために、追加熱を供給しないで変形を行うことができる。
【0024】
経済的に興味深い用例に関して言うと、変形した積層体から、管または曲面板を製造することができるであろう。管は、たとえば電球用の原材料として使用することができるであろう。曲面板は、自動車の製造に使用することができるであろう。
【0025】
ベース層が存在する場合、積層体または実際の誘電多層が複合材料の表面の一方のすぐ下方に、すなわち、管または曲面板の内表面の近傍に位置することが好都合である。それにより、内部で発生した赤外線などを高レベルに反射することができ、ベース層および積層体からなる複合材料での赤外線の残留吸収が最小になる。
【0026】
一方では、多層ミラーの範囲内で多層ミラーコーティングを実現することができる。この場合、さらなるベース層を必要とせず、積層体はほぼ自立している。
【0027】
それの変更例として、ベース体上の多層ミラーコーティングの範囲内で、多層ミラーコーティングを実現することができる。この場合、積層体は、実質的な支持を行うベース体または個別ベース層上に配置される。
【0028】
第3変更例、すなわち、積層体を2つのベース層の間に配置する可能性については、すでに説明済みである。この場合、ベース構造体が、積層体の両側に設けられる。
【0029】
本発明の方法は、ミラー特性または誘電層比に干渉することなく、より均一な変形を受けることができるミラーコーティングの製造、たとえば、円筒管または曲面窓ガラス板の製造を可能にする。したがって、たとえば、円筒形ランプ本体または電球などのための誘電多層ジャケットを製造することができる。これによってやはり、ランプなどのミラーコーティングを、1つの製造段階として、ランプの製造そのものから分離することができる。さらに、必要なミラーコーティング特性を材料が本来的にすでに備えている平面ガラス板、自動車ガラス板、自動車ヘッドライト板または電球を製造することが可能であり、別個の製造段階としてそれらの物体をミラーコーティングする処理を省略することができる。ミラーコーティングの特性は、ほぼいずれの所望厚さおよびほぼいずれの所望周期的連続でもよい層の配置によって決定される。
【0030】
誘電多層ガラス材料のガラス技術的用途に関して広範な試験を行った。誘電多層材料の製造処理は好ましくは、3つの製造段階に分割される。第1製造段階では、多層ガラス積層体を形成する。第2製造段階では、この積層体を圧延して平面ガラスにし、第3製造段階では、ランプの製造または電球の製造用の管を平面ガラス材料から製造する。
【0031】
最近のランプ技術では、電球がフィラメントまたはグローワイヤから放出された熱放射の大部分を反射してフィラメントまたはグローワイヤに戻すことが好都合であろう。これによって、フィラメントまたはグローワイヤのバックヒーティングが可能になり、それによって、同じフィラメントまたはグローワイヤ温度に達するために、反射電球がない従来型ランプの場合より少ない電気エネルギをフィラメントまたはグローワイヤに供給することができるようになる。電球の内側から反射することができる熱放射量が多いほど、供給電力とフィラメントまたはグローワイヤから放出または伝達される可視光との間の変換効率が高くなる。したがって、最近のランプでは、熱放射に対する、すなわち、一定の波長区間内の放射に対する反射係数が高いことが望ましい。本発明に従って製造された多層ミラーコーティングでは、所望の波長区間内で非常に高い反射係数を達成することができる。
【0032】
このために、必要な光学的反射または透過特性に従って、多層ガラス積層体が作製される。スペクトル透過範囲を、たとえば波長λ0〜λ1とする。反射のスペクトル範囲を、たとえば波長γ1〜γ2とする。波長λ1〜λ2で高い反射係数を有する広帯域反射の場合、個別層厚さdiは、使用中の2種類のガラスのそれぞれの屈折率niで、層厚さ限界d1=kλ1/(4n11)とd2=kλ2/(4n21)との間で連続的または段階的に増加する。この場合、全圧延処理中のガラス積層体の膨張係数をkとした時、光路のλ/4条件が適用される。
【0033】
しかし、層厚さ限界d2の場合、従って反射の帯域幅の場合、限界条件はd2<k3λ0/(4n01)であり、そうでなければ、最大限に透過されるはずの限界波長γ0の光も同様に最大限に反射されてしまうからである。短波透過限界λ0=0.4μmで屈折率の平均n0=1.59の場合、そこで想定された平均屈折率n2=1.53での長波反射限界は、λ2=3λ0n2/n0=1.15μmである。
【0034】
しかし、これは、ミラーコーティングに垂直に入射した放射部分に当てはまるだけである。ミラーコーティングに別の入射角度で当たった放射部分の場合、短波反射限界がより短い波長の方へ移動し、長波反射限界がより長い波長の方へ移動する。このため、必要透過範囲が全体で400nm〜700nmである場合、反射範囲が約700nm〜約2μになり、反射率が高くなる。
【0035】
ここに提案した製造方法は、極めて多数の誘電層を使用することができ、それは50を超え、一般的に数百の誘電層にすることができる。その結果、低屈折の種類のガラスの屈折率の小さい差を使用することができ、それは、誘電二重層の可能な数Nが大きいことによって、屈折率の小さい差が補償されて、高い屈折率R2N+1=(1−n1/n2 2N)2 /(1+n1/n2 2N)2 を期待することができるからである。たとえば、屈折率が1の空気に対してクラウンガラスの場合の1.5から重クラウンガラスの場合の1.6までのスペクトル反射範囲において2つの平均屈折率を有する10段階の積層の400の二重層の場合、最大反射係数を0.98と予想することができる。
【0036】
多層ガラス積層体の融着には、気泡がガラス層間に形成されることを防止するために、真空溶着処理が使用される。異なったガラス成分が隣接の別のガラス層内へ拡散または対流移動し、それによって異なったガラス層の屈折率の違いにぶれが生じることを抑制するために、結合温度に到達して維持するのを短時間にしなければならない。
【0037】
反射特性を定める実際の多層ガラス積層体は、2つのベースガラスブロックの間に挟まれ、このベースガラスブロックの層厚さが、後の平面ガラス材料またはランプ管材料の厚さを決定する。「サンドイッチ」材料が形成される。圧延処理で得られる層厚さの許容誤差は、圧延後の平面ガラスの合計厚さに関連するはずであるので、後に圧延される厚い層を使用することによって、圧延後の光学的個別厚さの必要な許容誤差が確保される。
【0038】
光学的λ/4層の許容誤差Δdiは、Δdi=Δdkである。平面ガラス製造で得られる許容誤差Δdは、たとえば、顕微鏡カバーガラスの場合で、絶対値で3/100mmにもなる。波長が1μmで、圧延後の対応の平均ガラス屈折率が1.5で、圧延後の必要平面ガラス厚さが1mmである場合、平均して顕微鏡カバーガラスの厚さ、すなわち、圧延前に3/10mmの二重層厚さの2倍である400の誘電二重層を備え、必要な二重層厚さが平均でλ/4の2倍の厚さ2di=0.33μmであるサンドイッチブロックの場合、維持すべき許容誤差は、1光学層当たり約30nmである。
【0039】
多層積層体は、ベースガラスカバーとベースガラス底部との間に配置される。一方では、後の平面ガラス厚さを決定することが、ベースガラスカバーおよびベースガラス底部の目的であり、他方、圧延処理中の表層劣化を防止して、中間の誘電多層領域が圧延処理の縁部ひずみの影響を受けないように保つことも、それらの目的である。kを膨張係数、dを圧延処理後の所望平面ガラス厚さとした時、サンドイッチブロック全体は、層厚さD=d/kである。
【0040】
一例として、1mm厚さの平面ガラスに圧延しようとする400の誘電二重層を備えたサンドイッチブロックの寸法を、圧延の前後について表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
圧延処理において例に示したような90cmのサンドイッチブロックの大きい初期層厚さを取り扱うことができるようにするために、ベースガラスブロックの代わりに合計で同一厚さの複数のガラス板を使用して、これらをそれぞれの部分圧延処理に続いて段階的にサンドイッチに融着することが可能である。
【0043】
ランプ製造用のミラーガラス材料のさらなる処理は、現在の平面ガラス製造技術によって実施することができる。製造段階の最後に、得られた圧延ガラスを丸めて、ランプ製造用のガラス管にすることができる。これに関連して言うと、実際の誘電多層は、たとえば、平面ガラスの表面の一方のすぐ下側に位置して、ガラス管の内表面側に延在するため、後の電球の赤外線の残留吸収を相当に減少させる。
【0044】
電球の外表面に蒸着させた従来技術のミラーコーティングの場合、赤外線は、最初に内側からベース材料を通過した後、ミラーコーティングに到達して反射する。この場合、ベース材料内での残留吸収が、スペクトルミラーコーティングを備えた白熱ランプのエネルギーバランスにおける消散損の大部分の原因となる。
【0045】
ランプを製造するためのミラーガラス管のさらなる処理は重要ではない。特に、ランプの製造処理に用いられるような電球の融着または密閉作業は、異なったガラス層のアップセットおよび膨張を招く程度である。その結果、短波反射限界が同様にやはりより短い波長の方へ移動し、透過損放射の増加が生じないであろう。
【0046】
ミラー層を別個に真空蒸着する従来型ランプ材料と比較して、多層ランプ材料の製造費用はおそらく増加するであろうが、別個のミラーコーティングのコストがないことから、また、製造の観点からランプの構造的形状をより好ましく最適化できると考えられることから、結局のところ経済的であることがわかるであろう。ミラーガラスに考えられるさらなる適用分野には、建物や自動車のガラス製品が含まれる。本例と同様に、熱放射の遮断などで、スペクトル反射および透過特性が望まれる。
【0047】
本発明のすべての利点から、成形の点でこれまではできなかった誘電多層ミラーまたはミラーコーティングの製造が可能になる。
【0048】
本発明に従った教示のさらなる好都合な改良およびさらなる発展に関しては、請求項が参照として援用される。
【0049】
最後になるが、上記の、特に任意に選択された例、たとえば400の二重層は、本発明の説明のために使用されているだけであって、本発明がその例に制限されることはない。
Claims (24)
- 誘電多層ミラーコーティングの製造方法であって、
所定の初期厚さの少なくとも2つの誘電層を形成する段階と、
積層体を形成するように、層を上下に配置する段階と、
層の相対的な厚さ比を維持しながら積層体を変形させることによって、積層体の厚さを、したがって個別層の厚さを減少させる段階とを含むことを特徴とする方法。 - 少なくとも2つの層の初期厚さが異なることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 少なくとも1つの層が、ガラス製であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
- 少なくとも1つの層が、プラスチック製であることを特徴とする請求項1乃至3の1項に記載の方法。
- 少なくとも2つの層が、異なった屈折率を有することを特徴とする請求項1乃至4の1項に記載の方法。
- 二重層が2層から形成されることを特徴とする請求項1乃至6の1項に記載の方法。
- 少なくとも2つの二重層を重ねることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 光学上のの厚さが、二重層ごとに異なっていることを特徴とする請求項7記載の方法。
- 配置処理は、層の積み重ねおよび/または巻き上げを含むことを特徴とする請求項1乃至8の1項に記載の方法。
- 積層体を変形前に2つのベース層間に挟むことを特徴とする請求項1乃至9の1項に記載の方法。
- 少なくとも一方のベース層を複数の個別層で形成することを特徴とする請求項10記載の方法。
- 各部分変形段階に続いて段階的に、個別層を先行層の上に配置し、好ましくはそれに溶着することを特徴とする請求項11記載の方法。
- ベース層または個別層は、ガラス製であることを特徴とする請求項10乃至12の1項に記載の方法。
- 層は、上下に重ねた後に融着によって結合されることを特徴とする請求項1乃至13の1項に記載の方法。
- 溶着は、真空下で起きることを特徴とする請求項14記載の方法。
- 変形は、プレス加工によって起きることを特徴とする請求項1乃至15の1項に記載の方法。
- 変形は、圧延加工によって起きることを特徴とする請求項1乃至16の1項に記載の方法。
- 変形は、絞り加工によって起きることを特徴とする請求項1乃至17の1項に記載の方法。
- 変形は、熱の作用で起きることを特徴とする請求項1乃至18の1項に記載の方法。
- 変形は、追加熱を供給しないで起きることを特徴とする請求項1乃至18の1項に記載の方法。
- 変形した積層体から管または曲面板を形成することを特徴とする請求項1乃至20の1項に記載の方法。
- 積層体は、管または曲面板の内表面の近傍に配置されることを特徴とする請求項21記載の方法。
- 多層ミラーコーティングは、多層ミラーの範囲内で実現されることを特徴とする請求項1乃至22の1項に記載の方法。
- 多層ミラーコーティングは、ベース体上の多層ミラーコーティングの範囲内で実現されることを特徴とする請求項1乃至22の1項に記載の方法。
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