JP2004501740A - 製剤 - Google Patents
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Abstract
連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、(a)水性相液滴の内部分散物及び(b)油性相液滴の少なくとも一方が重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョン。
Description
【0001】
本発明は製剤、特に、包封された(encapsulated)ウオーター−イン−オイル−イン−ウオーター形多重エマルジョン(water−in−oil−in−water multiple emulsion)(以下においては、W/O/W形多重エマルジョンと称する)に関する。
【0002】
W/O/W形多重エマルジョンは公知であり、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴自体が、各々、分散した“内部”水性相液滴を含有しているものである。従来、かかる多重エマルジョンは理論的に興味のあるものであったが、極めて限られた商業的用途しか見出されていなかった。特に、W/O/W形多重エマルジョンは安定化することが、しばしば、困難である;その理由は、特に、いずれかの水性相に電解質が溶解している場合には、これらの相は浸透圧的に釣り合っていなければならないからである。分散相液滴が重合体壁(polymer wall)内に包封されている単一エマルジョン製剤も公知である。かかる包封エマルジョンは広範囲の商業的用途、例えば、徐放性製剤としての用途又はエマルジョンの使用者と包封された物質との物理的接触を減少させるための用途を有している。一般的には、包封エマルジョンは水性連続相と分散包封油性相とを使用して調製されており、このような理由から、水溶性活性物質より、油溶性活性物質について適している。
【0003】
包封W/O/W形多重エマルジョンは新規であり、水溶性又は水分散性活性物質の製剤について利点を提供する。
【0004】
従って、本発明によれば、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、(a)水性相液滴の内部分散物及び(b)油性相液滴の少なくとも一方が重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョンが提供される。
【0005】
本発明の別の要旨によれば、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、(a)水性相液滴の内部分散物及び(b)油性相液滴の少なくとも一方が重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョンの製造方法であって、
i) 水溶性又は水分散性活性物質の水溶液又は水性分散体が、顕著に油溶性の(predominantly oil−soluble)重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させついでこの油中水形エマルジョンを、顕著に水溶性の(predominantly water−soluble)重合体先駆物質を含有する水性相中で乳化し、それによって、界面重合を生起させて分散油性相液滴を包封する重合体壁を形成させる;か又は、
ii) 水溶性又は水分散性活性物質の水溶液又は水性分散体が、第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させ、顕著に油溶性の重合体先駆物質を添加し、それによって、重合体先駆物質を界面重合させて、分散水性液滴をマイクロカプセル化し(microencapsulate)ついで、得られた包封油中水形エマルジョンを水性相中で乳化する;か又は
iii) 水溶性又は水分散性活性物質の水溶液又は水性分散体が、第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させ、顕著に油溶性の重合体先駆物質を添加し、それによって、重合体先駆物質を界面重合させて、分散水性液滴をマイクロカプセル化しついで、得られた包封油中水形エマルジョンを、第2の顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する水性相中で、場合により、別の油溶性重合体先駆物質を添加して乳化し、それによって、更なる界面重合を生起させて、分散油性液滴を包封する重合体壁を形成させる;か又は
iv) 連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、油性相が、水の存在下で加熱したとき、重合体物質を形成する第1の油溶性重合体先駆物質と第2の油溶性重合体先駆物質とを含有しているW/O/W形多重エマルジョンを形成させついでこのエマルジョンを加熱して油−水界面で重合体を形成させることからなるW/O/W形多重エマルジョンの製造方法が提供される。
【0006】
本明細書で使用される“活性物質”という用語は、生物学的活性を示す物質に限定されるものではなく、有用な技術的機能を達成するかつW/O/W形多重エマルジョンの形で存在させることを希望する任意の物質を包含することを理解すべきである。活性物質は3つの相の任意のもの又は全てのもの中に存在させ得る。更に、本発明の多重エマルジョンは内部水/油界面及び外部油/水界面の一方又は両方に重合体カプセル壁を含有し得ることも理解すべきである。
【0007】
重合体壁は、2種又はそれ以上の重合体先駆物質から形成されることが好ましい。
【0008】
本発明は徐放特性を提供するために又は任意、所望の水溶性活性物質のための保護重合体壁を提供するために使用し得るので、水溶性活性物質の種類は臨界的ではない。適当な水溶性活性物質は多数の技術分野で見出されるが、本発明は、主として、例えば、除草剤、殺菌剤、殺虫剤及び殺線虫剤を含めて、水溶性医薬活性物質又は水溶性農薬物質又は公衆衛生物質との関係で例示される。
【0009】
W/O/W形多重エマルジョンは種々の技術によって形成させ得るが、最初、適当な表面活性剤系によって安定化された油中水形エマルジョンを形成させついでこの油中水形エマルジョンを、同一の又は好ましくは別の表面活性剤系を使用して、連続水性相中で乳化することが一般的に好都合である。かかるエマルジョンを形成させ、安定化させるのに適当な多種の表面活性剤は商業的に入手可能であり、エマルジョンは、要求される粒子径に応じて、慣用の低剪断力又は高剪断力ミキサー又は均質化装置により形成させ得る。安定なW/O/W形多重エマルジョンを形成させるための典型的な技術は、例えば、EP 0276911号明細書に記載されている。表面活性剤、特に、一次エマルジョン(primary emulsion)中で使用される表面活性剤の選択は安定な界面を確立するのに重要である。一次内部油中水形エマルジョンを安定化するためには高分子表面活性剤が特に好ましい。かかる高分子表面活性剤はその表面活性と、水−油界面で粘弾性フィルムを生じさせる能力の両者によって内部相を安定化することが可能であり得る。
【0010】
内部油中水形エマルジョンを形成させるために使用するのに特に好ましい高分子表面活性剤としては米国特許4224816号明細書、第5欄、第26行〜第6欄、第10行に記載されているものが挙げられる。適当な表面活性剤の特定の例としては下記のものが挙げられる:
【0011】
(a) ポリ−12−ヒドロキシステアリン酸とポリエチレンオキシドとのABAブロック共重合体。かかる共重合体は、例えば、公開英国特許出願第2002400号明細書に記載されている。この種の共重合体はアトロックス(ATLOX)4912の商品名で商業的に入手できる(ATLOXは商標である);
【0012】
(b) 英国特許出願第2156799号明細書に記載されている、ポリイソブチレンコハク酸(PIBSA)とエタノールミンとの反応生成物。一次乳化剤の他の例は、1モルのリン酸と反応させてモノホスフェート誘導体を形成させた関連重合体である(英国特許出願第2156799号明細書の実施例5に記載されている)。
【0013】
(c) 適当な一次乳化剤の他の例としては下記のものが挙げられる:ソルビタン モノオレエート[スパン(SPAN)80−SPANは商標である]、ソルビタン トリオレエート(スパン85)、スパン80とトゥイーン(TWEEN)80(20モル割合のエチレンオキシドと縮合させたソルビタン モノラウレート−TWEENは商標である)との混合物、トゥイーン85(20モル割合のエチレンオキシドと縮合させたソルビタン トリラウレート)、レシチン(Lecithin)(ホスファチジル コリン)、スパン80/レシチン混合物、場合によりレシチンと混合したソルビタン セスキオレエート[アルラセル(ARLACEL)83−ARLACELは商標である]、ポリオキシエチレン ソルビトール ヘキサ−オレエート(G−1086)及びソルスパーゼ(SOLSPERSE)17000のごときポリエチレンイミン(SOLSPERSEは商標である)。
【0014】
油中水形エマルジョンを水性相中に分散させてW/O/W形エマルジョンを形成させるために使用される表面活性剤、二次乳化剤は当業者に周知の、水中油形エマルジョンを形成させることのできる多数の乳化剤から選択し得る。その例としては下記のものが挙げられる:
【0015】
a) アルキル(例えばオクチル、ノニル又はポリアリール)フェノールとエチレンオキシド及び場合によりプロピレンオキシドとの縮合物及び対応するエーテル、サルフェート、エーテルカルボキシレート及びホスフェートエステルのごとき、そのアニオン性誘導体;
ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとのブロック共重合体、例えば、プルロニック(PLURONIC)の商品名で商業的に入手し得る、一連の表面活性剤(PLURONICはBASF社の商標である);
【0016】
b) トゥイーン系表面活性剤、即ち、種々のモル割合のポリエチレンオキシドと縮合させた、ある範囲のソルビタンエステルからなる一連の乳化剤;
c) C8−C30アルカノールと、2〜80モル割合のエチレンオキシド及び場合によりプロピレンオキシドとの縮合物;及び
d) カルボキシル化及びスルホン化生成物を包含する、ポリビニルアルコール。
【0017】
一次又は二次乳化剤を形成させるために、表面活性剤の混合物を使用し得る。所望ならば、油性相の内部に又は油性相液滴の周囲にゲルを形成させることにより安定性を更に増大させ得る。ゲルの形成は、例えば、重合体壁が内部水性相液滴だけを保護している、単独に包封された多重エマルジョンの安定性を増大させるのに望ましい。適当なゲル化剤は、当業者によって想定されるものであり、典型的な例は、例えばEP 0276911号明細書に記載されるごときアルミニウムイオンの存在下で使用されるポリメタクリル酸である。所望ならば、粘度を増大させるために外部相増粘剤を使用し得る。典型的な増粘剤多糖類である。増粘剤が生物学的分解を受け易い場合には、殺生物剤を添加し得る。リグノスルホン酸塩のごとき保護コロイドを外部相中で使用し、二次乳化剤として作用させ得る。
【0018】
包封の前に先駆エマルジョンを製造するために使用される一次表面活性剤は多重エマルジョン中の内部油中水形液滴を安定化させる作用も行うことは理解されるであろう。前記したごとく、従来公知のW/O/W形多重エマルジョンは安定化することが、しばしば、困難である;その理由は、特に、いずれかの水性相中に電解質が溶解している場合には、これらの相が浸透圧的に釣り合っていなければならないからである。水/油又は油/水界面に重合体壁が存在することにより、一般的に安定性が改善され、その結果、表面活性剤の選択がより重要でないものになり、浸透圧を釣り合せる必要性が減少することが本発明の製剤の利点である。しかしながら、ある場合、例えば、電解質である活性物質が高い濃度で内部水性相中で使用される場合には、重合体壁の破壊を防止するために浸透圧を釣り合せることがやはり望ましいであろう。浸透圧の釣り合いは、外部水性相に塩化マグネシウムのごとき塩を添加することにより好都合に行われる。浸透圧を釣り合せるために塩を使用した場合には、かかる系で従来、遭遇した凝集(flocculation)の問題が著しく減少することが認められた。
【0019】
重合体壁は2種又はそれ以上の重合体先駆物質の反応によって形成させることが好ましい。多数のかかる先駆物質は公知であり、重合体壁の厚さと、容易に破壊され得る比較的に一時的な重合体壁から、かなりの期間に亘って徐放性(slow release)を提供する比較的に耐久性の重合体壁の範囲の耐久性とを提供するために、当業者は適当な重合体先駆物質と(架橋度のごとき)反応条件を選択することができる。外部的要因によって分解される重合体材料を提供する重合体先駆物質も公知である。即ち、例えば、標的作物に施用するために農薬製剤(agrochemical formulation)を水中で稀釈したとき、重合体壁物質は、包封液滴内の浸透圧の変化によって破壊されるか、又は、例えば、日光の作用の下で分解され得る。
【0020】
一つのクラスの重合体先駆物質は、水/油界面で反応して界面重合を行う、本来、油溶性の成分と、本来、水溶性の成分とからなる。かかる先駆物質の典型は、トルエンジイソシアネートのごとき油溶性ジイソシアネートと、架橋を生起させるためのジエチレントリアミンのごとき水溶性のアミンである。架橋の変化はアミンの官能価を増大させることによって達成され得る。即ち、例えば、エチレンジアミンを、DETA(ジエチレントリアミン)、TEPA(テトラエチレンペンタミン)、AEP(アミノエチルピペラジン)及びその作用が十分確認されている他の架橋性アミンで置換した場合、架橋は増大する。トルエンジイソシアネートのごときモノマー状イソシアネートから、PAPI(ポリ(メチレン)ポリ(フェニル)イソシアネートに変化させることにより、イソシアネート官能価(及び、従って、架橋)を変化させることができる。イソシアネートの混合物、例えば、トルエンジイソシアネートとPAPIの混合物も使用し得る。更に、イソシアネート成分を芳香族イソシアネートから、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートのごとき脂肪族ジイソシアネートに変化させることにより、溶解性を変化させ得る。イソシアネートとポリオールを部分的に反応させて、ある量のポリウレタンをイソシアネート成分内に生成させ、重合体壁に異なる性質を誘導することにより、更なる変性を達成し得る。当業者は、エマルジョン液滴の周囲に重合体壁を生じさせるのに利用し得る多数の別の手段に気が付くであろう。ポリ尿素壁を生じさせるための確立されたイソシアネート/アミン反応と同様に、例えば、イソシアネートの加水分解を生起させてアミンを生成させ、これを更に内部で反応させてポリ尿素を生じさせること(例えば、米国特許第4285720号明細書に記載されている)を包含する、この技術に対する改善も使用し得る。架橋度の変化はモノマー状イソシアネートとポリマー状イソシアネートの比率を変化させることにより達成し得る。上記したごとき慣用のイソシアネート技術に関して、この態様においては、任意の他のイソシアネートを使用し得る。
【0021】
本発明において重合体壁を製造するのに使用し得る他の化学的手段はポリウレタンに関連する技術を使用する方法であり、この方法では、イソシアネートをアルコール(又はポリオール)と反応させてポリウレタンを生成させる。グリセロール、ペンタエリスリトール、ショ糖のごとき多価アルコールをポリビニルアルコールと同様に使用し得る。ポリ尿素とポリウレタンの混合物も生成させ得る。酸クロライドとアミンとの反応によりポリアミドを生成させること又は酸クロライドとアルコールとの反応によりポリエステルを生成させることが可能であり、同様に、重合体壁材料の混合物も使用し得る。本発明の一つに態様においては、米国特許第4956129号及び5332584号明細書に記載されるごとき、より新しいアミノプラスト技術も使用し得る。これらの製剤について良好な効果を得るために、コアセルベート(液滴) (coacervate)技術も使用し得る。コアセルベートを生成させるための技術は、多数、公知である。かかる技術としては、ゼラチン/アラビアゴム系及び高分子アニオン/カチオン系の合成イオンペアリング効果
(synthetic ion paring effect)が挙げられる。
【0022】
従って、本発明の一つの態様においては、最初、所望の活性物質の水溶液が、トルエンジイソシアネートのごとき、顕著に、油溶性の重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させ、ついで、この油中水形エマルジョンそれ自体を、ジエチレントリアミンのごとき、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する水性相中で乳化し、その結果、界面重合を生起させて、分散油性液滴を包封する重合体壁を形成させる。
【0023】
従って、本発明の他の要旨によれば、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しており、そして、油性相液滴が、連続水性相中に溶解している、顕著に水溶性の重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解している、顕著に油溶性の重合体先駆物質との界面重合によって形成された重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョンが提供される。
【0024】
本発明の、更に別の要旨によれば、最初、ジエチレントリアミンのごとき、第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する、所望の活性物質の水溶液が油性相中で乳化されている包封油中水形エマルジョンを形成させる。このエマルジョンを形成させた後、トルエンジイソシアネートのごとき、顕著に油溶性の重合体先駆物質を添加し、それによって、重合体先駆物質を界面重合させて、分散水性相液滴をマイクロカプセル化し、その後、包封された油中水形エマルジョン自体を、第2の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する水性相中で乳化し、それによって、界面重合を生起させて、分散油性相液滴を包封する重合体壁を形成させる。第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質と、第2の、顕著に水溶性の重合体先駆物質は同一であるか、異なるものであり得る。顕著に油溶性の重合体先駆物質を十分な量、第1工程で添加して、内部水性相のマイクロカプセル化の後に過剰分を存在させるか、又は、追加の、顕著に油溶性の重合体先駆物質を、油性相液滴のマイクロカプセル化を生起させる第2工程の前に添加することができる。
【0025】
従って、本発明の他の要旨によれば、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しており、内部水性相液滴が、内部水性相中に溶解した第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解した、顕著に油溶性の重合体先駆物質との界面重合によって形成された重合体壁物質中に包封されておりそして油性相液滴が、連続水性相中に溶解した第2の、顕著に水溶性の重合体先駆物質と油性相液滴中に溶解した、顕著に油溶性の重合体先駆物質との界面重合によって形成された重合体壁物質中に包封されている、W/O/W形多重エマルジョンが提供される。
【0026】
従って、重合体壁物質は、油溶性イソシアネートと、水溶性イソシアネート反応性−重合体先駆物質との反応の生成物であることが好ましい;この場合、
i) 油性相液滴を、油性相液滴中に溶解させた油溶性イソシアネートと、連続水性相中に溶解させたイソシアネート反応性−重合体先駆物質との界面重合により形成された重合体壁物質中に包封するか;か又は、
ii) 内部水性相液滴を、内部水性相中に溶解させた、第1のイソシアネート反応性−重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解させた油溶性イソシアネートとの界面重合により形成された重合体壁物質中に包封し、更に、油性相液滴を、連続水性相中に溶解させた、第2のイソシアネート反応性−重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解させた油溶性イソシアネートとの界面重合により形成された重合体壁物質中に包封する。
【0027】
更に、同様に、上記プロセスの第1工程で形成された包封油中水型エマルジョンを、(ii) 更にマイクロカプセル化することなしに水性相中に分散させて、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴の各々が、水性相液滴の内部分散物であって、その中に水溶性活性物質が溶解している内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、内部水性相液滴が、内部水性相中に溶解した、顕著に水溶性の重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解した、顕著に油溶性の重合体先駆物質との界面重合によって形成された重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョンを形成させ得る。
【0028】
別法として、包封油中水型エマルジョンを、更に、適当な乳化剤と溶剤で希釈して、水で希釈したとき、本発明のW/O/W形多重エマルジョンを形成する包封油中水型エマルジョンを形成させることもできる。
【0029】
別のクラスの重合体先駆物質は、加熱したときに重合体物質を形成する2種の先駆物質成分からなる。かかる系の典型は、トルエンジイソシアネートのごときイソシアネートである重合体先駆物質と、水の存在下で加熱したとき重合を開始させる[ポリメチレン](ポリフェニルイソシアネート)のごとき架橋物質である。かかる熱重合開始型先駆物質は、典型的には、両者、油性相に溶解させ、加熱時、油/水界面で重合体を形成させる。例えば、2種の先駆物質成分をW/O/W形多重エマルジョンの油性相中に溶解させかつ加熱し、それによって、油性相液滴と連続水性相との界面及び油性相液滴中に分散した内部水性相液滴の界面の両者で重合を生起させることができる。包封油性相液滴の重合体壁の厚さと比較した場合の、内部包封水性相液滴の重合体壁の厚さは、相対的な界面表面積を包含する多数の要因に依存する。熱開始重合の使用は、2つの界面で、1工程で重合を生起させるという利点を有するが、内部水性相液滴を包封する重合体壁の耐久性と有機相液滴を包封する重合体壁の耐久性を別個に制御できるという、上記したごとき2工程法の融通性に欠けることは理解されるであろう。更に、この系においては、加熱プロセス中、安定であるエマルジョンを使用して操作を行うことが必要であり、反応を各々の界面で選択的に制御することができない。
【0030】
従って、一つの変法においては、内部水性相液滴と油性相液滴の両者を、油溶性イソシアネートと油溶性架橋剤とを界面水の存在下で加熱して得られる生成物である重合体壁物質中に包封する。油溶性イソシアネートはトルエンジイソシアネートであることが好ましく、油溶性架橋剤は[ポリメチレン](ポリフェニルイソシアネート)であることが好ましい。
【0031】
油性相として使用するのに適当な多種の物質が当業者によって見出されるであろう。その例としては、ディーゼル油、イソパラフィン、芳香族溶剤、特に、キシレン又はプロピルベンゼン留分のごときアルキル置換ベンゼン及び混合ナフタレン及びアルキルナフタレン留分;鉱油、ホワイトオイル、ヒマシ油、ヒマワリ油、ケロシン、脂肪酸のジアルキルアミド、特に、カプリル酸のごとき脂肪酸のジメチルアミド;1,1,1−トリクロロエタン及びクロロベンゼンのごとき塩素化脂肪族及び芳香族炭化水素、ジエチレングリコールのn−ブチル、エチル又はメチルエーテルのアセテート、ジプロピレングリコールのメチルエーテルのアセテートのごときグリコール誘導体のエステル、イソホロン及びトリメチルシクロヘキサノン(ジヒドロイソホロン)のごときケトン及びヘキシル又はヘプチルアセテートのごときアセテートが挙げられる。好ましい有機液体はキシレン、ディーゼル油、イソパラフィン及びアルキル置換ベンゼンである。
【0032】
液状活性成分を、溶剤で更に希釈することなしに、油性相として使用し得る。油性相を形成し得る適当な液状活性成分としては、除草剤2,4−Dの液状エステル及び除草剤フルアジフォプ(fluazifop)又はフルアジフォプ−Pの液状エステルを挙げることができる。
【0033】
ある場合には、活性物質の放出の速度は油性相の種類により大きく影響されることが認められた。更に、油性相は補助剤効果も示し、製剤中に含まれる活性成分の生物学的効率(bioefficacy)を増大させることが認められた。補助剤効果を示し得るかつ油中水形エマルジョン中で油性相を形成する油の適当な例としては、鉱油、パラフィン油、ディーゼル油、植物油及び、特に、メチルオレエート及びメチルンラペート(methyl rapate)のごときエステル化植物油が挙げられる。
【0034】
水溶性活性物質の全配合量、内部水性相の相容量及び連続水性相中の油中水形エマルジョン中の相容量は、全て、考慮している特定の用途に適合するように変動させ得る。農業化学的分野での例は以下に例示されている。
【0035】
ある場合には、例えば、水溶性活性物質が電解質である場合には、重合体壁を経て物質が拡散する結果として、内部分散水性相と連続水性相との間で浸透圧の差が生じ得る。W/O/W形エマルジョンが使用前に水で希釈するように計画されている場合には、かかる影響は希釈の際に増大するであろう。この場合には、連続水性相中の電解質含量を増大させて、内部分散水性相中の電解性、水溶性活性物質と、外部連続水性相中の電解質との間の浸透圧の位置を釣り合わせることが望ましい。多数の適当な水溶性電解質は当業者によって見出されるであろう。その例としては、塩化マグネシウム又はその水和物のごとき無機塩が挙げられる。
【0036】
本発明によれば、水溶性活性物質を含有する内部分散水性相と、重合体壁によってこの内部分散水性相から分離されている別個の水性連続相が提供されることは理解されるであろう。従って、連続水性相中に第2の水溶性活性物質を含有させることが可能である。かかる第2の活性物質は、水溶液中の第1の活性物質と非相溶性の物質、例えば、内部水性分散相中に含有される活性物質と非相溶性の第2の農薬(agrochemical)又は農薬補助剤であり得る。別法として、連続水性相中に第2の活性物質を含有させて迅速な作用を提供させ、その後に、内部分散水性相中の包封物質の徐放効果を提供させることが望ましい。実際に、迅速な作用と徐放効果の両者を達成することを希望する場合には、連続水性相と内部分散水性相の両者中に同一の活性物質を含有させることが可能であろう。
【0037】
多重エマルジョンの3つの相(内部水性相、中間の油性相及び外部水性相)中に1種類の活性物質又は種々の活性成分を含有させることができることは理解されるであろう。前記したごとく、液状活性成分は、それ自体が油性相を形成することさえ可能であり、あるいは、油性相中に溶解することが可能である。更に、活性成分は溶解して存在させることが可能であり(油性相中又は水性相中)、あるいは、異なる、制御された徐放効果を希望する場合には、任意の相中に固体物質の分散物として存在させることができる。
【0038】
本発明の範囲は一つの特定の種類の活性物質に限定されるものではないが、本発明は、特に、フォメサフェン(fomesafen)、グリホセート(glyphosate)のごとき水溶性除草剤の徐放性製剤の製造、特に、ユーザーと活性物質の物理的接触を最小限にするかつ故意に(deliberate)又は偶発的な摂取による有害な影響を減少させる、除草剤パラコート(paraquat)を含有する包封W/O/W形多重エマルジョン製剤を提供するのに特に適している。連続水性相中に含有される第1の農薬及びその放出がマイクロカプセル化によって遅延される第2の農薬による連続的な処理を提供することを希望する場合のW/O/W形多重エマルジョン製剤の例としては、グリホセートとフォメサフェンによる植物の処理が挙げられる。グリホセートとフォメサフェンの混合物は、一緒に製剤した場合には、拮抗することが認められているが、かかる拮抗作用は連続水性相中にグリホセートを含有し、包封内部水性相中にフォメサフェンを含有する製剤によって実質的に軽減される。
【0039】
農薬(pesticide)は、その物理的性質に応じて、3つの相のいずれかに導入し得る。農薬が水中への比較的低い溶解性を有しておりかつ55℃以上の融点を有する場合には、この農薬は水中の分散物として製剤することができ、これを、水性相の一方又は両者に導入し得る。本発明は、600ppm以下、特に、150ppm、特に、50ppm以下の水への溶解度を有する農薬に特に適用し得る。本発明は、また、少なくとも55℃、特に、少なくとも77℃、特に、少なくとも100℃の融点を有する農薬に特に適用し得る。
【0040】
少なくとも55℃の融点と、600ppm以下の水への溶解度を有する適当な殺菌剤、除草剤及び殺虫剤は以下に示されている。表中、名称と識別試料(identifier)はPesticide Manual,11版から採用されている。
【0041】
少なくとも55℃の融点と、600ppm以下の水への溶解度を有する適当な殺菌剤物質としては下記もの:
【0042】
【0043】
及びストロビルリン(strobilurin)同族体、即ち、式[1]
(式中、R1は芳香族又はヘテロ芳香族基であり、R2はH又はC1−C10アルキルであり、AはCH又はNであり、BはO又はNHである)の化合物が挙げられる。
【0044】
特に適当なストロビルリン同族体としては、式のクレソキシム メチル(kresoxime methyl)及びアゾキシストロビン(azoxystrobin)が挙げられる。
【0045】
少なくとも55℃の融点と、600ppm以下の水への溶解度を有する適当な殺虫剤(殺ダニ剤)物質としては下記ものが挙げられる:
【0046】
【0047】
(I=殺虫剤;A=殺ダニ剤;PGR=植物生長調節剤)
【0048】
少なくとも55℃の融点と、600ppm以下の水への溶解度を有する適当な除草剤物質としては下記ものが挙げられる:
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
水溶性農薬として、単独で又は誘導(derivatisation)により(例えば、適当な中和工程により塩を生成させることにより)水に溶解し得る任意の農薬を水性相の一方又は両者に配合し得る。これらの農薬としてはパラコート(及びその塩)、ジコート(diquat)(及びその塩)、水溶性塩としてのグリホセート、2,4−Dのごときオーキシン系除草剤、クロピラリド(chlopyralid)、MCPA、CMPP、トリクロピル(triclopyr)、水溶性塩としてのフルロキシピル(fluroxypyr)、その水溶性塩としてのフォメサフェンによって代表されるジフェニルエーテル系除草剤、クロメコート(chlomequat)及びメピコート(mepiquat)のごとき生長調節剤、その塩としてのドジン(dodine)、グアザチン(guazatine)、ドデモルフ(dodemorph)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)及びトリデモルフ(tridemorph)のごとき殺菌剤が挙げられる。
【0054】
尿素、硫酸アンモニウム又は他の塩のごとき水溶性補助薬も水性相中に配合し得る。同様に、水溶性表面活性剤も水性相中に配合し得る。
【0055】
油溶性農薬を多重カプセルの油性相に配合し得る。油溶性農薬は所望の製剤濃度に適当な水準で油中に溶解すべきである。このことは、農薬及び農薬についての溶剤として選択された油の両者に応じて変動することは明らかである。かかる選択は当業者の技術的範囲にあり、油性相に溶解させるのに適当な多数の農薬がPesticide Manual 11版に記載されている。
【0056】
本発明はパラコートの包封W/O/W多重エマルジョンを提供するのに特に効果的である。かかる製剤においては、内部水性相中に(パラコートイオンとして表して)50重量%までのパラコート、例えば、内部水性相中に(パラコートイオンとして表して)35重量%までのパラコートが存在することが適当である。一次エマルジョン容積分率(volume fraction)(分散有機相中の内部水性相の容積比)は、約0.7まで、典型的には、0.65であることが適当であり、二次エマルジョン容積分率(連続水性相に対する、全分散有機相の容積比)は、約0.5まで、典型的には、0.45であることが適当である。
【0057】
特定の態様においては、偶発的に又は故意に摂取した際の有害な影響を減少させるために、パラコート製剤に催吐剤を包含させることが知られている。催吐剤組成物を連続水性相中に含有する本発明の組成物は、内部水性相中に含有される包封パラコートに顕著に暴露される前に催吐剤が効果を発揮するという利点を有する。
【0058】
本発明を以下の実施例により例示する;実施例中、特に説明のない場合、部及び%は、全て、重量に基づくものである。
【0059】
実施例1
1.一次エマルジョン (primary emulsion) の調製
3.93部(パラコートイオンとして表して)のパラコートを含有するパラコートジクロライドの水溶液(54.02部)を高剪断力ミキサーを使用して、7.64部のアトロックス(ATLOX)4912乳化剤の存在下、38.3部のキシレン中で乳化して油中水形エマルジョンを形成させた。ATLOXはUniQema社の商標である。アトロックス4912はポリエステル−エーテル−ポリエステルABAブロック共重合体である;A基はポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)であり、B基はポリ(エチレンオキシド)鎖である。
【0060】
2.W/O/W 形多重エマルジョンの調製
工程1で調製した油中水形エマルジョン(5.7部)に、0.61部のトルエンジイソシアネート(TDD)を添加した。この単量体は有機相中に進入した。0.44部のジエチレントリアミン(DETA)、0.018部の水酸化ナトリウム、0.19部の炭酸水素ナトリウム及び2.9部の塩化ナトリウムを蒸留水中に含有する水溶液を調製した。この溶液は系についての緩衝液として作用する。油中水形エマルジョンを、British Traders and Shippers社から供給されるゴーシェノール(Gohshenol)GL−05、ポリ(ビニルアルコール)、94%min、分子量29,400を二次乳化剤として使用して、外部水性相中で乳化した。最終W/O/W形多重エマルジョン中の成分の割合は表1(実施例1)に示されている。
【0061】
W/O/W形多重エマルジョンを形成させ、顕微鏡検査を行った結果は、油性相液滴は重合体壁中に包封されていることを示した。最内部相水滴の包封は包封油性相液滴の内部では生起しなかった。
【0062】
【0063】
実施例2
下記に示す割合を一次エマルジョンに使用したこと以外、実施例1の手順を行った。
【0064】
【0065】
W/O/W形多重エマルジョンを実施例1の一般的方法を使用して調製し、表1に示す割合を得た。
【0066】
実施例3及び4
実施例1の一般的方法を使用して、成分の割合が表1に示されているW/O/W形多重エマルジョンを形成させた。一次エマルジョンに使用した割合は実施例2に記載したものである。しかしながら、この実施例においては、パラコートの濃度を4%以上に増大させた;また、この実施例においては(実施例1及び2のW/O/Wエマルジョンと異なり)内部水性相中のパラコートジクロライドの浸透圧を釣り合わせるのに、外部水性相中に塩化マグネシウム(6水和物として)を包含させることが必要であることが認められた。
【0067】
実施例5,6及び7
この実施例はPAPI(ポリ[メチレン]ポリ[フェニルイソシアネート])とトルエンジイソシアネートの混合物と水との相互反応による重合体壁の形成を例示する。以下に示す割合を使用して、実施例2におけるごとく一次エマルジョンを形成させた。トルエンジイソシアネートの代わりにPAPIとトルエンジイソシアネートの混合物を添加して実施例1の一般的手順を行った;但し、W/O/W多重エマルジョンの形成後、エマルジョンを撹拌しながら50℃で3時間加熱し、その間に、油性相に溶解したイソシアネート混合物と外部水性相からの水との反応により架橋内部相壁を形成させた。成分の割合が以下に示されているW/O/W多重エマルジョンを形成させた。実施例7においては、ゴーセノールGL−05の代わりにレアックス(REAX) M100(リグノスルホン酸ナトリウム)を表面活性剤として使用した。
【0068】
【0069】
【0070】
実施例8,9及び 10
ゴーセノールGL−05の代わりにシンペロニック(SYNPERONIC) NPE1800(UniQema社から供給されるノニルフェノール:ポリプロピレンオキシド:ポリエチレンンオキシド表面活性剤)を二次乳化剤として使用したこと以外、実施例1の一般的手順を行った。一次油中水形エマルジョン及び得られたW/O/W多重エマルジョンにおいて使用された割合は以下の表に示されている。実施例8及び10においてはディーゼル油を使用し、実施例9においてはキシレンを使用した。
【0071】
【0072】
【0073】
実施例 11 及び 12
この実施例は最内部水性相と中間油性相の両者が包封されているW/O/W多重エマルジョンの形成を例示する。
【0074】
工程1
TDIとDETAとの相互作用により包封油中水形エマルジョンを形成させた。パラコートイオンとして表して23.16部のパラコートを含有するかつ0.1部のDETAも含有するパラコートジクロライドの水溶液(71.06部)を高剪断力ミキサーを使用して、6.99部のアトロックス(ATLOX)と0.27部のトルエンジイソシアネートを含有する21.56部のディーゼル油中で乳化して、包封油中水形エマルジョンを形成させた。得られた割合は下記の通りであった。
【0075】
【0076】
工程2
工程1で調製した包封油中水形エマルジョン(43.16部)に1.49部のトルエンジイソシアネートを添加した。この単量体は有機相中に進入した。3.95部のシンペロニックNPE1800、16.4部の塩化マグネシウム6水和物、0.05部のケルサン(Kelsan) M(外部水性相を粘稠にするために使用される多糖類膨潤剤)、0.05部のプロキセル(Proxel)GXL(多糖類を生分解から保護するための殺生物剤)及び56.6部の水を含有する水溶液を調製した。包封油中水形エマルジョンを、高速ホモジナイザーを使用して水溶液中で乳化しついでDETA(0.58部)を添加した(実施例11)。
【0077】
pHを測定して、実験室温度で8.5であることが認められた;このpHは、パラコートの化学的安定性を考慮したときに望ましいものより若干高い。従って、0.05部の酢酸をサンプルに添加して5.5のpHとした(実施例12)。得られたポリカプセル化多重エマルジョンについての割合は以下に示されている。
【0078】
【0079】
実施例13
以下の実施例は活性物質としてのフォメサフェンの使用を例示する。
【0080】
工程1
フォメサフェン(酸の形)(9.24部)を水(30.48部)中でスラリーにしついでDETA(1.58部)を添加してDETAの透明溶液を形成させた:フォメサフェンの塩。ついで、この溶液をアトロックス4912(4.65部)とTDI(1.62部)を含有するディーゼル油(52.25部)中で乳化して包封油中水形エマルジョンを形成させた。
【0081】
工程2
フォメサフェンの包封油中水形エマルジョン(工程1で調製;37.1部)に、1.52部のトルエンジイソシアネートを添加した。この単量体は有機相中に進入した。4.15部のシンペロニックNPE1800、17.16部の塩化マグネシウム6水和物、0.05部のプロキセルGXL、0.05部のケルサンM、0.59部のDETA及び51.15部の水を含有する水溶液を調製した。ついで、TDIを添加した包封油中水形エマルジョンを高速ミキサーを使用して水溶液中で乳化して二重包封多重エマルジョンを得た。最終エマルジョンについての割合は以下に示す。
【0082】
フォメサフェン(酸形) 3.49
DETA 0.81
アトロックス4912 1.72
トルエンジイソシアネート 2.05
ディーゼル油 19.39
シンペロニックNPE 1800 4.13
塩化マグネシウム6水和物 17.16
ケルサン 0.05
プロキセル 0.05
水 51.15
【0083】
別法として、工程1の油中水形エマルジョンは、フォメサフェンのナトリウム塩を使用して形成し得る。即ち、例えばフォメサフェン(酸形)(21.08部)を蒸留水(27.31部)中でスラリーにしついで水酸化ナトリウムペレット(1.93部)を添加した。その結果として、フォメサフェンナトリウム塩の透明溶液が得られた。この溶液に、DETA(0.57部)と水(20部)を添加し、溶液をTDI(1.44部)とアトロックス4912(6.97部)を含有するディーゼル油(20.7部)中で乳化した。
【0084】
実施例14
実施例14及び15は、最内部水性相は包封されていないが、中間油性相は包封されているW/O/W形エマルジョンの形成を例示する。
【0085】
工程1
22.05部(パラコートイオンとして表して)のパラコートを含有するパラコートジクロライドの水溶液(70.3部)を、高剪断力ミキサーを使用して、7.7部のソルスパーゼ(Solsperse)17000と5部のPAPI(ポリ[メチレン]ポリ[フェニルイソシアネート])を含有する23.76部のソルベッソ(solvesso)200中で乳化した。
【0086】
得られた割合は下記の通りであった:
【0087】
工程2
ゴーセノール GL−03(3.88部)、塩化マグネシウム(16.11部)、ケルサン M(0.045部)、プロキセル GXL(0.045部)及び水(56.2部)を含有する水溶液を調製した。工程1からのPAPIを含有する油中水形エマルジョンを、高速ミキサーを使用してこの溶液中で乳化した。かく形成された多重エマルジョンを、50℃で3時間撹拌し、加熱して、単一包封多重エマルジョンを形成させることにより、包封多重エマルジョンに変換した(中間油滴だけが包封されている)。最終エマルジョンについての割合は下記の通りである:
【0088】
実施例15
工程1
下記の割合を使用したこと以外、実施例14の工程1と全く同一の方法で下記の組成物を調製した:
【0089】
工程2
下記の割合を使用したこと以外、実施例14の工程2と全く同一の方法で下記の組成物を調製した:
本発明は製剤、特に、包封された(encapsulated)ウオーター−イン−オイル−イン−ウオーター形多重エマルジョン(water−in−oil−in−water multiple emulsion)(以下においては、W/O/W形多重エマルジョンと称する)に関する。
【0002】
W/O/W形多重エマルジョンは公知であり、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴自体が、各々、分散した“内部”水性相液滴を含有しているものである。従来、かかる多重エマルジョンは理論的に興味のあるものであったが、極めて限られた商業的用途しか見出されていなかった。特に、W/O/W形多重エマルジョンは安定化することが、しばしば、困難である;その理由は、特に、いずれかの水性相に電解質が溶解している場合には、これらの相は浸透圧的に釣り合っていなければならないからである。分散相液滴が重合体壁(polymer wall)内に包封されている単一エマルジョン製剤も公知である。かかる包封エマルジョンは広範囲の商業的用途、例えば、徐放性製剤としての用途又はエマルジョンの使用者と包封された物質との物理的接触を減少させるための用途を有している。一般的には、包封エマルジョンは水性連続相と分散包封油性相とを使用して調製されており、このような理由から、水溶性活性物質より、油溶性活性物質について適している。
【0003】
包封W/O/W形多重エマルジョンは新規であり、水溶性又は水分散性活性物質の製剤について利点を提供する。
【0004】
従って、本発明によれば、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、(a)水性相液滴の内部分散物及び(b)油性相液滴の少なくとも一方が重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョンが提供される。
【0005】
本発明の別の要旨によれば、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、(a)水性相液滴の内部分散物及び(b)油性相液滴の少なくとも一方が重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョンの製造方法であって、
i) 水溶性又は水分散性活性物質の水溶液又は水性分散体が、顕著に油溶性の(predominantly oil−soluble)重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させついでこの油中水形エマルジョンを、顕著に水溶性の(predominantly water−soluble)重合体先駆物質を含有する水性相中で乳化し、それによって、界面重合を生起させて分散油性相液滴を包封する重合体壁を形成させる;か又は、
ii) 水溶性又は水分散性活性物質の水溶液又は水性分散体が、第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させ、顕著に油溶性の重合体先駆物質を添加し、それによって、重合体先駆物質を界面重合させて、分散水性液滴をマイクロカプセル化し(microencapsulate)ついで、得られた包封油中水形エマルジョンを水性相中で乳化する;か又は
iii) 水溶性又は水分散性活性物質の水溶液又は水性分散体が、第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させ、顕著に油溶性の重合体先駆物質を添加し、それによって、重合体先駆物質を界面重合させて、分散水性液滴をマイクロカプセル化しついで、得られた包封油中水形エマルジョンを、第2の顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する水性相中で、場合により、別の油溶性重合体先駆物質を添加して乳化し、それによって、更なる界面重合を生起させて、分散油性液滴を包封する重合体壁を形成させる;か又は
iv) 連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、油性相が、水の存在下で加熱したとき、重合体物質を形成する第1の油溶性重合体先駆物質と第2の油溶性重合体先駆物質とを含有しているW/O/W形多重エマルジョンを形成させついでこのエマルジョンを加熱して油−水界面で重合体を形成させることからなるW/O/W形多重エマルジョンの製造方法が提供される。
【0006】
本明細書で使用される“活性物質”という用語は、生物学的活性を示す物質に限定されるものではなく、有用な技術的機能を達成するかつW/O/W形多重エマルジョンの形で存在させることを希望する任意の物質を包含することを理解すべきである。活性物質は3つの相の任意のもの又は全てのもの中に存在させ得る。更に、本発明の多重エマルジョンは内部水/油界面及び外部油/水界面の一方又は両方に重合体カプセル壁を含有し得ることも理解すべきである。
【0007】
重合体壁は、2種又はそれ以上の重合体先駆物質から形成されることが好ましい。
【0008】
本発明は徐放特性を提供するために又は任意、所望の水溶性活性物質のための保護重合体壁を提供するために使用し得るので、水溶性活性物質の種類は臨界的ではない。適当な水溶性活性物質は多数の技術分野で見出されるが、本発明は、主として、例えば、除草剤、殺菌剤、殺虫剤及び殺線虫剤を含めて、水溶性医薬活性物質又は水溶性農薬物質又は公衆衛生物質との関係で例示される。
【0009】
W/O/W形多重エマルジョンは種々の技術によって形成させ得るが、最初、適当な表面活性剤系によって安定化された油中水形エマルジョンを形成させついでこの油中水形エマルジョンを、同一の又は好ましくは別の表面活性剤系を使用して、連続水性相中で乳化することが一般的に好都合である。かかるエマルジョンを形成させ、安定化させるのに適当な多種の表面活性剤は商業的に入手可能であり、エマルジョンは、要求される粒子径に応じて、慣用の低剪断力又は高剪断力ミキサー又は均質化装置により形成させ得る。安定なW/O/W形多重エマルジョンを形成させるための典型的な技術は、例えば、EP 0276911号明細書に記載されている。表面活性剤、特に、一次エマルジョン(primary emulsion)中で使用される表面活性剤の選択は安定な界面を確立するのに重要である。一次内部油中水形エマルジョンを安定化するためには高分子表面活性剤が特に好ましい。かかる高分子表面活性剤はその表面活性と、水−油界面で粘弾性フィルムを生じさせる能力の両者によって内部相を安定化することが可能であり得る。
【0010】
内部油中水形エマルジョンを形成させるために使用するのに特に好ましい高分子表面活性剤としては米国特許4224816号明細書、第5欄、第26行〜第6欄、第10行に記載されているものが挙げられる。適当な表面活性剤の特定の例としては下記のものが挙げられる:
【0011】
(a) ポリ−12−ヒドロキシステアリン酸とポリエチレンオキシドとのABAブロック共重合体。かかる共重合体は、例えば、公開英国特許出願第2002400号明細書に記載されている。この種の共重合体はアトロックス(ATLOX)4912の商品名で商業的に入手できる(ATLOXは商標である);
【0012】
(b) 英国特許出願第2156799号明細書に記載されている、ポリイソブチレンコハク酸(PIBSA)とエタノールミンとの反応生成物。一次乳化剤の他の例は、1モルのリン酸と反応させてモノホスフェート誘導体を形成させた関連重合体である(英国特許出願第2156799号明細書の実施例5に記載されている)。
【0013】
(c) 適当な一次乳化剤の他の例としては下記のものが挙げられる:ソルビタン モノオレエート[スパン(SPAN)80−SPANは商標である]、ソルビタン トリオレエート(スパン85)、スパン80とトゥイーン(TWEEN)80(20モル割合のエチレンオキシドと縮合させたソルビタン モノラウレート−TWEENは商標である)との混合物、トゥイーン85(20モル割合のエチレンオキシドと縮合させたソルビタン トリラウレート)、レシチン(Lecithin)(ホスファチジル コリン)、スパン80/レシチン混合物、場合によりレシチンと混合したソルビタン セスキオレエート[アルラセル(ARLACEL)83−ARLACELは商標である]、ポリオキシエチレン ソルビトール ヘキサ−オレエート(G−1086)及びソルスパーゼ(SOLSPERSE)17000のごときポリエチレンイミン(SOLSPERSEは商標である)。
【0014】
油中水形エマルジョンを水性相中に分散させてW/O/W形エマルジョンを形成させるために使用される表面活性剤、二次乳化剤は当業者に周知の、水中油形エマルジョンを形成させることのできる多数の乳化剤から選択し得る。その例としては下記のものが挙げられる:
【0015】
a) アルキル(例えばオクチル、ノニル又はポリアリール)フェノールとエチレンオキシド及び場合によりプロピレンオキシドとの縮合物及び対応するエーテル、サルフェート、エーテルカルボキシレート及びホスフェートエステルのごとき、そのアニオン性誘導体;
ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとのブロック共重合体、例えば、プルロニック(PLURONIC)の商品名で商業的に入手し得る、一連の表面活性剤(PLURONICはBASF社の商標である);
【0016】
b) トゥイーン系表面活性剤、即ち、種々のモル割合のポリエチレンオキシドと縮合させた、ある範囲のソルビタンエステルからなる一連の乳化剤;
c) C8−C30アルカノールと、2〜80モル割合のエチレンオキシド及び場合によりプロピレンオキシドとの縮合物;及び
d) カルボキシル化及びスルホン化生成物を包含する、ポリビニルアルコール。
【0017】
一次又は二次乳化剤を形成させるために、表面活性剤の混合物を使用し得る。所望ならば、油性相の内部に又は油性相液滴の周囲にゲルを形成させることにより安定性を更に増大させ得る。ゲルの形成は、例えば、重合体壁が内部水性相液滴だけを保護している、単独に包封された多重エマルジョンの安定性を増大させるのに望ましい。適当なゲル化剤は、当業者によって想定されるものであり、典型的な例は、例えばEP 0276911号明細書に記載されるごときアルミニウムイオンの存在下で使用されるポリメタクリル酸である。所望ならば、粘度を増大させるために外部相増粘剤を使用し得る。典型的な増粘剤多糖類である。増粘剤が生物学的分解を受け易い場合には、殺生物剤を添加し得る。リグノスルホン酸塩のごとき保護コロイドを外部相中で使用し、二次乳化剤として作用させ得る。
【0018】
包封の前に先駆エマルジョンを製造するために使用される一次表面活性剤は多重エマルジョン中の内部油中水形液滴を安定化させる作用も行うことは理解されるであろう。前記したごとく、従来公知のW/O/W形多重エマルジョンは安定化することが、しばしば、困難である;その理由は、特に、いずれかの水性相中に電解質が溶解している場合には、これらの相が浸透圧的に釣り合っていなければならないからである。水/油又は油/水界面に重合体壁が存在することにより、一般的に安定性が改善され、その結果、表面活性剤の選択がより重要でないものになり、浸透圧を釣り合せる必要性が減少することが本発明の製剤の利点である。しかしながら、ある場合、例えば、電解質である活性物質が高い濃度で内部水性相中で使用される場合には、重合体壁の破壊を防止するために浸透圧を釣り合せることがやはり望ましいであろう。浸透圧の釣り合いは、外部水性相に塩化マグネシウムのごとき塩を添加することにより好都合に行われる。浸透圧を釣り合せるために塩を使用した場合には、かかる系で従来、遭遇した凝集(flocculation)の問題が著しく減少することが認められた。
【0019】
重合体壁は2種又はそれ以上の重合体先駆物質の反応によって形成させることが好ましい。多数のかかる先駆物質は公知であり、重合体壁の厚さと、容易に破壊され得る比較的に一時的な重合体壁から、かなりの期間に亘って徐放性(slow release)を提供する比較的に耐久性の重合体壁の範囲の耐久性とを提供するために、当業者は適当な重合体先駆物質と(架橋度のごとき)反応条件を選択することができる。外部的要因によって分解される重合体材料を提供する重合体先駆物質も公知である。即ち、例えば、標的作物に施用するために農薬製剤(agrochemical formulation)を水中で稀釈したとき、重合体壁物質は、包封液滴内の浸透圧の変化によって破壊されるか、又は、例えば、日光の作用の下で分解され得る。
【0020】
一つのクラスの重合体先駆物質は、水/油界面で反応して界面重合を行う、本来、油溶性の成分と、本来、水溶性の成分とからなる。かかる先駆物質の典型は、トルエンジイソシアネートのごとき油溶性ジイソシアネートと、架橋を生起させるためのジエチレントリアミンのごとき水溶性のアミンである。架橋の変化はアミンの官能価を増大させることによって達成され得る。即ち、例えば、エチレンジアミンを、DETA(ジエチレントリアミン)、TEPA(テトラエチレンペンタミン)、AEP(アミノエチルピペラジン)及びその作用が十分確認されている他の架橋性アミンで置換した場合、架橋は増大する。トルエンジイソシアネートのごときモノマー状イソシアネートから、PAPI(ポリ(メチレン)ポリ(フェニル)イソシアネートに変化させることにより、イソシアネート官能価(及び、従って、架橋)を変化させることができる。イソシアネートの混合物、例えば、トルエンジイソシアネートとPAPIの混合物も使用し得る。更に、イソシアネート成分を芳香族イソシアネートから、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートのごとき脂肪族ジイソシアネートに変化させることにより、溶解性を変化させ得る。イソシアネートとポリオールを部分的に反応させて、ある量のポリウレタンをイソシアネート成分内に生成させ、重合体壁に異なる性質を誘導することにより、更なる変性を達成し得る。当業者は、エマルジョン液滴の周囲に重合体壁を生じさせるのに利用し得る多数の別の手段に気が付くであろう。ポリ尿素壁を生じさせるための確立されたイソシアネート/アミン反応と同様に、例えば、イソシアネートの加水分解を生起させてアミンを生成させ、これを更に内部で反応させてポリ尿素を生じさせること(例えば、米国特許第4285720号明細書に記載されている)を包含する、この技術に対する改善も使用し得る。架橋度の変化はモノマー状イソシアネートとポリマー状イソシアネートの比率を変化させることにより達成し得る。上記したごとき慣用のイソシアネート技術に関して、この態様においては、任意の他のイソシアネートを使用し得る。
【0021】
本発明において重合体壁を製造するのに使用し得る他の化学的手段はポリウレタンに関連する技術を使用する方法であり、この方法では、イソシアネートをアルコール(又はポリオール)と反応させてポリウレタンを生成させる。グリセロール、ペンタエリスリトール、ショ糖のごとき多価アルコールをポリビニルアルコールと同様に使用し得る。ポリ尿素とポリウレタンの混合物も生成させ得る。酸クロライドとアミンとの反応によりポリアミドを生成させること又は酸クロライドとアルコールとの反応によりポリエステルを生成させることが可能であり、同様に、重合体壁材料の混合物も使用し得る。本発明の一つに態様においては、米国特許第4956129号及び5332584号明細書に記載されるごとき、より新しいアミノプラスト技術も使用し得る。これらの製剤について良好な効果を得るために、コアセルベート(液滴) (coacervate)技術も使用し得る。コアセルベートを生成させるための技術は、多数、公知である。かかる技術としては、ゼラチン/アラビアゴム系及び高分子アニオン/カチオン系の合成イオンペアリング効果
(synthetic ion paring effect)が挙げられる。
【0022】
従って、本発明の一つの態様においては、最初、所望の活性物質の水溶液が、トルエンジイソシアネートのごとき、顕著に、油溶性の重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させ、ついで、この油中水形エマルジョンそれ自体を、ジエチレントリアミンのごとき、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する水性相中で乳化し、その結果、界面重合を生起させて、分散油性液滴を包封する重合体壁を形成させる。
【0023】
従って、本発明の他の要旨によれば、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しており、そして、油性相液滴が、連続水性相中に溶解している、顕著に水溶性の重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解している、顕著に油溶性の重合体先駆物質との界面重合によって形成された重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョンが提供される。
【0024】
本発明の、更に別の要旨によれば、最初、ジエチレントリアミンのごとき、第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する、所望の活性物質の水溶液が油性相中で乳化されている包封油中水形エマルジョンを形成させる。このエマルジョンを形成させた後、トルエンジイソシアネートのごとき、顕著に油溶性の重合体先駆物質を添加し、それによって、重合体先駆物質を界面重合させて、分散水性相液滴をマイクロカプセル化し、その後、包封された油中水形エマルジョン自体を、第2の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する水性相中で乳化し、それによって、界面重合を生起させて、分散油性相液滴を包封する重合体壁を形成させる。第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質と、第2の、顕著に水溶性の重合体先駆物質は同一であるか、異なるものであり得る。顕著に油溶性の重合体先駆物質を十分な量、第1工程で添加して、内部水性相のマイクロカプセル化の後に過剰分を存在させるか、又は、追加の、顕著に油溶性の重合体先駆物質を、油性相液滴のマイクロカプセル化を生起させる第2工程の前に添加することができる。
【0025】
従って、本発明の他の要旨によれば、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しており、内部水性相液滴が、内部水性相中に溶解した第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解した、顕著に油溶性の重合体先駆物質との界面重合によって形成された重合体壁物質中に包封されておりそして油性相液滴が、連続水性相中に溶解した第2の、顕著に水溶性の重合体先駆物質と油性相液滴中に溶解した、顕著に油溶性の重合体先駆物質との界面重合によって形成された重合体壁物質中に包封されている、W/O/W形多重エマルジョンが提供される。
【0026】
従って、重合体壁物質は、油溶性イソシアネートと、水溶性イソシアネート反応性−重合体先駆物質との反応の生成物であることが好ましい;この場合、
i) 油性相液滴を、油性相液滴中に溶解させた油溶性イソシアネートと、連続水性相中に溶解させたイソシアネート反応性−重合体先駆物質との界面重合により形成された重合体壁物質中に包封するか;か又は、
ii) 内部水性相液滴を、内部水性相中に溶解させた、第1のイソシアネート反応性−重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解させた油溶性イソシアネートとの界面重合により形成された重合体壁物質中に包封し、更に、油性相液滴を、連続水性相中に溶解させた、第2のイソシアネート反応性−重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解させた油溶性イソシアネートとの界面重合により形成された重合体壁物質中に包封する。
【0027】
更に、同様に、上記プロセスの第1工程で形成された包封油中水型エマルジョンを、(ii) 更にマイクロカプセル化することなしに水性相中に分散させて、連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴の各々が、水性相液滴の内部分散物であって、その中に水溶性活性物質が溶解している内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、内部水性相液滴が、内部水性相中に溶解した、顕著に水溶性の重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解した、顕著に油溶性の重合体先駆物質との界面重合によって形成された重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョンを形成させ得る。
【0028】
別法として、包封油中水型エマルジョンを、更に、適当な乳化剤と溶剤で希釈して、水で希釈したとき、本発明のW/O/W形多重エマルジョンを形成する包封油中水型エマルジョンを形成させることもできる。
【0029】
別のクラスの重合体先駆物質は、加熱したときに重合体物質を形成する2種の先駆物質成分からなる。かかる系の典型は、トルエンジイソシアネートのごときイソシアネートである重合体先駆物質と、水の存在下で加熱したとき重合を開始させる[ポリメチレン](ポリフェニルイソシアネート)のごとき架橋物質である。かかる熱重合開始型先駆物質は、典型的には、両者、油性相に溶解させ、加熱時、油/水界面で重合体を形成させる。例えば、2種の先駆物質成分をW/O/W形多重エマルジョンの油性相中に溶解させかつ加熱し、それによって、油性相液滴と連続水性相との界面及び油性相液滴中に分散した内部水性相液滴の界面の両者で重合を生起させることができる。包封油性相液滴の重合体壁の厚さと比較した場合の、内部包封水性相液滴の重合体壁の厚さは、相対的な界面表面積を包含する多数の要因に依存する。熱開始重合の使用は、2つの界面で、1工程で重合を生起させるという利点を有するが、内部水性相液滴を包封する重合体壁の耐久性と有機相液滴を包封する重合体壁の耐久性を別個に制御できるという、上記したごとき2工程法の融通性に欠けることは理解されるであろう。更に、この系においては、加熱プロセス中、安定であるエマルジョンを使用して操作を行うことが必要であり、反応を各々の界面で選択的に制御することができない。
【0030】
従って、一つの変法においては、内部水性相液滴と油性相液滴の両者を、油溶性イソシアネートと油溶性架橋剤とを界面水の存在下で加熱して得られる生成物である重合体壁物質中に包封する。油溶性イソシアネートはトルエンジイソシアネートであることが好ましく、油溶性架橋剤は[ポリメチレン](ポリフェニルイソシアネート)であることが好ましい。
【0031】
油性相として使用するのに適当な多種の物質が当業者によって見出されるであろう。その例としては、ディーゼル油、イソパラフィン、芳香族溶剤、特に、キシレン又はプロピルベンゼン留分のごときアルキル置換ベンゼン及び混合ナフタレン及びアルキルナフタレン留分;鉱油、ホワイトオイル、ヒマシ油、ヒマワリ油、ケロシン、脂肪酸のジアルキルアミド、特に、カプリル酸のごとき脂肪酸のジメチルアミド;1,1,1−トリクロロエタン及びクロロベンゼンのごとき塩素化脂肪族及び芳香族炭化水素、ジエチレングリコールのn−ブチル、エチル又はメチルエーテルのアセテート、ジプロピレングリコールのメチルエーテルのアセテートのごときグリコール誘導体のエステル、イソホロン及びトリメチルシクロヘキサノン(ジヒドロイソホロン)のごときケトン及びヘキシル又はヘプチルアセテートのごときアセテートが挙げられる。好ましい有機液体はキシレン、ディーゼル油、イソパラフィン及びアルキル置換ベンゼンである。
【0032】
液状活性成分を、溶剤で更に希釈することなしに、油性相として使用し得る。油性相を形成し得る適当な液状活性成分としては、除草剤2,4−Dの液状エステル及び除草剤フルアジフォプ(fluazifop)又はフルアジフォプ−Pの液状エステルを挙げることができる。
【0033】
ある場合には、活性物質の放出の速度は油性相の種類により大きく影響されることが認められた。更に、油性相は補助剤効果も示し、製剤中に含まれる活性成分の生物学的効率(bioefficacy)を増大させることが認められた。補助剤効果を示し得るかつ油中水形エマルジョン中で油性相を形成する油の適当な例としては、鉱油、パラフィン油、ディーゼル油、植物油及び、特に、メチルオレエート及びメチルンラペート(methyl rapate)のごときエステル化植物油が挙げられる。
【0034】
水溶性活性物質の全配合量、内部水性相の相容量及び連続水性相中の油中水形エマルジョン中の相容量は、全て、考慮している特定の用途に適合するように変動させ得る。農業化学的分野での例は以下に例示されている。
【0035】
ある場合には、例えば、水溶性活性物質が電解質である場合には、重合体壁を経て物質が拡散する結果として、内部分散水性相と連続水性相との間で浸透圧の差が生じ得る。W/O/W形エマルジョンが使用前に水で希釈するように計画されている場合には、かかる影響は希釈の際に増大するであろう。この場合には、連続水性相中の電解質含量を増大させて、内部分散水性相中の電解性、水溶性活性物質と、外部連続水性相中の電解質との間の浸透圧の位置を釣り合わせることが望ましい。多数の適当な水溶性電解質は当業者によって見出されるであろう。その例としては、塩化マグネシウム又はその水和物のごとき無機塩が挙げられる。
【0036】
本発明によれば、水溶性活性物質を含有する内部分散水性相と、重合体壁によってこの内部分散水性相から分離されている別個の水性連続相が提供されることは理解されるであろう。従って、連続水性相中に第2の水溶性活性物質を含有させることが可能である。かかる第2の活性物質は、水溶液中の第1の活性物質と非相溶性の物質、例えば、内部水性分散相中に含有される活性物質と非相溶性の第2の農薬(agrochemical)又は農薬補助剤であり得る。別法として、連続水性相中に第2の活性物質を含有させて迅速な作用を提供させ、その後に、内部分散水性相中の包封物質の徐放効果を提供させることが望ましい。実際に、迅速な作用と徐放効果の両者を達成することを希望する場合には、連続水性相と内部分散水性相の両者中に同一の活性物質を含有させることが可能であろう。
【0037】
多重エマルジョンの3つの相(内部水性相、中間の油性相及び外部水性相)中に1種類の活性物質又は種々の活性成分を含有させることができることは理解されるであろう。前記したごとく、液状活性成分は、それ自体が油性相を形成することさえ可能であり、あるいは、油性相中に溶解することが可能である。更に、活性成分は溶解して存在させることが可能であり(油性相中又は水性相中)、あるいは、異なる、制御された徐放効果を希望する場合には、任意の相中に固体物質の分散物として存在させることができる。
【0038】
本発明の範囲は一つの特定の種類の活性物質に限定されるものではないが、本発明は、特に、フォメサフェン(fomesafen)、グリホセート(glyphosate)のごとき水溶性除草剤の徐放性製剤の製造、特に、ユーザーと活性物質の物理的接触を最小限にするかつ故意に(deliberate)又は偶発的な摂取による有害な影響を減少させる、除草剤パラコート(paraquat)を含有する包封W/O/W形多重エマルジョン製剤を提供するのに特に適している。連続水性相中に含有される第1の農薬及びその放出がマイクロカプセル化によって遅延される第2の農薬による連続的な処理を提供することを希望する場合のW/O/W形多重エマルジョン製剤の例としては、グリホセートとフォメサフェンによる植物の処理が挙げられる。グリホセートとフォメサフェンの混合物は、一緒に製剤した場合には、拮抗することが認められているが、かかる拮抗作用は連続水性相中にグリホセートを含有し、包封内部水性相中にフォメサフェンを含有する製剤によって実質的に軽減される。
【0039】
農薬(pesticide)は、その物理的性質に応じて、3つの相のいずれかに導入し得る。農薬が水中への比較的低い溶解性を有しておりかつ55℃以上の融点を有する場合には、この農薬は水中の分散物として製剤することができ、これを、水性相の一方又は両者に導入し得る。本発明は、600ppm以下、特に、150ppm、特に、50ppm以下の水への溶解度を有する農薬に特に適用し得る。本発明は、また、少なくとも55℃、特に、少なくとも77℃、特に、少なくとも100℃の融点を有する農薬に特に適用し得る。
【0040】
少なくとも55℃の融点と、600ppm以下の水への溶解度を有する適当な殺菌剤、除草剤及び殺虫剤は以下に示されている。表中、名称と識別試料(identifier)はPesticide Manual,11版から採用されている。
【0041】
少なくとも55℃の融点と、600ppm以下の水への溶解度を有する適当な殺菌剤物質としては下記もの:
【0042】
【0043】
及びストロビルリン(strobilurin)同族体、即ち、式[1]
(式中、R1は芳香族又はヘテロ芳香族基であり、R2はH又はC1−C10アルキルであり、AはCH又はNであり、BはO又はNHである)の化合物が挙げられる。
【0044】
特に適当なストロビルリン同族体としては、式のクレソキシム メチル(kresoxime methyl)及びアゾキシストロビン(azoxystrobin)が挙げられる。
【0045】
少なくとも55℃の融点と、600ppm以下の水への溶解度を有する適当な殺虫剤(殺ダニ剤)物質としては下記ものが挙げられる:
【0046】
【0047】
(I=殺虫剤;A=殺ダニ剤;PGR=植物生長調節剤)
【0048】
少なくとも55℃の融点と、600ppm以下の水への溶解度を有する適当な除草剤物質としては下記ものが挙げられる:
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
水溶性農薬として、単独で又は誘導(derivatisation)により(例えば、適当な中和工程により塩を生成させることにより)水に溶解し得る任意の農薬を水性相の一方又は両者に配合し得る。これらの農薬としてはパラコート(及びその塩)、ジコート(diquat)(及びその塩)、水溶性塩としてのグリホセート、2,4−Dのごときオーキシン系除草剤、クロピラリド(chlopyralid)、MCPA、CMPP、トリクロピル(triclopyr)、水溶性塩としてのフルロキシピル(fluroxypyr)、その水溶性塩としてのフォメサフェンによって代表されるジフェニルエーテル系除草剤、クロメコート(chlomequat)及びメピコート(mepiquat)のごとき生長調節剤、その塩としてのドジン(dodine)、グアザチン(guazatine)、ドデモルフ(dodemorph)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)及びトリデモルフ(tridemorph)のごとき殺菌剤が挙げられる。
【0054】
尿素、硫酸アンモニウム又は他の塩のごとき水溶性補助薬も水性相中に配合し得る。同様に、水溶性表面活性剤も水性相中に配合し得る。
【0055】
油溶性農薬を多重カプセルの油性相に配合し得る。油溶性農薬は所望の製剤濃度に適当な水準で油中に溶解すべきである。このことは、農薬及び農薬についての溶剤として選択された油の両者に応じて変動することは明らかである。かかる選択は当業者の技術的範囲にあり、油性相に溶解させるのに適当な多数の農薬がPesticide Manual 11版に記載されている。
【0056】
本発明はパラコートの包封W/O/W多重エマルジョンを提供するのに特に効果的である。かかる製剤においては、内部水性相中に(パラコートイオンとして表して)50重量%までのパラコート、例えば、内部水性相中に(パラコートイオンとして表して)35重量%までのパラコートが存在することが適当である。一次エマルジョン容積分率(volume fraction)(分散有機相中の内部水性相の容積比)は、約0.7まで、典型的には、0.65であることが適当であり、二次エマルジョン容積分率(連続水性相に対する、全分散有機相の容積比)は、約0.5まで、典型的には、0.45であることが適当である。
【0057】
特定の態様においては、偶発的に又は故意に摂取した際の有害な影響を減少させるために、パラコート製剤に催吐剤を包含させることが知られている。催吐剤組成物を連続水性相中に含有する本発明の組成物は、内部水性相中に含有される包封パラコートに顕著に暴露される前に催吐剤が効果を発揮するという利点を有する。
【0058】
本発明を以下の実施例により例示する;実施例中、特に説明のない場合、部及び%は、全て、重量に基づくものである。
【0059】
実施例1
1.一次エマルジョン (primary emulsion) の調製
3.93部(パラコートイオンとして表して)のパラコートを含有するパラコートジクロライドの水溶液(54.02部)を高剪断力ミキサーを使用して、7.64部のアトロックス(ATLOX)4912乳化剤の存在下、38.3部のキシレン中で乳化して油中水形エマルジョンを形成させた。ATLOXはUniQema社の商標である。アトロックス4912はポリエステル−エーテル−ポリエステルABAブロック共重合体である;A基はポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)であり、B基はポリ(エチレンオキシド)鎖である。
【0060】
2.W/O/W 形多重エマルジョンの調製
工程1で調製した油中水形エマルジョン(5.7部)に、0.61部のトルエンジイソシアネート(TDD)を添加した。この単量体は有機相中に進入した。0.44部のジエチレントリアミン(DETA)、0.018部の水酸化ナトリウム、0.19部の炭酸水素ナトリウム及び2.9部の塩化ナトリウムを蒸留水中に含有する水溶液を調製した。この溶液は系についての緩衝液として作用する。油中水形エマルジョンを、British Traders and Shippers社から供給されるゴーシェノール(Gohshenol)GL−05、ポリ(ビニルアルコール)、94%min、分子量29,400を二次乳化剤として使用して、外部水性相中で乳化した。最終W/O/W形多重エマルジョン中の成分の割合は表1(実施例1)に示されている。
【0061】
W/O/W形多重エマルジョンを形成させ、顕微鏡検査を行った結果は、油性相液滴は重合体壁中に包封されていることを示した。最内部相水滴の包封は包封油性相液滴の内部では生起しなかった。
【0062】
【0063】
実施例2
下記に示す割合を一次エマルジョンに使用したこと以外、実施例1の手順を行った。
【0064】
【0065】
W/O/W形多重エマルジョンを実施例1の一般的方法を使用して調製し、表1に示す割合を得た。
【0066】
実施例3及び4
実施例1の一般的方法を使用して、成分の割合が表1に示されているW/O/W形多重エマルジョンを形成させた。一次エマルジョンに使用した割合は実施例2に記載したものである。しかしながら、この実施例においては、パラコートの濃度を4%以上に増大させた;また、この実施例においては(実施例1及び2のW/O/Wエマルジョンと異なり)内部水性相中のパラコートジクロライドの浸透圧を釣り合わせるのに、外部水性相中に塩化マグネシウム(6水和物として)を包含させることが必要であることが認められた。
【0067】
実施例5,6及び7
この実施例はPAPI(ポリ[メチレン]ポリ[フェニルイソシアネート])とトルエンジイソシアネートの混合物と水との相互反応による重合体壁の形成を例示する。以下に示す割合を使用して、実施例2におけるごとく一次エマルジョンを形成させた。トルエンジイソシアネートの代わりにPAPIとトルエンジイソシアネートの混合物を添加して実施例1の一般的手順を行った;但し、W/O/W多重エマルジョンの形成後、エマルジョンを撹拌しながら50℃で3時間加熱し、その間に、油性相に溶解したイソシアネート混合物と外部水性相からの水との反応により架橋内部相壁を形成させた。成分の割合が以下に示されているW/O/W多重エマルジョンを形成させた。実施例7においては、ゴーセノールGL−05の代わりにレアックス(REAX) M100(リグノスルホン酸ナトリウム)を表面活性剤として使用した。
【0068】
【0069】
【0070】
実施例8,9及び 10
ゴーセノールGL−05の代わりにシンペロニック(SYNPERONIC) NPE1800(UniQema社から供給されるノニルフェノール:ポリプロピレンオキシド:ポリエチレンンオキシド表面活性剤)を二次乳化剤として使用したこと以外、実施例1の一般的手順を行った。一次油中水形エマルジョン及び得られたW/O/W多重エマルジョンにおいて使用された割合は以下の表に示されている。実施例8及び10においてはディーゼル油を使用し、実施例9においてはキシレンを使用した。
【0071】
【0072】
【0073】
実施例 11 及び 12
この実施例は最内部水性相と中間油性相の両者が包封されているW/O/W多重エマルジョンの形成を例示する。
【0074】
工程1
TDIとDETAとの相互作用により包封油中水形エマルジョンを形成させた。パラコートイオンとして表して23.16部のパラコートを含有するかつ0.1部のDETAも含有するパラコートジクロライドの水溶液(71.06部)を高剪断力ミキサーを使用して、6.99部のアトロックス(ATLOX)と0.27部のトルエンジイソシアネートを含有する21.56部のディーゼル油中で乳化して、包封油中水形エマルジョンを形成させた。得られた割合は下記の通りであった。
【0075】
【0076】
工程2
工程1で調製した包封油中水形エマルジョン(43.16部)に1.49部のトルエンジイソシアネートを添加した。この単量体は有機相中に進入した。3.95部のシンペロニックNPE1800、16.4部の塩化マグネシウム6水和物、0.05部のケルサン(Kelsan) M(外部水性相を粘稠にするために使用される多糖類膨潤剤)、0.05部のプロキセル(Proxel)GXL(多糖類を生分解から保護するための殺生物剤)及び56.6部の水を含有する水溶液を調製した。包封油中水形エマルジョンを、高速ホモジナイザーを使用して水溶液中で乳化しついでDETA(0.58部)を添加した(実施例11)。
【0077】
pHを測定して、実験室温度で8.5であることが認められた;このpHは、パラコートの化学的安定性を考慮したときに望ましいものより若干高い。従って、0.05部の酢酸をサンプルに添加して5.5のpHとした(実施例12)。得られたポリカプセル化多重エマルジョンについての割合は以下に示されている。
【0078】
【0079】
実施例13
以下の実施例は活性物質としてのフォメサフェンの使用を例示する。
【0080】
工程1
フォメサフェン(酸の形)(9.24部)を水(30.48部)中でスラリーにしついでDETA(1.58部)を添加してDETAの透明溶液を形成させた:フォメサフェンの塩。ついで、この溶液をアトロックス4912(4.65部)とTDI(1.62部)を含有するディーゼル油(52.25部)中で乳化して包封油中水形エマルジョンを形成させた。
【0081】
工程2
フォメサフェンの包封油中水形エマルジョン(工程1で調製;37.1部)に、1.52部のトルエンジイソシアネートを添加した。この単量体は有機相中に進入した。4.15部のシンペロニックNPE1800、17.16部の塩化マグネシウム6水和物、0.05部のプロキセルGXL、0.05部のケルサンM、0.59部のDETA及び51.15部の水を含有する水溶液を調製した。ついで、TDIを添加した包封油中水形エマルジョンを高速ミキサーを使用して水溶液中で乳化して二重包封多重エマルジョンを得た。最終エマルジョンについての割合は以下に示す。
【0082】
フォメサフェン(酸形) 3.49
DETA 0.81
アトロックス4912 1.72
トルエンジイソシアネート 2.05
ディーゼル油 19.39
シンペロニックNPE 1800 4.13
塩化マグネシウム6水和物 17.16
ケルサン 0.05
プロキセル 0.05
水 51.15
【0083】
別法として、工程1の油中水形エマルジョンは、フォメサフェンのナトリウム塩を使用して形成し得る。即ち、例えばフォメサフェン(酸形)(21.08部)を蒸留水(27.31部)中でスラリーにしついで水酸化ナトリウムペレット(1.93部)を添加した。その結果として、フォメサフェンナトリウム塩の透明溶液が得られた。この溶液に、DETA(0.57部)と水(20部)を添加し、溶液をTDI(1.44部)とアトロックス4912(6.97部)を含有するディーゼル油(20.7部)中で乳化した。
【0084】
実施例14
実施例14及び15は、最内部水性相は包封されていないが、中間油性相は包封されているW/O/W形エマルジョンの形成を例示する。
【0085】
工程1
22.05部(パラコートイオンとして表して)のパラコートを含有するパラコートジクロライドの水溶液(70.3部)を、高剪断力ミキサーを使用して、7.7部のソルスパーゼ(Solsperse)17000と5部のPAPI(ポリ[メチレン]ポリ[フェニルイソシアネート])を含有する23.76部のソルベッソ(solvesso)200中で乳化した。
【0086】
得られた割合は下記の通りであった:
【0087】
工程2
ゴーセノール GL−03(3.88部)、塩化マグネシウム(16.11部)、ケルサン M(0.045部)、プロキセル GXL(0.045部)及び水(56.2部)を含有する水溶液を調製した。工程1からのPAPIを含有する油中水形エマルジョンを、高速ミキサーを使用してこの溶液中で乳化した。かく形成された多重エマルジョンを、50℃で3時間撹拌し、加熱して、単一包封多重エマルジョンを形成させることにより、包封多重エマルジョンに変換した(中間油滴だけが包封されている)。最終エマルジョンについての割合は下記の通りである:
【0088】
実施例15
工程1
下記の割合を使用したこと以外、実施例14の工程1と全く同一の方法で下記の組成物を調製した:
【0089】
工程2
下記の割合を使用したこと以外、実施例14の工程2と全く同一の方法で下記の組成物を調製した:
Claims (13)
- 連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、(a)水性相液滴の内部分散物及び(b)油性相液滴の少なくとも一方が重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョン。
- 重合体壁物質は2種又はそれ以上の重合体先駆物質の反応又は相互作用の生成物である、請求項1に記載の多重エマルジョン。
- 重合体壁物質は、油溶性イソシアネートと、水溶性イソシアネート反応性−重合体先駆物質との反応の生成物であり、
i) 油性相液滴が、油性相液滴中に溶解させた油溶性イソシアネートと、連続水性相中に溶解させたイソシアネート反応性−重合体先駆物質との界面重合により形成された重合体壁物質中に包封されているか;か又は、
ii) 内部水性相液滴が、内部水性相中に溶解させた、第1のイソシアネート反応性−重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解させた油溶性イソシアネートとの界面重合により形成された重合体壁物質中に包封されており、更に、油性相液滴は、連続水性相中に溶解させた、第2のイソシアネート反応性−重合体先駆物質と、油性相液滴中に溶解させた油溶性イソシアネートとの界面重合により形成された重合体壁物質中に包封されている、請求項2に記載の多重エマルジョン。 - 油溶性イソシアネートはトルエンジイソシアネート又はポリ(メチレン)ポリ(フェニル)イソシアネートであり、水溶性イソシアネー反応性−重合体先駆物質はジエチレントリアミン、アミノエチルピペラジン又はテトラエチレンペンタミンである、請求項3に記載の多重エマルジョン。
- 内部水性相液滴と油性相液滴の両者が、油溶性イソシアネートと油溶性架橋剤とを界面水の存在下で加熱して得られる生成物である重合体壁物質中に包封されている、請求項2に記載の多重エマルジョン。
- 油溶性イソシアネートはトルエンジイソシアネートであり、油溶性架橋剤は[ポリメチレン](ポリフェニルイソシアネート)である、請求項5に記載の多重エマルジョン。
- 連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、(a)水性相液滴の内部分散物及び(b)油性相液滴の少なくとも一方が重合体壁物質中に包封されているW/O/W形多重エマルジョンの製造方法であって、
i) 水溶性又は水分散性活性物質の水溶液又は水性分散体が、顕著に油溶性の重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させついでこの油中水形エマルジョンを、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する水性相中で乳化し、それによって、界面重合を生起させて分散油性相液滴を包封する重合体壁を形成させる;か又は、
ii) 水溶性又は水分散性活性物質の水溶液又は水性分散体が、第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させ、顕著に油溶性の重合体先駆物質を添加し、それによって、重合体先駆物質を界面重合させて、分散水性液滴をマイクロカプセル化し、ついで、得られた包封油中水形エマルジョンを水性相中で乳化する;か又は
iii) 水溶性又は水分散性活性物質の水溶液又は水性分散体が、第1の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する油性相中で乳化されている油中水形エマルジョンを形成させ、顕著に油溶性の重合体先駆物質を添加し、それによって、重合体先駆物質を界面重合させて、分散水性液滴をマイクロカプセル化しついで、得られた包封油中水形エマルジョンを、第2の、顕著に水溶性の重合体先駆物質を含有する水性相中で、場合により、別の油溶性重合体先駆物質を添加して乳化し、それによって、更なる界面重合を生起させて、分散油性液滴を包封する重合体壁を形成させる;か又は
iv) 連続水性相と、この水性相中に分散された油性相液滴とからなり、この油性相液滴が、各々、水性相液滴の内部分散物を含有しているW/O/W形多重エマルジョンであって、水溶性又は水分散性活性物質が水性相液滴の内部分散物中に溶解しているか又は分散しており、そして、油性相が、水の存在下で加熱したとき、重合体物質を形成する第1の油溶性重合体先駆物質と第2の油溶性重合体先駆物質とを含有しているW/O/W形多重エマルジョンを形成させついでエマルジョンを加熱して油−水界面で重合体を形成させることからなるW/O/W形多重エマルジョンの製造方法。 - 油溶性重合体はイソシアネートである、請求項7に記載の方法。
- 水溶性電解質を連続水性相に添加して、内部分散水性相と外部水性相との間の浸透圧を釣り合わせる、請求項1〜6のいずれかに記載の多重エマルジョン又は請求項7及び8のいずれかに記載の方法。
- 活性物質は、パラコート、ジコート、グリホセート、2,4−D、クロピラリド、MCPA、CMPP、トリクロピル、水溶性塩としてのフルロキシピル、フォメサフェン及びその水溶性塩、クロルメコート、メピコート、ドジン、グアザチン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ及びトリデモルフ及び、適当な場合、これらの水溶性塩及び混合物である、請求項1〜6及び9のいずれかに記載の多重エマルジョン又は請求項7、8及び9のいずれかに記載の方法。
- 第2の水溶性又は水分散性活性物質を連続水性相中に溶解させるか又は分散させる、請求項1〜6及び9又は10のいずれかに記載の多重エマルジョン又は請求項7、8及び9又は10のいずれかに記載の方法。
- 油性相を形成する油は鉱油、パラフィン油、ディーゼル油、植物油又はエステル化植物油である、請求項1〜6及び9〜11のいずれかに記載の多重エマルジョン又は請求項7、8及び9〜11のいずれかに記載の方法。
- 最初の油中水形エマルジョンを第1の表面活性剤系の存在下で形成させ、かく形成された油中水形エマルジョンを第2の表面活性剤系を使用して連続水性相中で乳化する、請求項7、8及び9〜12のいずれかに記載の方法。
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