JPH11315034A - アンギオテンシンii拮抗作用を有する化合物の徐放性製剤、その製造法および用途 - Google Patents

アンギオテンシンii拮抗作用を有する化合物の徐放性製剤、その製造法および用途

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JPH11315034A
JPH11315034A JP5504399A JP5504399A JPH11315034A JP H11315034 A JPH11315034 A JP H11315034A JP 5504399 A JP5504399 A JP 5504399A JP 5504399 A JP5504399 A JP 5504399A JP H11315034 A JPH11315034 A JP H11315034A
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angiotensin
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JP5504399A
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Yasutaka Igari
康孝 猪狩
Akira Saikawa
彰 犀川
Yoshiyuki Inada
義行 稲田
Shigeru Kamei
茂 亀井
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定性、活性が高く、長期間に渡り、日内変動
を維持しながら、アンギオテンシンII拮抗作用を示す徐
放性製剤を提供する。 【解決手段】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
物および生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、アンギオテンシン
II拮抗作用を有する化合物の徐放性製剤、その製造法お
よび医薬などとしての用途に関する。
【0002】
【従来の技術】レニン−アンギオテンシン系はアルドス
テロン系と相まって全身血圧、体液量、電解質バランス
などの恒常性調節機能に関与している。またレニン−ア
ンギオテンシン系と高血圧症の関係については、強い血
管収縮作用を有するアンギオテンシンIIが細胞膜上のア
ンギオテンシンII受容体を介してその作用を発現させる
ので、その拮抗薬がアンギオテンシンによって起こる高
血圧症の治療に使用されてきている。アンギオテンシン
II拮抗作用を有する薬剤は従来、経口剤として臨床応用
されているが、対症療法剤であるため、長期間にわたる
反復した投与が要求される。しかしながら、服用の継続
の必要性、他の経口投与用薬物との多剤同時服用など、
この種の薬剤の経口投与には患者の負担を無視できない
ものがあり、また、服用の中断などによる病状の変化が
起きる可能性があり、安全かつ確実な治療を行うのに充
分満足できるものではない。Pharmacetutical Research
14 (1997) 887-891 には高分子量 (Mw 82,000) のポリ
乳酸とポリエチレングリコール 400 ジステアレートを
用いた、アンギオテンシンII拮抗作用を有する2−エチ
ル−5,7−ジメチル−3−[[2’−(1H−テトラ
ゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]イ
ミダゾ[4,5−b]ピリジンの徐放性製剤が報告され
ており、薬物含量約10%の徐放性製剤での初期放出が
約20%であることが記述されている。特表平10−5
04017号公報には、生理活性タンパク質ともに金属
カチオン成分を生体適合性ポリマーに分散させた組成物
が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアンギオテン
シンII拮抗作用を有する化合物を高含量で含有し、かつ
初期放出が少なく、それ以降の放出速度を制御できる徐
放性製剤およびその製造法、用途を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために鋭意研究した結果、アンギオテンシンII拮抗作用
を有する化合物と生体内分解性ポリマーを含有してなる
製剤ではアンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物を
高含量で含有でき、多価金属化合物の添加によってアン
ギオテンシンII拮抗作用を有する化合物の放出速度を制
御できることを見い出した。さらにこれを投与した高血
圧自然発症ラットでは血中薬物濃度を維持して長期間に
わたって血圧を低下させうることを見い出した。本発明
者らはこれらの知見に基づいて更に研究を重ねた結果、
本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、 (1)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物(ア
ンギオテンシンII受容体拮抗作用を有する化合物)、そ
のプロドラッグまたはそれらの塩(但し、2−エチル−
5,7−ジメチル−3−[[2’−(1H−テトラゾー
ル−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]イミダ
ゾ[4,5−b]ピリジンおよびその塩を除く)および
生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製剤; (2)前記(1)アンギオテンシンII拮抗作用を有する
化合物が非ペプチド性化合物である前記(1)記載の徐
放性製剤; (3)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が分
子内に酸素原子を有する化合物である前記(1)記載の
徐放性製剤; (4)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物がエ
ーテル結合またはカルボニル基を有する化合物である前
記(1)記載の徐放性製剤; (5)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が式
(I)
【化2】 (式中、R1は陰イオンを形成しうる基またはそれに変
じうる基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接
または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合している
ことを示し、nは1または2の整数を示し、環Aはさら
に置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、R2
陰イオンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示
し、R3はヘテロ原子を介して結合していてもよく、置
換基を有していてもよい炭化水素残基を示す)で表され
る化合物またはその塩である前記(1)記載の徐放性製
剤; (6)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物がロ
サルタン、エプロサルタン、カンデサルタン シレキセ
チル、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタ
ン、イルベサルタンまたはタソサルタンである前記
(1)記載の徐放性製剤; (7)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が2
−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5
−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダ
ゾール−7−カルボン酸またはその塩である前記(1)
記載の徐放性製剤; (8)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が1
−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル
2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−
5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミ
ダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩である前
記(1)1記載の徐放性製剤; (9)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が2
−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−
オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビ
フェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7
−カルボン酸またはその塩である前記(1)記載の徐放
性製剤; (10)生体内分解性ポリマーがα−ヒドロキシカルボ
ン酸重合体である前記(1)記載の徐放性製剤; (11)α−ヒドロキシカルボン酸重合体が乳酸−グリ
コール酸重合体である前記(10)記載の徐放性製剤; (12)乳酸とグリコール酸の組成モル比が100/0
〜40/60である前記(11)記載の徐放性製剤; (13)重合体の重量平均分子量が3,000〜50,
000である前記(10)記載の徐放性製剤; (14)注射用である前記(1)記載の徐放性製剤; (15)多価金属を含有してなる前記(1)記載の徐放
性製剤; (16)多価金属が亜鉛である前記(15)記載の徐放
性製剤; (17)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物、
そのプロドラッグまたはそれらの塩、生体内分解性ポリ
マーおよび多価金属を含有してなる徐放性製剤; (18)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物、
そのプロドラッグまたはそれらの塩および生体内分解性
ポリマーを含有する液から溶媒を除去することを特徴と
する前記(1)記載の徐放性製剤の製造法; (19)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物、
そのプロドラッグまたはそれらの塩、生体内分解性ポリ
マーおよび多価金属を含有する液から溶媒を除去するこ
とを特徴とする前記(17)記載の徐放性製剤の製造
法; (20)多価金属が亜鉛である前記(19)記載の製造
法; (21)前記(1)記載の徐放性製剤を含有してなる医
薬組成物; (22)循環器系疾患の予防・治療剤である前記(2
1)記載の組成物; (23)高血圧症の予防・治療剤である前記(21)記
載の組成物; (24)心肥大、心不全、心筋梗塞、脳卒中、虚血性末
梢循環障害、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心
不全進行、糖尿病性合併症、糖尿病性網膜症、糖尿病性
腎症、腎炎、糸球体腎炎、動脈硬化症、血管肥厚、イン
ターベンション後の血管肥厚または閉塞、バイパス手術
後の血管再閉塞、高アルドステロン症、糸球体硬化症、
腎不全、緑内障、高眼圧症、高脂血症、狭心症、動脈
瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症、血
栓症、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、記憶欠乏
症、うつ病、健忘症、老人性痴呆、知覚機能障害、多臓
器不全、内皮機能障害に伴う疾患または強皮症の予防・
治療剤、または不安症状、緊張症状、不快精神状態また
は消化不良の予防・改善剤である前記(21)記載の組
成物等に関する。
【0006】本発明におけるアンギオテンシンII拮抗作
用とは、細胞膜上のアンギオテンシンII受容体へのアン
ギオテンシンIIの結合を競合的、または非競合的に阻害
し、アンギオテンシンIIにより誘導される強い血管収縮
作用や血管平滑筋増殖作用を減弱し、高血圧の症状を緩
和させる作用のことを言う。本発明で用いられるアンギ
オテンシンII拮抗作用を有する化合物はペプチド性でも
非ペプチド性でもよいが、作用時間が長い利点がある、
非ペプチド性の拮抗作用を有する化合物が好ましい。ア
ンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物としては、分
子内に酸素原子を有する化合物が好ましく、なかでもエ
ーテル結合またはカルボニル基(該カルボニル基は、共
鳴して水酸基を形成していてもよい)を有する化合物で
あることが好ましく、エーテル結合を有する化合物また
はケトン誘導体がさらに好ましく、とりわけエーテル誘
導体が好ましい。非ペプチド性のアンギオテンシンII拮
抗作用を有する化合物としては特に限定されないが、イ
ミダゾール誘導体が特開昭56−71073号公報、特
開昭56−71074号公報、特開昭57−98270
号公報、特開昭58−157768号公報、USP4,
355,040およびUSP4,340,598等に開
示され、またEP−253310、EP−29196
9、EP−324377、EP−403158、WO−
9100277、特開昭63−23868号公報および
特開平1−117876号公報等には改良されたイミダ
ゾール誘導体が開示され、また、USP5,183,8
99、EP−323841、EP−409332および
特開平1−287071号公報等にはピロール、ピラゾ
ールおよびトリアゾール誘導体が開示され、また、US
P4,880,804、EP−0392317、EP−
0399732、EP−0400835、EP−425
921、EP−459136および特開平3−6326
4号公報等にはベンズイミダゾール誘導体が開示され、
EP−399731等にはアザインデン誘導体が開示さ
れ、EP−407342等にはピリミドン誘導体が開示
され、EP−411766等にはキナゾリン誘導体が開
示され、EP−430300等にはキサンチン誘導体が
開示され、EP−434038等には縮合イミダゾール
誘導体が開示され、EP−442473等にはピリミジ
ンジオン誘導体が開示され、EP−443568等には
チエノピリドン誘導体が開示され、さらに、EP−44
5811、EP−483683、EP−518033、
EP−520423、EP−588299、EP−60
3712等には複素環化合物が開示されている。また、
ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(Jour
nal of Medicinal Chemistry、39巻、3号、625−
656頁、1996年)には、これらのうちの代表的な
化合物が記載されている。非ペプチド性のアンギオテン
シンII拮抗作用を有する化合物としては、上述した公知
文献に記載の化合物の他、アンギオテンシンII拮抗作用
を有する非ペプチド性化合物であれば、何れを用いてよ
いが、なかでも、ロサルタン(Losartan (DuP753))、
エプロサルタン(Eprosartan (SK&F108566))、カンデ
サルタン シレキセチル(Candesartan cilexetil (TCV
−116))、バルサルタン(Valsartan (CGP−48933))、
テルミサルタン(Telmisartan (BIBR277))、イルベサ
ルタン(Irbesartan (SR47436))、タソサルタン(Taso
sartan(ANA−756))およびこれらの代謝活性物質(カン
デサルタンなど)等が好ましく用いられる。
【0007】また、アンギオテンシンII拮抗作用を有す
る非ペプチド性化合物としては、例えば、式(I)
【化3】 (式中、R1は陰イオンを形成しうる基またはそれに変
じうる基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接
または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合している
ことを示し、nは1または2の整数を示し、環Aはさら
に置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、R2
陰イオンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示
し、R3はヘテロ原子を介して結合していてもよく、置
換基を有していてもよい炭化水素残基(好ましくは、置
換基を有していてもよく、酸素原子を介して結合する炭
化水素残基)を示す)で表されるベンズイミダゾール誘
導体またはその塩などが好ましく用いられる。上記式
(I)中、R1としての陰イオンを形成しうる基(プロ
トンとして遊離しうる水素原子を有する基)としては、
例えば、(1)カルボキシル基、(2)テトラゾリル
基、(3)トリフルオロメタンスルホン酸アミド基(−
NHSO2CF3)、(4)リン酸基、(5)スルホン酸
基、(6)N,S,Oのうちの1個または2個以上を含
む5〜7員(好ましくは5〜6員)の単環状の置換され
ていてもよい複素環残基などが挙げられる。
【0008】上記した「N,S,Oのうちの1個または
2個以上を含む5〜7員(好ましくは5〜6員)の単環
状の置換されていてもよい複素環残基」としては、例え
ば、
【化4】
【化5】 などが挙げられ、また、R1で表される複素環残基と該
複素環残基が結合するフェニル基との結合は、上記式中
gが−NH−などを示す場合、上記に示すような炭素−
炭素結合だけでなく、複数個存在する窒素原子の1つを
介して結合していてもよい。例えば、R1
【化6】 上記式中、gは−CH2−,−NH−,−O−または−
S(O)m−を示し、>=Z,>=Z’および>=
Z’’はそれぞれカルボニル基,チオカルボニル基また
は酸化されていてもよい硫黄原子(例、S,S(O),
S(O)2など)(好ましくはカルボニルまたはチオカル
ボニル基、さらに好ましくはカルボニル基)を示し、m
は0,1または2の整数を示す。
【0009】R1で表される複素環残基としては、例え
ば、オキサジアゾロン環、オキサジアゾロチオン環また
はチアジアゾロン環のようなプロトンドナーとしての−
NH−や−OH基とプロトンアクセプターとしてのカル
ボニル基、チオカルボニル基またはスルフィニル基など
を同時に有する基などが好ましい。また、R1で示され
る複素環残基は、環状の置換基が結合して縮合環を形成
していてもよいが、R1で表される複素環残基として
は、5ないし6員環さらに5員環残基が好ましい。R1
で表される複素環残基としては、式
【化7】 〔式中、iは−O−または−S−を示し、jは>=O,
>=Sまたは>=S(O)mを示し、mは前記と同意義
を示す〕で表される基(なかでも、4,5−ジヒドロ−
5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イ
ル、4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オ
キサジアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−5−オ
キソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル、とりわ
け、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキ
サジアゾール−3−イル)が好ましい。
【0010】また、上記複素環残基(R1)は下記に示
すように互変異性体が存在する。例えば、
【化8】 のようなa’,b’およびc’の3つの互変異性体が存
在するが式
【化9】 で示される複素環残基は上記のa’,b’およびc’の
すべてを含むものである。
【0011】R1としての陰イオンを形成しうる基は、
置換可能な位置において、置換されていてもよい低級
(C1-4)アルキル基またはアシル基(例、低級
(C2-5)アルカノイル,ベンゾイルなど)などで保護
されていてもよい。置換されていてもよい低級
(C1-4)アルキル基としては、例えば、(1)ハロゲ
ン原子、ニトロ、低級(C1-4)アルキル、低級
(C1-4)アルコキシなどを有していてもよいフェニル
基1ないし3個で置換されていてもよい低級(C1-4)ア
ルキル基(例、メチル,トリフェニルメチル,p−メト
キシベンジル,p−ニトロベンジルなど)、(2)低級
(C1-4)アルコキシ―低級(C1-4)アルキル基(例、
メトキシメチル,エトキシメチルなど)、(3)式−C
H(R4)−OCOR5〔式中、R4は(a)水素、
(b)炭素数1−6の直鎖もしくは分枝状の低級アルキ
ル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチルなど)、(c)炭素数
2−6の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニル基または
(d)炭素数3−8のシクロアルキル基(例、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)を示
し、R5は(a)炭素数1−6の直鎖もしくは分枝状の
低級アルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル
など)、(b)炭素数2−6の直鎖もしくは分枝状の低
級アルケニル基、(c)炭素数3−8のシクロアルキル
基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ
チルなど)もしくは置換されていてもよいアリール基
(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級(C1-4)アルキ
ル、低級(C1-4)アルコキシなどを有していてもよい
フェニルまたはナフチル基など)で置換された炭素数1
−3の低級アルキル基(例、ベンジル、p−クロロベン
ジル、フェネチル、シクロペンチル メチル、シクロヘ
キシルメチルなど)、(d)炭素数3−8のシクロアル
キルもしくは置換されていてもよいアリール基(例、ハ
ロゲン原子、ニトロ、低級(C1-4)アルキル、低級
(C1-4)アルコキシなどを有していてもよいフェニル
またはナフチル基など)で置換された炭素数2−3の低
級アルケニル基(例、シンナミル等のビニル、プロペニ
ル、アリル、イソプロペニルなどのアルケニル部を持つ
ものなど)、(e)置換されていてもよいアリール基
(例、フェニル、p−トリル、ナフチル等のハロゲン原
子、ニトロ、低級(C1-4)アルキル、低級(C1-4)ア
ルコキシなどを有していてもよいフェニルまたはナフチ
ル基など)、(f)炭素数1−6の直鎖もしくは分枝状
の低級アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−プ
ロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキ
シ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキ
シ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシなど)、
(g)炭素数2−8の直鎖もしくは分枝状の低級アルケ
ニロキシ基(例、アリロキシ、イソブテニロキシな
ど)、(h)炭素数3−8のシクロアルキルオキシ基
(例、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、
シクロヘプチルオキシなど)、(i)炭素数3−8のシ
クロアルキル(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチルなど)もしくは置換されていてもよいア
リール基(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級(C1-4
アルキル、低級(C1-4)アルコキシなどを有していて
もよいフェニルまたはナフチル基など)で置換された炭
素数1−3の低級アルコキシ基(例、ベンジロキシ、フ
ェネチロキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシ
ルメトキシなどのメトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、イソプロポキシなどのアルコキシ部を持つものな
ど)、(j)炭素数3−8のシクロアルキル(例、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)も
しくは置換されていてもよいアリール基(例、ハロゲン
原子、ニトロ、低級(C1-4)アルキル、低級(C1-4
アルコキシなどを有していてもよいフェニルまたはナフ
チル基など)で置換された炭素数2−3の低級アルケニ
ロキシ基(例、シンナミロキシ等のビニロキシ、プロペ
ニロキシ、アリロキシ、イソプロペニロキシなどのアル
ケニロキシ部を持つものなど)または(k)置換されて
いてもよいアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−ニ
トロフェノキシ、ナフトキシ等のハロゲン原子、ニト
ロ、低級(C1-4)アルキル、低級(C1-4)アルコキシ
などを有していてもよいフェノキシまたはナフトキシ基
など)を示す〕で表される基などが挙げられる。また、
1としての陰イオンを形成しうる基は、上記した置換
されていてもよい低級(C1-4)アルキル基またはアシ
ル基(例、低級(C2-5)アルカノイル,ベンゾイルな
ど)などの保護基以外に、置換可能な位置において、置
換されていてもよい低級(C1-4)アルキル基(前記し
たR1としての陰イオンを形成しうる基の保護基として
例示された「置換されていてもよい低級(C1-4)アル
キル基」と同様なものが挙げられる)、ハロゲン原子、
ニトロ、シアノ、低級(C1-4)アルコキシ、1ないし2
個の低級(C1-4)アルキルで置換されていてもよいア
ミノなどの置換基を有していてもよい。
【0012】前記式中、R1としての陰イオンを形成し
うる基(プロトンとして遊離しうる水素原子を有する
基)に変じうる基は、生物学的すなわち生理的条件下
(例えば、生体内酵素などによる酸化、還元あるいは加
水分解などの生体内反応など)で陰イオンを形成しうる
基に変じうる基(いわゆるプロドラッグ)であってもよ
く、また、シアノ、N−ヒドロキシカルバムイミドイル
基(−C(=N−OH)−NH2)、あるいは置換され
ていてもよい低級(C1-4)アルキル基またはアシル基
でそれぞれ保護された(1)カルボキシル基、(2)テ
トラゾリル基、(3)トリフルオロメタンスルホン酸ア
ミド基(−NHSO2CF3)、(4)リン酸基、(5)
スルホン酸基、(6)N,S,Oのうちの1個または2
個以上を含む5〜7員(好ましくは5〜6員)の単環状
の置換されていてもよい複素環残基のように、化学的な
反応により、R1で表される陰イオンを形成しうる基に
変じうる基(いわゆる合成中間体)であってもよい。
【0013】R1としては、置換されていてもよい低級
(C1-4)アルキル(例、メチル,トリフェニルメチ
ル,メトキシメチル,エトキシメチル,p−メトキシベ
ンジル,p−ニトロベンジルなど)もしくはアシル基
(例、低級(C2-5)アルカノイル,ベンゾイルなど)
で保護されていてもよいカルボキシル、テトラゾリルあ
るいは4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オ
キサジアゾール−3−イル(好ましくは、テトラゾリ
ル)またはシアノ、N−ヒドロキシカルバムイミドイル
(好ましくはシアノ)が好ましく、とりわけシアノが好
ましく用いられる。
【0014】前記式中、Xは隣接するフェニレン基とフ
ェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介し
て結合していること(好ましくは直接結合)を示し、原
子鎖2以下のスペーサーとしては、直鎖部分を構成する
原子数が1または2である2価の鎖であればいずれでも
よく、側鎖を有していてもよい。具体的には直鎖部分を
構成する原子数が1または2である低級(C1-4)アル
キレン、−CO−,−O−,−S−,−NH−,−CO
−NH−,−O−CH2−,−S−CH2−,−CH=C
H−などが挙げられる。前記式中、nは1または2(好
ましくは1)の整数を示す。
【0015】前記式中、環Aは置換基R2以外にさらに
置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、該置換基
としては、例えば、(1)ハロゲン(例、F,Cl,Br
など),(2)シアノ,(3)ニトロ,(4)置換され
ていてもよい低級(C1-4)アルキル,(5)低級(C
1-4)アルコキシ,(6)置換されていてもよいアミノ
基(例、アミノ,N−低級(C1-4)アルキルアミノ
(例,メチルアミノなど),N,N−ジ低級(C1-4
アルキルアミノ(例,ジメチルアミノなど),N−アリ
ールアミノ(例、フェニルアミノなど)、脂環式アミノ
(例、モルホリノ、ピベリジノ、ピペラジノ、N−フェ
ニルピペラジノなど)など)、(7)式−CO−D′
〔式中、D′は水酸基またはアルキル部分が水酸基,低
級(C1-4)アルコキシ,低級(C2-6)アルカノイルオ
キシ(例、アセトキシ,ピバロイルオキシなど)、低級
(C1-6)アルコキシカルボニルオキシ(例、メトキシ
カルボニルオキシ,エトキシカルボニルオキシなど)あ
るいは低級(C3-6)シクロアルコキシカルボニルオキ
シ(例、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)
で置換されていてもよい低級(C1-4)アルコキシを示
す〕で表わされる基,または(8)置換されていてもよ
い低級(C1-4)アルキル(前記したR1としての陰イオ
ンを形成しうる基の保護基として例示された「置換され
ていてもよい低級(C1-4)アルキル基」と同様なもの
が挙げられる)もしくはアシル(例、低級(C2-5)ア
ルカノイル、ベンゾイルなど)で保護されていてもよい
テトラゾリル、トリフルオロメタンスルホン酸アミド
基、リン酸基あるいはスルホン酸基などが挙げられる。
これらの置換基は、ベンゼン環上の置換可能な位置に1
〜2個同時に置換されていてもよいが、置換基R2以外
に環Aがさらに有する置換基としては、置換されていて
もよい低級(C1-4)アルキル(例、水酸基、カルボキ
シル基,ハロゲンなどで置換されていてもよい低級(C
1-4)アルキルなど),ハロゲンなどが好ましく、置換
基R2以外に環Aが置換基を有さないことがより好まし
い。
【0016】前記式中、R2としての陰イオンを形成し
うる基(プロトンとして遊離しうる水素原子を有する
基)としては、例えば、(1)エステル化またはアミド
化されていてもよいカルボキシル基、(2)テトラゾリ
ル基、(3)トリフルオロメタンスルホン酸アミド基
(−NHSO2CF3)、(4)リン酸基、(5)スルホ
ン酸基などが挙げられ、これらの基は置換されていても
よい低級アルキル基(前記したR1としての陰イオンを
形成しうる基の保護基として例示された「置換されてい
てもよい低級(C1-4)アルキル基」と同様なものが挙
げられる)もしくはアシル基(例、低級(C2-5)アル
カノイル、ベンゾイルなど)で保護されていてもよく、
生物学的すなわち生理的条件下(例えば、生体内酵素な
どによる酸化、還元あるいは加水分解などの生体内反応
など)で、または化学的に陰イオンを形成しうる基また
はそれに変じうる基であればいずれでもよい。
【0017】R2としてのエステル化またはアミド化さ
れていてもよいカルボキシルとしては、例えば式−CO
−D〔式中、Dは(1)水酸基、(2)置換されていて
もよいアミノ(例えば、アミノ、N−低級(C1-4)ア
ルキルアミノ、N,N−ジ低級(C1-4)アルキルアミ
ノなど)または(3)置換されていてもよいアルコキシ
{例、(i)アルキル部分が水酸基,置換されていても
よいアミノ(例、アミノ、N−低級(C1-4)アルキル
アミノ、N,N−ジ低級(C1-4)アルキルアミノ、ピ
ペリジノ、モルホリノなど),ハロゲン,低級
(C1-6)アルコキシ、低級(C1-6)アルキルチオ、低
級(C3-8)シクロアルコキシあるいは置換されていて
もよいジオキソレニル(例、5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イルなど)で置換されてい
てもよい低級(C1-6)アルコキシ基、または(ii)
式−O−CH(R6)−OCOR7〔式中、R6は(a)
水素、(b)炭素数1−6の直鎖もしくは分枝状の低級
アルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペ
ンチル、イソペンチル、ネオペンチルなど)、(c)炭
素数2−6の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニル基ま
たは(d)炭素数3−8のシクロアルキル基(例、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)を
示し、R7は(a)炭素数1−6の直鎖もしくは分枝状
の低級アルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チルなど)、(b)炭素数2−6の直鎖もしくは分枝状
の低級アルケニル基、(c)炭素数3−8のシクロアル
キル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチルなど)もしくは置換されていてもよいアリール
基(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級(C1-4)アルキ
ル、低級(C1-4)アルコキシなどを有していてもよい
フェニルまたはナフチル基など)で置換された炭素数1
−3の低級アルキル基(例、ベンジル、p−クロロベン
ジル、フェネチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキ
シルメチルなど)、(d)炭素数3−8のシクロアルキ
ルもしくは置換されていてもよいアリール基(例、ハロ
ゲン原子、ニトロ、低級(C1-4)アルキル、低級(C
1-4)アルコキシなどを有していてもよいフェニルまた
はナフチル基など)で置換された炭素数2−3の低級ア
ルケニル基(例、シンナミル等のビニル、プロペニル、
アリル、イソプロペニルなどのアルケニル部を持つもの
など)、(e)置換されていてもよいアリール基(例、
フェニル、p−トリル、ナフチル等のハロゲン原子、ニ
トロ、低級(C1-4)アルキル、低級(C1-4)アルコキ
シなどを有していてもよいフェニルまたはナフチル基な
ど)、(f)炭素数1−6の直鎖もしくは分枝状の低級
アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec
−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、ネオペンチルオキシなど)、(g)炭素
数2−8の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニロキシ基
(例、アリロキシ、イソブテニロキシなど)、(h)炭
素数3−8のシクロアルキルオキシ基(例、シクロペン
チルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオ
キシなど)、(i)炭素数3−8のシクロアルキル
(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ルなど)もしくは置換されていてもよいアリール基
(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級(C1-4)アルキ
ル、低級(C1-4)アルコキシなどを有していてもよい
フェニルまたはナフチル基など)で置換された炭素数1
−3の低級アルコキシ基(例、ベンジロキシ、フェネチ
ロキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメト
キシなどのメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ
プロポキシなどのアルコキシ部を持つものなど)、
(j)炭素数3−8のシクロアルキル(例、シクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)もしくは
置換されていてもよいアリール基(例、ハロゲン原子、
ニトロ、低級(C1-4)アルキル、低級(C1-4)アルコ
キシなどを有していてもよいフェニルまたはナフチル基
など)で置換された炭素数2−3の低級アルケニロキシ
基(例、シンナミロキシ等のビニロキシ、プロペニロキ
シ、アリロキシ、イソプロペニロキシなどのアルケニロ
キシ部を持つものなど)または(k)置換されていても
よいアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−ニトロフ
ェノキシ、ナフトキシ等のハロゲン原子、ニトロ、低級
(C1-4)アルキル、低級(C1-4)アルコキシなどを有
していてもよいフェノキシまたはナフトキシ基など)を
示す〕で表される基など}を示す〕で表される基などが
挙げられる。
【0018】R2としては、エステル化されていてもよ
いカルボキシルが好ましく、その具体例としては、例え
ば、−COOH及びその塩、−COOMe、−COOE
t、−COOtBu、−COOPr、ピバロイルオキシメト
キシカルボニル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニ
ルオキシ)エトキシカルボニル、5−メチル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメトキシカルボニ
ル、アセトキシメトキシカルボニル、プロピオニロキシ
メトキシカルボニル、n−ブチリロキシメトキシカルボ
ニル、イソブチリロキシメトキシカルボニル、1−(エ
トキシカルボニロキシ)エトキシカルボニル、1−(ア
セトキシ)エトキシカルボニル、1−(イソブチリロキ
シ)エトキシカルボニル、シクロヘキシルカルボニルオ
キシメトキシカルボニル、ベンゾイルオキシメトキシカ
ルボニル、シンナミロキシカルボニル、シクロペンチル
カルボニロキシメトキシカルボニルなどが挙げられ、生
物学的すなわち生理的条件下(例えば、生体内酵素によ
る酸化・還元あるいは加水分解などの生体内反応など)
で、または化学的に陰イオン(例、COO-、その誘導
体など)を形成しうる基またはそれに変じうる基であれ
ばいずれであってもよく、カルボキシル基、またはその
プロドラッグ体であってもよい。
【0019】上記R2としては、式−CO−D〔式中、
Dは(1)水酸基または(2)アルキル部分が水酸基、
アミノ、ハロゲン、低級(C2-6)アルカノイルオキシ
(例、アセトオキシ,ピバロイルオキシなど)、低級
(C3-8)シクロアルカノイルオキシ、低級(C1-6)ア
ルコキシカルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオ
キシ,エトキシカルボニルオキシなど)、低級
(C3-8)シクロアルコキシカルボニロキシ(例、シク
ロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)、低級(C
1-4)アルコキシまたは低級(C3-8)シクロアルコキシ
で置換されていてもよい低級(C1-4)アルコキシを示
す〕で表わされる基が好ましく、なかでも低級
(C1-4)アルキル(好ましくは、メチルまたはエチ
ル)でエステル化されたカルボキシルが好ましい。
【0020】前記式中、R3で表される「ヘテロ原子を
介して結合していてもよく、置換基を有して炭化水素残
基」における「炭化水素残基」としては、例えば、
(1)アルキル基、(2)アルケニル基、(3)アルキ
ニル基、(4)シクロアルキル基、(5)アリール基、
(6)アラルキル基などが挙げられるが、なかでもアル
キル基、アルケニル基およびシクロアルキル基が好まし
い。前記(1)のアルキル基としては、炭素数1〜8程
度の低級アルキル基で直鎖状、分枝状のいずれでもよ
く、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペン
チル、i−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルな
どがあげられる。前記(2)のアルケニル基としては、
炭素数2〜8程度の低級アルケニル基で直鎖状、分枝状
のいずれでもよく、例えばビニル、プロペニル、2−ブ
テニル、3−ブテニル、イソブテニル、2−オクテニル
などがあげられる。前記(3)のアルキニル基として
は、炭素数2〜8程度の低級アルキニル基で直鎖状、分
枝状のいずれでもよく、例えばエチニル、2−プロピニ
ル、2−ブチニル、2−ペンチニル、2−オクチニルな
どがあげられる。前記(4)のシクロアルキル基として
は、炭素数3〜6程度の低級シクロアルキルがあげら
れ、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシルなどがあげられる。上記したアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアル
キル基は水酸基、置換されていてもよいアミノ基(例、
アミノ、N−低級(C1-4)アルキルアミノ,N,N−ジ
低級(C1-4)アルキルアミノなど)、ハロゲン、低級
(C1-4)アルコキシ基,低級(C1-4)アルキルチオ基
などで置換されていてもよい。前記(5)のアラルキル
基としては、例えばベンジル、フェネチルなどのフェニ
ル−低級(C1-4)アルキルなどがあげられ、前記
(6)のアリール基としては、例えばフェニルなどがあ
げられる。
【0021】上記したアラルキル基またはアリール基
は、そのベンゼン環上の任意の位置に、例えばハロゲン
(例、F,Cl,Brなど)、ニトロ、置換されていて
もよいアミノ基(例、アミノ,N−低級(C1-4)アル
キルアミノ,N,N−ジ低級(C1-4)アルキルアミノな
ど)、低級(C1-4)アルコキシ(例、メトキシ、エト
キシなど)、低級(C1-4)アルキルチオ(例、メチル
チオ,エチルチオなど)、低級(C1-4)アルキル
(例、メチル、エチルなど)などを有していてもよい。
上記したなかでも、R3で表される「ヘテロ原子を介し
て結合していてもよく、置換基を有して炭化水素残基」
における「炭化水素残基」としては、置換されていても
よいアルキルまたはアルケニル基(例、水酸基、アミノ
基、ハロゲンまたは低級(C1-4)アルコキシ基で置換
されていてもよい低級(C1-5)アルキルまたは低級
(C2-5)アルケニル基など)が好ましく、とりわけ、
低級(C1-5)アルキル(より好ましくは、エチル)が
好ましい。R3で表される「ヘテロ原子を介して結合し
ていてもよく、置換基を有して炭化水素残基」における
「ヘテロ原子」としては、−O−、−S(O)m−[m
は0ないし2の整数を示す]、−NR’−[R’は水素
原子または低級(C1-4)アルキルを示す]などが挙げ
られ、なかでも−O−が好ましく用いられる。上記した
なかでも、R3としては、−O−、−S(O)m−[m
は0ないし2の整数を示す]または−NR’−[R’は
水素原子または低級(C1-4)アルキルを示す]を介し
て結合していてもよく、水酸基、アミノ基、ハロゲンお
よび低級(C1-4)アルコキシ基から選ばれる置換基で
置換されていてもよい低級(C1-5)アルキルまたは低
級(C2-5)アルケニル基などが好ましく、とりわけ、
低級(C1-5)アルキルまたは低級(C1-5)アルコキシ
(より好ましくは、エトキシ)が好ましい。
【0022】式(I)で表されるアンギオテンシンII拮
抗作用を有する非ペプチド性化合物のなかでも、式
(I')
【化10】 (式中、R1は(1)カルボキシル基、(2)テトラゾ
リル基または(3)式
【化11】 〔式中、iは−O−または−S−を示し、jは>=O,
>=Sまたは>=S(O)mを示し、mは前記と同意義
を示す〕で表される基を示し、環Aは置換基R2以外に
置換されていてもよい低級(C1-4)アルキル(例、水
酸基、カルボキシル基,ハロゲンなどで置換されていて
もよい低級(C1-4)アルキルなど)またはハロゲンで
置換されていてもよいベンゼン環(好ましくは、置換基
2以外に置換基を有さないベンゼン環)を示し、R2
式−CO−D〔式中、Dは(1)水酸基または(2)ア
ルキル部分が水酸基、アミノ、ハロゲン、低級
(C2-6)アルカノイルオキシ(例、アセトオキシ,ピ
バロイルオキシなど)、低級(C3-8)シクロアルカノ
イルオキシ、低級(C1-6)アルコキシカルボニルオキ
シ(例、メトキシカルボニルオキシ,エトキシカルボニ
ルオキシなど)、低級(C3-8)シクロアルコキシカル
ボニロキシ(例、シクロヘキシルオキシカルボニルオキ
シなど)、低級(C1-4)アルコキシまたは低級
(C3-8)シクロアルコキシで置換されていてもよい低
級(C1-4)アルコキシを示す〕で表わされる基を示
し、R3は−O−、−S(O)m−[mは0ないし2の
整数を示す]または−NR’−[R’は水素原子または
低級(C1-4)アルキルを示す]を介して結合していて
もよく、水酸基、アミノ基、ハロゲンおよび低級(C
1-4)アルコキシ基から選ばれる置換基で置換されてい
てもよい低級(C1-5)アルキルまたは低級(C2-5)ア
ルケニル基(好ましくは、低級(C1-5)アルキルまた
は低級(C1-5)アルコキシ;より好ましくは、エトキ
シ)を示す。〕で表されるベンズイミダゾール−7−カ
ルボン酸誘導体またはその薬理学的に許容されうる塩な
どが好ましく、とりわけ、2−エトキシ−1−[[2’
−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−
イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボン酸
〔Candesartan〕、1−(シクロヘキシルオキシカルボ
ニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−
(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イ
ル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラー
ト〔Candesartan cilexetil〕、ピバロイルオキシメチ
ル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾー
ル−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズ
イミダゾール−7−カルボキシラート、2−エトキシ−
1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,
2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4
−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボン酸
またはその塩などが好ましい。上記したベンズイミダゾ
ール誘導体は、例えば、EP−425921、EP−4
59136、EP−553879、EP−57812
5、EP−520423、EP−668272などに記
載の公知の方法又はそれに準じた方法などにより合成す
ることが可能である。また、Candesartan cilexetil を
用いる場合には、EP−459136に記載された安定
なC型結晶を用いるのがよい。
【0023】本発明で用いられるアンギオテンシンII拮
抗作用を有する化合物またはそのプロドラッグはそれ自
身であっても、薬理学的に許容される塩であってもよ
い。このような塩としては、該アンギオテンシンII拮抗
作用を有する化合物がカルボキシル基等の酸性基を有す
る場合、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類
金属、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属等)や有機塩基(例、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−
ジベンジルエチレンジアミンなどの有機アミン類、アル
ギニン、リジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸類
等)などとの塩が挙げられる。アンギオテンシンII拮抗
作用を有する化合物がアミノ基等の塩基性基を有する場
合、無機酸や有機酸(例、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、炭
酸、重炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ
酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、ク
エン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸等との塩が
挙げられる。本発明で用いられるアンギオテンシンII拮
抗作用を有する化合物[以下、AII拮抗化合物と称す
ることがある。]のプロドラッグは、生体内における生
理条件下で酵素や胃酸等による反応によりAII拮抗化
合物に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、
加水分解等を起こしてAII拮抗化合物に変化する化合
物、胃酸等により加水分解などを起こしてAII拮抗化
合物に変化する化合物をいう。AII拮抗化合物のプロ
ドラッグとしては、AII拮抗化合物のアミノ基がアシ
ル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、AII
拮抗化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル
化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−
オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカ
ルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチ
ル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化
された化合物など);AII拮抗化合物の水酸基がアシ
ル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物
(例、AII拮抗化合物の水酸基がアセチル化、パルミ
トイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル
化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカ
ルボニル化された化合物など);AII拮抗化合物のカ
ルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物
(例、AII拮抗化合物)のカルボキシル基がエチルエ
ステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエス
テル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイル
オキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエ
チルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチル
エステル化、メチルアミド化された化合物など);等が
挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって
AII拮抗化合物から製造することができる。また、A
II拮抗化合物のプロドラッグは、広川書店1990年
刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198
頁に記載されているような、生理的条件でAII拮抗化
合物に変化するものであってもよい。また、AII拮抗
化合物は水和物および非水和物のいずれであってもよ
い。
【0024】本発明に用いられる生体内分解性ポリマー
としては、例えば、α−ヒドロキシカルボン酸類(例、
グリコール酸、乳酸等)、ヒドロキシジカルボン酸類
(例、リンゴ酸等)、ヒドロキシトリカルボン酸(例、
クエン酸等)等の1種以上から合成され、遊離のカルボ
キシル基を有する重合体、共重合体、またはそのエステ
ル体、またはこれらの混合物;ポリ−α−シアノアクリ
ル酸エステル;ポリアミノ酸(例、ポリ−g−ベンジル
−L−グルタミン酸等);無水マレイン酸系共重合体
(例、スチレン−マレイン酸共重合体等)などが用いら
れる。重合の形式は、ランダム、ブロック、グラフトの
いずれでもよい。また、上記α−ヒドロキシ酸類、ヒド
ロキシジカルボン酸類、ヒドロキシトリカルボン酸類が
分子内に光学活性中心を有する場合、D−、L−、DL
−体のいずれも用いることができる。これらの中でも、
α−ヒドロキシカルボン酸重合体(好ましくは乳酸−グ
リコール酸重合体)、そのエステル体、ポリ−α−シア
ノアクリル酸エステルなどが好ましい。さらに好ましく
は、乳酸−グリコール酸重合体、そのエステル体であ
る。生体内分解性ポリマーとして乳酸−グリコール酸重
合体を用いる場合、その組成比(モル%)は100/0
〜40/60が好ましく、100/0〜50/50が特
に好ましい。上記の乳酸−グリコール酸重合体の重量平
均分子量は、通常、約3,000〜約50,000、好
ましくは約4,000〜約,40,000、さらに好ま
しくは約5,000〜約30,000である。また、分
散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、通常約1.
2〜約4.0が好ましく、さらに約1.5〜3.5が好
ましい。本明細書における重量平均分子量、数平均分子
量および分散度とは、重量平均分子量が1,110,0
00、707,000、354,000、189,00
0、156,000、98,900、66,437、3
7,200、17,100、9,830、5,870、
2,500、1,303、500の14種類のポリスチ
レンを基準物質としてゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子
量および算出した分散度をいう。測定には、GPCカラ
ムKF804L×2(昭和電工製)を使用し、移動相と
してクロロホルムを用いた。また、生体内分解性ポリマ
ーをアセトン−メタノール混合溶媒に溶解し、フェノー
ルフタレインを指示薬としてこの溶液をアルコール性水
酸化カリウム溶液でカルボキシル基を滴定して末端基定
量による数平均分子量を算出した。以下これを末端基定
量による数平均分子量と表記する。末端基定量による数
平均分子量が絶対値であるのに対してGPC測定による
数平均分子量は、分析または解析条件(例えば、移動相
の種類、カラムの種類、基準物質、スライス幅の選択、
ベースラインの選択等)によって変動する相対値である
ため、一義的な数値化は困難であるが、例えば、乳酸と
グリコール酸から無触媒脱水重縮合法で合成され、末端
に遊離のカルボキシル基を有する重合体では、GPC測
定による数平均分子量と末端基定量による数平均分子量
とがほぼ一致する。この乳酸−グリコール酸重合体の場
合にほぼ一致するとは、末端基定量による数平均分子量
がGPC測定による数平均分子量の約0.2〜約1.5
倍の範囲内であることをいい、好ましくは約0.3〜約
1.2倍の範囲内であることをいう。乳酸−グリコール
酸重合体は、例えば、乳酸とグリコール酸からの無触媒
脱水重縮合(特開昭61−28521号)あるいはラク
タイドとグリコライド等の環状体からの触媒を用いた開
環重合(Encyclopedic Handbook of Biomaterials and
Bioengineering PartA:Materials, Volume 2, Marcel
Dekker, Inc.,1995年)で製造できる。開環重合
で合成される重合体はカルボキシル基を有さない重合体
であるが、該重合体を化学的に処理して末端を遊離のカ
ルボキシル基にした重合体(ジャーナル オブ コント
ロールド リリーズ(J. Controlled Release)、41
巻、249−257頁、1996年)を用いることもで
きる。上記の末端に遊離のカルボキシル基を有する乳酸
−グリコール酸重合体は公知の製造法(例えば、無触媒
脱水重縮合法、特開昭61−28521号公報参照)で
問題なく製造でき、さらには末端に特定されない遊離の
カルボキシル基を有する重合体は公知の製造法(例え
ば、WO94/15587号公報参照)で製造できる。
また、開環重合後の化学的処理によって末端を遊離のカ
ルボキシル基にした乳酸−グリコール酸重合体は、例え
ばベーリンガー インゲルハイム(BoehringerIngelhei
m KG)から市販されているものを用いてもよい。乳酸−
グリコール酸重合体のエステル体は、例えば、遊離のカ
ルボキシル基を有する乳酸−グリコール酸重合体から公
知の製造法(例えば、特開平7−278018号公報参
照)で製造できる。これらの生体内分解性ポリマーは単
独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよ
い。本発明の徐放性製剤が含有していてもよい多価金属
は、生体に悪影響を及ぼさない化合物であれば特に限定
されず、金属種としては例えば2価(例、鉄、亜鉛、
銅、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、スズ、
マンガン等)、3価(例、鉄、アルミニウム、マンガン
等)、4価(例、スズ等)などの多価金属が用いられ
る。本発明の徐放性製剤において、これらの金属は、無
機物あるいは有機物等との化合物または金属酸化物(以
下、多価金属化合物と称する)などとして存在していて
もよく、金属イオンとして存在していてもよく、アンギ
オテンシンII拮抗作用を有する化合物、そのプロドラッ
グまたはそれらの塩および生体内分解性ポリマーの何れ
か一方あるいは両方とそれぞれ複合体を形成していても
よい。多価金属の好ましい具体例としては、例えば鉄、
アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等が挙
げられる。多価金属の特に好ましい具体例としては、亜
鉛が挙げられ、なかでも、酸化亜鉛に由来する亜鉛が好
ましく用いられる。無機物としては、例えばハロゲン化
水素(例、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水
素酸等)、硫酸、硝酸、チオシアン酸等の無機酸等が用
いられる。有機物としては、例えば脂肪族カルボン酸、
芳香族酸などの有機酸、及びアセチルアセトン等が用い
られる。脂肪族カルボン酸は、好ましくは炭素数1ない
し9の脂肪族カルボン酸(例、脂肪族モノカルボン酸、
脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸など)等が
用いられる。脂肪族カルボン酸は、飽和あるいは不飽和
のいずれであってもよい。脂肪族モノカルボン酸として
は、例えば炭素数1ないし9の飽和脂肪族モノカルボン
酸(例、炭酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カ
プロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カ
プリン酸等)および炭素数2ないし9の不飽和脂肪族モ
ノカルボン酸(例、アクリル酸、プロピオール酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等)などが用い
られる。脂肪族ジカルボン酸としては,例えば炭素数2
ないし9の飽和脂肪族ジカルボン酸(例、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸等)およ
び炭素数2ないし9の不飽和脂肪族ジカルボン酸(例、
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等)
などが用いられる。脂肪族トリカルボン酸としては、例
えば炭素数2ないし9の飽和脂肪族トリカルボン酸
(例、トリカルバリル酸、1,2,3-ブタントリカルボン酸
等)などが用いられる。前記の脂肪族カルボン酸は、水
酸基を1ないし2個有していてもよく、このような例と
しては、例えばグリコール酸、乳酸、グリセリン酸、タ
ルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられ
る。脂肪族カルボン酸は、好ましくは脂肪族モノカルボ
ン酸である。さらに好ましくは炭素数2ないし9の脂肪
族モノカルボン酸である。脂肪族カルボン酸の特に好ま
しい具体例としては酢酸が挙げられる。芳香族酸として
は、例えば安息香酸、サリチル酸、フェノールスルホン
酸などが用いられる。金属化合物の具体例としては、鉄
と無機酸との塩〔例、ハロゲン化鉄(例、塩化鉄、臭化
鉄、ヨウ化鉄、フッ化鉄等)、硫酸鉄、硝酸鉄、チオシ
アン酸鉄等〕、鉄と有機酸との塩〔例、脂肪族カルボン
酸鉄塩(例、炭酸鉄、酢酸鉄、グリコール酸鉄、乳酸
鉄、酒石酸鉄等)、芳香族鉄塩(例、安息香酸鉄、サリ
チル酸鉄、フェノールスルホン酸鉄等)〕、鉄アセチル
アセトナートなど、亜鉛と無機酸との塩〔例、ハロゲン
化亜鉛(例、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化
亜鉛等)、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛
等〕、亜鉛と有機酸との塩〔例、脂肪族カルボン酸亜鉛
塩(例、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、乳酸
亜鉛、酒石酸亜鉛等)、芳香族亜鉛塩(例、安息香酸亜
鉛、サリチル酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛
等)〕、亜鉛アセチルアセトナートなど、カルシウムと
無機酸との塩〔例、ハロゲン化カルシウム(例、塩化カ
ルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、フッ化
カルシウム等)、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、チ
オシアン酸カルシウム等〕、カルシウムと有機酸との塩
〔例、脂肪族カルボン酸カルシウム塩(例、炭酸カルシ
ウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、シュ
ウ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、
クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム等)、芳香
族カルシウム塩(例、安息香酸カルシウム、サリチル酸
カルシウム等)〕、カルシウムアセチルアセトナートな
ど、マグネシウムと無機酸との塩〔例、ハロゲン化マグ
ネシウム(例、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、
ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウム等)、硫酸マ
グネシウム、硝酸マグネシウム、チオシアン酸マグネシ
ウム等〕、マグネシウムと有機酸との塩〔例、脂肪族カ
ルボン酸マグネシウム塩(例、炭酸マグネシウム、酢酸
マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、シュウ酸マ
グネシウム、酒石酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、
クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム等)、
芳香族マグネシウム塩(例、安息香酸マグネシウム、サ
リチル酸マグネシウム等)〕、マグネシウムアセチルア
セトナートなど、及び金属酸化物(例、酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニ
ウム、酸化銅、酸化マンガン等)が挙げられる。多価金
属化合物は、好ましくは塩化鉄、鉄アセチルアセトナー
ト、酢酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、酢酸カルシ
ウム、カルシウムアセチルアセトナート、酢酸マグネシ
ウム、マグネシウムアセチルアセトナート、酸化亜鉛等
が用いられ、より好ましくは酸化亜鉛が用いられる。本
願発明においては、含有してもよい多価金属の全部ある
いは一部を同種あるいは異種の金属塩にした生体内分解
性ポリマーとして用いてもよい。この生体内分解性ポリ
マーの金属塩は、例えば特開平09−221420号公
報記載の方法あるいは準じた方法で製造することができ
る。本発明の徐放性製剤の好ましい実施態様としては、
アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物、そのプロ
ドラッグまたはそれらの塩〔以下、これらをAII拮抗
作用を有する化合物と総称することがある〕、生体内分
解性ポリマーおよび多価金属を含有してなる徐放性製剤
が挙げられ、その製造法としては、AII拮抗作用を有
する化合物、生体内分解性ポリマーおよび多価金属を含
有する液から溶媒を除去する方法などが挙げられるが、
AII拮抗作用を有する化合物および生体内分解性ポリ
マーの何れか一方あるいは両方と多価金属との複合体を
原料として用いることにより、当該液に多価金属を含有
させてもよく、多価金属化合物を添加することにより、
当該液に多価金属を含有させてもよい。また、添加され
た多価金属化合物の一部または全部は、当該液におい
て、AII拮抗作用を有する化合物および生体内分解性
ポリマーの何れか一方あるいは両方と複合体を形成して
もよい。
【0025】本発明の徐放性製剤におけるAII拮抗作
用を有する化合物および多価金属化合物の配合量は、A
II拮抗作用を有する化合物の種類、所望の薬理効果お
よび効果の持続期間などによって異なるが、本発明の徐
放性製剤がAII拮抗作用を有する化合物と生体内分解
性ポリマーの二者からなる場合、AII拮抗作用を有す
る化合物と生体内分解性ポリマー二者の和に対して、通
常約1〜約50重量%、より好ましくは約5〜約45重
量%、特に好ましくは約10〜約40重量%である。ま
た、AII拮抗作用を有する化合物、多価金属化合物お
よび生体内分解性ポリマーの三者からなる場合、AII
拮抗作用を有する化合物、多価金属化合物および生体内
分解性ポリマーの三者の和に対して、AII拮抗作用を
有する化合物は通常約1〜約50重量%、より好ましく
は約15〜45重量%、特に好ましくは約20〜40重
量%で、他方、多価金属化合物は通常約0〜約20重量
%、より好ましくは約2〜約15重量%、特に好ましく
は約4〜約10重量%である。本発明の徐放性製剤の形
態は特に限定されないが、非経口投与製剤が好ましく、
経皮投与剤、埋め込み剤、マイクロカプセル注射剤など
が考えられるが、徐放期間が長く、また、患者への負担
が少ないマイクロカプセルを用いた注射投与製剤が好ま
しい。
【0026】
【発明の実態の形態】本発明のAII拮抗作用を有する
化合物および生体内分解性ポリマーを含有する徐放性製
剤、例えば、マイクロカプセル(以下マイクロスフィア
と称することもある)の製造法について例示する。 (I)水中乾燥法 (i)O/W法 生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液に上記の配合量に
示した重量比率になるようにAII拮抗作用を有する化
合物、あるいはさらに多価金属化合物を加え、AII拮
抗作用を有する化合物を含んだ生体内分解性ポリマーの
有機溶媒溶液を作る。このとき、 AII拮抗作用を有
する化合物、多価金属化合物はそれぞれ生体内分解性ポ
リマーの有機溶媒溶液に一部溶解せず、分散していても
よく、ホモジナイザーあるいは超音波等の公知の方法で
より微細に分散させることが好ましい。該有機溶媒とし
ては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、四塩化炭素等)、エーテル類(例、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル等)、脂肪酸エステル(例、
酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳香族炭化水素(例、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等)、アルコール類(例え
ば、エタノール、メタノール等)、アセトニトリルなど
が用いられる。これらは適宜の割合で混合して用いても
よい。なかでも、ハロゲン化炭化水素としてはジクロロ
メタンが、アルコールとしてはエタノール、メタノール
が好適である。これらは適宜の割合で混合して用いても
よい。ジクロロメタンと組み合わせるアルコールとして
は、AII拮抗作用を有する化合物が例えばテトラゾリ
ル基を有する場合にはエタノールが好ましく、例えば
4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジ
アゾール−3−イル基を有する場合にはメタノールが好
適である。上記の有機溶媒溶液には添加剤を加えてもよ
い。該添加剤としては、例えば、薬物の安定性、溶解性
を保つための可溶化剤として、炭酸、シュウ酸、クエン
酸、リン酸、塩酸等、水酸化ナトリウム、アルギニン、
リジンおよびそれらの塩等を添加してもよい。また、さ
らに薬物の安定化剤として、アルブミン、ゼラチン、ク
エン酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、デキスト
リン、亜硫酸水素ナトリウム、ポリエチレングリコール
等のポリオール化合物等を、あるいは保存剤として、一
般に用いられるパラオキシ安息香酸エステル類(例、メ
チルパラベン、プロピルパラベン等)、ベンジルアルコ
ール、クロロブタノール、チメロサール等を添加しても
よい。生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中の濃度
は、生体内分解性ポリマーの分子量、有機溶媒の種類に
よって異なるが、例えば、ジクロロメタンを有機溶媒と
して用いた場合、一般的には約0.5〜約70重量%、
より好ましくは約1〜約60重量%、特に好ましくは約
2〜約50重量%から選ばれる。また、ジクロロメタン
との混合有機溶媒としてエタノールあるいはメタノール
を用いた場合、混合有機溶媒中のジクロロメタンの比率
は,一般的には約10〜約99体積%、より好ましくは
約20〜約98体積%、特に好ましくは約30〜約95
体積%から選ばれる。次いで、得られたAII拮抗作用
を有する化合物、あるいはさらに多価金属化合物を含む
生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を水相中に加え、
O(油相)/W(水相)エマルションを形成させた後、
油相中の溶媒を蒸発させ、マイクロカプセルを調製す
る。この際の水相体積は、一般的には油相体積の約1倍
〜約10,000倍、より好ましくは約5倍〜約5,0
00倍、特に好ましくは約10倍〜約2,000倍から
選ばれる。上記の外水相中には乳化剤を加えてもよい。
該乳化剤は、一般に安定なO/Wエマルションを形成で
きるものであればいずれでもよい。具体的には、例え
ば、アニオン性界面活性剤(オレイン酸ナトリウム、ス
テアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムな
ど)、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル〔ツイーン(Tween)80、ツイーン
(Tween)60、アトラスパウダー社〕、ポリオキシエチレ
ンヒマシ油誘導体〔HCO-60、HCO-50、日光ケミカルズ〕
など)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチ
ン、ヒアルロン酸などが用いられる。これらの中の1種
類か、または2種類以上を組み合わせて使用してもよ
い。使用の際の濃度は、好ましくは約0.01〜10重
量%の範囲で、さらに好ましくは約0.05〜約5重量
%の範囲で用いられる。上記の外水相中には浸透圧調節
剤を加えてもよい。該浸透圧調節剤としては、水溶液と
した場合に浸透圧を示すものであればよい。該浸透圧調
節剤としては、例えば、多価アルコール類、一価アルコ
ール類、単糖類、二糖類、オリゴ糖およびアミノ酸類ま
たはそれらの誘導体などが挙げられる。上記の多価アル
コール類としては、例えば、グリセリン等の二価アルコ
ール類、アラビトール,キシリトール,アドニトール等
の五価アルコール類、マンニトール,ソルビトール,ズ
ルシトール等の六価アルコール類などが用いられる。な
かでも、六価アルコール類が好ましく、特にマンニトー
ルが好適である。上記の一価アルコール類としては、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ルなどが挙げられ、このうちメタノールが好ましい。上
記の単糖類としては、例えば、アラビノース,キシロー
ス,リボース,2ーデオキシリボース等の五炭糖類、ブ
ドウ糖,果糖,ガラクトース,マンオース,ソルボー
ス,ラムノース,フコース等の六炭糖類が用いられ、こ
のうち六炭糖類が好ましい。上記のオリゴ糖としては、
例えば、マルトトリオース,ラフィノース糖等の三糖
類、スタキオース等の四糖類などが用いられ、このうち
三糖類が好ましい。上記の単糖類、二糖類およびオリゴ
糖の誘導体としては、例えば、グルコサミン、ガラクト
サミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸などが用いられ
る。上記のアミノ酸類としては、L−体のものであれば
いずれも用いることができ、例えば、グリシン、ロイシ
ン、アルギニンなどが挙げられる。このうちL−アルギ
ニンが好ましい。これらの浸透圧調節剤は単独で使用し
ても、混合して使用してもよい。これらの浸透圧調節剤
は、外水相の浸透圧が生理食塩水の浸透圧の約1/50
〜約5倍、好ましくは約1/25〜約3倍となる濃度で
用いられる。有機溶媒を除去する方法としては、自体公
知の方法あるいはそれに準じる方法が用いられる。例え
ば、プロペラ型撹拌機またはマグネチックスターラーな
どで撹拌しながら常圧もしくは徐々に減圧にして有機溶
媒を蒸発させる方法、ロータリーエヴァポレーターなど
を用いて真空度を調節しながら有機溶媒を蒸発させる方
法などが挙げられる。このようにして得られたマイクロ
カプセルは遠心分離または濾過して分取した後、マイク
ロカプセルの表面に付着しているAII拮抗作用を有す
る化合物、薬物保持物質、乳化剤などを蒸留水で数回繰
り返し洗浄し、再び蒸留水などに分散して凍結乾燥す
る。製造工程中、粒子同士の凝集を防ぐために凝集防止
剤を加えてもよい。該凝集防止剤としては、例えば、マ
ンニトール、ラクトース、ブドウ糖、デンプン類(例、
コーンスターチ等)などの水溶性多糖、グリシンなどの
アミノ酸、フィブリン、コラーゲンなどのタンパク質な
どが用いられる。なかでも、マンニトールが好適であ
る。また、凍結乾燥後、必要であれば、減圧下マイクロ
カプセル同士が融着しない条件内で加温してマイクロカ
プセル中の水分および有機溶媒の除去を行ってもよい。
好ましくは、毎分10〜20℃の昇温速度の条件下で、
示差走査熱量計で求めた生体内分解性ポリマーの中間点
ガラス転移温度よりも若干高い温度で加温する。より好
ましくは、生体内分解性ポリマーの中間点ガラス転移温
度からこれより約30℃高い温度範囲内で加温する。と
りわけ、生体内分解性ポリマーとして乳酸−グリコール
酸重合体を用いる場合には好ましくはその中間点ガラス
転移温度以上中間点ガラス転移温度より10℃高い温度
範囲,さらに好ましくは、中間点ガラス転移温度以上中
間点ガラス転移温度より5℃高い温度範囲で加温する。
加温時間はマイクロカプセルの量などによって異なるも
のの、一般的にはマイクロカプセル自体が所定の温度に
達した後、約12時間〜約168時間、好ましくは約2
4時間〜約120時間、特に好ましくは約48時間〜約
96時間である。加温方法は、マイクロカプセルの集合
が均一に加温できる方法であれば特に限定されない。該
加温乾燥方法としては、例えば、恒温槽、流動槽、移動
槽またはキルン中で加温乾燥する方法、マイクロ波で加
温乾燥する方法などが用いられる。このなかで恒温槽中
で加温乾燥する方法が好ましい。
【0027】(ii)W/O/W法 AII拮抗作用を有する化合物を水に溶解し、これに必
要であれば、多価金属化合物(例えば、酢酸亜鉛)、塩
基性アミノ酸(例えば、アルギニン、ヒスチジン、リジ
ン)、ゼラチン、寒天あるいはポリビニルアルコールな
どの薬物保持物質を加えて溶解し、内水相とする。内水
相における薬物の濃度は、一般的には約0.1〜80重
量%、より好ましくは約1〜70重量%、特に好ましく
は約2〜60重量%から選ばれる。内水相には、薬物の
安定性、溶解性を保つためのpH調整剤として、炭酸、
シュウ酸クエン酸、リン酸、塩酸等、水酸化ナトリウ
ム、アルギニン、リジンおよびそれらの塩等を添加して
もよい。また、さらに薬物の安定化剤として、アルブミ
ン、ゼラチン、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸ナト
リウム、デキストリン、亜硫酸水素ナトリウム、ポリエ
チレングリコール等のポリオール化合物等を、あるいは
保存剤として、一般に用いられるパラオキシ安息香酸エ
ステル類(メチルパラベン、プロピルパラベン等)、ベ
ンジルアルコール、クロロブタノール、チメロサール等
を添加してもよい。このようにして得られた内水相を、
場合によっては多価金属を含んでいてもよい生体内分解
性ポリマーの有機溶媒溶液(油相)中に加え、この混合
物をホモジナイザーまたは超音波等の公知の方法で乳化
し、W/Oエマルションを形成させる。上記した該有機
溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例、ジク
ロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロ
ロエタン、四塩化炭素等)、エーテル類(例、エチルエ
ーテル、イソプロピルエーテル等)、脂肪酸エステル
(例、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳香族炭化水素
(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、アルコール
類(例えば、エタノール、メタノール等)、アセトニト
リルなどが用いられる。これらは適宜の割合で混合して
用いてもよい。なかでも、ハロゲン化炭化水素が好まし
く、特にジクロロメタンが好適である。生体内分解性ポ
リマーの有機溶媒溶液中の濃度は生体内分解性ポリマー
の分子量、有機溶媒の種類によって異なるが、例えば、
ジクロロメタンを有機溶媒として用いた場合、一般的に
は約0.5〜約70重量%、より好ましくは約1〜約6
0重量%、特に好ましくは約2〜約50重量%から選ば
れる。次いで、得られたAII拮抗作用を有する化合物
および生体内分解性ポリマーを含有するW/Oエマルシ
ョンを水相(外水相)中に加え、W(内水相)/O(油
相)/W(外水相)エマルションを形成させた後、油相
中の溶媒を蒸発させ、マイクロカプセルを調製する。こ
の際の外水相体積は一般的には油相体積の約1倍〜約1
0,000倍、より好ましくは約5倍〜約5,000
倍、特に好ましくは約10倍〜約2,000倍から選ば
れる。上記の外水相中に加えてもよい乳化剤や浸透圧調
節剤、およびその後の調製法は前記(I)(i)項に記
載と同様である。
【0028】(II)相分離法 本法によってマイクロカプセルを製造する場合には、前
記(I)の水中乾燥法に記載したAII拮抗作用を有す
る化合物、あるいはさらに多価金属化合物を含む生体内
分解性ポリマーの有機溶媒溶液にコアセルベーション剤
を撹拌下徐々に加えてマイクロカプセルを析出,固化さ
せる。該コアセルベーション剤は油相体積の約0.01
〜1,000倍、好ましくは約0.05〜500倍、特
に好ましくは約0.1〜200倍から選ばれる。コアセ
ルベーション剤としては、有機溶媒と混和する高分子
系,鉱物油系または植物油系の化合物等でAII拮抗作
用を有する化合物と生体内分解性ポリマー両者を溶解し
ないものであれば特に限定はされない。具体的には、例
えば、シリコン油,ゴマ油,大豆油,コーン油,綿実
油,ココナッツ油,アマニ油,鉱物油,n-ヘキサン,n-
ヘプタンなどが用いられる。これらは2種類以上混合し
て使用してもよい。このようにして得られたマイクロカ
プセルを分取した後、ヘプタン等で繰り返し洗浄してA
II拮抗作用を有する化合物および生体内分解性ポリマ
ー以外のコアセルベーション剤等を除去し、減圧乾燥す
る。もしくは、前記(I)(i)の水中乾燥法で記載と
同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温
乾燥する。
【0029】(III)噴霧乾燥法 本法によってマイクロカプセルを製造する場合には、前
記(I)の水中乾燥法に記載したAII拮抗作用を有す
る化合物、あるいはさらに多価金属化合物を含む生体内
分解性ポリマーの有機溶媒溶液をノズルを用いてスプレ
ードライヤー(噴霧乾燥器)の乾燥室内に噴霧し、極め
て短時間内に微粒化液滴内の有機溶媒を揮発させ、マイ
クロカプセルを調製する。該ノズルとしては、例えば、
二流体ノズル型,圧力ノズル型,回転ディスク型等があ
る。この後、必要であれば、前記(I)の水中乾燥法で
記載と同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらに
は加温乾燥してもよい。上述のマイクロカプセル以外の
剤形としてマイクロカプセルの製造法(I)の水中乾燥
法に記載したAII拮抗作用を有する化合物、あるいは
さらに多価金属化合物を含む生体内分解性ポリマーの有
機溶媒溶液を、例えば、ロータリーエヴァポレーターな
どを用いて真空度を調節しながら有機溶媒および水を蒸
発させて乾固した後、ジェットミルなどで粉砕して微粉
末としてもよい。さらには、粉砕した微粉末をマイクロ
カプセルの製造法(I)の水中乾燥法で記載と同様の方
法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥して
もよい。ここで得られるマイクロカプセルまたは微粉末
では、使用する生体内分解性ポリマーの分解速度あるい
は添加した多価金属化合物の種類や量に対応して薬物放
出が制御できる。本発明の徐放性製剤は、そのまま、ま
たはこれらを原料物質として種々の剤形に製剤化し、筋
肉内、皮下、臓器などへの注射剤または埋め込み剤、鼻
腔、直腸、子宮などへの経粘膜剤、経口剤(例、カプセ
ル剤(例、硬カプセル剤、軟カプセル剤等)、顆粒剤、
散剤等の固形製剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等の液剤
等)などとして投与することができる。また、針なし注
射器によっても投与することができる。例えば、本発明
の徐放性製剤を注射剤とするには、これらを分散剤
(例、ツイーン(Tween)80,HCO-60等の界面活性剤、
ヒアルロン酸ナトリウム,カルボキシメチルセルロー
ス,アルギン酸ナトリウム等の多糖類など)、保存剤
(例、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、等張
化剤(例、塩化ナトリウム,マンニトール,ソルビトー
ル,ブドウ糖,プロリンなど)等と共に水性懸濁剤とす
るか、ゴマ油、コーン油などの植物油と共に分散して油
性懸濁剤として実際に使用できる徐放性注射剤とするこ
とができる。本発明の徐放性製剤の粒子径は、懸濁注射
剤として使用する場合には、その分散度、通針性を満足
する範囲であればよく、例えば、平均粒子径として約
0.1〜300μm、好ましくは約0.5〜150μm
の範囲、さらに好ましくは約1から100μmの範囲で
ある。本発明の徐放性製剤を無菌製剤にするには、製造
全工程を無菌にする方法、ガンマ線で滅菌する方法、防
腐剤を添加する方法等が挙げられるが、特に限定されな
い。
【0030】本発明の徐放性製剤は、低毒性であるの
で、哺乳動物(例、ヒト、牛、豚、犬、ネコ、マウス、
ラット、ウサギ等)に対して安全な医薬などとして用い
ることができる。本発明の徐放性製剤の投与量は、主薬
であるAII拮抗作用を有する化合物の種類と含量、剤
形、AII拮抗作用を有する化合物放出の持続時間、対
象疾病、対象動物などによって種々異なるが、AII拮
抗作用を有する化合物の有効量であればよい。主薬であ
るAII拮抗作用を有する化合物の1回当たりの投与量
としては、例えば、徐放性製剤が1か月製剤である場
合、好ましくは、成人1人当たり約0.01mg〜10
mg/kg体重の範囲,さらに好ましくは約0.05m
g〜5mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができ
る。1回当たりの徐放性製剤の投与量は、成人1人当た
り好ましくは、約0.05mg〜50mg/kg体重の
範囲、さらに好ましくは約0.1mg〜30mg/kg
体重の範囲から適宜選ぶことができる。投与回数は、数
週間に1回、1か月に1回、または数か月(例、3か
月、4か月、6か月など)に1回等、主薬であるAII
拮抗作用を有する化合物の種類と含量、剤形、AII拮
抗作用を有する化合物の放出の持続時間、対象疾病、対
象動物などによって適宜選ぶことができる。AII拮抗
作用を有する化合物は安全性が高く、投与直後に血中濃
度が上昇しても、血圧が下がり過ぎることはない。本発
明の徐放性製剤は以下の疾患の治療剤として使用するこ
とが可能であり、一定の血液中濃度を昼夜問わず、維持
することが可能なため、経口剤で投与する場合に比較し
て、投与量・回数の低減が可能であり、しかも、血中薬
物濃度の変動が少なく、また、服用の中断などによる病
状の変化が起きないため、治療効果がより明確になるこ
とが期待される。該疾患としては、アンギオテンシンII
受容体を介して発現する血管の収縮に起因する高血圧
症、心臓病(心肥大、心不全、心筋梗塞等)、腎炎およ
び脳卒中等の循環器系疾患等が挙げられる。また、本発
明の徐放性製剤は、高血圧症、心肥大、心不全、心筋梗
塞、脳卒中、虚血性末梢循環障害、心筋虚血、静脈機能
不全、心筋梗塞後の心不全進行、糖尿病性合併症、糖尿
病性網膜症、糖尿病性腎症、腎炎、糸球体腎炎、動脈硬
化症、血管肥厚、インターベンション後(例、PTCA
後)の血管肥厚または閉塞、バイパス手術後の血管再閉
塞、高アルドステロン症、糸球体硬化症、腎不全、緑内
障、高眼圧症、高脂血症、狭心症、動脈瘤、冠動脈硬化
症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症、血栓症、中枢神経
系疾患、アルツハイマー病、記憶欠乏症、うつ病、健忘
症、老人性痴呆、知覚機能障害、多臓器不全、内皮機能
障害に伴う疾患または強皮症の予防・治療剤、または不
安症状、緊張症状、不快精神状態または消化不良の予防
・改善剤として、有用である。患者の治療方法として
は、アンギオテンシンII拮抗剤の経口投与剤を一定期間
投与し、該患者の反応性を確認してから本発明の徐放性
製剤を投与することが考えられる。経口投与されるアン
ギオテンシンII拮抗剤と徐放性製剤に含有されるアンギ
オテンシンII拮抗剤は同じものであっても別なものであ
ってもよい。また、アンギオテンシンII拮抗剤以外の降
圧剤(カルシウム拮抗剤、利尿剤、ベータ遮断薬など)
を予め経口投与しておいて、患者の反応性を確認してか
ら本発明の徐放性製剤を投与してもよい。また、本発明
の徐放性製剤と通常アンギオテンシンII拮抗剤と併用さ
れる利尿降圧剤(経口剤)を併用してもよい。
【0031】
【実施例】以下に実施例および実験例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定する
ものではない。 実施例1 2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ−5
−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)
ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−
7−カルボン酸(以下、化合物Aと略記する)0.25gと
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=75
/25(モル%)、重量平均分子量10,700、数平均分子量
6,100、末端基定量による数平均分子量3,770、和光純薬
工業製)2.25gとをジクロロメタン3.5mlとメタノール1.
5mlとの混液に溶解し、予め18℃に調節しておいた0.1%
(w/w) ポリビニルアルコール水溶液500ml中に注入し、
タービン型ホモミキサーを用い、7,000rpmでO/Wエマ
ルションとした。このO/Wエマルションを室温で3時
間撹拌してジクロロメタンとメタノールを揮散させ、油
相を固化させた後、遠心分離機を用いて2,000rpmで補集
した。これを再び蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行
い、遊離薬物等を洗浄した。捕集されたマイクロカプセ
ルは少量の蒸留水を加えて再分散後、凍結乾燥して粉末
として得られた。回収率は69%、マイクロカプセル中へ
の化合物Aの封入率は92%で、マイクロカプセル中の化
合物A含量は9.2%であった。
【0032】実施例2 化合物Aの2ナトリウム塩0.25gを0.4mlの蒸留水に溶解
した溶液を、乳酸−グリコール酸共重合体(実施例1に
同じ)2.25gをジクロロメタン4mlで溶解した溶液と混合
しホモジナイザーで乳化し、W/Oエマルションを形成
した。次いでこのW/Oエマルションを、予め18℃に調
節しておいた0.1% (w/w) ポリビニルアルコール水溶液5
00ml中に注入し、タービン型ホモミキサーを用い、7,00
0rpmでW/O/Wエマルションとした。このW/O/W
エマルションを室温で3時間撹拌してジクロロメタンを
揮散させ、油相を固化させた後、遠心分離機を用いて2,
000rpmで補集した。これを再び蒸留水に分散後、さらに
遠心分離を行い、遊離薬物等を洗浄した。捕集されたマ
イクロカプセルは少量の蒸留水を加えて再分散後、凍結
乾燥して粉末として得られた。回収率は50%、マイクロ
カプセル中への化合物Aの封入率は37%で、マイクロカ
プセル中の化合物A含量は3.7%であった。
【0033】実施例3 化合物A0.4gと乳酸重合体エチルエステル体(乳酸重合
体の末端カルボキシ基をエチルエステル化した生体内分
解性ポリマー、重量平均分子量10,200、数平均分子量5,
680、和光純薬工業製)1.6gとをジクロロメタン3.5mlと
メタノール2.5mlとの混液に溶解し、予め18℃に調節し
ておいた5%マンニトール含有0.1% (w/w)ポリビニルアル
コール水溶液800ml中に注入し、タービン型ホモミキサ
ーを用い、7,000rpmでO/Wエマルションとした。この
O/Wエマルションを室温で3時間撹拌してジクロロメ
タンとメタノールを揮散させ、油相を固化させた後、遠
心分離機を用いて2,000rpmで補集した。これを再び蒸留
水に分散後、さらに遠心分離を行い、遊離薬物等を洗浄
した。捕集されたマイクロカプセルは少量の蒸留水を加
えて再分散後、凍結乾燥して粉末として得られた。回収
率は83%、マイクロカプセル中への化合物Aの封入率は8
6%で、マイクロカプセル中の化合物A含量は17.1%であ
った。
【0034】実験例1 実施例3で得られたマイクロカプセル約35mgを0.3mlの
分散媒(0.25mgのカルボキシメチルセルロース、0.5mg
のポリソルベート80、25mgのマンニトールを溶解した蒸
留水)に分散して7週齢雄性SDラットの背部皮下に22G注
射針で投与した。投与後経時的にラット腹部大動脈より
採血後、屠殺して投与部位に残存するマイクロカプセル
を取り出し、この中の化合物Aを定量した結果を表1
に、また血液中の化合物Aの濃度を測定した結果を表2
に示す。
【表1】 1日 1週 2週 3週 4週 実施例3 66% 42% 27% 17% 15%
【表2】 1日 1週 2週 3週 4週 実施例3 4.4 0.6 0.3 0.2 0.1 (単位;μg/ml)
【0035】実施例4 2−エトキシ−1−[[2´−(1H−テトラゾール−
5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミ
ダゾール−7−カルボン酸(以下、化合物Bと略記す
る)0.6 g と粒径 0.02 μmの酸化亜鉛 0.09 g とを乳
酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸 75/2
5(モル%)、重量平均分子量 14,000、数平均分子量
4,200、末端基定量による数平均分子量 4,090、和光純
薬工業製)2.4 g をジクロロメタン 4.5 ml とエタノー
ル 1 ml とに溶解した溶液に添加し、12 時間室温で振
とう撹拌して軽度に白濁した溶液を得た。この溶液を予
め 15℃に調節しておいた 0.1 重量% ポリビニルアルコ
ール水溶液 400 ml 中に注入し、タービン型ホモミキサ
ーを用い、7,000 rpmでO/Wエマルションとした。こ
のO/Wエマルションを室温で3時間撹拌してジクロロ
メタンとエタノールを揮散させ、油相を固化させた後、
遠心分離機を用いて2,000 rpmで補集した。これを再び
蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行い、遊離薬物等を
洗浄した。捕集されたマイクロカプセルは少量のマンニ
トールを溶解した蒸留水を加えて再分散後、凍結乾燥し
て粉末として得られた。マイクロカプセル中への化合物
Bの封入率は97%で、マイクロカプセル中の化合物B含
量は18.8%であった。
【0036】実施例5 酸化亜鉛量を 0.057 g に変更した以外、実施例1と同
様にしてマイクロカプセルを得た。マイクロカプセル中
への化合物Bの封入率は97%で、マイクロカプセル中の
化合物B含量は19.0%であった。
【0037】実施例6 化合物B量、酸化亜鉛量および乳酸−グリコール酸共重
合体量をそれぞれ 0.9g、2.1 g、0.12 g にそれぞれ変
更した以外、実施例1と同様にしてマイクロカプセルを
得た。マイクロカプセル中への化合物Bの封入率は96%
で、マイクロカプセル中の化合物B含量は27.8%であっ
た。
【0038】実施例7 酸化亜鉛量を 0.18 g に変更した以外、実施例3と同様
にしてマイクロカプセルを得た。マイクロカプセル中へ
の化合物Bの封入率は92%で、マイクロカプセル中の化
合物B含量は26.2%であった。
【0039】実施例8 化合物B 1.8 g と粒径 0.02 μmの酸化亜鉛 0.3 g と
を乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸 7
5/25(モル%)、重量平均分子量 14,000、数平均分子
量 4,200、末端基定量による数平均分子量 4,090、和光
純薬工業製)4.2 g をジクロロメタン 9 mlとエタノー
ル 1.5 ml とに溶解した溶液に添加し、12時間室温で振
とう撹拌して軽度に白濁した溶液を得た。この溶液を予
め15℃に調節しておいた 0.1 重量% ポリビニルアルコ
ール水溶液 800 ml 中に注入し、タービン型ホモミキサ
ーを用い、7,000 rpmでO/Wエマルションとした。こ
のO/Wエマルションを室温で3時間撹拌してジクロロ
メタンとエタノールを揮散させ、油相を固化させた後、
遠心分離機を用いて2,000 rpmで補集した。これを再び
蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行い、遊離薬物等を
洗浄した。捕集されたマイクロカプセルは少量のマンニ
トールを溶解した蒸留水を加えて再分散後、凍結乾燥し
て粉末として得られた。マイクロカプセル中への化合物
Bの封入率は94%で、マイクロカプセル中の化合物B含
量は26.8%であった。
【0040】実施例9 化合物A 0.3 g と粒径 0.02 μmの酸化亜鉛 0.05 g と
を乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸 7
5/25(モル%)、重量平均分子量 14,000、数平均分子
量 4,200、末端基定量による数平均分子量 4,090、和光
純薬工業製)0.7 g をジクロロメタン 1.5 ml とメタノ
ール 1 ml とに溶解した溶液に添加し、12 時間室温で
振とう撹拌して軽度に白濁した溶液を得た。この溶液を
予め 15℃に調節しておいた 0.1 重量% ポリビニルアル
コール水溶液 300 ml 中に注入し、タービン型ホモミキ
サーを用い、6,500 rpmでO/Wエマルションとした。
このO/Wエマルションを室温で3時間撹拌してジクロ
ロメタンとメタノールを揮散させ、油相を固化させた
後、遠心分離機を用いて2,000 rpmで補集した。これを
再び蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行い、遊離薬物
等を洗浄した。捕集されたマイクロカプセルは少量のマ
ンニトールを溶解した蒸留水を加えて再分散後、凍結乾
燥して粉末として得られた。マイクロカプセル中への化
合物Aの封入率は91%で、マイクロカプセル中の化合物
A含量は25.9%であった。
【0041】実施例10 化合物B 1 g と粒径 0.02 μmの酸化亜鉛 0.18 g とを
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸 75
/25(モル%)、重量平均分子量 14,000、数平均分子
量 4,200、末端基定量による数平均分子量 4,090、和光
純薬工業製)1.8g をジクロロメタン 5 mlに溶解した溶
液に添加し、小型ホモジナイザーで 60秒間乳化混合し
て白濁した分散液を得た。この分散液を予め15℃に調節
しておいた0.1 重量% ポリビニルアルコール水溶液 400
ml 中に注入し、タービン型ホモミキサーを用い、8,00
0 rpmでO/Wエマルションとした。このO/Wエマル
ションを室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散さ
せ、油相を固化させた後、遠心分離機を用いて2,000 rp
mで補集した。これを再び蒸留水に分散後、さらに遠心
分離を行い、遊離薬物等を洗浄した。捕集されたマイク
ロカプセルは少量のマンニトールを溶解した蒸留水を加
えて再分散後、凍結乾燥して粉末として得られた。マイ
クロカプセル中への化合物Bの封入率は96%で、マイク
ロカプセル中の化合物B含量は32.0%であった。
【0042】実施例11 0.8 ml のエタノールをジクロロメタンに添加し、12 時
間室温で振とう撹拌して得た軽度に白濁した溶液を用い
た以外実施例7と同様にしてマイクロカプセルを得た。
マイクロカプセル中への化合物Bの封入率は95%で、マ
イクロカプセル中の化合物B含量は32.0%であった。
【0043】実施例12 1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル
2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール
−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイ
ミダゾール−7−カルボキシラート(以下、化合物Cと
略記する) 0.9g と乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸
/グリコール酸 75/25(モル%)、重量平均分子量 1
4,000、数平均分子量 4,200、末端基定量による数平均
分子量 4,090、和光純薬工業製)2.1 g とをジクロロメ
タン 4.5 ml とエタノール 0.7 mlの混合溶媒に溶解し
た。この溶液に粒径 0.02 μm の酸化亜鉛 0.15 g を添
加し、12 時間室温で振とう撹拌して軽度に白濁した溶
液を得た。この溶液を予め15℃に調節しておいた 0.1
重量% ポリビニルアルコール水溶液 400 ml 中に注入
し、タービン型ホモミキサーを用い、7,500 rpmでO/
Wエマルションとした。このO/Wエマルションを室温
で3時間撹拌してジクロロメタンとエタノールを揮散さ
せ、油相を固化させた後、遠心分離機を用いて2,000 rp
mで補集した。これを再び蒸留水に分散後、さらに遠心
分離を行い、遊離薬物等を洗浄した。捕集されたマイク
ロカプセルは少量のマンニトールを溶解した蒸留水を加
えて再分散後、凍結乾燥して粉末として得られた。マイ
クロカプセル中への化合物Cの封入率は96%で、マイク
ロカプセル中の化合物C含量は27.4%であった。
【0044】実施例13 酸化亜鉛を添加しなかった以外、実施例12と同様にし
てマイクロカプセルを調製した。マイクロカプセル中へ
の化合物Cの封入率は98%で、マイクロカプセル中の化
合物C含量は30.0%であった。
【0045】実施例14 化合物C 1.2 g と乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸
/グリコール酸 75/25(モル%)、重量平均分子量 1
4,000、数平均分子量 4,200、末端基定量による数平均
分子量 4,090、和光純薬工業製)1.8 g とをジクロロメ
タン 5 ml に溶解した。この溶液に粒径 0.02 μm の酸
化亜鉛 0.18 g を添加し、1 時間室温で振とう撹拌して
軽度に白濁した溶液を得た。この溶液を予め15℃に調節
しておいた0.1 重量% ポリビニルアルコール水溶液 400
ml 中に注入し、タービン型ホモミキサーを用い、8,00
0 rpmでO/Wエマルションとした。このO/Wエマル
ションを室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散さ
せ、油相を固化させた後、遠心分離機を用いて2,000 rp
mで補集した。これを再び蒸留水に分散後、さらに遠心
分離を行い、遊離薬物等を洗浄した。捕集されたマイク
ロカプセルは少量のマンニトールを溶解した蒸留水を加
えて再分散後、凍結乾燥して粉末として得られた。マイ
クロカプセル中への化合物Cの封入率は95%で、マイク
ロカプセル中の化合物C含量は35.9%であった。 実施例15 酸化亜鉛を添加しなかった以外実施例4と同様にしてマ
イクロカプセルを調製した。マイクロカプセル中への化
合物Bの封入率は99%で、マイクロカプセル中の化合物
B含量は19.8%であった。
【0046】実施例16 酸化亜鉛を添加しなかった以外実施例9と同様にしてマ
イクロカプセルを調製した。マイクロカプセル中への化
合物Aの封入率は95%で、マイクロカプセル中の化合物
A含量は28.4%であった。
【0047】実験例2 実施例4−14および比較例1で得られたマイクロカプ
セル 25 mg を 0.2 mlの分散媒(5 mg のカルボキシメ
チルセルロースナトリウム、1 mg のポリソルベート 8
0、50 mg のマンニトールを蒸留水 1 ml に溶解した
液)に分散して7週齢雄性 SDラットの首背部皮下に 22
G 注射針で投与した。 投与後経時的にラット腹部大動
脈より脱血して屠殺後、投与部位に残存するマイクロカ
プセルを取り出し、この中の化合物を定量して算出した
化合物の残存率を表3に、実施例4、6、8のマイクロ
カプセル投与ラットでの血液中の化合物Bの濃度を表4
に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】実験例3 実施例8で得られたマイクロカプセル 2.5 mg を 0.2 m
l の分散媒(5 mg のカルボキシメチルセルロースナト
リウム、1 mg のポリソルベート 80、50 mg のマンニト
ールを溶解した蒸留水 1 ml に溶解した液)に分散して
テレメトリー用血圧送信機を埋め込んだ28週齢雄性 1
2008 SHRラットの首背部皮下に 22G 注射針で投与した
後の血圧をモニターした。 29週齢雄性 12008 SHRラ
ットの首背部皮下に同製剤を同様に投与した後経時的に
尾静脈より採血した。表5に、血液中の化合物Bの濃度
および降圧作用を示す。
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】本発明の徐放性製剤は、アンギオテンシ
ンII拮抗作用を有する化合物を高含量で含有し、かつそ
の放出速度を制御できるので、長期間に渡り、日内変動
を維持しながら、アンギオテンシンII拮抗作用を示す。
また、一定の血液中濃度を昼夜問わず、維持することが
可能なため、経口剤で投与する場合に比較して、血中薬
物濃度の変動が少なく、また、服用時刻の変動、服用の
中断、自覚症状が少ない患者群における意図的な服用忌
避などによる病状の変化が起きないため、高血圧症、心
臓病(心肥大、心不全、心筋梗塞等)、腎炎および脳卒
中等の循環器系疾患等の治療効果がより明確になること
が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 45/00 A61K 45/00 47/02 47/02 (72)発明者 亀井 茂 兵庫県宝塚市すみれガ丘1丁目7番1− 509号

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
    物、そのプロドラッグまたはそれらの塩(但し、2−エ
    チル−5,7−ジメチル−3−[[2’−(1H−テト
    ラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]
    イミダゾ[4,5−b]ピリジンおよびその塩を除く)
    および生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製
    剤。
  2. 【請求項2】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
    物が非ペプチド性化合物である請求項1記載の徐放性製
    剤。
  3. 【請求項3】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
    物が分子内に酸素原子を有する化合物である請求項1記
    載の徐放性製剤。
  4. 【請求項4】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
    物がエーテル結合またはカルボニル基を有する化合物で
    ある請求項1記載の徐放性製剤。
  5. 【請求項5】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
    物が式(I) 【化1】 (式中、R1は陰イオンを形成しうる基またはそれに変
    じうる基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接
    または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合している
    ことを示し、nは1または2の整数を示し、環Aはさら
    に置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、R2
    陰イオンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示
    し、R3はヘテロ原子を介して結合していてもよく、置
    換基を有していてもよい炭化水素残基を示す)で表され
    る化合物またはその塩である請求項1記載の徐放性製
    剤。
  6. 【請求項6】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
    物がロサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン シ
    レキセチル、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサ
    ルタン、イルベサルタンまたはタソサルタンである請求
    項1記載の徐放性製剤。
  7. 【請求項7】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
    物が2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾー
    ル−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズ
    イミダゾール−7−カルボン酸またはその塩である請求
    項1記載の徐放性製剤。
  8. 【請求項8】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
    物が1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エ
    チル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾ
    ール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベン
    ズイミダゾール−7−カルボキシラートまたはその塩で
    ある請求項1記載の徐放性製剤。
  9. 【請求項9】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
    物が2−エトキシ−1−[[2’−(4,5−ジヒドロ
    −5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イ
    ル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾー
    ル−7−カルボン酸またはその塩である請求項1記載の
    徐放性製剤。
  10. 【請求項10】生体内分解性ポリマーがα−ヒドロキシ
    カルボン酸重合体である請求項1記載の徐放性製剤。
  11. 【請求項11】α−ヒドロキシカルボン酸重合体が乳酸
    −グリコール酸重合体である請求項10記載の徐放性製
    剤。
  12. 【請求項12】乳酸とグリコール酸の組成モル比が10
    0/0〜40/60である請求項11記載の徐放性製
    剤。
  13. 【請求項13】重合体の重量平均分子量が3,000〜
    50,000である請求項10記載の徐放性製剤。
  14. 【請求項14】注射用である請求項1記載の徐放性製
    剤。
  15. 【請求項15】多価金属を含有してなる請求項1記載の
    徐放性製剤。
  16. 【請求項16】多価金属が亜鉛である請求項15記載の
    徐放性製剤。
  17. 【請求項17】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物、そのプロドラッグまたはそれらの塩、生体内分解
    性ポリマーおよび多価金属を含有してなる徐放性製剤。
  18. 【請求項18】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物、そのプロドラッグまたはそれらの塩および生体内
    分解性ポリマーを含有する液から溶媒を除去することを
    特徴とする請求項1記載の徐放性製剤の製造法。
  19. 【請求項19】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物、そのプロドラッグまたはそれらの塩、生体内分解
    性ポリマーおよび多価金属を含有する液から溶媒を除去
    することを特徴とする請求項17記載の徐放性製剤の製
    造法。
  20. 【請求項20】多価金属が亜鉛である請求項19記載の
    製造法。
  21. 【請求項21】請求項1記載の徐放性製剤を含有してな
    る医薬組成物。
  22. 【請求項22】循環器系疾患の予防・治療剤である請求
    項21記載の組成物。
  23. 【請求項23】高血圧症の予防・治療剤である請求項2
    1記載の組成物。
  24. 【請求項24】心肥大、心不全、心筋梗塞、脳卒中、虚
    血性末梢循環障害、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞
    後の心不全進行、糖尿病性合併症、糖尿病性網膜症、糖
    尿病性腎症、腎炎、糸球体腎炎、動脈硬化症、血管肥
    厚、インターベンション後の血管肥厚または閉塞、バイ
    パス手術後の血管再閉塞、高アルドステロン症、糸球体
    硬化症、腎不全、緑内障、高眼圧症、高脂血症、狭心
    症、動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬
    化症、血栓症、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、記
    憶欠乏症、うつ病、健忘症、老人性痴呆、知覚機能障
    害、多臓器不全、内皮機能障害に伴う疾患または強皮症
    の予防・治療剤、または不安症状、緊張症状、不快精神
    状態または消化不良の予防・改善剤である請求項21記
    載の組成物。
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