JP2002138054A - フィブリノーゲン低下剤 - Google Patents

フィブリノーゲン低下剤

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JP2002138054A
JP2002138054A JP2001254391A JP2001254391A JP2002138054A JP 2002138054 A JP2002138054 A JP 2002138054A JP 2001254391 A JP2001254391 A JP 2001254391A JP 2001254391 A JP2001254391 A JP 2001254391A JP 2002138054 A JP2002138054 A JP 2002138054A
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Yoshimi Imura
良視 井村
Masao Hirakata
昌夫 平形
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたフィブリノーゲン低下作用を有し、高フ
ィブリノーゲン血症などに起因する各種疾患の予防治療
剤として有用なフィブリノーゲン低下剤を提供する。 【解決手段】アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
物、そのプロドラッグまたはそれらの塩を含有してなる
フィブリノーゲン低下剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンギオテンシン
II拮抗作用(AII拮抗作用)を有する化合物、そのプ
ロドラッグまたはそれらの塩を有効成分として含有する
フィブリノーゲン低下剤、および高コレステロール血症
を伴う高フィブリノーゲン血症の予防・治療剤および腎
障害を伴う高フィブリノーゲン血症の予防・治療剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】血漿中フィブリノーゲン(FIB)濃度
は、心血管障害に対する独立的危険因子の一つであり、
一部のフィブレート系薬剤が血漿中フィブリノーゲン濃
度を低下させることが報告されている。フェノフィブレ
ートなどのフィブレート系薬剤は、PPARα(peroxi
some proliferator activated receptor α)活性化を
介し、血清脂質改善作用を示すと考えられているが、フ
ェノフィブレートがラット肝臓中のFIB mRNA遺
伝子の発現を抑制すること、ならびにPPARαノック
アウトマウスの血漿中フィブリノーゲン濃度が高値を示
すことなどから、フィブレート系薬剤のフィブリノーゲ
ン濃度低下作用もPPARα活性化を介していると考え
られている〔Blood, 93(9), 2991-2998 (1999)〕。一
方、AII拮抗作用を有する化合物は、高血圧症、心臓
病(心肥大、心不全、心筋梗塞など)、脳卒中、腎炎な
どの循環器系疾患治療剤として知られており(特開平4
−364171号など)、強い血管収縮作用を有する A
II が AII受容体へ作用するのを阻害することにより、
持続的な降圧作用を発現することが知られている。しか
しながら、AII拮抗作用を有する化合物がフィブリノ
ーゲン低下作用を示すことを示唆する報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高フィブリノーゲン血
症またはそれに起因する各種疾患の予防治療効果が優れ
ており、かつ副作用が見られないなど、医薬として十分
に優れた性質を有するフィブリノーゲン低下剤の開発が
切望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
ような事情に鑑み、フィブリノーゲン低下に有用な薬剤
について鋭意研究した結果、アンギオテンシンII拮抗作
用を有する化合物、殊に特定の構造式で表されるアンギ
オテンシンII(AII)拮抗作用を有する化合物が、フィ
ブリノーゲン低下に極めて有効であることを見い出し
た。また、アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物
を含め、レニン−アンギオテンシン系阻害作用を有する
化合物が高コレステロール血症を伴う高フィブリノーゲ
ン血症の予防・治療および腎障害を伴う高フィブリノー
ゲン血症の予防・治療に有効であることを見い出した。
これらの知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物(但
し、イルベサルタンを除く)、そのプロドラッグまたは
その塩を含有してなるフィブリノーゲン低下剤; (2)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が非
ペプチド性化合物である前記(1)記載の剤; (3)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が分
子内に酸素原子を有する化合物である前記(1)記載の
剤; (4)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が分
子内にエーテル結合またはカルボニル基を有する化合物
である前記(1)記載の剤; (5)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が式
(I):
【化3】 (式中、Rは陰イオンを形成しうる基またはそれに変
じうる基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接
または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合している
ことを示し、nは1または2を示し、環Aはさらに置換
基を有していてもよいベンゼン環を示し、Rは陰イオ
ンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示し、R
はヘテロ原子を介して結合していてもよく、置換基を有
していてもよい炭化水素残基を示す)で表される化合物
である前記(1)記載の剤; (6)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物がロ
サルタン、エプロサルタン、カンデサルタン シレキセ
チル、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタ
ン、オルメサルタンまたはタソサルタンである前記
(1)記載の剤; (7)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が2
−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5
−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダ
ゾール−7−カルボン酸である前記(1)記載の剤; (8)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が1
−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル
2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−
5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミ
ダゾール−7−カルボキシラートである前記(1)記載
の剤; (9)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が2
−エトキシ−1−[[2’−(2,5−ジヒドロ−5−
オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビ
フェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7
−カルボン酸である前記(1)記載の剤; (10)高フィブリノーゲン血症またはそれに起因する
疾患の予防・治療剤である前記(1)記載の剤; (11)レニン−アンギオテンシン系阻害作用を有する
化合物、そのプロドラッグまたはその塩を含有してなる
高コレステロール血症を伴う高フィブリノーゲン血症ま
たは腎障害を伴う高フィブリノーゲン血症の予防・治療
剤; (12)レニン−アンギオテンシン系阻害作用を有する
化合物が(1)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
合物、(2)アンギオテンシン変換酵素阻害作用を有す
る化合物、(3)レニン阻害作用を有する化合物、
(4)キマーゼ阻害作用を有する化合物、および(5)
アルドステロン拮抗作用を有する化合物から選ばれる1
種または2種以上である前記(11)記載の剤; (13)レニン−アンギオテンシン系阻害作用を有する
化合物が、アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物
である前記(11)記載の剤; (14)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が
非ペプチド性化合物である前記(13)記載の剤; (15)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が
分子内に酸素原子を有する化合物である前記(13)記
載の剤; (16)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が
分子内にエーテル結合またはカルボニル基を有する化合
物である前記(13)記載の剤; (17)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が
式(I):
【化4】 (式中、Rは陰イオンを形成しうる基またはそれに変
じうる基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接
または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合している
ことを示し、nは1または2を示し、環Aはさらに置換
基を有していてもよいベンゼン環を示し、Rは陰イオ
ンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示し、R
はヘテロ原子を介して結合していてもよく、置換基を有
していてもよい炭化水素残基を示す)で表される化合物
である前記(13)記載の剤; (18)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が
ロサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン シレキ
セチル、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタ
ン、イルベサルタン、オルメサルタンまたはタソサルタ
ンである前記(13)記載の剤; (19)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が
2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−
5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミ
ダゾール−7−カルボン酸である前記(13)記載の
剤; (20)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が
1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル
2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール
−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイ
ミダゾール−7−カルボキシラートである前記(13)
記載の剤; (21)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物が
2−エトキシ−1−[[2’−(2,5−ジヒドロ−5
−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)
ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−
7−カルボン酸である前記(13)記載の剤; (22)レニン−アンギオテンシン系阻害作用を有する
化合物が、アンギオテンシン変換酵素阻害作用を有する
化合物である前記(11)記載の剤; (23)アンギオテンシン変換酵素阻害作用を有する化
合物がエナラプリル、リシノプリル、オマパトリラト、
サムパトリラトまたはアデカットである前記(22)記
載の剤; (24)アンギオテンシン変換酵素阻害作用を有する化
合物がアンギオテンシン変換酵素の阻害作用と中性エン
ドペプチダーゼの阻害作用とを併せ持つ化合物である前
記(22)記載の剤; (25)アンギオテンシン変換酵素の阻害作用と中性エ
ンドペプチダーゼの阻害作用とを併せ持つ化合物がオマ
パトリラトまたはサムパトリラトである前記(24)記
載の剤; (26)レニン−アンギオテンシン系阻害作用を有する
化合物がレニン阻害作用を有する化合物である前記(1
1)記載の剤; (27)レニン阻害作用を有する化合物がSPP−10
0である前記(26)記載の剤; (28)レニン−アンギオテンシン系阻害作用を有する
化合物がキマーゼ阻害作用を有する化合物である前記
(11)記載の剤; (29)キマーゼ阻害作用を有する化合物がNK320
1である前記(28)記載の剤; (30)レニン−アンギオテンシン系阻害作用を有する
化合物がアルドステロン拮抗作用を有する化合物である
前記(11)記載の剤; (31)アルドステロン拮抗作用を有する化合物がSC
−66100である前記(30)記載の剤; (32)レニン−アンギオテンシン系阻害作用を有する
化合物、そのプロドラッグまたはその塩を適用すること
を特徴とする高コレステロール血症を伴う高フィブリノ
ーゲン血症または腎障害を伴う高フィブリノーゲン血症
の予防・治療方法; (33)高コレステロール血症を伴う高フィブリノーゲ
ン血症または腎障害を伴う高フィブリノーゲン血症の予
防・治療剤を製造するためのレニン−アンギオテンシン
系阻害作用を有する化合物、そのプロドラッグまたはそ
の塩の使用; (34)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物
(但し、イルベサルタンを除く)、そのプロドラッグま
たはその塩を用いることを特徴とするフィブリノーゲン
の低下方法; (35)フィブリノーゲン低下剤を製造するためのアン
ギオテンシンII拮抗作用を有する化合物(但し、イルベ
サルタンを除く)、そのプロドラッグまたはその塩の使
用; (36)アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物
(但し、イルベサルタンを除く)、そのプロドラッグま
たはその塩の有効量を哺乳動物に投与することを特徴と
する高フィブリノーゲン血症またはそれに起因する疾患
の予防・治療方法;および (37)高フィブリノーゲン血症またはそれに起因する
疾患の予防・治療剤を製造するためのアンギオテンシン
II拮抗作用を有する化合物(但し、イルベサルタンを除
く)、そのプロドラッグまたはその塩の使用などに関す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるアンギオテンシン
II拮抗作用を有する化合物、そのプロドラッグまたはそ
れらの塩は、フィブリノーゲン低下などに有利に使用す
ることができる。本発明におけるアンギオテンシンII拮
抗作用とは、細胞膜上のアンギオテンシンII受容体への
アンギオテンシンIIの結合を競合的、または非競合的に
阻害し、アンギオテンシンIIにより誘導される強い血管
収縮作用や血管平滑筋増殖作用を減弱し、高血圧の症状
を緩和させる作用のことを言う。本発明で用いられるア
ンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物はペプチド性
でも非ペプチド性でもよいが、例えば作用時間が長い利
点がある、非ペプチド性の拮抗作用を有する化合物など
が好ましい。アンギオテンシンII拮抗作用を有する化合
物としては、分子内に酸素原子を有する化合物が好まし
く、なかでもエーテル結合またはカルボニル基(該カル
ボニル基は、共鳴して水酸基を形成していてもよい)を
有する化合物などであることが好ましく、エーテル結合
を有する化合物またはケトン誘導体などがさらに好まし
く、とりわけエーテル誘導体などが好ましい。非ペプチ
ド性のアンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物とし
ては特に限定されないが、イミダゾール誘導体が特開昭
56−71073号公報、特開昭56−71074号公
報、特開昭57−98270号公報、特開昭58−15
7768号公報、USP4,355,040およびUS
P4,340,598等に開示され、またEP−253
310、EP−291969、EP−324377、E
P−403158、WO−9100277、特開昭63
−23868号公報および特開平1−117876号公
報等には改良されたイミダゾール誘導体が開示され、ま
た、USP5,183,899、EP−323841、
EP−409332および特開平1−287071号公
報等にはピロール、ピラゾールおよびトリアゾール誘導
体が開示され、また、USP4,880,804、EP
−0392317、EP−0399732、EP−04
00835、EP−425921、EP−459136
および特開平3−63264号公報等にはベンズイミダ
ゾール誘導体が開示され、EP−399731等にはア
ザインデン誘導体が開示され、EP−407342等に
はピリミドン誘導体が開示され、EP−411766等
にはキナゾリン誘導体が開示され、EP−430300
等にはキサンチン誘導体が開示され、EP−43403
8等には縮合イミダゾール誘導体が開示され、EP−4
42473等にはピリミジンジオン誘導体が開示され、
EP−443568等にはチエノピリドン誘導体が開示
され、さらに、EP−445811、EP−48368
3、EP−518033、EP−520423、EP−
588299、EP−603712等には複素環化合物
が開示されている。また、ジャーナル オブ メディシ
ナル ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistr
y、39巻、3号、625−656頁、1996年)に
は、これらのうちの代表的な化合物が記載されている。
非ペプチド性のアンギオテンシンII拮抗作用を有する化
合物としては、前記した公知文献に記載の化合物の他、
アンギオテンシンII拮抗作用を有する非ペプチド性化合
物であれば、何れを用いてよいが、なかでも、ロサルタ
ン(Losartan (DuP753))、エプロサルタン(Eprosarta
n (SK&F108566))、カンデサルタン シレキセチル(Ca
ndesartan cilexetil (TCV−116))、バルサルタン(Va
lsartan (CGP−48933))、テルミサルタン(Telmisarta
n (BIBR277))、イルベサルタン(Irbesartan (SR4743
6))、タソサルタン(Tasosartan(ANA−756))、オルメ
サルタン(Olmesartan(CS-866))およびこれらの代謝
活性物質(カンデサルタンなど)等が好ましく用いられ
る。
【0007】また、アンギオテンシンII拮抗作用を有す
る非ペプチド性化合物としては、例えば、式(I):
【化5】 (式中、Rは陰イオンを形成しうる基またはそれに変
じうる基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接
または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合している
ことを示し、nは1または2の整数を示し、環Aはさら
に置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、R
陰イオンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示
し、Rはヘテロ原子を介して結合していてもよく、置
換基を有していてもよい炭化水素残基(好ましくは、置
換基を有していてもよく、酸素原子を介して結合する炭
化水素残基)を示す)で表されるベンズイミダゾール誘
導体またはその塩などが好ましく用いられる。前記式
(I)中、Rとしての陰イオンを形成しうる基(プロ
トンとして遊離しうる水素原子を有する基)としては、
例えば、(1)カルボキシル基、(2)テトラゾリル
基、(3)トリフルオロメタンスルホン酸アミド基(−
NHSOCF)、(4)リン酸基、(5)スルホン
酸基、(6)N,S,Oのうちの1個または2個以上を
含む5〜7員(好ましくは5〜6員)の単環状の置換さ
れていてもよい複素環残基などが挙げられる。
【0008】前記した「N,S,Oのうちの1個または
2個以上を含む5〜7員(好ましくは5〜6員)の単環
状の置換されていてもよい複素環残基」としては、例え
ば、
【化6】
【化7】 などが挙げられ、また、Rで表される複素環残基と該
複素環残基が結合するフェニル基との結合は、前記式中
gが−NH−などを示す場合、前記したような炭素−炭
素結合だけでなく、複数個存在する窒素原子の1つを介
して結合していてもよい。例えば、R
【化8】 前記式中、gは−CH−,−NH−,−O−または−
S(O)m−を示し、>=Z,>=Z’および>=
Z’’はそれぞれカルボニル基,チオカルボニル基また
は酸化されていてもよい硫黄原子(例、S,S(O),
S(O)など)(好ましくはカルボニルまたはチオカ
ルボニル基、さらに好ましくはカルボニル基)を示し、
mは0,1または2の整数を示す。
【0009】Rで表される複素環残基としては、例え
ば、オキサジアゾロン環、オキサジアゾロチオン環また
はチアジアゾロン環のようなプロトンドナーとしての−
NH−や−OH基とプロトンアクセプターとしてのカル
ボニル基、チオカルボニル基またはスルフィニル基など
を同時に有する基などが好ましい。また、Rで示され
る複素環残基は、環状の置換基が結合して縮合環を形成
していてもよいが、R で表される複素環残基として
は、5ないし6員環さらに5員環残基が好ましい。R
で表される複素環残基としては、式:
【化9】 〔式中、iは−O−または−S−を示し、jは>=O,
>=Sまたは>=S(O)mを示し、mは前記と同意義
を示す〕で表される基(なかでも、2,5−ジヒドロ−
5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イ
ル、2,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オ
キサジアゾール−3−イル、2,5−ジヒドロ−5−オ
キソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル、とりわ
け、2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキ
サジアゾール−3−イル)が好ましい。
【0010】また、前記複素環残基(R)は以下に示
すように互変異性体が存在する。例えば、
【化10】 のようなa’,b’およびc’の3つの互変異性体が存
在するが式:
【化11】 で示される複素環残基は前記のa’,b’およびc’の
すべてを含むものである。
【0011】Rとしての陰イオンを形成しうる基は、
置換可能な位置において、置換されていてもよい低級
(C1−4)アルキル基またはアシル基(例、低級(C
2−5)アルカノイル,ベンゾイルなど)などで保護さ
れていてもよい。置換されていてもよい低級
(C1−4)アルキル基としては、例えば、(1)ハロ
ゲン原子、ニトロ、低級(C1−4)アルキル、低級
(C1−4)アルコキシなどを有していてもよいフェニ
ル基1ないし3個で置換されていてもよい低級(C
1−4)アルキル基(例、メチル,トリフェニルメチ
ル,p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジルな
ど)、(2)低級(C1−4)アルコキシ―低級(C
1−4)アルキル基(例、メトキシメチル,エトキシメ
チルなど)、(3)式−CH(R)−OCOR〔式
中、Rは(a)水素、(b)炭素数1−6の直鎖もし
くは分枝状の低級アルキル基(例、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t
−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル
など)、(c)炭素数2−6の直鎖もしくは分枝状の低
級アルケニル基または(d)炭素数3−8のシクロアル
キル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチルなど)を示し、Rは(a)炭素数1−6の直
鎖もしくは分枝状の低級アルキル基(例、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチルなど)、(b)炭素数2−6の直鎖
もしくは分枝状の低級アルケニル基、(c)炭素数3−
8のシクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチルなど)もしくは置換されていて
もよいアリール基(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級
(C1−4)アルキル、低級(C1−4)アルコキシな
どを有していてもよいフェニルまたはナフチル基など)
で置換された炭素数1−3の低級アルキル基(例、ベン
ジル、p−クロロベンジル、フェネチル、シクロペンチ
ル メチル、シクロヘキシルメチルなど)、(d)炭素
数3−8のシクロアルキルもしくは置換されていてもよ
いアリール基(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級(C
1−4)アルキル、低級(C1−4)アルコキシなどを
有していてもよいフェニルまたはナフチル基など)で置
換された炭素数2−3の低級アルケニル基(例、シンナ
ミル等のビニル、プロペニル、アリル、イソプロペニル
などのアルケニル部を持つものなど)、(e)置換され
ていてもよいアリール基(例、フェニル、p−トリル、
ナフチル等のハロゲン原子、ニトロ、低級(C1−4
アルキル、低級(C1−4)アルコキシなどを有してい
てもよいフェニルまたはナフチル基など)、(f)炭素
数1−6の直鎖もしくは分枝状の低級アルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロ
ポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、
t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキ
シ、ネオペンチルオキシなど)、(g)炭素数2−8の
直鎖もしくは分枝状の低級アルケニロキシ基(例、アリ
ロキシ、イソブテニロキシなど)、(h)炭素数3−8
のシクロアルキルオキシ基(例、シクロペンチルオキ
シ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシな
ど)、(i)炭素数3−8のシクロアルキル(例、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)も
しくは置換されていてもよいアリール基(例、ハロゲン
原子、ニトロ、低級(C1−4)アルキル、低級(C
1−4)アルコキシなどを有していてもよいフェニルま
たはナフチル基など)で置換された炭素数1−3の低級
アルコキシ基(例、ベンジロキシ、フェネチロキシ、シ
クロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシなどの
メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ
などのアルコキシ部を持つものなど)、(j)炭素数3
−8のシクロアルキル(例、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチルなど)もしくは置換されていて
もよいアリール基(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級
(C1−4)アルキル、低級(C1−4)アルコキシな
どを有していてもよいフェニルまたはナフチル基など)
で置換された炭素数2−3の低級アルケニロキシ基
(例、シンナミロキシ等のビニロキシ、プロペニロキ
シ、アリロキシ、イソプロペニロキシなどのアルケニロ
キシ部を持つものなど)または(k)置換されていても
よいアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−ニトロフ
ェノキシ、ナフトキシ等のハロゲン原子、ニトロ、低級
(C1−4)アルキル、低級(C1−4)アルコキシな
どを有していてもよいフェノキシまたはナフトキシ基な
ど)を示す〕で表される基などが挙げられる。また、R
としての陰イオンを形成しうる基は、前記した置換さ
れていてもよい低級(C1−4)アルキル基またはアシ
ル基(例、低級(C2−5)アルカノイル,ベンゾイル
など)などの保護基以外に、置換可能な位置において、
置換されていてもよい低級(C1−4)アルキル基(前
記したRとしての陰イオンを形成しうる基の保護基と
して例示された「置換されていてもよい低級
(C1−4)アルキル基」と同様なものが挙げられ
る)、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、低級
(C1−4)アルコキシ、1ないし2個の低級
(C1−4)アルキルで置換されていてもよいアミノな
どの置換基を有していてもよい。
【0012】前記式中、Rとしての陰イオンを形成し
うる基(プロトンとして遊離しうる水素原子を有する
基)に変じうる基は、生物学的すなわち生理的条件下
(例えば、生体内酵素などによる酸化、還元あるいは加
水分解などの生体内反応など)で陰イオンを形成しうる
基に変じうる基(いわゆるプロドラッグ)であってもよ
く、また、シアノ、N−ヒドロキシカルバムイミドイル
基(−C(=N−OH)−NH2)、あるいは置換され
ていてもよい低級(C1−4)アルキル基またはアシル
基でそれぞれ保護された(1)カルボキシル基、(2)
テトラゾリル基、(3)トリフルオロメタンスルホン酸
アミド基(−NHSOCF)、(4)リン酸基、
(5)スルホン酸基、(6)N,S,Oのうちの1個ま
たは2個以上を含む5〜7員(好ましくは5〜6員)の
単環状の置換されていてもよい複素環残基のように、化
学的な反応により、Rで表される陰イオンを形成しう
る基に変じうる基(いわゆる合成中間体)であってもよ
い。
【0013】Rとしては、置換されていてもよい低級
(C1−4)アルキル(例、メチル,トリフェニルメチ
ル,メトキシメチル,エトキシメチル,p−メトキシベ
ンジル,p−ニトロベンジルなど)もしくはアシル基
(例、低級(C2−5)アルカノイル,ベンゾイルな
ど)で保護されていてもよいカルボキシル、テトラゾリ
ルあるいは2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4
−オキサジアゾール−3−イル(好ましくは、テトラゾ
リル)またはシアノ、N−ヒドロキシカルバムイミドイ
ル(好ましくはシアノ)が好ましく、とりわけシアノが
好ましく用いられる。
【0014】前記式中、Xは隣接するフェニレン基とフ
ェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介し
て結合していること(好ましくは直接結合)を示し、原
子鎖2以下のスペーサーとしては、直鎖部分を構成する
原子数が1または2である2価の鎖であればいずれでも
よく、側鎖を有していてもよい。具体的には直鎖部分を
構成する原子数が1または2である低級(C1−4)ア
ルキレン、−CO−,−O−,−S−,−NH−,−C
O−NH−,−O−CH−,−S−CH−,−CH
=CH−などが挙げられる。前記式中、nは1または2
(好ましくは1)の整数を示す。
【0015】前記式中、環Aは置換基R以外にさらに
置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、該置換基
としては、例えば、(1)ハロゲン(例、F,Cl,Br
など),(2)シアノ,(3)ニトロ,(4)置換され
ていてもよい低級(C1−4)アルキル,(5)低級
(C1−4)アルコキシ,(6)置換されていてもよい
アミノ基(例、アミノ,N−低級(C1−4)アルキル
アミノ(例,メチルアミノなど),N,N−ジ低級(C
1−4)アルキルアミノ(例,ジメチルアミノなど),
N−アリールアミノ(例、フェニルアミノなど)、脂環
式アミノ(例、モルホリノ、ピベリジノ、ピペラジノ、
N−フェニルピペラジノなど)など)、(7)式−CO
−D′〔式中、D′は水酸基またはアルキル部分が水酸
基,低級(C1−4)アルコキシ,低級(C2−6)ア
ルカノイルオキシ(例、アセトキシ,ピバロイルオキシ
など)、低級(C1−6)アルコキシカルボニルオキシ
(例、メトキシカルボニルオキシ,エトキシカルボニル
オキシなど)あるいは低級(C3−6)シクロアルコキ
シカルボニルオキシ(例、シクロヘキシルオキシカルボ
ニルオキシなど)で置換されていてもよい低級(C
1−4)アルコキシを示す〕で表わされる基,または
(8)置換されていてもよい低級(C1−4)アルキル
(前記したRとしての陰イオンを形成しうる基の保護
基として例示された「置換されていてもよい低級(C
1−4)アルキル基」と同様なものが挙げられる)もし
くはアシル(例、低級(C2−5)アルカノイル、ベン
ゾイルなど)で保護されていてもよいテトラゾリル、ト
リフルオロメタンスルホン酸アミド基、リン酸基あるい
はスルホン酸基などが挙げられる。これらの置換基は、
ベンゼン環上の置換可能な位置に1〜2個同時に置換さ
れていてもよいが、置換基R以外に環Aがさらに有す
る置換基としては、置換されていてもよい低級(C
1−4)アルキル(例、水酸基、カルボキシル基,ハロ
ゲンなどで置換されていてもよい低級(C1−4)アル
キルなど),ハロゲンなどが好ましく、置換基R以外
に環Aが置換基を有さないことがより好ましい。
【0016】前記式中、Rとしての陰イオンを形成し
うる基(プロトンとして遊離しうる水素原子を有する
基)としては、例えば、(1)エステル化またはアミド
化されていてもよいカルボキシル基、(2)テトラゾリ
ル基、(3)トリフルオロメタンスルホン酸アミド基
(−NHSOCF)、(4)リン酸基、(5)スル
ホン酸基などが挙げられ、これらの基は置換されていて
もよい低級アルキル基(前記したRとしての陰イオン
を形成しうる基の保護基として例示された「置換されて
いてもよい低級(C1−4)アルキル基」と同様なもの
が挙げられる)もしくはアシル基(例、低級
(C2−5)アルカノイル、ベンゾイルなど)で保護さ
れていてもよく、生物学的すなわち生理的条件下(例え
ば、生体内酵素などによる酸化、還元あるいは加水分解
などの生体内反応など)で、または化学的に陰イオンを
形成しうる基またはそれに変じうる基であればいずれで
もよい。
【0017】Rとしてのエステル化またはアミド化さ
れていてもよいカルボキシルとしては、例えば式−CO
−D〔式中、Dは(1)水酸基、(2)置換されていて
もよいアミノ(例えば、アミノ、N−低級(C1−4
アルキルアミノ、N,N−ジ低級(C1−4)アルキル
アミノなど)または(3)置換されていてもよいアルコ
キシ{例、(i)アルキル部分が水酸基,置換されてい
てもよいアミノ(例、アミノ、N−低級(C1−4)ア
ルキルアミノ、N,N−ジ低級(C1−4)アルキルア
ミノ、ピペリジノ、モルホリノなど),ハロゲン,低級
(C1−6)アルコキシ、低級(C1−6)アルキルチ
オ、低級(C3−8)シクロアルコキシあるいは置換さ
れていてもよいジオキソレニル(例、5−メチル−2−
オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルなど)で置換
されていてもよい低級(C1−6)アルコキシ基、また
は(ii)式−O−CH(R)−OCOR〔式中、
は(a)水素、(b)炭素数1−6の直鎖もしくは
分枝状の低級アルキル基(例、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブ
チル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルな
ど)、(c)炭素数2−6の直鎖もしくは分枝状の低級
アルケニル基または(d)炭素数3−8のシクロアルキ
ル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘ
プチルなど)を示し、Rは(a)炭素数1−6の直鎖
もしくは分枝状の低級アルキル基(例、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチルなど)、(b)炭素数2−6の直鎖
もしくは分枝状の低級アルケニル基、(c)炭素数3−
8のシクロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチルなど)もしくは置換されていて
もよいアリール基(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級
(C1−4)アルキル、低級(C1−4)アルコキシな
どを有していてもよいフェニルまたはナフチル基など)
で置換された炭素数1−3の低級アルキル基(例、ベン
ジル、p−クロロベンジル、フェネチル、シクロペンチ
ルメチル、シクロヘキシルメチルなど)、(d)炭素数
3−8のシクロアルキルもしくは置換されていてもよい
アリール基(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級(C
1−4)アルキル、低級(C1−4)アルコキシなどを
有していてもよいフェニルまたはナフチル基など)で置
換された炭素数2−3の低級アルケニル基(例、シンナ
ミル等のビニル、プロペニル、アリル、イソプロペニル
などのアルケニル部を持つものなど)、(e)置換され
ていてもよいアリール基(例、フェニル、p−トリル、
ナフチル等のハロゲン原子、ニトロ、低級(C1−4
アルキル、低級(C1−4)アルコキシなどを有してい
てもよいフェニルまたはナフチル基など)、(f)炭素
数1−6の直鎖もしくは分枝状の低級アルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロ
ポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、
t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキ
シ、ネオペンチルオキシなど)、(g)炭素数2−8の
直鎖もしくは分枝状の低級アルケニロキシ基(例、アリ
ロキシ、イソブテニロキシなど)、(h)炭素数3−8
のシクロアルキルオキシ基(例、シクロペンチルオキ
シ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシな
ど)、(i)炭素数3−8のシクロアルキル(例、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)も
しくは置換されていてもよいアリール基(例、ハロゲン
原子、ニトロ、低級(C1−4)アルキル、低級(C
1−4)アルコキシなどを有していてもよいフェニルま
たはナフチル基など)で置換された炭素数1−3の低級
アルコキシ基(例、ベンジロキシ、フェネチロキシ、シ
クロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシなどの
メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ
などのアルコキシ部を持つものなど)、(j)炭素数3
−8のシクロアルキル(例、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチルなど)もしくは置換されていて
もよいアリール基(例、ハロゲン原子、ニトロ、低級
(C1−4)アルキル、低級(C1−4)アルコキシな
どを有していてもよいフェニルまたはナフチル基など)
で置換された炭素数2−3の低級アルケニロキシ基
(例、シンナミロキシ等のビニロキシ、プロペニロキ
シ、アリロキシ、イソプロペニロキシなどのアルケニロ
キシ部を持つものなど)または(k)置換されていても
よいアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−ニトロフ
ェノキシ、ナフトキシ等のハロゲン原子、ニトロ、低級
(C1−4)アルキル、低級(C1−4)アルコキシな
どを有していてもよいフェノキシまたはナフトキシ基な
ど)を示す〕で表される基など}を示す〕で表される基
などが挙げられる。
【0018】Rとしては、エステル化されていてもよ
いカルボキシルが好ましく、その具体例としては、例え
ば、−COOH及びその塩、−COOMe、−COOE
t、−COOtBu、−COOPr、ピバロイルオキシメト
キシカルボニル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニ
ルオキシ)エトキシカルボニル、5−メチル−2−オキ
ソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメトキシカルボニ
ル、アセトキシメトキシカルボニル、プロピオニロキシ
メトキシカルボニル、n−ブチリロキシメトキシカルボ
ニル、イソブチリロキシメトキシカルボニル、1−(エ
トキシカルボニロキシ)エトキシカルボニル、1−(ア
セトキシ)エトキシカルボニル、1−(イソブチリロキ
シ)エトキシカルボニル、シクロヘキシルカルボニルオ
キシメトキシカルボニル、ベンゾイルオキシメトキシカ
ルボニル、シンナミロキシカルボニル、シクロペンチル
カルボニロキシメトキシカルボニルなどが挙げられ、生
物学的すなわち生理的条件下(例えば、生体内酵素によ
る酸化・還元あるいは加水分解などの生体内反応など)
で、または化学的に陰イオン(例、COO、その誘導
体など)を形成しうる基またはそれに変じうる基であれ
ばいずれであってもよく、カルボキシル基、またはその
プロドラッグ体であってもよい。
【0019】前記Rとしては、式−CO−D〔式中、
Dは(1)水酸基または(2)アルキル部分が水酸基、
アミノ、ハロゲン、低級(C2−6)アルカノイルオキ
シ(例、アセトオキシ,ピバロイルオキシなど)、低級
(C3−8)シクロアルカノイルオキシ、低級(C
1−6)アルコキシカルボニルオキシ(例、メトキシカ
ルボニルオキシ,エトキシカルボニルオキシなど)、低
級(C3−8)シクロアルコキシカルボニロキシ(例、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)、低級
(C1−4)アルコキシまたは低級(C3−8)シクロ
アルコキシで置換されていてもよい低級(C1−4)ア
ルコキシを示す〕で表わされる基が好ましく、なかでも
低級(C1−4)アルキル(好ましくは、メチルまたは
エチル)でエステル化されたカルボキシルが好ましい。
【0020】前記式中、Rで表される「ヘテロ原子を
介して結合していてもよく、置換基を有して炭化水素残
基」における「炭化水素残基」としては、例えば、
(1)アルキル基、(2)アルケニル基、(3)アルキ
ニル基、(4)シクロアルキル基、(5)アリール基、
(6)アラルキル基などが挙げられるが、なかでもアル
キル基、アルケニル基およびシクロアルキル基が好まし
い。前記(1)のアルキル基としては、炭素数1〜8程
度の低級アルキル基で直鎖状、分枝状のいずれでもよ
く、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペン
チル、i−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルな
どが挙げられる。前記(2)のアルケニル基としては、
炭素数2〜8程度の低級アルケニル基で直鎖状、分枝状
のいずれでもよく、例えばビニル、プロペニル、2−ブ
テニル、3−ブテニル、イソブテニル、2−オクテニル
などが挙げられる。前記(3)のアルキニル基として
は、炭素数2〜8程度の低級アルキニル基で直鎖状、分
枝状のいずれでもよく、例えばエチニル、2−プロピニ
ル、2−ブチニル、2−ペンチニル、2−オクチニルな
どが挙げられる。前記(4)のシクロアルキル基として
は、炭素数3〜6程度の低級シクロアルキルが挙げら
れ、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシルなどが挙げられる。前記したアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアル
キル基は水酸基、置換されていてもよいアミノ基(例、
アミノ、N−低級(C1−4)アルキルアミノ,N,N
−ジ低級(C1−4)アルキルアミノなど)、ハロゲ
ン、低級(C1−4)アルコキシ基,低級(C1−4)
アルキルチオ基などで置換されていてもよい。前記
(5)のアラルキル基としては、例えばベンジル、フェ
ネチルなどのフェニル−低級(C1−4)アルキルなど
が挙げられ、前記(6)のアリール基としては、例えば
フェニルなどが挙げられる。
【0021】前記したアラルキル基またはアリール基
は、そのベンゼン環上の任意の位置に、例えばハロゲン
(例、F,Cl,Brなど)、ニトロ、置換されていて
もよいアミノ基(例、アミノ,N−低級(C1−4)ア
ルキルアミノ,N,N−ジ低級(C1−4)アルキルア
ミノなど)、低級(C1−4)アルコキシ(例、メトキ
シ、エトキシなど)、低級(C1−4)アルキルチオ
(例、メチルチオ,エチルチオなど)、低級
(C1−4)アルキル(例、メチル、エチルなど)など
を有していてもよい。前記したなかでも、Rで表され
る「ヘテロ原子を介して結合していてもよく、置換基を
有して炭化水素残基」における「炭化水素残基」として
は、置換されていてもよいアルキルまたはアルケニル基
(例、水酸基、アミノ基、ハロゲンまたは低級(C
1−4)アルコキシ基で置換されていてもよい低級(C
1−5)アルキルまたは低級(C2−5)アルケニル基
など)が好ましく、とりわけ、低級(C1−5)アルキ
ル(より好ましくは、エチル)が好ましい。Rで表さ
れる「ヘテロ原子を介して結合していてもよく、置換基
を有して炭化水素残基」における「ヘテロ原子」として
は、−O−、−S(O)m−[mは0ないし2の整数を
示す]、−NR’−[R’は水素原子または低級(C
1−4)アルキルを示す]などが挙げられ、なかでも−
O−が好ましく用いられる。前記したなかでも、R
しては、−O−、−S(O)m−[mは0ないし2の整
数を示す]または−NR’−[R’は水素原子または低
級(C1−4)アルキルを示す]を介して結合していて
もよく、水酸基、アミノ基、ハロゲンおよび低級(C
1−4)アルコキシ基から選ばれる置換基で置換されて
いてもよい低級(C1−5)アルキルまたは低級(C
2−5)アルケニル基などが好ましく、とりわけ、低級
(C1−5)アルキルまたは低級(C1−5)アルコキ
シ(より好ましくは、エトキシ)が好ましい。
【0022】式(I)で表されるアンギオテンシンII拮
抗作用を有する化合物のなかでも、式(I'):
【化12】 (式中、Rは(1)カルボキシル基、(2)テトラゾ
リル基または(3)式:
【化13】 〔式中、iは−O−または−S−を示し、jは>=O,
>=Sまたは>=S(O)mを示し、mは前記と同意義
を示す〕で表される基を示し、環Aは置換基R以外に
置換されていてもよい低級(C1−4)アルキル(例、
水酸基、カルボキシル基,ハロゲンなどで置換されてい
てもよい低級(C1−4)アルキルなど)またはハロゲ
ンで置換されていてもよいベンゼン環(好ましくは、置
換基R以外に置換基を有さないベンゼン環)を示し、
は式−CO−D〔式中、Dは(1)水酸基または
(2)アルキル部分が水酸基、アミノ、ハロゲン、低級
(C −6)アルカノイルオキシ(例、アセトオキシ,
ピバロイルオキシなど)、低級(C3−8)シクロアル
カノイルオキシ、低級(C1−6)アルコキシカルボニ
ルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ,エトキシカ
ルボニルオキシなど)、低級(C3−8)シクロアルコ
キシカルボニロキシ(例、シクロヘキシルオキシカルボ
ニルオキシなど)、低級(C1−4)アルコキシまたは
低級(C3−8)シクロアルコキシで置換されていても
よい低級(C1−4)アルコキシを示す〕で表わされる
基を示し、Rは−O−、−S(O)−[mは0ない
し2の整数を示す]または−NR’−[R’は水素原子
または低級(C1−4)アルキルを示す]を介して結合
していてもよく、水酸基、アミノ基、ハロゲンおよび低
級(C1−4)アルコキシ基から選ばれる置換基で置換
されていてもよい低級(C1−5)アルキルまたは低級
(C2−5)アルケニル基(好ましくは、低級(C
1−5)アルキルまたは低級(C1−5)アルコキシ;
より好ましくは、エトキシ)を示す。〕で表されるベン
ズイミダゾール−7−カルボン酸誘導体またはその薬理
学的に許容されうる塩などが好ましく、とりわけ、2−
エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−
イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾ
ール−7−カルボン酸〔Candesartan〕、1−(シクロ
ヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキ
シ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)
ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−
7−カルボキシラート〔Candesartan cilexetil〕、ピ
バロイルオキシメチル 2−エトキシ−1−[[2’−
(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イ
ル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラー
ト、2−エトキシ−1−[[2’−(2,5−ジヒドロ
−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イ
ル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾー
ル−7−カルボン酸またはその塩などが好ましい。前記
したベンズイミダゾール誘導体は、例えば、EP−42
5921、EP−459136、EP−553879、
EP−578125、EP−520423、EP−66
8272などに記載の公知の方法又はそれに準じた方法
などにより合成することが可能である。また、Candesar
tan cilexetil を用いる場合には、EP−459136
に記載された安定なC型結晶を用いるのがよい。
【0023】本発明で用いられるアンギオテンシンII拮
抗作用を有する化合物またはそのプロドラッグはそれ自
身であっても、薬理学的に許容される塩であってもよ
い。このような塩としては、該アンギオテンシンII拮抗
作用を有する化合物がカルボキシル基等の酸性基を有す
る場合、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類
金属、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属等)や有機塩基(例、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−
ジベンジルエチレンジアミンなどの有機アミン類、アル
ギニン、リジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸類
等)などとの塩が挙げられる。アンギオテンシンII拮抗
作用を有する化合物がアミノ基等の塩基性基を有する場
合、無機酸や有機酸(例、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、炭
酸、重炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ
酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、ク
エン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸等との塩が
挙げられる。本発明で用いられるアンギオテンシンII拮
抗作用を有する化合物[以下、AII拮抗化合物と称す
ることがある。]のプロドラッグは、生体内における生
理条件下で酵素や胃酸等による反応によりAII拮抗化
合物に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、
加水分解等を起こしてAII拮抗化合物に変化する化合
物、胃酸等により加水分解などを起こしてAII拮抗化
合物に変化する化合物をいう。AII拮抗化合物のプロ
ドラッグとしては、AII拮抗化合物のアミノ基がアシ
ル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例、AII
拮抗化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル
化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−
オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカ
ルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチ
ル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化
された化合物など);AII拮抗化合物の水酸基がアシ
ル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物
(例、AII拮抗化合物の水酸基がアセチル化、パルミ
トイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル
化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカ
ルボニル化された化合物など);AII拮抗化合物のカ
ルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物
(例、AII拮抗化合物)のカルボキシル基がエチルエ
ステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエス
テル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイル
オキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエ
チルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ
エチルエステル化、メチルアミド化された化合物な
ど);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方
法によってAII拮抗化合物から製造することができ
る。また、AII拮抗化合物のプロドラッグは、広川書
店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163
頁から198頁に記載されているような、生理的条件で
AII拮抗化合物に変化するものであってもよい。ま
た、AII拮抗化合物は水和物および非水和物のいずれ
であってもよい。
【0024】式(I)で表される化合物およびそれらの
薬理学的に許容される塩は、毒性も低く、そのまま、あ
るいは薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物
とすることにより、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラッ
ト、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対
して、フィブリノーゲン低下剤として用いることができ
る。ここにおいて、薬理学的に許容される担体として
は、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物
質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合
剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁
化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合され
る。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘
味剤などの製剤添加物を用いることもできる。賦形剤の
好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトー
ル、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキ
ストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽質無水
ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン
酸マグネシウムなどが挙げられる。滑沢剤の好適な例と
しては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられ
る。結合剤の好適な例としては、例えばα化デンプン、
ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニト
ール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩
壊剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、デンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、
カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ
酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げ
られる。溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、生
理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコ
シ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。溶解補助
剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハ
ロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノ
メタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸
ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適
な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミ
ン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオ
ン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼト
ニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性
剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの
親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油などが挙げられる。等張化剤の好適な例と
しては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マン
ニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられ
る。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸
塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられ
る。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアル
コールなどが挙げられる。
【0025】防腐剤の好適な例としては、例えばパラオ
キシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジル
アルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソ
ルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例として
は、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられ
る。着色剤の好適な例としては、例えば水溶性食用ター
ル色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号お
よび5号、食用青色1号および2号などの食用色素、水
不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のア
ルミニウム塩など)、天然色素(例、β−カロチン、ク
ロロフィル、ベンガラなど)などが挙げられる。甘味剤
の好適な例としては、例えばサッカリンナトリウム、グ
リチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビアな
どが挙げられる。
【0026】医薬組成物の剤形としては、例えば錠剤、
カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含
む)、顆粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの
経口剤;および注射剤(例、徐放性注射剤、皮下注射
剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、硝子
体内注射剤など)、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製
剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣
坐剤など)、ペレット、点滴剤等の非経口剤が挙げら
れ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的に安全に
投与できる。医薬組成物は、製剤技術分野において慣用
の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造す
ることができる。以下に、製剤の具体的な製造法につい
て詳述する。医薬組成物中における式(I)で表される
化合物およびそれらの薬理学的に許容される塩の含有量
は、組成物全量に対して約0.001重量%〜約95重
量%、好ましくは約0.1重量%〜約70重量%であ
る。
【0027】例えば、経口剤は、有効成分に、例えば賦
形剤(例、乳糖,白糖,デンプン,D−マンニトールな
ど)、崩壊剤(例、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウムなど)、結合剤(例、α化デンプン,アラビアゴ
ム,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピル
セルロース,ポリビニルピロリドンなど)または滑沢剤
(例、タルク,ステアリン酸マグネシウム,ポリエチレ
ングリコール6000など)などを添加して圧縮成形
し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるい
は持続性を目的として、コーティング基剤を用いて自体
公知の方法でコーティングすることにより製造される。
該コーティング基剤としては、例えば糖衣基剤、水溶性
フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティン
グ基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げら
れる。糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タ
ルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、
プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2
種以上を併用してもよい。水溶性フィルムコーティング
基剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなど
のセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチル
アミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコ
ポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファ
ルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プ
ルランなどの多糖類などが挙げられる。
【0028】腸溶性フィルムコーティング基剤として
は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース フタ
レート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテ
ートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロー
ス、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分
子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL
(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポ
リマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品
名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマー
S〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕
などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物など
が挙げられる。徐放性フィルムコーティング基剤として
は、例えばエチルセルロースなどのセルロース系高分
子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS
〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ
社〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合
体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファ
ルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
前記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割
合で混合して用いてもよい。また、コーティングの際
に、例えば酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を
用いてもよい。
【0029】注射剤は、有効成分を分散剤(例、ポリソ
ルベート80,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60な
ど),ポリエチレングリコール,カルボキシメチルセル
ロース,アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メ
チルパラベン,プロピルパラベン,ベンジルアルコー
ル,クロロブタノール,フェノールなど)、等張化剤
(例、塩化ナトリウム,グリセリン,D−マンニトー
ル,D−ソルビトール,ブドウ糖など)などと共に水性
溶剤(例、蒸留水,生理的食塩水,リンゲル液等)ある
いは油性溶剤(例、オリーブ油,ゴマ油,綿実油,トウ
モロコシ油などの植物油、プロピレングリコール等)な
どに溶解、懸濁あるいは乳化することにより製造され
る。この際、所望により溶解補助剤(例、サリチル酸ナ
トリウム,酢酸ナトリウム等)、安定剤(例、ヒト血清
アルブミン等)、無痛化剤(例、ベンジルアルコール
等)等の添加物を用いてもよい。
【0030】本発明の医薬組成物は、好ましくは徐放性
製剤に製剤化される。かかる徐放性製剤としては例え
ば、〔1〕式(I)で表される化合物またはその塩、お
よび生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製剤、
〔2〕生体内分解性ポリマーがα−ヒドロキシカルボン
酸重合体である〔1〕記載の徐放性製剤、〔3〕α−ヒ
ドロキシカルボン酸重合体が乳酸−グリコール酸重合体
である〔1〕記載の徐放性製剤、〔4〕乳酸とグリコー
ル酸の組成モル比が100/0〜40/60である
〔3〕記載の徐放性製剤、〔5〕重合体の重量平均分子
量が3,000〜50,000である〔2〕記載の徐放
性製剤、〔6〕注射用である〔1〕記載の徐放性製剤、
〔7〕多価金属を含有してなる〔1〕記載の徐放性製
剤、〔8〕多価金属が亜鉛である〔7〕記載の徐放性製
剤、または
〔9〕式(I)で表される化合物またはその
塩、生体内分解性ポリマーおよび多価金属を含有してな
る徐放性製剤が挙げられる。かかる徐放性製剤はEP−
A−1058541に記載の方法に準じて製造、使用さ
れる。
【0031】さらに別の態様の徐放性製剤としては
〔1〕式(I)で表される化合物またはその塩、水に難
溶性の多価金属化合物を水処理して得られる成分および
生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製剤、
〔2〕生体内分解性ポリマーがα−ヒドロキシカルボン
酸重合体である〔1〕記載の徐放性製剤、〔3〕α−ヒ
ドロキシカルボン酸重合体が乳酸−グリコール酸重合体
である〔2〕記載の徐放性製剤、〔4〕乳酸とグリコー
ル酸の組成モル比が100/0〜40/60である
〔3〕記載の徐放性製剤、〔5〕重合体の重量平均分子
量が3,000〜50,000である〔2〕記載の徐放
性製剤、〔6〕注射用である〔1〕記載の徐放性製剤、
〔7〕多価金属が亜鉛である〔1〕記載の徐放性製剤、
〔8〕多価金属化合物が酸化亜鉛である〔1〕記載の徐
放性製剤、
〔9〕さらに多価金属を含有してなる〔1〕
記載の徐放性製剤、または〔10〕多価金属が亜鉛であ
〔9〕記載の徐放性製剤が挙げられる。かかる徐放性
製剤はPCT/JP01/01191に記載の方法に準じて製造、使用
される。
【0032】式(I)で表される化合物およびそれらの
薬理学的に許容される塩の投与量は、投与対象、投与ル
ート、対象疾患、症状などによっても異なるが、例えば
哺乳動物、特に高フィブリノーゲン血症の成人(体重5
0kg)に経口投与する場合、有効成分である式(I)
で表される化合物およびそれらの薬理学的に許容される
塩を通常1回量として約0.001〜500mg、好ま
しくは0.1〜50mgであり、この量を1日1回〜3
回投与するのが望ましい。
【0033】本発明のフィブリノーゲン低下剤は、哺乳
動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネ
コ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対し、フィブリノー
ゲンが関与する疾患の予防および治療剤として用いられ
る。ここで、フィブリノーゲンが関与する疾患として、
フィブリノーゲンの存在により発症し、フィブリノーゲ
ン低下作用を介して治療される疾患である。このような
疾患としては、例えば、心肥大、鬱血性を含む慢性心不
全、狭心症、不整脈、心筋梗塞、ネフローゼ患者の高フ
ィブリノーゲン血症に起因する虚血性心疾患、無症候性
脳血管障害、一過性脳虚血発作、RIND、脳卒中、脳血管
性痴呆、脳血栓症急性期の神経症候、ラクナ梗塞、緩徐
に進行する脳血栓症、高フィブリノーゲン血症に起因す
る虚血性脳および心疾患、脳浮腫、脳循環障害、脳血管
障害の再発および後遺症(神経症候、精神症候、自覚症
状、日常生活動作障害など)、虚血性末梢循環障害、心
筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心不全進行、糖尿
病、糖尿病性合併症(糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、
糖尿病性神経障害など)、腎炎、糸球体腎炎、糸球体硬
化症、腎不全、血栓性微小血管症、透析の合併症、透析
患者の高フィブリノーゲン血症による虚血性脳および心
疾患、ネフローゼ患者の高フィブリノーゲン血症による
腎機能の悪化、放射線照射により腎症を含む臓器障害、
エンドトキシンショックによる急性腎不全、虚血による
急性腎不全、腎糸球体へのフィブリン沈着による腎疾患
の悪化、血液透析、その他体外循環装置使用時の血液凝
固予防、輸血および血液検査の際の血液凝固予防、四肢
動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症、血管カテ
ーテル挿入時の血液凝固の防止、アテローム性を含む動
脈硬化症、動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、突発
性難聴、心原性ショックあるいは心房細動による肺塞栓
症および脳塞栓症、深部静脈血栓症、深部静脈血栓症に
よる脳塞栓症および肺塞栓症、肺塞栓症、間欠性跛行、
振動病、褥瘡、静脈血栓症、動脈血栓症、汎発性血管内
凝固症候群、関節置換術時の静脈血栓症、各種癌の血栓
およびフィブリン依存性転移に対する予防、血管肥厚、
インターベンション(経皮的冠動脈形成術、経皮的冠動
脈血行再開術、ステント留置、冠動脈内視鏡、血管内超音
波、冠注血栓溶解療法など)後の血管肥厚および血栓に
よる血管閉塞および臓器障害、バイパス手術後の血管再
閉塞・再狭窄、移植後の臓器障害・血管肥厚、血栓症、
多臓器不全、内皮機能障害、閉塞性末梢循環障害、虚血
性脳循環障害、慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性
動脈硬化症など)における四肢潰瘍、安静時疼痛並びに
冷感、下肢壊疽、クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う
血流障害、代謝障害(肥満症、シンドロームX、高脂血
症、高コレステロール血症、糖尿病、耐糖能異常な
ど)、中枢神経障害(脳梗塞などの障害およびその後遺
症・合併症、頭部外傷、脊椎損傷、脳浮腫、知覚機能障
害、自律神経機能障害、多発性硬化症など)、痴呆症、
記憶障害、意識障害、健忘症、不安症状、緊張症状、不
快精神症状、急性炎症反応、網膜症、腎症、神経障害、
大血管障害などの糖尿病合併症、慢性関節リュウマチ、
アレルギー性鼻炎、アナフィラキシー、膠原病、全身性
エリテマトーデスによる腎不全、慢性を含む肝炎、肝硬
変、川崎病、妊娠時の血栓症、経口避妊薬服用時の血栓
症、敗血症、敗血症による急性腎不全、内毒素性ショッ
ク、ク゛ラム陰性敗血症、トキシンショック症候群、メニエ
ール症候群、めまい、平衡障害、嚥下障害、難聴、ケロ
イド、血管腫など;あるいは、高フィブリノーゲン血症
に起因すると考えられる循環器疾患、脳血管障害、腎・
泌尿器疾患、動脈硬化性疾患、眼疾患、代謝・栄養障
害、神経変性疾患、中枢神経障害、内分泌障害、炎症性
疾患、アレルギー疾患、肝臓疾患、消化器疾患、血液・
造血器疾患、骨疾患、腫瘍、婦人科疾患、男性性器疾
患、呼吸器疾患、環境・職業性因子による疾患、感染
症、毒血症、耳鼻咽喉疾患、皮膚疾患などが挙げられ
る。
【0034】また、本発明には、レニン−アンギオテン
シン阻害作用を有する化合物、そのプロドラッグまたは
その塩を含有してなる高コレステロール血症を伴う高フ
ィブリノーゲン血症または腎障害(例、糸球体腎炎、糸
球体硬化症、間質性腎炎、腎硬化症、多嚢胞性腎症など
に伴う腎機能障害)を伴う高フィブリノーゲン血症の予
防・治療剤も包含される。用いるレニン−アンギオテン
シン阻害作用を有する化合物としては、例えば、前記
したAII拮抗化合物、アンジオテンシン変換酵素
(ACE)阻害作用を有する化合物、レニン阻害作用
を有する化合物、キマーゼ阻害作用を有する化合物、
およびアルドステロン拮抗作用を有する化合物からな
る群から選ばれる1種または2種以上(好ましくは2〜
3種)が挙げられる。ACE阻害活性を有する化合物と
しては、蛋白尿抑制作用について多数の報告があるエナ
ラプリル(enarapril)、リシノプリル(lisinopri
l)、オマパトリラト〔omapatrilat (BMS-186716)〕
や、ACEの阻害作用とNEP(中性エンドペプチダー
ゼ)の阻害作用とを併せ持つ化合物(プロテアーゼ阻害
薬)が挙げられる。ACEの阻害作用とNEPの阻害作
用とを併せ持つ化合物は、アンジオテンシンIIの生成を
阻害すると同時に、心房性Na利尿ペプチド(ANP;体
液量減少および血管拡張作用を有する)の分解を阻害し
て高血圧症を治療する薬剤として知られ、また、不全治
療薬としての有用性も期待される化合物で、例えば、前
記したオマパトリラト(omapatrilat)、サムパトリラ
ト〔sampatrilat (UK-81252;Pfiser)〕等が挙げられ
る。レニン阻害作用を有する化合物としては、例えば、
SPP-100(Novartis)等が挙げられる。キマーゼ阻害作
用を有する化合物としては、例えば、NK3201(日本化薬)
等が挙げられる。アルドステロン拮抗作用を有する化合
物としては、例えば、SC-66100(Pharmacia)等が挙げ
られる。これらの化合物のプロドラッグ、塩も同様に使
用できる。かかるプロドラッグあるいは塩としては前記
AII拮抗作用を有する化合物で例示したものと同様の
ものが挙げられる。
【0035】レニン−アンギオテンシン阻害作用を有す
る化合物、そのプロドラッグまたはその塩は、毒性も低
く、そのまま、あるいは薬理学的に許容される担体と混
合して医薬組成物とすることにより、哺乳動物(例、ヒ
ト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブ
タ、サルなど)に対して、高コレステロール血症を伴う
高フィブリノーゲン血症または腎障害を伴う高フィブリ
ノーゲン血症の予防・治療剤として用いることができ
る。「高コレステロール血症を伴う高フィブリノーゲン
血症または腎障害を伴う高フィブリノーゲン血症の予防
・治療剤」は、「高コレステロール血症を伴う高フィブ
リノーゲン血症の予防・治療剤」、「腎障害を伴う高フ
ィブリノーゲン血症の予防・治療剤」および「高コレス
テロール血症および腎障害」の両疾患を伴う高フィブリ
ノーゲン血症の予防・治療剤を包含する。ここにおい
て、薬理学的に許容される担体としては、前記「AII
拮抗作用を有する化合物、そのプロドラッグまたはそれ
らの塩を含有してなるフィブリノーゲン低下剤」で例示
したものと同様のものが挙げられる。
【0036】医薬組成物の剤形としては、例えば錠剤、
カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含
む)、顆粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの
経口剤;および注射剤(例、徐放性注射剤、皮下注射
剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、硝子
体内注射剤など)、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製
剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣
坐剤など)、ペレット、点滴剤等の非経口剤が挙げら
れ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的に安全に
投与できる。医薬組成物中におけるレニン−アンギオテ
ンシン阻害作用を有する化合物、そのプロドラッグまた
はその塩の含有量は、組成物全量に対して約0.001
重量%〜約95重量%、好ましくは約0.1重量%〜約
70重量%である。医薬組成物は、製剤技術分野におい
て慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により
製造することができる。上記各種製剤は前記「AII拮
抗作用を有する化合物、そのプロドラッグまたはその塩
を含有してなるフィブリノーゲン低下剤」に例示した方
法に準じて製造できる。
【0037】レニン−アンギオテンシン阻害作用を有す
る化合物の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾
患、症状などによっても異なるが、例えば哺乳動物、特
に高コレステロール血症を伴う高フィブリノーゲン血症
または腎障害を伴う高フィブリノーゲン血症の成人(体
重50kg)に経口投与する場合、有効成分であるレニ
ン−アンギオテンシン阻害作用を有する化合物、そのプ
ロドラッグまたはその塩を通常1回量として約0.00
1〜500mg、好ましくは0.1〜50mgであり、
この量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。
【0038】レニン−アンギオテンシン阻害作用を有す
る化合物は、例えばアンギオテンシンIIの腎血行力学
的作用によって引き起こされる腎障害、例えば糸球体基
底膜のサイズ選択機能(高分子物質すなわち蛋白質に対
する透過性)障害に基づく透過性亢進をレニン−アンギ
オテンシン阻害作用を有する化合物が抑制し、蛋白尿減
少作用を誘引することによって腎障害を伴う高フィブリ
ノーゲン血症の優れた予防・治療剤として用いることが
できる。さらに、レニン−アンギオテンシン阻害作用を
有する化合物は、蛋白尿減少作用により、蛋白尿により
血漿蛋白質が減少し、肝臓でのコレステロール合成およ
び血漿蛋白の合成が亢進することにより生じる高コレス
テロール血症を伴う高フィブリノーゲン血症の優れた予
防・治療薬として用いることができる。
【0039】本発明のフィブリノーゲン低下剤、および
高コレステロール血症を伴う高フィブリノーゲン血症ま
たは腎障害を伴う高フィブリノーゲン血症の予防・治療
剤は、抗血栓薬または血栓溶解剤と併用してもよい。ま
た、その他の脂質低下薬またはコレステロール低下薬、
HMG−Co A還元酵素(3-hydroxy-3-methylglutar
yl coenzyme A reductase)阻害薬、インシュリン感受
性改善薬、骨疾患治療薬、心筋保護薬、冠動脈疾患治療
薬、高血圧治療薬、慢性心不全治療薬、糖尿病治療薬、
甲状腺機能低下治療薬、ネフローゼ症候群治療薬、慢性
腎不全治療薬、婦人科疾患治療薬または感染症治療薬を
含む他の医薬成分と共に使用されてもよく、この場合、
これらの化合物は経口製剤として投与されてもよく、ま
た必要により直腸製剤として坐薬の形態で投与されても
よい。この場合の可能な組み合わせ成分は、例えばフィ
ブレート類〔例、クロフィブレート、ベンザフィブレー
ト、ジェムフィプロジル等〕,ニコチン酸、その誘導体
および類縁体〔例、アシピモックスおよびプロブコー
ル〕,胆汁酸結合樹脂〔例、コレスチラミン、コレスチ
ポール等〕,コレステロール吸収を抑制する化合物
〔例、シトステロールやネオマイシン等〕,スクアレン
エポキシダーゼ阻害薬〔例、NB−598および類縁化
合物等〕が挙げられる。更に別の可能な組み合わせ成分
は、オキシドスクアレン−ラノステロールサイクラー
ゼ、例えばデカリン誘導体、アザデカリン誘導体および
インダン誘導体などである。また、以下の各種治療薬と
の組み合わせも可能である。 血栓形成予防治療薬:血液凝固阻止薬〔例、ヘパリンナ
トリウム,ヘパリンカルシウム,ワルファリンカルシウ
ム(ワーファリン),血液凝固因子Xa阻害薬ならびに
凝固線溶系のバランス是正機能を有する薬剤〕,血栓溶
解薬〔例、tPA,ウロキナーゼ〕,抗血小板薬〔例、
アスピリン,スルフィンピラゾロ(アンツーラン),ジ
ピリダモール(ペルサンチン),チクロピジン(パナル
ジン),シロスタゾール(プレタール),GPIIb/IIIa
拮抗薬(レオプロ)〕など; 脳循環・代謝改善薬:メクロフェノキサート、トラピジ
ル、ペントキシフィリンなど; 頭蓋内浮腫治療剤:グリセリン (グリポーゼ)など; 末梢動脈閉塞症治療剤:アルガトロバン(スロンノン)、
シロスタゾール(プレタール)、プロスタグランジン製剤
(プロスタンデインなど)、5-HT2拮抗薬(サルポグレル)
など; 高血圧治療薬:利尿薬〔例、フロセミド(ラシック
ス),ブメタニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイア
ート)〕,降圧薬〔例、ACE阻害薬、(マレイン酸エ
ナラプリル(レニベース)など)及びCa 拮抗薬(マニ
ジピン、アムロジピンなど)、αまたはβ受容体遮断薬
など〕など;
【0040】慢性心不全治療薬:強心薬〔例、強心配糖
体(ジゴキシンなど)、β受容体刺激薬(デノパミンお
よびドブタミンなどのカテコラミン製剤)およびPDE
阻害薬など〕,利尿薬〔例、フロセミド(ラシック
ス)、スピロノラクトン(アルダクトン)など〕,AC
E阻害薬、〔例、マレイン酸エナラプリル(レニベー
ス)など〕、Ca 拮抗薬〔例、アムロジピンなど〕およ
びβ受容体遮断薬など; 抗不整脈薬:ジソピラミド、リドカイン、硫酸キニジ
ン、酢酸フレカイニド、塩酸メキシレチン、塩酸アミオ
ダロン、およびβ遮断薬、Ca拮抗薬など; 骨疾患治療薬:カルシウム製剤(例、炭酸カルシウム
等)、カルシトニン製剤、活性型ビタミンD製剤
(例、アルファカルシドール(アルファロールなど)、
カルシトリオール(ロカルトロール)等)、性ホルモン
類(例、エストロゲン,エストランジオール等)、ホル
モン製剤〔例、結合型エストロゲン(プレマリン)な
ど〕、イブリフラボン製剤(オステンなど)、ビタミン
、ビタミンK 製剤〔例、メナテトレノン(グラケ
ー)など〕、ビスホスホン酸系製剤(エチドロネートな
ど)、プロスタグランジンA1、フッ素化合物(例、フ
ッ化ナトリウム等)、骨形成タンパク(BMP)、線維
芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PD
GF)、トランスフォーミング成長因子(TGF−
β)、インスリン様成長因子−1及び2(IGF−1,
−2)、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヨーロッパ出願
公開EP−A1−376197号公報,EP−A1−4
60488号公報およびEP−A1−719782号公
報記載の化合物(例、(2R.4S)-(-)-N-[4-(diethoxyphos
phorylmethyl)phenyl]-1,2,4,5-tetrahydro-4-methyl-
7,8-methylenedioxy-5-oxo-3-benzothiepin-2-carboxam
ide等)など; 糖尿病治療薬:アクトス、ロジグリダソン、キネダッ
ク,ベンフィル,ヒューマリン,オイグルコン,グリミ
クロン,ダオニール,ノボリン,モノタード,インシュ
リン類,グルコバイ,ジメリン,ラスチノン,バシルコ
ン,デアメリンS,イスジリン類など; 甲状腺機能低下症治療薬:乾燥甲状腺(チレオイド),
レボチロキシンナトリウム(チラージンS),リオチロ
ニジンナトリウム(サイロニン、チロミン)など;
【0041】ネフローゼ症候群治療薬:通常、第一選択
として採用されるステロイド療法には、プレドニゾロン
(プレドニン),コハク酸プレドニゾロンナトリウム
(プレドニン),コハク酸メチルプレドニゾロンナトリ
ウム(ソル・メドロール),ベタメタゾン(リンデロ
ン)等が用いられる。又抗凝固療法にはジピリダモール
(ベルサンチン),塩酸ジラゼプ(コメリアン)、チロ
ピジン、クロビドグレル、FXa阻害剤等の抗血小板薬
ならびに抗凝固薬が用いられる; HMG−Co A還元酵素阻害薬:セリバスタチン、ア
トロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、イ
タバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、(+)
−3R,5S−7−[4−(4−フルオロフェニル)−
6−イソプロピル−2−(N−メチル−N−メタンスル
ホニルアミノ)ピリミジン−5−イル]−3,5−ジヒ
ドロキシ−6(E)−ヘプテン酸など; 慢性腎不全治療薬:利尿薬〔例、フロセミド(ラシック
ス),ブメタニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイア
ート)〕,降圧薬(例、ACE阻害薬、(マレイン酸エ
ナラプリル(レニベース))及びCa 拮抗薬(マニジピ
ン)、α受容体遮断薬など;これらの薬物は、組み合わ
せて投与する際、好ましくは経口投与で使用し得る; 冠血管拡張薬:ニフェジピン,ジルチアゼム,ニコラジ
ル,唖硝酸剤など; 心筋保護薬:心臓ATP−K用 開口薬、Na-H交換阻
害薬、エンドセリン拮抗薬、ウロテンシン拮抗薬など; 抗炎症薬:アスピリン、アセトアミノフェン、非ステロ
イド抗炎症剤〔例、インドメタシンなど〕、ステロイド
剤〔例、デキサメタゾンなど〕など; 抗アレルギー薬:抗ヒスタミン薬〔例、マレイン酸クロ
ルフェニラミンなど〕、刺激療法剤〔例、ブシラミンな
ど〕、その他塩酸アゼラスチン、セラトロダスト、トラ
ニラスト、オキサトミド、強力ネオミノフ挙げンシー、
トラネキサム酸、フマル酸ケトチフェンなど; 抗腫瘍薬:アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物
質製剤、抗腫瘍性植物成分製剤およびその他の抗腫瘍薬
など; 中枢神経系作用薬:抗不安薬、催眠鎮静薬、麻酔薬、鎮
けい薬、自律神経薬、抗パーキンソン薬およびその他の
精神神経用薬など; 婦人科疾患治療薬:[例、更年期障害治療薬(結合型エス
トロゲン、エストラジオール、エナント酸テストステロ
ン・吉草酸エストラジオールなど)、乳癌治療薬(クエ
ン酸タモキシフェンなど)、子宮内膜症・子宮筋腫治療
薬(酢酸リュープロリン、ダナゾールなど)]など; 感染症治療薬:[例、抗生物質製剤(塩酸セファチア
ム、塩酸セフォゾプラン、アンピシリンなど)、化学療
法剤(サルファ剤、合成抗菌剤、抗ウイルス剤など)、
生物学的製剤(ワクチン類、免疫グロブリンなどの血液
製剤類)など]など; その他に抗肥満薬(マジンドールなど)、抗リューマチ
薬など;
【0042】これらの各種薬剤とは、同時にまたは時間
をおいて併用することができる。これらの薬剤を組み合
わせて用いる場合、各薬物を別々にあるいは同時に、薬
理学的に許容されうる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤な
どと混合して製剤化し、医薬組成物として経口的にまた
は非経口的に投与することができる。薬物を別々に製剤
化した場合、別々に製剤化したものを使用時に希釈剤な
どを用いて混合して投与することができるが、別々に製
剤化した個々の製剤を、同時に、あるいは時間差をおい
て別々に、同一対象に投与してもよい。別々に製剤化し
たものを使用時に希釈剤などを用いて混合して投与する
ためのキット製品(例えば、粉末状の個々の薬物を含有
するアンプルと2種以上の薬物を用時に混合して溶解す
るための希釈剤などを含有する注射用キットなど)、別
々に製剤化した個々の製剤を、同時に、あるいは時間差
をおいて別々に、同一対象に投与するためのキット製品
(例えば、個々の薬物を含有する錠剤を同一または別々
の袋に入れ、必要に応じ、薬物を投与する時間の記載欄
を設けた、2種以上の錠剤を同時にあるいは時間差をお
いて別々に投与するための錠剤用キットなど)なども本
発明の医薬に含まれる。
【0043】
【実施例】以下に実施例および実験例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定する
ものではない。本発明におけるレニン−アンギオテンシ
ン系阻害作用を有する化合物(例、AII拮抗作用を有す
る化合物またはその塩)を有効成分として含有するフィ
ブリノーゲン低下剤、あるいは高コレステロール血症を
伴う高フィブリノーゲン血症および/または腎障害を伴
う高フィブリノーゲン血症の予防・治療剤は、例えば次
のような処方によって製造することができる。 (1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和し
た後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体を
ゼラチンカプセルに封入する。
【0044】 (1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)
の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)およ
び(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
【0045】実験例1 フィブリノーゲン低下作用 方法:高コレステロール血症および腎障害を自然発症す
る雄性自然発症高コレステロール血症 (SHC) ラット(1
0週齢)にカンデサルタン・シレキセチル(TCV-116)
〔0.5%メチルセルロース100cp懸濁液;1mg/kg (2ml/k
g)〕を1日1回6週間にわたり連日経口投与した。対照群
(vehicle投与群)には0.5%メチルセルロース100cpを2m
l/kg投与した。血漿中フィブリノーゲン濃度は下記にし
たがって測定した。投与終了時に、腹部大動脈よりクエ
ン酸ナトリウム溶液(チトラール,山之内製薬、最終濃
度0.38%)存在下で採血し、3000rpm、室温で20分間遠
心分離して血漿を得た。血漿中フィブリノーゲン濃度
は、ラットフィブリノーゲン(Sigma F-6755)を標準に
して、フィブリノーゲンテストRD(ロシュ・ダイアグノ
スティックス社)を用いて血液凝固計(SARSTEDT社 B-1
0)により測定した。結果:結果を表1に示す。
【表1】 表1の結果からも明らかなように、カンデサルタン・シ
レキセチル(TCV-116)1mg/kg/day投与群では、対照群
(vehicle投与群)と比較して、有意な血漿中フィブリ
ノーゲン濃度低下作用が認められた。
【0046】
【発明の効果】本発明のフィブリノーゲン低下剤、また
は高コレステロール血症を伴う高フィブリノーゲン血症
または腎障害を伴う高フィブリノーゲン血症の予防・治
療剤は、優れたフィブリノーゲン低下作用を有し、高コ
レステロール血症を伴う高フィブリノーゲン血症または
腎障害を伴う高フィブリノーゲン血症、さらに高フィブ
リノーゲン血症などに起因する各種疾患の予防・治療剤
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/554 A61K 31/554 31/64 31/64 38/00 A61P 1/00 38/55 1/16 A61P 1/00 3/06 1/16 3/10 3/06 5/42 3/10 7/00 5/42 7/02 7/00 9/00 7/02 9/06 9/00 9/10 101 9/06 9/12 9/10 101 11/00 9/12 13/12 11/00 15/00 13/12 17/00 15/00 19/00 17/00 19/02 19/00 25/18 19/02 27/02 25/18 27/16 27/02 29/00 27/16 101 29/00 31/04 101 35/00 31/04 37/08 35/00 43/00 111 37/08 A61K 37/64 43/00 111 37/02 Fターム(参考) 4C084 AA17 BA14 NA14 NA15 ZA182 ZA332 ZA342 ZA362 ZA422 ZA452 ZA512 ZA542 ZA592 ZA662 ZA752 ZA812 ZA892 ZA962 ZB112 ZB132 ZB152 ZB262 ZB352 ZC082 ZC202 ZC332 ZC352 4C086 AA01 AA02 BC38 BC39 BC62 CB09 CB30 DA21 GA04 GA07 NA14 NA15 ZA18 ZA33 ZA34 ZA36 ZA42 ZA45 ZA51 ZA54 ZA59 ZA66 ZA75 ZA81 ZA89 ZA96 ZB11 ZB13 ZB15 ZB26 ZB35 ZC08 ZC20 ZC33 ZC35

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物(但し、イルベサルタンを除く)、そのプロドラッ
    グまたはその塩を含有してなるフィブリノーゲン低下
    剤。
  2. 【請求項2】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物が非ペプチド性化合物である請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物が分子内に酸素原子を有する化合物である請求項1
    記載の剤。
  4. 【請求項4】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物が分子内にエーテル結合またはカルボニル基を有す
    る化合物である請求項1記載の剤。
  5. 【請求項5】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物が式(I): 【化1】 (式中、Rは陰イオンを形成しうる基またはそれに変
    じうる基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接
    または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合している
    ことを示し、nは1または2を示し、環Aはさらに置換
    基を有していてもよいベンゼン環を示し、Rは陰イオ
    ンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示し、R
    はヘテロ原子を介して結合していてもよく、置換基を有
    していてもよい炭化水素残基を示す)で表される化合物
    である請求項1記載の剤。
  6. 【請求項6】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物がロサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン
    シレキセチル、カンデサルタン、バルサルタン、テルミ
    サルタン、オルメサルタンまたはタソサルタンである請
    求項1記載の剤。
  7. 【請求項7】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物が2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾ
    ール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベン
    ズイミダゾール−7−カルボン酸である請求項1記載の
    剤。
  8. 【請求項8】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物が1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)
    エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラ
    ゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベ
    ンズイミダゾール−7−カルボキシラートである請求項
    1記載の剤。
  9. 【請求項9】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する化
    合物が2−エトキシ−1−[[2’−(2,5−ジヒド
    ロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−
    イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾ
    ール−7−カルボン酸である請求項1記載の剤。
  10. 【請求項10】 高フィブリノーゲン血症またはそれに
    起因する疾患の予防・治療剤である請求項1記載の剤。
  11. 【請求項11】 レニン−アンギオテンシン系阻害作用
    を有する化合物、そのプロドラッグまたはその塩を含有
    してなる高コレステロール血症を伴う高フィブリノーゲ
    ン血症または腎障害を伴う高フィブリノーゲン血症の予
    防・治療剤。
  12. 【請求項12】 レニン−アンギオテンシン系阻害作用
    を有する化合物が(1)アンギオテンシンII拮抗作用を
    有する化合物、(2)アンギオテンシン変換酵素阻害作
    用を有する化合物、(3)レニン阻害作用を有する化合
    物、(4)キマーゼ阻害作用を有する化合物、および
    (5)アルドステロン拮抗作用を有する化合物から選ば
    れる1種または2種以上である請求項11記載の剤。
  13. 【請求項13】 レニン−アンギオテンシン系阻害作用
    を有する化合物が、アンギオテンシンII拮抗作用を有す
    る化合物である請求項11記載の剤。
  14. 【請求項14】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物が非ペプチド性化合物である請求項13記載の
    剤。
  15. 【請求項15】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物が分子内に酸素原子を有する化合物である請求項
    13記載の剤。
  16. 【請求項16】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物が分子内にエーテル結合またはカルボニル基を有
    する化合物である請求項13記載の剤。
  17. 【請求項17】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物が式(I): 【化2】 (式中、Rは陰イオンを形成しうる基またはそれに変
    じうる基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接
    または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合している
    ことを示し、nは1または2を示し、環Aはさらに置換
    基を有していてもよいベンゼン環を示し、Rは陰イオ
    ンを形成しうる基またはそれに変じうる基を示し、R
    はヘテロ原子を介して結合していてもよく、置換基を有
    していてもよい炭化水素残基を示す)で表される化合物
    である請求項13記載の剤。
  18. 【請求項18】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物がロサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン
    シレキセチル、カンデサルタン、バルサルタン、テル
    ミサルタン、イルベサルタン、オルメサルタンまたはタ
    ソサルタンである請求項13記載の剤。
  19. 【請求項19】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物が2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラ
    ゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベ
    ンズイミダゾール−7−カルボン酸である請求項13記
    載の剤。
  20. 【請求項20】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物が1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキ
    シ)エチル 2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テ
    トラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチ
    ル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートである
    請求項13記載の剤。
  21. 【請求項21】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物が2−エトキシ−1−[[2’−(2,5−ジヒ
    ドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3
    −イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダ
    ゾール−7−カルボン酸である請求項13記載の剤。
  22. 【請求項22】 レニン−アンギオテンシン系阻害作用
    を有する化合物が、アンギオテンシン変換酵素阻害作用
    を有する化合物である請求項11記載の剤。
  23. 【請求項23】 アンギオテンシン変換酵素阻害作用を
    有する化合物がエナラプリル、リシノプリル、オマパト
    リラト、サムパトリラトまたはアデカットである請求項
    22記載の剤。
  24. 【請求項24】 アンギオテンシン変換酵素阻害作用を
    有する化合物がアンギオテンシン変換酵素の阻害作用と
    中性エンドペプチダーゼの阻害作用とを併せ持つ化合物
    である請求項22記載の剤。
  25. 【請求項25】 アンギオテンシン変換酵素の阻害作用
    と中性エンドペプチダーゼの阻害作用とを併せ持つ化合
    物がオマパトリラトまたはサムパトリラトである請求項
    24記載の剤。
  26. 【請求項26】 レニン−アンギオテンシン系阻害作用
    を有する化合物がレニン阻害作用を有する化合物である
    請求項11記載の剤。
  27. 【請求項27】 レニン阻害作用を有する化合物がSP
    P−100である請求項26記載の剤。
  28. 【請求項28】 レニン−アンギオテンシン系阻害作用
    を有する化合物がキマーゼ阻害作用を有する化合物であ
    る請求項11記載の剤。
  29. 【請求項29】 キマーゼ阻害作用を有する化合物がN
    K3201である請求項28記載の剤。
  30. 【請求項30】 レニン−アンギオテンシン系阻害作用
    を有する化合物がアルドステロン拮抗作用を有する化合
    物である請求項11記載の剤。
  31. 【請求項31】 アルドステロン拮抗作用を有する化合
    物がSC−66100である請求項30記載の剤。
  32. 【請求項32】 レニン−アンギオテンシン系阻害作用
    を有する化合物、そのプロドラッグまたはその塩を適用
    することを特徴とする高コレステロール血症を伴う高フ
    ィブリノーゲン血症または腎障害を伴う高フィブリノー
    ゲン血症の予防・治療方法。
  33. 【請求項33】 高コレステロール血症を伴う高フィブ
    リノーゲン血症または腎障害を伴う高フィブリノーゲン
    血症の予防・治療剤を製造するためのレニン−アンギオ
    テンシン系阻害作用を有する化合物、そのプロドラッグ
    またはその塩の使用。
  34. 【請求項34】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物(但し、イルベサルタンを除く)、そのプロドラ
    ッグまたはその塩を用いることを特徴とするフィブリノ
    ーゲンの低下方法。
  35. 【請求項35】 フィブリノーゲン低下剤を製造するた
    めのアンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物(但
    し、イルベサルタンを除く)、そのプロドラッグまたは
    その塩の使用。
  36. 【請求項36】 アンギオテンシンII拮抗作用を有する
    化合物(但し、イルベサルタンを除く)、そのプロドラ
    ッグまたはその塩の有効量を哺乳動物に投与することを
    特徴とする高フィブリノーゲン血症またはそれに起因す
    る疾患の予防・治療方法。
  37. 【請求項37】 高フィブリノーゲン血症またはそれに
    起因する疾患の予防・治療剤を製造するためのアンギオ
    テンシンII拮抗作用を有する化合物(但し、イルベサル
    タンを除く)、そのプロドラッグまたはその塩の使用。
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