JP2007077095A - 腫瘍治療方法および抗腫瘍剤 - Google Patents

腫瘍治療方法および抗腫瘍剤 Download PDF

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正隆 馬嶋
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Abstract

【課題】腫瘍の増殖を抑制する特異性が高く、遺伝子不安定性がない、アンギオテンシンII受容体拮抗薬と放射線照射療法を組み合わせた抗血管新生作用の増強された腫瘍治療方法および抗腫瘍剤を提供する。
【解決手段】抗血管新生に有効な量の、一般式(1)
【化1】
Figure 2007077095

(式中の記号は明細書中と同義)で示される化合物に代表されるアンギオテンシンII受容体拮抗薬を投与するに際して、放射線を照射する腫瘍治療方法、および腫瘍の放射線照射療法と組み合わせて使用するための抗腫瘍剤であって、抗血管新生に有効な量のアンギオテンシンII受容体拮抗薬を含有する抗腫瘍剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗腫瘍剤および腫瘍治療方法に関する。さらに詳しく言えば、抗血管新生作用を有するアンギオテンシンII受容体拮抗薬と放射線照射療法を組み合わせて用いることを特徴とする抗血管新生作用の増強された腫瘍治療方法および抗腫瘍剤に関する。
従来の腫瘍治療薬(抗腫瘍剤)は、癌細胞DNAの複製を標的とするものであり、高増殖性の腫瘍に有効である反面、特異性の低さから多くの悪性腫瘍(癌細胞)には根治的治療薬とはならず、広く正常細胞にも影響し多大な副作用を伴う難点があった。
さらに、がん細胞の遺伝子の不安定性から、多くの場合獲得性の耐性が生じ、突如有効性が消失することもあり、2次治療(second line )の腫瘍治療薬を用いる必要も少なくない。
一方、1970年にホルクマン(Folkman)が、ガンが増大する過程で、血管が新生してくるという説を提唱し、その後腫瘍増殖に血管新生が不可欠なものであることが証明され、抗血管新生治療が、従来の抗がん剤の限界を打破するものと期待されている。抗血管新生治療の標的となる血管内皮細胞は、悪性化した細胞でないため、遺伝子不安定性がなく、獲得性の薬剤耐性が生じることがない。反面、最大効果(efficacy)が不十分であるとの指摘もあった。
本発明者らは、ペプチド性生体内活性物質のアンギオテンシンIIが血管新生を冗進させ、アンギオテンシンIIの、特に1型受容体拮抗薬(以下、単にアンギオテンシンII受容体拮抗薬ということがある。)が抗血管新生活性を有することを見出し、先に報告している(非特許文献1〜3参照)。
レニン−アンギオテンシン(RA)系の効果ホルモンであるアンギオテンシンIIは特異的受容体を介して生理活性を発揮する。薬理学的な研究成果から複数の受容体が想定されていたが、経口可能な非ペプチド性受容体拮抗薬ロサルタンに対する親和性等から、アンギオテンシンII受容体は主として1型受容体、2型受容体サブタイプに分類された。1991年に1型受容体、1993年に2型受容体の一次構造が各々解明された。
1型は血管平滑筋細胞、副腎皮質、肝、脳(神経膠細胞)、心臓(線維芽細胞)に豊富に発現し、アンギオテンシンIIの生理作用の大部分を伝達する。一方、2型は胎児組織、脳(神経細胞)、副腎髄質、心臓(心筋細胞)、子宮、肺で発現し、アポトーシス、細胞増殖阻止、興奮細胞再分極に関連し、概ね1型とは正反対の生理作用を発揮するとみられている。1型の分子構造は、359個のアミノ酸で構成され、G蛋白質に共役した7回膜貫通型受容体である。
1型受容体を介した作用としては、血管平滑筋収縮、交感神経系機能亢進作用、近位尿細管のNa再吸収促進、アルドステロン分泌促進作用などのいわゆる古典的な血管、腎、内分泌作用がある。近年、心血管系細胞や細胞外マトリックスに対する増殖作用が組織リモデリング作用として注目を集めている。高血圧、動脈硬化に伴う心血管系構造改変作用に1型受容体シグナリングが重要な役割を持つことが示されつつある。
一方、最近になり、低線量の放射線が腫瘍組織の血管内皮細胞に作用し、血管新生を抑制することが注目されてきている。しかしながら、放射線照射による腫瘍周囲の正常組織の障害も無視できない。
カルシノジェネシス(Carcinogenesis),26(2),271〜9(2005) バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem. Biophys. Res. Commun.),294(2),441〜7(2002) ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),275(8),5545−52(2000)
従って、本発明の目的は、腫瘍の増殖を抑制する特異性が高く、遺伝子不安定性がない、アンギオテンシンII受容体拮抗薬を、可能な限り低い線量の放射線を照射して腫瘍に対する抗血管新生治療の最大効果が得られる腫瘍治療方法および抗腫瘍剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する腫瘍治療薬に付き鋭意研究の結果、アンギオテンシンII受容体拮抗薬と放射線照射を組み合わせて用いると、腫瘍依存性血管新生に対するこれらの相乗効果により低い放射線量で抗血管新生作用が増強され、放射線暴露による腫瘍周囲の正常組織の障害を軽減しつつ、腫瘍の増殖を抑制し、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示される腫瘍治療薬の発明である。
1.抗血管新生に有効な量のアンギオテンシンII受容体拮抗薬を投与するに際して、放射線を照射することを特徴とする腫瘍治療方法。
2.アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、一般式(1)
Figure 2007077095
(式中、R1は陰イオンを形成し得る基またはそれに変り得る基を表し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合していることを表し、nは1または2であり、環Aはさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を表し、R2は陰イオンを形成し得る基またはそれに変り得る基を表し、R3はヘテロ原子を介して結合していてもよく置換基を有していてもよい炭化水素残基を表す。)で示される化合物またはその塩である前記1に記載の腫瘍治療方法。
3.アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、バルサルタン、テルミサルタンおよびオルメサルタンメドキソミルからなる群より選ばれる前記1に記載の腫瘍治療方法。
4.照射する放射線量が1〜10G/5daysである前記1〜3のいずれかに記載の腫瘍治療方法。
5.腫瘍の放射線照射療法と組み合わせて使用するための抗腫瘍剤であって、抗血管新生に有効な量のアンギオテンシンII受容体拮抗薬を含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
6.アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、一般式(1)
Figure 2007077095
(式中の記号は前記2の記載と同じ意味を表す。)
で示される化合物またはその塩である前記5に記載の抗腫瘍剤。
7.アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、バルサルタン、テルミサルタンおよびオルメサルタンメドキソミルからなる群より選ばれる前記5に記載の抗腫瘍剤。
8.放射線照射療法で照射する放射線量が1〜10G/5daysである前記5〜7のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
本発明によりアンギオテンシンII受容体拮抗薬と放射線照射を併用することにより、腫瘍依存性血管新生に対する作用が相乗的に増強された腫瘍治療方法および抗腫瘍剤が提供される。本発明によれば、低線量の放射線照射で効果が認められるため、放射線暴露による腫瘍周囲の正常組織の障害が軽減された腫瘍治療が可能になる。
また、本発明によれば、腫瘍の増殖を抑制する特異性が高く、遺伝子不安定性がない、腫瘍に対する抗血管新生治療の最大効果を増大させる腫瘍治療が可能になる。
さらに、本発明によれば、腫瘍細胞獲得性の薬剤耐性が生じることがない薬物治療が可能になる。
本発明において使用するアンギオテンシンII受容体拮抗薬は、血管新生を冗進させるペプチド性生体内活性物質であるアンギオテンシンII受容体拮抗薬であれば特に制限はないが、典型例として、一般式(1)
Figure 2007077095
で示される化学構造を有する化合物またはその塩を有効成分として含むものが好ましい。
上記式(1)中、R1、X、n、A、R2およびR3は前記式(1)中と同意義であり、R1は陰イオンを形成し得る基またはそれに変り得る基を表し、陰イオンを形成し得る基、すなわちプロトンとして遊離し得る水素原子を有する基としては、例えば、(1)カルボキシル基、(2)テトラゾリル基、(3)トリフルオロメタンスルホン酸アミド基(−NHSO2CF3)、(4)リン酸基、(5)スルホン酸基、(6)N,S,Oのうちの1個または2個以上を含む5〜7員、好ましくは5〜6員の単環状の置換されていてもよい複素環残基等が挙げられる。
N,S,Oのうちの1個または2個以上を含む5〜7員、好ましくは5〜6員の単環状の置換されていてもよい複素環残基としては、例えば、
Figure 2007077095
Figure 2007077095
Figure 2007077095
等が挙げられ、R1で表される複素環残基と該複素環残基が結合するフェニル基との結合は、上記式中gが−NH−等を示す場合、上記に示すような炭素−炭素結合だけでなく、複数個存在する窒素原子の1つを介して結合していてもよい。例えば、R1
Figure 2007077095
で示される場合、具体的にはそれぞれ
Figure 2007077095
または
Figure 2007077095
等を示す。窒素原子を介して結合する他の例としては、
Figure 2007077095
等が挙げられる。
上記式中、gは−CH2−、−NH−、−O−または−S(O)m−を表し、>=Z、>=Z’および>=Z''はそれぞれカルボニル基、チオカルボニル基または酸化されていてもよい硫黄原子例えば、S、S(O)、S(O)2等、好ましくはカルボニルまたはチオカルボニル基、さらに好ましくはカルボニル基を表し、mは0、1、または2である。
1で表される複素環残基としては、例えば、オキサジアゾロン環、オキサジアゾロチオン環またはチアジアゾロン環のようなプロトンドナーとしての−NH−や−OH基とプロトンアクセプターとしてのカルボニル基、チオカルボニル基またはスルフィニル基等を同時に有する基等が好ましい。R1で表される複素環残基は、環状の置換基が結合して縮合環を形成していてもよいが、5ないし6員環が好ましく、5員環残基がさらに好ましい。R1で表される複素環残基としては、式
Figure 2007077095
(式中、iは−O−または−S−を表し、jは>=O、>=Sまたは>=S(O)m を表し、mは前記と同意義である。)で示される基、中でも、2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、2,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル、とりわけ、2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルが好ましい。
1で表される複素環残基は下記に示すように互変異性体が存在する。例えば、
Figure 2007077095
において、Z=O、g=Oのとき
Figure 2007077095
のようなa’、b’、およびc’の3つの互変異性体が存在するが、式
Figure 2007077095
で示される複素環残基は上記a’、b’、およびc’の全てを含む。
1で表される陰イオンを形成し得る基は、置換可能な位置において、置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基またはアシル基、例えば、炭素数2〜5の低級アルカノイル、ベンゾイル等で保護されていてもよい。置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基としては、例えば、(1)ハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニル基1〜3個で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基、例えば、メチル、トリフェニルメチル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル等、(2)炭素数1〜4の低級アルコキシ―炭素数1〜4の低級アルキル基、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル等、(3)式−CH(R4)−OCOR5(式中、R4は(a)水素、(b)炭素数1〜6の直鎖または分枝状の低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル等、(c)炭素数2〜6の直鎖または分枝状の低級アルケニル基、または(d)炭素数3〜8のシクロアルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等を表し、R5は(a)炭素数1〜6の直鎖または分枝状の低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル等、(b)炭素数2〜6の直鎖または分枝状の低級アルケニル基、(c)炭素数3〜8のシクロアルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等、または置換されていてもよいアリール基、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等で置換された炭素数1〜3の低級アルキル基、例えば、ベンジル、p−クロロベンジル、フェネチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル等、(d)炭素数3〜8のシクロアルキルまたは置換されていてもよいアリール基、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等で置換された炭素数2〜3の低級アルケニル基、例えば、シンナミル等のビニル、プロペニル、アリル、イソプロペニル等のアルケニル部を持つもの等、(e)置換されていてもよいアリール基、例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等のハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等、(f)炭素数1〜6の直鎖または分枝状の低級アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ等、(g)炭素数2〜8の直鎖または分枝状の低級アルケニロキシ基、例えば、アリロキシ、イソブテニロキシ等、(h)炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ等、(i)炭素数3〜8のシクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等、または置換されていてもよいアリール基、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等で置換された炭素数1〜3の低級アルコキシ基、例えば、ベンジロキシ、フェネチロキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシ等のメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ等のアルコキシ部を持つもの等、(j)炭素数3〜8のシクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等、または置換されていてもよいアリール基、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等で置換された炭素数2〜3の低級アルケニロキシ基、例えば、シンナミロキシ等のビニロキシ、プロペニロキシ、アリロキシ、イソプロペニロキシ等のアルケニロキシ部を持つもの等、または(k)置換されていてもよいアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、p−ニトロフェノキシ、ナフトキシ等のハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェノキシまたはナフトキシ基等を表す。)で示される基等が挙げられる。また、R1で表される陰イオンを形成し得る基は、上記置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基またはアシル基、例えば、炭素数2〜5の低級アルカノイル、ベンゾイル等の保護基以外に、置換可能な位置において、置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基、例えばR1で表される陰イオンを形成し得る基の保護基として例示された前記置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基と同様なもの、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、炭素数1〜4の低級アルコキシ、1〜2個の炭素数1〜4の低級アルキルで置換されていてもよいアミノ等の置換基を有していてもよい。
前記式(1)中、R1で表される陰イオンを形成し得る基、すなわちプロトンとして遊離し得る水素原子を有する基に変り得る基は、生物学的すなわち生理的条件下、例えば、生体内酵素等による酸化、還元または加水分解等の生体内反応等で陰イオンを形成し得る基に変り得る基、いわゆるプロドラッグであってもよく、また、シアノ、N−ヒドロキシカルバムイミドイル基(−C(=N−OH)−NH2)、または置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基またはアシル基でそれぞれ保護された(1)カルボキシル基、(2)テトラゾリル基、(3)トリフルオロメタンスルホン酸アミド基(−NHSO2CF3)、(4)リン酸基、(5)スルホン酸基、(6)N,S,Oのうちの1個または2個以上を含む5〜7員、好ましくは5〜6員の単環状の置換されていてもよい複素環残基のように、化学的な反応により、R1で表される陰イオンを形成し得る基に変り得る基、いわゆる合成中間体であってもよい。
1としては、置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル、例えば、メチル、トリフェニルメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル等、またはアシル基、例えば、炭素数2〜5の低級アルカノイル、ベンゾイル等で保護されていてもよいカルボキシル、テトラゾリルまたは2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル等が好ましく、とりわけテトラゾリルが好ましい。
前記式(1)中、Xは隣接するフェニレン基とフェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合していること、好ましくは直接結合を表し、原子鎖2以下のスペーサーとしては、直鎖部分を構成する原子数が1または2である2価の鎖であればいずれでもよく、側鎖を有していてもよい。具体的には直鎖部分を構成する原子数が1または2である炭素数1〜4の低級アルキレン、−CO−、−O−、−S−、−NH−、−CO−NH−、−O−CH2−、−S−CH2−、−CH=CH−等が挙げられる。前記式(1)中、nは整数で、1または2、好ましくは1である。
前記式(1)中、環Aは置換基R2以外にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を表し、該置換基としては、例えば、(1)ハロゲン、例えば、F、Cl、Br等、(2)シアノ、(3)ニトロ、(4)置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル、(5)炭素数1〜4の低級アルコキシ、(6)置換されていてもよいアミノ基、例えば、アミノ、N−(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ、例えば、メチルアミノ等、N,N−ジ(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ、例えば、ジメチルアミノ等、N−アリールアミノ、例えば、フェニルアミノ等、脂環式アミノ、例えば、モルホリノ、ピベリジノ、ピペラジノ、N−フェニルピペラジノ等、(7)式−CO−D’(式中、D’はヒドロキシ基またはアルキル部分がヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルコキシ、炭素数2〜6の低級アルカノイルオキシ、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ等、炭素数1〜6の低級アルコキシカルボニルオキシ、例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ等、または炭素数3〜6の低級シクロアルコキシカルボニルオキシ、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ等で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルコキシを表す。)で表わされる基、または(8)置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル、例えばR1で表される陰イオンを形成し得る基の保護基として例示された前記置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基と同様なもの、またはアシル、例えば、炭素数2〜5の低級アルカノイル、ベンゾイル等で保護されていてもよいテトラゾリル、トリフルオロメタンスルホン酸アミド基、リン酸基またはスルホン酸基等が挙げられる。これらの置換基は、ベンゼン環上の置換可能な位置に1〜2個同時に置換されていてもよいが、置換基R2以外に環Aがさらに有する置換基としては、置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン等で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル等、ハロゲン等が好ましく、置換基R2以外に環Aが置換基を有さないことがより好ましい。
前記式(1)中、R2で表される陰イオンを形成し得る基、すなわちプロトンとして遊離し得る水素原子を有する基としては、例えば、(1)エステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシル基、(2)テトラゾリル基、(3)トリフルオロメタンスルホン酸アミド基(−NHSO2CF3)、(4)リン酸基、(5)スルホン酸基等が挙げられ、これらの基は置換されていてもよい低級アルキル基、例えばR1で表される陰イオンを形成し得る基の保護基として例示された前記置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基と同様なもの、またはアシル基、例えば、炭素数2〜5の低級アルカノイル、ベンゾイル等で保護されていてもよく、生物学的すなわち生理的条件下、例えば、生体内酵素等による酸化、還元または加水分解等の生体内反応等で、または化学的に陰イオンを形成し得る基またはそれに変り得る基であればいずれでもよい。
2で表されるエステル化またはアミド化されていてもよいカルボキシルとしては、例えば、式−CO−D(式中、Dは(1)ヒドロキシ基、(2)置換されていてもよいアミノ、例えば、アミノ、N−(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ、N,N−ジ(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ等、または(3)置換されていてもよいアルコキシ、例えば、(i)アルキル部分がヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ、例えば、アミノ、N−(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ、N,N−ジ(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ、ピペリジノ、モルホリノ等、ハロゲン、炭素数1〜6の低級アルコキシ、炭素数1〜6の低級アルキルチオ、炭素数3〜8の低級シクロアルコキシあるいは置換されていてもよいジオキソレニル例えば、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル等で置換されていてもよい炭素数1〜6の低級アルコキシ基、または(ii)式−O−CH(R6)−OCOR7(式中、R6は(a)水素、(b)炭素数1〜6の直鎖または分枝状の低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル等、(c)炭素数2〜6の直鎖または分枝状の低級アルケニル基または(d)炭素数3〜8のシクロアルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等を表し、R7は(a)炭素数1〜6の直鎖または分枝状の低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル等、(b)炭素数2〜6の直鎖または分枝状の低級アルケニル基、(c)炭素数3〜8のシクロアルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等、または置換されていてもよいアリール基、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等で置換された炭素数1〜3の低級アルキル基、例えば、ベンジル、p−クロロベンジル、フェネチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル等、(d)炭素数3〜8のシクロアルキルまたは置換されていてもよいアリール基、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等で置換された炭素数2〜3の低級アルケニル基、例えば、シンナミル等のビニル、プロペニル、アリル、イソプロペニル等のアルケニル部を持つもの等、(e)置換されていてもよいアリール基、例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等のハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等、(f)炭素数1〜6の直鎖または分枝状の低級アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ等、(g)炭素数2〜8の直鎖または分枝状の低級アルケニロキシ基、例えば、アリロキシ、イソブテニロキシ等、(h)炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ等、(i)炭素数3〜8のシクロアルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等、または置換されていてもよいアリール基、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等で置換された炭素数1〜3の低級アルコキシ基、例えば、ベンジロキシ、フェネチロキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシ等のメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ等のアルコキシ部を持つもの等、(j)炭素数3〜8のシクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等、または置換されていてもよいアリール基、例えば、ハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェニルまたはナフチル基等で置換された炭素数2〜3の低級アルケニロキシ基、例えば、シンナミロキシ等のビニロキシ、プロペニロキシ、アリロキシ、イソプロペニロキシ等のアルケニロキシ部を持つもの等、または(k)置換されていてもよいアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、p−ニトロフェノキシ、ナフトキシ等のハロゲン原子、ニトロ、炭素数1〜4の低級アルキル、炭素数1〜4の低級アルコキシ等を有していてもよいフェノキシまたはナフトキシ基等を表す。)で表される基等を表す。)で表される基等が挙げられる。
2としては、エステル化されていてもよいカルボキシルが好ましく、その具体例としては、例えば、−COOHおよびその塩、−COOMe、−COOEt、−COOtBu、−COOPr、ピバロイルオキシメトキシカルボニル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エトキシカルボニル、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメトキシカルボニル、アセトキシメトキシカルボニル、プロピオニロキシメトキシカルボニル、n−ブチリロキシメトキシカルボニル、イソブチリロキシメトキシカルボニル、1−(エトキシカルボニロキシ)エトキシカルボニル、1−(アセトキシ)エトキシカルボニル、1−(イソブチリロキシ)エトキシカルボニル、シクロヘキシルカルボニルオキシメトキシカルボニル、ベンゾイルオキシメトキシカルボニル、シンナミロキシカルボニル、シクロペンチルカルボニロキシメトキシカルボニル等が挙げられ、生物学的すなわち生理的条件下、例えば、生体内酵素による酸化、還元または加水分解等の生体内反応等で、または化学的に陰イオン、例えば、COO-、その誘導体等を形成し得る基またはそれに変り得る基であればいずれであってもよく、カルボキシル基、またはそのプロドラッグ体であってもよい。
上記R2としては、式−CO−D(式中、Dは(1)ヒドロキシ基または(2)アルキル部分がヒドロキシ基、アミノ、ハロゲン、炭素数2〜6の低級アルカノイルオキシ、例えば、アセトオキシ、ピバロイルオキシ等、炭素数3〜8の低級シクロアルカノイルオキシ、炭素数1〜6の低級アルコキシカルボニルオキシ、例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ等、炭素数3〜8の低級シクロアルコキシカルボニロキシ、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ等、炭素数1〜4の低級アルコキシまたは炭素数3〜8の低級シクロアルコキシで置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルコキシを表す。)で表わされる基が好ましく、中でも炭素数1〜4の低級アルキル好ましくは、メチルまたはエチルでエステル化されたカルボキシルが好ましい。
前記式(1)中、R3で表される、ヘテロ原子を介して結合していてもよく置換基を有していてもよい炭化水素残基における炭化水素残基としては、例えば、(1)アルキル基、(2)アルケニル基、(3)アルキニル基、(4)シクロアルキル基、(5)アリール基、(6)アラルキル基等が挙げられるが、中でもアルキル基、アルケニル基およびシクロアルキル基が好ましい。前記(1)のアルキル基としては、炭素数1〜8程度の低級アルキル基で直鎖状、分枝状のいずれでもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、i−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。前記(2)のアルケニル基としては、炭素数2〜8程度の低級アルケニル基で直鎖状、分枝状のいずれでもよく、例えばビニル、プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、2−オクテニル等が挙げられる。前記(3)のアルキニル基としては、炭素数2〜8程度の低級アルキニル基で直鎖状、分枝状のいずれでもよく、例えばエチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、2−オクチニル等が挙げられる。前記(4)のシクロアルキル基としては、炭素数3〜6程度の低級シクロアルキルが挙げられ、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。上記したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキル基はヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、例えば、アミノ、N−(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ、N, N−ジ(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ等、ハロゲン、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、炭素数1〜4の低級アルキルチオ基等で置換されていてもよい。前記(5)のアリール基としては、例えばフェニル等が挙げられ、前記(6)のアラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル等のフェニル−炭素数1〜4の低級アルキル等が挙げられる。
上記アリール基またはアラルキル基は、そのベンゼン環上の任意の位置に、例えばハロゲン、例えば、F、Cl、Br等、ニトロ、置換されていてもよいアミノ基、例えば、アミノ、N−(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ、N, N−ジ(炭素数1〜4の低級アルキル)アミノ等、炭素数1〜4の低級アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ等、炭素数1〜4の低級アルキルチオ例えば、メチルチオ、エチルチオ等、炭素数1〜4の低級アルキル、例えば、メチル、エチル等を有していてもよい。上記した中でも、R3で表される、ヘテロ原子を介して結合していてもよく置換基を有していてもよい炭化水素残基における炭化水素残基としては、置換されていてもよいアルキルまたはアルケニル基、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲンまたは炭素数1〜4の低級アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜5の低級アルキルまたは炭素数2〜5の低級アルケニル基等が好ましく、とりわけ、炭素数1〜5の低級アルキルが好ましくエチルがより好ましい。R3で表される、ヘテロ原子を介して結合していてもよく置換基を有していてもよい炭化水素残基におけるヘテロ原子としては、−O−、−S(O)m−(mは0、1、または2である。)、−NR’−(R’は水素原子または炭素数1〜4の低級アルキルを表す。)等が挙げられ、中でもO−が好ましい。上記した中でも、R3としては、−O−、−S(O)m−(mは0、1、または2である。)または−NR’−(R’は水素原子または炭素数1〜4の低級アルキルを表す。)を介して結合していてもよく、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲンおよび炭素数1〜4の低級アルコキシ基から選ばれる置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の低級アルキルまたは炭素数2〜5の低級アルケニル基等が好ましく、とりわけ、炭素数1〜5の低級アルキルまたは炭素数1〜5の低級アルコキシが好ましくエトキシがより好ましい。
一般式(1)
Figure 2007077095
で示されるアンギオテンシンII拮抗作用を有する化合物の中でも、一般式(1')
Figure 2007077095
(式中、R1は(1)カルボキシル基、(2)テトラゾリル基または(3)式
Figure 2007077095
(式中、iは−O−または−S−を表し、jは>=O、>=Sまたは>=S(O)m を表し、mは前記と同意義である。)で表される基を示し、環Aは置換基R2以外に置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン等で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル等、またはハロゲンで置換されていてもよいベンゼン環好ましくは、置換基R2以外に置換基を有さないベンゼン環を表し、R2は式−CO−D(式中、Dは(1)ヒドロキシ基または(2)アルキル部分がヒドロキシ基、アミノ、ハロゲン、炭素数2〜6の低級アルカノイルオキシ、例えば、アセトオキシ、ピバロイルオキシ等、炭素数3〜8の低級シクロアルカノイルオキシ、炭素数1〜6の低級アルコキシカルボニルオキシ、例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ等、炭素数3〜8の低級シクロアルコキシカルボニロキシ、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ等、炭素数1〜4の低級アルコキシまたは炭素数3〜8の低級シクロアルコキシで置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルコキシを表す。)で表わされる基を表し、R3は−O−、−S(O)m−(mは0、1、または2である。)または−NR’−(R’は水素原子または炭素数1〜4の低級アルキルを表す。)を介して結合していてもよく、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲンおよび炭素数1〜4の低級アルコキシ基から選ばれる置換基で置換されていてもよい炭素数1〜5の低級アルキルまたは炭素数2〜5の低級アルケニル基、好ましくは、炭素数1〜5の低級アルキルまたは炭素数1〜5の低級アルコキシ、より好ましくはエトキシを表す。)で示されるベンズイミダゾール−7−カルボン酸誘導体またはその薬理学的に許容されうる塩等が好ましく、とりわけ、2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボン酸(カンデサルタン)、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシレート(カンデサルタンシレキセチル)、ピバロイルオキシメチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシレート、2−エトキシ−1−[[2’−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボン酸またはその塩等が好ましい。上記ベンズイミダゾール誘導体は、例えば、EP−425921、EP−459136、EP−553879、EP−578125、EP−520423、EP−668272に記載の公知の方法またはそれに準じた方法により合成することができる。また、カンデサルタンシレキセチルを用いる場合は、EP−459136に記載の安定なC型結晶を用いるとよい。
本発明に係るアンギオテンシン1型受容体拮抗作用を有する有効成分化合物はそれ自体(水和物を含む)でも、薬理学的に許容される塩でもよい。
薬理学的に許容される塩としては、該アンギオテンシンII受容体拮抗作用を有する有効成分化合物が酸性基(カルボキシル基等)を有する場合は、無機塩基や有機塩基との塩が挙げられる。無機塩基の例としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属等が挙げられる。有機塩基の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。
アンギオテンシンII受容体拮抗作用を有する有効成分化合物が塩基性基(アミノ基等)を有する場合は、無機酸や有機酸との塩が挙げられる。無機酸の例としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、炭酸、重炭酸等が挙げられる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられる。
本発明に係るアンギオテンシンII受容体拮抗薬としては、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、バルサルタン、テルミサルタン、およびオルメサルタンメドキソミルからなる群より選ばれる化合物またはその塩を有効成分として含むものが好ましい。
本発明で使用されるアンギオテンシン1型受容体拮抗作用を有する有効成分化合物の好適な具体例であるカンデサルタンシレキセチル(1a)、ロサルタンカリウム(2a)、バルサルタン(3a)、テルミサルタン(4a)、およびオルメサルタンメドキソミル(5a)は、各々一般式(1a)〜(5a)で示される化学構造を有する化学名、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1Hベンズイミダゾール−7−カルボキシレート(1a)、2−ブチル−4−クロロ−1−[2'-(テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルメチル]−1H−イミダゾール−5−メタノールカリウム塩(2a)、(−)−N−{4-[2-(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]ベンジル}−N−ヴァレリル−L−ヴァリン(3a)、4’−[4−メチル−6−(1−メチル−2−ベンズイミダゾリル)−2−プロピル−1−ベンズイミダゾリル]メチル]−2−ビフェニルカルボン酸(4a)、および5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシ−4-(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−2−プロピル−1−{4−[2-(テトラゾール−5−イル)−フェニル]フェニル)メチルイミダゾール−5−カルボキシレート(5a)の化合物であり、それぞれアンギオテンシンII受容体拮抗薬として市販されている。
Figure 2007077095
Figure 2007077095
Figure 2007077095
Figure 2007077095
Figure 2007077095
本発明で使用されるアンギオテンシンII受容体拮抗作用を有する有効成分化合物およびそれらの薬理学的に許容される塩は、毒性も低く、そのままで、または薬学的に許容される担体と混合し医薬組成物として、哺乳動物に対し、本発明の腫瘍治療薬に使用できる。哺乳動物の例としては、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サル等が挙げられる。
薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機または無機担体物質が挙げられる。これらは、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等として、または液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を使用してもよい。
賦形剤の好適な例としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤の好適な例としては、例えば、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、例えば、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
溶剤の好適な例としては、例えば、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油等が挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖等が挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩等が挙げられる。
着色剤の好適な例としては、例えば、水溶性食用タール色素、天然色素等が挙げられる。水溶性食用タール色素としては、例えば、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号等の食用色素、水不溶性レーキ色素等が挙げられる。水不溶性レーキ色素としては、例えば、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩等が挙げられる。天然色素としては、例えば、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラ等が挙げられる。甘味剤の好適な例としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア等が挙げられる。
医薬組成物の剤形としては、例えば、錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む。)、顆粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等の経口剤、および注射剤(例:皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤等。)、点滴剤、外用剤(例:経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤等。)、坐剤(例:直腸坐剤、膣坐剤等。)、ペレット、点滴剤等の非経口剤が挙げられる。これらはそれぞれ経口的または非経口的に安全に投与できる。
医薬組成物は、製剤技術分野における慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等によって製造することができる。製剤の具体的製造方法について以下に詳述する。
経口剤は、有効成分に、乳糖、白糖、デンプン、D−マンニトール等の賦形剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤、α化デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、またはタルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000等の滑沢剤等を添加して圧縮成形し、次いで所望により、味のマスキング、腸溶性、または持続性を目的として、コーティング基剤を使用し自体公知の方法でコーティングして製造される。
コーティング基剤としては、例えば、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤等が挙げられる。
糖衣基剤としては、白糖が使用され、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウ等から選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社)、ポリビニルピロリドン等の合成高分子;プルラン等の多糖類等が挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等のセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL(オイドラギットL(商品名)、ロームファルマ社)、メタアクリル酸コポリマーLD(オイドラギットL−30D55(商品名)、ロームファルマ社)、メタアクリル酸コポリマーS(オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社)等のアクリル酸系高分子;セラック等の天然物等が挙げられる。
徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えば、エチルセルロース等のセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS(オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ社)、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液(オイドラギットNE(商品名)、ロームファルマ社)等のアクリル酸系高分子等が挙げられる。
コーティング基剤は、2種以上を所望の割合で適宜混合して使用してもよい。コーティングの際、例えば、酸化チタン、三二酸化鉄等の遮光剤を用いてもよい。
注射剤は、有効成分を、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の分散剤、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェノール等の保存剤、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖等の等張化剤等と共に、蒸留水、生理的食塩水、リンゲル液等の水性溶剤またはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油等の植物油、プロピレングリコール等の油性溶剤等に溶解、懸濁、または乳化して製造される。
この際、所望により、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の溶解補助剤、ヒト血清アルブミン等の安定剤、ベンジルアルコール等の無痛化剤等の添加物を用いてもよい。
アンギオテンシンII受容体拮抗薬は、血管新生を伴う腫瘍の治療のためにこれと放射線を併用すると、腫瘍特に悪性腫瘍(がん)依存性新生血管に対するこれらの相乗効果により増強された抗血管新生作用を示し、これにより腫瘍の増殖が抑えられ、抗腫瘍増殖作用が顕著に増強される。さらに、低線量の放射線を用い、放射線暴露による腫瘍周囲の正常組織の障害を軽減することができる。
アンギオテンシンII受容体拮抗薬は、上記放射線との併用により血管新生を伴う腫瘍の治療薬として優れた相乗作用を示し、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サル等に対して、腫瘍治療薬として使用することができる。該腫瘍治療薬は、例えば、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器(例えば、胃、腸等)癌、肺癌、膵臓癌、食道癌、乳癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、腎癌、膀胱癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、血管腫、骨肉腫、筋肉腫、血管腺維腫、子宮筋腫等の血管新生を伴う腫瘍治療薬として有用である。
本発明に係るアンギオテンシンII受容体拮抗薬および併用放射線の、投与および照射時期は限定されず、これらを投与および照射対象に対し、同時に投与および照射してもよいし、時間差をおいて投与および照射してもよい。
アンギオテンシンII受容体拮抗薬の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状等によっても異なるが、例えばカンダサルタンを哺乳動物、特に成人(体重50kg)に経口投与する場合は、通常約4〜12mgを1日1回投与するのが望ましい。
本発明によりアンギオテンシンII受容体拮抗薬と併用する放射線療法は、腫瘍の放射線照射の技術分野で一般に用いられている当業者に知られている方法に従って実施することができる。例えば、セシウム、イリジウム、ヨード、またはコバルト照射が前記放射線療法に含まれる。放射線療法は、腫瘍のある箇所、組織に局所的に照射するのが好ましい。照射する放射線の線量は、腫瘍の種類、部位、大きさ等により異なるが、一般に、扁平上皮がんでは放射線に対する感受性が腺がんに比べ高いことが知られ、1日1〜2Gの線量を30日間にわたって照射することが多い。全量で30〜60Gの照射が行われる。
以下に、実施例(試験例)および製剤例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
実施例:
雄性C57BL/6マウス(8週令、日本クレア社)の背部皮下組織に、肺がん細胞(Lewis lung carcinoma cell)を106個接種し、その後時間を追って腫瘍容積を評価し腫瘍増殖を調べた。1週間経過した時点で、マウスを以下の4群に分けた。すなわち、
1)薬物を浮遊させるための溶媒のみの投与群[コントロール=Control]、
2)アンギオテンシンII受容体拮抗薬(1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシレート(TCV−116)(以下、化合物Aと称する。)投与群(薬用量は20mg/kg/day)[AT1拮抗薬]、
3)低線量放射線(10G(グレイ)/5days)腫瘍局所照射群[放射線]、
4)2)と3)の併用群[併用]の4群である。
その後、時間を追って腫瘍増殖を比較した。結果を図1に示す。
化合物A(TCV−116)のがん依存性血管新生を抑制する薬用量については、バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem. Biophys. Res. Commun.),294(2),441〜7(2002)(非特許文献3)に記載の本発明者らの知見を参照の上設定し、併用時の薬用量を20mg/Kg/dayとした(図1)。
放射線照射線量については、基礎的検討を行い、背部にうえた腫瘍細胞に対し、0.2〜3.0G/dayの照射を連続5日間行った(図2)。マウスをペントバルビタールで麻酔し、背部皮下に増殖した腫瘍に選択的に放射線照射ができるように鉛製の遮蔽を作成し、直交2門で所定の線量を照射した。検討した線量のうち放射線単独で最低限の抗腫瘍増殖作用がみられた2.0G/day(10G/5days)の線量を用いて、アンギオテンシン1型受容体拮抗薬との併用を検討した。
図1に示すように、アンギオテンシンII受容体拮抗薬と低線量放射線照射の併用により、抗腫瘍増殖作用の顕著な増強(相乗効果)が認められた。
本発明における抗腫瘍剤は、例えば次のような処方によって製造することができる。
製剤例1:カプセル剤
(1)化合物A 30mg
(2)ラクトース 90mg
(3)微結晶セルロース 70mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 200mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
製剤例2:錠剤
(1)化合物A 30mg
(2)ラクトース 35mg
(3)コーンスターチ 150mg
(4)微結晶セルロース 30mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 5mg
1錠 250mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成形する。
本発明に係るアンギオテンシンII受容体拮抗薬と低線量放射線照射を組み合わせた併用の効果を示すグラフである。 低線量放射線照射(単独)による抗腫瘍増殖作用を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 抗血管新生に有効な量のアンギオテンシンII受容体拮抗薬を投与するに際して、放射線を照射することを特徴とする腫瘍治療方法。
  2. アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、一般式(1)
    Figure 2007077095
    (式中、R1は陰イオンを形成し得る基またはそれに変り得る基を表し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合していることを表し、nは1または2であり、環Aはさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を表し、R2は陰イオンを形成し得る基またはそれに変り得る基を表し、R3はヘテロ原子を介して結合していてもよく置換基を有していてもよい炭化水素残基を表す。)で示される化合物またはその塩である請求項1に記載の腫瘍治療方法。
  3. アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、バルサルタン、テルミサルタンおよびオルメサルタンメドキソミルからなる群より選ばれる請求項1に記載の腫瘍治療方法。
  4. 照射する放射線量が1〜10G/5daysである請求項1〜3のいずれかに記載の腫瘍治療方法。
  5. 腫瘍の放射線照射療法と組み合わせて使用するための抗腫瘍剤であって、抗血管新生に有効な量のアンギオテンシンII受容体拮抗薬を含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
  6. アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、一般式(1)
    Figure 2007077095
    (式中の記号は請求項2の記載と同じ意味を表す。)
    で示される化合物またはその塩である請求項5に記載の抗腫瘍剤。
  7. アンギオテンシンII受容体拮抗薬が、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、バルサルタン、テルミサルタンおよびオルメサルタンメドキソミルからなる群より選ばれる請求項5に記載の抗腫瘍剤。
  8. 放射線照射療法で照射する放射線量が1〜10G/5daysである請求項5〜7のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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