JPH11349688A - 徐放性複合エマルション、徐放性微粒子及びその製造方法 - Google Patents

徐放性複合エマルション、徐放性微粒子及びその製造方法

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JPH11349688A
JPH11349688A JP15819498A JP15819498A JPH11349688A JP H11349688 A JPH11349688 A JP H11349688A JP 15819498 A JP15819498 A JP 15819498A JP 15819498 A JP15819498 A JP 15819498A JP H11349688 A JPH11349688 A JP H11349688A
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emulsion
sustained
release
oil phase
functional substance
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JP15819498A
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Shigenobu Kono
恵宣 河野
Yasuo Hatate
泰雄 幡手
Toru Taniguchi
徹 谷口
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Reika Kogyo KK
Original Assignee
Reika Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 徐放効果の高い徐放性複合エマルション、徐
放性微粒子を製造する。 【解決手段】 予め親水性機能性物質を親水性の多孔質
粒子に含浸させ、(A)機能性物質を含浸した多孔質粒
子12を内水相16に分散させる。次に、(B)疎水性
の高分子化合物を含有する溶液を油相10として、内水
相16を常時振動攪拌しながら油相10に加えW/O型
エマルションを製造する。次いで、(C)このW/O型
エマルション油相を常時振動攪拌しながら外水相14中
に加えW/O/W型エマルションを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は徐放性複合エマルショ
ン、徐放性微粒子及びその製造方法、特に多孔質粒子に
含浸された機能性物質を徐放する徐放性複合エマルショ
ン、徐放性微粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エマルションは、大きく分けて
2種類のエマルションの形態がある。すなわち、水中油
型(以下「O/W型」という)エマルション、油中水型
(以下「W/O型」という)エマルションのような1次
乳化型のエマルションと、水中油型エマルションをさら
に油相中に乳化させた油中水中油型(以下「W/O/W
型」という)エマルション、油中水型エマルションをさ
らに水相中に乳化させた水中油中水型(以下「O/W/
O型」という)エマルションのような2次乳化型のエマ
ルションの2種類のエマルションがある。
【0003】特に、上記2次乳化型のエマルションは、
別名複合エマルションとも呼ばれ、医薬品、化粧品、農
薬、食品等の各種工業的用途において広く用いられてい
る。
【0004】近年、1次乳化型及び2次乳化型のエマル
ションを用いて製造された徐放性エマルションが提案さ
れている。例えば、特開平8−169818号公報の
「注射用徐放性マイクロカプセル」には、有効量の薬物
と基剤としての水可溶の低分子化合物の含有量が1塩基
酸として高分子重合物100gに対し0.01モル未満
である生体内分解型高分子重合物を含有する初期バース
トが顕著に抑制され、薬物が長期間に亘って放出される
マイクロカプセルが提案されている。
【0005】また、特開平8−259460号公報の
「徐放性製剤の製造法」には、特定の生理活性ペプチド
又はその塩を含む液を内水相とし、末端に遊離のカルボ
キシ基を有する生体内分解性ポリマーを含む溶液を油相
とするW/O型乳化物を製造し、次いで得られる乳化物
を外水相に加えW/O/W型乳化物を製造する徐放性製
剤の製造方法が提案されている。
【0006】また、特開平9−77657号公報の「薬
物の遅延放出型マイクロスフィア」には、薬物を含む水
性相と生体内分解性重合物を含む油相とから乳化処理に
よりW/O型エマルションを得、次いでこのエマルショ
ンを更なる連続相を形成する水性相と混合攪拌して、W
/O/W型エマルションを形成することにより製造でき
るマイクロスフィアが提案されている。このマイクロス
フィアは、投与の所定期間経過後に薬物の主要量を放出
できる、特に脳内への埋め込みに適したものである。
【0007】また、特開平9−316008号公報の
「徐放性薬剤組成物及びその製造方法」には、少なくと
も薬剤化合物と生体内分解性ポリマーとを含む徐放性薬
剤組成物エマルションの製造方法において、W/O/W
エマルションの内水相、又はO/Wエマルションの有機
相に予めアミノ酸ポリマーを、生体内分解性ポリマーに
対して0.01〜20重量%添加する徐放性薬剤組成物
マイクロカプセルの製造方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に例示されて
いる徐放性マイクロカプセルや徐放性製剤等は、いずれ
も徐放させる薬剤を含む内水相と、生体内分解型高分子
重合物を油相とから乳化処理によりW/O型エマルショ
ンを得、次いでこのエマルションを更なる連続相を形成
する水性相と混合攪拌して、W/O/W型エマルション
を得るものである。
【0009】しかしながら、近年更なる徐放性、遅延放
出性が要求されており、上記いずれのW/O/W型エマ
ルションもその効果がいま一歩であった。
【0010】本発明は上記従来の課題に鑑みたものであ
り、その目的は、薬剤の徐放性効果の高い徐放性複合エ
マルション、徐放性微粒子及びその製造方法を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明に係る徐放性複合エマルションは、機能
性物質を含浸した多孔質粒子を含有する液を内水相と
し、高分子化合物または重合性モノマーを含む溶液を油
相とするW/O型エマルションを、外水相に加えW/O
/W型エマルションとすることを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る徐放性複合エマルショ
ンは、機能性物質を含浸した多孔質粒子を含有する液を
内油相とし、高分子化合物または重合性モノマーを含む
溶液を水相とするO/W型エマルションを、外油相に加
えO/W/O型エマルションとすることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る徐放性複合エマルショ
ンは、機能性物質を含浸した多孔質粒子を含有する液を
内油相とし、高分子化合物または重合性モノマーを含む
溶液を外油相とするO/O型エマルションを、外水相に
加えO/O/W型エマルションとすることを特徴とす
る。
【0014】さらに、本発明の徐放性微粒子は、上記各
徐放性エマルションを硬化させることにより徐放性微粒
子を生成させることを特徴とする。
【0015】従って、上記いずれのエマルション及び微
粒子も、機能性物質が多孔質粒子に含浸されているの
で、従来の徐放性の各種エマルションに比べ、徐放効果
が高くなる。
【0016】また、本発明に係る徐放性複合エマルショ
ン及び徐放性微粒子は、上述の徐放性複合エマルション
の分散率、上述の徐放性微粒子の骨格濃度、得られた徐
放性微粒子の細孔径、空隙率、微粒子径、化学的物性、
物理的物性を変化させることを特徴とする。
【0017】従って、上記要件を変化させることによっ
て、含有する多孔質粒子からの機能性物質の徐放性を変
化させることができる。
【0018】また、本発明に係る徐放性エマルションの
製造方法は、予め機能性物質を多孔質粒子に含浸させ、
前記機能性物質を含浸した多孔質粒子を内水相に分散さ
せ、高分子化合物または重合性モノマーを含有する溶液
を油相として、前記内水相を常時振動攪拌しながら前記
油相に加えW/O型エマルションを製造し、前記W/O
型エマルションを常時振動攪拌しながら外水相中に加え
W/O/W型エマルションを製造することを特徴とす
る。
【0019】また、本発明に係る徐放性エマルションの
製造方法は、予め機能性物質を多孔質粒子に含浸させ、
前記機能性物質を含浸した多孔質粒子を内油相に分散さ
せ、高分子化合物または重合性モノマーを含有する溶液
を水相として、前記内油相を常時振動攪拌しながら前記
水相に加えO/W型エマルションを製造し、前記O/W
型エマルションを常時振動攪拌しながら外油相中に加え
O/W/O型エマルションを製造することを特徴とす
る。
【0020】また、本発明に係る徐放性エマルションの
製造方法は、予め機能性物質を多孔質粒子に含浸させ、
前記機能性物質を含浸した多孔質粒子を内油相に分散さ
せ、高分子化合物または重合性モノマーを含有する溶液
を外油相として、前記内油相を常時振動攪拌しながら前
記外相に加えO/O型エマルションを製造し、前記O/
O型エマルションを常時振動攪拌しながら外水相中に加
えO/O/W型エマルションを製造することを特徴とす
る。
【0021】従って、上記いずれの製造方法も、エマル
ション製造時に常時振動攪拌を行っているので、乳化状
態、特に複合エマルションの乳化状態を向上させること
ができ、さらに生成したエマルション同士の合一が少な
く、得られるエマルションの大きさをほぼ均一にするこ
とができる。
【0022】また、本発明の徐放性微粒子は、上述の製
造方法により製造されたエマルションを硬化させること
により得られる。
【0023】また、本発明に係る徐放性複合エマルショ
ン及び徐放性微粒子の製造方法は、上記振動攪拌する装
置として、バイブロミキサーを用い、更に複数のバイブ
ロミキサーを並列に連結させ、連続的に前記徐放性エマ
ルション及び徐放性複合エマルションを製造することを
特徴とする。
【0024】複数のバイブロミキサーを並列に連結させ
てエマルション生成を行っているので、連続的に、所望
の徐放性のエマルションを得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳説す
る。
【0026】本発明のエマルション及びその製造方法に
用いる機能性物質は、例えば医薬品関連薬剤、農薬、酵
素、酵母、吸着剤等が挙げられるが、これに限るもので
はなく、徐放又は遅延放出したい物質であれば、何れの
ものであってもよい。
【0027】また、上記機能性物質を予め含浸させてお
く多孔質粒子としては、例えば炭、活性炭、ゼオライ
ト、シリカ等が挙げられる。特に炭、活性炭は、種類を
選定することにより親水性および疎水性の何れにも対応
することができるために、本発明における多孔質粒子と
しては好ましい。上記炭の孔は、徐放性の観点から、数
nm〜数μmが好ましく、また活性炭の孔は、数μm〜
50μmが好ましい。
【0028】また、上記機能性物質を予め含浸させてお
く高分子化合物としては、例えば生分解性ポリマー、天
然高分子化合物、高分子重合物等が挙げられるが、これ
に限るものではなく、固化時に多孔性になるものであれ
ば何れのものでもよい。また、用途に応じて親水性、親
油性(疎水性)のものを選択して用いればよい。
【0029】本発明で用いる生分解性ポリマーとして
は、生体内で加水分解又は酵素分解により、重量平均分
子量の低下又は減少が生じるポリマーであればよく、好
ましくは乳酸重合体であり、例えばポリ乳酸、ポリグリ
コール酸、乳酸−グリコール酸共重合体、乳酸−ヒドロ
キシカプロン酸共重合体、グリコール酸−ヒドロキシカ
プロン酸共重合体、ラクチドと、グルコリド、プロピオ
ラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラ
クトン、トリメチレンカーボネート、p−ジオキサノン
からなる群から1種又はそれ以上選ばれる単量体との共
重合体、及びグルコリドと、プロピオラクトン、ブチロ
ラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、トリメチ
レンカーボネート、p−ジオキサノンからなる群から1
種又はそれ以上選ばれる単量体との共重合体等が用いら
れる。特に、生分解性ポリマーとしては、pHによって
収縮性が変化するものが好ましい。
【0030】本発明で用いられる天然高分子化合物とし
ては、澱粉、キトサン等が挙げられる。
【0031】また、高分子重合物としては、親油性のも
のとしてはポリスチレン等が挙げられるが、油相にスチ
レンモノマーまたはスチレンモノマーと(メタ)アクリ
ル酸エステルを含み、エマルション製造時に開始剤等を
用いて重合させ、ポリスチレンまたはスチレン−(メ
タ)アクリル酸エステルの共重合体としてもよい。開始
剤としては、例えばアゾビス系開始剤、レドックス系開
始剤、過酸化ベンゾイル、亜硫酸カリウム等を用いるこ
とができるが、好ましくはアゾビス系開始剤である。
【0032】徐放性エマルション及び徐放性複合エマル
ションの径は、約100μm程度が好ましいが、これに
限るものではなく、用途に応じて適正な径を選定し製造
することが好ましい。
【0033】次に、本発明のエマルションの製造方法に
ついて、以下に詳説する。尚、機能性物質、多孔質粒
子、高分子化合物は、上述のものを用い、ここでの説明
は省略する。
【0034】<O/O/W型徐放性複合エマルションの
製造方法>図1を用いて説明する。予め疎水性の機能性
物質を疎水性の多孔質粒子に含浸させ、次いで、図1
(A)機能性物質を含浸した多孔質粒子12を内油相1
1に分散させる。次に図1(B)に示すように、高分子
化合物または重合性モノマーを含有する溶液を外油相1
0として、この外油相10に上記内油相11を加え、O
/O型エマルションを製造する。次いで、図1(C)に
示すように、このO/O型エマルションを常時振動攪拌
しながら外水相14中に加えO/O/W型エマルション
を製造する。
【0035】<W/O/W型徐放性複合エマルションの
製造方法>図2に示すように、予め親水性機能性物質を
親水性の多孔質粒子に含浸させ、図2(A)に示すよう
に、機能性物質を含浸した多孔質粒子12を内水相16
に分散させる。次に、図2(B)に示すように、疎水性
の高分子化合物または重合性モノマーを含有する溶液を
油相10として、内水相16を常時振動攪拌しながら油
相10に加えW/O型エマルションを製造する。次い
で、図2(C)に示すように、このW/O型エマルショ
ン油相を常時振動攪拌しながら外水相14中に加えW/
O/W型エマルションを製造する。
【0036】<O/W/O型徐放性複合エマルションの
製造方法>図3に示すように、予め疎水性の機能性物質
を疎水性の多孔質粒子に含浸させ、図3(A)に示すよ
うに、機能性物質を含浸した多孔質粒子22を内油相2
0に分散させる。次に、図3(B)に示すように、親水
性の高分子化合物または重合性モノマーを含有する溶液
を水相26として、内油相20を常時振動攪拌しながら
水相26に加えO/W型エマルションを製造する。次い
で、図3(C)に示すように、O/W型エマルションを
常時振動攪拌しながら外油相24中に加えO/W/O型
エマルションを製造する。
【0037】上述のように振動攪拌しながら乳化するこ
とによって、添加量に対する乳化率が加速度的に向上す
る。一方、一般の攪拌装置(例えばホモジナイザー)で
は、添加量に対する乳化率はほぼ一定である。また、エ
マルション製造時に常時振動攪拌を行っているので、乳
化状態、特に複合エマルションの乳化状態を向上させる
ことができ、さらに生成したエマルション同士の合一が
少なく、得られるエマルションの大きさをほぼ均一にす
ることができる。
【0038】また、上述の各種エマルションを硬化させ
ることにより、細孔に機能性物質が含浸された多孔質粒
子を有する徐放性微粒子を製造することができる。
【0039】また、本発明に係る徐放性複合エマルショ
ン及び徐放性微粒子は、上述の徐放性複合エマルション
の分散率、上述の徐放性微粒子の骨格濃度、得られた徐
放性微粒子の細孔径、空隙率、微粒子径、化学的物性、
物理的物性を変化させることにより、含有する多孔質粒
子からの機能性物質の徐放性を変化させることができ
る。
【0040】ここで、徐放性微粒子の「細孔径」及び
「空隙率」を変化させるには、主にエマルション中の水
の体積率を変化することによって変化し、また外水相と
内水相との塩濃度を変化させたり、重合性モノマーを用
いる場合には、架橋剤及び架橋度、乳化時の界面活性剤
及びその濃度により変化させることができる。上記塩と
しては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウムが挙げら
れる。また、上記架橋剤は、使用する重合性モノマーに
応じて選定すればよく、上記界面活性剤は、アニオン界
面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等
いずれのものも用いることができるが、一般にはノニオ
ン界面活性剤を用いる。
【0041】徐放性複合エマルションの「分散率」は、
例えばW/Oにおいて、水相を全体の0.5〜30体積
%(v/v%)の範囲で変化させることにより変化させ
ることができる。
【0042】また、上述の徐放性微粒子の「骨格濃度」
は、溶媒に対する重合性モノマー及び高分子化合物の体
積を変化させることにより変化させることができる。因
みに、スチレンモノマー単独の場合には、溶媒に対して
80〜90体積%含有させることができ、生分解性ポリ
マーは、溶媒に対して20〜30体積%含有させること
ができる。
【0043】また、徐放性微粒子の「微粒子径」は、例
えば「バイブロミキサー」(冷化工業(株)製)を用い
る場合、振動割合(ストローク/秒)を変化させること
により変化させることができ、一方、ホモジナイザーを
用いる場合には、攪拌速度を変化させることにより変化
させることができる。
【0044】また、徐放性微粒子の「化学的物性」は、
例えば環境下のpHを変化させることにより高分子化合
物の官能基が変化して高分子化合物の収縮率が変わった
り、またスチレンコポリマーにおいて同様に共重合させ
た例えばアクリル酸エステルモノマーの官能基が変化し
てポリマーの収縮率が変化する。また、湿度、温度、光
等によっても変化させることができる。
【0045】また、徐放性微粒子の「物理的物性」に
は、上記徐放性微粒子の「細孔径」、「空隙率」、「微
粒子径」以外のものも含む。
【0046】<製造装置の構成>本発明の製造方法に用
いる製造装置の構成の一例について、図4及び図5を用
いて説明する。
【0047】振動攪拌する装置として、例えばバイブロ
ミキサー(冷化工業(株)製)を用いることができる。
そして、複数のバイブロミキサーを並列に連結させ、連
続的に徐放性エマルション及び徐放性複合エマルション
を製造することができる。
【0048】例えば、徐放性エマルションを製造する場
合、図4に示す槽Aに、予め親水性の機能性物質を含浸
した親水性の多孔質粒子を含有する水相を貯留してお
く。一方図4の槽Bには、疎水性の高分子化合物を含む
油相を貯留しておく。そして、槽A及び槽Bからそれぞ
れ水相及び油相をポンプ50a,50bによって流入口
40a,40bを介してバイブロミキサー100aに供
給し、振動源30の振動によって導管内の攪拌体42を
振動攪拌させ、乳化したW/O型エマルションを流出口
44より排出させる。尚、バルブ60a,60b及び後
述するバルブ60cは、攪拌乳化すべき液体の流量を調
節するためのものであり、このバルブ60a,60b,
60cの開度の調整によって流量及び2液の混合比の調
整を行うことができる。
【0049】バイブロミキサー100aは、さらにバイ
ブロミキサー100bと並列に連結されており、バイブ
ロミキサー100aの流出口44から排出されたW/O
型エマルションは、さらにバイブロミキサー100bで
振動攪拌され、さらに均一なW/O型エマルションとな
る。尚、1段で充分に均一乳化された場合には、多段に
する必要はないことは言うまでもない。
【0050】次に、W/O/W型徐放性複合エマルショ
ンを製造する場合には、上述の製造装置で得られたW/
O型エマルションを、バイブロミキサー100mの流入
口40aより吸引し、一方槽Cに貯留された水相は、ポ
ンプ50c及びバルブ60cを介して流入口40bより
吸引される。そして、バイブロミキサー100m内で、
振動源30の振動によって導管内の攪拌体42を振動攪
拌させ、乳化されたW/O/W型エマルションを流出口
44より排出させる。
【0051】バイブロミキサー100mは、さらにバイ
ブロミキサー100nと並列に連結されており、バイブ
ロミキサー100mの流出口44から排出されたW/O
/W型エマルションは、さらにバイブロミキサー100
nで振動攪拌され、さらに均一なW/O/W型エマルシ
ョンとなる。尚、1段で充分に均一乳化された場合に
は、多段にする必要はないことは言うまでもない。
【0052】そして、最終段である第x段のバイブロミ
キサー100xで攪拌振動され、最終生成物である徐放
性のW/O/W型複合エマルションが流出口44より排
出される。
【0053】なお、図4では、バイブロミキサーの攪拌
体42としてスクリュー型のものを用いているが、これ
に限るものではなく、攪拌体42は、複数の貫通孔を有
する円板を複数個軸に固定したディスク型のものであっ
てもよい。また、第2段では、バイブロミキサーの代わ
りに超音波振動装置を用いてもよい。さらに、複合エマ
ルションを製造する第m段では、バイブロミキサーの攪
拌体42は、ディスク型のものを用いるのが好ましい。
【0054】また、O/W/O型徐放性複合エマルショ
ンを製造する場合には、槽Aに、疎水性の機能性物質を
疎水性の多孔質粒子を含有する親水性の高分子化合物を
含む水相を貯留し、一方槽Bに油相を貯留し、槽Cに水
相を貯留し、上述と同様に操作することによってO/W
/O型の徐放性複合エマルションを製造することができ
る。
【0055】図4では、バイブロミキサーを起立させて
(縦置き)、複数のバイブロミキサーを並列に連結させ
たが、これに限るものではなく、図5に示すように、バ
イブロミキサーを寝かせて(横置き)、複数のバイブロ
ミキサーを並列に連結させてもよい。なお、図5には図
4と同様の構成要素に同一の符号を付しその説明を省略
する。また、図5において、図4同様、適宜バイブロミ
キサーの攪拌体42をディスク型にしてもよく、第2段
目に超音波振動装置を用いてもよい。
【0056】図5に示すような構成にすることによっ
て、全装置の設置スペースを縮小することができる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の徐放性複合エマ
ルション及び徐放性微粒子は、機能性物質が多孔質粒子
に含浸されているので、従来の徐放性の各種エマルショ
ンに比べ、徐放効果が高くなる。
【0058】また、本発明に係る徐放性複合エマルショ
ン及び徐放性微粒子は、上述の徐放性複合エマルション
の分散率、上述の徐放性微粒子の骨格濃度、得られた徐
放性微粒子の細孔径、空隙率、微粒子径、化学的物性、
物理的物性を変化させることにより、含有する多孔質粒
子からの機能性物質の徐放性を変化させることができ
る。
【0059】また、本発明に係る徐放性複合エマルショ
ン及び徐放性微粒子の製造方法は、エマルション製造時
に常時振動攪拌を行っているので、乳化状態、特に複合
エマルションの乳化状態を向上させることができ、さら
に生成したエマルション同士の合一が少なく、得られる
エマルションの大きさをほぼ均一にすることができる。
さらに、振動攪拌する装置として、バイブロミキサーを
用い、更に複数のバイブロミキサーを並列に連結させる
ことにより、連続的に、所望の徐放性複合エマルション
を得ることができ、さらにこの徐放性複合エマルション
を硬化させることにより徐放性微粒子を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るO/O/W型の徐放性複合エマ
ルションの製造工程を説明する図である。
【図2】 本発明に係るW/O/W型の徐放性複合エマ
ルションの製造工程を説明する図である。
【図3】 本発明に係るO/W/O型の徐放性複合エマ
ルションの製造工程を説明する図である。
【図4】 本発明に係る徐放性複合エマルション及び徐
放性微粒子を製造する装置構成の一例を示す装置構成概
要図である。
【図5】 本発明に係る徐放性複合エマルション及び徐
放性微粒子を製造する装置構成の一例を示す他の装置構
成概要図である。
【符号の説明】
10 油相、12,22 多孔質粒子、14 外水相、
16 内水相、11,20 内油相、24 外油相、2
6 水相、30 振動原、40a,40b 流入口、4
2 攪拌体、44 流出口、50a,50b,50c
ポンプ、60a,60b,60c バルブ、100a,
100b,100m,100n,100x バイブロミ
キサー。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能性物質を含浸した多孔質粒子を含有
    する液を内水相とし、高分子化合物または重合性モノマ
    ーを含む溶液を油相とするW/O型エマルションを、外
    水相に加えW/O/W型エマルションとすることを特徴
    とする徐放性複合エマルション及びこの徐放性複合エマ
    ルションより生成されることを特徴とする徐放性微粒
    子。
  2. 【請求項2】 機能性物質を含浸した多孔質粒子を含有
    する液を内油相とし、高分子化合物または重合性モノマ
    ーを含む溶液を水相とするO/W型エマルションを、外
    油相に加えO/W/O型エマルションとすることを特徴
    とする徐放性複合エマルション及びこの徐放性複合エマ
    ルションより生成されることを特徴とする徐放性微粒
    子。
  3. 【請求項3】 機能性物質を含浸した多孔質粒子を含有
    する液を内油相とし、高分子化合物または重合性モノマ
    ーを含む溶液を外油相とするO/O型エマルションを、
    外水相に加えO/O/W型エマルションとすることを特
    徴とする徐放性複合エマルション及びこの徐放性複合エ
    マルションより生成されることを特徴とする徐放性微粒
    子。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の徐放性複合エマルション及び徐放性微粒子において、 前記徐放性複合エマルションの分散率、前記徐放性微粒
    子の骨格濃度、得られた徐放性微粒子の細孔径、空隙
    率、微粒子径、化学的物性、物理的物性を変化させるこ
    とにより、含有する前記多孔質粒子からの前記機能性物
    質の徐放性を変化させることを特徴とする徐放性複合エ
    マルション及び徐放性微粒子。
  5. 【請求項5】 予め機能性物質を多孔質粒子に含浸さ
    せ、 前記機能性物質を含浸した多孔質粒子を内水相に分散さ
    せ、 高分子化合物または重合性モノマーを含有する溶液を油
    相として、前記内水相を常時振動攪拌しながら前記油相
    に加えW/O型エマルションを製造し、 前記W/O型エマルションを常時振動攪拌しながら外水
    相中に加えW/O/W型エマルションを製造することを
    特徴とする徐放性複合エマルション及びこの徐放性複合
    エマルションより生成されることを特徴とする徐放性微
    粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 予め機能性物質を多孔質粒子に含浸さ
    せ、 前記機能性物質を含浸した多孔質粒子を内油相に分散さ
    せ、 高分子化合物または重合性モノマーを含有する溶液を水
    相として、前記内油相を常時振動攪拌しながら前記水相
    に加えO/W型エマルションを製造し、 前記O/W型エマルションを常時振動攪拌しながら外油
    相中に加えO/W/O型エマルションを製造することを
    特徴とする徐放性複合エマルション及びこの徐放性複合
    エマルションより生成されることを特徴とする徐放性微
    粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 予め機能性物質を多孔質粒子に含浸さ
    せ、 前記機能性物質を含浸した多孔質粒子を内油相に分散さ
    せ、 高分子化合物または重合性モノマーを含有する溶液を外
    油相として、前記内油相を常時振動攪拌しながら前記外
    相に加えO/O型エマルションを製造し、 前記O/O型エマルションを常時振動攪拌しながら外水
    相中に加えO/O/W型エマルションを製造することを
    特徴とする徐放性複合エマルション及びこの徐放性複合
    エマルションより生成されることを特徴とする徐放性微
    粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5から請求項7のいずれかに記載
    の製造方法において、 前記振動攪拌する装置として、バイブロミキサーを用
    い、更に複数のバイブロミキサーを並列に連結させ、連
    続的に前記徐放性エマルション及び徐放性複合エマルシ
    ョンを製造することを特徴とする徐放性複合エマルショ
    ン及びこの徐放性複合エマルションより生成されること
    を特徴とする徐放性微粒子の製造方法。
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