JP2004364068A - 周波数帯域可変増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御電圧で周波数帯域を切り換え可能とし、装置全体の小型化を図り、またスイッチ等の挿入損失を低く抑え、ポート間のアイソレーションを高く保持すること。
【解決手段】増幅部4の入力側に入力整合回路3を接続し出力側に出力整合回路9を接続した回路を、入力端子1と出力端子2の間にn個接続し、第1〜第nの増幅部のうち、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、各増幅部の入出力インピーダンスと各入出力整合回路の合成インピーダンスとによりオン状態の増幅部の整合周波数を決定する。
【選択図】 図1
【解決手段】増幅部4の入力側に入力整合回路3を接続し出力側に出力整合回路9を接続した回路を、入力端子1と出力端子2の間にn個接続し、第1〜第nの増幅部のうち、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、各増幅部の入出力インピーダンスと各入出力整合回路の合成インピーダンスとによりオン状態の増幅部の整合周波数を決定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の周波数帯域を求められる通信機器や測定器に用いられる周波数帯域切換え機能を有した周波数帯域可変増幅器の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の周波数帯域に対応したマルチバンド増幅器としては、例えば、図14に示す非特許文献1に記載のものがある。図中、101は入力端子、102は出力端子、103、104はバイアス端子、105、106は電界効果トランジスタ、107、108、109は容量素子、110、111、112、113はインダクタである。デュアルバンド増幅器であるこの増幅器は、容量素子108、109、インダクタ112、113から構成され所望周波数でハイインピーダンスとなるLC共振器を出力側に付加することにより、2つの周波数帯域に対応したデュアルバンド増幅器を実現している。
【0003】
図15は従来のマルチバンド増幅器のSパラメータを示したイメージ図である。この図より、従来のマルチバンド増幅器は所望周波数f1およびf2で利得を得ることができる。S11は入力反射係数、S21は入力端子から出力端子への透過係数である。
【0004】
一方、複数の周波数帯域を可変させる増幅器としては、例えば、図16に示す非特許文献2に記載のものがある。図中、121は周波数帯域f1の入力端子、122は周波数帯域f2の入力端子、123は周波数帯域f1の出力端子、124は周波数帯域f2の出力端子、125、126は周波数帯域f1用の信号切換端子、127、128は周波数帯域f2用信号切換端子、129はバイアス端子、130、131、132、133はバイポーラトランジスタ、134、135、136は容量素子、137、138、139、140、141、142はインダクタ、143、144、145、146は伝送線路、147、148はスイッチである。
【0005】
この増幅器では信号切換端子125〜128により、周波数帯域f1のモードではバイポーラトランジスタ130、131をオン状態、バイポーラトランジスタ132、133をオフ状態、周波数帯域f2のモードではバイポーラトランジスタ130、131をオフ状態、バイポーラトランジスタ132、133をオン状態として動作させることにより、所望する周波数帯域を切り換え、その周波数帯域において利得を得ることが出来る。
【0006】
【非特許文献1】ホセイン ハシェミ、アリ ハジミリ著、「平行デュアルバンドCMOS低雑音増幅器と受信器の構成」、VLSI回路シンポジウム、2001年、247−250頁(Hossein Hashemi,and Ali Hajimiri, ”Concurrent Dual−Band CMOS Low Noise Amplifiers and Receiver Architectures,” Symposium on VLSI Circuits 2001.p.247−250)。
【0007】
【非特許文献2】ジュシー リーナネン、カール キベカス、ヤルッコ ユシュラ、アールノ パルシネン、カリ、A.I.ハロネン著、「WCDMAおよびGSM用デュアルバンドRFフロントエンド」、IEEE ジャーナルオブソリッドステートサーキッツ、第36巻、8号、2001年8月、1198−1204頁(Jussi Ryynanen,Kalle Kivekas,Jarkko Jussila,Aarno Parssinen,and Kari A.I.Halonen,“A Dual−Band RF Front−End for WCDMA and GSM Applicatinons,” IEEE Journal of Solid−State Circuits vol.36, No.8, p.1198−1204,August 2001)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図14に示すマルチバンド増幅器の例では、複数の周波数帯域で利得を持つため、所望する周波数帯域以外の周波数帯域に入力した不要波信号についても増幅されるという問題点があった。さらに前記不要波信号を除去するためにはフィルタ回路が必要となり、回路規模も大きくなるという問題点があった。
【0009】
また、図16に示す周波数帯域可変増幅器の例では、所望する周波数帯域に対しそれぞれ入出力端子を持つため、外部にスイッチが必要となり、装置全体として回路規模が大きくなるという問題点があった。さらにスイッチとして挿入損失が低く、アイソレーションが高いものが必要となるという問題点があった。
【0010】
本発明の目的は、制御電圧で周波数帯域を切り換え可能とし、スイッチやフィルタ等の外部回路を使用しないことにより装置全体の小型化をはかり、また外部回路を使用した場合と比較し挿入損失を低く抑えることやポート間のアイソレーションを高く保つことが可能となった周波数帯域可変増幅器を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、第1の増幅部の入力側を第1の入力整合回路の出力側に接続し、前記第1の増幅部の出力側を第1の出力整合回路の入力側に接続し、第2の増幅部の入力側を第2の入力整合回路の出力側に接続し、前記第2の増幅部の出力側を第2の出力整合回路の入力側に接続し、・・・・、第nの増幅部の入力側を第nの入力整合回路の出力側に接続し、前記第nの増幅部の出力側を第nの出力整合回路の入力側に接続し、入力端子を前記第1〜第nの入力整合回路のそれぞれの入力側に接続し、出力端子を前記第1〜第nの出力整合回路のそれぞれの出力側に接続し、前記第1〜第nの増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、前記第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと第1〜第nの入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスの合成により前記オン状態の増幅部の整合周波数が決定されるようにしたことを特徴とする周波数帯域可変増幅器とした。
【0012】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の周波数帯域可変増幅器において、前記第1〜第nの増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、前記第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと第1〜第nの入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスの合成によりオン状態の増幅部の整合周波数と抑圧周波数が決定されるようにしたことを特徴とする周波数帯域可変増幅器とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の周波数帯域可変増幅器の構成を示すブロック図であって、請求項1の発明に対応する。図1中、1は入力端子、2は出力端子、3、4、5は入力整合回路、6、7、8は増幅部、9、10、11は出力整合回路である。
【0014】
第1の増幅部6の入力側を第1の入力整合回路3の出力側に接続し、第1の増幅部6の出力側を第1の出力整合回路9の入力側に接続し、第2の増幅部7の入力側を第2の入力整合回路4の出力側に接続し、第2の増幅部7の出力側を第2の出力整合回路10の入力側に接続し、・・・、第nの増幅部8の入力側を第nの入力整合回路5の出力側に接続し、第nの増幅部8の出力側を第nの出力整合回路11の入力側に接続し、入力端子1を第1の入力整合回路3の入力側および第2の入力整合回路4の入力側および・・・第nの入力整合回路5の入力側に接続し、出力端子2を第1の出力整合回路9の出力側および第2の出力整合回路10の出力側および・・・第nの出力整合回路11の出力側に接続し、n個の増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、前記第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスの合成により前記オン状態の増幅部の整合周波数を決定することで周波数帯域を切換えている。これにより、オン状態の増幅部に対し入力整合回路部分と出力整合回路部分を所望周波数帯域毎に整合するよう設計することにより、スイッチ等の外部回路を使用せず、制御電圧により周波数帯域を切り換えることが可能である。
【0015】
ここで、増幅部を2個使用し2個の周波数帯域を切り換える場合の動作を図2、3、4を用いて説明する。
【0016】
図2は増幅部を2個使用した場合の周波数帯域可変増幅器のブロック図である。図中、21は入力端子、22は出力端子、23、24は入力整合回路、25、26は増幅部、27、28は出力整合回路である。第1の増幅部25の入力側を第1の入力整合回路23の出力側に接続し、第1の増幅部25の出力側を第1の出力整合回路27の入力側に接続し、第2の増幅部26の入力側を第2の入力整合回路24の出力側に接続し、第2の増幅部26の出力側を第2の出力整合回路28の入力側に接続し、入力端子21を第1の入力整合回路23の入力側および第1の入力整合回路24の入力側に接続し、出力端子22を第1の出力整合回路27の出力側および第1の出力整合回路28の出力側に接続している。この増幅器は第1、第2の増幅部25、26のいずれか一方をオフ、他方をオンすることにより、異なる周波数帯域を持つ2つのモードで動作する。
【0017】
図3は周波数帯域1で動作するモードにおける増幅器の構成を示すブロック図であり、図2における増幅部25がオン状態、増幅部26がオフ状態となっている。図中、29は図2の増幅部26をオフ状態としたときの当該増幅部26の入力インピーダンスの等価回路、30は出力インピーダンスの等価回路である。
【0018】
また、図4は周波数帯域2で動作するモードでの増幅器の構成を示すブロック図であり、図2における増幅部25がオフ状態、増幅部26がオン状態となっている。図中、31は図2の増幅部25をオフ状態としたときの当該増幅部25の入力インピーダンスの等価回路、32は出力インピーダンスの等価回路である。
【0019】
図3で示す周波数帯域1で動作するモードでは、オン状態にある増幅部25が周波数帯域1で整合するよう、入力側では入力整合回路23、24、および等価回路29で入力整合回路部分を形成し、出力側では出力整合回路27、28、および等価回路30で出力整合回路部分を形成するよう設計する。
【0020】
同様にして図4で示す周波数帯域2で動作するモードでは、増幅部26が周波数帯域2で整合するよう、入力側では入力整合回路23、24、および等価回路31で入力整合回路部分を形成し、出力側では入力整合回路27、28、および等価回路32で出力整合回路部分を形成するよう設計する。
【0021】
上記のように設計することにより、スイッチではなく増幅部25と26をオン/オフするための制御電圧の切換えにより、増幅部25と26を切り換えることが可能となる。
【0022】
図5は周波数帯域1および2で動作するモードにおける入力整合の過程を模式的に示すスミスチャートである。図5中、a、b、cはそれぞれ図3で示したA、B、C点での入力反射係数S11を、d、e、fはそれぞれ図4で示したD、E、F点での入力反射係数S11を示している。
【0023】
周波数帯域1で動作するモードではA点に入力整合回路23を付加することにより、入力反射係数S11はaからbに変化する、さらにB点に入力整合回路24および等価回路29を付加することにより、入力反射係数S11はbからcに変化し、50Ωに整合していることがわかる。
【0024】
同様にして、周波数帯域2で動作するモードではD点に入力整合回路24を付加することにより、入力反射係数S11はdからeに変化する。さらにE点に入力整合回路23および等価回路31を付加することにより、入力反射係数S11はeからfに変化し、50Ωに整合していることがわかる。
【0025】
従って、オン状態の増幅部に対し入出力の整合回路部分を所望周波数帯域毎に整合するよう設計することにより、スイッチ等の外部回路ではなく、増幅部をオン/オフするための制御電圧により周波数帯域を切り換えることができる。
【0026】
図6は本発明の第1の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例の回路図である。図中、41は入力端子、42は出力端子、43、44、45、46は増幅部のオン/オフ切換電圧が印加する制御端子、47、48は増幅部を構成する電界効果トランジスタ、49、50、51、52、53、54は容量素子、55、56、57、58、59、60、61、62はインダクタ、63、64は抵抗素子である。
【0027】
この具体例では4GHz又は6GHzの周波数帯域に切り換えるよう各パラメータ(素子定数)を設定している。図6中の電界効果トランジスタ47、48のゲート長は0.3μm、ゲート幅は150μm、容量素子49、50、51、52、53、54の容量値はそれおぞれ、8.47pF、1.0pF、9.99pF、0.67pF、1.0pF、1.36pF、インダクタ55、56、57、58、59、60、61、62のインダクタンス値はそれぞれ、20nH、10.2nH、1.2nH、3.2nH、0.7nH、3.8nH、1.2nH、20nH、抵抗素子63、64の抵抗値は2kΩ、入出力のインピーダンスは50Ωである。
【0028】
図7、8は図6に示す本発明の周波数帯域可変増幅器の具体例のSパラメータシミュレーション結果を示したものであり、図7は図6中の制御端子43、44、45、46の電圧を切り換えることにより、図6中の電界効果トランジスタ48をオフ状態、電界効果トランジスタ47をオン状態にした場合のシミュレーション結果であり、図8は図6中の電界効果トランジスタ47をオフ状態、電界効果トランジスタ48をオン状態にした場合のシミュレーション結果である。図7、8が示すとおり、電界効果トランジスタ47、48をオン、オフすることにより、本実施形態の増幅器は周波数帯域を切り換えることが出来る事がわかる。
【0029】
図9は図6に示す本発明の周波数帯域可変増幅器の具体例の入力整合の過程を示すスミスチャートであり、a、b、cはそれぞれ図6で示したA、B、C点での電界効果トランジスタ48がオフ時の入力反射係数S11を示し、d、e、fはそれぞれ図6で示したD、E、F点での電界効果トランジスタ47がオフ時の入力反射係数S11を示している。周波数帯域4GHzモードではA点の入力反射係数S11はaからbそしてcに移動し、c点でほぼ50Ωに整合している。同様にして、周波数帯域6GHzモードではD点の入力整合回路はdからeそしてfに移動し、f点ではほぼ50Ωに整合していることがわかる。
【0030】
[第2の実施形態]
図10は本発明の第2の実施形態の周波数帯域可変増幅器の構成を示すブロック図であって、請求項2の発明に対応する。本実施形態の周波数帯域可変増幅器は、その回路構成は図1に示したものと同じであるが、ここではオフ状態の増幅部の入力および出力インピーダンスと入出力整合回路からなる整合回路部分のインピーダンスに所望する帯域以外を抑圧する機能を併せ持たせている。図10中、1は入力端子、2は出力端子、3、4、5は入力整合回路、6、7、8は増幅部、9、10、11は出力整合回路である。
【0031】
第1の増幅部6の入力側を第1の入力整合回路3の出力側に接続し、第1の増幅部6の出力側を第1の出力整合回路9の入力側に接続し、第2の増幅部7の入力側を第2の入力整合回路4の出力側に接続し、第2の増幅部7の出力側を第22の出力整合回路10の入力側に接続し、・・・第nの増幅部8の入力側を第nの入力整合回路5の出力側に接続し、第nの増幅部8の出力側を第nの出力整合回路11の入力側に接続し、入力端子1を第1の入力整合回路3の入力側および第2の入力整合回路4の入力側および・・・第nの入力整合回路5の入力側に接続し、出力端子2を第1の出力整合回路9の出力側および第2の出力整合回路10の出力側および・・・第nの出力整合回路11の出力側に接続し、n個の増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと第1〜第nの増幅部の入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスが、オン状態の増幅部の整合回路部分と抑圧回路部分として動作することで周波数帯域を切り換えるとともに不要波抑圧機能を持たせている。
【0032】
図11は本発明の第2の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例の回路図であり、増幅部を2個使用し2個の周波数帯域を切り換える場合についてのものである。図11中、71は入力端子、72は出力端子、73、74、75、76は増幅部のオン/オフ切換電圧が印加する制御端子、77、78は増幅部を構成する電界効果トランジスタ、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88は容量素子、89、90、91、92、93、94、95はインダクタ、96、97は抵抗素子である。
【0033】
図11中の電界効果トランジスタ77、78のゲート長は0.3μm、ゲート幅は150μm、容量素子79、80、81、82、83、84、85、86、87、88の容量値はそれぞれ、12.41pF、0.40pF、1.0pF、0.25pF、9.94pF、0.98pF、0.02pF、1.0pF、0.42pF、3.82pF、インダクタ89、90、91、92、93、94、95のインダクタンス値はそれぞれ、14.17nH、2.96nH、3.72nH、1.34nH、0.60nH、3.58nH、14.01nH、抵抗素子96、97の抵抗値は2kΩ、入出力のインピーダンスは50Ωである。
【0034】
図12、13は図11に示す本発明の周波数帯域可変増幅器の具体例のSパラメータシミュレーション結果を示したものであり、図12は図11中の電界効果トランジスタ78をオフ状態、電界効果トランジスタ77をオン状態にした場合のシミュレーション結果を示し、図13は図11中の電界効果トランジスタ77をオフ状態、電界効果トランジスタ78をオン状態にした場合のシミュレーション結果を示す。この具体例では4GHz又は6GHzの周波数帯域に切り換えるよう各パラメータ(素子定数)を設定している。図12、13が示すとおり、電界効果トランジスタをオン、オフすることにより、本実施形態の増幅器は所望波の波数帯域を切り換えるとともに、不要波を抑圧することが出来る事がわかる。
【0035】
[その他の実施形態]
なお、複数個の増幅部のうちの、2つ以上の増幅部をオン状態とし残りをオフ状状態としたときは、当該オン状態の各増幅部の入力および出力インピーダンス並びに当該オン状態の各増幅部に接続された入力および出力整合回路のインピーダンスも互いに影響し合うため、増幅周波数帯も当該オン状態のぞれぞれの増幅部が担う周波数帯とは異なった別の周波数帯にすることが可能となる。
【0036】
また、以上述べた実施形態は全て本発明の実施形態を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様および変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲およびその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【0037】
【発明の効果】
以上から本発明によれば、制御電圧により増幅周波数帯域を切り換えることが出来、またフィルタやスイッチ等の外部回路が不要となるため、装置全体として小型化を実現することが可能である。また、外部回路を使用した場合と比較し挿入損失を低く抑えることやポート間のアイソレーションを高く保つことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の周波数帯域可変増幅器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の周波数帯域可変増幅器において2つ周波数帯域を切り換える構成を示すブロック図である。
【図3】図2の周波数帯域可変増幅器において周波数帯域1で動作するモードにおける構成を示すブロック図である。
【図4】図2の周波数帯域可変増幅器において周波数帯域2で動作するモードにおける構成を示すブロック図である。
【図5】図2の周波数帯域可変増幅器において周波数帯域の2個のモードにおける入力整合の過程を示すスミスチャートである。
【図6】図2の周波数帯域可変増幅器の具体例を示す回路図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図6)における周波数帯域4GHzのモードでのSパラメータシミュレーション結果である。
【図8】本発明の第1の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図6)における周波数帯域6GHzのモードでのSパラメータシミュレーション結果である。
【図9】本発明の第1の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図6)の入力整合の過程を示すスミスチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態の周波数帯域可変増幅器の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の周波数帯域可変増幅器において2つ周波数帯域を切り換える具体例を示す回路図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図11)における周波数帯域4GHzモードでのSパラメータシミュレーション結果である。
【図13】本発明の第2の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図11)における周波数帯域6GHzモードでのSパラメータシミュレーション結果である。
【図14】従来のマルチバンド増幅器を示す回路図である。
【図15】図14のマルチバンド増幅器のSパラメータのイメージ図である。
【図16】従来の周波数帯域可変増幅器を示す回路図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の周波数帯域を求められる通信機器や測定器に用いられる周波数帯域切換え機能を有した周波数帯域可変増幅器の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の周波数帯域に対応したマルチバンド増幅器としては、例えば、図14に示す非特許文献1に記載のものがある。図中、101は入力端子、102は出力端子、103、104はバイアス端子、105、106は電界効果トランジスタ、107、108、109は容量素子、110、111、112、113はインダクタである。デュアルバンド増幅器であるこの増幅器は、容量素子108、109、インダクタ112、113から構成され所望周波数でハイインピーダンスとなるLC共振器を出力側に付加することにより、2つの周波数帯域に対応したデュアルバンド増幅器を実現している。
【0003】
図15は従来のマルチバンド増幅器のSパラメータを示したイメージ図である。この図より、従来のマルチバンド増幅器は所望周波数f1およびf2で利得を得ることができる。S11は入力反射係数、S21は入力端子から出力端子への透過係数である。
【0004】
一方、複数の周波数帯域を可変させる増幅器としては、例えば、図16に示す非特許文献2に記載のものがある。図中、121は周波数帯域f1の入力端子、122は周波数帯域f2の入力端子、123は周波数帯域f1の出力端子、124は周波数帯域f2の出力端子、125、126は周波数帯域f1用の信号切換端子、127、128は周波数帯域f2用信号切換端子、129はバイアス端子、130、131、132、133はバイポーラトランジスタ、134、135、136は容量素子、137、138、139、140、141、142はインダクタ、143、144、145、146は伝送線路、147、148はスイッチである。
【0005】
この増幅器では信号切換端子125〜128により、周波数帯域f1のモードではバイポーラトランジスタ130、131をオン状態、バイポーラトランジスタ132、133をオフ状態、周波数帯域f2のモードではバイポーラトランジスタ130、131をオフ状態、バイポーラトランジスタ132、133をオン状態として動作させることにより、所望する周波数帯域を切り換え、その周波数帯域において利得を得ることが出来る。
【0006】
【非特許文献1】ホセイン ハシェミ、アリ ハジミリ著、「平行デュアルバンドCMOS低雑音増幅器と受信器の構成」、VLSI回路シンポジウム、2001年、247−250頁(Hossein Hashemi,and Ali Hajimiri, ”Concurrent Dual−Band CMOS Low Noise Amplifiers and Receiver Architectures,” Symposium on VLSI Circuits 2001.p.247−250)。
【0007】
【非特許文献2】ジュシー リーナネン、カール キベカス、ヤルッコ ユシュラ、アールノ パルシネン、カリ、A.I.ハロネン著、「WCDMAおよびGSM用デュアルバンドRFフロントエンド」、IEEE ジャーナルオブソリッドステートサーキッツ、第36巻、8号、2001年8月、1198−1204頁(Jussi Ryynanen,Kalle Kivekas,Jarkko Jussila,Aarno Parssinen,and Kari A.I.Halonen,“A Dual−Band RF Front−End for WCDMA and GSM Applicatinons,” IEEE Journal of Solid−State Circuits vol.36, No.8, p.1198−1204,August 2001)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図14に示すマルチバンド増幅器の例では、複数の周波数帯域で利得を持つため、所望する周波数帯域以外の周波数帯域に入力した不要波信号についても増幅されるという問題点があった。さらに前記不要波信号を除去するためにはフィルタ回路が必要となり、回路規模も大きくなるという問題点があった。
【0009】
また、図16に示す周波数帯域可変増幅器の例では、所望する周波数帯域に対しそれぞれ入出力端子を持つため、外部にスイッチが必要となり、装置全体として回路規模が大きくなるという問題点があった。さらにスイッチとして挿入損失が低く、アイソレーションが高いものが必要となるという問題点があった。
【0010】
本発明の目的は、制御電圧で周波数帯域を切り換え可能とし、スイッチやフィルタ等の外部回路を使用しないことにより装置全体の小型化をはかり、また外部回路を使用した場合と比較し挿入損失を低く抑えることやポート間のアイソレーションを高く保つことが可能となった周波数帯域可変増幅器を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、第1の増幅部の入力側を第1の入力整合回路の出力側に接続し、前記第1の増幅部の出力側を第1の出力整合回路の入力側に接続し、第2の増幅部の入力側を第2の入力整合回路の出力側に接続し、前記第2の増幅部の出力側を第2の出力整合回路の入力側に接続し、・・・・、第nの増幅部の入力側を第nの入力整合回路の出力側に接続し、前記第nの増幅部の出力側を第nの出力整合回路の入力側に接続し、入力端子を前記第1〜第nの入力整合回路のそれぞれの入力側に接続し、出力端子を前記第1〜第nの出力整合回路のそれぞれの出力側に接続し、前記第1〜第nの増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、前記第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと第1〜第nの入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスの合成により前記オン状態の増幅部の整合周波数が決定されるようにしたことを特徴とする周波数帯域可変増幅器とした。
【0012】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の周波数帯域可変増幅器において、前記第1〜第nの増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、前記第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと第1〜第nの入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスの合成によりオン状態の増幅部の整合周波数と抑圧周波数が決定されるようにしたことを特徴とする周波数帯域可変増幅器とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の周波数帯域可変増幅器の構成を示すブロック図であって、請求項1の発明に対応する。図1中、1は入力端子、2は出力端子、3、4、5は入力整合回路、6、7、8は増幅部、9、10、11は出力整合回路である。
【0014】
第1の増幅部6の入力側を第1の入力整合回路3の出力側に接続し、第1の増幅部6の出力側を第1の出力整合回路9の入力側に接続し、第2の増幅部7の入力側を第2の入力整合回路4の出力側に接続し、第2の増幅部7の出力側を第2の出力整合回路10の入力側に接続し、・・・、第nの増幅部8の入力側を第nの入力整合回路5の出力側に接続し、第nの増幅部8の出力側を第nの出力整合回路11の入力側に接続し、入力端子1を第1の入力整合回路3の入力側および第2の入力整合回路4の入力側および・・・第nの入力整合回路5の入力側に接続し、出力端子2を第1の出力整合回路9の出力側および第2の出力整合回路10の出力側および・・・第nの出力整合回路11の出力側に接続し、n個の増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、前記第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスの合成により前記オン状態の増幅部の整合周波数を決定することで周波数帯域を切換えている。これにより、オン状態の増幅部に対し入力整合回路部分と出力整合回路部分を所望周波数帯域毎に整合するよう設計することにより、スイッチ等の外部回路を使用せず、制御電圧により周波数帯域を切り換えることが可能である。
【0015】
ここで、増幅部を2個使用し2個の周波数帯域を切り換える場合の動作を図2、3、4を用いて説明する。
【0016】
図2は増幅部を2個使用した場合の周波数帯域可変増幅器のブロック図である。図中、21は入力端子、22は出力端子、23、24は入力整合回路、25、26は増幅部、27、28は出力整合回路である。第1の増幅部25の入力側を第1の入力整合回路23の出力側に接続し、第1の増幅部25の出力側を第1の出力整合回路27の入力側に接続し、第2の増幅部26の入力側を第2の入力整合回路24の出力側に接続し、第2の増幅部26の出力側を第2の出力整合回路28の入力側に接続し、入力端子21を第1の入力整合回路23の入力側および第1の入力整合回路24の入力側に接続し、出力端子22を第1の出力整合回路27の出力側および第1の出力整合回路28の出力側に接続している。この増幅器は第1、第2の増幅部25、26のいずれか一方をオフ、他方をオンすることにより、異なる周波数帯域を持つ2つのモードで動作する。
【0017】
図3は周波数帯域1で動作するモードにおける増幅器の構成を示すブロック図であり、図2における増幅部25がオン状態、増幅部26がオフ状態となっている。図中、29は図2の増幅部26をオフ状態としたときの当該増幅部26の入力インピーダンスの等価回路、30は出力インピーダンスの等価回路である。
【0018】
また、図4は周波数帯域2で動作するモードでの増幅器の構成を示すブロック図であり、図2における増幅部25がオフ状態、増幅部26がオン状態となっている。図中、31は図2の増幅部25をオフ状態としたときの当該増幅部25の入力インピーダンスの等価回路、32は出力インピーダンスの等価回路である。
【0019】
図3で示す周波数帯域1で動作するモードでは、オン状態にある増幅部25が周波数帯域1で整合するよう、入力側では入力整合回路23、24、および等価回路29で入力整合回路部分を形成し、出力側では出力整合回路27、28、および等価回路30で出力整合回路部分を形成するよう設計する。
【0020】
同様にして図4で示す周波数帯域2で動作するモードでは、増幅部26が周波数帯域2で整合するよう、入力側では入力整合回路23、24、および等価回路31で入力整合回路部分を形成し、出力側では入力整合回路27、28、および等価回路32で出力整合回路部分を形成するよう設計する。
【0021】
上記のように設計することにより、スイッチではなく増幅部25と26をオン/オフするための制御電圧の切換えにより、増幅部25と26を切り換えることが可能となる。
【0022】
図5は周波数帯域1および2で動作するモードにおける入力整合の過程を模式的に示すスミスチャートである。図5中、a、b、cはそれぞれ図3で示したA、B、C点での入力反射係数S11を、d、e、fはそれぞれ図4で示したD、E、F点での入力反射係数S11を示している。
【0023】
周波数帯域1で動作するモードではA点に入力整合回路23を付加することにより、入力反射係数S11はaからbに変化する、さらにB点に入力整合回路24および等価回路29を付加することにより、入力反射係数S11はbからcに変化し、50Ωに整合していることがわかる。
【0024】
同様にして、周波数帯域2で動作するモードではD点に入力整合回路24を付加することにより、入力反射係数S11はdからeに変化する。さらにE点に入力整合回路23および等価回路31を付加することにより、入力反射係数S11はeからfに変化し、50Ωに整合していることがわかる。
【0025】
従って、オン状態の増幅部に対し入出力の整合回路部分を所望周波数帯域毎に整合するよう設計することにより、スイッチ等の外部回路ではなく、増幅部をオン/オフするための制御電圧により周波数帯域を切り換えることができる。
【0026】
図6は本発明の第1の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例の回路図である。図中、41は入力端子、42は出力端子、43、44、45、46は増幅部のオン/オフ切換電圧が印加する制御端子、47、48は増幅部を構成する電界効果トランジスタ、49、50、51、52、53、54は容量素子、55、56、57、58、59、60、61、62はインダクタ、63、64は抵抗素子である。
【0027】
この具体例では4GHz又は6GHzの周波数帯域に切り換えるよう各パラメータ(素子定数)を設定している。図6中の電界効果トランジスタ47、48のゲート長は0.3μm、ゲート幅は150μm、容量素子49、50、51、52、53、54の容量値はそれおぞれ、8.47pF、1.0pF、9.99pF、0.67pF、1.0pF、1.36pF、インダクタ55、56、57、58、59、60、61、62のインダクタンス値はそれぞれ、20nH、10.2nH、1.2nH、3.2nH、0.7nH、3.8nH、1.2nH、20nH、抵抗素子63、64の抵抗値は2kΩ、入出力のインピーダンスは50Ωである。
【0028】
図7、8は図6に示す本発明の周波数帯域可変増幅器の具体例のSパラメータシミュレーション結果を示したものであり、図7は図6中の制御端子43、44、45、46の電圧を切り換えることにより、図6中の電界効果トランジスタ48をオフ状態、電界効果トランジスタ47をオン状態にした場合のシミュレーション結果であり、図8は図6中の電界効果トランジスタ47をオフ状態、電界効果トランジスタ48をオン状態にした場合のシミュレーション結果である。図7、8が示すとおり、電界効果トランジスタ47、48をオン、オフすることにより、本実施形態の増幅器は周波数帯域を切り換えることが出来る事がわかる。
【0029】
図9は図6に示す本発明の周波数帯域可変増幅器の具体例の入力整合の過程を示すスミスチャートであり、a、b、cはそれぞれ図6で示したA、B、C点での電界効果トランジスタ48がオフ時の入力反射係数S11を示し、d、e、fはそれぞれ図6で示したD、E、F点での電界効果トランジスタ47がオフ時の入力反射係数S11を示している。周波数帯域4GHzモードではA点の入力反射係数S11はaからbそしてcに移動し、c点でほぼ50Ωに整合している。同様にして、周波数帯域6GHzモードではD点の入力整合回路はdからeそしてfに移動し、f点ではほぼ50Ωに整合していることがわかる。
【0030】
[第2の実施形態]
図10は本発明の第2の実施形態の周波数帯域可変増幅器の構成を示すブロック図であって、請求項2の発明に対応する。本実施形態の周波数帯域可変増幅器は、その回路構成は図1に示したものと同じであるが、ここではオフ状態の増幅部の入力および出力インピーダンスと入出力整合回路からなる整合回路部分のインピーダンスに所望する帯域以外を抑圧する機能を併せ持たせている。図10中、1は入力端子、2は出力端子、3、4、5は入力整合回路、6、7、8は増幅部、9、10、11は出力整合回路である。
【0031】
第1の増幅部6の入力側を第1の入力整合回路3の出力側に接続し、第1の増幅部6の出力側を第1の出力整合回路9の入力側に接続し、第2の増幅部7の入力側を第2の入力整合回路4の出力側に接続し、第2の増幅部7の出力側を第22の出力整合回路10の入力側に接続し、・・・第nの増幅部8の入力側を第nの入力整合回路5の出力側に接続し、第nの増幅部8の出力側を第nの出力整合回路11の入力側に接続し、入力端子1を第1の入力整合回路3の入力側および第2の入力整合回路4の入力側および・・・第nの入力整合回路5の入力側に接続し、出力端子2を第1の出力整合回路9の出力側および第2の出力整合回路10の出力側および・・・第nの出力整合回路11の出力側に接続し、n個の増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと第1〜第nの増幅部の入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスが、オン状態の増幅部の整合回路部分と抑圧回路部分として動作することで周波数帯域を切り換えるとともに不要波抑圧機能を持たせている。
【0032】
図11は本発明の第2の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例の回路図であり、増幅部を2個使用し2個の周波数帯域を切り換える場合についてのものである。図11中、71は入力端子、72は出力端子、73、74、75、76は増幅部のオン/オフ切換電圧が印加する制御端子、77、78は増幅部を構成する電界効果トランジスタ、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88は容量素子、89、90、91、92、93、94、95はインダクタ、96、97は抵抗素子である。
【0033】
図11中の電界効果トランジスタ77、78のゲート長は0.3μm、ゲート幅は150μm、容量素子79、80、81、82、83、84、85、86、87、88の容量値はそれぞれ、12.41pF、0.40pF、1.0pF、0.25pF、9.94pF、0.98pF、0.02pF、1.0pF、0.42pF、3.82pF、インダクタ89、90、91、92、93、94、95のインダクタンス値はそれぞれ、14.17nH、2.96nH、3.72nH、1.34nH、0.60nH、3.58nH、14.01nH、抵抗素子96、97の抵抗値は2kΩ、入出力のインピーダンスは50Ωである。
【0034】
図12、13は図11に示す本発明の周波数帯域可変増幅器の具体例のSパラメータシミュレーション結果を示したものであり、図12は図11中の電界効果トランジスタ78をオフ状態、電界効果トランジスタ77をオン状態にした場合のシミュレーション結果を示し、図13は図11中の電界効果トランジスタ77をオフ状態、電界効果トランジスタ78をオン状態にした場合のシミュレーション結果を示す。この具体例では4GHz又は6GHzの周波数帯域に切り換えるよう各パラメータ(素子定数)を設定している。図12、13が示すとおり、電界効果トランジスタをオン、オフすることにより、本実施形態の増幅器は所望波の波数帯域を切り換えるとともに、不要波を抑圧することが出来る事がわかる。
【0035】
[その他の実施形態]
なお、複数個の増幅部のうちの、2つ以上の増幅部をオン状態とし残りをオフ状状態としたときは、当該オン状態の各増幅部の入力および出力インピーダンス並びに当該オン状態の各増幅部に接続された入力および出力整合回路のインピーダンスも互いに影響し合うため、増幅周波数帯も当該オン状態のぞれぞれの増幅部が担う周波数帯とは異なった別の周波数帯にすることが可能となる。
【0036】
また、以上述べた実施形態は全て本発明の実施形態を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様および変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲およびその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【0037】
【発明の効果】
以上から本発明によれば、制御電圧により増幅周波数帯域を切り換えることが出来、またフィルタやスイッチ等の外部回路が不要となるため、装置全体として小型化を実現することが可能である。また、外部回路を使用した場合と比較し挿入損失を低く抑えることやポート間のアイソレーションを高く保つことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の周波数帯域可変増幅器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の周波数帯域可変増幅器において2つ周波数帯域を切り換える構成を示すブロック図である。
【図3】図2の周波数帯域可変増幅器において周波数帯域1で動作するモードにおける構成を示すブロック図である。
【図4】図2の周波数帯域可変増幅器において周波数帯域2で動作するモードにおける構成を示すブロック図である。
【図5】図2の周波数帯域可変増幅器において周波数帯域の2個のモードにおける入力整合の過程を示すスミスチャートである。
【図6】図2の周波数帯域可変増幅器の具体例を示す回路図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図6)における周波数帯域4GHzのモードでのSパラメータシミュレーション結果である。
【図8】本発明の第1の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図6)における周波数帯域6GHzのモードでのSパラメータシミュレーション結果である。
【図9】本発明の第1の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図6)の入力整合の過程を示すスミスチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態の周波数帯域可変増幅器の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の周波数帯域可変増幅器において2つ周波数帯域を切り換える具体例を示す回路図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図11)における周波数帯域4GHzモードでのSパラメータシミュレーション結果である。
【図13】本発明の第2の実施形態に基づく周波数帯域可変増幅器の具体例(図11)における周波数帯域6GHzモードでのSパラメータシミュレーション結果である。
【図14】従来のマルチバンド増幅器を示す回路図である。
【図15】図14のマルチバンド増幅器のSパラメータのイメージ図である。
【図16】従来の周波数帯域可変増幅器を示す回路図である。
Claims (2)
- 第1の増幅部の入力側を第1の入力整合回路の出力側に接続し、前記第1の増幅部の出力側を第1の出力整合回路の入力側に接続し、
第2の増幅部の入力側を第2の入力整合回路の出力側に接続し、前記第2の増幅部の出力側を第2の出力整合回路の入力側に接続し、
:
:
第nの増幅部の入力側を第nの入力整合回路の出力側に接続し、前記第nの増幅部の出力側を第nの出力整合回路の入力側に接続し、
入力端子を前記第1〜第nの入力整合回路のそれぞれの入力側に接続し、
出力端子を前記第1〜第nの出力整合回路のそれぞれの出力側に接続し、
前記第1〜第nの増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、前記第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと第1〜第nの入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスの合成により前記オン状態の増幅部の整合周波数が決定されるようにしたことを特徴とする周波数帯域可変増幅器。 - 請求項1に記載の周波数帯域可変増幅器において、
前記第1〜第nの増幅部のうちの、1又は2以上の増幅部をオン状態としたとき、前記第1〜第nの増幅部の入力および出力インピーダンスと第1〜第nの入力整合回路および出力整合回路のインピーダンスの合成によりオン状態の増幅部の整合周波数と抑圧周波数が決定されるようにしたことを特徴とする周波数帯域可変増幅器。
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