JP2004362417A - 画像ファイルの読み取り方法、画像ファイル読み取り装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像ファイルを入力し(ステップS1)、色空間識別タグの内容に基づいて画像ファイルの色空間がsRGBであるか否かを判定して(ステップS3)、sRGBでない場合は色空間情報タグを読み取り(ステップS4)、その内容に基づいて初期変換マトリックスを再構築して、主画像データの色空間をAdobeRGBから固有色空間に変換するための変換マトリックスを算出する(ステップS7)。この変換マトリックスを用いて主画像データの色空間変換を行う(ステップS8)。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラなどによって記録された画像ファイルの読み取り方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラなどにおける画像ファイルの記録方式として、社団法人 日本電子工業振興協会(JEIDA)によって規格化されているカメラファイルシステム規格(DCF:Design rule for Camera File system ver1.0)のフォーマットがある。このDCFフォーマットで記録された画像ファイルを読み取る装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−116946号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
DCFフォーマットでは、画像ファイルに用いる色空間をsRGBと規定している。そのため、特許文献1の読み取り装置を含め、DCFフォーマットに準拠している通常の装置では、読み取った画像ファイルの色情報がsRGBで表されていることを前提として処理を行っている。しかし、特に高画質が要求されるハイエンド機器などにおいて、sRGBよりも表現できる色の範囲が広い他の色空間を用いて色情報を表すことが求められている。特許文献1の読み取り装置では、このようにsRGB以外の色空間によって表された画像ファイルの色情報を正しく読み取ることができない。
【0005】
本発明は、複数の色空間によって表される画像ファイルの色情報を正しく読み取ることのできる画像ファイルの読み取り方法および読み取り装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による画像ファイルの読み取り方法は、設定された色空間による画素ごとの色情報と、色空間が第1の色空間であるか否かを表す色空間識別タグと、色空間の色空間情報を表す色空間情報タグとを少なくとも有する画像ファイルを外部より入力し、色空間識別タグに基づいて画像ファイルの色空間が第1の色空間であるか否かを判定し、第1の色空間でないと判定された場合、その画像ファイルの色空間情報タグを参照するものである。
請求項2の発明は、請求項1の画像ファイルの読み取り方法において、第1の色空間でないと判定された画像ファイルの色空間を参照された色空間情報タグに基づいて第2の色空間に変換し、その画像ファイルの色情報を第2の色空間によって表すものである。
請求項3の発明は、請求項2の画像ファイルの読み取り方法において、第1の色空間を第2の色空間に変換するための変換マトリックスを記憶し、画像ファイルの色空間が第1の色空間であると判定された場合、変換マトリックスに基づいてその画像ファイルに設定された色空間を第1の色空間から第2の色空間に変換し、画像ファイルの色空間が第1の色空間でないと判定された場合、参照された色空間情報タグに基づいて変換マトリックスを再構築し、再構築された変換マトリックスに基づいてその画像ファイルに設定された色空間を第2の色空間に変換するものである。
請求項4の発明による画像ファイルの読み取り方法は、第1の色空間を第2の色空間に変換するための変換マトリックスを記憶し、設定された第1の色空間または第3の色空間による画素ごとの色情報と、色空間が第1の色空間であるか否かを表す色空間識別タグと、色空間が第1の色空間でない場合に第3の色空間の色空間情報を表す色空間情報タグとを少なくとも有する画像ファイルを外部より入力し、色空間識別タグに基づいて画像ファイルの色空間が第1の色空間であるか否かを判定し、第1の色空間であると判定された場合、変換マトリックスに基づいてその画像ファイルに設定された色空間を第1の色空間から第2の色空間に変換し、第1の色空間でないと判定された場合、色空間情報タグに基づいて変換マトリックスを再構築し、再構築された変換マトリックスに基づいてその画像ファイルに設定された色空間を第3の色空間から第2の色空間に変換し、その画像ファイルの色情報を第2の色空間によって表すものである。
請求項5の発明による画像ファイル読み取り装置は、請求項1〜4のいずれかの画像ファイルの読み取り方法を実行するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態による印刷装置の構成を図1に示す。この印刷装置1は、デジタルスチルカメラ(DSC)によって撮影された撮像画像などのカラー画像データを入力し、その画像を印刷出力する。このとき、画像データに設定された色空間をその画像データに記録されている色空間情報に基づいて変換するものである。印刷装置1は、カードリーダ部11、変換マトリックス設定部12、色空間変換部13、印刷制御部14、および印刷部15を有する。
【0008】
カードリーダ部11にはメモリカード3が装填される。メモリカード3はカード状のリムーバブルメモリであり、DSC2に装填することもできる。DSC2にメモリカード3を装填することにより、DSC2の撮像画像データによる画像ファイルをメモリカード3に記録することができる。このとき、DSC2は従来のDCF規格とは異なる記録方式(以下、DCF(2)という)のフォーマットを用いて画像ファイルをメモリカード3に記録する。カードリーダ部11は、装填されたメモリカード3よりそれに記録されたDCF(2)フォーマットの画像ファイル(以下、単に画像ファイルという)を入力する。なお、DSC2の撮像画像以外の画像ファイルをメモリカード3に記録し、これをカードリーダ部11に入力することとしてもよい。
【0009】
メモリカード3に記録される画像ファイルの構成を図2に示す。画像ファイルは、SOI(Start Of Image)21、タグデータ22、主画像データ23、EOI(End Of Image)24より構成される。SOI21とEOI24は、それぞれ画像ファイルの先頭と終端を示す部分であり、特定の符号列によって構成される。カードリーダ部11は、このSOI21とEOI24によって、画像ファイルを認識することができる。
【0010】
主画像データ23は、DSC2の撮像画像などの画像データが記録されている部分である。DSC2は、不図示の撮影レンズを通して入力した被写体像を不図示の撮像素子やA/D変換器などを用いて各画素ごとにデジタル信号化した後、所定の信号処理によって撮像画像データに変換する。この撮像画像データには、各画素ごとのR(赤)、G(緑)、B(青)3色の色成分の色情報が記録されており、これらの色情報はsRGBまたはAdobe(登録商標)RGBのいずれかの色空間によって表されている。どちらの色空間を用いて表すかは、あらかじめDSC2においてユーザの操作などにより設定される。
【0011】
sRGBは、デジタルカメラやスキャナ、各種モニタなどの間で広く一般的に用いられている色空間であり、このsRGBに対応した機器間では同一の色を正しく表現することができる。一方、AdobeRGBはsRGBよりも広い色範囲を表現することができる色空間であり、このAdobeRGBに対応した機器間でも同一の色を正しく表現できる。しかし、sRGBによって表された画像データはAdobeRGB対応の機器では正しい色が表示されず、同様にその逆の場合も正しい色が表示されない。DSC2は、あらかじめ設定されたこれらの色空間のいずれかによって撮像画像データの色情報を表し、それを主画像データ23として記録する。このとき、撮像画像データに対して所定の圧縮処理、たとえばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式の圧縮処理を行い、それを主画像データ23として記録してもよい。
【0012】
なお、本実施の形態では、DSC2の撮像素子上に単板式カラー撮像素子の最も代表的なRGBのカラーフィルタがベイア配列されているものとする。すなわち、DSC2に入力された被写体像は、撮像素子やA/D変換器によってデジタル信号化された時点では各画素ごとにRGBのいずれか1つの色成分の色情報しか有していないが、所定の信号処理によって撮像画像データに変換されることで、RGB全ての色成分の色情報を有するようになる。ここで、撮像素子を構成する1つの光電変換素子を画素というが、この画素に対応した撮影画像データの1単位も画素という。また、画像も複数の画素から構成される概念である。
【0013】
タグデータ22は、その画像ファイルに関する各種情報が記録されている部分である。タグデータ22は様々な種類のタグにより構成されており、それぞれのタグによって異なる情報を有している。このタグには、たとえば画像ファイルを撮影したときの撮影日時や撮影条件等の撮影情報が記録されたものや、サムネイル画像が記録されたもの、ファイルの記録フォーマットの情報が記録されているものなどがある。
【0014】
画像ファイルの記録フォーマットに関するタグには、たとえば次のようなものがある。なお、以下の各タグにはそれぞれ特定の符号列が記録されており、各タグはその符号列によって様々な数値や特定の意味を表すものである。
(1)互換識別インデックス:画像ファイルの記録方式を識別するためのタグであり、従来のDCF規格である場合は“R98”、DCF(2)規格である場合は“R03”と記録される。
(2)色空間識別タグ:画像ファイルの色空間がsRGBであるか否かを識別するためのタグであり、sRGBである場合には“Calibrated”、それ以外である場合には“Uncalibrated”と記録される。
(3)色空間情報タグ:画像ファイルの色空間に関する情報(色空間情報)を示すタグであり、後に説明する参照白色点の色度座標値、原色の色度座標値、再生ガンマの値などが記録される。
【0015】
カードリーダ部11は、以上説明したような構成の画像ファイルを装填されたメモリカード3から入力する。入力された画像ファイルのうちタグデータの部分は図1の変換マトリックス設定部12へ出力され、主画像データの部分は色空間変換部13へ出力される。
【0016】
変換マトリックス設定部12は、色空間変換部13において主画像データの色空間変換を行うときに用いられる変換マトリックスを設定する。印刷装置1のようなプリンタやモニタなどのように、入力された画像データを印刷や画像として出力する機器では、通常はそれぞれの機器ごとに異なる色特性(色空間)を有している。そのため、画像データの色情報をそのまま用いたのでは、画像の色を正しく表現することができない。しかし、画像データの色空間を自身が有する色空間に変換し、その画像データの色情報値を自身が有する色空間によって表す(以下、色空間変換という)ことで、画像の色を正しく表現することができるようになる。この色空間変換では、次に説明するようにして変換マトリックスが用いられる。
【0017】
色空間変換部13は、変換マトリックスを用いた変換式に画像データの各画素ごとの色情報を当てはめることによって、色空間変換を行う。たとえば、入力される画像データにおける画素1つの色情報を(R1、G1、B1)とすると、この画素の色空間変換後の色情報(RC1、GC1、BC1)は、下記の変換式(1)によって表される。
【数1】
RC1=a・R1+b・G1+c・B1
GC1=d・R1+e・G1+f・B1
BC1=g・R1+h・G1+i・B1 ・・・・・(1)ただし
a,b,c,d,e,f,g,h,i:定数
【0018】
上記の式(1)は、すなわち、a〜iの各定数による行列式として変換マトリックスが定義されることを表している。この変換マトリックスと色情報(R1、G1、B1)との行列演算によって、色空間変換後の色情報(RC1、GC1、BC1)が算出される。
【0019】
変換マトリックス設定部12は、sRGBから印刷装置1に固有の色空間(以下、固有色空間という)へ変換するための変換マトリックス(以下、初期変換マトリックスという)a〜iをあらかじめ記憶している。したがって、画像ファイルに設定されている色空間がsRGBである場合は、この初期変換マトリックスa〜iを用いることにより、色空間変換部13において固有色空間への色空間変換を行うことができる。しかし、画像ファイルに設定されている色空間がAdobeRGBである場合は、初期変換マトリックスでは固有色空間への色空間変換を行うことができない。このとき、変換マトリックス設定部12は、初期変換マトリックスa〜iを再構築することにより、AdobeRGBから固有色空間への色空間変換を行うための変換マトリックスa’〜i’を算出する。
【0020】
変換マトリックス設定部12は、画像ファイルのタグデータ、特に前述の色空間情報タグの内容に基づいて、初期変換マトリックスを再構築する。次に、色空間情報タグに記録されている情報についてそれぞれ説明する。
【0021】
参照白色点の色度座標値は、画像ファイルの色空間における参照白色点のx,y色度座標を表している。ここで、参照白色点はその色空間において白とされる色である。また、x,y色度座標は、色の3刺激値XYZのうちXとYの値によって色を表したものである。画像ファイルの色空間がAdobeRGBである場合、ここには(X,Y)=(0.313,0.329)の値が記録されている。
【0022】
原色の色度座標値には、画像の3原色のクロマ値、すなわちR、G、B各色のx,y色度座標がそれぞれ記録されている。画像ファイルの色空間がAdobeRGBである場合、ここには下記の値が記録されている。
R:(X,Y)=(0.64,0.33)
G:(X,Y)=(0.21,0.71)
B:(X,Y)=(0.15,0.06)
【0023】
再生ガンマには、再生時変換関数の係数値γの値が記録されている。再生時変換関数は下記の式(2)によって表されるガンマ関数であり、これは画像ファイルのRGBいずれかの色情報値をx0としたときに、式(2)によってこれを色情報値y0に変換して色の階調特性を補正するものである。
【数2】
y0=x0 γ ・・・・・・(2)
【0024】
画像ファイルの色空間がAdobeRGBである場合、この再生ガンマの値にはγ=2.2が記録されている。なお、γ=2.2のガンマ関数は、パソコンのモニタ上に画像を表示するときの一般的なモニタの階調特性を表すものである。DSC2では、あらかじめこれを考慮してγ=1/2.2のガンマ関数を用いて画像の階調特性を変化させることにより、モニタに正しい階調特性の画像が表示されるようにしている。
【0025】
以上説明したような色空間情報タグによって、AdobeRGBの色空間を再現することができる。また、sRGBの色空間情報は、変換マトリックス設定部12にあらかじめ記憶されている。変換マトリックス設定部12は、記憶しているsRGBの色空間情報と、色空間情報タグに表されるAdobeRGBの色空間情報に基づいて、初期変換マトリックスa〜iを再構築してAdobeRGBを固有色空間に変換するのに適する変換マトリックスa’〜i’を算出する。なお、画像ファイルの色空間がAdobeRGBでない他の色空間である場合についても、記憶しているsRGBの色空間情報と色空間情報タグの各情報に基づいて、同様に初期変換マトリックスを再構築することができる。
【0026】
このように初期変換マトリックスを再構築して算出された変換マトリックスは、変換マトリックス設定部12から色空間変換部13へ出力される。色空間変換部13では、この変換マトリックスを前述のようにして用いることにより、AdobeRGBによって色情報が表された主画像データの色空間変換を行う。色空間変換された主画像データは、色空間変換部13から印刷制御部14へ出力される。
【0027】
印刷制御部14は、色空間変換部13より出力された色空間変換後の主画像データに基づいて、印刷部15を制御する。たとえば、色空間変換後の主画像データにおける各画素ごとの色情報値を再現するように、印刷部15におけるインクの出力位置および出力量を制御し、印刷部15は、それにしたがって印刷用紙上にインクを出力する。なお、印刷部15において用いられるインクは、たとえばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄色)、K(黒)の各色に分かれており、これら各色のそれぞれのインク量とその出力位置とが主画像データの色情報値に基づいて決定される。
【0028】
以上説明したようにして、印刷装置1はDSC2の撮像画像を印刷出力する。このとき印刷装置1において実行されるフローチャートを図3に示す。ステップS1では、カードリーダ部11において、メモリカード3よりDSC2の撮像画像による画像ファイルを入力する。ステップS2では、ステップS1で入力した画像ファイルがDCF(2)フォーマットで記録されたファイルであるか否かを判定する。この判定は前述の互換識別インデックスの内容により行われ、これが“R03”である場合は、ステップS2を肯定判定してステップS3へ進む。一方、“R98”である場合は、ステップS2を否定判定してステップS8へ進む。なお、これ以外の内容であった場合は、図3の処理を中断して不図示の表示部にエラーメッセージを表示することが好ましい。
【0029】
ステップS3では、この画像ファイルに設定されている色空間がsRGBであるか否かを判定する。この判定は前述の色空間識別タグによって行われ、これが“Calibrated”である場合は、ステップS3を肯定判定してステップS8へ進む。一方、“Uncalibrated”である場合は、ステップS3を否定判定してステップS4へ進む。ここでもステップS2と同様に、これ以外の内容であった場合は、図3の処理を中断して表示部にエラーメッセージを表示することが好ましい。
【0030】
ステップS4では、前述の色空間情報タグを画像ファイルより読み込む。ステップS7では、変換マトリックス設定部12において、初期変換マトリックスを再構築することにより、AdobeRGBを固有色空間に変換するための変換マトリックスを算出する。このとき、ステップS4で読み込んだ色空間情報タグが前述のようにして用いられる。ここで算出された変換マトリックスは、変換マトリックス設定部12より色空間変換部13へ出力される。
【0031】
ステップS8では、色空間変換部13において、変換マトリックス設定部12より出力された変換マトリックスを用いて主画像データの色空間変換を行う。このとき、色空間がsRGBである場合、すなわち画像ファイルがDCFフォーマットである場合かもしくは色空間識別タグが“Calibrated”である場合は、ステップS2が否定判定またはステップS3が肯定判定され、ステップS7が実行されない。そのため、このステップS8では、初期変換マトリックスが用いられる。一方、色空間がAdobeRGBである場合はステップS7が実行され、初期変換マトリックスを再構築して算出された変換マトリックスがこのステップS8で用いられる。ステップS9では、ステップS8において色空間変換された主画像データに基づいて、印刷制御部14および印刷部15において印刷を実行し、DSC2の撮像画像を印刷出力する。
【0032】
印刷装置1は、以上説明したようにして、DSC2の撮像画像データの画像ファイルを入力し(ステップS1)、色空間識別タグの内容に基づいて画像ファイルの色空間がsRGBであるか否かを判定して(ステップS3)、sRGBでない場合は色空間情報タグを読み取り(ステップS4)、初期変換マトリックスを再構築して主画像データの色空間をAdobeRGBから固有色空間に変換するための変換マトリックスを算出する(ステップS7)。この変換マトリックスを用いて主画像データの色空間変換を行い(ステップS8)、撮像画像を印刷出力する(ステップS9)。
【0033】
以上説明した印刷装置1によれば、次の作用効果を奏する。
(1)色空間識別タグの内容に基づいて画像ファイルの色空間がsRGBであるか否かを判定し、sRGBでない場合は色空間情報タグを参照するようにした。さらに、参照した色空間情報タグの内容に基づいて、色空間変換部13において、画像ファイルに設定された色空間であるAdobeRGBを印刷装置1に固有の色空間に変換するようにした。このとき、sRGBを固有色空間に変換するための初期変換マトリックスを変換マトリックス設定部12に記憶しておき、色空間情報タグの内容に基づいて、この初期変換マトリックスを再構築するようにした。このようにしたので、参照した色空間情報タグの内容に基づいて、AdobeRGBを色空間に用いた画像ファイルの色情報を正しく読み取り、その画像を印刷出力することができる。
【0034】
以上の実施の形態では、DCF(2)フォーマットで記録された画像ファイルを印刷装置1によって読み取り、その画像を印刷出力することとしたが、本発明はこの内容に限定されない。たとえば、画像ファイルを読み取ってモニタに画像表示するパソコンなどにおいても、本発明を適用できる。
【0035】
また、以上の実施の形態は、画像ファイルの色空間にsRGBとAdobeRGBのいずれかが設定される例であったが、それ以外の色空間をそれぞれ設定することとしてもよい。上記実施の形態で説明したような色空間識別タグと色空間情報タグに相当する情報を画像ファイルが含んでいる限り、その画像ファイルを読み取るような装置に対して本発明は適用可能である。すなわち、色空間識別タグは画像ファイルに設定されている色空間が特定の色空間であるか否かを表すものであり、色空間情報タグはその特定の色空間でない色空間について色空間情報を表すものである。
【0036】
さらに、以上の実施の形態ではDSC2の撮像画像をメモリカード3に画像ファイルとして記録し、その画像ファイルをメモリカード3より読み取る装置の例について説明したが、これ以外の様々な方法によって記録および入力される画像ファイルを読み取る装置について本発明を適用できる。
【0037】
本発明は、上記に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も、本発明の範囲内に含まれる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したように構成しているので、複数の色空間によって表される画像ファイルの色情報を正しく読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による印刷装置の構成を示す図である。
【図2】画像ファイルの構成を示す図である。
【図3】印刷装置において実行される処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:印刷装置
2:デジタルスチルカメラ
3:メモリカード
11:カードリーダ部
12:変換マトリックス設定部
13:色空間変換部
14:印刷制御部
15:印刷部
Claims (5)
- 設定された色空間による画素ごとの色情報と、前記色空間が第1の色空間であるか否かを表す色空間識別タグと、前記色空間の色空間情報を表す色空間情報タグとを少なくとも有する画像ファイルを外部より入力し、
前記色空間識別タグに基づいて前記画像ファイルの色空間が前記第1の色空間であるか否かを判定し、
前記第1の色空間でないと判定された場合、その画像ファイルの色空間情報タグを参照することを特徴とする画像ファイルの読み取り方法。 - 請求項1の画像ファイルの読み取り方法において、
前記第1の色空間でないと判定された画像ファイルの色空間を、前記参照された色空間情報タグに基づいて第2の色空間に変換し、
その画像ファイルの色情報を前記第2の色空間によって表すことを特徴とする画像ファイルの読み取り方法。 - 請求項2の画像ファイルの読み取り方法において、
前記第1の色空間を前記第2の色空間に変換するための変換マトリックスを記憶し、
前記画像ファイルの色空間が前記第1の色空間であると判定された場合、前記変換マトリックスに基づいてその画像ファイルに設定された色空間を前記第1の色空間から前記第2の色空間に変換し、
前記画像ファイルの色空間が前記第1の色空間でないと判定された場合、前記参照された色空間情報タグに基づいて前記変換マトリックスを再構築し、再構築された変換マトリックスに基づいてその画像ファイルに設定された色空間を前記第2の色空間に変換することを特徴とする画像ファイルの読み取り方法。 - 第1の色空間を第2の色空間に変換するための変換マトリックスを記憶し、
設定された第1の色空間または第3の色空間による画素ごとの色情報と、前記色空間が前記第1の色空間であるか否かを表す色空間識別タグと、前記色空間が前記第1の色空間でない場合に前記第3の色空間の色空間情報を表す色空間情報タグとを少なくとも有する画像ファイルを外部より入力し、
前記色空間識別タグに基づいて前記画像ファイルの色空間が前記第1の色空間であるか否かを判定し、
前記第1の色空間であると判定された場合、前記変換マトリックスに基づいてその画像ファイルに設定された色空間を前記第1の色空間から前記第2の色空間に変換し、
前記第1の色空間でないと判定された場合、前記色空間情報タグに基づいて前記変換マトリックスを再構築し、再構築された変換マトリックスに基づいてその画像ファイルに設定された色空間を前記第3の色空間から前記第2の色空間に変換し、
その画像ファイルの色情報を前記第2の色空間によって表すことを特徴とする画像ファイルの読み取り方法。 - 請求項1〜4のいずれかの画像ファイルの読み取り方法を実行する画像ファイル読み取り装置。
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