JP2004362357A - 閉鎖系管路の圧力調整システム - Google Patents
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Abstract
【課題】液体が流通する閉鎖系管路の圧力変動を自動的に抑制するシステムの提供。
【構成】液体が流通する閉鎖系管路1に逃がし弁20を設けた放出管21を接続し、逃がし弁20の出口側を密閉型のバッファタンク22に連通し、該バッファタンク22に逆止弁24を設けた戻り管23を接続し、逆止弁24の出口側を閉鎖系管路1に連通する。そして閉鎖系管路1の圧力が上昇すると逃がし弁20が開いて液体がバッファタンク22に放出され、閉鎖系管路1の圧力が負圧になったときに逆止弁24が開いてバッファタンク22の液体が閉鎖系管路1に還流する。
【選択図】 図1
【構成】液体が流通する閉鎖系管路1に逃がし弁20を設けた放出管21を接続し、逃がし弁20の出口側を密閉型のバッファタンク22に連通し、該バッファタンク22に逆止弁24を設けた戻り管23を接続し、逆止弁24の出口側を閉鎖系管路1に連通する。そして閉鎖系管路1の圧力が上昇すると逃がし弁20が開いて液体がバッファタンク22に放出され、閉鎖系管路1の圧力が負圧になったときに逆止弁24が開いてバッファタンク22の液体が閉鎖系管路1に還流する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体が流通する閉鎖系管路の圧力を調整するシステムに関し、詳しくは閉鎖系管路の液体が温度上昇して圧力が高くなったときは液体を外部に放出することなくそれをバッファタンクに貯留して圧力上昇を自動的に抑制し、閉鎖系管路が負圧になったときはバッファタンクの液体を閉鎖系管路に戻してその負圧を自動的に回復するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料、薬品その他の液体が流通する管路が閉鎖系である場合、季節的要因または閉鎖系管路に供給される液体自体の要因等により、流通する液体の温度が変動する。液体温度が上昇すると閉鎖系管路の圧力が上昇し、系を構成する機器や配管類に損傷を与えるおそれがあるので、圧力上昇は出来るだけ抑制することが望ましい。逆に液体温度が下降する場合は系に悪影響を与えるおそれがあるので、負圧の発生も同様に抑制することが望ましい。
【0003】
図2は従来の閉鎖系管路の1例を示すプロセスフロー図である。この閉鎖系管路1においては、加圧ポンプ2を設けた供給配管3と、供給配管3からタンク4に分岐するタンク配管5と負荷設備に分岐する負荷配管6が敷設されている。そして供給配管3にはベント弁7を設けたベント配管8とドレン弁9を設けたドレン配管10が連通し、タンク配管5には伸縮継手11と開閉弁12が設けられると共に逃がし弁13を設けた逃がし配管14が連通する。また負荷配管6には開閉弁15が設けられている。なお同様な閉鎖系管路1であっても、ベント配管8と逃がし配管14のいずれか一方または両方が省略されることもある。
【0004】
例えば夏季などにおいて閉鎖系管路1が長時間太陽光に曝されると、閉鎖系管路1の液体温度が上昇し、それによって閉鎖系管路1の圧力も上昇する。逃がし配管14を設けない場合は、そのまま放置すると閉鎖系管路1を構成する機器や配管の中で比較的耐圧の低い部分、例えば伸縮継手11が過伸張や破裂等により損傷を受けることになる。
【0005】
逃がし配管14を設けない場合には、注意深く閉鎖系管路1の圧力変化を監視し、圧力の上昇傾向が始まったときにドレン弁9やベント弁7をその都度開けることによって機器や配管類を保護する。また逃がし配管14を設けた場合には、圧力が所定値まで上昇すると自動的に逃がし弁13が開いて閉鎖系管路1の液体を外部に放出して圧力上昇を抑制する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、閉鎖系管路1の圧力を常時監視し、ドレン弁9やベント弁7を圧力上昇の都度開ける操作は面倒であり、誤操作も発生するので信頼性が低いという問題がある。またドレン弁9やベント弁7を開けることによって閉鎖系管路1の液体は外部に放出されるが、燃料や薬品などの危険物や貴重な液体である場合には、特別な液体回収手段を必要とする。
【0007】
一方、逃がし配管14を設けた場合には、閉鎖系管路1の圧力上昇が生じたときに逃がし弁13が自動的に開いて圧力を正常値に回復させることができる。しかし燃料や薬品などの危険物や貴重な液体である場合には、前記と同様に特別な液体回収手段が必要になる。
【0008】
また夜間などにおいて閉鎖系管路1の液体の温度が低下した場合には、閉鎖系管路1の圧力が負圧になる場合もある。しかしドレン弁9やベント弁7、または逃がし弁13によるいずれの圧力調整方式を採用しても閉鎖系管路1の負圧回復は困難である。そこで本発明はこれら閉鎖系管路における圧力調整における問題の解決を課題とし、そのための新しい圧力調整システムの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、液体が流通する閉鎖系管路の圧力を調整するシステムである。本システムは、閉鎖系管路に逃がし弁を設けた放出管が接続され、前記逃がし弁の出口側は密閉型のバッファタンクに連通され、該バッファタンクには逆止弁を設けた戻り管が接続され、さらに前記逆止弁の出口側が閉鎖系管路に連通される。そして閉鎖系管路の圧力が所定値以上になったときに前記逃がし弁が開いて閉鎖系管路の液体が前記バッファタンクに放出され、閉鎖系管路の圧力が負圧になったときに前記逆止弁が開いてバッファタンクに貯留する液体が閉鎖系管路に戻るように構成されていることを特徴とする。
【0010】
上記システムでは閉鎖系管路の圧力が所定値以上になったときに逃がし弁が開いて閉鎖系管路の液体がバッファタンクに放出されるので、閉鎖系管路の圧力上昇を自動的に抑制できる。またバッファタンクは圧力抑制に用いられると共に、逃がし弁で放出された液体を一時的に貯留する作用がある。そのため閉鎖系管路の液体が燃料や薬品などの危険物等であっても、従来のように専用の液体回収手段を設ける必要がない。さらに閉鎖系管路の圧力が負圧になった場合には、逆止弁が開いてバッファタンクに貯留されている液体が閉鎖系管路に自動的に戻され、それによって閉鎖系管路の圧力は負圧から正常値に復帰する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明に係る閉鎖系管路の圧力調整システムのプロセスフロー図である。本実施の形態では、閉鎖系管路1を構成する配管等に逃がし弁20を設けた放出管21が接続され、前記逃がし弁20の出口側は密閉型のバッファタンク22に連通される。
【0012】
図示の逃がし弁20は例えばスプリングの圧縮力調整により弁開圧力が設定できる自力式圧力調整弁であり、閉鎖系管路1の正常圧力より少し高い設定圧力で弁開状態になるようにスプリングの圧縮力を調整する。なお閉鎖系管路1の圧力を検出する接点付き圧力計と、電動駆動式または流体圧駆動式の自動開閉弁により逃がし弁を構成することもできる。例えば正常圧力より少し高い設定圧力で閉じる上限接点と正常圧力まで下降したときに閉じる下限接点を設けた圧力計を閉鎖系管路1に設置し、その上限接点が閉じて自動開閉弁を開け、正常圧力に回復したときに下限接点が閉じて自動開閉弁を閉じる制御を行う。
【0013】
バッファタンク22の下部または底部に逆止弁24を設けた戻り管23が接続され、その逆止弁24の出口側が閉鎖系管路1に連通される。逆止弁24の入口側はバッファタンク22に貯留される液体のヘッド圧により僅かな正圧状態になる。そのため閉鎖系管路1の圧力が負圧になると逆止弁24が開いて負圧状態を解消する。
【0014】
本実施の形態では戻り管23の途中からドレン弁25を設けたドレン配管26が分岐し、ドレン弁25の出口側は小容量の回収パン27上に開口する。このドレン弁25を適宜開操作することにより、バッファタンク22の底部に堆積する固形分等を液と共にドレンとして外部に排出できる。なおドレン配管26はバッファタンク22の底部に直接接続してもよい。
【0015】
バッファタンク22の上部には内部空間を大気に連通するベント配管28が接続され、そのベント配管28の先端付近にミストセパレータ29が設けられる。ミストセパレータ29は例えば100メッシュ程度の微細な網目を有する金網を1層または複数層収容して構成される。バッファタンク22内に液体が放出されたとき、内部空気の一部はベント配管28を通って外部に排出される。その際、排出空気に含まれる液体ミストがこのミストセパレータ29で捕捉されて分離する。
【0016】
逆止弁24の入口側における戻り管23には所望に応じて点線で示すバイパス配管31が分岐され、そのバイパス配管31に設けた開閉弁30の出口側は閉鎖系管路1に連通する。このようなバイパス配管31を設けることにより、バッファタンク22に貯留されている液体を必要に応じて手動で閉鎖系管路1に戻すことができる。
【0017】
前記のように本システムでは、閉鎖系管路1の液体温度が上昇して閉鎖系管路1の圧力が高くなったときに液体の一部がバッファタンク22に流入し、液体の温度が低下して閉鎖系管路1の圧力が負圧になったときにバッファタンク22に貯留した液体が閉鎖系管路1に戻るので、その貯留容量は比較的小さなものでよい。この貯留容量は閉鎖系管路1の内容積に比例し、液体の温度変化に対する比重変化に依存する。
【0018】
ここで閉鎖系管路1の内容積をV、閉鎖系管路1における正常時の液体比重をR1、閉鎖系管路1を流通する液体の推定最大温度上昇時の液体比重をR2とすると、バッファタンク22の必要最小限の貯留容積Vt=2.0(1/R2−1/R1)×Vで計算される。すなわち閉鎖系管路1における推定液体膨張量の2倍の貯留容積を見込めば、液体の温度上昇と温度下降による液体の体積変動を十分に吸収できる。
【0019】
次に上記システムによる閉鎖系管路1の圧力調整について説明する。先ず閉鎖系管路1を流通する液体の温度が上昇すると、それに応じて閉鎖系管路1の圧力も上昇する。その圧力が逃がし弁20で設定されたレベルに達すると、逃がし弁20が開いて閉鎖系管路1の液体の一部がバッファタンク22に放出される。バッファタンク22に液体が流入すると、その流入量に応じてバッファタンク22の内部空気がベント配管28から外部に排出され、その際、前記のように排出空気に含まれる液体ミストはミストセパレータ29で捕捉分離される。そしてバッファタンク22への液体放出により閉鎖系管路1の圧力は下降し、それが正常値に戻ると逃がし弁20が閉じて液体の放出は停止する。
【0020】
次に液体の温度が下降し閉鎖系管路1の圧力が負圧になると、戻り管23に設けた逆止弁24が開いてバッファタンク22に貯留する液体が戻り管23を通って閉鎖系管路1に戻される。即ち液体の還流が起こる。液体の還流により閉鎖系管路1の圧力が正常値に戻ると逆止弁24が閉じ、バッファタンク22から閉鎖系管路1への液体の還流は停止する。なおバッファタンク22から液体が流出すると、それに応じてベント配管28から大気がバッファタンク22に流入する。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明の圧力調整システムによれば、閉鎖系管路の圧力が所定値以上になったときに逃がし弁が開いて閉鎖系管路の液体がバッファタンクに放出されるので、閉鎖系管路の圧力上昇を自動的に抑制できる。またバッファタンクは圧力抑制に用いられると共に、逃がし弁で放出された液体を一時的に貯留する作用があるので、閉鎖系管路の液体が燃料や薬品などの危険物等であっても従来のように専用の液体回収手段を設ける必要がない。
【0022】
さらに閉鎖系管路の圧力が負圧になった場合には、逆止弁が開いてバッファタンクに貯留されている液体が閉鎖系管路に自動的に還流し、それによって閉鎖系管路の負圧状態が回復する。
なお、バッファタンクに放出した液体が負圧時に閉鎖系管路に戻る還流系を構成するので、バッファタンクの貯留容積は小さくてよく、システムが小型・軽量化されて設備コストおよび運転コストも抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る閉鎖系管路の圧力調整システムのプロセスフロー図。
【図2】従来の閉鎖系管路の1例を示すプロセスフロー図。
【符号の説明】
1 閉鎖系管路
2 加圧ポンプ
3 供給配管
4 タンク
5 タンク配管
6 負荷配管
7 ベント弁
8 ベント配管
9 ドレン弁
10 ドレン配管
11 伸縮継手
12 開閉弁
13 逃がし弁
14 逃がし配管
15 開閉弁
20 逃がし弁
21 放出管
22 バッファタンク
23 戻り管
24 逆止弁
25 ドレン弁
26 ドレン配管
27 回収パン
28 ベント配管
29 ミストセパレータ
30 開閉弁
31 バイパス配管
【発明の属する技術分野】
本発明は液体が流通する閉鎖系管路の圧力を調整するシステムに関し、詳しくは閉鎖系管路の液体が温度上昇して圧力が高くなったときは液体を外部に放出することなくそれをバッファタンクに貯留して圧力上昇を自動的に抑制し、閉鎖系管路が負圧になったときはバッファタンクの液体を閉鎖系管路に戻してその負圧を自動的に回復するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料、薬品その他の液体が流通する管路が閉鎖系である場合、季節的要因または閉鎖系管路に供給される液体自体の要因等により、流通する液体の温度が変動する。液体温度が上昇すると閉鎖系管路の圧力が上昇し、系を構成する機器や配管類に損傷を与えるおそれがあるので、圧力上昇は出来るだけ抑制することが望ましい。逆に液体温度が下降する場合は系に悪影響を与えるおそれがあるので、負圧の発生も同様に抑制することが望ましい。
【0003】
図2は従来の閉鎖系管路の1例を示すプロセスフロー図である。この閉鎖系管路1においては、加圧ポンプ2を設けた供給配管3と、供給配管3からタンク4に分岐するタンク配管5と負荷設備に分岐する負荷配管6が敷設されている。そして供給配管3にはベント弁7を設けたベント配管8とドレン弁9を設けたドレン配管10が連通し、タンク配管5には伸縮継手11と開閉弁12が設けられると共に逃がし弁13を設けた逃がし配管14が連通する。また負荷配管6には開閉弁15が設けられている。なお同様な閉鎖系管路1であっても、ベント配管8と逃がし配管14のいずれか一方または両方が省略されることもある。
【0004】
例えば夏季などにおいて閉鎖系管路1が長時間太陽光に曝されると、閉鎖系管路1の液体温度が上昇し、それによって閉鎖系管路1の圧力も上昇する。逃がし配管14を設けない場合は、そのまま放置すると閉鎖系管路1を構成する機器や配管の中で比較的耐圧の低い部分、例えば伸縮継手11が過伸張や破裂等により損傷を受けることになる。
【0005】
逃がし配管14を設けない場合には、注意深く閉鎖系管路1の圧力変化を監視し、圧力の上昇傾向が始まったときにドレン弁9やベント弁7をその都度開けることによって機器や配管類を保護する。また逃がし配管14を設けた場合には、圧力が所定値まで上昇すると自動的に逃がし弁13が開いて閉鎖系管路1の液体を外部に放出して圧力上昇を抑制する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、閉鎖系管路1の圧力を常時監視し、ドレン弁9やベント弁7を圧力上昇の都度開ける操作は面倒であり、誤操作も発生するので信頼性が低いという問題がある。またドレン弁9やベント弁7を開けることによって閉鎖系管路1の液体は外部に放出されるが、燃料や薬品などの危険物や貴重な液体である場合には、特別な液体回収手段を必要とする。
【0007】
一方、逃がし配管14を設けた場合には、閉鎖系管路1の圧力上昇が生じたときに逃がし弁13が自動的に開いて圧力を正常値に回復させることができる。しかし燃料や薬品などの危険物や貴重な液体である場合には、前記と同様に特別な液体回収手段が必要になる。
【0008】
また夜間などにおいて閉鎖系管路1の液体の温度が低下した場合には、閉鎖系管路1の圧力が負圧になる場合もある。しかしドレン弁9やベント弁7、または逃がし弁13によるいずれの圧力調整方式を採用しても閉鎖系管路1の負圧回復は困難である。そこで本発明はこれら閉鎖系管路における圧力調整における問題の解決を課題とし、そのための新しい圧力調整システムの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、液体が流通する閉鎖系管路の圧力を調整するシステムである。本システムは、閉鎖系管路に逃がし弁を設けた放出管が接続され、前記逃がし弁の出口側は密閉型のバッファタンクに連通され、該バッファタンクには逆止弁を設けた戻り管が接続され、さらに前記逆止弁の出口側が閉鎖系管路に連通される。そして閉鎖系管路の圧力が所定値以上になったときに前記逃がし弁が開いて閉鎖系管路の液体が前記バッファタンクに放出され、閉鎖系管路の圧力が負圧になったときに前記逆止弁が開いてバッファタンクに貯留する液体が閉鎖系管路に戻るように構成されていることを特徴とする。
【0010】
上記システムでは閉鎖系管路の圧力が所定値以上になったときに逃がし弁が開いて閉鎖系管路の液体がバッファタンクに放出されるので、閉鎖系管路の圧力上昇を自動的に抑制できる。またバッファタンクは圧力抑制に用いられると共に、逃がし弁で放出された液体を一時的に貯留する作用がある。そのため閉鎖系管路の液体が燃料や薬品などの危険物等であっても、従来のように専用の液体回収手段を設ける必要がない。さらに閉鎖系管路の圧力が負圧になった場合には、逆止弁が開いてバッファタンクに貯留されている液体が閉鎖系管路に自動的に戻され、それによって閉鎖系管路の圧力は負圧から正常値に復帰する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明に係る閉鎖系管路の圧力調整システムのプロセスフロー図である。本実施の形態では、閉鎖系管路1を構成する配管等に逃がし弁20を設けた放出管21が接続され、前記逃がし弁20の出口側は密閉型のバッファタンク22に連通される。
【0012】
図示の逃がし弁20は例えばスプリングの圧縮力調整により弁開圧力が設定できる自力式圧力調整弁であり、閉鎖系管路1の正常圧力より少し高い設定圧力で弁開状態になるようにスプリングの圧縮力を調整する。なお閉鎖系管路1の圧力を検出する接点付き圧力計と、電動駆動式または流体圧駆動式の自動開閉弁により逃がし弁を構成することもできる。例えば正常圧力より少し高い設定圧力で閉じる上限接点と正常圧力まで下降したときに閉じる下限接点を設けた圧力計を閉鎖系管路1に設置し、その上限接点が閉じて自動開閉弁を開け、正常圧力に回復したときに下限接点が閉じて自動開閉弁を閉じる制御を行う。
【0013】
バッファタンク22の下部または底部に逆止弁24を設けた戻り管23が接続され、その逆止弁24の出口側が閉鎖系管路1に連通される。逆止弁24の入口側はバッファタンク22に貯留される液体のヘッド圧により僅かな正圧状態になる。そのため閉鎖系管路1の圧力が負圧になると逆止弁24が開いて負圧状態を解消する。
【0014】
本実施の形態では戻り管23の途中からドレン弁25を設けたドレン配管26が分岐し、ドレン弁25の出口側は小容量の回収パン27上に開口する。このドレン弁25を適宜開操作することにより、バッファタンク22の底部に堆積する固形分等を液と共にドレンとして外部に排出できる。なおドレン配管26はバッファタンク22の底部に直接接続してもよい。
【0015】
バッファタンク22の上部には内部空間を大気に連通するベント配管28が接続され、そのベント配管28の先端付近にミストセパレータ29が設けられる。ミストセパレータ29は例えば100メッシュ程度の微細な網目を有する金網を1層または複数層収容して構成される。バッファタンク22内に液体が放出されたとき、内部空気の一部はベント配管28を通って外部に排出される。その際、排出空気に含まれる液体ミストがこのミストセパレータ29で捕捉されて分離する。
【0016】
逆止弁24の入口側における戻り管23には所望に応じて点線で示すバイパス配管31が分岐され、そのバイパス配管31に設けた開閉弁30の出口側は閉鎖系管路1に連通する。このようなバイパス配管31を設けることにより、バッファタンク22に貯留されている液体を必要に応じて手動で閉鎖系管路1に戻すことができる。
【0017】
前記のように本システムでは、閉鎖系管路1の液体温度が上昇して閉鎖系管路1の圧力が高くなったときに液体の一部がバッファタンク22に流入し、液体の温度が低下して閉鎖系管路1の圧力が負圧になったときにバッファタンク22に貯留した液体が閉鎖系管路1に戻るので、その貯留容量は比較的小さなものでよい。この貯留容量は閉鎖系管路1の内容積に比例し、液体の温度変化に対する比重変化に依存する。
【0018】
ここで閉鎖系管路1の内容積をV、閉鎖系管路1における正常時の液体比重をR1、閉鎖系管路1を流通する液体の推定最大温度上昇時の液体比重をR2とすると、バッファタンク22の必要最小限の貯留容積Vt=2.0(1/R2−1/R1)×Vで計算される。すなわち閉鎖系管路1における推定液体膨張量の2倍の貯留容積を見込めば、液体の温度上昇と温度下降による液体の体積変動を十分に吸収できる。
【0019】
次に上記システムによる閉鎖系管路1の圧力調整について説明する。先ず閉鎖系管路1を流通する液体の温度が上昇すると、それに応じて閉鎖系管路1の圧力も上昇する。その圧力が逃がし弁20で設定されたレベルに達すると、逃がし弁20が開いて閉鎖系管路1の液体の一部がバッファタンク22に放出される。バッファタンク22に液体が流入すると、その流入量に応じてバッファタンク22の内部空気がベント配管28から外部に排出され、その際、前記のように排出空気に含まれる液体ミストはミストセパレータ29で捕捉分離される。そしてバッファタンク22への液体放出により閉鎖系管路1の圧力は下降し、それが正常値に戻ると逃がし弁20が閉じて液体の放出は停止する。
【0020】
次に液体の温度が下降し閉鎖系管路1の圧力が負圧になると、戻り管23に設けた逆止弁24が開いてバッファタンク22に貯留する液体が戻り管23を通って閉鎖系管路1に戻される。即ち液体の還流が起こる。液体の還流により閉鎖系管路1の圧力が正常値に戻ると逆止弁24が閉じ、バッファタンク22から閉鎖系管路1への液体の還流は停止する。なおバッファタンク22から液体が流出すると、それに応じてベント配管28から大気がバッファタンク22に流入する。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明の圧力調整システムによれば、閉鎖系管路の圧力が所定値以上になったときに逃がし弁が開いて閉鎖系管路の液体がバッファタンクに放出されるので、閉鎖系管路の圧力上昇を自動的に抑制できる。またバッファタンクは圧力抑制に用いられると共に、逃がし弁で放出された液体を一時的に貯留する作用があるので、閉鎖系管路の液体が燃料や薬品などの危険物等であっても従来のように専用の液体回収手段を設ける必要がない。
【0022】
さらに閉鎖系管路の圧力が負圧になった場合には、逆止弁が開いてバッファタンクに貯留されている液体が閉鎖系管路に自動的に還流し、それによって閉鎖系管路の負圧状態が回復する。
なお、バッファタンクに放出した液体が負圧時に閉鎖系管路に戻る還流系を構成するので、バッファタンクの貯留容積は小さくてよく、システムが小型・軽量化されて設備コストおよび運転コストも抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る閉鎖系管路の圧力調整システムのプロセスフロー図。
【図2】従来の閉鎖系管路の1例を示すプロセスフロー図。
【符号の説明】
1 閉鎖系管路
2 加圧ポンプ
3 供給配管
4 タンク
5 タンク配管
6 負荷配管
7 ベント弁
8 ベント配管
9 ドレン弁
10 ドレン配管
11 伸縮継手
12 開閉弁
13 逃がし弁
14 逃がし配管
15 開閉弁
20 逃がし弁
21 放出管
22 バッファタンク
23 戻り管
24 逆止弁
25 ドレン弁
26 ドレン配管
27 回収パン
28 ベント配管
29 ミストセパレータ
30 開閉弁
31 バイパス配管
Claims (1)
- 液体が流通する閉鎖系管路の圧力を調整するシステムにおいて、閉鎖系管路1に逃がし弁20を設けた放出管21が接続され、前記逃がし弁20の出口側は密閉型のバッファタンク22に連通され、該バッファタンク22には逆止弁24を設けた戻り管23が接続され、さらに前記逆止弁24の出口側が閉鎖系管路1に連通され、閉鎖系管路1の圧力が所定値以上になったときに前記逃がし弁20が開いて閉鎖系管路1の液体が前記バッファタンク22に放出され、閉鎖系管路1の圧力が負圧になったときに前記逆止弁24が開いてバッファタンク22に貯留する液体が閉鎖系管路1に戻るように構成されていることを特徴とする閉鎖系管路の圧力調整システム。
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JP2003161257A JP2004362357A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 閉鎖系管路の圧力調整システム |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003161257A JP2004362357A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 閉鎖系管路の圧力調整システム |
Publications (1)
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JP2004362357A true JP2004362357A (ja) | 2004-12-24 |
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ID=34053765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003161257A Pending JP2004362357A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 閉鎖系管路の圧力調整システム |
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JP (1) | JP2004362357A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20130025083A (ko) * | 2011-09-01 | 2013-03-11 | 대우조선해양 주식회사 | 배관 시스템 및 그의 압력 조절 방법 |
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2003
- 2003-06-05 JP JP2003161257A patent/JP2004362357A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20130025083A (ko) * | 2011-09-01 | 2013-03-11 | 대우조선해양 주식회사 | 배관 시스템 및 그의 압력 조절 방법 |
KR101884756B1 (ko) * | 2011-09-01 | 2018-08-02 | 대우조선해양 주식회사 | 배관 시스템 |
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