JP3104298U - 燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度上昇による配管内の圧力の異常上昇を生じない安全性に優れた燃料供給装置を得る。
【解決手段】 閉止弁3の上流と下流の間に燃料逃し管路6を設け、この燃料逃し管路6上に圧力逃し装置として圧力逃し弁4を接続する。閉止弁3の上流の燃料供給管路5内の燃料が温度上昇により設定圧力以上になると圧力逃し弁4が開いて、閉止弁3上流の燃料を下流に放出することにより、閉止弁3上流側管路の配管および配管部品を保護する。
【選択図】 図1

Description

本考案は、エンジンなどの液体燃料を使用する産業機械において、液体燃料を燃料貯油槽から燃料小出槽に搬送する燃料供給装置に関するものである。
燃料供給管路において、複数の閉止弁などのバルブによって閉鎖状態となった燃料供給管路領域内部の液体燃料の温度が設置環境の変化などにより上昇すると、この閉鎖された燃料供給管路領域内が異常昇圧状態となり、燃料供給管路の配管や配管部品の破損にいたることがしばしばある。
この際に、燃料供給管路に使用される可撓管、可撓継手などではこの異常昇圧による液体燃料の膨張量を吸収できない。また、安全弁を設置することにより高圧になった液体燃料を逃がす方法もとられているが、燃料供給のための配管経路が複雑となりコストも増加する。
本考案は、液体燃料を燃料貯油槽から燃料小出槽に搬送するにあたり、燃料供給ポンプ停止後に閉止弁を閉じることにより構成される、閉鎖された燃料供給管路内領域において、液体燃料が充満した状態で温度が上昇した場合に発生する異常昇圧状態によって引き起こされる、燃料供給管路の配管や配管部品の破損防止という前記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、燃料供給管路の高耐圧化や、燃料供給管路の過度な増加を要することなく、簡便な構成によって安全性に優れた燃料供給装置を提供することにある。
請求項1の考案は、前記従来の課題を解決するために、その途中に逆止弁、燃料供給ポンプおよび閉止弁を順に設置した燃料貯油槽から燃料小出槽へ液体燃料を搬送する燃料供給管路において、前記閉止弁をバイパスさせて燃料逃し管路を設け、この燃料逃し管路には、前記逆止弁と閉止弁との間で閉鎖される領域における液体燃料の圧力が、安全上から設定されている圧力値より高い圧力になると動作する圧力逃し装置を設置した燃料供給装置を提案するものである。
請求項2の考案の燃料供給装置は、請求項1における圧力逃し装置として、前記閉鎖領域内の液体燃料の圧力が開弁のための設定圧力値より高くなると開き、閉弁のための設定圧力値以下になると閉じる圧力逃し弁を用いる。
請求項3の考案の燃料供給装置は、請求項1において、圧力逃し装置として開閉弁を用いるとともに、閉止弁上流側の圧力を検知する圧力検知手段を設け、この圧力検知手段の検知圧力が開弁のための設定圧力値以上のとき上記開閉弁を開き、検知圧力が閉弁のための設定圧力値以下のとき上記開閉弁を閉じる制御手段を設ける。
本考案によれば、燃料供給管路における閉止弁の上流側管路部分を高価な高耐圧化仕様とする必要がなく、簡単な構成で燃料供給ポンプ停止後に閉止弁を閉じた後、この閉止弁と逆止弁の間の異常昇圧状態を安全に回避できる。したがって燃料供給管路の信頼性を高めることができる。
図面を参照して本考案の第1実施例について説明する。図1に示すように、燃料貯油槽1から、エンジンなどの産業機械の運転時に液体燃料を供給するために設置した燃料小出槽2に至る燃料供給管路5に逆止弁8、燃料供給ポンプ7および閉止弁3が順に設けられている。
また、燃料供給管路5には、この燃料供給管路5に可撓性を与えるための可撓継手9が設けられている。
更に、燃料供給管路5には、閉止弁3の上流側で分岐して閉止弁3の下流側で合流する燃料逃し管路6がバイパスして設けられており、この燃料逃し管路6には圧力逃し弁4が設けられている。
逆止弁8は、燃料供給ポンプ7稼動時には開き、燃料供給ポンプ7停止時には閉じる機構を持つ、燃料供給ポンプ7の上流側の液体燃料を管路内に留めておくために燃料供給管路5の燃料貯油槽1出口部に設けられたスイング式またはリフト式のチャッキ弁とも呼ばれる逆流防止弁である。
閉止弁3は電気駆動であり、燃料供給ポンプ7運転停止後における燃料小出槽2への液体燃料の余剰供給およびこれによる燃料小出槽2からの液体燃料のあふれを防止するとともに、燃料貯油槽1の液体燃料液面が燃料小出槽2の液体燃料液面より高い場合に、燃料供給ポンプ7停止時において、燃料貯油槽1と燃料小出槽2との液体燃料液面高低差から生ずる「サイフォンの原理」として知られる現象による燃料貯油槽1から燃料小出槽2への自然供給を防止するために設けられており、図1には記載していない電気または電子式制御装置からの指令により所定の動作を行なうものであり、閉止弁3は燃料供給ポンプ7の運転、停止に合わせ燃料供給管路5を開閉する。
燃料供給の開始にあたっては、図1には記載していない電気または電子式制御装置からの指令によって閉止弁3が開弁状態とされるとともに燃料供給ポンプ7が運転を開始し、燃料供給ポンプ7で燃料貯油槽1から吸入され加圧された液体燃料が燃料供給管路5を経由して燃料小出槽2に搬送される。なお、逆止弁8は、燃料供給ポンプ7運転時には自動的に開弁する。
燃料供給ポンプ7運転中は燃料供給管路5の内部には液体燃料が安定した状態で充満している。一方、圧力逃し弁4は燃料供給ポンプ7の吐出圧力Pfでは開弁しないように設定されており、燃料供給ポンプ7運転中は燃料逃し管路6を閉止している。
燃料供給の停止に際しては、図1には記載していない電気または電子式制御装置からの指令によって燃料供給ポンプ7の運転を停止するとともに、閉止弁3を閉弁動作させる。これらの動作は若干の時間差はあるもののほぼ同時に行なわれる。
なお、逆止弁8は、燃料供給ポンプ7停止時には自動的に閉弁する。
このようにすると、燃料供給管路5の逆止弁8、閉止弁3および圧力逃し弁4によって閉鎖された領域内に燃料供給ポンプ7の吐出圧力に近い圧力を保持した液体燃料が充満封入されることとなる。
一方、燃料供給管路5の最下流にある燃料小出槽2への注油口10は、燃料小出槽2の液体燃料貯蔵最高位レベルよりも上部に、すなわち大気開放状態で燃料小出槽2に取付けられており、したがって燃料供給停止中においては燃料供給管路5の閉止弁3の下流側および燃料逃し管路6内の液体燃料の圧力は大気圧とほぼ同じである。
燃料供給ポンプ7の吐出圧力Pfがたとえば0.34MPaであった場合には、安全上、圧力逃し弁4の開弁のための設定圧力Pbとして0.5MPaを選定している。
また圧力逃し弁4の閉弁のための設定圧力Paとしては、燃料供給ポンプ7の吐出圧力Pfと圧力逃し弁4の開弁のための設定圧力Pbの中間の値、たとえば0.42MPaを選定している。
燃料供給ポンプ7稼動中には圧力逃し弁4は、その開弁のための設定圧力Pbが燃料供給ポンプ7の吐出圧力Pf以上であるので開弁せず、燃料逃し管路6を閉止している。
燃料供給停止後に上記逆止弁8、閉止弁3および圧力逃し弁4によって閉鎖された管路領域内部の温度が設置環境の変化などにより上昇すると、封入されている液体燃料が加熱されて膨張しようとする。しかし、前記閉鎖された管路領域の容積は一定であって等積変化のために圧力が急激に上昇する。
上記逆止弁8、閉止弁3および圧力逃し弁4によって閉鎖された管路領域内の圧力が、安全上から設定されている圧力逃し弁4の開弁のための設定圧力Pb以上になると、圧力逃し弁4が開く。圧力逃し弁4が開くことによって、上記閉鎖された管路領域内の高圧液体燃料はほぼ大気圧と同じ圧力状態の燃料逃し管路6へ放出され、上記閉鎖された管路領域内の液体燃料の圧力は低下する。
圧力逃し弁4が開いた後、上記閉鎖された管路領域内の液体燃料の圧力が圧力逃し弁4の閉弁のための設定圧力Pa以下になると、圧力逃し弁4が閉じる。
この圧力逃し弁4の開閉動作は、上記閉鎖された管路領域内の液体燃料の圧力の変化に従って繰り返される。
したがって、燃料供給ポンプ7の運転停止後においては上記閉鎖された管路内で圧力上昇があっても、液体燃料の圧力は常に圧力逃し弁4の閉弁のための設定圧力Paと圧力逃し弁4の開弁のための設定圧力Pbの間の圧力に保持されることになり、異常昇圧状態を安全に回避する。
即ち、圧力逃し弁4は燃料供給停止中の燃料供給管路5の配管や配管部品を保護する安全用の圧力レギュレータとして働く。
図面を参照して本考案の第2実施例について説明する。第2実施例では図2に示すように、第1実施例において具備していた圧力逃し弁4に代えて開閉弁24を設け、さらに燃料供給管路5の閉止弁上流側の圧力を検知する圧力検知センサー21と、開閉弁制御装置22およびこの開閉弁制御装置22の指令により前記開閉弁24を開閉するアクチュエータ23を設けている。
他の構成は、第1実施例と同じである。
開閉弁24は燃料供給ポンプ7の吐出圧力Pf2では開弁しないように設定されている。燃料供給ポンプ7稼動中には、開閉弁24の開弁のための設定圧力Pb2が燃料供給ポンプ7の吐出圧力Pf2以上であるので開閉弁24を開弁しないように開閉弁制御装置22が制御しており、燃料逃し管路6は閉止されている。
燃料供給停止後に逆止弁8、閉止弁3が閉じて、燃料供給管路5において逆止弁8、閉止弁3および開閉弁24によって閉鎖された管路領域内部の温度が設置環境の変化などにより上昇すると、封入されている液体燃料が加熱されて膨張しようとする。しかし、前記閉鎖された管路領域の容積は一定であって等積変化のために圧力が急激に上昇する。
燃料供給ポンプ7の吐出圧力Pf2がたとえば0.34MPaであった場合には、安全上、開閉弁24の開弁のための設定圧力Pb2として0.5MPaを選定している。
また開閉弁24の閉弁のための設定圧力Pa2としては、燃料供給ポンプ7の吐出圧力Pf2と開閉弁24の開弁のための設定圧力Pb2の中間の値、たとえば0.42MPaを選定している。
開閉弁制御装置22は、閉止弁3上流側の前記閉鎖された領域内の圧力を常に圧力検知センサー21からの信号を取り込んで検知し、安全上から設定されている開閉弁24の開弁値として設定した圧力Pb2以上になると、開閉弁24を開けるようにアクチュエータ23に指令を出す。
これにより開閉弁24が開き、上記閉鎖された管路領域内の高圧液体燃料はほぼ大気圧と同じ圧力状態の燃料逃し管路6へ放出され、上記閉鎖された管路領域内の液体燃料の圧力は低下する。
開閉弁制御装置22は、その後も閉止弁3上流側の前記閉鎖された領域内の圧力を圧力検知センサー21からの信号を取り込んで検知し、開閉弁24の閉弁値として設定した圧力Pa2以下になると、開閉弁24を閉じるようにアクチュエータ23に指令を出す。
この開閉弁24の開閉動作は、上記閉鎖された管路領域内の液体燃料の圧力の変化に従って繰り返される。
したがって、燃料供給ポンプ7の運転停止後においては上記閉鎖された管路内で圧力上昇があっても、液体燃料の圧力は常に開閉弁24の閉弁のための設定圧力Pa2と開閉弁24の開弁のための設定圧力Pb2の間の圧力に保持されることになり、異常昇圧状態を安全に回避する。
本考案の第1実施例の形態を示す配置図である。 本考案の第2実施例の形態を示す配置図である。
符号の説明
1 燃料貯油槽
2 燃料小出槽
3 閉止弁
4 圧力逃し弁
5 燃料供給管路
6 燃料逃し管路
7 燃料供給ポンプ
8 逆止弁
9 可撓継手
10 注油口
21 圧力検知センサー
22 開閉弁制御装置
23 アクチュエータ
24 開閉弁

Claims (3)

  1. エンジンなどの液体燃料を使用する産業機械において、燃料貯油槽に貯蔵してある液体燃料を燃料小出槽に搬送する燃料供給管路が、上流から順に逆止弁、燃料供給ポンプおよび閉止弁を具えており、閉止弁の上流側の圧力が安全上から設定されている圧力値より高い圧力となった時に動作する圧力逃し装置を備えた燃料逃し管路が前記閉止弁をバイパスさせて設けられていることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載の燃料供給装置において、前記圧力逃し装置として閉止弁の上流側の圧力が開弁のための設定圧力値より高くなると開き、閉弁のための設定圧力値以下になると閉じる圧力逃し弁を用いることを特徴とする燃料供給装置。
  3. 請求項1に記載の燃料供給装置において、前記圧力逃し装置として開閉弁を用い、さらに閉止弁上流側の圧力を検知する圧力検知手段と、
    この圧力検知手段の検知圧力が開弁のための設定圧力値以上になると前記開閉弁を開き、検知圧力が閉弁のための設定圧力値以下になると前記開閉弁を閉じる制御手段と、
    を設けたことを特徴とする燃料供給装置。
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