JP2004362316A - 2段階スイッチを有する電話機 - Google Patents

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陽亮 西田
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Abstract

【課題】2段階スイッチを用いることによって、1つのキーの押下動作だけで、「決定」または「キャンセル」の機能を選択可能とした電話機を提供する。
【解決手段】2段階スイッチを押下すると、まず、第1段階スイッチストッパ4と検出部6が接触する。その後、スイッチ押下を止める(スイッチを開放する)と、2段階スイッチは、元に戻り、システム制御部16は、「決定」処理を実行する。また、2段階スイッチが、第1段階まで押下された状態から、さらに、押下され、検出部6が、第2段階スイッチストッパ5と接触したことを検出すると、システム制御部16は、「キャンセル」処理を実行する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話機に関し、より詳細には、2段階スイッチを用いて、1つの機能キー操作により、迅速かつ確実に、決定処理あるいはキャンセル処理を選択できる電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電話機、特に、携帯電話機やPHS等の多機能化に伴い、これらの機能を操作するために必要なキーの数は増えている。しかし、キーを配置するスペースは、片手で電話機を持ったまま操作する指の届く範囲という条件から、限定されており、キーの数の増加に伴い、空きスペースは少なくなり、片手操作により使用できるキーの数は、限界に近づきつつある。
【0003】
キー操作により入力されたデータの処理を実行する「決定」あるいは入力されたデータの処理の取消しを実行する「キャンセル」といった排他的な機能、つまり、どちらかの機能を選択する場合、従来技術では、「決定」を実行する「決定」キーと「キャンセル」を実行する「キャンセル」キーとを別々に用意し、各キーに処理の実行を割り当てていた。例えば、「決定」キーは、十字キーの真中の機能キーが割当てられ、片手で電話機をもった状態で操作できるようになっている。「キャンセル」キーも片手で電話機を持ったまま操作できるが、「決定」キーとは別に用意しなければならず、小型化やコスト低減の阻害要因の一つとなっていた。
【0004】
キーの数を減らすために、1つのキーに2つの機能を持たせ、押下された時に第1の機能を実行し、さらに押下された時に第2の機能を実行するいわゆる2段階スイッチが提案されている。この2段階スイッチは、例えば、特開平6−22359号公報(電話情報処理システム)に記載されているように、回線補足情報の登録と、その後に続くダイヤル処理情報の登録というような、2種類の登録を1つのスイッチ(2段階スイッチ)で順次行なうような場合に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
その他にも、例えば、特開昭61−206323号公報(無線通信機)に記載されているように、回路の切り替えと、その後の、送信出力の切り替えというような、2つの機能(切り替え)を連続させて行なわせる場合(例えば、特許文献2参照)、あるいは、特開昭62−81861号公報(選択動作可能電子装置)に記載されているように、選択動作の識別信号を発生させる機能と、その後の、選択動作を実行させる機能というような、2つの機能を連続させて行なわせる場合(例えば、特許文献3参照)、あるいは、特開平2−39757号公報(ダイヤル数字確認機能付電話機)に記載されているように、予め記憶された各ダイヤル数字の音声を発生させる機能と、その後の、ダイヤル信号を送出させる機能というような、2つの機能を連続させて行なわせる場合(例えば、特許文献4参照)、あるいは、特開2002−184270号公報(キーボタン付き装置)に記載されているように、選択機能の実行と、その後の、確定機能の実行というような、2つの機能を連続させて行なわせる場合(例えば、特許文献5参照)などに使用されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−22359号公報(第2−4頁、第1図)
【特許文献2】
特開昭61−206323号公報(第1、2頁、図(図面番号無し))
【特許文献3】
特開昭62−81861号公報(第2−4頁、第1図)
【特許文献4】
特開平2−39757号公報(第1、2頁、第1図)
【特許文献5】
特開2002−184270号公報(第2−4頁、第4図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の2段階スイッチは、いずれも、該2段階スイッチが押下された時に、まず、第1の機能を実行し、さらに押下された時に、前記第1の機能に続く第2の機能を実行するように構成されており、該2段階スイッチが押下された時は、必ず第1の機能が実行され、さらに押下された時に、第1の機能に関連した第2の機能が実行されるもので、第1の機能と関係なく第2の機能だけを実行することができなかった。
【0008】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、2段階スイッチにより、第1の機能と、該第1の機能とは全く関係のない第2の機能とを独立して実行できるようにして、具体的には、十字キー等の複数の操作キーを有する携帯電話機等において、該2段階スイッチは、該複数の操作キーの近傍に配設され、これら複数の操作キーによって携帯電話機に所望の情報が入力された後に、該2段階スイッチを途中まで押下した時は、第1の機能(例えば、決定)を実行し、さらに押下した時は、第1の機能(決定)とは全く関係のない第2の機能(例えば、キャンセル)を実行できるようにしてなされたものである。
【0009】
また、従来の2段階スイッチと同様に、2段階スイッチが押下された時に、まず、第1の機能を実行し、さらに押下された時に、前記第1の機能に続く第2の機能を実行できるようにしてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の操作キーと該操作キーの近傍に配設された機能キーとを有し、前記操作キーにより入力されたデータの処理を、前記機能キーにより実行する電話機において、前記機能キーは、押圧により下降し、押圧の解除により上昇する可動部材と、該可動部材に上下方向に間隔を置いて設けられた2つの被検出部材と、固定部材に配設され、前記可動部材が押下された時に前記被検出部材の位置を検出する検出部とを有し、前記電話機は、前記検出部が下側の被検出部材のみを検出した時に、第1の処理を実行し、前記検出部が下側の被検出部材と上側の被検出部材とを検出した時に、第2の処理を実行することを特徴とする。
【0011】
また、前記電話機は、前記検出部が下側の被検出部材を検出したことを記憶する記憶部を有し、前記検出部が下側の被検出部材を引き続き検出した時に、前記いずれの処理も実行していないことを表示するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、複数の操作キーと該操作キーの近傍に配設された機能キーとを有し、前記操作キーにより入力されたデータの処理を、前記機能キーにより実行する電話機において、前記機能キーは、押圧により下降し、押圧の解除により上昇する可動部材と、該可動部材に設けられた1つの被検出部材と、固定部材に上下方向に間隔を置いて配設され、前記可動部材が押下された時に前記被検出部材の位置を検出する2つの検出部を有し、前記電話機は、上側の検出部のみが前記被検出部材を検出した時に、第1の処理を実行し、上側の検出部と下側の検出部とが、前記被検出部材を検出した時に、第2の処理を実行することを特徴とする。
【0013】
また、前記電話機は、上側の検出部が前記被検出部材を検出したことを記憶する記憶部を有し、上側の検出部が前記被検出部材を引き続き検出した時に、前記いずれの処理も実行していないことを表示するようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、前記第1の処理は、決定の処理であり、前記第2の処理は、キャンセルの処理であることを特徴とする。
【0015】
また、複数の操作キーと該操作キーの近傍に配設された機能キーとを有し、前記操作キーにより入力されたデータの処理を、前記機能キーにより実行する電話機において、前記機能キーは、押圧により下降し、押圧の解除により上昇する可動部材と、該可動部材に上下方向に間隔を置いて設けられた2つの被検出部材と、固定部材に配設され、前記可動部材が押下された時に前記被検出部材の位置を検出する検出部とを有し、前記電話機は、前記機能キーが押下され、前記検出部が、下側の被検出部材を検出した時に、第1の処理を実行し、次いで、上側の被検出部材を検出した時に、第2の処理を実行することを特徴とする。
【0016】
また、複数の操作キーと該操作キーの近傍に配設された機能キーとを有し、前記操作キーにより入力されたデータの処理を、前記機能キーにより実行する電話機において、前記機能キーは、押圧により下降し、押圧の解除により上昇する可動部材と、該可動部材に設けられた1つの被検出部材と、固定部材に上下方向に間隔を置いて配設され、前記可動部材が押下された時に前記被検出部材の位置を検出する2つの検出部を有し、該電話機は、前記機能キーが押下され、上側の検出部が前記被検出部材を検出した時に、第1の処理を実行し、次いで、下側の検出部が前記被検出部材を検出した時に、第2の処理を実行することを特徴とする。
【0017】
また、前記機能キーは、十字キー中央部に配設されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による十字キー中央部に配設された2段階スイッチの一実施例を示す図であり、図1(A)は、上から見た外観図で、2段階スイッチの2段階スイッチ釦2が、他のキーと区別するための表示「F」を付されて、十字キー1の中央部に配設されている。従来技術による携帯電話やPHS等の電話機は、カーソルの移動やメニューの選択等に用いられる十字キー1の中央部に、「決定」キーとして用いられる機能キーを有しており、この「決定」キーは、数字や文字を入力するキーや十字キー等を用いて入力されたデータに対する処理を実行するためのキーとして用いられる。ここに示した左右上下の矢印を付した十字キーは、1つの例であり、これに限定されるものではない。また、入力したデータの処理を取消すためのキーは、「決定」キーとは別に、例えば、「キャンセル」キーとして設けられている。本実施例では、機能キーに、2段階スイッチを用いることにより、1つのキーで、「決定」あるいは「キャンセル」の機能を選択して実行できるようにしたものである。また、従来技術の2段階スイッチの場合と同様に、本発明による2段階スイッチを用いることにより、2つの機能を連続実行することもできる。
【0019】
図1(B)は、図1(A)に示した十字キーと2段階スイッチを横方向から見た断面図であり、2段階スイッチが押下されていない状態を示している。十字キー1は、例えば、図1(A)に示した右方向の矢印部を押下すると、接点保持部材10が押し下げられ、接点保持部材10により保持されている接点10aが、接点保持部材11により保持されている接点11aと接触して、導通する。反対側の左方向の矢印部を押下すると、接点保持部材12が押し下げられ、接点保持部材12により保持されている接点12aが、接点保持部材13により保持されている接点13aと接触して、導通する。上方向および下方向の矢印についても、図示していないが、同様の接点が用いられている。この十字キーの接点は、1つの例であり、これに限定されるものではない。
【0020】
2段階スイッチ釦2は、スイッチ軸(可動部材)3に固定されており、スイッチ軸3には、第1段階スイッチストッパ(被検出部材)4および第2段階スイッチストッパ5が固定されている。スイッチ軸3は、スイッチ底に固定されたばね8により上方向に力が加えられており、2段階スイッチ釦2への押圧により下降し、押圧が解除されると上昇する。第1段階スイッチストッパ4および第2段階スイッチストッパ5は、スイッチ軸3の上下動と共に上下動して、検出部6と接触する。検出部6は、スイッチ壁(固定部材)9に固定されており、第1段階スイッチストッパ4または第2段階スイッチストッパ5が接触したことを検出する。第2段階スイッチストッパ5は、硬度の高い材料でできており、検出部6と接触すると停止する。第1段階スイッチストッパ4は、検出部6と接触すると停止するが、更に、強く押下した時に、検出部6を通過できるようにするため、柔軟性のある材料でできている。
【0021】
図2は、本発明による2段階スイッチの一実施例の断面と周辺回路のブロック図であり、図2(A)は、2段階スイッチが押下されていない初期状態を示している。検出部6は、入出力回路(図示してない)を経由して、システム制御部16と接続されており、システム制御部16は、検出部6が、第1段階スイッチストッパ4あるいは第2段階スイッチストッパ5との接触を検出した時に、ユーザが入力したデータを、それぞれ、第1メモリ(記憶部)17あるいは第2メモリ18に格納する。図2(A)の状態から2段階スイッチを押下すると、まず第1段階スイッチストッパ4と検出部6が接触し、2段階スイッチが第1段階まで押下された状態、つまり、図2(B)の状態になる。この時、入力されたデータが、第1メモリ17に格納される。
【0022】
2段階スイッチが第1段階まで押下された状態で、押下が止められる(スイッチが開放される)と、2段階スイッチは、初期状態に戻り、システム制御部16は、第1メモリ17に格納されている入力されたデータに対する「決定」処理を実行し、「決定」処理が完了すると、第1メモリ17を初期化する。2段階スイッチが初期状態に戻ったかどうかは、第1段階になった後、所定時間内に、検出部6が、第2段階スイッチストッパ5との接触を検出しなかった時に、つまり、第2段階まで押下されなかった時に、初期状態に戻ったと判断する。
【0023】
2段階スイッチが、第1段階まで押下された状態から、更に押下されると、第2段階スイッチストッパ5は、検出部6と接触し、2段階スイッチは、第2段階まで押下された状態、つまり、図2(C)の状態になる。システム制御部16は、検出部6が、第2段階スイッチストッパ5との接触を検出すると、入力されたデータを第1メモリ17から読み出して第2メモリ18に格納し、第2メモリ18に格納したデータに対する「キャンセル」処理を実行し、「キャンセル」処理が完了すると、第1メモリ17と第2メモリ18を初期化する。2段階スイッチは、押下が止められる(スイッチが開放される)と、初期状態に戻る。
【0024】
検出部6は、一般的に用いられる電気的なセンサを用いて、スイッチストッパとの接触を検出する。例えば、検出部6側に、開放された2つの電気接点を設けて、スイッチストッパにより、この2つの接点を接触させる構成とすることができる。ここでは、接触型の電気的なセンサを用いたが、光センサ等の被接触型のセンサを用いても良い。例えば、検出部から光を発光し、可動部材(スイッチ軸3)に設けた被検出部材からの反射光を光センサで観測してもよい。この場合、可動部材に設ける被検出部材としては、鏡でも良いし、白地に光を吸収する黒い横線を施したものでも良く、反射光の強弱が区別できるものであれば良い。
【0025】
図3は、本発明による電話機の一実施例のブロック図であり、図2に対応する構成については、同一の符号を付している。2段階スイッチ20は、入力部15に含まれるが、図3では、取り出して記述している。入力部15は、ユーザが数字や文字を入力するキー、カーソルを移動したりメニューを選択するための十字キー、および、入力したデータの処理を実行するための機能キー等を有し、この入力部15から入力されたデータは、入出力回路19を経由して、システム制御部16に送られる。システム制御部16は、入力されたデータを第1メモリ17あるいは第2メモリ18に格納し、また、入出力回路19は、入力されたデータや処理結果を表示部14に表示する。
【0026】
2段階スイッチ20内の検出部6は、2段階スイッチが第1段階まで押下された後、押圧されていた力が解除され、初期状態に戻ると、入出力回路19にその旨を示す信号を送出する。その信号は、入出力回路19からシステム制御部16に伝えられ、システム制御部16は、第1メモリ17に格納した入力されたデータに対して「決定」の処理を行ない、「決定」の処理完了の信号を入出力回路19に送る。入出力回路19は、表示部14に「決定」処理が完了したことを表示する。
【0027】
また、検出部6は、2段階スイッチ20が第1段階まで押下され、さらに第2段階まで押下されたことを検出すると、入出力回路19にその旨を示す信号を送出する。その信号は、入出力回路19からシステム制御部16に伝えられ、システム制御部16は、入力されたデータを第1メモリ17から読み出して第2メモリ18に格納し、第2メモリ18に格納した入力されたデータに対して「キャンセル」の処理を行ない、処理完了の信号を入出力回路19に送る。入出力回路19は、表示部14に「キャンセル」処理が完了したことを表示する。
【0028】
図4は、本発明による電話機の一実施例の処理過程を示したフロチャートである。2段階スイッチが、押下されていない初期状態から(ステップS1)、2段階スイッチが第1段階まで押下され、検出部6が、第1段階スイッチストッパ4の接触を検知した後(ステップS2)、入力されたデータを第1メモリ17に格納し(ステップS3)、2段階スイッチが、所定時間内に第2段階まで押下されたか否か判断する(ステップS4)。2段階スイッチが、所定時間内に第2段階まで押下されていない場合は、第1メモリ17に格納した入力されたデータに対して「決定」処理を実行し(ステップS9)、第1メモリ17を初期化して終了する(ステップS10)。2段階スイッチが、さらに、押下され、所定時間内に第2段階スイッチストッパ5が検出部6に接触し、つまり、2段階スイッチが、第2段階まで押下されると(ステップS5)、入力されたデータを第1メモリ17から読み出して第2メモリ18に格納し(ステップS6)、第2メモリ18に格納した入力されたデータに対して「キャンセル」処理を実行した後(ステップS7)、第1メモリ17と第2メモリ18を初期化して終了する(ステップS8)。
【0029】
上述した実施例では、ユーザの操作が適正に行なわれ、必ず「決定」処理または「キャンセル」処理のどちらかを実行する例を示したが、ユーザの不適切なキー操作、例えば、2段階スイッチが第1段階を通過した後、第2段階に至る前に2段階スイッチが解放され、ユーザの操作が決定かキャンセルか判断できないようなことが懸念される場合は、検出部6と2段階スイッチストッパ4または2段階スイッチストッパ5との接触回数をメモリに記憶しておき、初期状態に戻った時、すなわち、2段階スイッチが第1段階に達した後所定時間が経過した時に、記憶した接触回数を確認することにより、前述したような不適切な操作があったかどうか判断し、不適切な操作があった場合は「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しないようにできる。
【0030】
具体的には、2段階スイッチが初期状態から押下されると、まず第1段階スイッチストッパ4と検出部6が接触し、この時、システム制御部16は、検出部6が1回目の接触を検出したことを、第1メモリ17に記憶する。2段階スイッチが、さらに第2段階まで押下されると、検出部6は、第2段階スイッチストッパ5が接触したことを検出し、2回目の接触があったことを、第1メモリ17に記憶する。その後、2段階スイッチが、解放され、初期状態に戻る際、第1段階スイッチストッパ4は、再度検出部6と接触する。この時、3回目の接触があったことを、第1メモリ17に記憶する。
【0031】
システム制御部16は、2段階スイッチが第1段階に達した後所定時間が経過した時に、第1メモリ17を参照して、検出部6と第1段階スイッチストッパ4または第2段階スイッチストッパ5とが何回接触したか判断する。接触回数が1回の場合は、2段階スイッチが第1段階まで達した後、解放されたと判断して、「決定」処理を実行し、接触回数が3回の場合は、2段階スイッチが第2段階まで達した後、解放されたと判断して、「キャンセル」処理を実行する。
【0032】
しかし、第1段階スイッチストッパ4と検出部6が接触した後、2段階スイッチが、第2段階に到達する前に、つまり、第2段階スイッチストッパ5が検出部6と接触する前に、解放されると、第1段階スイッチストッパ4は、初期状態に戻る途中で、検出部6と再度接触する。この時、2回目の接触があったことを、第1メモリ17に記憶する。システム制御部16は、2段階スイッチが第1段階に達した後所定時間が経過した時に、第1メモリ17に記憶した接触回数が2回であることから、不適切な操作であったと判断し、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない。接触回数が4回以上の場合も、不適切な操作があったと判断し、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない。この時、表示部14に、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない旨を表示する。ユーザは、この表示を見ることにより、再試行することが出来る。
【0033】
上述した実施例に示した検出部6は、第1段階スイッチストッパ4が接触したのか、第2段階スイッチストッパ5が接触したのかを検出できないため、システム制御部16は、2回目以降の接触がどちらのスイッチストッパの接触であるか判断できない。そのため、不適切な操作があったか否かを、接触回数により判断したが、検出部6に2段階スイッチの移動方向を検出できるセンサを追加して、2段階スイッチの移動方向、特に検出部6との接触前後の移動方向を検出し、第1メモリ17に記憶することにより、検出部6と第1段階スイッチストッパ4と第2段階スイッチストッパ5との位置関係を正確に把握することが出来る。位置関係が明確になると、検出部6との2回目の接触が、第1段階スイッチストッパ4によるものか、第2段階スイッチストッパ5のよるものか判断できる。
【0034】
上述した例では、「キャンセル」処理を実行するか否かを、第1段階に達した後所定時間が経過した時に、記憶した接触回数で判断していたが、検出部6と第2段階スイッチストッパ5との位置関係が明確になると、2段階スイッチストッパ5が検出部6と接触したか否かを判断でき、2段階スイッチストッパ5が検出部6と接触した時点で、「キャンセル」処理を実行できる。移動方向を検出するためのセンサとしては、例えば、2つのセンサをスイッチ壁9に上下に並べて近接して設置することにより実現できる。
【0035】
この場合、2段階スイッチストッパ5が検出部6と接触した時に、第1メモリ17に記憶した接触回数を確認し、1回の場合は、「キャンセル」処理を実行し、2回以上の場合は、不適切な処理が行なわれたと判断し、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない。また、2段階スイッチストッパ5が検出部6と接触せずに、2段階スイッチが第1段階に達した後所定時間が経過した時に、第1メモリ17に記憶した接触回数を確認し、1回の場合は、「決定」処理を実行し、2回以上の場合は、不適切な操作があったと判断し、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない。この時、表示部14に、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない旨を表示する。
【0036】
また、検出部6と第1段階スイッチストッパ4との接触回数ではなく、接触があったことを第1メモリ17に記憶しておき、引き続いて検出部6と第1段階スイッチストッパ4との接触を検出した時に、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しないようにしてもよい。この時も、表示部14に、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない旨を表示する。
【0037】
また、上述した実施例では、2段階スイッチが第1段階に達した後所定時間が経過したか否かで、初期状態に戻ったか否かを判断しているが、ユーザの押下動作が遅くキー操作が所定時間内に収まらないことが想定される場合は、初期状態に戻ったことを検出するセンサを別途設けて初期状態に戻ったことを検出しても良い。
【0038】
図5は、本発明による2段階スイッチの他の実施例の断面と周辺回路のブロック図であり、1つのスイッチストッパと2つの検出部を用いた実施例である。図2との違いは、第2段階スイッチストッパ5を無くし、検出部7を追加している。2段階スイッチが、押下されていない初期状態、つまり、図5(A)の状態から、押下され、検出部6が第1段階スイッチストッパ4に相当するスイッチストッパ4aとの接触を検出した時が、第1段階まで押下された状態、つまり、図5(B)の状態である。システム制御部16は、2段階スイッチが、第1段階まで押下されると、入力されたデータを第1メモリ17に格納し、2段階スイッチが、所定時間内に第2段階まで押下されない場合は、第1メモリ17に格納した入力されたデータに対して「決定」処理を実行する。
【0039】
2段階スイッチが、更に、押下され、検出部7がスイッチストッパ4aとの接触を検出した時が、第2段階まで押下された状態、つまり、図5(C)の状態である。検出部7も、入出力回路(図示してない)を経由して、システム制御部16に接続されており、検出部7が、スイッチストッパ4aとの接触を検出すると、その旨がシステム制御部16に知らされ、システム制御部16は、入力されたデータを第1メモリ17から読み出して、第2メモリ18に格納し、格納した入力されたデータに対して「キャンセル」処理を実行する。
【0040】
スイッチストッパ4aは、第1段階スイッチストッパ4と同じく柔軟性のある材料でできており、検出部7と接触すると一旦停止する。更に、強く押下した時は、検出部7を通過してしまうが、2段階スイッチ釦2がスイッチ壁9から上に出ている高さあるいはスイッチ軸3の下端とスイッチ底9aとの間隔を調整することにより2段階スイッチの下降を停止できる。
【0041】
図5に示した実施例は、図2に示した実施例と第1段階および第2段階の検出の仕方が異なるだけであり、図5に示した実施例の処理過程は、図4に示した処理過程と同じであり、説明は省略する。
【0042】
尚、前述したようなユーザの不適切なキー操作が懸念される場合は、検出部6とスイッチストッパ4aとが接触回数を第1メモリ17に記憶しておき、第1段階に達した後所定時間が経過した時に、あるいは、検出部7がスイッチストッパ4aを検出したときに、第1メモリ17に記憶した接触回数を確認することにより、上述したような不適切な操作があったかどうか判断し、不適切な操作があった場合は、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しないようにできる。
【0043】
具体的には、初期状態から2段階スイッチを押下すると、まずスイッチストッパ4aと検出部6が接触し、この時、システム制御部16は、検出部6がスイッチストッパ4aと1回目の接触を検出したことを、第1メモリ17に記憶する。2段階スイッチが解放され、検出部7がスイッチストッパ4aとの接触を検出せずに、2段階スイッチが第1段階に達した後所定時間が経過した時に、システム制御部16は、第1メモリ17を参照して、検出部6とスイッチストッパ4aとが何回接触したか判断する。検出部6との接触が1回の場合は、2段階スイッチが第1段階まで達した後、解放されたと判断して、「決定」処理を実行する。検出部6との接触が2回以上の場合は、不適切な処理が行なわれたと判断し、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない。例えば、スイッチストッパ4aと検出部6が接触した後、2段階スイッチが第2段階に到達する前に、つまり、スイッチストッパ4aが検出部7と接触する前に、2段階スイッチが解放され、スイッチストッパ4aが初期状態に戻る途中で検出部6と再度接触し、システム制御部16が、検出部6との2回目の接触を第1メモリ17に記憶した場合などが考えられる。この時、表示部14に、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない旨を表示する。
【0044】
2段階スイッチが、第1段階まで達した後、さらに第2段階まで押下され、検出部7がスイッチストッパ4aとの接触を検出すると、システム制御部16は、第1メモリ17に記憶した接触回数を確認し、接触回数が1回の場合は、「キャンセル」処理を実行する。接触回数が2回以上の場合は、不適切な処理が行なわれたと判断し、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない。この時、表示部14に、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない旨を表示する。
【0045】
上述した例では、検出部7がスイッチストッパ4aとの接触を検出した時点で、「キャンセル」処理を実施したが、その時点で、「キャンセル」処理を実行せず、代わりに、検出部7がスイッチストッパ4aと接触したことを、第2メモリ18に記憶し、2段階スイッチが第1段階に達した後所定時間が経過した時に、第1メモリ17と第2メモリ18の接触回数を確認して、「決定」処理を実行するか、「キャンセル」処理を実行するか、あるいは、不適切な操作があったと判断して、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しないようにしてもよい。
【0046】
また、検出部6とスイッチストッパ4aとの接触回数ではなく、接触があったことを第1メモリ17に記憶しておき、引き続いて検出部6とスイッチストッパ4aとの接触を検出した時に、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しないようにしてもよい。この時、表示部14に、「決定」処理も「キャンセル」処理も実行しない旨を表示する。
【0047】
尚、検出部6と検出部7が、電気接点を用いた電気的なセンサの場合は、チャタリングにより、接触回数を誤って検出する可能性があるので、抵抗とコンデンサを用いたCR回路等を用いて、チャタリング対策を行なう必要がある。
【0048】
上述した実施例では、1つのキーの押下で、「決定」処理と「キャンセル」処理を選択して実行できる実施例を示したが、「決定」処理と「キャンセル」処理以外の処理を選択する場合にも適用できる。
【0049】
図6は、本発明による電話機のさらに他の実施例の処理過程を示したフロチャートであり、上述した実施例のように「決定」処理と「キャンセル」処理を選択して実行するのではなく、従来の2段階スイッチと同様に、2つの機能を連続実行できる。この実施例は、図2あるいは図5と同じ構成で動作し、以下の説明は、図2の構成での処理過程の場合について説明するが、図5の場合についても同様に動作する。2段階スイッチが、押下されていない初期状態から(ステップS11)、2段階スイッチが第1段階まで押下され、検出部6が、第1段階スイッチストッパ4の接触を検知すると(ステップS12)、システム制御部16は、入力部15から入力されたデータを第1メモリ17に格納し(ステップS13)、格納した入力されたデータに対して第1の処理を実行する、例えば、入力されたデータをユーザに確認させるために表示部14に表示する(ステップS14)。次に、2段階スイッチが、所定時間内に第2段階まで押下されたか否か判断する(ステップS15)、押下されていなければ、第1メモリ17を初期化して終了する(ステップS20)。
【0050】
2段階スイッチが、更に、第2段階まで押下され、検出部6が、第2段階スイッチストッパ5の接触を検知すると(ステップS16)、システム制御部16は、第1メモリ17に格納されているデータを読み出して第2メモリ18に格納し(ステップS17)、第2メモリ18に格納されたデータに対して第2の処理を実行、例えば、ユーザにより確認された入力されたデータに対する処理を実行した後(ステップS18)、第1メモリ17と第2メモリ18を初期化して終了する(ステップS19)。これにより、1つのキーの押下で、2つの機能を連続実行できる。
【0051】
以上、携帯電話機やPHS等の電話機に本発明を適用した実施例を説明したが、テレビやビデオテープレコーダ等のリモートコントローラなどのように、片手で持った状態で操作されるキーにも適用できる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、電話機の十字キーの中央部の機能キーに、2段階スイッチを用いることにより、指を移動させることなく、1つのキーの押下動作で、迅速かつ確実に、異なる機能を選択して実行できる。さらに、1つのキーで2つの機能を選択できるので、電話機のキーの数を減らすことができる。
【0053】
また、2段階スイッチを用いて、指を移動させることなく、1つのキーの押下動作で、2つの機能の連続実行も可能であり、この2段階スイッチは、異なる機能の選択、あるいは、2つの機能の連続実行といった2つの処理形態に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による十字キー中央部に配設された2段階スイッチの一実施例を示す図である。
【図2】本発明による2段階スイッチの一実施例の断面と周辺回路のブロック図である。
【図3】本発明による電話機の一実施例のブロック図である。
【図4】本発明による電話機の一実施例の処理過程を示したフロチャートである。
【図5】本発明による2段階スイッチの他の実施例の断面と周辺回路のブロック図である。
【図6】本発明による電話機のさらに他の実施例の処理過程を示したフロチャートである。
【符号の説明】
1…十字キー、2…2段階スイッチ釦、3…スイッチ軸、4…第1段階スイッチストッパ、4a…スイッチストッパ、5…第2段階スイッチストッパ、6、7…検出部、8…ばね、9…スイッチ壁、9a…スイッチ底、10〜13…接点保持部材、10a〜13a…接点、14…表示部、15…入力部(2段階スイッチを除く)、16…システム制御部、17…第1メモリ、18…第2メモリ、19…入出力回路、20…2段階スイッチ。

Claims (8)

  1. 複数の操作キーと該操作キーの近傍に配設された機能キーとを有し、前記操作キーにより入力されたデータの処理を、前記機能キーにより実行する電話機において、前記機能キーは、押圧により下降し、押圧の解除により上昇する可動部材と、該可動部材に上下方向に間隔を置いて設けられた2つの被検出部材と、固定部材に配設され、前記可動部材が押下された時に前記被検出部材の位置を検出する検出部とを有し、前記電話機は、前記検出部が下側の被検出部材のみを検出した時に、第1の処理を実行し、前記検出部が下側の被検出部材と上側の被検出部材とを検出した時に、第2の処理を実行することを特徴とする電話機。
  2. 前記電話機は、前記検出部が下側の被検出部材を検出したことを記憶する記憶部を有し、前記検出部が下側の被検出部材を引き続き検出した時に、前記いずれの処理も実行していないことを表示するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電話機。
  3. 複数の操作キーと該操作キーの近傍に配設された機能キーとを有し、前記操作キーにより入力されたデータの処理を、前記機能キーにより実行する電話機において、前記機能キーは、押圧により下降し、押圧の解除により上昇する可動部材と、該可動部材に設けられた1つの被検出部材と、固定部材に上下方向に間隔を置いて配設され、前記可動部材が押下された時に前記被検出部材の位置を検出する2つの検出部を有し、前記電話機は、上側の検出部のみが前記被検出部材を検出した時に、第1の処理を実行し、上側の検出部と下側の検出部とが、前記被検出部材を検出した時に、第2の処理を実行することを特徴とする電話機。
  4. 前記電話機は、上側の検出部が前記被検出部材を検出したことを記憶する記憶部を有し、上側の検出部が前記被検出部材を引き続き検出した時に、前記いずれの処理も実行していないことを表示するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の電話機。
  5. 前記第1の処理は、決定の処理であり、前記第2の処理は、キャンセルの処理であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電話機。
  6. 複数の操作キーと該操作キーの近傍に配設された機能キーとを有し、前記操作キーにより入力されたデータの処理を、前記機能キーにより実行する電話機において、前記機能キーは、押圧により下降し、押圧の解除により上昇する可動部材と、該可動部材に上下方向に間隔を置いて設けられた2つの被検出部材と、固定部材に配設され、前記可動部材が押下された時に前記被検出部材の位置を検出する検出部とを有し、前記電話機は、前記機能キーが押下され、前記検出部が、下側の被検出部材を検出した時に、第1の処理を実行し、次いで、上側の被検出部材を検出した時に、第2の処理を実行することを特徴とする電話機。
  7. 複数の操作キーと該操作キーの近傍に配設された機能キーとを有し、前記操作キーにより入力されたデータの処理を、前記機能キーにより実行する電話機において、前記機能キーは、押圧により下降し、押圧の解除により上昇する可動部材と、該可動部材に設けられた1つの被検出部材と、固定部材に上下方向に間隔を置いて配設され、前記可動部材が押下された時に前記被検出部材の位置を検出する2つの検出部を有し、該電話機は、前記機能キーが押下され、上側の検出部が前記被検出部材を検出した時に、第1の処理を実行し、次いで、下側の検出部が前記被検出部材を検出した時に、第2の処理を実行することを特徴とする電話機。
  8. 前記機能キーは、十字キー中央部に配設されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電話機。
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