JP2004360454A - 補強材定着用固化材 - Google Patents
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Abstract
【課題】亀裂性地盤においても固化材の逸走を防止し、確実に引張り材またはロックボルトを地盤に定着させる。
【解決手段】アンカー孔を削孔し、このアンカー孔内に引張り材を挿入し、注入によって前記引張り材の先端部を定着するための固化材、または掘削孔内にロックボルトを挿入し、それらの間を充填する固化材であって、ミルク濃度(W/C)40〜60重量%のセメントミルク中に、そのセメントミルクに含まれるセメント重量の0.5〜4.5%の重量の前記硫酸礬土またはポリ塩化アルミニウムが含有されたセメントミルク懸濁液がこれ自体のみで、前記注入に使用される。
【選択図】なし
【解決手段】アンカー孔を削孔し、このアンカー孔内に引張り材を挿入し、注入によって前記引張り材の先端部を定着するための固化材、または掘削孔内にロックボルトを挿入し、それらの間を充填する固化材であって、ミルク濃度(W/C)40〜60重量%のセメントミルク中に、そのセメントミルクに含まれるセメント重量の0.5〜4.5%の重量の前記硫酸礬土またはポリ塩化アルミニウムが含有されたセメントミルク懸濁液がこれ自体のみで、前記注入に使用される。
【選択図】なし
Description
本発明は、アンカー工法またはロックボルト工法において、引張り材またはロックボルトからなる補強材を、地盤または岩盤に定着させるための補強材定着用固化材に関する。
脆弱な地盤を補強する工法として、アンカー工法やロックボルト工法が知られている。アンカー工法は、図2に示されるように、地盤Gの所定位置にアンカー孔(図示しない)を削孔し、このアンカー孔内に引張り材(PC鋼材)101を挿入するとともに、固化材を注入してアンカー体M”を形成し、引張り材101の先端部分(アンカー定着部)を定着させ、次いで、この引張り材101配設位置に支圧体102を設置し、この支圧体102を構造物の頭部として前記引張り材101を緊張し、構造物と地盤に対して引張力を与えることにより地盤Gを補強する工法である。アンカー孔の自立が困難な地盤では、地面からアンカー定着部までの間にシース管を挿入する場合もある。
一方のロックボルト工法は、図3に示されるように、切り取り法面の崩落を防止するためなどに地山を補強する工法であり、地盤Gに掘削孔110を形成し、その掘削孔110内にロックボルト103を挿入し、孔壁110wとロックボルト103との間(アンカー定着部)に固化材M’を充填してロックボルト103と地盤Gとを一体化し、次いで、前記ロックボルト103配設位置に支圧体102を設置して、ロックボルト103を支えとして支圧体102を地面に対して締め付け、そのアンカー効果により地盤Gを補強する工法である。
これらの工法は、様々な状況および地盤の種類などに応じて適宜選択され、広く施工されているとともに、ともに優れた効果を発揮している。なお、近年では、それらの工法を改良した工法も数多く見うけられるが、本明細書中で言う、アンカー工法またはロックボルト工法とは、前述の工法以外に種々の変形例にも当然に適用し得るものである。
前述の何れの工法においても掘削孔内に固化材を注入して地盤の安定化を図る点で共通であり、使用される固化材としては地盤性状などに対応して適宜選択されているが、比較的安価であることから、セメントミルク、モルタルが多用されている。
しかしながら、セメントミルクは、流動性が高いうえに固化時間も長いので、地中に亀裂が多く存在するような亀裂性地盤では、掘削孔内に開口する亀裂より固化材が逸走し、余分な固化材が必要となるとともに、引張り材を確実に地盤に定着できないこともある。
そそこで、本発明の主たる課題は、亀裂性地盤においても固化材の逸走を防止し、確実に引張り材またはロックボルトを地盤に定着させることができる補強材定着用固化材を提供することにある。
請求項1記載の本発明は、アンカー孔を削孔し、このアンカー孔内に引張り材を挿入し、注入によって前記引張り材の先端部を定着するための固化材、または掘削孔内にロックボルトを挿入し、それらの間を充填する固化材であって、
ミルク濃度(W/C)40〜60重量%のセメントミルク中に、そのセメントミルクに含まれるセメント重量の0.5〜4.5%の重量の前記硫酸礬土またはポリ塩化アルミニウムが含有されたものが、前記注入または充填に使用されることを特徴とする補強材定着用固化材である。
ミルク濃度(W/C)40〜60重量%のセメントミルク中に、そのセメントミルクに含まれるセメント重量の0.5〜4.5%の重量の前記硫酸礬土またはポリ塩化アルミニウムが含有されたものが、前記注入または充填に使用されることを特徴とする補強材定着用固化材である。
請求項2記載の発明は、Pロートフロー値が20±3秒である請求項1記載の補強剤定着用固化材である。
本願発明によれば、硫酸礬土またはポリ塩化アルミニウム(PACとも称する。)の作用によってセメントミルクの流動性が低下するので、亀裂性地盤においても固化材の逸走を防止し、確実に引張り材またはロックボルトを地盤に定着させることができる。さらに、請求項1記載の配合割合としたことで、固化後に長期にわたって安定した強度が保持される。また、硫酸礬土およびPACは、比較的安価で入手しやすいので、固化材を安価に製造することが可能となる。
本発明の実施の形態を以下に詳述する。
本発明に係る固化材は、流動性が低く、図1に示すように、掘削孔10内に開口する亀裂Cより固化材Mが逸走することがない。図示されるように、固化材Mは、掘削孔10の孔壁10wとロックボルト3との間に停留し、亀裂性の地盤Gに対してロックボルト3を定着させる。ロックボルト3が地盤Gに定着したならば、そのロックボルトを支えとして支圧体2を地山に対して締め付け、地山を補強する。
本発明に係る固化材は、流動性が低く、図1に示すように、掘削孔10内に開口する亀裂Cより固化材Mが逸走することがない。図示されるように、固化材Mは、掘削孔10の孔壁10wとロックボルト3との間に停留し、亀裂性の地盤Gに対してロックボルト3を定着させる。ロックボルト3が地盤Gに定着したならば、そのロックボルトを支えとして支圧体2を地山に対して締め付け、地山を補強する。
ロックボルト工法およびアンカー工法の具体的施工方法については周知であるので、詳しくは省略する。本発明にかかる固化材は、施工形態により限定されるものではない。また、図示はしないが、アンカー工法において、アンカー孔の先端部分に亀裂が開口しているような地盤、特にシース管を利用しても固化材が逸走しやすい、掘削孔の先端付近に亀裂が生じているような地盤に対しても有効な固化材である。
本発明にかかるセメントは、通常使用される普通、早強、超早強等の各種ポルトランドセメントや、これらのポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ、またはシリカを混合した各種混合セメント、また、消石灰および凝結遅延剤などを配合した各種特殊セメント等も使用できる。
本発明において使用する、アルミニウム塩としては、硫酸バンド、ミョウバン、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムおよびその他酸性を呈する水溶性アルミニウム塩である。
これらのアルミニウム塩は、水酸化カルシウムと混合すると瞬時に水酸化アルミニウムの沈殿物を生成する。本発明は、その反応を利用し、セメントから溶解した水酸化カルシウムとそれらのアルミニウム塩とを反応させ、セメントミルク懸濁液中で沈殿を生成させることで、セメントミルクの流動性を低下させる。
なお、アルミニウム塩は、セメントが存在していなくても水中である程度の水酸化アルミニウムを生成する。特に、硫酸礬土は、加水分解によって硫酸と水酸化アルミニウムとを生成するので、固化材の生成方法としては、予めセメントとアルミニウム塩とを混合した混合物に水に加えていく方がよい。
以下に、ミルク濃度および、それに配合する硫酸礬土またはPACの濃度を変化させて、各種の実験を行ったので実験例を示す。
<実験例>
ミルク濃度(W/C:W=水、C=セメント)は、強度発現の観点から実用性の範囲である40〜60%とした。その間でミルク濃度を5%刻みで変化させたセメントミルクを作成し、さらにそれぞれの濃度において硫酸礬土またはPACの配合量を変化させた試料を作成し、それらの各試料について、Pロートフロー、固化時間、ベーンせん断試験、圧縮強度を測定した。
<実験例>
ミルク濃度(W/C:W=水、C=セメント)は、強度発現の観点から実用性の範囲である40〜60%とした。その間でミルク濃度を5%刻みで変化させたセメントミルクを作成し、さらにそれぞれの濃度において硫酸礬土またはPACの配合量を変化させた試料を作成し、それらの各試料について、Pロートフロー、固化時間、ベーンせん断試験、圧縮強度を測定した。
アンカー工法およびロックボルト工法に使用する固化材としては、Pロートフローの結果が20±3秒であればよく、圧縮強度については、材令7日と材令28日とで測定し、特に材令28日での圧縮強度が24N/mm2以上であれば好適であり、また、ベーンせん断試験は、10〜60分まで10分刻みで測定し、アンカー工法に使用する固化材であれば60分経過したときに2kN/m2以下であれば好適であり、ロックボルト工法に使用する固化材であれば30分経過したときに2kN/m2以下であれば流動性の面からみて好適とされている。
上記条件に加えて、亀裂性地盤での適応性を観察するために、逸脱性試験を行った。逸脱性試験は、長さ1m、φ100mmの下部に穴をあけた透明管に砕石(単位度砕石:5号)をつめ、上部から各試料を注入し、次いで上方から圧力を加えて注入した試料の逸脱具合を観察し、目視によってその効果を判断する。
アルミニウム塩として硫酸礬土を選択したときの実験結果を以下の表1〜5に示す。なお、表中の評価の欄の記号は、×…適さない、△…条件付で効果が認められる、○…効果が認められる、◎…効果が認められ特に適している、を表している。
表1〜5より、硫酸礬土の配合量が多いとセメントの水和反応が抑制され、固化後の強度が低下している。逆に、アルミニウム塩の配合量が低いと逸脱性が観察され逸走しやすくなっている。
次いで、アルミニウム塩としてPACを選択したときの結果を表6〜10に示す。
表6〜10より、PACでは、ミルク濃度40〜55%において硫酸礬土では効果の得られなかった0.5%の添加量でも条件付ながら効果が認められた。表中評価の欄における記号の意味は、硫酸礬土のときと同様である。
実験例に示されるように、本発明にかかる固化材は、アンカー工法およびロックボルト工法において問題なく使用することができ、かつ流動性が低いので亀裂性地盤において特に有効である。
2…支圧体、3…ロックボルト、C…亀裂、G…地盤、M…固化材、M”…アンカー体、R…岩盤、10…掘削孔、10w…孔壁、101…引張り材。
Claims (2)
- アンカー孔を削孔し、このアンカー孔内に引張り材を挿入し、注入によって前記引張り材の先端部を定着するための固化材、または掘削孔内にロックボルトを挿入し、それらの間を充填する固化材であって、
ミルク濃度(W/C)40〜60重量%のセメントミルク中に、そのセメントミルクに含まれるセメント重量の0.5〜4.5%の重量の前記硫酸礬土またはポリ塩化アルミニウムが含有されたものが、前記注入または充填に使用されることを特徴とする補強材定着用固化材。 - Pロートフロー値が20±3秒である請求項1記載の補強剤定着用固化材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004207623A JP2004360454A (ja) | 2004-07-14 | 2004-07-14 | 補強材定着用固化材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004207623A JP2004360454A (ja) | 2004-07-14 | 2004-07-14 | 補強材定着用固化材 |
Related Parent Applications (1)
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JP2000078546A Division JP3669623B2 (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | 補強材定着用固化材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004360454A true JP2004360454A (ja) | 2004-12-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004207623A Pending JP2004360454A (ja) | 2004-07-14 | 2004-07-14 | 補強材定着用固化材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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2004
- 2004-07-14 JP JP2004207623A patent/JP2004360454A/ja active Pending
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