JP4075017B1 - セメントミルク逸失防止材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 定着材として用いられるセメントミルクの掘削孔内に存在する亀裂への流出を防止する。
【解決手段】 アルギン酸ナトリウム濃度が0.2〜4%、好ましくは0.5〜2%の水溶液1重量部に対し、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムの一方あるいは両方を、0.5〜20重量部混合してなるセメントミルク逸失防止材を、アンカー工法における引張り鋼材、またはロックボルト工法におけるロックボルトの定着材として使用されるセメントミルクに添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アンカー工法における引張り鋼材、またはロックボルト工法におけるロックボルトの定着材として用いられるセメントミルクの掘削孔内に存在する亀裂への流出を防止するためのセメントミルク逸失防止材に関する。
補強度工法として用いられるアンカー工法またはロックボルト工法では、引張り鋼材またはロックボルトの定着材として主にセメントミルク、モルタルが用いられている。
セメントミルクの場合は通常、水/セメント比40〜60重量%の範囲で使用されている。必要に応じて、注入流動性をよくするために減水剤、例えばメラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物をセメントミルクに配合し使用されている。
しかしながら、掘削孔内に亀裂が存在した場合、上記セメントミルクは掘削孔内から亀裂へ逸失し余分なセメントミルクが必要となる。
なお、逸失防止の別の手段として、アンカー工法にあっては、特公平5−22771号に、高張力布のアラミド繊維織布袋でアンカー体を囲み、該袋内にセメントペーストが注入され、該袋がセメントペーストの注入圧力で亀裂内に入り込むことにより、セメントペーストの逸失を防止するとした方法も提案されている。
上記の特公平5−22771号のアンカー工法にあっては、
(1)引張り鋼材は、アンカー孔内挿入前にアラミド繊維織布袋を装着するなど、事前に加工を行わなければならず、作業効率が悪い。
(2)袋の膨張により定着させているため定着力の評価が困難である。
(3)袋が地盤に残る。
等の難点がある。
本発明が解決しようとする課題は、掘削孔内に存在する亀裂へのセメントミルクの逸失防止を、特殊な装置あるいは装備を使用せずに従来の工法のもとで可能なものとする、セメントミルク逸失防止材を提供することにある。
請求項1の本発明は、アルギン酸ナトリウム濃度が0.2〜4重量%、好ましくは0.5〜2重量%の水溶液1重量部に対し、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムの一方あるいは両方を、0.5〜20重量部混合してなるセメントミルク逸失防止材が、アンカー工法における引張り鋼材、またはロックボルト工法におけるロックボルトの定着材として使用されるセメントミルクに添加され、当該セメントミルク逸失防止材とセメントから溶出するカルシウムイオンとの反応により生成されるアルギン酸カルシウムゲルが、地盤の亀裂に充填されることによりセメントミルクの逸失を防止することを特徴とするセメントミルク逸失防止材である。
本発明によれば、セメントミルクに上記セメントミルク逸失防止材を添加することにより、セメントから溶出したカルシウムイオンとアルギン酸ナトリウムが即座に反応し、アルギン酸カルシウムゲルが生成される。
静置した状態のセメントミルクに上記セメントミルク逸失防止材を添加した場合、糸コンニャク状のアルギン酸カルシウムゲルとなるが、通常はミキサーによりセメントミルクは撹拌されているため、アルギン酸カルシウムゲルは分断され粒状となる。
この粒状のアルギン酸カルシウムゲルが掘削孔内に存在する亀裂に充填されることにより、セメントミルクの逸失を防止することができる。
このとき、アルギン酸ナトリウム濃度が0.2重量%以下であると、生成されるアルギン酸カルシウムゲル量が少ないため逸失防止効果が得られず、4重量%を超えると高粘度となり実用的でない。
本発明のセメントミルク逸失防止材は、真比重がそれぞれ2.7、3.0の炭酸カルシウム、酸化アルミニウムの一方あるいは両方の固形分を含有しているため、アルギン酸カルシウムゲルの比重が大きくなり、セメントミルク中に均一に分散させることが可能となる。
炭酸カルシウム、酸化アルミニウムにあっては、水に不溶でありカルシウムイオン、アルミニウムイオンをほとんど放出しないため、アルギン酸ナトリウム水溶液をゲル化させることなく共存できる。
セメントミルクの水和反応においては、アルギン酸カルシウムゲルの水分も使用されるが、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムの一方あるいは両方の固形分の含有によリアルギン酸カルシウムゲルの収縮を防止し、セメントミルク固結体内の空洞化を防止する。
炭酸カルシウム、酸化アルミニウムの配合量は、本発明のセメントミルク逸失防止材の粘度が、アルギン酸ナトリウム水溶液1重量部に対し、0.5〜20重量部の範囲のとき実用的であることが、本発明者により確認されている。
本発明の実施の形態について以下に詳述する。アンカー工法またはロックボルト工法の具体的施工方法は周知であるので説明は省略する。本発明に使用するセメントの種類は特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメントの各種ポルトランドセメントや、これらのポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ、またはシリカを混合した各種混合セメントを使用することができる。
本発明に使用するセメントミルクは、上記セメントと水、必要に応じて減水剤を混練することにより作成されるが、増粘剤として消石灰、石膏を加えることもできる。
本発明のセメントミルク逸失防止材は通常セメントミルクに添加されるが、水と消石灰あるいは石膏の分散液に本逸失防止材を添加し、予めアルギン酸カルシウムゲルを生成させた後、セメントを添加しセメントミルクを作成することもできる。
上記の場合、消石灰及び又は石膏から溶出するカルシウムイオンと本発明のセメントミルク逸失防止材が反応しアルギン酸カルシウムゲルが生成される。
以下に実施例を挙げ、更に具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜5
普通ポルトランドセメント1300g、減水剤12g((株)ポゾリス物産レオビルド4000を使用)、水577mlをミキサーで撹拌混合し1リットルのセメントミルクを作成した。このセメントミルクに本発明のセメントミルク逸失防止材100gを添加し、Pロートフロー値、流動性消失時間、一軸圧縮強度を測定した。
実施例6〜8
早強ポルトランドセメント1200g、減水剤12g((株)ポゾリス物産レオビルド4000を使用)、水607mlをミキサーで撹拌混合し1リットルのセメントミルクを作成した。このセメントミルクに本発明のセメントミルク逸失防止材100gを添加し、Pロートフロー値、流動性消失時間、一軸圧縮強度を測定した。
実施例1〜8の試験に加えて、亀裂地盤への効果を確認するために逸脱試験を行った。逸脱試験は、φ5cmのビニール袋に砂利1mを充填し、上部からセメントミルクを注入した後、圧力を加え、セメントミルクの砂利への浸透深さを逸脱性として評価した。砂利の粒径は▲1▼2〜5mm、▲2▼5〜15mm、▲3▼15〜40mmの3種類を用いた。流動性消失時間は、セメントミルクを容器に入れて測定を行うが、この容器を傾けてもセメントミルクが流出しなくなった時間を表す。表中の評価欄の記号は、◎:逸脱防止性有り、○:条件付で逸脱防止性有り、:×逸脱防止性無し、を表している。
アンカー工法またはロックボルト工法に使用するセメントミルクの一軸圧縮強度は1週で18(N/mm)以上、4週で24(N/mm)以上の値が多く採用されている。Pロートフロー値は施工現場の状況により決定されるが、13秒〜20秒であればよい。実施例1〜4、実施例6〜8は増粘剤として消石灰を使用した。
実施例1〜8に使用したセメントミルク逸失防止材の配合を以下に示す。
配合1:アルギン酸ナトリウム0.5重量%液:炭酸カルシウム=1:1.5(重量比)
配合2:アルギン酸ナトリウム1重量%液:炭酸カルシウム=1:1(重量比)
配合3:アルギン酸ナトリウム2重量%液:炭酸カルシウム=1:0.5(重量比)
配合4:アルギン酸ナトリウム1重量%液
実施例1〜5の結果を[表1]、実施例6〜8の結果を[表2]に示す。
比較例1として、セメントミルク逸失防止材および消石灰無添加の測定結果を記した。
Figure 0004075017
表1より、本発明のセメントミルク逸失防止材の添加により逸脱防止効果が認められた。また、消石灰を添加しセメントミルクを増粘させた場合、より逸脱防止効果が上がることが認められた。更に、実施例1〜5と比較例1の流動性消失時間は、ほぼ同等であり作業性に悪影響を与えない。
比較例2として、セメントミルク逸失防止材および消石灰無添加の測定結果を記した。
Figure 0004075017
表1および表2より、セメントの種類が異なる場合でも本発明のセメントミルク逸失防止材の効果が認められた。
実施例に示されるように、本発明にかかるセメントミルク逸失防止材は、アンカー工法における引張り鋼材、またはロックボルト工法におけるロックボルトの定着材として用いられるセメントミルクに問題なく使用することができる。特に亀裂地盤においては有効である。

Claims (1)

  1. アルギン酸ナトリウム濃度が0.2〜4重量%、好ましくは0.5〜2重量%の水溶液1重量部に対し、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムの一方あるいは両方を、0.5〜20重量部混合してなるセメントミルク逸失防止材が、アンカー工法における引張り鋼材、またはロックボルト工法におけるロックボルトの定着材として使用されるセメントミルクに添加され、当該セメントミルク逸失防止材とセメントから溶出するカルシウムイオンとの反応により生成されるアルギン酸カルシウムゲルが、地盤の亀裂に充填されることによりセメントミルクの逸失を防止することを特徴とするセメントミルク逸失防止材。
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