JP2004359940A - 低速電子線用蛍光体および蛍光表示管 - Google Patents

低速電子線用蛍光体および蛍光表示管 Download PDF

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Abstract

【課題】 赤色蛍光体を用いても発光輝度寿命特性に優れること、および各種の色合いの発光色に対応が可能な混合発光型の低速電子線用蛍光体を提供できること。
【解決手段】 低速電子線用蛍光体は、SrTiO3:Pr,Alを主成分とする赤色蛍光体と、硫化物を含む無機化合物とを混合してなり、無機化合物が硫化物、特にアルカリ土類金属の硫化物であり、また無機化合物が硫化物系蛍光体、特にZnS:Cu,AlまたはZnS:Znを主成分とする蛍光体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は低速電子線用蛍光体および蛍光表示管に関し、特に赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)と、それを用いた二種類以上蛍光体混合タイプの低速電子線用蛍光体およびそれらの蛍光体を用いた蛍光表示管に関する。
オーディオ、家電製品、計測器、医療機器などの表示部に所定のパターン情報あるいはグラフィック情報を表示する自発光型の表示素子として蛍光表示管が多用されている。
これら蛍光表示管に用いられる蛍光体の中で、従来タイプの赤色蛍光体((Zn,Cd)S:Ag,Cl)はカドミウム(Cd)を含んでいる。そのため、環境保全を図るためにCdを含まない低速電子線用赤色蛍光体が切望されており、近年、多くの蛍光体が開発されている。例えば、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)から選択された一種類の元素とチタン(Ti)の酸化物からなる母体に3族元素が添加された蛍光体の表面に、酸化物からなり上記蛍光体をカーボン系ガスから保護する保護膜が形成された蛍光体(特許第2746186号)、SrTiO3を母体とする蛍光体にPtO2とRuOPtO2の中から選ばれた少なくとも一つの物質を添加した蛍光体(特許第2904106号)、SrTiO3を母体とする蛍光体表面に導電性酸化物が被覆され、この導電性酸化物表面に白金族酸化物を撒布状に付着させた蛍光体(特開2004−75907号)またはゼオライト粒子を配合した蛍光体(特開2004−75908号)、アルカリ土類金属とTiの酸化物からなる母体に希土類元素および3属元素を添加させた蛍光体(特開平8−85788号)、アルカリ土類金属と酸化物からなる母体の表面に保護膜が形成された蛍光体(特開平8−283709号)、高抵抗の蛍光体と低抵抗の蛍光体とを混合して2kv以下の陽極電圧で加速された電子の射突によって発光させる蛍光体(特開平9−87618号)、SrTiO3を母体とする蛍光体に酸化作用のある物質を添加した蛍光体(特開平9−255952号)、SrTiO3を母体とする蛍光体の表面にダイヤモンド状カーボン膜を形成した蛍光体(特開平10−261371号)、SrTiO3を母体とする蛍光体に4b族元素を添加した蛍光体(特開平10−273658号)、SrTiO3を母体とする蛍光体にSiO2を除くSiを含む物質からなる膜を被覆した蛍光体(特開平10−279933号)等が開示されている。
しかしながら、Cdを含まない低速電子線用赤色蛍光体としてのSrTiO3:Pr,Alは、時間の経過とともに輝度の低下割合が大きく、蛍光体寿命が短いという問題がある。特に励起電圧が 15V をこえる動作環境下では極端に蛍光体寿命が短くなる。
酸化物からなる保護膜を形成したり、PtO2等を添加したりすることにより、蛍光体寿命は向上するが実用上十分でない。また、赤色蛍光体としてのSrTiO3:Pr,Alを用いた二種類以上混合タイプの低速電子線用蛍光体では、SrTiO3:Pr,Alの蛍光体寿命が原因で色相変化を起こしたり、発光むらの原因となったりして、実用に耐えうる蛍光体寿命が得られていない。
特許第2746186号 特許第2904106号 特開2004−75907号 特開2004−75908号 特開平8−85788号 特開平8−283709号 特開平9−87618号 特開平9−255952号 特開平10−261371号 特開平10−273658号 特開平10−279933号
本発明は、赤色蛍光体としてSrTiO3:Pr,Alを用いても発光輝度寿命特性に優れること、およびこの赤色蛍光体を配合した二種類以上蛍光体混合タイプの低速電子線用蛍光体において、色度変化の小さな安定した混合発光色を得ることを目的としている。
本発明の低速電子線用蛍光体は、SrTiO3:Pr,Alを主成分とする赤色蛍光体と、硫化物を含む無機化合物とを混合してなることを特徴とする。
また、上記硫化物を含む無機化合物が硫化物および硫化物系蛍光体から選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする。また、上記硫化物がアルカリ土類金属の硫化物であることを特徴とする。
本発明の蛍光表示管は上記低速電子線用蛍光体を用いて得られる。
本発明において、硫化物を含む無機化合物とは、硫化物単体、酸硫化物単体、硫化物系蛍光体単体、これら同士の混合物、またはこれら単体および混合物を主成分として他の無機成分を含む混合無機化合物をいう。
本発明の低速電子線用蛍光体は、SrTiO3:Pr,Alを主成分とする赤色蛍光体と、硫化物を含む無機化合物とを混合するので、寿命特性に優れ、表示品位の一定した蛍光表示管が得られる。また、硫化物系蛍光体と混合することにより、Cdを含まず、かつ混合される二種類以上の蛍光体の中間色の中において種々な色合いへの対応が可能な混合発光型の低速電子線用蛍光体が得られる。
赤の色純度に優れ、カドミウム(Cd)を含まない、低速電子線用赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)の発光輝度が時間の経過とともに低下する原因について本発明者等が研究したところ、カソード材料の酸化バリウムが蛍光体表面に飛散して堆積し、さらに電子線照射により堆積した酸化バリウムが分解することで生成したバリウムイオンが赤色蛍光体を還元・変質させていると考えられるに至った。すなわち、カソード材料から飛散して堆積した酸化バリウムが式(1)に示すように電子線でバリウムイオンに分解する。
式(1): BaO → Ba2+ + O2-
このバリウムイオン(Ba2+)により、赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)が式(2)に示すように還元・変質する。
式(2): SrTiO3:Pr,Al + xBa2+ → SrTiO3-x:Pr,Al + xBaO
SrTiO3:Pr,Alを主成分とする赤色蛍光体に、電子線の照射により硫黄を発生させる無機化合物、例えばZnSを混合させておくことにより、式(3)に示すように、電子線照射により硫黄が分解飛散する。
式(3): ZnS → Zn + S↑
発生した硫黄がカソード材料の酸化バリウムの一部と式(4)に示すように反応する。
式(4): BaO + S → BaS + 1/2O2、あるいはBaOS
生成したBaSまたはBaOSは、BaOに比較して蒸発し難いので、蛍光体上に飛散するBaOの総量が少なくなり、結果的にSrTiO3:Pr,Alの還元、変質を大きく低減し、輝度劣化を抑える。
硫化物を含む無機化合物を赤色蛍光体に適量混合することにより、カソード材料からのエミッションに殆ど影響することなく、赤色蛍光体の発光輝度寿命特性を向上できることが分かった。また、赤色蛍光体と、緑または青色蛍光体とを混合してこれらの混色を得る場合、特に緑または青色の硫化物系蛍光体を用いることにより、赤色蛍光体としてSrTiO3:Pr,Alを用いても、発光輝度寿命特性に優れた混合発光型の低速電子線用蛍光体が得られる。
本発明の低速電子線用蛍光体が用いられる蛍光表示管の実施例について、図4〜図6により説明する。図4は蛍光表示管の断面図、図5および図6は蛍光表示管を構成する陽極基板の部分拡大断面図である。
蛍光表示管1は、陽極基板7と、この陽極基板7上方にグリッド8と陰極9とを設け、フェースガラス10およびスペーサガラス11とを、低融点フリットガラスを用いて封着した後、真空に排気して形成される。陰極9より発生した低速電子線が陽極基板7上の蛍光体層6に照射されて発光する。
陰極9は、タングステンのフィラメント線(極細線)上にアルカリ土類金属の炭酸塩(Ba,Sr,Ca)CO3をバインダーとともに電着塗布し、蛍光表示管の組み立て最終段階において、真空中で約1000℃に通電加熱して上記炭酸塩を分解することにより(Ba,Sr,Ca)Oが形成される。電子放出源はタングステン・フィラメント線上で一部が還元され、活性化されたBaOであり、BaOの安定化のためにSrO、CaOが適量配合されている。
図5および図6に示すように、陽極基板7は、ガラス基板2上に銀を主成分とする導電性ペーストを印刷塗布法により、または薄膜形成法で形成したアルミニウム薄膜を、フォトリソ法によりパターニングして配線層3を形成した後、スルーホール4aを除くほぼ全面にわたって低融点フリットガラスペーストの印刷塗布法により絶縁層4を形成し、このスルーホール4aを介して電気的に接続された陽極電極5をグラファイトペーストの印刷塗布法により形成する。この陽極電極5上に、本発明の蛍光体層6を印刷塗布法より塗布したのち焼成して陽極基板7が得られる。また、導電性酸化物13を配合できる。
図5に示す蛍光体層6は、SrTiO3:Pr,Alを主成分とする赤色蛍光体6aと、硫化物12と、導電性酸化物13とで構成されている。
図6に示す蛍光体層6は、SrTiO3:Pr,Alを主成分とする赤色蛍光体6aと、硫化物系蛍光体6bとで構成されている。硫化物系蛍光体6bとしては、ZnS:Cu,Alを主成分とする緑色蛍光体あるいはZnS:Znを主成分とする青色蛍光体が挙げられる。
本発明に使用できる低速電子線用赤色蛍光体粒子6aは、SrTiO3母体にPrおよびAlが付活された低速電子線用赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)を主成分とする蛍光体である。赤色蛍光体はSrTiO3:Pr,Alのみで構成してもよく、また、赤色蛍光体としての色度を維持できる範囲内でSrの一部をCaに変えることができ、あるいは、付活物質を、Ce、Pr、Eu、Tb、ErおよびTmから選ばれた少なくとも一つの元素と、Al、Ga、InおよびTlから選ばれた少なくとも一つの元素との混合物とすることができる。好ましい赤色蛍光体はSrTiO3:Pr,Al単体である。
硫化物を含む無機化合物としては、硫化物、酸硫化物等が挙げられる。好ましい無機化合物は蛍光体の母体としても使用されることが多い硫化物である。
本発明で使用できる硫化物は硫黄とそれより陽性の元素との化合物であればよく、酸硫化物を含む。
硫化物としては、アルカリ土類金属の硫化物が好ましく、硫化マグネシウム(MgS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)および硫化バリウム(BaS)等のアルカリ土類金属の硫化物が例示できる。これら硫化物は単独でも混合しても使用できる。アルカリ土類金属の硫化物は、イオン結合性が強いために電子線照射においても過度の分解がなく長期間にわたって蛍光体の輝度を維持しながら、かつカソード特性の劣化を少なくできる。他の硫化物としてはZnSを、酸硫化物としてはY22S、Ga22S等を例示でき、ZnSが低速電子線により分解しやすく好ましい。
硫化物の配合割合は、赤色蛍光体と硫化物との合計量に対して、硫化物が 0.5〜20 重量%の範囲であることが好ましい。 0.5 重量%未満では、カソード表面上でのBaSあるいはBaOSの生成量が十分でなく、輝度劣化を抑えることができない。また 20 重量%をこえるとカソードの劣化が大きくなりすぎる。
本発明においては、上記硫化物に代わり、硫化物系蛍光体を使用できる。
硫化物系蛍光体としては、ZnS:Cl、ZnS:Cu,Al、CaS:Eu等を例示できる。
硫化物系蛍光体を低速電子線用赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)に混合することにより、上記二種類以上の蛍光体の中間色の内から、それらの混合割合に応じた色合いの発光色を持つ混合発光型の低速電子線用蛍光体が得られる。さらに、硫化物系蛍光体なので、SrTiO3:Pr,Alの寿命を飛躍的に向上させることができる。
一例として、赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)と緑色蛍光体(ZnS:Cu,Al)とを混合した蛍光体のCIE色度座標におけるx−値およびy−値を図1に示す。
図1において括弧内はZnS:Cu,AlとSrTiO3:Pr,Alとの重量混合比を表す。
また、図1に比較として、非硫化物系緑色蛍光体(ZnGa24:Mn)とSrTiO3:Pr,Alとを括弧内に示す重量混合比で混合した例を示す。
図1に示すように、赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)と緑色蛍光体(ZnS:Cu,Al)とを種々の混合比率で混合することにより、二種類以上の蛍光体それ自体の発光色およびそれらの中間色を含む、赤色〜橙色〜黄色〜緑色に至る種々の色合いの混合発光型の低速電子線用蛍光体が得られる。
次に、ZnS:Cu,AlとSrTiO3:Pr,Alとを重量混合比で2:8に混合した蛍光体と、ZnGa24:MnとSrTiO3:Pr,Alとを重量混合比で4:6に混合した蛍光体との寿命特性を測定した結果を図2および図3に示す。図2は輝度の経時変化を示す図であり、図3はx−値およびy−値の経時変化を示す図である。
寿命特性は、混合蛍光体を用いて蛍光表示管を組み立て、陽極電圧 50V 、デューティー比 1/60 で輝度および色度の経時変化をそれぞれ測定した。
図2に示すように、硫化物系蛍光体を混合したSrTiO3:Pr,Alは、輝度の初期値が 150 cd/cm2であり、約 900 時間経過後も 120 cd/cm2と約 80 %の輝度を維持した。
一方、非硫化物系蛍光体を混合したSrTiO3:Pr,Alは、輝度の初期値が 250 cd/cm2であるが、約 900 時間経過後は 80 cd/cm2と約 30 %の輝度に低下した。
図3に示すように、硫化物系蛍光体を混合したSrTiO3:Pr,Alは、x−値およびy−値の変化で表される色度変化が約 900 時間経過後でも±10 %以下の範囲内であり、色度の変化は少なかった。
一方、非硫化物系蛍光体を混合したSrTiO3:Pr,Alは、色度変化が約 400 時間経過後で±30 %以上に変化し、色度が大きく変化した。以上図2および図3に示すように、硫化物系蛍光体を混合したSrTiO3:Pr,Alは、非硫化物系蛍光体を混合したものに比較して、輝度経時変化および色度経時変化において優れた寿命特性を示した。
赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)は、その表面に表面被覆層を設けてもよい。表面被覆層としては、例えば、Liを主成分とするLi化合物層、SiおよびTiから選ばれた少なくとも一つの元素の酸化物層を蛍光体表面に被覆して、最外層をSnおよびSbから選ばれた少なくとも一つの元素の酸化物層で被覆する複数層とする例等が挙げられる。
本発明においては、上記赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)と硫化物との混合蛍光体、または赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)と硫化物系蛍光体との混合蛍光体に導電性酸化物を配合することが好ましい。導電性酸化物としてはSn、Ti、Zn、W、In、Nbなどの酸化物単体または複合導電性酸化物が挙げられる。好ましくはSnO2、TiO2、ZnO、WO3、In23、ITOを例示できる。導電性酸化物を配合することにより、入射電子線のチャージアップを防ぐための導電性が付与される。
導電性酸化物は、上記混合蛍光体と導電性酸化物の合計量に対して、導電性酸化物が 5〜20 重量%の範囲であることが好ましい。 5 重量%未満では、導電性の付与が十分でなく、 20 重量%をこえると導電性がそれ以上向上せず、輝度が低下しやすくなる。
本発明のSrTiO3:Pr,Alを主成分とする赤色蛍光体は、硫化物あるいは硫化物系蛍光体と混合して調製される。また、該蛍光体を用いて印刷方法等、周知の方法を用いて陽極基板を形成できる。
例えば、印刷ペーストは、バインダー樹脂を含み、低速電子線用赤色蛍光体と硫化物あるいは硫化物系蛍光体とが分散している。バインダー樹脂としては印刷性に優れるエチルセルローズ等を使用できる。
印刷ペーストを用いて陽極パターン上に印刷、乾燥、焼成する工程を経て陽極基板が得られる。
実施例1〜実施例7、比較例1
平均粒子径 2〜3 μm の赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)と、表1に示す硫化物と、導電性酸化物とを表1に示す割合で混合して、低速電子線用蛍光体を得た。硫化物としてのZnSは平均粒子径 4〜6 μm 、Y22Sは平均粒子径 4〜6 μm 、CaSは平均粒子径 6〜8 μm、SrSは平均粒子径 6〜8 μm、 をそれぞれ用いた。また導電性酸化物としてのIn23は平均粒子径 0.1〜0.2 μm である。
得られた蛍光体粒子をα-テルピネオールおよびエチルセルローズ混合液に分散させて印刷ペーストを調製した。この印刷ペーストを用いて、スクリーン印刷して 530 ℃の温度で焼成することにより陽極基板を作製した。この陽極基板を用いて蛍光表示管を組み立てた。
得られた蛍光表示管を、陽極電圧 26V 、デューティー比 1/12 で初期輝度と 5000 時間放置後の初期輝度維持率およびカソードのエミッション能力維持率を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2004359940
表1に示すように、各実施例は、赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)と硫化物とを混合することにより、輝度維持率が向上した。一方硫化物を混合しない比較例は輝度維持率が僅か 5 %以下であった。
実施例8〜実施例9、比較例2
平均粒子径 2〜3 μm の赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)と、表2に示す硫化物系蛍光体と、導電性酸化物とを表2に示す割合で混合して、低速電子線用蛍光体を得た。
得られた蛍光体粒子を実施例1と同様にして陽極基板を作製して蛍光表示管を組み立て、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 2004359940
表2に示すように、赤色蛍光体(SrTiO3:Pr,Al)と硫化物系蛍光体を混合した蛍光体は、輝度維持率が向上した。また色度変化も少なかった。一方硫化物系蛍光体を混合しない比較例は輝度維持率が 30 %以下であり、かつ色度変化も大きかった。色度変化が大きいのは赤色蛍光体の輝度劣化が大きかったためと考えられる。
本発明の低速電子線用蛍光体は、赤色蛍光体としてSrTiO3:Pr,Alを用いても発光輝度寿命特性に優れるので、Cdを含まない実用的な赤色蛍光体が得られ、蛍光表示管に利用できる。
混合蛍光体のCIE色度座標におけるx−値およびy−値を示す図である。 混合蛍光体の輝度の経時変化を示す図である。 混合蛍光体のx−値およびy−値の経時変化を示す図である。 蛍光表示管の断面図である。 赤色蛍光体と硫化物とを混合した陽極基板の部分拡大断面図である。 赤色蛍光体と硫化物系と蛍光体を混合した陽極基板の部分拡大断面図である。
符号の説明
1 蛍光表示管
2 ガラス基板
3 配線層
4 絶縁層
5 陽極電極
6 蛍光体層
7 陽極基板
8 グリッド
9 陰極
10 フェースガラス
11 スペーサガラス
12 硫化物
13 導電性酸化物

Claims (4)

  1. SrTiO3:Pr,Alを主成分とする赤色蛍光体と、硫化物を含む無機化合物とを混合してなることを特徴とする低速電子線用蛍光体。
  2. 前記硫化物を含む無機化合物が硫化物および硫化物系蛍光体から選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の低速電子線用蛍光体。
  3. 前記硫化物がアルカリ土類金属の硫化物であることを特徴とする請求項2記載の低速電子線用蛍光体。
  4. 陰極より発生した低速電子線を陽極基板上に形成された蛍光体に照射して該蛍光体を発光させる蛍光表示管において、前記蛍光体が請求項1ないし請求項3のいずれか一項記載の低速電子線用蛍光体であることを特徴とする蛍光表示管。
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JP2006213891A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Futaba Corp 蛍光体及び蛍光発光管

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