JP2004359259A - 容器の把手 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器1のヒートシール部4に、二つの切り込み端8の間につなぎ部10を配してその切り込み端8が相互に離れた一本の切り込み9を入れ、切り込み9とつなぎ部10とで囲まれてつなぎ部10を介してヒートシール部4に連即する把手孔閉鎖体7により開閉可能に閉じられた把手孔6を形成し、把手孔6の辺部11に、切り込み9を波形にして辺部11に沿った方向に連続する複数の凹凸からなる波状ひだ部15を一体に設けた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムの貼り合せにより形成されている容器のヒートシール部に設けた把手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から液体、顆粒体、粉体などを収容する容器としてはブロー成形されたボトルタイプの容器や合成樹脂製のフィルムを重ね合わせて所要部分をヒートシールしてなるパウチタイプの容器が採用されている。そして、近年においては空の容器をごみとして廃棄する場合のごみ減容化が行ない易いように、重ね合わせたフィルムの所要部分をヒートシールしたパウチタイプの容器が多く使用されるようになり、片手などで取り扱える範囲であれば、500mlを超えるような内容量の容器にも前記パウチタイプのものが製造されるようになってきている。
ところで内容量の大きいボトルタイプの容器の場合には把手を備えていて、多少重くともその容器の取り扱いが適正に行なえるようにしている。このことから、上述のようなパウチタイプの内容量が大きい容器にも把手を設けるようにすれば、容器全体の取り扱いや内容物の注出操作が行ない易くなり、ヒートシール部を拡張してその拡張部分に、手先を通すことのできる把手孔を開口して把手を設けた容器がある。そして、把手孔の未シール状態の辺部に切り込みを入れて多くのスダレ状片を形成し、これによって把手に掛けた手に把手孔の辺部が当たる際の痛みを和らげることを目的とする工夫が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開平03−069642号公報(第1頁、第1図、第2図)
【0004】
しかしながら、上記把手孔の辺部に切り込みを入れて多くのスダレ状片を設けたものにあっても、内容量を1.5リットルや2リットルとして重くなる容器では、把手孔に手先を入れて持ち上げたときにスダレ片それぞれがほぼ完全につぶれてしまい、剛性の高いヒートシール部が手先に直接食い込み、痛みを生じるという問題がある。さらに、容器を持ち上げたときの重力によって把手孔の辺部にはその辺部に沿って張力が加わって前記切り込みを裂く方向に作用し易くなり、容器を持ち上げたときに切り込みから裂けが発生して、把手が切れるという可能性もあった。
そこで本発明は上記課題を上記事情に鑑み、フィルムの貼り合せによりなる容器が重くなってもその容器の把手に掛けた手に把手孔の辺部が強く食い込まないようにするとともに、把手孔の辺部からの裂けを防止することを課題とし、内容量が大きくなっても把手に掛けた手に痛みを生じさせることなくパウチタイプの容器の取り扱いや内容物の注出が安全に行なえるようにすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、フィルムの貼り合せにより形成された容器のヒートシール部に、開口した把手孔を形成し、この把手孔の辺部に、該辺部に沿った方向に連続する複数の凹凸からなる波状ひだ部を一体に設けたことを特徴とする容器の把手を提供して、上記課題を解消するものである。
そして本発明は、上記把手孔の上辺部と収容部側とは反対の側辺部との少なくとも一方の辺部に、上記波状ひだ部が位置しているものとすることが良好である。また、上記把手孔の辺部に未シール部が設けられ、該未シール部の領域中に上記波状ひだ部が位置しているものとすることが良好である。
【0006】
さらにもう一つの発明は、フィルムの貼り合せにより形成された容器のヒートシール部に、二つの切り込み端の間につなぎ部を配してその切り込み端が相互に離れた一本の切り込みを入れ、該切り込みと前記つなぎ部とで囲まれて前記つなぎ部を介してヒートシール部に連即する把手孔閉鎖体により開閉可能に閉じられた把手孔を形成し、前記把手孔の辺部に、前記切り込みを波形にして辺部に沿った方向に連続する複数の凹凸からなる波状ひだ部を一体に設けたことを特徴とする容器の把手であり、この容器の把手を提供して上記課題を解消するものである。
そして本発明は、上記把手孔の上辺部と収容部側とは反対の側辺部との少なくとも一方の辺部に、上記波状ひだ部が位置しているものとすることが良好である。また、上記把手孔閉鎖体の周囲に未シール部が設けられ、該未シール部の領域中に上記波状ひだ部が位置しているものとすることが良好である。
さらに、上記つなぎ部は、把手孔における収容部側の辺部に位置しているものとすることが良好である。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は重ね合わせた合成樹脂フィルムの所要部分をヒートシールして得られた容器であり、容器底として折り入れられて側面用の合成樹脂フィルムとともにヒートシールされた底面用の合成樹脂フィルムが展開されることで、容器底が広がって自立できるスタンディングパウチタイプの容器である。そして、この容器1の上部にはキャップにて閉じられた注出口栓2が位置しており、液体、粉体、半流動体などの収容物をこの注出口栓2から注出できるものである。
【0008】
上記容器1においては容器の一方の側辺ヒートシール部3の上部側が側方に延設されていて、側辺ヒートシール部の一般部分より面積を広くして拡張したヒートシール部4を備えている。そして拡張された前記ヒートシール部4には、把手5が、把手孔6を把手孔閉鎖体7で閉じた形態として設けられていて、容器1を持ち運んだり収容物を注出口栓2から注出するなどの取り扱い時に、手先で把手孔閉鎖体7を押すようにして把手孔6を押し開くことで手先を掛けることのできる把手5が得られるようにしている。
図に示されているように、把手孔閉鎖体7は、拡張されたヒートシール部4に、収容部側に位置する二つの切り込み端8がつながらずに相互に離れた状態とした一本の切り込み9を入れて、この切り込み9と二つの切り込み端8の間に配されたつなぎ部10とで囲むことにより形成され、収容部側に位置する前記つなぎ部10を介してヒートシール部4に連続しているとともに、このつなぎ部10を折り元として回動可能に設けられているものである。
【0009】
把手孔6に手先を差し入れたときには上記つなぎ部10を含む把手孔6の内縁となる辺部11が接することになるが、この実施の形態では以下の工夫が施されている。
まず、上記把手孔閉鎖体7の周囲には、図示されているように上記ヒートシール部4における合成樹脂フィルムを貼り合せしない未シール部12が設けられていて、この未シール部12は切り込み9とつなぎ部10とに達しているとともに、把手孔閉鎖体7の領域にも及ぶようにして設けられている。
このように把手5は把手孔閉鎖体7の周囲に未シール部12を備えたものとして形成されていることから、上述したように手先によって把手孔6を押し開いたときには、つなぎ部9を除く部分(切り込み8であった部分)を未シール部12とした状態で把手孔10が開口され、また、つなぎ部10にも未シール部12が連続していることから、把手孔6が開口した状態ではその内縁全てが未シール部12となる。
【0010】
なお、上記未シール部12の形成はヒートシール金型にて対応したり、また、ヒートシール部4となる合成樹脂フィルムそれぞれの未シール部形成領域にシール防止部材を配したり離型剤を塗布したりすることで対応できる。
【0011】
上記未シール部12の合成樹脂フィルムそれぞれは貼り合わされていないことから、未シール状態の合成樹脂フィルムが重ね合されていてもその剛性が低く、同様につなぎ部10の未シール部12も剛性が高いものとはなっていない。
一方、把手孔6に差し入れた手先で手掛けして容器を持ったときには、把手孔6の辺部11に沿った方向に加わる張力Aに十分に抗する応力を生じさせながらも、把手孔6の手掛け側の辺部11が、差し入れる手先によってその差し出し方向に送り出されることで、辺部11の断面方向で反るように丸みを持った状態で曲がり易くなる(図3参照)。
このように手掛けしたときに、把手孔6の手掛け側の辺部11が上記張力Aに抗しながら反るような曲がり(手先を差し出した方向への曲がり)が生じるため、手掛けしている手先に、辺部11がある程度の幅を持った状態で当たるようになり、また、つなぎ部10にあっても同様に張力Aに抗しながら、かつ把手孔閉鎖体7を元の位置の方向に戻そうとする反力が生じていることから、鋭角な角度となることなく丸みを持った状態で曲がるようになり、重い容器1をこの把手5で持ったとしても、手掛けする手先に前記辺部11が深く食い込まないようになる。
なお、上記未シール部12は把手孔6に手先を差し入れたときにその差し出し方向に送り出され易くするものであるが、以下の構成によって辺部11に手先差し出し方向に反るような曲がりを生じさせることができるので、この未シール部12は必ず必要とされるものではない。
【0012】
図示されているように実施の形態における上記把手5では、辺部11中、差し入れる手先の最上位の指(例えば人差し指)が対応位置する上辺部13から手掛け側の側辺部14に亘る範囲に波状ひだ部15が設けられている。前記波状ひだ部15は上辺部13と側辺部14の切り込み9を波形にして形成されたものであり、辺部11に沿う方向に対して直交する方向に出入りするようにした複数の凹凸が連続する形状としている。そして、前記波状ひだ部15は上記未シール部12の領域中に位置しており、この波状ひだ部15においても合成樹脂フィルムは貼り合わされていない状態である。
【0013】
上述したように波状ひだ部15は凹凸が連続した形状であり、把手孔6の中心側に向けて張り出る形状とした凸部16を備えているため、手先を把手孔6に差し入れる際、上辺部13や側辺部14においてこの凸部16が最初に手先に触れるようになり、手先の差し入れに従ってその凸部が手先差し出し方向に送り出されることになる。そして、送り出しによるこの凸部16の曲がりに連れて凹部17も手先差し出し方向に送り出されるようにして曲がるようになり、波状ひだ部15を配している上辺部13や側辺部14が捲れるような曲がりを生じるようになる。
そして、手掛けする把手孔6の辺部11には上述したように辺部11に沿った方向での張力Aに抗する張りを生じた状態で上記上辺部13や側辺部14が曲げられるため、それぞれの曲がりは丸みを持った状態となる。そのため、前記上辺部13や側辺部14は断面方向で或る程度の幅を持って手先に当たって深く食い込まず、強い痛みを生じさせないようになる。即ち、上辺部13と側辺部14とが面として手先に当たるため、指への深い食い込みが防止され、よって、重い容器であっても把手5に手掛けした状態で痛みなく確実に取り扱えるようになる。
【0014】
上記波状ひだ部15によって辺部11の反るような曲がり易さが増大して、大きく曲がるようになると、波状ひだ部15の辺部11に連続している辺部も連られてその曲がり易さが増大するようになり、連続する上記上辺部13と上記側辺部14とは相互に曲がり易さを増大させ合っている状態である。このように辺部11の一部の曲がり易さが増大すると隣位する辺部の曲がり易さも増大することから、上辺部13のみ前記波状ひだ部13を設け、側辺部14に波状ひだ部を設けない場合でも、その側辺部14が曲がり易くなり、逆に上辺部13に波状ひだ部を設けず、側辺部14に波状ひだ部15を設けた場合でも、上辺部13の曲がり易さを増大させる効果がある。よって、上辺部13と側辺部14との両方に波状ひだ部15を設けておく必要は必ずしもない。
【0015】
このように容器1の把手5においては、つなぎ部10を収容部側として把手孔閉鎖体7を回動可能にし、上辺部13と側辺部14とに波状ひだ部15を設けるとともに、把手孔6の全周の辺部11を未シール部12としてその未シール部12の領域に前記波状ひだ部15を位置させることが、把手5に手掛けした手先に痛みを焼死させないようにする上で最良である。
【0016】
さらに、把手5の大きさや切り込み9の波形による波状ひだ部15の凹凸具合、未シール部12の広がりなどについて良好な値を得るために把手の大きさや未シール部の広がりなどをいろいろ変更して各種の容器を作成した、その内、良好とされた把手の大きさ、波状ひだ部の凹凸具合、未シール部の広がりなどの値についてつぎに示す。なお、収容物は水であり、2リットルである。容器形態は幅220mm、高さ280mmとした。容器底の合成樹脂フィルムの折込を65mmとした。
合成樹脂フィルム自体の層構成は、ポリエチレンテレフタレート(PET)12μm/ナイロン(Ny)25μm/直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)150μmである。
図4に示すように手掛け側とは反対側の切り込み9から未シール部12の外縁位置までの寸法(a)、切り込み9の上辺部13から切り込み9までの最小寸法(b)、手掛け側の側辺部14から未シール部12の外縁までの最小寸法(c)、上辺部13における波状ひだ部15の波形の一般振れ幅寸法(d)、手掛け側の側辺部14における波状ひだ部15の波形の一般振れ幅寸法(e)、把手孔閉鎖体7の高さ方向の長さ寸法(f)、上辺部13の長さ寸法(g)、側辺部14の波状ひだ部15の把手孔中心側に向けて凸となる凸部16の曲がり(h)、上辺部13の波状ひだ部15の把手孔中心側に向けて凸となる凸部16の曲がり(i)について良好な値の一例は以下の通りである。
(a)3mm
(b)3mm
(c)5mm
(d)3mm
(e)6mm
(f)73mm
(g)25mm
(h)φ8mm
(i)φ3mm
【0017】
上述したように容器1において上記各部位での寸法を上記値とすることが良好である。なお、(d)は1mm以下であると、2リットルの水を充填した容器を手掛け支持したときに上辺部の曲がりが発現しないことが確認された。また、(d)、(e)は3mm以上であれば、手掛けした手先に痛みを生じさせない効果が良好に発現することが確認できた。
【0018】
上記実施の形態では、把手孔閉鎖体7の周囲に未シール部12が設けられるとともに、把手孔6の上辺部13と手掛け側の側辺部14とに波状ひだ部15が位置しているものとしているが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
図5は他の例を示していて、図5(イ)は手掛け側の側辺部14に波状ひだ部を設けていない点以外は図1に示された把手5と同一の構成を備えているものである。この例の把手5に手掛けした場合、波状ひだ部15が設けられている上辺部13の手先差し出し方向に反るような良好な曲がりに連れて手掛け側の側辺部14も手先差し出し側に反るように曲がる。なお、側辺部14の曲がり具合は上辺部13の曲がり具合より多少劣ることから、この把手5を備える容器1を取り扱う場合、側辺部14に掛かる手先に若干の痛みが感じされる可能性もある。しかし、容器1自体の取り扱いを困難なものとする程度のものではない。
【0019】
図5(ロ)では、上記図5(イ)とは逆に上辺部13に波状ひだ部15が設けられていない点以外は図1の容器と同一である。この例では側辺部14に波状ひだ部15が位置しているため、手掛けした際、その側辺部14で反るような曲がりが良好に発現するようになる。そして、側辺部14の曲がりに連れて上辺部13も反るように曲がり易くなる。
なお、この例では、上辺部13の曲がりが若干小さく、手掛けした手先の最上位の指に対して形成される接合面の幅が狭くなる可能性があり、容器1を素早く持ち上げるというような取り扱いをした場合には、若干の痛みを生じる可能性がある。勿論、このような場合でも、その痛みは容器1自体の取り扱いを困難なものとする程度のものではない。
【0020】
図5(ハ)は未シール部12が設けられていない点以外は図1に示す把手5と同一である。この例の場合、把手孔6に手先を差し入れる際、上辺部13と側辺部14とのそれぞれの縁が多少強く摺接する可能性があるが、上辺部13と側辺部14とに波状ひだ部15が設けられているので、この波状ひだ部15の作用により上辺部13と側辺部14とが一旦反るように曲がれば、上辺部13と側辺部14とで十分な接合面を形成した状態で手先に接するようになり、把手孔から手先を抜くまでは痛みを生じさせることはない。
【0021】
図5(ニ)はつなぎ部10が手掛け側に位置し収容部側の側辺部に波状ひだ部15が位置している以外は図1に示す把手1と同一である。この例では上辺部13の曲がりに連れて、また、手先を差し入れた時の綱ギブ10の曲がりによって手掛け側の側辺部14が反るように曲がり、手掛け側の側辺部14も面として手先に接して深く手先に食い込むようなことはない。
【0022】
上記各実施の例では、把手孔6が、切り込み9とつなぎ部10とで囲まれてヒートシール部4に連即する把手孔閉鎖体7で開閉可能に閉じられたものとして示したが、本発明にあってはこれに限定されるものではなく、ヒートシール部を打ち抜き形成して開口したものとしてもよい。そしてこの場合、打ち抜き形成された把手孔による把手では、打ち抜き型の抜きパターンを波形とすることで辺部において波状ひだ部を形成する。このようにすることによって把手孔の上辺部や手掛け側の側辺部に波状ひだ部を容易に形成でき、また、その波状ひだ部が存在することによる作用も、上述した実施の例における波状ひだ部によるものと同様である。さらに、予め開口した把手孔からなるこの把手において、把手孔の辺部を未シール部とし、その未シール部の領域に波状ひだ部が位置するようにすることも容易に行なえるものである。
【0023】
つぎに各種形態の把手を有する容器を作成してその対比を行なった。図5(イ)に示す形態を実施例1、図5(ロ)に示す形態を実施例2、図5(ハ)に示す形態を実施例3、図1に示す形態を実施例4、図5(ニ)に示す形態を実施例5とするとともに、容器1の拡張されたヒートシール部に略環状の切り込みのみを入れて切り込みとつなぎ部とで囲まれた把手孔閉鎖体からなる把手を作成してこれを比較例1とし、比較例1に未シール部を設けたものを比較例2とし、さらには、ヒートシール部を打ち抜いて開口した把手孔のみからなる把手を作成しこれを比較例3として、それぞれの容器の把手を手掛けしたときの評価を行なった。その結果を表1に示す。
なお、容器の構成は上述したように、収容物が水であり、2リットルである。容器の形態は、幅220mm、高さ280mmとした。容器底の合成樹脂フィルムの折込を65mmとした。また、上記(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)(h)(i)に該当する個所も、良好な値として構成した上述の寸法と同じである。
【0024】
【表1】
【0025】
表1に示すように、把手に手先を掛けたときに強い痛みを生じさせることなく容器を取り扱えるようにする上で、把手孔の辺部に波状ひだ部を設けることが有効であり、また、その効果を増大させる上で把手孔の辺部に未シール部を設けることが有用であることが判明した。
【0026】
なお、上記容器は注出口栓を有するものとして示したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、注出口栓を備えずに容器上部の一部を切断により開封して内容物を注出する容器であってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、把手孔に差し入れた手先で手掛けしたときに、手掛けしたその手先に把手孔の辺部が強く食い込むことが防止されて、痛みを生じさせることがない。よって、合成樹脂フィルムの貼り合せで成形された容器であって内容量が大きく重いものであっても、把手を利用して容器を適正に取り扱えるようになる。また、把手孔を打ち抜き形成しないようにすれば、容器製造工程で生じ易いごみを削減する上で有効であるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る容器の把手の一例を示す説明図である。
【図2】一例における把手孔に手掛けされたときの状態を示す説明図である。
【図3】一例における手掛けされた把手孔の手掛け側の辺部を図2のX−X線に沿う断面で示す説明図である。
【図4】一例における把手を拡大して示す説明図である。
【図5】他の把手の形態を説明図である。
【符号の説明】
1…容器
2…注出口栓
4…ヒートシール部
5…把手
6…把手孔
7…把手孔閉鎖体
8…切り込み端
9…切り込み
10…つなぎ部
11…辺部
12…未シール部
13…上辺部
14…側辺部
15…波状ひだ部
Claims (7)
- フィルムの貼り合せにより形成された容器のヒートシール部に、開口した把手孔を形成し、この把手孔の辺部に、該辺部に沿った方向に連続する複数の凹凸からなる波状ひだ部を一体に設けたことを特徴とする容器の把手。
- 上記把手孔の上辺部と収容部側とは反対の側辺部との少なくとも一方の辺部に、上記波状ひだ部が位置している請求項1に記載の容器の把手。
- 上記把手孔の辺部に未シール部が設けられ、該未シール部の領域中に上記波状ひだ部が位置している請求項1または2に記載の容器の把手。
- フィルムの貼り合せにより形成された容器のヒートシール部に、二つの切り込み端の間につなぎ部を配してその切り込み端が相互に離れた一本の切り込みを入れ、該切り込みと前記つなぎ部とで囲まれて前記つなぎ部を介してヒートシール部に連即する把手孔閉鎖体により開閉可能に閉じられた把手孔を形成し、前記把手孔の辺部に、前記切り込みを波形にして辺部に沿った方向に連続する複数の凹凸からなる波状ひだ部を一体に設けたことを特徴とする容器の把手。
- 上記把手孔の上辺部と収容部側とは反対の側辺部との少なくとも一方の辺部に、上記波状ひだ部が位置している請求項4に記載の容器の把手。
- 上記把手孔閉鎖体の周囲に未シール部が設けられ、該未シール部の領域中に上記波状ひだ部が位置している請求項4または5に記載の容器の把手。
- 上記つなぎ部は、把手孔における収容部側の辺部に位置している請求項4から6の何れか一項に記載の容器の把手。
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