JP2004359198A - 空気入りタイヤ及びこれに用いる補強素子の製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びこれに用いる補強素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ベルトを構成する補強素子としてモノフィラメントの束を用いることによって軽量化を図るとともに、補強素子の構造の適正化を図ることにより、ベルト端部に発生するセパレーションと補強素子の折れを有効に抑制して、ベルトの耐久性を格段に向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ1は、トロイド状に延びるカーカス3のクラウン部4の外周上に、複数本の補強素子6を両幅端にわたる配列状態でゴム被覆してなる少なくとも1枚のベルト5を具える。各補強素子6は複数本の金属モノフィラメント8a、8b、8cの束からなり、少なくとも両端部7a、7bを撚合わせ部9として形成し、両端部間に位置する部分10の一部又は全体を引揃え部11として形成した複合素子構造を有する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外周上に、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる複数本の金属モノフィラメントで構成された補強素子をゴム被覆してなる少なくとも1枚のベルトを具える空気入りタイヤ及びこれに用いる補強素子の製造方法に関し、特にかかるタイヤのベルトの耐久性の向上を図る。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の燃費を向上させるために、タイヤの軽量化に対する要求はますます高まっている。軽量化を実現する有効な手段としてベルト層を構成する補強素子の軽量化が注目され、従来のような複数本の金属線を撚り合わせたコードの代わりに金属モノフィラメントを用いたタイヤが種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、0.40〜0.50mmである金属モノフィラメントにより補強されたベルト層を有する空気入りタイヤが記載されている。しかし、この金属モノフィラメントの直径は、一般にベルトプライの補強に用いられている金属コードの素線の直径よりも太いので、曲げ変形時の表面歪が大きくなり、苛酷な使用条件下では金属モノフィラメントの折れの発生が懸念される。
【0004】
かかる問題を解決するには、一般に、金属モノフィラメントの直径を小さくした上で、タイヤのベルトとして必要な引張り強度を確保するために、単位幅当たりに配列する金属モノフィラメントの本数(打込み数)を増やすことが考えられるが、金属モノフィラメント自体の曲げ剛性が低下するので、ベルトの曲げ剛性も低下して走行中の曲げ変形が大きくなり、ベルトの耐久性が低下するという問題がある。
【0005】
かかる問題を解決するため、特許文献2、3及び4には、比較的直径の小さい複数本の金属モノフィラメントの束を撚り合わせることなく並列に引き揃えて補強素子を構成し、複数の補強素子を所定の間隔で幅方向に平行に配列して形成したベルトを有するタイヤが記載されている。かかるタイヤでは、金属モノフィラメントの折れを防止しつつ、ベルトの曲げ剛性を確保することができ、また、補強素子同士の間隔が広くなるため、特にベルト端部で発生したセパレーション、いわゆるベルトエンドセパレーションが補強素子間で進展しにくくなる結果、耐久性が向上する。しかしながら、最近ではより一層の軽量化への要求がなされるようになり、このためベルト層のゴム厚みを薄くすると、ベルトプライの表面から金属モノフィラメントの表面までの距離が小さくなり、一旦ベルト端部に亀裂が発生すると、これがタイヤ幅方向に進展すると同時に、タイヤ径方向にも進展し、ベルトエンドセパレーションが発生するおそれがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−91311号公報
【特許文献2】
特開平10−292275号公報
【特許文献3】
特開2001−322404号公報
【特許文献4】
特開2001−334810号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、この発明の目的は、ベルトを構成する補強素子としてモノフィラメントの束を用いることによって軽量化を図るとともに、補強素子の構造の適正化を図ることにより、ベルト端部に発生するセパレーションと補強素子の折れを有効に抑制して、ベルトの耐久性を格段に向上させた空気入りタイヤを提供することにある。また、この発明の他の目的は、かかるタイヤに用いる補強素子を効率良く製造することのできる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1発明は、トロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外周上に、複数本の補強素子を両幅端にわたる配列状態でゴム被覆してなる少なくとも1枚のベルトを具え、各補強素子が複数本の金属モノフィラメントの束からなる空気入りタイヤにおいて、前記補強素子は、少なくとも両端部を、複数本の金属モノフィラメントが互いに撚り合わされてなる撚合わせ部として形成し、両端部間に位置する部分の一部又は全体を、複数本の金属モノフィラメントが撚り合わされることなく並列に引き揃えられてなる引揃え部として形成した複合素子構造を有することを特徴とする空気入りタイヤである。
【0009】
ここで、「端部」とは、ベルト幅方向に沿って測定して、金属モノフィラメントの端面から3mm以内の領域のことを意味する。
【0010】
また、各撚合わせ部は、ベルト幅方向に沿って計測して、3mm以上で、かつベルト幅の1/4以下の長さを有することが好ましい。
【0011】
さらに、各金属モノフィラメントの直径は0.10〜0.30mmの範囲であることが好ましい。
【0012】
加えて、金属モノフィラメントはスチールモノフィラメントであることが好ましい。
【0013】
そして第2発明は、複数本の金属モノフィラメントを、搬送手段により所定の搬送方向に搬送し、これら金属モノフィラメントを、撚り点形成部を介して、前記搬送方向を回転軸線として回転可能な回転体に供給し、撚合わせ部を形成する場合には、回転体を回転させ、金属モノフィラメントの束を撚り点形成部により撚り合わせて撚合わせ部を形成しつつ、搬送手段により搬送し、一方、引揃え部を形成する場合には、回転体を停止させ、金属モノフィラメントの束を撚り点形成部により並列に引き揃えて引揃え部を形成しつつ、搬送手段により搬送し、このようにして、撚合わせ部と引揃え部を必要に応じて複合的に形成し、所定の長さに達した時点で切断手段を用いて金属モノフィラメントの束を切断することにより、撚合わせ部と引揃え部とで構成された複合素子構造を有する補強素子を製造する方法である。
【0014】
この際、補強素子は、少なくとも両端部を、複数本の金属モノフィラメントが互いに撚り合わされてなる撚合わせ部として形成し、両端部間に位置する部分の一部又は全体を、複数本の金属モノフィラメントが撚り合わされることなく並列に引き揃えられてなる引揃え部として形成した複合素子構造を有することが好ましい。
【0015】
また、撚り点形成部の上流及び下流のいずれか一方の金属モノフィラメントの束を開放した状態で撚り合わせを行うことが好ましい。
【0016】
ここで、「開放した状態」とは、金属モノフィラメントの束を、回転体の回転に伴って発生する撚り回転に連動して回転可能とした状態のことを意味する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下、「タイヤ」という。)の幅方向断面図である。
【0018】
図1に示すタイヤ1は、一対のビード部2間でトロイド状に延びるカーカス3のクラウン部4の外周上に、複数本の補強素子を両幅端にわたる配列状態でゴム被覆してなる少なくとも1枚のベルト5、図1では2枚のベルト5a、5bを具える。各補強素子は複数本の金属モノフィラメントの束からなる。
【0019】
次に、この発明の構成上の主な特徴を、図1に示すベルト5の補強素子の配列状態を示す図2を参照して説明する。この発明の構成上の主な特徴は、補強素子6が、少なくともその両端部7a、7bを、複数本の金属モノフィラメント、図2では3本の金属モノフィラメント8a、8b、8cを互いに撚り合わされてなる撚合わせ部9として形成し、両端部7a、7b間に位置する部分10の一部又は全体、図2では部分10の全体を、金属モノフィラメント8a、8b、8cが撚り合わされることなく並列に引き揃えられてなる引揃え部11として形成した複合素子構造を有することにある。
【0020】
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。上記の通り、複数本の金属モノフィラメントを寄り合わせた金属撚りコードの代わりに金属モノフィラメントを用いてベルト層を構成することは、タイヤの軽量化の実現には有効な手段ではあるが、従来の撚りコードと略同径の金属モノフィラメントを用いると、直径が太いので、曲げ変形時の表面歪が大きく、悪路走行時のように繰り返し大きな変形がタイヤに加わった際に金属モノフィラメントが折れやすいという問題があった。これを防止するために、比較的直径の小さい複数本の金属モノフィラメントを撚り合わせることなく並列に引き揃えて補強素子とし、複数の補強素子を所定の間隔で幅方向に平行に配列してベルトを形成したタイヤも提案されているが、かかるタイヤにおいても、苛酷な使用条件下では、ベルト端部において金属モノフィラメントが被覆ゴムから剥離する、いわゆるベルトエンドセパレーションが依然として生じやすいという問題があった。
【0021】
発明者がこの原因について鋭意研究を重ねたところ、複数本の金属モノフィラメントの束からなる補強素子を一定間隔で配設したときの補強素子同士の間隔は、複数本の金属モノフィラメントを一定間隔で配設したときの金属モノフィラメント同士の間隔に比べて広くなるため、補強素子の端部を起点として被覆ゴムとのセパレーションが発生すると、このセパレーションが隣接する補強素子に容易に伝播しにくくなるものの高速で頻繁に操舵を行う山坂路のような苛酷な使用条件下では十分ではなく、特により一層の軽量化のためベルト層を薄くした場合にはセパレーションが顕著に発生するとの知見を得た。そこで発明者は、補強素子の少なくとも両端部を撚合わせ部として形成すれば、撚合わせ部では補強素子がゴムの弾性変形に追従しやすくなり、セパレーションが発生しにくくなる上、図2に示すように、撚合わせ部9における補強素子6の周方向間隔Pは引揃え部11における補強素子6の周方向間隔Pよりも大きくなるため仮に補強素子6の端部において被覆ゴムとのセパレーションが発生しても、これが隣接する補強素子へ伝播しにくくなるので、ベルトエンドセパレーションを有効に防止することができるとの着想を得た。そして、補強素子の両端部間に位置する部分の一部又は全体を引揃え部として形成すれば、比較的直径の小さい金属モノフィラメントを用いても、金属モノフィラメントが束となることによって必要とされる引張り強度を得ることができ、しかも補強素子の折れの防止を図ることができ、この結果、ベルトエンドセパレーションと補強素子の折れを有効に防止して、ベルトの耐久性を向上させることができることを見出し、この発明を完成させるに至ったのである。
【0022】
また、各撚合わせ部9は、ベルト幅方向に沿って計測して、その長さLが3mm以上で、かつベルト幅Wの1/4以下であることが好ましい。撚合わせ部9の長さLが3mm未満の場合にはセパレーションの伝播を防止する効果が十分に得られないのに加えて、撚合わせ部がばらけやすいという製造上の問題があるからであり、撚合わせ部9の長さLがベルト幅Wの1/4を超える場合には引揃え部形成による効果が十分に得られないからである。
【0023】
さらに、各金属モノフィラメント8a、8b、8cの直径は0.10〜0.30mmの範囲であることが好ましい。直径が0.10mm未満の場合には金属モノフィラメントの曲げ剛性が著しく低下し、ベルト5の剛性を確保できないからであり、直径が0.30mmを超える場合には曲げ変形時の表面歪が大きく、大きな曲げ変形が加わった際に金属モノフィラメントが折れるおそれがあるからである。
【0024】
加えて、金属モノフィラメント8a、8b、8cはスチールモノフィラメントであることが好ましい。引張り強度を向上させる観点からは、特に炭素含有率が0.80wt%以上のスチールモノフィラメントが好ましい。
【0025】
次に、かかる複合素子構造を有する補強素子の製造方法について説明する。図3及び図4は、この発明の製造方法を実施するのに好適な補強素子製造装置の一例である。補強素子製造装置12は、金属モノフィラメントがそれぞれ巻かれている複数個のボビン、図3では3個のボビン13a、13b、13cと、ボビン13a〜13cからそれぞれ巻き出された金属モノフィラメント14a、14b、14cのテンションを制御するテンション制御部15a、15b、15cと、テンション制御部15a〜15cを経由した金属モノフィラメント14a〜14cの撚り及び搬送を行う撚り機16とを具える。
【0026】
撚り機16は、金属モノフィラメント14a〜14cにクセ(型)を付けるクセ付け部(型付け部)17と、撚り点18を形成している撚り点形成部19と、撚り点形成部19の下流側に設けられた回転体20と、撚り点形成部19により撚り合わされ、又は引き揃えられた金属モノフィラメントの束21を搬送する搬送手段22と、回転体20を駆動するための第1モータ23と、搬送手段22を駆動する駆動するための第2モータ24と、回転体20を回転可能に支承するベアリング25a、25bとを主として具える。
【0027】
図4は回転体20の断面図である。回転体20の下流側には、回転体20のハウジング26から短筒状に突出した回転駆動用軸部27に回転駆動用プーリ28aが固定されている。また、回転駆動用軸部27の内部にはベアリング29を介して搬送駆動用軸部30が設けられており、この先端には搬送駆動用プーリ31aが固定されている。
【0028】
ハウジング26内には、金属モノフィラメントの束21を搬送する搬送手段22が設けられている。搬送手段22は、搬送駆動用軸部30の同軸上で上流側に固定された第1ギア32と、第1ギア32と噛み合う第2ギア33と、第2ギアに取り付けられた小ギア34と噛み合う第3ギア35を有するとともに金属モノフィラメントの束21が複数回巻かれる巻回部36を有するキャプスタン37と、キャプスタン37に当接して金属モノフィラメントの束21を巻回部36に押し付けるピンチローラ38と、キャプスタン37に巻回された金属モノフィラメントの束21が更に複数回巻かれるダミープーリ39とを有する。
【0029】
第2モータ24を所定の回転速度で回転させると、プーリ31bが回転し、無端ベルト41及びプーリ31aを介して搬送駆動用軸部30に回転力が伝達され、さらに、第1ギア32、第2ギア33、小ギア34、第3ギア35を介してキャプスタン37が回転駆動する。この結果、金属モノフィラメント14a〜14cはそれぞれボビン13a〜13cより巻き出され、テンション制御部15a〜15cを経由し、クセ付け部17によりクセ付けされ、撚り点形成部19により引き揃えられて金属モノフィラメントの束21を形成し、巻回部36及びダミープーリ39をそれぞれ複数回巻回され、キャプスタン37及びピンチローラ38により送り出され、ガイドパイプ42を通って回転体20の外部に排出(搬送)される。
【0030】
この状態で第1モータ23を所定の回転速度で回転させると、プーリ28bが回転し、無端ベルト40及びプーリ28aを介して回転駆動用軸部27に回転力が伝達され、回転体20が金属モノフィラメントの束21の搬送方向Tを回転軸線として回転駆動される。回転体20の下流では金属モノフィラメントの束21は開放された状態にある上、金属モノフィラメントの束21は巻回部36及びダミープーリ39をそれぞれ複数回巻回されているので、回転体20の回転に伴って、金属モノフィラメントの束21は搬送方向Tを回転軸線として回転する。一方、金属モノフィラメント14a〜cはクセ付け部17により搬送方向Tの周りを回転できないように支持されているので、撚り点18で金属モノフィラメント14a〜14cは互いに撚り合わされる。
【0031】
かかる装置を用いて、前記のような複合素子構造を有する補強素子を得るには、次のような操作を行えばよい。まず、第1モータ23及び第2モータ24を同時に駆動して、撚り点形成部19により金属モノフィラメント14a〜14cを撚り合わせて第1撚合わせ部43を形成しつつ搬送する。第1撚合わせ部43が所定の長さに達した時点で、第1モータ23だけを停止して回転体20の回転を止める。この状態で、撚り点形成部19により金属モノフィラメント14a〜14cを引き揃えて引揃え部44を形成しつつ搬送する。引揃え部44が所定の長さに達した時点で第1モータ23を再度駆動して回転体20を回転させ、撚り合わせを再開し、金属モノフィラメント14a〜14cを撚り点形成部19により撚り合わせて第2撚合わせ部45を形成しつつ搬送する。第2撚合わせ部45が所定の長さに達した時点で第1モータ23を停止する。そして、第2撚合わせ部45が回転体20より排出された時点で、図示しない切断手段により、所定の第1撚合わせ部43及び第2撚合わせ部45を有するように切断すれば、所望の補強素子を得ることができる。
【0032】
また、連続して補強素子を得るには、第1モータ23及び第2モータ24を同時に駆動して、撚り点形成部19により金属モノフィラメント14a〜14cを撚り合わせて撚合わせ部を形成しつつ搬送する。撚合わせ部が第1撚合わせ部43と第2撚合わせ部45を合計した長さに達した時点で、第1モータ23だけを停止して回転体20の回転を止める。この状態で、撚り点形成部19により金属モノフィラメント14a〜14cを引き揃えて引揃え部44を形成しつつ搬送する。引揃え部44が所定の長さに達した時点で、第1モータ23を再度駆動して回転体20を回転させ、撚り合わせを再開し、金属モノフィラメント14a〜14cを撚り点形成部19により撚り合わせて撚合わせ部を形成する。撚合わせ部が第1撚合わせ部43と第2撚合わせ部45を合計した長さに達した時点で第1モータ23を停止する。この操作を繰り返すことによって、所望の補強素子を効率良く製造することができる。
【0033】
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、図2には3本の金属モノフィラメントを用いたベルトを示したが、金属モノフィラメントは2本又は4本以上とすることもできる。また、図2では、補強素子6の両端部間に位置する部分の全体にわたって引揃え部11を形成した場合を示しているが、一部であっても良い。
【0034】
【実施例】
次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
【0035】
実施例1〜5のタイヤは、タイヤサイズが175/70R14の乗用車用ラジアルタイヤであり、複合素子構造を有し、炭素含有率が0.82wt%であるスチールモノフィラメントの束からなる補強素子を35本/50mmで打ち込んで構成した2枚のベルト(下層及び上層ベルト幅:330mm及び307mm)からなる交差ベルトを有し、表1に示す諸元を有する。
【0036】
比較のため、タイヤサイズ、ベルト枚数、及びベルト幅が実施例1〜5と同じであり、表1に示す諸元を有し、補強素子が、実施例1〜5と同じ材質のスチールモノフィラメントを撚り合わせたスチールコードであるタイヤ(従来例)、補強素子が、実施例1〜5と同じ材質のスチールモノフィラメントで構成されるものの、単一の引揃え部のみからなるタイヤ(比較例)についても併せて試作した。
【0037】
(試験方法)
前記各供試タイヤをJATMAで定める標準リム(5J)に取り付けてタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪を空気圧:147kPa(相対圧)、タイヤ荷重:2.54kNの条件下でテスト車両に装着して次の各試験を行った。
【0038】
1.耐ベルトエンドセパレーション性
一般路を6万km走行させた後、タイヤを解体し、ベルトの端縁に発生している亀裂の長さを測定し、この測定値から耐ベルトエンドセパレーション性を評価した。この評価結果を表1に示す。
【0039】
2.耐ベルト折れ性
一定距離毎に曲がるつづら折り路を時速60kmで3万km走行した後、タイヤを解体してベルトを構成する補強素子を取り出し、そのうち折れた状態にある補強素子の本数を数え、その本数から耐ベルト折れ性を評価した。この評価結果を表1に示す。
【0040】
また、比較例のタイヤのベルト重量と、各供試タイヤのベルト重量との差も併せて表1に示す。表中、比較例のタイヤのベルト重量と供試タイヤのベルト重量が等しいときを零とし、供試タイヤのベルト重量が小さい場合には負の値で示す。
【0041】
なお、表1の評価結果に示す数値はいずれも比較例の評価結果を100としたときの指数比で示してあり、数値が大きいほど性能が優れている。
【0042】
【表1】
Figure 2004359198
【0043】
表1に示す評価結果から、実施例1のタイヤは、比較例のタイヤに比べて耐ベルトエンドセパレーション性及び耐ベルト折れ性が優れており、従来例のタイヤに比べて耐ベルトエンドセパレーション性はほぼ同等でありながら、耐ベルト折れ性が大きく優れていることが分かる。また、実施例2及び3のタイヤは、従来例及び比較例のタイヤに比べて耐ベルトエンドセパレーション性及び耐ベルト折れ性が優れていることが分かる。さらに、実施例4のタイヤは、比較例のタイヤに比べて耐ベルトエンドセパレーション性及び耐ベルト折れ性が優れており、従来例のタイヤに比べて耐ベルトエンドセパレーション性では劣るものの、耐ベルト折れ性が大きく優れていることが分かる。加えて、実施例5のタイヤは、比較例のタイヤに比べて耐ベルト折れ性はほぼ同等でありながら、耐ベルトエンドセパレーション性が大きく優れており、従来例のタイヤに比べて耐ベルトエンドセパレーション性は同等でありながら、耐ベルト折れ性が大きく優れていることがわかる。したがって、実施例1〜5のタイヤはいずれも、総合的な耐久性に優れているといえる。
【0044】
【発明の効果】
この発明により、ベルトを構成する補強素子としてモノフィラメントの束を用いることによって軽量化を図るとともに、補強素子の構造の適正化を図ることにより、ベルト端部に発生するセパレーションと補強素子の折れを有効に抑制して、ベルトの耐久性を格段に向上させた空気入りタイヤを提供することが可能となった。また、この発明により、かかるタイヤに用いる補強素子を効率良く製造することのできる方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う代表的な空気入りタイヤの幅方向断面図である。
【図2】図1に示すベルトの補強素子の配列状態を示す図である。
【図3】補強素子製造装置の一例の概略図である。
【図4】図3の補強素子製造装置の回転体の断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 ビード部
3 カーカス
4 クラウン部
5 ベルト
6 補強素子
7a、7b 補強素子端部
8a、8b、8c、14a、14b、14c 金属モノフィラメント
9 撚合わせ部
10 両端部間部分
11、44 引揃え部
12 補強素子製造装置
13a、13b、13c ボビン
15a、15b、15c テンション制御部
16 撚り機
17 クセ付け部
18 撚り点
19 撚り点形成部
20 回転体
21 金属モノフィラメントの束
22 搬送手段
23 第1モータ
24 第2モータ
25a、25b、29 ベアリング
26 ハウジング
27 回転駆動用軸部
28a、28b、31a、31b プーリ
30 搬送駆動用軸部
32 第1ギア
33 第2ギア
34 小ギア
35 第3ギア
36 巻回部
37 キャプスタン
38 ピンチローラ
39 ダミープーリ
40、41 無端ベルト
42 ガイドパイプ
43 第1撚合わせ部
45 第2撚合わせ部

Claims (7)

  1. トロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外周上に、複数本の補強素子を両幅端にわたる配列状態でゴム被覆してなる少なくとも1枚のベルトを具え、各補強素子が複数本の金属モノフィラメントの束からなる空気入りタイヤにおいて、
    前記補強素子は、少なくとも両端部を、複数本の金属モノフィラメントが互いに撚り合わされてなる撚合わせ部として形成し、両端部間に位置する部分の一部又は全体を、複数本の金属モノフィラメントが撚り合わされることなく並列に引き揃えられてなる引揃え部として形成した複合素子構造を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 各撚合わせ部は、ベルト幅方向に沿って計測して、3mm以上で、かつベルト幅の1/4以下の長さを有する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 各金属モノフィラメントの直径は0.10〜0.30mmの範囲である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 金属モノフィラメントはスチールモノフィラメントである請求項1〜3のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  5. 複数本の金属モノフィラメントを、搬送手段により所定の搬送方向に搬送し、
    これら金属モノフィラメントを、撚り点形成部を介して、前記搬送方向を回転軸線として回転可能な回転体に供給し、
    撚合わせ部を形成する場合には、回転体を回転させ、金属モノフィラメントの束を撚り点形成部により撚り合わせて撚合わせ部を形成しつつ、搬送手段により搬送し、
    一方、引揃え部を形成する場合には、回転体を停止させ、金属モノフィラメントの束を撚り点形成部により並列に引き揃えて引揃え部を形成しつつ、搬送手段により搬送し、
    このようにして、撚合わせ部と引揃え部を必要に応じて複合的に形成し、
    所定の長さに達した時点で切断手段を用いて金属モノフィラメントの束を切断することにより、撚合わせ部と引揃え部とで構成された複合素子構造を有する補強素子を製造する方法。
  6. 補強素子は、少なくとも両端部を、複数本の金属モノフィラメントが互いに撚り合わされてなる撚合わせ部として形成し、両端部間に位置する部分の一部又は全体を、複数本の金属モノフィラメントが撚り合わされることなく並列に引き揃えられてなる引揃え部として形成した複合素子構造を有する請求項5記載の製造方法。
  7. 撚り点形成部の上流及び下流のいずれか一方の金属モノフィラメントの束を開放した状態で撚り合わせを行う請求項5又は6記載の製造方法。
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