JP2004358500A - スポット溶接方法およびスポット溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の電極で被溶接体を挟みながら溶接電流を流すスポット溶接方法で、被溶接体に第1の加圧力を負荷して溶接電流を流した後、一旦通電を停止し、被溶接体を挟んだまま、上記第1の加圧力よりも大きな第2の加圧力を負荷して再び溶接電流を流す。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被溶接体を対向する一対の電極で挟みながら溶接電流を流し、溶接するスポット溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば自動車のボディなどに多用される鋼板材の接合方法として、スポット溶接が広く用いられている。スポット溶接の一つとして、鋼板同士を重ね合わせ、上下方向に対向する一対の電極の間に鋼板を挟みながら加圧し、板厚方向に溶接電流を流した際に発生する抵抗発熱によって鋼板同士の接触部を溶融させ、その後溶融部を凝固させてナゲットを形成させる溶接方法がある。
【0003】
自動車製造において、被溶接体であるワークの使用部位あるいは使用目的などに応じ、被溶接体の溶接部に求められる接合強度は異なる。一方、スポット溶接によって生成されるナゲットの大きさは、溶接部の接合強度を左右する重要な因子であるが、加圧力、溶接電流値、通電時間の少なくとも一つ以上を制御して、ナゲット径を適正にできることは、一般的に知られている。
【0004】
通常、被溶接体の板厚が大きい場合などは、溶接部の接合強度を十分に確保するために、ナゲット径を拡大させる方法が採られる。ナゲット径は、加圧力および溶接電流値を増加させることで拡大できる。詳述すると、加圧力を増やすことで電極は被溶接体に深くめり込み、電極と被溶接体の接触面の面積は増加する。このとき溶接電流値が一定であれば、電極と被溶接体の接触面を流れる溶接電流の電流密度は、接触面の面積の増加量に応じて低下するが、加圧力を増やすのと同時に溶接電流値を増加させると、電流密度を低下させずに維持したまま、電極と被溶接体の接触面の面積を大きく確保できる。その結果、通常よりも広い領域の被溶接体が溶融し、大きなナゲット径を得ることができる。また、一定以上の加圧力が負荷されている場合に、ナゲットは板厚方向の中心付近に形成されるが、これは電極の溶着防止の目的で電極自身が水冷されていることに起因する。つまり、被溶接体は、電極との接触面において当該電極により熱を奪われ、その結果、板厚方向の中心付近が電極の冷却作用を受け難く、抵抗発熱により最も温度が上昇するからである。
【0005】
一方、スポット溶接においては、溶接制御装置により、溶接条件を制御している。溶接制御装置は、溶接電流値、通電時間といった定められた溶接条件を溶接機(溶接トランス)に制御信号として伝送するプロセスを含むのが一般的である。近年では、溶接制御装置に様々な検出手段を組み合わせた自動制御方法が提案されている。例えば、電極位置検出手段や加圧力検出手段により検出したデータ信号を溶接制御装置に伝送し、伝送データに基づいて被溶接物の隙間を推定し、当該推定結果により一段通電または二段通電を決定し、溶接機に制御信号を出力する溶接制御装置が公知となっている。(例えば、特許文献1参照。)
【0006】
【特許文献1】
特開平11−104849号公報
【0007】
特許文献1に開示されているスポット溶接方法では、被溶接物の隙間を自動的に算出し、適正な溶接電流値や通電時間を決定するので、溶接品質が高まり、歩留まりを向上させるとともに、生産効率の改善も図れることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のスポット溶接方法では、被溶接体の板厚比が大きい場合などにおいて溶接品質を十分に確保することが困難である。ここで「板厚比」とは、すべての板材の板厚の総和(総板厚)を外側の薄板の板厚で除した値(総板厚/薄板の板厚)を意味する。板厚比が大きくなると、外側の板厚が総板厚に対して薄く、外側の板材の境界面が板厚方向の中心より外側に偏倚する。例えば、被溶接体が2枚以上の板材で構成され、外側の板材の板厚が薄い場合には、外側の板材の溶接品質が十分に得られない。具体的には、被溶接体に負荷する加圧力は、被溶接体の板厚に対して決められる。一般的には、板厚が大きくなれば加圧力および溶接電流値を増大させることにより、板厚方向の中心付近に形成されるナゲットは拡大されて、溶接部の接合強度を高めることができる。被溶接体が2枚以上の板材で構成される場合について考えてみると、総板厚に対して加圧力を決定し、総板厚が大きければ加圧力も大きくする。すると、板厚方向の中心付近に形成されるナゲットは拡大され、総板厚に対しては適正なナゲット径を得ることができる。しかし、外側の板材の板厚が薄い場合には、当該板材の境界面に適正なナゲットが形成されないという不具合が生じ易い。さらに詳述すると、加圧力を増大させると、電極は被溶接体に深くめり込む。外側の板厚が薄い場合は、電極がめり込むことにより電極と板材の接触面の板厚は、更に薄くなっている。この状態で溶接電流を流すと、板厚方向の中心付近にナゲットは成長し、通電時間を延ばすとナゲットも拡大する。しかし、電極の冷却作用の影響により上記接触面の近傍である被溶接体の表層付近は温度があまり上昇せず、ナゲットの成長には限界がある。そして長時間通電した後でも、図8に示すように、ナゲットは板材の境界面まで成長せず、その結果、溶接品質の低下を招くという問題があった。
【0009】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、板厚比の大きい重なり合う被溶接体を溶接する場合においても、適正なナゲットを形成し、溶接接合部の接合強度を向上させるスポット溶接方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面によると、一対の電極で被溶接体を挟みながら溶接電流を流すスポット溶接方法であって、被溶接体に第1の加圧力を負荷して溶接電流を流す第1の工程と、被溶接体を挟んだまま、上記第1の加圧力よりも大きな第2の加圧力を負荷して再び溶接電流を流す第2の工程とを有することを特徴とする、スポット溶接方法が提供される。
【0011】
このようなスポット溶接方法を用いると、板厚比が大きな被溶接体に溶接する場合においても、溶接部の接合強度を十分に確保することができる。具体的に説明すると、被溶接体は一対の電極で挟まれ、加圧手段により上記第1の加圧力を負荷されているが、上記第1の加圧力は総板厚に対応する加圧力よりも小さい値(外側の板材の板厚に対応する程度の低い加圧力)である。このとき、電極の被溶接体へのめり込み深さは小さく、一対の電極と接触する被溶接体の接触面の面積も小さくなる。この状態で溶接電流を流すと、上記接触面を流れる電流の電流密度が高くなり、発熱量は最大となる。通常、電極の冷却作用により、上記接触面の熱が奪われ、被溶接体の表層付近の温度上昇は抑えられているが、本発明の第1の側面にかかるスポット溶接方法では、第1の工程において上記接触面の面積が小さいので、電極の冷却作用で奪われる熱量も小さくなり、上記接触面の接触抵抗による発熱量が、電極の冷却作用で奪われる熱量よりも優勢となる。そして被溶接体の表層付近の温度が最大となり、当該表層付近でナゲットは成長していく。次に一旦通電を停止し、被溶接体を挟んだまま加圧力を増大させる。このとき、加圧力(上記第2の加圧力)は総板厚に対応する加圧力に設定されている。その結果、電極の被溶接体に対するめり込みは深くなり、上記接触面の面積も増大する。そして溶接電流を流すと、上記接触面においては電極の冷却作用で奪われる熱量が大きいため、今度は電極から最も離れている板厚方向の中心付近の温度が最も高くなり、板厚方向の中心付近でナゲットが成長していく。こうして最終的には、被溶接体の表層付近と中心付近において、二段階で成長したナゲットが形成されることになる。このように、板厚比が大きな被溶接体に溶接する場合においても、溶接部の接合強度を十分に確保することができる。
【0012】
また、本発明の第1の側面にかかるスポット溶接方法は、上記第2の工程における溶接電流の電流値が、上記第1の工程における溶接電流の電流値よりも大きいことが好ましい。
【0013】
このようなスポット溶接方法を用いると、板厚比が大きな被溶接体に溶接する場合においても、溶接部の接合強度を十分に確保することができる。具体的に説明すると、第2の工程において加圧力を増大させるのに対応して溶接電流の電流値も増大されているので、板厚方向の中心付近に大きなナゲットが形成される。第2の工程で形成されるナゲットは、板厚方向の溶込み深さも大きくなるので、先に第1の工程で被溶接体の表層付近に形成されたナゲットと第2の工程で形成されるナゲットは重なり合う箇所が生じる。そして最終的には、被溶接体の表層付近と中心付近において二段階で成長したナゲットが一部重なり合うように一体的に形成され、板厚方向の溶込み深さの大きい複合ナゲットが形成されることになる。このように、板厚比が大きな被溶接体に溶接する場合においても、溶接部の接合強度を十分に確保することができる。
【0014】
また、本発明の第1の側面にかかるスポット溶接方法は、上記第1の工程における溶接電流の電流値を、第1段階〜第3段階の3段階に変化させるとともに、当該第2段階の電流値を上記第1段階および上記第3段階の電流値よりも小さくすることが好ましい。
【0015】
このようなスポット溶接方法を用いると、スパッタの発生を防止し、適正なナゲットを形成することができる。具体的に説明すると、通電後、被溶接体の表層付近における発熱量が最大となるが、溶接電流値を一定に維持し続けた場合、上記表層付近は急激な温度上昇によりスパッタが発生し易くなり、ナゲットは適正に形成されない。スパッタが発生すると、ナゲットが適正に形成されないばかりか、飛散したスパッタが電極に付着し、電極を傷めることもある。あらかじめ通電初期の溶接電流値を低く設定することも考えられるが、この場合、上記表層付近の通電による抵抗発熱量は小さく、上記表層付近は被溶接体が溶融する温度までは上昇しないので、ナゲットは形成されない。そこで、本発明の第1の側面にかかるスポット溶接方法では、第1の工程において、第1段階(通電初期)は溶接電流値を少し高めに設定し、第2段階(通電中期)は溶接電流値を低下させ、第3段階(通電終期)は溶接電流値を再び増大させる通電パターンとする。そうすると、第1段階において被溶接体の表層付近で最も温度が上昇するが、スパッタの発生する前に溶接電流値を低下させて第2段階に移行する。第2段階では、第1段階で温度上昇した表層付近は、スパッタは飛散しないものの継続して発熱するので、被溶接体の表層付近の熱影響範囲が拡大し、被溶接体の表層付近(外側の板材の境界面付近)においてナゲットは成長し始める。第2段階で外側の板材の境界面が十分に溶融し、通電路が安定したところで溶接電流値を上げて第3段階に移行する。第3段階では、ナゲットは速やかに成長するが、被溶接体の接触面が溶融しない程度の比較的短い時間だけ通電し、第1の工程を終了する。こうして第1の工程では、スパッタの発生を防止するとともに、外側の板材の境界面に適正なナゲットを形成させることができる。
【0016】
また、本発明の第1の側面にかかるスポット溶接方法は、上記第2の工程における溶接電流の電流値を、第1段階〜第3段階の3段階に変化させるとともに、当該第2段階の電流値を上記第1段階および上記第3段階の電流値よりも小さくすることが好ましい。
【0017】
このようなスポット溶接方法を用いると、スパッタの発生を防止し、適正なナゲットを形成することができる。具体的には、上記第2の工程は、板厚方向の中心付近にナゲットを形成するために、上記第1の工程よりも加圧力および溶接電流値を増大させている。そして上記第2の工程においても、通電初期(第1段階)は溶接電流値を少し高めに設定し、通電中期(第2段階)は溶接電流値を低下させ、通電終期(通電終期)は溶接電流値を再び増大させる通電パターンとする。そうすると、第1段階において板厚方向の中心付近の温度が最も上昇するが、スパッタの発生する前に溶接電流値を低下させて第2段階に移行する。第2段階では、第1段階で温度上昇した板厚方向の中心付近が、スパッタは発生しないものの継続して発熱するので、板厚方向の中心付近の熱影響範囲が拡大し、板厚方向の中心付近においてナゲットは成長し始める。第2段階で板厚方向の中心付近が十分に溶融し、通電路が安定したところで溶接電流値を上げて第3段階に移行する。第3段階では、ナゲットは速やかに成長し、第2の工程を終了する。こうして第2の工程では、スパッタの発生を防止するとともに、板厚方向の中心付近に適正なナゲットを形成させることができる。
【0018】
本発明の第2の側面によると、本発明の第1の側面によって提供されるスポット溶接方法を行うように構成されたスポット溶接装置が提供される。
【0019】
このような構成のスポット溶接装置を用いると、板厚比が大きな被溶接体に溶接する場合においても、溶接部の接合強度を十分に確保することができる。上述の第1の側面によって得られた拡大されたナゲットにより、溶接部の接合強度は向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0021】
図1は、本発明にかかるスポット溶接方法に用いられるスポット溶接機を溶接ロボットに適用した例を示し、図1において、1はスポット溶接機、2はスポット溶接される被溶接体、3はスポット溶接機1を支持する溶接ロボット、4は溶接制御装置、5はロボット制御装置、6はインターロック用シーケンサである。
【0022】
スポット溶接機1は、溶接トランス10と、溶接ガン11と、加圧手段12と、一対の電極17A,17Bとを備えている。溶接ガン11は溶接トランス10の一方の側壁に対し、支持ブラケットを介して連結固定され、上部アーム111と下部アーム112とを含んでいる。加圧手段12は、例えばサーボモータなどからなる駆動装置13と加圧シリンダ14とを含み、上部アーム111に連結固定されている。加圧シリンダ14は駆動装置13の駆動力により垂直方向へ進退するピストンロッド15を備えている。ピストンロッド15の先端側及び下部アーム112の先端部には、各々、シャンク16A,16Bが互いに同軸状に配設されており、これらの一対のシャンク16A,16Bの各先端部には、一対の電極17A,17Bが連結固定されている。電極17Aは、加圧手段12により上部アーム111に対する相対位置が変化する可動側電極を構成し、電極17Bは、下部アーム112に対して固定された固定側電極を構成している。電極17A,17Bは円柱形状であり、それぞれ先端部には、被溶接体2と当接する部位が半球形状をなす電極チップ18A,18Bが形成されている(図2参照)。
【0023】
図3に示すように、被溶接体2は、鋼板21a〜21dが重ね合わされた状態で支持装置(図示せず)に挟持固定されており、被溶接体2のあらかじめ設定された箇所を電極17A,17Bで挟んだ状態でスポット溶接されるようになっている。なお、電極17A,17Bは、当該電極の中心線が鋼板21a〜21dの表面に対して略垂直をなすように位置決めされている。
【0024】
溶接ロボット3は、床面に対し作動軸Sの回りに旋回可能に配設された基体部31と、この基体部31に対し水平軸Uの回りに回転作動可能に配設された第1アーム32と、この第1アーム32の先端部に対し水平軸Vの回りに回転作動可能に配設された第2アーム33と、この第2アーム33の先端部に対し水平軸Wの回りに回転作動可能に配設された第3アーム34とを備え、第3アーム34の先端部にはスポット溶接機1が連設固定されている。そして、ロボット制御装置5の作動制御により、上記基体部31が作動軸Sの回りに旋回作動するとともに、上記第1アーム32,第2アーム33並びに第3アーム34がそれぞれ回転軸U,V並びにWの回りに回転作動されることにより、スポット溶接機1を三次元方向に移動可能に構成されている。
【0025】
溶接制御装置4は、溶接トランス10およびインターロック用シーケンサ6と接続され、インターロック用シーケンサ6より出力された溶接電流値、通電時間といった溶接条件を、制御信号として溶接トランス10に伝送し、溶接トランス10を制御している。
【0026】
ロボット制御装置5は、溶接ロボット3、駆動装置13並びにインターロック用シーケンサ6と接続され、溶接ロボット3を制御するとともに、インターロック用シーケンサ6より溶接条件を得て、駆動装置13を制御している。
【0027】
図2に示すように、インターロック用シーケンサ6は、被溶接体の板厚や接合強度といった溶接対象物の条件設定入力値60を受けて溶接条件を判定する溶接条件判定部61と、あらかじめ定められた溶接条件の組み合わせが記憶された溶接条件記憶部62より構成されている。溶接条件判定部61では、溶接対象物の条件設定入力値60に基づいて各種演算処理を行い、溶接条件記憶部62より最適な溶接条件を選択する。選択された溶接条件は、加圧力、溶接電流値、通電時間より構成される。加圧力の情報は、ロボット制御装置5を経由して制御信号として駆動装置13に伝送され、溶接電流値、通電時間の情報は、溶接制御装置4を経由して制御信号として溶接トランス10に伝送される。なお、図2においては、溶接条件を制御する構成のみを示したが、スポット溶接装置は他にも、所定の溶接位置に電極17A,17Bを位置決めするために、教示データに基づいてロボット制御装置5より送られた制御信号によって溶接ロボット3を制御(ティーチング)する構成を含んでいる。
【0028】
次に、上記スポット溶接機1を用いた溶接方法について、図3〜図7に基づいて具体的に説明する。被溶接体2は、板厚の異なる4枚の鋼板で構成され、外側は板厚が約0.6mmの薄鋼板21a,21dで、内側は板厚が約1.5mmの厚鋼板21b,21cである。図3は、ティーチング調整により、鋼板21a〜21dを一対の電極17A,17Bで挟んだ状態を表す。溶接を実行するに際しては、両電極17A,17Bの内部に冷却媒体として、例えば水が供給されている。図4は、溶接対象物の条件設定に基づいてインターロック用シーケンサ6で選択された加圧力、溶接電流値、通電時間の関係を示し、(A)は当該関係を示す表で、(B)は(A)の表を、時間をX軸に設定する場合の加圧パターンおよび通電パターンを示す図である。
【0029】
まず第1の加圧力である1.5kNを鋼板21a〜21dに負荷する。このとき、電極17A,17Bの薄鋼板21a,21dへのめり込み深さは小さく、電極と鋼板の接触面の面積も小さくなる。この状態で、8.0kAの溶接電流を3サイクル(60サイクル=1秒)流す(第1段階)。このとき、上記接触面を流れる溶接電流の電流密度が最も高く、上記接触面における発熱量が最大となる。一方、上記接触面においては、電極の冷却作用により熱が奪われているが、上記接触面の面積が小さいため、電極の冷却作用により奪われる熱量は小さい。そして電極の冷却作用は、上記接触面より極近い範囲にしか及ばず、その結果、薄鋼板21aおよび薄鋼板21dの表層付近の温度が最も高くなる。次に、溶接電流値を7.5kAに低下させて、5サイクル通電する(第2段階)。ここで溶接電流値を落とすことにより、急激な温度上昇によるスパッタの発生は起こらないが、薄鋼板21aおよび薄鋼板21dの表層付近は更に緩やかに温度が上昇し、ナゲットは成長し始める。そして薄鋼板21aと厚鋼板21bとの境界面および厚鋼板21cと薄鋼板21dとの境界面は十分に溶融し、通電路が安定確保される。通電路が安定したところで溶接電流値を9.0kAに上げて3サイクル通電する(第3段階)。溶接電流値を上げても、通電路が安定しているのでスパッタは発生することなく、ナゲットは急成長する。そして第3段階が終了した時点で、図5に示すように、ナゲット27は薄鋼板21aと厚鋼板21bとの境界面および厚鋼板21cと薄鋼板21dとの境界面を跨ぐように形成されている。
【0030】
次に一旦通電を停止し、3サイクルの間に第1の加圧力である1.5kNから第2の加圧力である3.0kNに、加圧力を上げる。すると電極のめり込み深さは大きくなり、電極と鋼板の接触面の面積は増大する。図6は、加圧力を3.0kNに上げたときの電極17A,17Bと鋼板21a〜21dの状態を表す。引き続き11.0kAの溶接電流を5サイクル流す(第1段階)。このとき、上記接触面においては、電極の冷却作用により熱が奪われているが、上記接触面の面積が大きいため、電極の冷却作用により奪われる熱量は大きい。そして電極の冷却作用は、上記接触面より板厚方向の中心に向かって広い範囲に及び、その結果、電極から最も離れている板厚方向の中心付近の温度が最も高くなる。次に、溶接電流値を10.0kAに低下させて、10サイクル通電する(第2段階)。ここで溶接電流値を落とすことにより、急激な温度上昇によるスパッタの発生は起こらないが、板厚方向の中心付近である厚鋼板21bと厚鋼板21cとの境界面は更に緩やかに温度が上昇し、ナゲットは成長し始める。そして厚鋼板21bと厚鋼板21cとの境界面は十分に溶融し、通電路が安定確保される。通電路が安定したところで溶接電流値を11.5kAに上げて5サイクル通電する(第3段階)。溶接電流値を上げても、通電路が安定しているのでスパッタは発生することなく、ナゲットは急成長する。そして第3段階が終了した時点で、図7に示すように、ナゲット28は厚鋼板21bと厚鋼板21cとの境界面を跨ぐように形成されている。このとき、薄鋼板21aと厚鋼板21b、厚鋼板21bと厚鋼板21c、厚鋼板21cと薄鋼板21dの各々の境界面に適正なナゲットが形成されている。しかも、これら3つのナゲットは一部重なり合うように一体形成されているので、溶接部の接合強度は向上する。
【0031】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。例えば、上記実施形態において板厚が約0.6mmと約1.5mmの2種類の鋼板を用いたが、これは一例に過ぎず、他の板厚の鋼板を使用しても、当該板厚に対応した最適な溶接条件が選択される。また、上記実施形態では4枚の鋼板を溶接したが、重ね合わせる鋼板の枚数はこれに限らない。さらに、種々の検出手段を組み合わせた自動制御方法を併用するものであってもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明によると、スポット溶接機を用いたスポット溶接方法において、板厚比の大きい重なり合う被溶接体を溶接する場合でも、すべての境界面に適正なナゲットを形成できるので、溶接部の接合強度は向上する。更に本発明は、既存のスポット溶接機をそのまま流用できるので、コスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスポット溶接方法に用いられるスポット溶接機を溶接ロボットに適用した例を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る溶接条件の制御方法を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るティーチング調整後の被溶接体の要部を表す断面図である。
【図4】(A)は本発明の実施形態に係る加圧力、溶接電流値、通電時間の関係を示す表、(B)は(A)の通電パターンおよび加圧パターンを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る第1の工程の終了時における被溶接体の要部を表す断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る第2の加圧力の負荷後における被溶接体の要部を表す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る第2の工程の終了時における被溶接体の要部を表す断面図である。
【図8】従来のスポット溶接方法により形成されたナゲットを表す断面図である。
【符号の説明】
1 スポット溶接機
2 被溶接体
3 溶接ロボット
4 溶接制御装置
5 ロボット制御装置
6 インターロック用シーケンサ
17A 電極(可動側電極)
17B 電極(固定側電極)
21a 鋼板(薄鋼板)
21b 鋼板(厚鋼板)
21c 鋼板(厚鋼板)
21d 鋼板(薄鋼板)
27 ナゲット
28 ナゲット
Claims (5)
- 一対の電極で被溶接体を挟みながら溶接電流を流すスポット溶接方法であって、被溶接体に第1の加圧力を負荷して溶接電流を流す第1の工程と、被溶接体を挟んだまま、上記第1の加圧力よりも大きな第2の加圧力を負荷して再び溶接電流を流す第2の工程とを有することを特徴とする、スポット溶接方法。
- 上記第2の工程における溶接電流の電流値が、上記第1の工程における溶接電流の電流値よりも大きいこと特徴とする、請求項1に記載のスポット溶接方法。
- 上記第1の工程における溶接電流の電流値を、第1段階〜第3段階の3段階に変化させるとともに、当該第2段階の電流値を上記第1段階および上記第3段階の電流値よりも小さくすることを特徴とする、請求項1または2に記載のスポット溶接方法。
- 上記第2の工程における溶接電流の電流値を、第1段階〜第3段階の3段階に変化させるとともに、当該第2段階の電流値を上記第1段階および上記第3段階の電流値よりも小さくすることを特徴とする、請求項3に記載のスポット溶接方法。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載のスポット溶接方法を行うように構成されたスポット溶接装置。
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Cited By (14)
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