JP2004358370A - 生物脱臭用担体及びそれを用いた脱臭方法、脱臭装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒素系化合物および硫黄系化合物の悪臭に対し、優れた脱臭効果を有した生物脱臭用担体及びそれを用いた脱臭方法、脱臭装置を提供する。
【解決手段】悪臭物質を分解除去する機能を有する微生物に生育環境を提供し固定化可能な生物脱臭用担体であって、ガラスを主成分とした発泡ガラス体からなる生物脱臭用担体。さらに、前記生物脱臭用担体は、二酸化珪素を含むことを特徴とする。またはさらに、前記生物脱臭用担体は、粒径が2〜20mm、比重が0.3〜1.6g/cm3、吸水率が10〜50%であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】悪臭物質を分解除去する機能を有する微生物に生育環境を提供し固定化可能な生物脱臭用担体であって、ガラスを主成分とした発泡ガラス体からなる生物脱臭用担体。さらに、前記生物脱臭用担体は、二酸化珪素を含むことを特徴とする。またはさらに、前記生物脱臭用担体は、粒径が2〜20mm、比重が0.3〜1.6g/cm3、吸水率が10〜50%であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンポスト化施設、下水処理場、排水処理場、し尿処理場などで発生する悪臭を除去するための生物脱臭用担体及びそれを用いた脱臭方法、脱臭装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンポスト化施設、下水処理場、排水処理場、し尿処理場などから発生する悪臭は、その原料である人、家畜そしてペット由来のものからなり、アンモニア、アミン等の窒素系化合物と、硫化水素、メルカプタン、チオカルボニル化合物等の硫黄系化合物が挙げられる。一般に、これら悪臭の除去に用いられている方法としては、香料を利用したマスキング法、活性炭、ゼオライト、サイクロデキストリン等の吸着作用を利用した物理的脱臭法、酸性やアルカリ性の化合物を用いる中和反応や、悪臭自体を加熱することで分解する熱分解反応等を利用した化学的脱臭法、あるいは、曝気、スクラバーを利用した生物的脱臭法等が知られている。 特に、生物的脱臭法は処理コストが安く環境に与える影響が少ないことなどから注目を浴びている技術である。しかしながら、生物的脱臭法に用いられる微生物は一般に生育速度が遅く溶液中で増やすのは非常に困難である。そのため、微生物の生育環境を提供する多孔質体などの担体が用いられている。代表的な微生物担持用担体としては、ゼオライトを利用した微生物用担体、ロックウールを利用した微生物担体がある。
【0003】
また、特許文献1には、活性炭を利用した微生物用担体が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−192146号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、木炭系微粉末を固化したものやロックウールを利用した担体は圧力損失が大きく、装置の巨大化および脱臭装置内へ被脱臭ガスを送り込むための送風機の過大化を必要とするなどの問題がある。また、ゼオライトを利用した担体においては、比重や粒径の調製が困難であり均一な担体を得ることが困難である。
【0006】
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、窒素系化合物および硫黄系化合物の悪臭に対し、優れた脱臭効果を有した生物脱臭用担体及びそれを用いた脱臭方法、脱臭装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、廃ガラスを粉末化し発泡固化させた発泡ガラス資材に微生物担持機能があることを見いだし、本発明に至った。すなわち、本発明は以下を特徴とする。
【0008】
[1]悪臭物質を分解除去する機能を有する微生物に生育環境を提供し固定化可能な生物脱臭用担体であって、ガラスを主成分とした発泡ガラス体からなる生物脱臭用担体。
【0009】
[2]上記[1]に記載の生物脱臭用担体は二酸化珪素を含むことを特徴とする生物脱臭用担体。
【0010】
[3]上記[1]または[2]において、粒径が2〜20mm、比重が0.3〜1.6g/cm3、吸水率が10〜50%であることを特徴とする生物脱臭用担体。
【0011】
[4]上記[1]ないし[3]に記載の生物脱臭用担体を用い、悪臭を除去することを特徴とする生物脱臭用担体を用いた脱臭方法。
【0012】
[5]上端に脱臭処理済みのガスを排出するガス排出口が設けられ、下端に被脱臭ガスを導入するガス導入口が設けられ、上部に散水装置が配設されてなる脱臭槽内に上記[1]ないし[3]に記載の生物脱臭用担体が充填されている充填槽を有していることを特徴とする生物脱臭用担体を用いた脱臭装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0014】
本発明において、生物脱臭用担体として用いるのはガラスを主成分とした発泡ガラス体である。この発泡ガラス体は悪臭物質の分解除去機能を有する微生物に対し生育環境の提供および固定化が可能である。
【0015】
ここで、本発明においては、発泡固化させた発泡ガラス体を用いることを特徴とする。発泡固化した発泡体は発泡していないガラス体に比べ、多数の細孔を有し、比表面積も大きい。ゆえに、本発明の発泡ガラス担体は微生物生育及び固定化に適した環境を形成しているだけでなく、さらに、微生物の担持量を多くすることが可能となり、悪臭ガスに対しての微生物の接触面積が大きくなり、脱臭効率が向上することになる。また、発泡していることにより担体の比重を低く抑えることができ装置の軽量化が図れる、含水率が向上する、圧力損失が軽減する等の効果がある。
【0016】
発泡の度合いとしては、微生物が担持しやすい細孔径5〜50 um程度を有するのが望ましい。
【0017】
発泡ガラス体の主成分となるガラスは廃ガラス、ガラス原料を使用することができる。また、ガラスの変わりにもしくは成分の一部として二酸化珪素を含むことができる。上記廃ガラス、ガラス原料等を使用する場合、特に限定しないが、粉末状での使用が好適である。
【0018】
さらに、発泡ガラス体の粒径は2〜20mmが好ましい。2mm未満の場合、圧力損失の増大を招き、悪臭ガス導入のためのブロアーの増大化を引き起こす場合がある。一方、20mm超えの場合、空隙率が低下し、保水量の低下や脱臭性能の低下を引き起こす可能性が高い。
【0019】
発泡ガラス体の比重は0.3〜1.6 g/cm3が好ましい。0.3g/cm3未満の場合、発泡ガラス体の強度が低下し、担体としての使用に耐えられない場合がある。一方、1.6g/cm3超えの場合、担体を充填する塔や装置全体の重量が増大し、装置の強度を保つために装置の巨大化や高コスト化を引き起こす可能性が高い。
【0020】
発泡ガラスの吸水率は10〜50%が好ましい。発泡ガラス担体に微生物が生育する環境を与える場としてこの範囲の湿潤を必要とするためである。
【0021】
また、発泡ガラス体中には微生物に悪影響を与える重金属などの不純物を含まないことが好ましい。
【0022】
発泡ガラス担体の製造方法は、例えば、廃ガラスを粉末にして発泡固化して使用することができる。
【0023】
発泡ガラス担体に微生物を固定化させる方法としては、特に限定はしない。例えば、通常微生物の固定化に使用されている微生物固定化剤を発泡ガラス担体の表面に噴霧し、その後微生物を付着させてもよいし、微生物固定化剤中に微生物を混入させ発泡ガラス担体に付着させてもよい。
【0024】
発泡ガラス担体に付着される微生物としては、悪臭ガスに対して分解除去機能を有しているもので、例えば、硝化菌や硫黄酸化細菌などが挙げられる。
【0025】
本発明の発泡ガラス担体に担持させる微生物の量は、例えば、乾燥重量当り105〜108個程度である。
【0026】
次に、図1は、本発明の生物脱臭用担体を用いた脱臭装置の一実施態様を示す図である。図1において、1は有底管体からなる脱臭装置であって、上端には脱臭処理済みのガスを排出するガス排出口2が、下端には被脱臭ガスを導入するガス導入口3が、上部には散水装置4が配設され、脱臭槽置1内の略中間位置には本発明の生物脱臭用担体が充填された充填槽5を有している。
【0027】
また、前記脱臭装置1の底部には、前記散水装置4から散水され充填槽置1内の担体処理後の水を貯水する貯水槽6と、前記貯水槽6の水を前記散水装置4に送り循環使用するためのポンプ7と、前記貯水槽6に連通し水を補給する水補給管8と、前記貯水槽6のオ−バ−フロ−の水を排出する循環水排出口9と、前記貯水槽6のpHを調整するpHコントロ−ラ10とポンプ11とpH調整剤用タンク12とを有している。
【0028】
さらに、被脱臭ガスを前記脱臭装置1内に導入するために、ミストセパレ−タ13とブロア−ポンプ14がガス導入口3に連通されている。
【0029】
図1によれば、下端に設けられるガス導入口3より被脱臭ガスが導入する。次いで、導入した被脱臭ガスに含まれる悪臭成分は、ポンプ7にて貯水槽6より送られ散水装置4により散水された循環水に吸収される。さらに、脱臭装置1内の略中間位置には微生物を担持した発泡ガラス担体が充填された充填層5が形成されており、前記循環水に吸収された悪臭成分はこの充填槽5を通過後無臭化される。次いで、無臭化したガスは上端に設けられるガス排出口2より排出される。すなわち、散水装置4により散水された循環水は前記脱臭装置1内部を循環することにより、循環水中の悪臭成分を微生物により無臭成分へと変換させる。と、同時に、脱臭槽置1内に充填された担体に上部から散水装置4によって散水した状態でガス導入口3から被脱臭ガスを導入することにより、上記散水で活性化した微生物に上記被脱臭ガスが接触し、微生物によって悪臭成分が除去され、脱臭処理後のガスがガス排出口2から排出される。
【0030】
なお、生物の働きを安定化させるために循環水内のpHを一定に保つ必要があり、必要に応じてpHコントロ−ラ10、ポンプ11、pH調整用タンク12等の附属装置を用いて、循環水内のpHを調整する。なお、前記附属装置は、生物の働きを安定化させるために使用する目的であり、常時必要なものではない。また、循環水として使用する水は、水補給管8により水が補給され、貯水槽6がオ−バ−フロ−するのを防ぐため循環水排出口9より、水を排出する。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
図1の装置を用いて、コンポスト化施設から発生するアンモニアガスを含む悪臭原ガスの脱臭試験を行った。得られた結果を図2に示す。図2において、白四角(□)は、コンポスト化施設より発生した悪臭原ガス中のアンモニアガス濃度を示す。白ひし形(◇)は、アンモニアガスを含む悪臭原ガスを生物脱臭装置を用いて処理し、排出されたガス中のアンモニアガス濃度を示す。また、三角(▲)は、アンモニアガスの除去された割合を示す。
【0032】
図2より、本発明の発泡ガラス担体を用いた脱臭装置で脱臭処理することにより、悪臭原ガス中のアンモニア濃度が50〜200ppmと激しい濃度変動があるにも関わらず、安定してアンモニアガスが除去され高い除去率を保つことが分かる。
【0033】
(実施例2)
充填槽に充填する担体として、発泡ガラスおよび木質系炭素の2種類を用い、図1の装置を用いて担体の圧力損失の比較試験を行った。得られた結果を図3に示す。ここで、充填槽には、直径130mm、長さ1mのカラムに粒径4〜8mmの担体をそれぞれ充填し、圧力損失は、空塔速度(LV)を0.01〜0.15 m/sの範囲で変化させカラム上部と下部の圧力差をマノメーターにて測定した。
【0034】
図3より、担体として発泡ガラスを用いた場合は、担体として木質系炭素を用いた場合に較べ、明らかに圧力損失が低く、LV=0.09では担体として木質系炭素を用いた場合の9分の1(2.2mmAq)であった。この結果より、担体として発泡ガラスを用いた場合、圧力損失は非常に低いので、設備を過大化する必要もなく、設備的な負荷がなくなることがわかる。
【0035】
【発明の効果】
以上、本発明の生物脱臭用担体を用いることにより、窒素系化合物および硫黄系化合物の悪臭に対し、優れた脱臭効果が得られる。また本発明の生物脱臭用担体を用いた脱臭方法、脱臭装置を提供することにより、コンポスト化施設、下水・排水・し尿処理場などから発生する悪臭ガスを安定にかつ継続的に脱臭することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物脱臭用担体を用いた脱臭装置の一実施態様を示す図である。
【図2】悪臭原ガス処理日数とアンモニアガス濃度及びアンモニアガス除去率との関係を示す図である。
【図3】空塔速度と圧力損失との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 脱臭装置
2 ガス排出口
3 ガス導入口
4 散水装置
5 充填槽
6 貯水槽
7 ポンプ
8 水補給管
9 循環水排出口
10 pHコントロ−ラ
11 ポンプ
12 pH調整用タンク
13 ミストセパレ−タ
14 ブロア−ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンポスト化施設、下水処理場、排水処理場、し尿処理場などで発生する悪臭を除去するための生物脱臭用担体及びそれを用いた脱臭方法、脱臭装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンポスト化施設、下水処理場、排水処理場、し尿処理場などから発生する悪臭は、その原料である人、家畜そしてペット由来のものからなり、アンモニア、アミン等の窒素系化合物と、硫化水素、メルカプタン、チオカルボニル化合物等の硫黄系化合物が挙げられる。一般に、これら悪臭の除去に用いられている方法としては、香料を利用したマスキング法、活性炭、ゼオライト、サイクロデキストリン等の吸着作用を利用した物理的脱臭法、酸性やアルカリ性の化合物を用いる中和反応や、悪臭自体を加熱することで分解する熱分解反応等を利用した化学的脱臭法、あるいは、曝気、スクラバーを利用した生物的脱臭法等が知られている。 特に、生物的脱臭法は処理コストが安く環境に与える影響が少ないことなどから注目を浴びている技術である。しかしながら、生物的脱臭法に用いられる微生物は一般に生育速度が遅く溶液中で増やすのは非常に困難である。そのため、微生物の生育環境を提供する多孔質体などの担体が用いられている。代表的な微生物担持用担体としては、ゼオライトを利用した微生物用担体、ロックウールを利用した微生物担体がある。
【0003】
また、特許文献1には、活性炭を利用した微生物用担体が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−192146号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、木炭系微粉末を固化したものやロックウールを利用した担体は圧力損失が大きく、装置の巨大化および脱臭装置内へ被脱臭ガスを送り込むための送風機の過大化を必要とするなどの問題がある。また、ゼオライトを利用した担体においては、比重や粒径の調製が困難であり均一な担体を得ることが困難である。
【0006】
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、窒素系化合物および硫黄系化合物の悪臭に対し、優れた脱臭効果を有した生物脱臭用担体及びそれを用いた脱臭方法、脱臭装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、廃ガラスを粉末化し発泡固化させた発泡ガラス資材に微生物担持機能があることを見いだし、本発明に至った。すなわち、本発明は以下を特徴とする。
【0008】
[1]悪臭物質を分解除去する機能を有する微生物に生育環境を提供し固定化可能な生物脱臭用担体であって、ガラスを主成分とした発泡ガラス体からなる生物脱臭用担体。
【0009】
[2]上記[1]に記載の生物脱臭用担体は二酸化珪素を含むことを特徴とする生物脱臭用担体。
【0010】
[3]上記[1]または[2]において、粒径が2〜20mm、比重が0.3〜1.6g/cm3、吸水率が10〜50%であることを特徴とする生物脱臭用担体。
【0011】
[4]上記[1]ないし[3]に記載の生物脱臭用担体を用い、悪臭を除去することを特徴とする生物脱臭用担体を用いた脱臭方法。
【0012】
[5]上端に脱臭処理済みのガスを排出するガス排出口が設けられ、下端に被脱臭ガスを導入するガス導入口が設けられ、上部に散水装置が配設されてなる脱臭槽内に上記[1]ないし[3]に記載の生物脱臭用担体が充填されている充填槽を有していることを特徴とする生物脱臭用担体を用いた脱臭装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0014】
本発明において、生物脱臭用担体として用いるのはガラスを主成分とした発泡ガラス体である。この発泡ガラス体は悪臭物質の分解除去機能を有する微生物に対し生育環境の提供および固定化が可能である。
【0015】
ここで、本発明においては、発泡固化させた発泡ガラス体を用いることを特徴とする。発泡固化した発泡体は発泡していないガラス体に比べ、多数の細孔を有し、比表面積も大きい。ゆえに、本発明の発泡ガラス担体は微生物生育及び固定化に適した環境を形成しているだけでなく、さらに、微生物の担持量を多くすることが可能となり、悪臭ガスに対しての微生物の接触面積が大きくなり、脱臭効率が向上することになる。また、発泡していることにより担体の比重を低く抑えることができ装置の軽量化が図れる、含水率が向上する、圧力損失が軽減する等の効果がある。
【0016】
発泡の度合いとしては、微生物が担持しやすい細孔径5〜50 um程度を有するのが望ましい。
【0017】
発泡ガラス体の主成分となるガラスは廃ガラス、ガラス原料を使用することができる。また、ガラスの変わりにもしくは成分の一部として二酸化珪素を含むことができる。上記廃ガラス、ガラス原料等を使用する場合、特に限定しないが、粉末状での使用が好適である。
【0018】
さらに、発泡ガラス体の粒径は2〜20mmが好ましい。2mm未満の場合、圧力損失の増大を招き、悪臭ガス導入のためのブロアーの増大化を引き起こす場合がある。一方、20mm超えの場合、空隙率が低下し、保水量の低下や脱臭性能の低下を引き起こす可能性が高い。
【0019】
発泡ガラス体の比重は0.3〜1.6 g/cm3が好ましい。0.3g/cm3未満の場合、発泡ガラス体の強度が低下し、担体としての使用に耐えられない場合がある。一方、1.6g/cm3超えの場合、担体を充填する塔や装置全体の重量が増大し、装置の強度を保つために装置の巨大化や高コスト化を引き起こす可能性が高い。
【0020】
発泡ガラスの吸水率は10〜50%が好ましい。発泡ガラス担体に微生物が生育する環境を与える場としてこの範囲の湿潤を必要とするためである。
【0021】
また、発泡ガラス体中には微生物に悪影響を与える重金属などの不純物を含まないことが好ましい。
【0022】
発泡ガラス担体の製造方法は、例えば、廃ガラスを粉末にして発泡固化して使用することができる。
【0023】
発泡ガラス担体に微生物を固定化させる方法としては、特に限定はしない。例えば、通常微生物の固定化に使用されている微生物固定化剤を発泡ガラス担体の表面に噴霧し、その後微生物を付着させてもよいし、微生物固定化剤中に微生物を混入させ発泡ガラス担体に付着させてもよい。
【0024】
発泡ガラス担体に付着される微生物としては、悪臭ガスに対して分解除去機能を有しているもので、例えば、硝化菌や硫黄酸化細菌などが挙げられる。
【0025】
本発明の発泡ガラス担体に担持させる微生物の量は、例えば、乾燥重量当り105〜108個程度である。
【0026】
次に、図1は、本発明の生物脱臭用担体を用いた脱臭装置の一実施態様を示す図である。図1において、1は有底管体からなる脱臭装置であって、上端には脱臭処理済みのガスを排出するガス排出口2が、下端には被脱臭ガスを導入するガス導入口3が、上部には散水装置4が配設され、脱臭槽置1内の略中間位置には本発明の生物脱臭用担体が充填された充填槽5を有している。
【0027】
また、前記脱臭装置1の底部には、前記散水装置4から散水され充填槽置1内の担体処理後の水を貯水する貯水槽6と、前記貯水槽6の水を前記散水装置4に送り循環使用するためのポンプ7と、前記貯水槽6に連通し水を補給する水補給管8と、前記貯水槽6のオ−バ−フロ−の水を排出する循環水排出口9と、前記貯水槽6のpHを調整するpHコントロ−ラ10とポンプ11とpH調整剤用タンク12とを有している。
【0028】
さらに、被脱臭ガスを前記脱臭装置1内に導入するために、ミストセパレ−タ13とブロア−ポンプ14がガス導入口3に連通されている。
【0029】
図1によれば、下端に設けられるガス導入口3より被脱臭ガスが導入する。次いで、導入した被脱臭ガスに含まれる悪臭成分は、ポンプ7にて貯水槽6より送られ散水装置4により散水された循環水に吸収される。さらに、脱臭装置1内の略中間位置には微生物を担持した発泡ガラス担体が充填された充填層5が形成されており、前記循環水に吸収された悪臭成分はこの充填槽5を通過後無臭化される。次いで、無臭化したガスは上端に設けられるガス排出口2より排出される。すなわち、散水装置4により散水された循環水は前記脱臭装置1内部を循環することにより、循環水中の悪臭成分を微生物により無臭成分へと変換させる。と、同時に、脱臭槽置1内に充填された担体に上部から散水装置4によって散水した状態でガス導入口3から被脱臭ガスを導入することにより、上記散水で活性化した微生物に上記被脱臭ガスが接触し、微生物によって悪臭成分が除去され、脱臭処理後のガスがガス排出口2から排出される。
【0030】
なお、生物の働きを安定化させるために循環水内のpHを一定に保つ必要があり、必要に応じてpHコントロ−ラ10、ポンプ11、pH調整用タンク12等の附属装置を用いて、循環水内のpHを調整する。なお、前記附属装置は、生物の働きを安定化させるために使用する目的であり、常時必要なものではない。また、循環水として使用する水は、水補給管8により水が補給され、貯水槽6がオ−バ−フロ−するのを防ぐため循環水排出口9より、水を排出する。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
図1の装置を用いて、コンポスト化施設から発生するアンモニアガスを含む悪臭原ガスの脱臭試験を行った。得られた結果を図2に示す。図2において、白四角(□)は、コンポスト化施設より発生した悪臭原ガス中のアンモニアガス濃度を示す。白ひし形(◇)は、アンモニアガスを含む悪臭原ガスを生物脱臭装置を用いて処理し、排出されたガス中のアンモニアガス濃度を示す。また、三角(▲)は、アンモニアガスの除去された割合を示す。
【0032】
図2より、本発明の発泡ガラス担体を用いた脱臭装置で脱臭処理することにより、悪臭原ガス中のアンモニア濃度が50〜200ppmと激しい濃度変動があるにも関わらず、安定してアンモニアガスが除去され高い除去率を保つことが分かる。
【0033】
(実施例2)
充填槽に充填する担体として、発泡ガラスおよび木質系炭素の2種類を用い、図1の装置を用いて担体の圧力損失の比較試験を行った。得られた結果を図3に示す。ここで、充填槽には、直径130mm、長さ1mのカラムに粒径4〜8mmの担体をそれぞれ充填し、圧力損失は、空塔速度(LV)を0.01〜0.15 m/sの範囲で変化させカラム上部と下部の圧力差をマノメーターにて測定した。
【0034】
図3より、担体として発泡ガラスを用いた場合は、担体として木質系炭素を用いた場合に較べ、明らかに圧力損失が低く、LV=0.09では担体として木質系炭素を用いた場合の9分の1(2.2mmAq)であった。この結果より、担体として発泡ガラスを用いた場合、圧力損失は非常に低いので、設備を過大化する必要もなく、設備的な負荷がなくなることがわかる。
【0035】
【発明の効果】
以上、本発明の生物脱臭用担体を用いることにより、窒素系化合物および硫黄系化合物の悪臭に対し、優れた脱臭効果が得られる。また本発明の生物脱臭用担体を用いた脱臭方法、脱臭装置を提供することにより、コンポスト化施設、下水・排水・し尿処理場などから発生する悪臭ガスを安定にかつ継続的に脱臭することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物脱臭用担体を用いた脱臭装置の一実施態様を示す図である。
【図2】悪臭原ガス処理日数とアンモニアガス濃度及びアンモニアガス除去率との関係を示す図である。
【図3】空塔速度と圧力損失との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 脱臭装置
2 ガス排出口
3 ガス導入口
4 散水装置
5 充填槽
6 貯水槽
7 ポンプ
8 水補給管
9 循環水排出口
10 pHコントロ−ラ
11 ポンプ
12 pH調整用タンク
13 ミストセパレ−タ
14 ブロア−ポンプ
Claims (5)
- 悪臭物質を分解除去する機能を有する微生物に生育環境を提供し固定化可能な生物脱臭用担体であって、ガラスを主成分とした発泡ガラス体からなる生物脱臭用担体。
- 請求項1に記載の生物脱臭用担体は二酸化珪素を含むことを特徴とする生物脱臭用担体。
- 粒径が2〜20mm、比重が0.3〜1.6g/cm3、吸水率が10〜50%であることを特徴とする請求項1または2に記載の生物脱臭用担体。
- 請求項1ないし3に記載の生物脱臭用担体を用い、悪臭を除去することを特徴とする生物脱臭用担体を用いた脱臭方法。
- 上端に脱臭処理済みのガスを排出するガス排出口が設けられ、下端に被脱臭ガスを導入するガス導入口が設けられ、上部に散水装置が配設されてなる脱臭槽内に請求項1ないし3に記載の生物脱臭用担体が充填されている充填槽を有していることを特徴とする生物脱臭用担体を用いた脱臭装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003160305A JP2004358370A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 生物脱臭用担体及びそれを用いた脱臭方法、脱臭装置 |
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JP2003160305A JP2004358370A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 生物脱臭用担体及びそれを用いた脱臭方法、脱臭装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004358370A true JP2004358370A (ja) | 2004-12-24 |
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ID=34053128
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004358370A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021049603A1 (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社Jfr | 窒素回収方法、窒素回収装置、およびこれにより得られる製品 |
-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003160305A patent/JP2004358370A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021049603A1 (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社Jfr | 窒素回収方法、窒素回収装置、およびこれにより得られる製品 |
EP4029825A4 (en) * | 2019-09-13 | 2023-10-11 | JFR Co., Ltd. | METHOD FOR RECOVERING NITROGEN, DEVICE FOR RECOVERING NITROGEN AND PRODUCT PRODUCED THEREFROM |
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