JPH01315315A - ガスの脱臭方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野〕 本発明は、微生物による生物学的処理法と薬液洗浄によ
る物理化学的処理法を組合せたガスの脱臭方法およびそ
の方法に用いる脱臭装置に関し、とくにアンモニア、ト
リメチルアミンなどの塩基性悪臭成分を主体とするガス
の脱臭処理に適合するものである。

［従来の技術］ 気相中に含まれる悪臭成分を除去する方法としては、燃
焼法、薬液洗浄法、吸着法等の物理化学的方法と、土壌
脱臭法、活性汚泥法等の生物学的方法とが知られている
が、近年二次公害がなく多様なガスを同時処理でき、か
つ処理コストの低置な生物学的方法が注目を浴びている
。

生物学的方法の一例を第２図により説明すると、図にお
いて、１は脱臭塔であり、その内部には図示しない充填
物（担体）を積層した充填層２があり、それらの充填物
の表面には微生物が付着せしめられている。３は定期的
に充填層２に散水しこれを洗浄するための散水ノズル管
である。４は脱臭塔１の下底部に設けられた洗浄水槽で
、充填層２を通して落下する水を貯留し循環使用するよ
うになっている。５は必要時性浄水槽４に供給管６によ
りアルカリ剤を供給するためのアルカリ剤槽で、洗浄水
のｐＨ値を微生物の活性を維持する範囲（通常ｐＨ６〜
８）に調整するために使用される。７は洗浄水の塩濃度
を微生物の活性を阻害しない程度に調整する補給水の供
給管である。図中、８は放流水管である。

次にその動作を説明する。

被処理ガス１０は脱臭塔１の下部より送入され、充填層
２を上昇通過する間にその充填物の表面に付着した微生
物と接触させ、微生物によって被処理ガス１０に含まれ
ている悪臭成分を分解する。

この分解の結果発生する生成物は定期的に散水ノズル管
３より洗浄水を充填層２に散水することによって充填物
表面から洗い流され、また、散水により微生物に対する
水分補給がなされる。この場合、洗浄水は充填層２を通
して下方の洗浄水槽４に落下貯留し、これを循環使用す
るようになっているので、繰り返し使用するうちに洗浄
水のｐＨ値が次第に低下して微生物の活性を阻害する。

そこで、これを防止するためアルカリ剤として例えば苛
性ソーダを中和剤槽５から時々供給して洗浄水を中和す
る。また、苛性ソーダの供給により洗浄水中の塩濃度が
増加し、このため微生物の活性を阻害するので、所定の
塩濃度以下に保持するため洗浄水の一部を放流水管８に
より放流するとともに、補給水供給管７より新水を補給
する。

被処理ガス１０は充填層２を通すことにより、上記のよ
うに含有する悪臭成分を除去され、無臭のガス１０ａと
なって脱臭塔１の上部より大気中に放出される。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の悪臭ガスの脱臭方法は、以上のように充填層に積
層された充填物の表面に微生物を付着させ、この微生物
と被処理ガスとを接触させることにより、含有する悪臭
成分を微生物により分解させるものであるから、微生物
の利用上の自由度は高まる。つまり、悪臭成分が硫化水
素のような硫黄系であろうとアンモニアのような窒素含
有物質系であろうとその悪臭成分を分解するような性質
を持つ微生物が発生増殖する。したがって、微生物学的
脱臭法はとくに処理コストの低置に大きく寄与する。し
かしながら、従来法においては次のような点でなお問題
があった。

（１）大量の悪臭成分の除去を必要とする場合、微生物
の悪臭成分の分解速度には制限があるため、脱臭装置が
大型複雑になり用地の確保等の点で困難な問題が生じる
。そのため用途も制約されやすい。

（２）悪臭成分の濃度が高くなると微生物の活性が阻害
されるため、高濃度悪臭の除去が困難である。

（３）悪臭成分濃度の変動に対する微生物の悪臭成分分
解速度の追随が遅いため、濃度変動の大きい悪臭成分の
除去が困難である。

本発明は、上記のような従来法の問題点を解消するため
になされたもので、とくに塩基性悪臭成分を主体とする
ガスの脱臭処理を行う場合において有効な脱臭方法およ
びその方法に用いる脱臭装置を提供することを目的とす
るものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係るガスの脱臭方法は、物理化学的方法により
悪臭成分を除去する機能を有する第１の充填層と、生物
学的方法により悪臭成分を除去する機能を有する第２の
充填層の２種類の充填層を用いて被処理ガスの脱臭を行
うものであり、この場合において、第２の充填層は上述
した従来の充填層と同等以上の機能を有すれば足り、こ
の第２の充填層において生成される酸を含有する洗浄水
を用いて前記第１の充填層にて被処理ガス中のアンモニ
ア、トリメチルアミンなどで代表される塩基性悪臭成分
を中和除去することとしたものである。

前記第１の充填層は、物理化学的反応に有利な構造とす
るために通気抵抗に対して比表面積の大なるものとする
ことが好ましい。

また、前記第２の充填層は、従来の微生物による分解層
と同等の機能を有するものでよい。

本発明に係るガスの脱臭装置は、前記の２種類の充填層
を有し、第２の充填層の下方に第１の充填層を配設して
第２の充填層を通ずる洗浄水が第１の充填層に落下散水
される構成としたものである。

［作　用コ 被処理ガスは、第１、第２の充填層を順に経由して大気
中に放出されるが、まず第２の充填層においてガス中の
悪臭成分の微生物による分解が行われる。次に、第２の
充填層を洗浄水で洗浄すると、この洗浄水中には第２の
充填層で生成された酸を含んでおり、この酸性の洗浄水
は第１の充填層の洗浄に使用される。したがって、第１
の充填層において酸性洗浄水と被処理ガスとが気液接触
するので、そのガス中のアンモニア、トリメチルアミン
などの塩基性悪臭成分が中和除去される。

このように第２の充填層の入口では、前段階の第１の充
填層において被処理ガス中の塩基性悪臭成分の大部分が
中和除去されているため、負荷の少ないしかも負荷変動
の少ない被処理ガスが送入されることになる。このよう
な理由から、被処理ガスがとくに大量の塩基性悪臭成分
を含む場合、その悪臭成分の濃度が高い場合、あるいは
その濃度の変動が大きい場合であっても、あらかじめ第
２の充填層にかかる負荷を量的にも質的にも軽減するた
め、第２の充填層において微生物の活性、追随性を阻害
されることなしに被処理ガス中に残存する悪臭成分を迅
速に分解処理することができる。

また、このように第２の充填層の負荷が大巾に軽減され
ることにより、その目づまりの可能性を減少せしめる。

次に、本発明の脱臭装置は、第２の充填層の洗浄に用い
た洗浄水が該充填層を通して第１の充填層に落下散水す
る。

したがって、上述の脱臭方法を実施する上で従来の生物
学的方法において必要とする中和用水以外のものは必要
としない。

また、第１の充填層は悪臭成分を完全除去する必要はな
く高濃度の塩基性悪臭成分を低濃度として第２の充填層
の負荷の軽減を目的とするものであるから、小型のもの
で十分にその目的を達成し得る。

［実施例］ 以下、本発明を図に示す実施例について詳述する。

第１図は本発明の脱臭方法を実施する脱臭装置の実施例
を示す概略構成図である。

図に示すように、この実施例は、脱臭塔１１内に下方よ
り順に第１の充填層１２および第２の充填層１３を配設
したものである。脱臭塔１１の下底部は洗浄水槽１４と
なっており、洗浄水槽１４は第２の充填層１３の洗浄を
行う散水ノズル管１５を連結している。洗浄水は循環使
用するようになっている。

被処理ガス１０は脱臭塔１１の下部より送入される。

洗浄水のｐＨ値および塩濃度を調整するため、アルカリ
剤および補給水を入れた補給水槽１６が付設されている
。

また、洗浄水槽１４の洗浄水の一部は塩４度の調整に際
し放流水管１７を通じて放流される。

第２の充填層１３は従来のものと同様に積層された充填
物の表面に微生物を付着させてなるものである。その空
塔速度は０／１〜０．５ｍ／秒の範囲に設定し、充填物
はセラミック系粒状形状に代表されるものを用いるが、
表面に気孔を有し、保水性が高いものであれば、材質は
セラミック、高分子、繊維、活性炭などを問わない。充
填物の形状については、粒状、格子状、ラシヒリング、
円柱状、砕石状などを問わない このような第２の充填層１３において、被処理ガス１０
を微生物と接触させることにより、含有する悪臭成分を
分解する。この場合の生成物は下記に代表される。

Ｈ８→ＨＳＯ，Ｓ ＣＨＳＨ→ＨＳｏ　　、Ｈ２０，Ｃｏ２（ＣＨ）　Ｓ−
＋ＨＳＯ、Ｈ２０，Ｃｏ２上記の生成物は微生物の活性
を保持するため、散水ノズル管１５を通じて散水するこ
とにより第２の充填層１３より洗い流す。そのため、第
２の充填層１３を流下する洗浄水は上記の酸を含むため
、この酸性の洗浄水が下方に位置する第１の充填層１２
上に落下散水しこれを洗浄することになる。このとき、
酸性洗浄水と第１の充填層１２を上昇通過する被処理ガ
ス１０が気液接触するので、被処理ガス１０中に含まれ
ている塩基性悪臭成分、例えばアンモニア、トリメチル
アミンなどが中和され被処理ガス１０中から除去される
。この結果、第２の充填層１３の入口には上記の塩基性
悪臭成分の大部分が除去された被処理ガス１０が到達す
るので、第２の充填層１３の負荷を大巾に軽減すること
かできる。

第１の充填層１２で用いる酸の量は悪臭成分の組成、濃
度により変動するが、−例としてし尿処理場の臭気を想
定した場合、液ガス比Ｌ／Ｇ−０゜５　ｋｇ　／　ｍ　
３で、かつＨＳＯ濃度は０．１％を大巾に下回るものと
予想される。

この値は、従来の薬液洗浄法における液ガス比Ｌ／Ｇ−
１〜３ｋｇ／ｍ３　、ＨＳｏ４濃度は０゜５〜５２６に
比べてきわめて小さいが、第１の充填層１２の設計を適
切に行えば、第１表に示すように高い除去率を得られる
ことを実験的に確認している。

第１表は第１の充填層におけるアンモニア除去実験の結
果を示すものである。

また、第１の充填層１２は通気抵抗に対して比表面積の
大なる充填物を積層し、上記の物理化学的反応を効率良
く行わしめる。第１の充填層１２の空塔速度は０．１〜
１ｍ／秒の範囲で設定し、充填物は高分子系のセラミッ
クに代表されるものを用いるが、耐酸性のものであれば
、材質は高分子、セラミック、金属、繊維などを問わな
い。

そして、第１の充填層１２において被処理ガス１０中の
塩基性悪臭成分を中和除去した後、その洗浄水は脱臭塔
１１の下底部に設けられた洗浄水槽１４に落下する。洗
浄水槽１４の洗浄水は第２の充填層１３の洗浄のため繰
り返し使用されるが、この循環洗浄水のｐＨ値および塩
濃度を微生物の活性維持可能範囲に保つため、補給水槽
１６の中和用水を補給する。

第１の充填層１２における悪臭成分の除去反応は中和反
応が中心となるため、充填層入口の悪臭成分濃度が高ま
れば反応速度も比例的に増加する。

悪臭ガスの中和反応速度式は次式で与えられる。

Ｎ　　−ＫＧＸＡＸ　（ｙ−Ｙ’）Ｐ ただし、 ＮＡ：移動速度［ｋｇ−ｉｌｏｌ／　ｈｒ］ＫＧ：物質
移動係数［ｋｇ−ｍｏｌ／　ｒｙｆ／　ｈｒ／　ａｔａ
＋　］Ａ：接触面積 ｙ：ガス中の悪臭成分ｍｏ１分率 ｙ＊：液中の悪臭成分ｌｌ１ｏ１分率 Ｐ：全圧［ａｔｍ　］ 中和反応ということで１本−０と考えた場合、悪臭成分
濃度が高まれば、それにほぼ比例して悪臭成分の反応速
度も増加する。

したがって、第１の充填層１２の入口における悪臭成分
濃度が大巾に変動しても、第１の充填層１２で中和反応
により除去することにより、第２の充填層１３の入口に
おける悪臭成分の濃度中絶対値は大巾に小さくなり、微
生物分解のもう一つの弱点である濃度変化への追随性の
悪さを十分にカバーすることができる。

また第２の充填層１３は、上記のように微生物による分
解に有利な構造にすることが望ましく、例えば上層部の
中性領域から下層部の酸性領域までそれぞれのｐＨ値に
適合した微生物を固定保持させることにより、第１の充
填層１２で除去しきれなかった塩基性悪臭成分および第
１の充填層１２で除去できない酸性悪臭成分、中性悪臭
成分を分解する。

［発明の効果］ 以上のように本発明は、悪臭成分の微生物分解を行う第
２の充填層と、この充填層にて生成する酸を含有する洗
浄水を用いて塩基性悪臭成分を中和除去する第１の充填
層の２種類の充填層を用いて脱臭を行うものであるから
、従来の生物学的方法による処理コストの低置という特
徴を生かしたまま、前記した従来の生物学的処理の問題
点を全て解決することができる。

（１）生物学的処理の負荷を大巾に軽減することができ
るため、塩基性悪臭成分を主体とするガスに対して、大
量の悪臭成分であっても比較的小型の装置で除去できる
。

（２）生物学的処理が困難であった高濃度臭気の除去が
可能である。

（３）′ａ度変動の大きな悪臭成分の除去が可能となる
。

り４〉生物学的処理の負荷の軽減により該充填層の目づ
まりの可能性が減少する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の脱臭方法に用いる脱臭装置の概略構成
図、第２図は従来の脱臭方法を実施する脱臭装置の概略
構成図である。 １０・・・被処理ガス １１・・・脱臭塔 １２・・・第１の充填層 １３・・・第２の充填層 １４・・・洗浄水槽 １５・・・散水ノズル管 １６・・・補給水槽 代理人　弁理士　　佐々木　宗　治

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）被処理ガスを、物理化学的方法により悪臭成分を
   除去する機能を有する第１の充填層と、生物学的方法に
   より悪臭成分を除去する機能を有する第２の充填層に通
   すことにより脱臭する場合において、前記第２の充填層
   において発生する酸性洗浄水を用いて前記第１の充填層
   における塩基性悪臭成分を中和除去することを特徴とす
   るガスの脱臭方法。
2. （２）物理化学的方法により悪臭成分を除去する機能を
   有する第１の充填層と、生物学的方法により悪臭成分を
   除去する機能を有する第２の充填層を備え、前記第１の
   充填層は前記第２の充填層に散水された洗浄水が該第２
   の充填層を通して落下散水される位置に配設されている
   ことを特徴とするガスの脱臭装置。