JP2004356458A - 半導体集積回路装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続や高集積化に高信頼性をもたらす半導体集積回路装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁膜14内にMOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材201a,202aが埋め込まれている。下部電極15は、素子分離絶縁膜12上方から導電部材201a上に延在するパターンや導電部材202a上に設けられるパターンを含む。下部電極15上に強誘電体膜16のパターンが形成されている。強誘電体膜16上に上部電極17が形成されている。保護膜18は、下部電極15、上部電極17及びその間の強誘電体膜16からなる容量素子を含む所定領域を覆っている。保護膜18上、下部電極15上、及び絶縁膜14上を含む全面に層間の絶縁膜19が形成されている。絶縁膜19上に各接続孔H11、H12が形成され、各配線部材20が引き出されている。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁膜14内にMOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材201a,202aが埋め込まれている。下部電極15は、素子分離絶縁膜12上方から導電部材201a上に延在するパターンや導電部材202a上に設けられるパターンを含む。下部電極15上に強誘電体膜16のパターンが形成されている。強誘電体膜16上に上部電極17が形成されている。保護膜18は、下部電極15、上部電極17及びその間の強誘電体膜16からなる容量素子を含む所定領域を覆っている。保護膜18上、下部電極15上、及び絶縁膜14上を含む全面に層間の絶縁膜19が形成されている。絶縁膜19上に各接続孔H11、H12が形成され、各配線部材20が引き出されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)セルが含まれる半導体集積回路装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FeRAM、いわゆる強誘電体メモリは、高速性、低消費電力、高集積性、耐書き換え特性に優れた不揮発性メモリの一つである。強誘電体メモリは、強誘電体膜のヒステリシス特性、すなわち高速分極反転とその残留分極を利用した高速書き換えが可能である。特にクロスポイント型のFeRAMは、下部電極と上部電極の間に強誘電体膜を介した容量素子がマトリクス状に配列されるメモリセル構成を有し、高集積性に優れている。
【0003】
図13は、従来のクロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。半導体基板101上に素子分離絶縁膜102が形成され、隣接する素子領域にはメモリ部の周辺回路、選択トランジスタとして働くMOS型素子103が形成されている。MOS型素子103上を含め全面に層間絶縁膜104が形成されている。
【0004】
所定領域における素子分離絶縁膜102上方の層間の絶縁膜104上に下部電極105が一方向に伸びるように形成されている。下部電極105上方には上部電極107に繋がる上部配線110が上記一方向に交差するように伸長し形成されている。下部電極105と上部電極107の間に強誘電体膜106を配している。両電極105,107、その間の強誘電体膜106によって形成される容量素子が各メモリセル構造となってマトリクス状に配列され、これにより、メモリ部M10を構成している。
【0005】
メモリ部M10には保護膜108が形成されている。保護膜108は水素バリア膜であり、トランジスタ特性向上、安定化のための水素シンター処理(水素雰囲気中の熱処理)に関係し、水素を侵入し難くして容量素子を保護する機能を有する。保護膜108は、例えばAlxOyやSixNy等で構成される。このようなメモリ部M10、MOS型素子103上の絶縁膜104を覆うように層間の絶縁膜109が形成されている。絶縁膜109に各接続孔H1〜H3が形成され、各接続配線が引き出されている。上部配線110は、ワード線となる。配線111は、MOS型素子103の選択トランジスタと下部電極105の副ビット線を繋ぐ配線である。配線112は主ビット線に繋がる配線である。
【0006】
クロスポイント型のFeRAMにおいては、下部電極105の副ビット線電位と上部配線110のワード線電位の関係を制御して、それぞれ強誘電体膜106を有する強誘電体キャパシタを所定の印加電界方向に分極させる。選択されたメモリセルは、強電体キャパシタの分極状態に応じた副ビット線電位となり、選択トランジスタ103及び主ビット線に伝達される。このようなプログラム制御を開示するクロスポイント型のFeRAMは例えば特許文献1に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−116107(第5−10頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図9において、MOS型素子103、すなわち選択トランジスタ等から引き出される配線111,112の接続孔H2,3のアスペクト比がメモリ部M10にある接続孔H1のそれと比較して非常に大きい。よって、エレクトロマイグレーションの信頼性に欠け、部分的に高抵抗化する懸念がある。
【0009】
また、比較的深い接続孔H2,H3にはCVD(化学気相成長)技術を利用してW(タングステン)プラグを埋め込むことがある。その場合、接続孔H1〜3内に必要な密着層、バリア層の形成(スパッタ被覆)が困難である。これにより、プラグ金属の剥離や抵抗増大を招き、信頼性を損なう問題があった。
【0010】
また、MOS型素子103、すなわち選択トランジスタから引き出され、下部電極105の副ビット線を繋ぐ配線111に関し、デザイン的な制約ロスが大きいといえる。このような構成は、チップサイズを縮小化する上で弊害となる。
【0011】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続や高集積化に高信頼性をもたらす半導体集積回路装置及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体集積回路装置は、半導体基板に形成されたトランジスタと、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に選択的に形成された第1電極部材と、前記第1絶縁膜内に埋め込まれ、上端部が前記第1電極部材のパターンと接続され、下端部が前記トランジスタの活性領域と接続される導電部材と、前記第1電極部材上に形成された強誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成された第2電極部材と、前記第1電極部材、第2電極部材及びその間の前記強誘電体膜からなる容量素子を含む所定領域に被覆された保護膜と、前記保護膜上、前記第1電極部材及び第1絶縁膜上を覆う第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に形成され前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部及び前記トランジスタの活性領域との少なくとも電気的な接続部を含む配線部材と、を具備したことを特徴とする。
【0013】
上記本発明に係る半導体集積回路装置によれば、第1電極部材との接続部とトランジスタの活性領域との接続部は第1電極部材を介して接続される形態となる。配線の引き回しが第1電極部材で足りる構成である。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。深い接続部を分割した構造がとれる。プロセス事情に支障のないまたは好適な導電部材を配することも可能である。
【0014】
本発明に係る半導体集積回路装置は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に選択的に形成された第1電極部材と、前記第1絶縁膜内に埋め込まれ、上端部が前記第1電極部材のパターンと接続され、下端部が前記トランジスタの活性領域と接続される導電部材と、前記第1電極部材上及び前記トランジスタ上方を覆う平坦化された第2絶縁膜と、前記第1電極部材上における前記第2絶縁膜の選択的な除去部と、前記除去部内に埋め込まれ、底部が前記第1電極部材と接触し上部が前記第2絶縁膜の平坦化同一面上にある強誘電体膜と、前記強誘電体膜上の第2電極部材と、前記第2電極部材及びその周辺の前記第2絶縁膜上を覆う保護膜と、前記第1電極部材、第2電極部材及びその間の前記強誘電体膜からなる容量素子を含む所定領域を被覆する保護膜と、前記保護膜を覆う前記第2絶縁膜上の第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜上に形成され前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部及び前記トランジスタの活性領域との少なくとも電気的な接続部を含む配線部材と、を具備したことを特徴とする。
【0015】
上記本発明に係る半導体集積回路装置によれば、第1電極部材との接続部とトランジスタの活性領域との接続部は第1電極部材を介して接続される形態となる。配線の引き回しが第1電極部材で足りる構成である。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、深い接続部を分割した構造がとれる。プロセス事情に支障のないまたは好適な導電部材を配することも可能である。また、強誘電体膜が第2絶縁膜の平坦化同一面上にあり、保護膜の段差被覆性は向上する。強誘電体膜が埋め込み形態をとることで微細加工の制御性が向上し、高集積化に寄与する。
【0016】
また、上記いずれかの本発明に係る半導体集積回路装置において、前記第1電極部材は所定方向に伸びる複数本設けられ、前記強誘電体膜はそれぞれ所定ピッチで複数箇所配置されていることを特徴とする。強誘電体メモリとして信頼性が得られる構成が期待できる。
【0017】
また、上記いずれかの本発明に係る半導体集積回路装置において、接続部の信頼性を向上させるため、次のようないずれかの特徴を有する。
前記導電部材は、少なくとも導電性のポリシリコンを含むことを特徴とする。
前記導電部材は、少なくとも耐酸素バリア層で保護された金属を含むことを特徴とする。
前記導電部材は、少なくとも前記第1電極部材を含むことを特徴とする。
【0018】
また、上記いずれかの本発明に係る半導体集積回路装置において、前記第1電極部材との接続部は、前記第2絶縁膜内または、前記第2絶縁膜及び前記第3絶縁膜内に配された埋め込み導電部材を含むことを特徴とする。より深い接続孔に対する確実な引き出し配線を実現するための好適な構成となる。
【0019】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内に導電部材を形成する工程と、前記導電部材との接続を有し前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、前記第1電極部材上の所定領域に強誘電体膜を形成する工程と、
前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、少なくとも前記第2電極部材、前記強誘電体膜側部及びその周辺の前記第1電極部材上を覆う保護膜を形成する工程と、前記保護膜上、前記第1電極部材及び第1絶縁膜上を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、前記第2絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
【0020】
上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法によれば、第1絶縁膜形成後に、トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成し、貫通孔内に導電部材を形成する。導電部材と接続されるよう第1電極部材を形成することにより、上層との接続領域を確保する。これにより、深い接続部を分割し、かつそのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。トランジスタの活性領域上に埋め込まれた導電部材は第1電極部材との接続部と共有して上層に引き出されるように形成できる。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0021】
また、本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内及び前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、前記第1電極部材上の所定領域に強誘電体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、少なくとも前記第2電極部材、前記強誘電体膜側部及びその周辺の前記第1電極部材上を覆う保護膜を形成する工程と、前記保護膜上、前記第1電極部材及び第1絶縁膜上を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、前記第2絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
さらに、上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1電極部材形成後の前記貫通孔内に導電部材を形成する工程を具備してもよい。貫通孔内に第1電極部材が充填し切れなかった場合、導電部材で貫通孔内を充填することにより、配線の信頼性を向上させる。
【0022】
上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法によっても、深い接続部を分割し、かつそのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。第1電極部材はトランジスタの活性領域上に埋め込まれ、第1電極部材との接続部と共有して上層に引き出されるように形成できる。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0023】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内に導電部材を形成する工程と、前記導電部材との接続を有し前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、前記第1電極部材上及び前記トランジスタ上方を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1電極部材上における前記第2絶縁膜を選択的に除去する複数のトレンチを形成する工程と、前記トレンチ内に埋め込まれ、底部が前記第1電極部材と接触する強誘電体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜及び前記第2絶縁膜を同一平面にする平坦化工程と、前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、少なくとも前記第2電極部材及びその周辺の前記第2絶縁膜上を覆う保護膜を形成する工程と、前記保護膜上及び前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、前記第3絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
【0024】
上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法によれば、第1絶縁膜形成後に、トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成し、貫通孔内に導電部材を形成する。導電部材と接続されるよう第1電極部材を形成することにより、上層との接続領域を確保する。これにより、深い接続部を分割し、かつそのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。トランジスタの活性領域上に埋め込まれた導電部材は第1電極部材との接続部と共有して上層に引き出されるように形成できる。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、強誘電体膜が第2絶縁膜の平坦化同一面上にあり、保護膜の段差被覆性は向上する。強誘電体膜が埋め込み形態をとることで微細加工の制御性が向上し、高集積化に寄与する。また、第3絶縁膜上の配線部材は、各接続部のアスペクト比の差が小さくなるよう改善される。
【0025】
また、本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内及び前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、前記第1電極部材上及び前記トランジスタ上方を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1電極部材上における前記第2絶縁膜を選択的に除去する複数のトレンチを形成する工程と、前記トレンチ内に埋め込まれ、底部が前記第1電極部材と接触する強誘電体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜及び前記第2絶縁膜を同一平面にする平坦化工程と、前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、少なくとも前記第2電極部材及びその周辺の前記第2絶縁膜上を覆う保護膜を形成する工程と、前記保護膜上及び前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、前記第3絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
さらに、上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1電極部材形成後の前記貫通孔内に導電部材を形成する工程を具備してもよい。貫通孔内に第1電極部材が充填し切れなかった場合、導電部材で貫通孔内を充填することにより、配線の信頼性を向上させる。
【0026】
上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法によっても、深い接続部を分割し、かつそのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。第1電極部材はトランジスタの活性領域上に埋め込まれ、第1電極部材との接続部と共有して上層に引き出されるように形成できる。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0027】
上記いずれかの本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1絶縁膜を形成する工程は、下地の段差を埋め、より段差をなくする傾向の絶縁膜の複合的な形成を伴うことを特徴とする。あるいは、前記第1絶縁膜を形成する工程は、化学的機械的研磨による平坦化工程を経ることを特徴とする。このような工程を経ることで、第1電極部材をはじめとして強誘電体膜を有する容量素子形成の制御性、各接続部を有する配線部材の信頼性向上に寄与する。
【0028】
上記いずれかの本発明に係る集積回路装置の製造方法において、前記保護膜は少なくとも耐水素バリア膜として設けることを特徴とする。強誘電体膜の特性劣化を招く還元雰囲気での酸素欠損を防ぐために設けられる。
【0029】
上記いずれかの本発明に係る集積回路装置の製造方法において、前記強誘電体膜を形成する工程における強誘電体膜の形成方法は、溶液塗布法、CVD法及びスパッタ法のうちいずれかの方法を用いることを特徴とする。プロセス事情に合った強誘電体膜の形成方法を選ぶことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。また、図2、図3は、図1の構成を実現するための途中工程を順に示す断面図である。
【0031】
図1において、シリコンでなる半導体基板11に素子分離絶縁膜12が形成され、隣接する素子領域にはメモリ部の周辺回路、選択トランジスタとして働くMOS型素子13が形成されている。MOS型素子13上を含め全面に層間の絶縁膜14が形成されている。絶縁膜14内にMOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材201a,202aが埋め込まれている。導電部材201a,202aは、例えば、予めリンやボロンがドープされた導電性のポリシリコンプラグで構成されている。
【0032】
絶縁膜14上の所定領域に下部電極15が一方向に伸びるように形成されている。下部電極15は、素子分離絶縁膜12上方から導電部材201a上に延在するパターンや導電部材202a上に設けられるパターンを含む。これにより、導電部材201a、202aそれぞれは、上端部が下部電極15の各所定パターンと接続され、下端部がMOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dの各活性領域と接続される形態となっている。
【0033】
下部電極15上に強誘電体膜16のパターンが形成されている。強誘電体膜16上に上部電極17が形成されている。保護膜18は、下部電極15、上部電極17及びその間の強誘電体膜16からなる容量素子を含む所定領域を覆っている。保護膜18は、強誘電体膜16の特性劣化を招く酸素欠損を防ぐための水素バリア膜で構成されている。保護膜18は、例えばAlxOyやTi−Al−N系合金等で構成され、水素シンター処理における強誘電体膜16への水素侵入を阻止する。なお、Ti−Al−N系合金は導電性があるため、ホール開孔する際、同時に電極間を分離する必要がある。このような容量素子が各メモリセル構造となってマトリクス状に配列され、これにより、メモリ部M1を構成している。
【0034】
保護膜18上、下部電極15上、及び絶縁膜14上を含む全面に層間の絶縁膜19が形成されている。絶縁膜19上に各接続孔H11、H12が形成され、各配線部材20が引き出されている。各配線部材20中、上部配線205は、ワード線となる。配線206は、MOS型素子13のソース領域Sと下部電極15(副ビット線)を繋ぐ配線である。配線207はMOS型素子13のドレイン領域Dに繋がる配線であり、主ビット線に繋がる。
【0035】
次に、図2、図3を参照して図1の構成を実現する工程について説明する。
図2に示すように、シリコンでなる半導体基板11にLOCOS(選択酸化分離)法を用いて素子分離絶縁膜12を形成する。素子分離絶縁膜12相互間の素子領域にMOS型素子13を形成する。すなわち、ゲート絶縁膜131、ポリシリコン層を順次形成してゲート電極132をパターニングする。その後、ゲート電極132の領域をマスクに、LDD(Lightly Doped Drain )構造いわゆるエクステンション領域のためのソース/ドレインの低濃度領域133を不純物イオン注入により形成する。次に、CVD法によりゲート電極132上を覆うように絶縁膜、例えばシリコン酸化膜を堆積し、異方性のドライエッチングを実施することによりシリコン酸化膜のスペーサ134を形成する。次に、ゲート電極132の領域及びスペーサ134をマスクにしてソース/ドレインの高濃度領域135を不純物イオン注入により形成する。その後、所定の熱処理等を経る。図示しないが、ゲート電極132上部をシリサイド化するポリサイド構造、または、ゲート電極132及びソース/ドレイン領域(135)を自己整合的にシリサイド化するサリサイド構造を実現するためのプロセスを経ることも可能である。
【0036】
次に、MOS型素子13上を含め全面に層間の絶縁膜14を形成する。絶縁膜14はリフロー法等の実施可能な段差被覆性に優れた膜の適用を含む。絶縁膜14は、下地の段差を埋め、より段差をなくする傾向の絶縁膜の複合的な形成、つまり、2種類以上の絶縁膜から構成することが望ましい。その他、絶縁膜14は、CMP(化学的機械的研磨)法を用いて平坦化する平坦化工程を経ることも十分考えられる。いずれにしても絶縁膜14は、より平坦化するための技術が用いられて形成される。
【0037】
次に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経ることにより、絶縁膜14にMOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dの各活性領域へ到達する各貫通孔H10を形成する。この各貫通孔H10内それぞれに導電部材201a,202aを形成する。導電部材201a,202aとして、例えばCVD法による導電性のポリシリコンを充填する。その後、エッチバック等によって充填形態を整える。ここでCMP法を用いて平坦化することも考えられる。
【0038】
次に、スパッタ法を用いて絶縁膜14上にPt(白金)等、貴金属を含む導電膜を100〜300nm程度形成する。この導電膜をパターニングすることにより、下部電極15を形成する。下部電極15のパターンは、素子分離絶縁膜12上方から導電部材201a上に延在するパターンや導電部材202a上に設けられるパターンを含む。
【0039】
次に、図3に示すように、下部電極15上に強誘電体膜16を形成する。強誘電体膜16は様々考えられ、次のような酸化物質が考えられる。例えばペロブスカイト構造のPb系酸化物であるPZT(Pb(ZrxTi1−x)O3)系である。あるいは、Bi層状酸化物としてのSBT(SrBi2Ta2O9)系である。また、比較的誘電率の大きい常誘電体材料としてBST((Ba,Sr)TiO3)やSTO(SrTiO3)などを利用することも考えられる。強誘電体膜16は、ゾル・ゲル法等の溶液塗布法(Chemical Solution Deposition)、スパッタ法やCVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法等を用いて形成する。その後、結晶化の熱処理(急速熱アニール)を行う。強誘電体膜16は例えば100〜300nmの範囲の所定厚さになるようにする。
【0040】
次に、スパッタ法を用いて強誘電体膜16上を覆うPt(白金)等、貴金属を含む導電膜を100〜300nm程度形成する。この導電膜をパターニングすることにより、上部電極17を形成、次いで強誘電体膜16をパターニングする。次に、強誘電体膜16に対するリカバリー酸化工程を経る。
上記下部電極15や上部電極17のPt等貴金属をエッチングする際、化学反応エッチングは困難であり、イオンミーリング加工等物理的なエッチングに頼ることが多い。その際、強誘電体膜16にプラズマや応力によるダメージが入り易い。すなわち、プロセス中に強誘電体膜16にダメージが入ることにより、データ保持特性を劣化させる恐れがある。そこで、酸素雰囲気中での高温熱処理(リカバリー酸化)によりダメージを回復させる。
【0041】
次に、スパッタ法やCVD法を用いて、下部電極15、上部電極17及びその間の絶縁膜16からなる容量素子を含む所定領域上に保護膜18をパターニング形成する。保護膜18は上述したように強誘電体膜16の特性劣化を招く酸素欠損を防ぐための水素バリア膜であり、例えばAl2O3等を所定の厚さで被覆する。次に、保護膜18上、下部電極15上及び絶縁膜14上を含む全面に層間の絶縁膜19を形成する。次に、絶縁膜19に対してフォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経て接続孔H11,H12を形成する。接続孔H11,H12は同時に形成してもよい。初めのうちは層間の絶縁膜(19)を選択性のあるフレオン(クロロフルオロカーボン)系ガスを主体とした異方性エッチングで除去し、その後、保護膜18をエッチングするため、塩素系ガスを主体とした異方性エッチングを行う。接続孔の間口を大きくするため等方性のテーパーエッチング技術を組み合わせてもよい。ここでの等方エッチング手法は、いわゆるドライエッチャー、もしくはフッ酸系水溶液によるウェットエッチャー等に限定されることはない。また、浅い方の接続孔H11を別工程で形成することも考えられる。
【0042】
その後、接続孔H11,H12に、CVD法またはスパッタ法によるTiNやTaN等のバリア膜(図示せず)の被覆を経て、CVD法等によりAl合金またはW等の充填を伴い、絶縁膜19上に各配線部材20を形成する。これにより、図1に示すような構成が実現される。
【0043】
上記第1実施形態及び方法によれば、下部電極15との接続部(配線206)とMOS型素子13のソース領域Sとの接続部(201a)は下部電極15を介して接続される形態となる。配線の引き回しが下部電極15で足りる構成である。これにより、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、MOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材201a,202aにより、配線部材20に関し、深い接続部が分割される構成になる。かつ、そのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。すなわち、導電部材201a,202aは、導電性ポリシリコンプラグで構成され、600℃以上の高温処理(強誘電体膜16の結晶化やリカバリー酸化工程)にも安定性が確保できる。また、下部電極15のパターンにより配線20の接続孔H12,H13の位置ずれ余裕も確保できる。
【0044】
図4は、本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、前記図1の構成の変形例である。前記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。この実施形態では、前記ポリシリコンによる導電部材201a,202aに代えて、金属プラグによる導電部材201b,202bを配している。また、各配線部材20は次のように構成されている。各接続孔H12は金属プラグによる導電部材203,204で形成される構成を示している。各接続孔H11及び絶縁膜19上の配線205〜207は、導電部材203,204形成後にパターニングされる。その他の構成及び形成の方法は前記第1実施形態での説明と同様である。
【0045】
上記導電部材201b,202b,203,204それぞれは、例えば、絶縁膜内に耐酸素バリア層で保護された金属プラグを有する。より具体的な形成方法の一例を次に説明する。貫通孔H10または接続孔H12,13形成後、例えばTi,Ta,Ir,W等から選ばれる高融点金属の窒化膜で構成されるバリア膜の被覆を経てCVD法によりWが充填される。これにより、Wプラグを構成する。上記バリア膜と充填Wとの間にシリサイド層を設ける構成も考えられる。その他、バリア膜としてTi−Al−N系合金を採用することも考えられる。絶縁膜19上に形成される配線205〜207は、接続孔H11形成後、Al合金による配線のパターニングによって構成される。なお、接続孔H11の形成は等方性エッチングを含むようにしてもよい。
【0046】
上記第2実施形態に係る構成及び方法においても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。つまり、短縮すべき配線の引き回しが下部電極15で足りる構成である。これにより、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、高温のリカバリー酸化にも安定性が確保できる。これにより、信頼性を維持しつつ、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0047】
図5は、本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、図1の構成の変形例である。前記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。前記第1実施形態では、貫通孔H10形成後、ポリシリコンによる導電部材201a,202aを形成、充填状態を整え、下部電極15をパターニングする工程を行った。この実施形態では上記工程順序を逆にした構成を有する。すなわち、貫通孔H10形成後、先に下部電極15をパターニングする。その際、各貫通孔H10内にも下部電極15の材料が形成される。その後、ポリシリコンによる導電部材201a,202aを形成、充填状態を整え、接続プラグを構成する。その他の構成及び方法は前記第1実施形態での説明と同様である。もちろん、前記第2実施形態で示したように、各配線部材20において、各接続孔H12は金属プラグによる導電部材(203,204)で形成される構成でもよい。その際、各接続孔H11内及び絶縁膜19上の配線205〜207は、各接続孔H12の金属プラグ(203,204)形成後にパターニングされる。
【0048】
なお、ポリシリコンによる導電部材201a,202aの形成工程を省略する可能性も考えられる。
図6は、上記図5のさらなる変形例であり、本発明の第4実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成を示す断面図である。各貫通孔H10内は下部電極15の材料のみの接続形態とした。導電部材201a,202aの形成を省略した分、工程短縮に寄与する。
【0049】
このような第3、第4実施形態に係る構成及び方法においても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。強誘電体膜の結晶化、リカバリー酸化等の高熱処理にも安定性が確保できる。これにより、信頼性を維持しつつ、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0050】
図7は、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。また、図8、図9は、図7の構成を実現するための途中工程を順に示す断面図である。
【0051】
図7において、シリコンでなる半導体基板51に素子分離絶縁膜52が形成され、隣接する素子領域にはメモリ部の周辺回路、選択トランジスタとして働くMOS型素子53が形成されている。MOS型素子53上を含め全面に層間の絶縁膜54が形成されている。前記第1絶縁膜内にMOS型素子53のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材621a,622aが埋め込まれている。導電部材621a,622aは、例えば、導電性のポリシリコンプラグで構成されている。
【0052】
絶縁膜54上の所定領域に下部電極55が一方向に伸びるように形成されている。下部電極55は、素子分離絶縁膜52上方から導電部材621a上に延在するパターンや導電部材622a上に設けられるパターンを含む。これにより、導電部材621aまたは622aは、上端部が下部電極55の各所定パターンと接続され、下端部がMOS型素子53のソース領域Sまたはドレイン領域Dの各活性領域と接続される形態となっている。
【0053】
下部電極55上を含む全面に層間の絶縁膜56が形成されている。絶縁膜56は平坦化されている。下部電極55上の絶縁膜56には選択的な除去部、例えばトレンチ57が形成されている。このトレンチ57に強誘電体膜58が埋め込まれている。強誘電体膜58は底部が下部電極55と接触し上部が絶縁膜56の平坦化同一面上にある。強誘電体膜58上に上部電極59が形成されている。保護膜60は、下部電極55、上部電極59及びその間の強誘電体膜58からなる容量素子を含む所定領域を覆っている。保護膜60は、強誘電体膜58の特性劣化を招く酸素欠損を防ぐための水素バリア膜で構成されている。保護膜60は、例えばAl2O3やTi−Al−N等で構成され、水素シンター処理における強誘電体膜58への水素侵入を阻止する。このような容量素子が各メモリセル構造となってマトリクス状に配列され、これにより、メモリ部M2を構成している。
【0054】
保護膜60及び絶縁膜56上に層間の絶縁膜61が形成されている。絶縁膜61上に各接続孔H21,H22が形成され、各配線部材62が引き出されている。各配線部材62中、上部配線625は、ワード線となる。配線626は、MOS型素子53のソース領域Sと下部電極55(副ビット線)を繋ぐ配線である。配線627はMOS型素子53のドレイン領域Dに繋がる配線であり、主ビット線に繋がる。
【0055】
次に、図8、図9を参照して図7の構成を実現する工程について説明する。
図8に示すように、シリコンでなる半導体基板51にLOCOS(選択酸化分離)法を用いて素子分離絶縁膜52を形成する。素子分離絶縁膜52相互間の素子領域にMOS型素子53を形成する。すなわち、ゲート絶縁膜531、ポリシリコン層を順次形成してゲート電極532をパターニングする。その後、ゲート電極532の領域をマスクに、LDD(Lightly Doped Drain )構造いわゆるエクステンション領域のためのソース/ドレインの低濃度領域533を不純物イオン注入により形成する。次に、CVD法によりゲート電極532上を覆うように絶縁膜、例えばシリコン酸化膜を堆積し、異方性のドライエッチングを実施することによりシリコン酸化膜のスペーサ534を形成する。次に、ゲート電極532の領域及びスペーサ534をマスクにしてソース/ドレインの高濃度領域535を不純物イオン注入により形成する。その後、所定の熱処理等を経る。図示しないが、ゲート電極532上部をシリサイド化するポリサイド構造、または、ゲート電極532及びソース/ドレイン領域(535)を自己整合的にシリサイド化するサリサイド構造を実現するためのプロセスを経ることも可能である。
【0056】
次に、MOS型素子53上を含め全面に層間の絶縁膜54を形成する。絶縁膜54はリフロー法等の実施可能な段差被覆性に優れた膜の適用を含む。絶縁膜54は、下地の段差を埋め、より段差をなくする傾向の絶縁膜の複合的な形成、つまり、2種類以上の絶縁膜から構成することが望ましい。その他、絶縁膜54は、CMP(化学的機械的研磨)法を用いて平坦化する平坦化工程を経ることも十分考えられる。いずれにしても絶縁膜54は、より平坦化するための技術が用いられて形成される。
【0057】
次に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経ることにより、絶縁膜54にMOS型素子53のソース領域S、ドレイン領域Dの各活性領域へ到達する各貫通孔H20を形成する。各貫通孔H20内に導電部材621a,622aを形成する。導電部材621a,622aとして、例えばCVD(化学気相成長)法による導電性のポリシリコンを充填する。その後、エッチバック等によって充填形態を整える。ここでCMP法を用いて平坦化することも考えられる。
【0058】
次に、スパッタ法を用いて絶縁膜54上にPt(白金)等、貴金属を含む導電膜を100〜300nm程度形成する。この導電膜をパターニングすることにより、下部電極55を形成する。下部電極55のパターンは、素子分離絶縁膜52上方から導電部材621a上に延在するパターンや導電部材622a上に設けられるパターンを含む。
【0059】
次に、CVD法により下部電極55上及び前記MOS型素子53上を覆う層間の絶縁膜56を形成する。フォトリソグラフィ技術、異方性エッチング技術を利用して下部電極55上の絶縁膜56には選択的な除去部、例えばトレンチ57が形成される。このトレンチ57内に強誘電体膜58を埋め込む。強誘電体膜58は様々考えられ、次のような酸化物質が考えられる。例えば、ペロブスカイト構造のPb系酸化物であるPZT(Pb(ZrxTi1−x)O3)系である。あるいは、Bi層状酸化物であるSBT(SrBi2Ta2O9)系である。また、比較的誘電率の大きい常誘電体材料としてBST((Ba,Sr)TiO3)やSTO(SrTiO3)などを利用することも考えられる。強誘電体膜58は、ゾル・ゲル法等の溶液塗布法(Chemical Solution Deposition)、スパッタ法やCVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法等を用いて形成する。その後、結晶化の熱処理(急速熱アニール)を行う。
【0060】
次に、CMP法を用い、強誘電体膜18を所定の厚さにするべく、絶縁膜16と共に平坦化する。これにより、強誘電体膜18は100〜300nmの範囲の所定厚さにされ、底部が下部電極15と接触し上部が絶縁膜16の平坦化同一面上に配されるようになる。
【0061】
次に、図9に示すように、スパッタ法を用いて強誘電体膜58上を覆うPt(白金)等、貴金属を含む導電膜を100〜300nm程度形成し、パターニングする。これにより、上部電極59を形成する。次に、強誘電体膜16に対するリカバリー酸化工程を経る。次に、スパッタ法やCVD法を用いて上部電極59上及び絶縁膜56上に保護膜60を形成する。保護膜60は上述したように強誘電体膜58の特性劣化を招く酸素欠損を防ぐための水素バリア膜であり、例えばAl2O3等を所定の厚さで被覆する。保護膜60は上部電極59上及びその周辺の絶縁膜56上を被膜するようパターニングされる。次に、保護膜60上及び絶縁膜56上を含む全面に層間の絶縁膜61を形成する。
【0062】
次に、絶縁膜61に対してフォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経て各接続孔H21,H22を形成する。各接続孔H21,H22は同時に形成してもよい。初めのうちは層間の絶縁膜(61,56)を選択性のあるフレオン(クロロフルオロカーボン)系ガスを主体とした異方性エッチングで除去し、その後、保護膜60をエッチングするため、塩素系ガスを主体とした異方性エッチングを行う。各接続孔について、間口を大きくする等方性のテーパーエッチング工程を設けてもよい。また、浅い方の接続孔H21を別工程で形成することも考えられる。
【0063】
その後、接続孔H21,H22に、CVD法またはスパッタ法によるTiNやTaN等のバリア膜(図示せず)の被覆を経て、CVD法等によるAl合金またはW等を充填し各配線部材62を形成する。これにより、図7に示すような構成が実現される。
【0064】
上記第5実施形態及び方法によれば、下部電極55との接続部(配線626)とMOS型素子53のソース領域Sとの接続部(621a)は下部電極55を介して接続される形態となる。配線の引き回しが下部電極55で足りる構成である。これにより、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、MOS型素子53のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材621a,622aにより、配線部材62に関し、深い接続部が分割される構成になる。かつ、そのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。すなわち、導電部材621a,622aは、ポリシリコンプラグで構成され、600℃以上の高温処理(強誘電体膜16の結晶化やリカバリー酸化工程)にも安定性が確保できる。また、下部電極55のパターンにより配線62の接続孔H22の位置ずれ余裕も確保できる。
【0065】
また、強誘電体膜58は、層間の絶縁膜56に形成したトレンチ57によって形作られる。これにより、同じ大きさの強誘電体膜58を複数配するうえで微細加工の制御性、容易性が得られる。埋め込み形態の強誘電体膜58によって、結晶化のアニールを含む熱処理工程では低融点金属物質(例えばPZTならPb)が横方向へ流出するのを少なく抑えることができ、特性制御が容易となる。また、強誘電体膜58の配列ピッチもより狭めることができ、高集積化に寄与する。
また、埋め込み形態の強誘電体膜58によって、ダメージが抑えられるので信頼性が得られる。すなわち、強誘電体膜58はエッチング加工をしないので、ダメージ回復のためのリカバリー酸化工程を低温化または不要化する方向にプロセス改善できる。例えば、上部電極59を形成後にリカバリー酸化工程が導入される場合、低温化または不要化する傾向に改善できる。これにより、メモリセル以外のトランジスタ特性の劣化防止に寄与する。
これら総合的な構成によれば、配線部材62に関し、ホールH21,H22を伴う各接続部のアスペクト比の差が小さくなるよう改善される。
【0066】
図10は、本発明の第6実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、前記図7の構成の変形例である。前記第5実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。この実施形態では、前記ポリシリコンによる導電部材621a,622aに代えて、金属プラグによる導電部材621b,622bを配している。また、各配線部材62は次のように構成されている。各接続孔H22は金属プラグによる導電部材623,624で形成される構成を示している。各接続孔H21及び絶縁膜61上の配線525〜627は、導電部材623,624形成後にパターニングされる。その他の構成及び形成の方法は前記第5実施形態での説明と同様である。
【0067】
上記導電部材621b,622b,623,624それぞれは、例えば、絶縁膜内に耐酸素バリア層で保護された金属プラグを有する。より具体的な形成方法の一例を次に説明する。各貫通孔H20または接続孔H12,13形成後、例えばTi,Ta,Ir,W等から選ばれる高融点金属の窒化膜で構成されるバリア膜の被覆を経てCVD法によりWが充填される。これにより、Wプラグを構成する。上記バリア膜と充填Wとの間にシリサイド層を設ける構成も考えられる。その他、バリア膜としてTi−Al−Nを採用することも考えられる。絶縁膜61上に形成される配線625〜627は、接続孔H21形成後、Al合金による配線のパターニングによって構成される。なお、接続孔H21の形成は等方性エッチングを含むようにしてもよい。
【0068】
上記第6実施形態に係る構成及び方法においても、前記第5実施形態と同様の効果が得られる。つまり、短縮すべき配線の引き回しが下部電極55で足りる構成である。これにより、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、高温のリカバリー酸化にも安定性が確保できる。これにより、信頼性を維持しつつ、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0069】
図11は、本発明の第7実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、図7の構成の変形例である。前記第5実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。前記第5実施形態では、貫通孔H20形成後、ポリシリコンによる導電部材621a,622aを形成、充填状態を整え、下部電極55をパターニングする工程を行った。この実施形態では上記工程順序を逆にした構成を有する。すなわち、貫通孔H20形成後、先に下部電極55をパターニングする。その際、各貫通孔H20内にも下部電極55の材料が形成される。その後、ポリシリコンによる導電部材621a,622aを形成、充填状態を整え、接続プラグを構成する。その他の構成及び方法は前記第5実施形態での説明と同様である。もちろん、前記第6実施形態で示したように、各配線部材62において、各接続孔H22は金属プラグによる導電部材(623,624)で形成される構成でもよい。その際、各接続孔H21内及び絶縁膜61上の配線625〜627は、各接続孔H22の金属プラグ(623,624)形成後にパターニングされる。
【0070】
なお、ポリシリコンによる導電部材621a,622aの形成工程を省略する可能性も考えられる。
図12は、上記図11のさらなる変形例であり、本発明の第8実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成を示す断面図である。各貫通孔H20内は下部電極55の材料のみの接続形態とした。導電部材621a,622aの形成を省略した分、工程短縮に寄与する。
【0071】
このような第11、第12実施形態に係る構成及び方法においても、前記第5実施形態と同様の効果が得られる。強誘電体膜の結晶化、リカバリー酸化(低温化可能)等の高熱処理にも安定性が確保できる。これにより、信頼性を維持しつつ、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0072】
なお、上記各実施形態及び方法において、絶縁膜14(または54)上に下部電極15(または55)が形成されるが、絶縁膜14(または54)上にTi,Ta,Ir,W等を含む高融点金属膜、その窒化膜及びその酸化膜のいずれかの膜を形成し、この膜の上に下部電極15(または55)が形成されるようにしてもよい。また、強誘電体膜16(または58)上に上部電極17(または59)が形成されるが、強誘電体膜16(または58)上にTi,Ta,Ir,W等を含む高融点金属膜、その窒化膜及びその酸化膜のいずれかの膜を形成し、この膜の上に上部電極17(または59)が形成されるようにしてもよい。このような高融点金属膜、その窒化膜及びその酸化膜のいずれかの膜は、下部電極とその下層との密着性または上部電極とその下層との密着性の向上や、酸素トラップとして寄与する。
【0073】
以上説明したように、本発明によれば、下部電極部との接続部とトランジスタの活性領域との接続部は下部電極部材を介して接続される形態となる。配線の引き回しが下部電極部材で足りる構成である。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、深い接続部を分割した構造がとれる。プロセス事情に支障のないまたは好適な導電部材を配することも可能である。さらに、強誘電体膜が埋め込み形成される構成では、微細加工の制御性が向上し、高集積化に寄与する。熱処理の低温化も期待でき、メモリセル以外のトランジスタ特性の劣化防止に寄与する。この結果、クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続や高集積化に高信頼性をもたらす半導体集積回路装置及びその製造方法を提供することができる。なお、実施例では、クロスポイント型に関して説明したが、いわゆるスタック型やプレナー型と称するFeRAMを構成する半導体装置及びその製造にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【図2】図1の構成を実現するための途中工程を示す第1断面図。
【図3】図1の構成を実現するための途中工程を示す第2断面図。
【図4】第2実施形態であり、図1の変形例を示す断面図。
【図5】第3実施形態であり、図1の変形例を示す断面図。
【図6】第4実施形態であり、図5の変形例を示す断面図。
【図7】第5実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【図8】図7の構成を実現するための途中工程を示す第1断面図。
【図9】図7の構成を実現するための途中工程を示す第2断面図。
【図10】第6実施形態であり、図7の変形例を示す断面図。
【図11】第7実施形態であり、図7の変形例を示す断面図。
【図12】第8実施形態であり、図11の変形例を示す断面図。
【図13】従来のクロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【符号の説明】
11,51,101…半導体基板、12,52,102…素子分離絶縁膜、13,53,103…MOS型素子、131,531…ゲート絶縁膜、132,532…ゲート電極、133,533…ソース/ドレインの低濃度領域、134,534…スペーサ、135,535…ソース/ドレインの高濃度領域、14,20,54,56,61,104…絶縁膜、15,55,105…下部電極、57…トレンチ、16,58,106…強誘電体膜、17,59,107…上部電極、18,60,108…保護膜、62…配線部材、205,625,110…上部配線、206,207,626,627,111,112…配線、201a,202a,201b,202b,203,204,621a,622a,621b,622b,623,624…導電部材,H10〜H12,H20〜H22…開孔部、M1,M2,M10…メモリ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)セルが含まれる半導体集積回路装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FeRAM、いわゆる強誘電体メモリは、高速性、低消費電力、高集積性、耐書き換え特性に優れた不揮発性メモリの一つである。強誘電体メモリは、強誘電体膜のヒステリシス特性、すなわち高速分極反転とその残留分極を利用した高速書き換えが可能である。特にクロスポイント型のFeRAMは、下部電極と上部電極の間に強誘電体膜を介した容量素子がマトリクス状に配列されるメモリセル構成を有し、高集積性に優れている。
【0003】
図13は、従来のクロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。半導体基板101上に素子分離絶縁膜102が形成され、隣接する素子領域にはメモリ部の周辺回路、選択トランジスタとして働くMOS型素子103が形成されている。MOS型素子103上を含め全面に層間絶縁膜104が形成されている。
【0004】
所定領域における素子分離絶縁膜102上方の層間の絶縁膜104上に下部電極105が一方向に伸びるように形成されている。下部電極105上方には上部電極107に繋がる上部配線110が上記一方向に交差するように伸長し形成されている。下部電極105と上部電極107の間に強誘電体膜106を配している。両電極105,107、その間の強誘電体膜106によって形成される容量素子が各メモリセル構造となってマトリクス状に配列され、これにより、メモリ部M10を構成している。
【0005】
メモリ部M10には保護膜108が形成されている。保護膜108は水素バリア膜であり、トランジスタ特性向上、安定化のための水素シンター処理(水素雰囲気中の熱処理)に関係し、水素を侵入し難くして容量素子を保護する機能を有する。保護膜108は、例えばAlxOyやSixNy等で構成される。このようなメモリ部M10、MOS型素子103上の絶縁膜104を覆うように層間の絶縁膜109が形成されている。絶縁膜109に各接続孔H1〜H3が形成され、各接続配線が引き出されている。上部配線110は、ワード線となる。配線111は、MOS型素子103の選択トランジスタと下部電極105の副ビット線を繋ぐ配線である。配線112は主ビット線に繋がる配線である。
【0006】
クロスポイント型のFeRAMにおいては、下部電極105の副ビット線電位と上部配線110のワード線電位の関係を制御して、それぞれ強誘電体膜106を有する強誘電体キャパシタを所定の印加電界方向に分極させる。選択されたメモリセルは、強電体キャパシタの分極状態に応じた副ビット線電位となり、選択トランジスタ103及び主ビット線に伝達される。このようなプログラム制御を開示するクロスポイント型のFeRAMは例えば特許文献1に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−116107(第5−10頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図9において、MOS型素子103、すなわち選択トランジスタ等から引き出される配線111,112の接続孔H2,3のアスペクト比がメモリ部M10にある接続孔H1のそれと比較して非常に大きい。よって、エレクトロマイグレーションの信頼性に欠け、部分的に高抵抗化する懸念がある。
【0009】
また、比較的深い接続孔H2,H3にはCVD(化学気相成長)技術を利用してW(タングステン)プラグを埋め込むことがある。その場合、接続孔H1〜3内に必要な密着層、バリア層の形成(スパッタ被覆)が困難である。これにより、プラグ金属の剥離や抵抗増大を招き、信頼性を損なう問題があった。
【0010】
また、MOS型素子103、すなわち選択トランジスタから引き出され、下部電極105の副ビット線を繋ぐ配線111に関し、デザイン的な制約ロスが大きいといえる。このような構成は、チップサイズを縮小化する上で弊害となる。
【0011】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続や高集積化に高信頼性をもたらす半導体集積回路装置及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体集積回路装置は、半導体基板に形成されたトランジスタと、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に選択的に形成された第1電極部材と、前記第1絶縁膜内に埋め込まれ、上端部が前記第1電極部材のパターンと接続され、下端部が前記トランジスタの活性領域と接続される導電部材と、前記第1電極部材上に形成された強誘電体膜と、前記強誘電体膜上に形成された第2電極部材と、前記第1電極部材、第2電極部材及びその間の前記強誘電体膜からなる容量素子を含む所定領域に被覆された保護膜と、前記保護膜上、前記第1電極部材及び第1絶縁膜上を覆う第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に形成され前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部及び前記トランジスタの活性領域との少なくとも電気的な接続部を含む配線部材と、を具備したことを特徴とする。
【0013】
上記本発明に係る半導体集積回路装置によれば、第1電極部材との接続部とトランジスタの活性領域との接続部は第1電極部材を介して接続される形態となる。配線の引き回しが第1電極部材で足りる構成である。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。深い接続部を分割した構造がとれる。プロセス事情に支障のないまたは好適な導電部材を配することも可能である。
【0014】
本発明に係る半導体集積回路装置は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に選択的に形成された第1電極部材と、前記第1絶縁膜内に埋め込まれ、上端部が前記第1電極部材のパターンと接続され、下端部が前記トランジスタの活性領域と接続される導電部材と、前記第1電極部材上及び前記トランジスタ上方を覆う平坦化された第2絶縁膜と、前記第1電極部材上における前記第2絶縁膜の選択的な除去部と、前記除去部内に埋め込まれ、底部が前記第1電極部材と接触し上部が前記第2絶縁膜の平坦化同一面上にある強誘電体膜と、前記強誘電体膜上の第2電極部材と、前記第2電極部材及びその周辺の前記第2絶縁膜上を覆う保護膜と、前記第1電極部材、第2電極部材及びその間の前記強誘電体膜からなる容量素子を含む所定領域を被覆する保護膜と、前記保護膜を覆う前記第2絶縁膜上の第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜上に形成され前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部及び前記トランジスタの活性領域との少なくとも電気的な接続部を含む配線部材と、を具備したことを特徴とする。
【0015】
上記本発明に係る半導体集積回路装置によれば、第1電極部材との接続部とトランジスタの活性領域との接続部は第1電極部材を介して接続される形態となる。配線の引き回しが第1電極部材で足りる構成である。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、深い接続部を分割した構造がとれる。プロセス事情に支障のないまたは好適な導電部材を配することも可能である。また、強誘電体膜が第2絶縁膜の平坦化同一面上にあり、保護膜の段差被覆性は向上する。強誘電体膜が埋め込み形態をとることで微細加工の制御性が向上し、高集積化に寄与する。
【0016】
また、上記いずれかの本発明に係る半導体集積回路装置において、前記第1電極部材は所定方向に伸びる複数本設けられ、前記強誘電体膜はそれぞれ所定ピッチで複数箇所配置されていることを特徴とする。強誘電体メモリとして信頼性が得られる構成が期待できる。
【0017】
また、上記いずれかの本発明に係る半導体集積回路装置において、接続部の信頼性を向上させるため、次のようないずれかの特徴を有する。
前記導電部材は、少なくとも導電性のポリシリコンを含むことを特徴とする。
前記導電部材は、少なくとも耐酸素バリア層で保護された金属を含むことを特徴とする。
前記導電部材は、少なくとも前記第1電極部材を含むことを特徴とする。
【0018】
また、上記いずれかの本発明に係る半導体集積回路装置において、前記第1電極部材との接続部は、前記第2絶縁膜内または、前記第2絶縁膜及び前記第3絶縁膜内に配された埋め込み導電部材を含むことを特徴とする。より深い接続孔に対する確実な引き出し配線を実現するための好適な構成となる。
【0019】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内に導電部材を形成する工程と、前記導電部材との接続を有し前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、前記第1電極部材上の所定領域に強誘電体膜を形成する工程と、
前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、少なくとも前記第2電極部材、前記強誘電体膜側部及びその周辺の前記第1電極部材上を覆う保護膜を形成する工程と、前記保護膜上、前記第1電極部材及び第1絶縁膜上を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、前記第2絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
【0020】
上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法によれば、第1絶縁膜形成後に、トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成し、貫通孔内に導電部材を形成する。導電部材と接続されるよう第1電極部材を形成することにより、上層との接続領域を確保する。これにより、深い接続部を分割し、かつそのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。トランジスタの活性領域上に埋め込まれた導電部材は第1電極部材との接続部と共有して上層に引き出されるように形成できる。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0021】
また、本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内及び前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、前記第1電極部材上の所定領域に強誘電体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、少なくとも前記第2電極部材、前記強誘電体膜側部及びその周辺の前記第1電極部材上を覆う保護膜を形成する工程と、前記保護膜上、前記第1電極部材及び第1絶縁膜上を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、前記第2絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
さらに、上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1電極部材形成後の前記貫通孔内に導電部材を形成する工程を具備してもよい。貫通孔内に第1電極部材が充填し切れなかった場合、導電部材で貫通孔内を充填することにより、配線の信頼性を向上させる。
【0022】
上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法によっても、深い接続部を分割し、かつそのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。第1電極部材はトランジスタの活性領域上に埋め込まれ、第1電極部材との接続部と共有して上層に引き出されるように形成できる。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0023】
本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内に導電部材を形成する工程と、前記導電部材との接続を有し前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、前記第1電極部材上及び前記トランジスタ上方を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1電極部材上における前記第2絶縁膜を選択的に除去する複数のトレンチを形成する工程と、前記トレンチ内に埋め込まれ、底部が前記第1電極部材と接触する強誘電体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜及び前記第2絶縁膜を同一平面にする平坦化工程と、前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、少なくとも前記第2電極部材及びその周辺の前記第2絶縁膜上を覆う保護膜を形成する工程と、前記保護膜上及び前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、前記第3絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
【0024】
上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法によれば、第1絶縁膜形成後に、トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成し、貫通孔内に導電部材を形成する。導電部材と接続されるよう第1電極部材を形成することにより、上層との接続領域を確保する。これにより、深い接続部を分割し、かつそのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。トランジスタの活性領域上に埋め込まれた導電部材は第1電極部材との接続部と共有して上層に引き出されるように形成できる。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、強誘電体膜が第2絶縁膜の平坦化同一面上にあり、保護膜の段差被覆性は向上する。強誘電体膜が埋め込み形態をとることで微細加工の制御性が向上し、高集積化に寄与する。また、第3絶縁膜上の配線部材は、各接続部のアスペクト比の差が小さくなるよう改善される。
【0025】
また、本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法は、半導体基板にトランジスタを形成する工程と、前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内及び前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、前記第1電極部材上及び前記トランジスタ上方を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1電極部材上における前記第2絶縁膜を選択的に除去する複数のトレンチを形成する工程と、前記トレンチ内に埋め込まれ、底部が前記第1電極部材と接触する強誘電体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜及び前記第2絶縁膜を同一平面にする平坦化工程と、前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、少なくとも前記第2電極部材及びその周辺の前記第2絶縁膜上を覆う保護膜を形成する工程と、前記保護膜上及び前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、前記第3絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
さらに、上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1電極部材形成後の前記貫通孔内に導電部材を形成する工程を具備してもよい。貫通孔内に第1電極部材が充填し切れなかった場合、導電部材で貫通孔内を充填することにより、配線の信頼性を向上させる。
【0026】
上記本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法によっても、深い接続部を分割し、かつそのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。第1電極部材はトランジスタの活性領域上に埋め込まれ、第1電極部材との接続部と共有して上層に引き出されるように形成できる。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0027】
上記いずれかの本発明に係る半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1絶縁膜を形成する工程は、下地の段差を埋め、より段差をなくする傾向の絶縁膜の複合的な形成を伴うことを特徴とする。あるいは、前記第1絶縁膜を形成する工程は、化学的機械的研磨による平坦化工程を経ることを特徴とする。このような工程を経ることで、第1電極部材をはじめとして強誘電体膜を有する容量素子形成の制御性、各接続部を有する配線部材の信頼性向上に寄与する。
【0028】
上記いずれかの本発明に係る集積回路装置の製造方法において、前記保護膜は少なくとも耐水素バリア膜として設けることを特徴とする。強誘電体膜の特性劣化を招く還元雰囲気での酸素欠損を防ぐために設けられる。
【0029】
上記いずれかの本発明に係る集積回路装置の製造方法において、前記強誘電体膜を形成する工程における強誘電体膜の形成方法は、溶液塗布法、CVD法及びスパッタ法のうちいずれかの方法を用いることを特徴とする。プロセス事情に合った強誘電体膜の形成方法を選ぶことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。また、図2、図3は、図1の構成を実現するための途中工程を順に示す断面図である。
【0031】
図1において、シリコンでなる半導体基板11に素子分離絶縁膜12が形成され、隣接する素子領域にはメモリ部の周辺回路、選択トランジスタとして働くMOS型素子13が形成されている。MOS型素子13上を含め全面に層間の絶縁膜14が形成されている。絶縁膜14内にMOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材201a,202aが埋め込まれている。導電部材201a,202aは、例えば、予めリンやボロンがドープされた導電性のポリシリコンプラグで構成されている。
【0032】
絶縁膜14上の所定領域に下部電極15が一方向に伸びるように形成されている。下部電極15は、素子分離絶縁膜12上方から導電部材201a上に延在するパターンや導電部材202a上に設けられるパターンを含む。これにより、導電部材201a、202aそれぞれは、上端部が下部電極15の各所定パターンと接続され、下端部がMOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dの各活性領域と接続される形態となっている。
【0033】
下部電極15上に強誘電体膜16のパターンが形成されている。強誘電体膜16上に上部電極17が形成されている。保護膜18は、下部電極15、上部電極17及びその間の強誘電体膜16からなる容量素子を含む所定領域を覆っている。保護膜18は、強誘電体膜16の特性劣化を招く酸素欠損を防ぐための水素バリア膜で構成されている。保護膜18は、例えばAlxOyやTi−Al−N系合金等で構成され、水素シンター処理における強誘電体膜16への水素侵入を阻止する。なお、Ti−Al−N系合金は導電性があるため、ホール開孔する際、同時に電極間を分離する必要がある。このような容量素子が各メモリセル構造となってマトリクス状に配列され、これにより、メモリ部M1を構成している。
【0034】
保護膜18上、下部電極15上、及び絶縁膜14上を含む全面に層間の絶縁膜19が形成されている。絶縁膜19上に各接続孔H11、H12が形成され、各配線部材20が引き出されている。各配線部材20中、上部配線205は、ワード線となる。配線206は、MOS型素子13のソース領域Sと下部電極15(副ビット線)を繋ぐ配線である。配線207はMOS型素子13のドレイン領域Dに繋がる配線であり、主ビット線に繋がる。
【0035】
次に、図2、図3を参照して図1の構成を実現する工程について説明する。
図2に示すように、シリコンでなる半導体基板11にLOCOS(選択酸化分離)法を用いて素子分離絶縁膜12を形成する。素子分離絶縁膜12相互間の素子領域にMOS型素子13を形成する。すなわち、ゲート絶縁膜131、ポリシリコン層を順次形成してゲート電極132をパターニングする。その後、ゲート電極132の領域をマスクに、LDD(Lightly Doped Drain )構造いわゆるエクステンション領域のためのソース/ドレインの低濃度領域133を不純物イオン注入により形成する。次に、CVD法によりゲート電極132上を覆うように絶縁膜、例えばシリコン酸化膜を堆積し、異方性のドライエッチングを実施することによりシリコン酸化膜のスペーサ134を形成する。次に、ゲート電極132の領域及びスペーサ134をマスクにしてソース/ドレインの高濃度領域135を不純物イオン注入により形成する。その後、所定の熱処理等を経る。図示しないが、ゲート電極132上部をシリサイド化するポリサイド構造、または、ゲート電極132及びソース/ドレイン領域(135)を自己整合的にシリサイド化するサリサイド構造を実現するためのプロセスを経ることも可能である。
【0036】
次に、MOS型素子13上を含め全面に層間の絶縁膜14を形成する。絶縁膜14はリフロー法等の実施可能な段差被覆性に優れた膜の適用を含む。絶縁膜14は、下地の段差を埋め、より段差をなくする傾向の絶縁膜の複合的な形成、つまり、2種類以上の絶縁膜から構成することが望ましい。その他、絶縁膜14は、CMP(化学的機械的研磨)法を用いて平坦化する平坦化工程を経ることも十分考えられる。いずれにしても絶縁膜14は、より平坦化するための技術が用いられて形成される。
【0037】
次に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経ることにより、絶縁膜14にMOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dの各活性領域へ到達する各貫通孔H10を形成する。この各貫通孔H10内それぞれに導電部材201a,202aを形成する。導電部材201a,202aとして、例えばCVD法による導電性のポリシリコンを充填する。その後、エッチバック等によって充填形態を整える。ここでCMP法を用いて平坦化することも考えられる。
【0038】
次に、スパッタ法を用いて絶縁膜14上にPt(白金)等、貴金属を含む導電膜を100〜300nm程度形成する。この導電膜をパターニングすることにより、下部電極15を形成する。下部電極15のパターンは、素子分離絶縁膜12上方から導電部材201a上に延在するパターンや導電部材202a上に設けられるパターンを含む。
【0039】
次に、図3に示すように、下部電極15上に強誘電体膜16を形成する。強誘電体膜16は様々考えられ、次のような酸化物質が考えられる。例えばペロブスカイト構造のPb系酸化物であるPZT(Pb(ZrxTi1−x)O3)系である。あるいは、Bi層状酸化物としてのSBT(SrBi2Ta2O9)系である。また、比較的誘電率の大きい常誘電体材料としてBST((Ba,Sr)TiO3)やSTO(SrTiO3)などを利用することも考えられる。強誘電体膜16は、ゾル・ゲル法等の溶液塗布法(Chemical Solution Deposition)、スパッタ法やCVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法等を用いて形成する。その後、結晶化の熱処理(急速熱アニール)を行う。強誘電体膜16は例えば100〜300nmの範囲の所定厚さになるようにする。
【0040】
次に、スパッタ法を用いて強誘電体膜16上を覆うPt(白金)等、貴金属を含む導電膜を100〜300nm程度形成する。この導電膜をパターニングすることにより、上部電極17を形成、次いで強誘電体膜16をパターニングする。次に、強誘電体膜16に対するリカバリー酸化工程を経る。
上記下部電極15や上部電極17のPt等貴金属をエッチングする際、化学反応エッチングは困難であり、イオンミーリング加工等物理的なエッチングに頼ることが多い。その際、強誘電体膜16にプラズマや応力によるダメージが入り易い。すなわち、プロセス中に強誘電体膜16にダメージが入ることにより、データ保持特性を劣化させる恐れがある。そこで、酸素雰囲気中での高温熱処理(リカバリー酸化)によりダメージを回復させる。
【0041】
次に、スパッタ法やCVD法を用いて、下部電極15、上部電極17及びその間の絶縁膜16からなる容量素子を含む所定領域上に保護膜18をパターニング形成する。保護膜18は上述したように強誘電体膜16の特性劣化を招く酸素欠損を防ぐための水素バリア膜であり、例えばAl2O3等を所定の厚さで被覆する。次に、保護膜18上、下部電極15上及び絶縁膜14上を含む全面に層間の絶縁膜19を形成する。次に、絶縁膜19に対してフォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経て接続孔H11,H12を形成する。接続孔H11,H12は同時に形成してもよい。初めのうちは層間の絶縁膜(19)を選択性のあるフレオン(クロロフルオロカーボン)系ガスを主体とした異方性エッチングで除去し、その後、保護膜18をエッチングするため、塩素系ガスを主体とした異方性エッチングを行う。接続孔の間口を大きくするため等方性のテーパーエッチング技術を組み合わせてもよい。ここでの等方エッチング手法は、いわゆるドライエッチャー、もしくはフッ酸系水溶液によるウェットエッチャー等に限定されることはない。また、浅い方の接続孔H11を別工程で形成することも考えられる。
【0042】
その後、接続孔H11,H12に、CVD法またはスパッタ法によるTiNやTaN等のバリア膜(図示せず)の被覆を経て、CVD法等によりAl合金またはW等の充填を伴い、絶縁膜19上に各配線部材20を形成する。これにより、図1に示すような構成が実現される。
【0043】
上記第1実施形態及び方法によれば、下部電極15との接続部(配線206)とMOS型素子13のソース領域Sとの接続部(201a)は下部電極15を介して接続される形態となる。配線の引き回しが下部電極15で足りる構成である。これにより、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、MOS型素子13のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材201a,202aにより、配線部材20に関し、深い接続部が分割される構成になる。かつ、そのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。すなわち、導電部材201a,202aは、導電性ポリシリコンプラグで構成され、600℃以上の高温処理(強誘電体膜16の結晶化やリカバリー酸化工程)にも安定性が確保できる。また、下部電極15のパターンにより配線20の接続孔H12,H13の位置ずれ余裕も確保できる。
【0044】
図4は、本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、前記図1の構成の変形例である。前記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。この実施形態では、前記ポリシリコンによる導電部材201a,202aに代えて、金属プラグによる導電部材201b,202bを配している。また、各配線部材20は次のように構成されている。各接続孔H12は金属プラグによる導電部材203,204で形成される構成を示している。各接続孔H11及び絶縁膜19上の配線205〜207は、導電部材203,204形成後にパターニングされる。その他の構成及び形成の方法は前記第1実施形態での説明と同様である。
【0045】
上記導電部材201b,202b,203,204それぞれは、例えば、絶縁膜内に耐酸素バリア層で保護された金属プラグを有する。より具体的な形成方法の一例を次に説明する。貫通孔H10または接続孔H12,13形成後、例えばTi,Ta,Ir,W等から選ばれる高融点金属の窒化膜で構成されるバリア膜の被覆を経てCVD法によりWが充填される。これにより、Wプラグを構成する。上記バリア膜と充填Wとの間にシリサイド層を設ける構成も考えられる。その他、バリア膜としてTi−Al−N系合金を採用することも考えられる。絶縁膜19上に形成される配線205〜207は、接続孔H11形成後、Al合金による配線のパターニングによって構成される。なお、接続孔H11の形成は等方性エッチングを含むようにしてもよい。
【0046】
上記第2実施形態に係る構成及び方法においても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。つまり、短縮すべき配線の引き回しが下部電極15で足りる構成である。これにより、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、高温のリカバリー酸化にも安定性が確保できる。これにより、信頼性を維持しつつ、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0047】
図5は、本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、図1の構成の変形例である。前記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。前記第1実施形態では、貫通孔H10形成後、ポリシリコンによる導電部材201a,202aを形成、充填状態を整え、下部電極15をパターニングする工程を行った。この実施形態では上記工程順序を逆にした構成を有する。すなわち、貫通孔H10形成後、先に下部電極15をパターニングする。その際、各貫通孔H10内にも下部電極15の材料が形成される。その後、ポリシリコンによる導電部材201a,202aを形成、充填状態を整え、接続プラグを構成する。その他の構成及び方法は前記第1実施形態での説明と同様である。もちろん、前記第2実施形態で示したように、各配線部材20において、各接続孔H12は金属プラグによる導電部材(203,204)で形成される構成でもよい。その際、各接続孔H11内及び絶縁膜19上の配線205〜207は、各接続孔H12の金属プラグ(203,204)形成後にパターニングされる。
【0048】
なお、ポリシリコンによる導電部材201a,202aの形成工程を省略する可能性も考えられる。
図6は、上記図5のさらなる変形例であり、本発明の第4実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成を示す断面図である。各貫通孔H10内は下部電極15の材料のみの接続形態とした。導電部材201a,202aの形成を省略した分、工程短縮に寄与する。
【0049】
このような第3、第4実施形態に係る構成及び方法においても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。強誘電体膜の結晶化、リカバリー酸化等の高熱処理にも安定性が確保できる。これにより、信頼性を維持しつつ、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0050】
図7は、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。また、図8、図9は、図7の構成を実現するための途中工程を順に示す断面図である。
【0051】
図7において、シリコンでなる半導体基板51に素子分離絶縁膜52が形成され、隣接する素子領域にはメモリ部の周辺回路、選択トランジスタとして働くMOS型素子53が形成されている。MOS型素子53上を含め全面に層間の絶縁膜54が形成されている。前記第1絶縁膜内にMOS型素子53のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材621a,622aが埋め込まれている。導電部材621a,622aは、例えば、導電性のポリシリコンプラグで構成されている。
【0052】
絶縁膜54上の所定領域に下部電極55が一方向に伸びるように形成されている。下部電極55は、素子分離絶縁膜52上方から導電部材621a上に延在するパターンや導電部材622a上に設けられるパターンを含む。これにより、導電部材621aまたは622aは、上端部が下部電極55の各所定パターンと接続され、下端部がMOS型素子53のソース領域Sまたはドレイン領域Dの各活性領域と接続される形態となっている。
【0053】
下部電極55上を含む全面に層間の絶縁膜56が形成されている。絶縁膜56は平坦化されている。下部電極55上の絶縁膜56には選択的な除去部、例えばトレンチ57が形成されている。このトレンチ57に強誘電体膜58が埋め込まれている。強誘電体膜58は底部が下部電極55と接触し上部が絶縁膜56の平坦化同一面上にある。強誘電体膜58上に上部電極59が形成されている。保護膜60は、下部電極55、上部電極59及びその間の強誘電体膜58からなる容量素子を含む所定領域を覆っている。保護膜60は、強誘電体膜58の特性劣化を招く酸素欠損を防ぐための水素バリア膜で構成されている。保護膜60は、例えばAl2O3やTi−Al−N等で構成され、水素シンター処理における強誘電体膜58への水素侵入を阻止する。このような容量素子が各メモリセル構造となってマトリクス状に配列され、これにより、メモリ部M2を構成している。
【0054】
保護膜60及び絶縁膜56上に層間の絶縁膜61が形成されている。絶縁膜61上に各接続孔H21,H22が形成され、各配線部材62が引き出されている。各配線部材62中、上部配線625は、ワード線となる。配線626は、MOS型素子53のソース領域Sと下部電極55(副ビット線)を繋ぐ配線である。配線627はMOS型素子53のドレイン領域Dに繋がる配線であり、主ビット線に繋がる。
【0055】
次に、図8、図9を参照して図7の構成を実現する工程について説明する。
図8に示すように、シリコンでなる半導体基板51にLOCOS(選択酸化分離)法を用いて素子分離絶縁膜52を形成する。素子分離絶縁膜52相互間の素子領域にMOS型素子53を形成する。すなわち、ゲート絶縁膜531、ポリシリコン層を順次形成してゲート電極532をパターニングする。その後、ゲート電極532の領域をマスクに、LDD(Lightly Doped Drain )構造いわゆるエクステンション領域のためのソース/ドレインの低濃度領域533を不純物イオン注入により形成する。次に、CVD法によりゲート電極532上を覆うように絶縁膜、例えばシリコン酸化膜を堆積し、異方性のドライエッチングを実施することによりシリコン酸化膜のスペーサ534を形成する。次に、ゲート電極532の領域及びスペーサ534をマスクにしてソース/ドレインの高濃度領域535を不純物イオン注入により形成する。その後、所定の熱処理等を経る。図示しないが、ゲート電極532上部をシリサイド化するポリサイド構造、または、ゲート電極532及びソース/ドレイン領域(535)を自己整合的にシリサイド化するサリサイド構造を実現するためのプロセスを経ることも可能である。
【0056】
次に、MOS型素子53上を含め全面に層間の絶縁膜54を形成する。絶縁膜54はリフロー法等の実施可能な段差被覆性に優れた膜の適用を含む。絶縁膜54は、下地の段差を埋め、より段差をなくする傾向の絶縁膜の複合的な形成、つまり、2種類以上の絶縁膜から構成することが望ましい。その他、絶縁膜54は、CMP(化学的機械的研磨)法を用いて平坦化する平坦化工程を経ることも十分考えられる。いずれにしても絶縁膜54は、より平坦化するための技術が用いられて形成される。
【0057】
次に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経ることにより、絶縁膜54にMOS型素子53のソース領域S、ドレイン領域Dの各活性領域へ到達する各貫通孔H20を形成する。各貫通孔H20内に導電部材621a,622aを形成する。導電部材621a,622aとして、例えばCVD(化学気相成長)法による導電性のポリシリコンを充填する。その後、エッチバック等によって充填形態を整える。ここでCMP法を用いて平坦化することも考えられる。
【0058】
次に、スパッタ法を用いて絶縁膜54上にPt(白金)等、貴金属を含む導電膜を100〜300nm程度形成する。この導電膜をパターニングすることにより、下部電極55を形成する。下部電極55のパターンは、素子分離絶縁膜52上方から導電部材621a上に延在するパターンや導電部材622a上に設けられるパターンを含む。
【0059】
次に、CVD法により下部電極55上及び前記MOS型素子53上を覆う層間の絶縁膜56を形成する。フォトリソグラフィ技術、異方性エッチング技術を利用して下部電極55上の絶縁膜56には選択的な除去部、例えばトレンチ57が形成される。このトレンチ57内に強誘電体膜58を埋め込む。強誘電体膜58は様々考えられ、次のような酸化物質が考えられる。例えば、ペロブスカイト構造のPb系酸化物であるPZT(Pb(ZrxTi1−x)O3)系である。あるいは、Bi層状酸化物であるSBT(SrBi2Ta2O9)系である。また、比較的誘電率の大きい常誘電体材料としてBST((Ba,Sr)TiO3)やSTO(SrTiO3)などを利用することも考えられる。強誘電体膜58は、ゾル・ゲル法等の溶液塗布法(Chemical Solution Deposition)、スパッタ法やCVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法等を用いて形成する。その後、結晶化の熱処理(急速熱アニール)を行う。
【0060】
次に、CMP法を用い、強誘電体膜18を所定の厚さにするべく、絶縁膜16と共に平坦化する。これにより、強誘電体膜18は100〜300nmの範囲の所定厚さにされ、底部が下部電極15と接触し上部が絶縁膜16の平坦化同一面上に配されるようになる。
【0061】
次に、図9に示すように、スパッタ法を用いて強誘電体膜58上を覆うPt(白金)等、貴金属を含む導電膜を100〜300nm程度形成し、パターニングする。これにより、上部電極59を形成する。次に、強誘電体膜16に対するリカバリー酸化工程を経る。次に、スパッタ法やCVD法を用いて上部電極59上及び絶縁膜56上に保護膜60を形成する。保護膜60は上述したように強誘電体膜58の特性劣化を招く酸素欠損を防ぐための水素バリア膜であり、例えばAl2O3等を所定の厚さで被覆する。保護膜60は上部電極59上及びその周辺の絶縁膜56上を被膜するようパターニングされる。次に、保護膜60上及び絶縁膜56上を含む全面に層間の絶縁膜61を形成する。
【0062】
次に、絶縁膜61に対してフォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経て各接続孔H21,H22を形成する。各接続孔H21,H22は同時に形成してもよい。初めのうちは層間の絶縁膜(61,56)を選択性のあるフレオン(クロロフルオロカーボン)系ガスを主体とした異方性エッチングで除去し、その後、保護膜60をエッチングするため、塩素系ガスを主体とした異方性エッチングを行う。各接続孔について、間口を大きくする等方性のテーパーエッチング工程を設けてもよい。また、浅い方の接続孔H21を別工程で形成することも考えられる。
【0063】
その後、接続孔H21,H22に、CVD法またはスパッタ法によるTiNやTaN等のバリア膜(図示せず)の被覆を経て、CVD法等によるAl合金またはW等を充填し各配線部材62を形成する。これにより、図7に示すような構成が実現される。
【0064】
上記第5実施形態及び方法によれば、下部電極55との接続部(配線626)とMOS型素子53のソース領域Sとの接続部(621a)は下部電極55を介して接続される形態となる。配線の引き回しが下部電極55で足りる構成である。これにより、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、MOS型素子53のソース領域S、ドレイン領域Dに接続される導電部材621a,622aにより、配線部材62に関し、深い接続部が分割される構成になる。かつ、そのときのプロセス事情に支障のない、好適な導電部材を配することが可能である。すなわち、導電部材621a,622aは、ポリシリコンプラグで構成され、600℃以上の高温処理(強誘電体膜16の結晶化やリカバリー酸化工程)にも安定性が確保できる。また、下部電極55のパターンにより配線62の接続孔H22の位置ずれ余裕も確保できる。
【0065】
また、強誘電体膜58は、層間の絶縁膜56に形成したトレンチ57によって形作られる。これにより、同じ大きさの強誘電体膜58を複数配するうえで微細加工の制御性、容易性が得られる。埋め込み形態の強誘電体膜58によって、結晶化のアニールを含む熱処理工程では低融点金属物質(例えばPZTならPb)が横方向へ流出するのを少なく抑えることができ、特性制御が容易となる。また、強誘電体膜58の配列ピッチもより狭めることができ、高集積化に寄与する。
また、埋め込み形態の強誘電体膜58によって、ダメージが抑えられるので信頼性が得られる。すなわち、強誘電体膜58はエッチング加工をしないので、ダメージ回復のためのリカバリー酸化工程を低温化または不要化する方向にプロセス改善できる。例えば、上部電極59を形成後にリカバリー酸化工程が導入される場合、低温化または不要化する傾向に改善できる。これにより、メモリセル以外のトランジスタ特性の劣化防止に寄与する。
これら総合的な構成によれば、配線部材62に関し、ホールH21,H22を伴う各接続部のアスペクト比の差が小さくなるよう改善される。
【0066】
図10は、本発明の第6実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、前記図7の構成の変形例である。前記第5実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。この実施形態では、前記ポリシリコンによる導電部材621a,622aに代えて、金属プラグによる導電部材621b,622bを配している。また、各配線部材62は次のように構成されている。各接続孔H22は金属プラグによる導電部材623,624で形成される構成を示している。各接続孔H21及び絶縁膜61上の配線525〜627は、導電部材623,624形成後にパターニングされる。その他の構成及び形成の方法は前記第5実施形態での説明と同様である。
【0067】
上記導電部材621b,622b,623,624それぞれは、例えば、絶縁膜内に耐酸素バリア層で保護された金属プラグを有する。より具体的な形成方法の一例を次に説明する。各貫通孔H20または接続孔H12,13形成後、例えばTi,Ta,Ir,W等から選ばれる高融点金属の窒化膜で構成されるバリア膜の被覆を経てCVD法によりWが充填される。これにより、Wプラグを構成する。上記バリア膜と充填Wとの間にシリサイド層を設ける構成も考えられる。その他、バリア膜としてTi−Al−Nを採用することも考えられる。絶縁膜61上に形成される配線625〜627は、接続孔H21形成後、Al合金による配線のパターニングによって構成される。なお、接続孔H21の形成は等方性エッチングを含むようにしてもよい。
【0068】
上記第6実施形態に係る構成及び方法においても、前記第5実施形態と同様の効果が得られる。つまり、短縮すべき配線の引き回しが下部電極55で足りる構成である。これにより、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、高温のリカバリー酸化にも安定性が確保できる。これにより、信頼性を維持しつつ、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0069】
図11は、本発明の第7実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、図7の構成の変形例である。前記第5実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。前記第5実施形態では、貫通孔H20形成後、ポリシリコンによる導電部材621a,622aを形成、充填状態を整え、下部電極55をパターニングする工程を行った。この実施形態では上記工程順序を逆にした構成を有する。すなわち、貫通孔H20形成後、先に下部電極55をパターニングする。その際、各貫通孔H20内にも下部電極55の材料が形成される。その後、ポリシリコンによる導電部材621a,622aを形成、充填状態を整え、接続プラグを構成する。その他の構成及び方法は前記第5実施形態での説明と同様である。もちろん、前記第6実施形態で示したように、各配線部材62において、各接続孔H22は金属プラグによる導電部材(623,624)で形成される構成でもよい。その際、各接続孔H21内及び絶縁膜61上の配線625〜627は、各接続孔H22の金属プラグ(623,624)形成後にパターニングされる。
【0070】
なお、ポリシリコンによる導電部材621a,622aの形成工程を省略する可能性も考えられる。
図12は、上記図11のさらなる変形例であり、本発明の第8実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成を示す断面図である。各貫通孔H20内は下部電極55の材料のみの接続形態とした。導電部材621a,622aの形成を省略した分、工程短縮に寄与する。
【0071】
このような第11、第12実施形態に係る構成及び方法においても、前記第5実施形態と同様の効果が得られる。強誘電体膜の結晶化、リカバリー酸化(低温化可能)等の高熱処理にも安定性が確保できる。これにより、信頼性を維持しつつ、信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。
【0072】
なお、上記各実施形態及び方法において、絶縁膜14(または54)上に下部電極15(または55)が形成されるが、絶縁膜14(または54)上にTi,Ta,Ir,W等を含む高融点金属膜、その窒化膜及びその酸化膜のいずれかの膜を形成し、この膜の上に下部電極15(または55)が形成されるようにしてもよい。また、強誘電体膜16(または58)上に上部電極17(または59)が形成されるが、強誘電体膜16(または58)上にTi,Ta,Ir,W等を含む高融点金属膜、その窒化膜及びその酸化膜のいずれかの膜を形成し、この膜の上に上部電極17(または59)が形成されるようにしてもよい。このような高融点金属膜、その窒化膜及びその酸化膜のいずれかの膜は、下部電極とその下層との密着性または上部電極とその下層との密着性の向上や、酸素トラップとして寄与する。
【0073】
以上説明したように、本発明によれば、下部電極部との接続部とトランジスタの活性領域との接続部は下部電極部材を介して接続される形態となる。配線の引き回しが下部電極部材で足りる構成である。信号伝達経路の短縮化、ひいては高集積化に寄与する。また、深い接続部を分割した構造がとれる。プロセス事情に支障のないまたは好適な導電部材を配することも可能である。さらに、強誘電体膜が埋め込み形成される構成では、微細加工の制御性が向上し、高集積化に寄与する。熱処理の低温化も期待でき、メモリセル以外のトランジスタ特性の劣化防止に寄与する。この結果、クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続や高集積化に高信頼性をもたらす半導体集積回路装置及びその製造方法を提供することができる。なお、実施例では、クロスポイント型に関して説明したが、いわゆるスタック型やプレナー型と称するFeRAMを構成する半導体装置及びその製造にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【図2】図1の構成を実現するための途中工程を示す第1断面図。
【図3】図1の構成を実現するための途中工程を示す第2断面図。
【図4】第2実施形態であり、図1の変形例を示す断面図。
【図5】第3実施形態であり、図1の変形例を示す断面図。
【図6】第4実施形態であり、図5の変形例を示す断面図。
【図7】第5実施形態に係る半導体集積回路装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【図8】図7の構成を実現するための途中工程を示す第1断面図。
【図9】図7の構成を実現するための途中工程を示す第2断面図。
【図10】第6実施形態であり、図7の変形例を示す断面図。
【図11】第7実施形態であり、図7の変形例を示す断面図。
【図12】第8実施形態であり、図11の変形例を示す断面図。
【図13】従来のクロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【符号の説明】
11,51,101…半導体基板、12,52,102…素子分離絶縁膜、13,53,103…MOS型素子、131,531…ゲート絶縁膜、132,532…ゲート電極、133,533…ソース/ドレインの低濃度領域、134,534…スペーサ、135,535…ソース/ドレインの高濃度領域、14,20,54,56,61,104…絶縁膜、15,55,105…下部電極、57…トレンチ、16,58,106…強誘電体膜、17,59,107…上部電極、18,60,108…保護膜、62…配線部材、205,625,110…上部配線、206,207,626,627,111,112…配線、201a,202a,201b,202b,203,204,621a,622a,621b,622b,623,624…導電部材,H10〜H12,H20〜H22…開孔部、M1,M2,M10…メモリ部。
Claims (14)
- 半導体基板に形成されたトランジスタと、
前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に選択的に形成された第1電極部材と、
前記第1絶縁膜の貫通部分に配され、前記第1電極部材のパターンと前記トランジスタの活性領域とが接続される導電部材と、
前記第1電極部材上に形成された強誘電体膜と、
前記強誘電体膜上に形成された第2電極部材と、
前記第1電極部材、第2電極部材及びその間の前記強誘電体膜からなる容量素子を含む所定領域に被覆された保護膜と、
前記保護膜上、前記第1電極部材及び第1絶縁膜上を覆う第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成され前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部及び前記トランジスタの活性領域との少なくとも電気的な接続部を含む配線部材と、
を具備したことを特徴とする半導体集積回路装置。 - 半導体基板にトランジスタを形成する工程と、
前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に選択的に形成された第1電極部材と、
前記第1絶縁膜の貫通部分に配され、前記第1電極部材のパターンと前記トランジスタの活性領域とが接続される導電部材と、
前記第1電極部材上及び前記トランジスタ上方を覆う平坦化された第2絶縁膜と、
前記第1電極部材上における前記第2絶縁膜の選択的な除去部と、
前記除去部内に埋め込まれ、底部が前記第1電極部材と接触し上部が前記第2絶縁膜の平坦化同一面上にある強誘電体膜と、
前記強誘電体膜上の第2電極部材と、
前記第2電極部材及びその周辺の前記第2絶縁膜上を覆う保護膜と、
前記第1電極部材、第2電極部材及びその間の前記強誘電体膜からなる容量素子を含む所定領域を被覆する保護膜と、
前記保護膜を覆う前記第2絶縁膜上の第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜上に形成され前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部及び前記トランジスタの活性領域との少なくとも電気的な接続部を含む配線部材と、
を具備したことを特徴とする半導体集積回路装置。 - 前記第1電極部材は所定方向に伸びる複数本設けられ、前記強誘電体膜はそれぞれ所定ピッチで複数箇所配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の半導体集積回路装置。
- 前記導電部材は、少なくとも導電性のポリシリコンを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか一つに記載の半導体集積回路装置。
- 前記導電部材は、少なくとも耐酸素バリア層で保護された金属を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか一つに記載の半導体集積回路装置。
- 前記導電部材は、少なくとも前記第1電極部材を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか一つに記載の半導体集積回路装置。
- 前記第1電極部材との接続部は、前記第2絶縁膜内に配された埋め込み導電部材を含むことを特徴とする請求項1、請求項3〜6いずれか一つに記載の半導体集積回路装置。
- 前記第1電極部材との接続部は、前記第2絶縁膜及び前記第3絶縁膜内に配された埋め込み導電部材を含むことを特徴とする請求項2、請求項3〜6いずれか一つに記載の半導体集積回路装置。
- 半導体基板にトランジスタを形成する工程と、
前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔内に導電部材を形成する工程と、
前記導電部材との接続を有し前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、
前記第1電極部材上の所定領域に強誘電体膜を形成する工程と、
前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、
少なくとも前記第2電極部材、前記強誘電体膜側部及びその周辺の前記第1電極部材上を覆う保護膜を形成する工程と、
前記保護膜上、前記第1電極部材及び第1絶縁膜上を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第2絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、
を具備したことを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。 - 半導体基板にトランジスタを形成する工程と、
前記トランジスタを含む前記半導体基板上の所定領域を覆う第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜に少なくとも前記トランジスタの活性領域へ到達する貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔内に導電部材を形成する工程と、
前記導電部材との接続を有し前記第1絶縁膜上に配される第1電極部材を形成する工程と、
前記第1電極部材上及び前記トランジスタ上方を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第1電極部材上における前記第2絶縁膜を選択的に除去する複数のトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内に埋め込まれ、底部が前記第1電極部材と接触する強誘電体膜を形成する工程と、
前記強誘電体膜及び前記第2絶縁膜を同一平面にする平坦化工程と、
前記強誘電体膜上に第2電極部材を形成する工程と、
少なくとも前記第2電極部材及びその周辺の前記第2絶縁膜上を覆う保護膜を形成する工程と、
前記保護膜上及び前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、
前記第3絶縁膜上において少なくとも前記第2電極部材との接続部、前記第1電極部材との接続部を含む配線部材を形成する工程と、
を具備したことを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。 - 前記第1絶縁膜を形成する工程は、下地の段差を埋め、より段差をなくする傾向の絶縁膜の複合的な形成を伴うことを特徴とする請求項9または10記載の半導体集積回路装置の製造方法。
- 前記第1絶縁膜を形成する工程は、化学的機械的研磨による平坦化工程を経ることを特徴とする請求項9または10記載の半導体集積回路装置の製造方法。
- 前記保護膜は少なくとも耐水素バリア膜として設けることを特徴とする請求項9〜12いずれか一つに記載の半導体集積回路装置の製造方法。
- 前記強誘電体膜を形成する工程における強誘電体膜の形成方法は、溶液塗布法、CVD法及びスパッタ法のうちいずれかの方法を用いることを特徴とする請求項9〜13いずれか一つに記載の半導体集積回路装置の製造方法。
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JP2003153648A JP2004356458A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 半導体集積回路装置及びその製造方法 |
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- 2003-05-30 JP JP2003153648A patent/JP2004356458A/ja not_active Withdrawn
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