JP2004356345A - 光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光半導体装置内部で外光の入射による乱反射光が発生するのを抑制して、光半導体素子の受光部に乱反射光が入り込むのを防いで、光半導体装置の受光特性を良好にするとともに、光半導体装置の小型化およびコストダウンを達成すること。
【解決手段】光半導体装置6は、上面の中央部に光半導体素子5の載置部を有する長方形状の絶縁基体1と、絶縁基体1の上面の外周部に載置部を取り囲むように接合された長方形状の遮光性の枠体3と、載置部に載置された、上面の中央部に受光部を有する光半導体素子5と、枠体3の上面に接合された蓋体4とを具備し、枠体3は、互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、光半導体素子5の受光部に沿って張り出し部3aが形成されているものである。
【選択図】 図1
【解決手段】光半導体装置6は、上面の中央部に光半導体素子5の載置部を有する長方形状の絶縁基体1と、絶縁基体1の上面の外周部に載置部を取り囲むように接合された長方形状の遮光性の枠体3と、載置部に載置された、上面の中央部に受光部を有する光半導体素子5と、枠体3の上面に接合された蓋体4とを具備し、枠体3は、互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、光半導体素子5の受光部に沿って張り出し部3aが形成されているものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラインセンサー,フォトダイオード(PD),イメージセンサー等の固体撮像素子またはこれらの画像撮像部を有する光半導体素子を具備した光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラインセンサー,PD,イメージセンサー等の固体撮像素子またはこれらの画像撮像部を有する光半導体素子を具備した光半導体装置は、基本的に、光半導体素子と、光半導体素子を搭載し接着、固定するための絶縁基体と、光半導体素子を覆って封止するための蓋体とにより構成される。
【0003】
この絶縁基体は、通常、光半導体素子の形状に応じた四角形状等のセラミックス等から成り、例えば、光半導体素子がラインセンサーの場合であれば、細長い長方形状のラインセンサーを搭載するのに適した長方形状である。
【0004】
また、蓋体は、透明なガラス板等の、透光性の部材により形成され、絶縁基体に搭載された光半導体素子を覆うようにして絶縁基体に樹脂層等を介して接合、取着される。
【0005】
光半導体素子は、絶縁基体の上面の中央部に載置固定されており、光半導体素子の上面の中央部には受光部が、外周部には電極が設けられている。また、この光半導体素子の電極に対応するようにして、絶縁基体の上面には電極パッドが形成されている。
【0006】
これらの電極と電極パッドとは、Au,Al等からなるボンディングワイヤにより電気的に接続される。
【0007】
なお、絶縁基体の上面には、通常、光半導体素子を収容する凹部が形成されており、凹部の底面が光半導体素子の載置部として機能する。蓋体は、絶縁基体のうち、この凹部を取り囲む枠状部の上面に接合される。また、凹部の内側の、光半導体素子の上面よりも高い位置に、光半導体素子を囲むようにして、Feを主成分とするFe−Ni−Co合金等からなる遮光板が取着されており、光半導体装置内に余分な光が入射することを極力防止するようにしている。そして、絶縁基体の凹部と蓋体とからなる容器の内部に、光半導体素子が気密封止されることになる。
【0008】
このように光半導体素子が気密封止されて成る光半導体装置は、各種の光学機器に部品として実装されて使用される。例えば、光半導体素子がラインセンサーの場合であれば、スキャナーやプリンター,バーコードリーダー等の光学機器内の回路基板等に実装される。なお、このときの光半導体装置の回路基板等に対する位置合わせは、光半導体装置の外縁部を回路基板の所定位置に合わせることにより行われる。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−178168号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の光半導体装置においては、遮光板と絶縁基体との間に位置ずれが生じやすいため、絶縁基体に載置、固定された光半導体素子と遮光板との間に隙間が生じ、光半導体装置内の光半導体素子に外部より入射する光の一部がその隙間を通過し、光半導体素子の側面や光半導体素子の下面を固定するための接着剤等で反射し、さらにその反射光が光半導体装置内部で乱反射し、その結果、光半導体素子の受光部に余分な光が入り込んで光半導体素子が正常に作動しない場合があるという問題があった。
【0011】
このような問題があることから、例えばラインセンサーを気密封止して成る光半導体装置をスキャナーやプリンター,バーコードリーダー等に組み込んだ場合、光半導体装置の内部で乱反射光が発生し、ラインセンサーによる検知に誤作動が生じるといった問題点が発生していた。
【0012】
またこの場合、光半導体装置の構造が複雑になり、製造工程が増加するとともに製造の作業性が悪くなり、小型化やコストダウンが行なえないという問題点があった。
【0013】
また、このような従来の光半導体装置は、セラミックス等から成る絶縁基体の寸法精度にばらつきが生じやすいため、外部の回路基板に実装するときの位置合わせの精度をあまり高くすることができないという問題があった。例えば、光半導体素子がラインセンサーの場合、非常に細長い長方形状であるため、わずかな位置ずれであっても、ラインセンサーの両端部でのずれが非常に大きなものとなり、光半導体装置として正確に光を検知、機能させることができなくなってしまう。
【0014】
また、このような従来の光半導体装置は、セラミックス等から成る絶縁基体にガラス板等から成る蓋体を直接取着した構造であるため、光半導体装置を外部の回路基板に実装する際のリフロー等の熱処理のときに大きな熱応力が絶縁基体と蓋体との間で生じやすく、この熱応力により気密封止の信頼性が低下しやすいという問題もあった。
【0015】
従って、本発明は上記従来の問題に鑑みて完成されたものであり、その目的は、光半導体装置内部で外光の入射による乱反射光が発生するのを抑制して光半導体素子の受光部に乱反射光が入り込むのを防いで光半導体装置の受光特性を良好なものとするとともに、光半導体装置の小型化やコストダウンを達成することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の光半導体装置は、上面の中央部に光半導体素子の載置部を有する長方形状の絶縁基体と、該絶縁基体の前記上面の外周部に前記載置部を取り囲むように接合された長方形状の遮光性の枠体と、前記載置部に載置された、上面の中央部に受光部を有する光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備しており、前記枠体は、互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、前記光半導体素子の受光部に沿って張り出し部が形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の光半導体装置によれば、枠体の互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、光半導体素子の受光部に沿って張り出し部が形成されており、張り出し部は枠体と一体であることから、光半導体装置内で張り出し部が光半導体素子に対して位置ずれしにくく、高い位置精度および寸法精度で遮光部としての張り出し部を形成することができる。また、光半導体素子と遮光部との間に生じる隙間を非常に小さくすることができ、光半導体装置内での光の乱反射を効果的に抑えることができる。
【0018】
また、張り出し部が遮光部となっているので別体の遮光板を取着する必要もなくなり、その結果、製造工程が簡略化されて光半導体装置を歩留まり良く低コストで製造できる。
【0019】
また、本発明の光半導体装置は、蓋体と絶縁基体とが遮光性の枠体を介して接合されているため、光半導体装置を外部の回路基板に実装する際のリフロー等の熱処理のときに生じる熱応力を枠体により効果的に吸収、緩和することができる。また、枠体に一体に形成された張り出し部の上面に蓋体を接合できるので、小型の光半導体装置の場合にも蓋体と枠体との接合面積を大きく取ることができ、蓋体と枠体とを強固に接合できる。このため、絶縁基体と蓋体との接合を長期にわたって確保し、気密封止の信頼性を優れたものとすることができる。
【0020】
さらに、本発明の半導体装置は、例えば、樹脂製の枠体を用いるとともに枠体の外面を絶縁基体の側面よりも外側に張り出させることにより、成形時の寸法精度に優れた樹脂成形品から成る枠体を位置合わせの基準とすることができるため、光半導体装置を外部の回路基板に高精度に位置合わせして実装することもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の光半導体装置について以下に詳細に説明する。図1、図2は、それぞれ本発明の光半導体装置の平面図、断面図である。これらの図において、1は絶縁基体、2aは絶縁基体1と枠体3とを接合する接合材、2bは枠体3と蓋体4とを接合する接合材、2cは絶縁基体1と光半導体素子5とを接合する接合材、3は枠体、4は蓋体、5は光半導体素子である。これらの絶縁基体1,枠体3,蓋体4および光半導体素子5により、光半導体装置6が主に構成される。
【0022】
本発明の光半導体装置6は、上面の中央部に光半導体素子5の載置部を有する長方形状の絶縁基体1と、絶縁基体1の上面の外周部に載置部を取り囲むように接合された長方形状の遮光性の枠体3と、載置部に載置された、上面の中央部に受光部を有する光半導体素子5と、枠体3の上面に接合された蓋体4とを具備し、枠体3は、互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、光半導体素子5の受光部に沿って張り出し部3aが形成されているものである。
【0023】
本発明における絶縁基体1は、アルミナ(Al2O3)質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,炭化珪素(SiC)質焼結体,窒化珪素(Si3N4)質焼結体,ガラスセラミックス等の焼結体(セラミックス)からなる。絶縁基体1が、例えば、アルミナ(Al2O3)質焼結体からなる場合、酸化アルミニウム,酸化珪素等の原料粉末を有機バインダー,溶剤等と混合して得た泥漿物を作製し、この泥漿物を用いてシート状に成形して得たグリーンシートを必要に応じて複数枚上下に積層した後、焼成することにより形成される。
【0024】
絶縁基体1は、上面の中央部に光半導体素子5の載置部を有し、この載置部に光半導体素子5が載置されて接合材2cにより接着固定される。絶縁基体1の上面のうち載置部の周囲には、光半導体素子5に電気的に接続される電極パッド1aが形成されている。例えば、光半導体素子5がラインセンサーの場合、図1に示すように光半導体素子5は細長い長方形状であり、上面の中央部に長い受光部が形成されているとともに両端部に電極が形成された構成である。そして、この電極に対応した電極パッド1aは、枠体3の内側の絶縁基体1の上面の両端に近い部位に偏って形成されている。
【0025】
絶縁基体1の上面の外周部には、載置部を取り囲むように長方形状の遮光性の枠体3が紫外線硬化性の樹脂等から成る接合材2aを介して接合されている。この遮光性の枠体3は、光半導体装置6の内部に余分な光が入り込むのを遮り、光半導体素子5が正常な光のみを受光できるようにするためのものである。
【0026】
この枠体3は、例えば、アルミナセラミックス、ムライト(3Al2O3・2SiO2)セラミックス等のセラミック材料やガラスセラミック材料等の無機材料、または四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)、四ふっ化エチレン、エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂:ETFE)、四ふっ化エチレン、パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂:PFA)等のフッ素樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ビスマレイドトリアジン樹脂、ポリイミド等の樹脂材料によって形成される。
【0027】
そして、枠体3は、遮光性を付与するために顔料や染料が混入されることによって、黒色、黒灰色、茶色、褐色、黒褐色、濃緑色、濃青色、青緑色、濃紫色、暗赤色等の暗色系に着色されているのがよく、特に黒色などの極暗色系が好ましい。
【0028】
この枠体3の上面には蓋体4が紫外線硬化性の樹脂等からなる接合材2bを介して接合されており、絶縁基体1、枠体3および蓋体4により形成される容器の内部に光半導体素子5が気密封止される。蓋体4は、光半導体素子5を気密封止するとともに光半導体素子5の受光部に外部の光を受光させる機能を有している。このため、蓋体4は、全体が透光性の部材で形成されているか、または少なくとも受光部に対応した部分を透光性とした、いわゆる窓状の部材により形成されている。そして、蓋体4は、高い光透過率、製造のし易さ、化学的安定性、強度等の点で、ソーダガラス等のガラス、プラスチック、サファイア(単結晶アルミナ)、石英等から成るのが好ましい。
【0029】
光半導体素子5は、PD,ラインセンサー,イメージセンサー,CCD(Charge Coupled Device),EPROM(Erasable Programmable ROM)等の固体撮像素子、またはこれらの画像撮像部を有する光半導体素子5から成るものである。この光半導体素子5は、ボンディング装置によって光半導体素子5の電極と絶縁基体1の電極パッド1aとがAu,Al等からなるボンディングワイヤ(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0030】
本発明において、枠体3は、互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに光半導体素子5の受光部に沿って張り出し部3aが設けられている。この張り出し部3aは、光半導体装置6を上方からみた際に光半導体素子5の受光部のみを露出させるようにすることができるため、蓋体4を通って光半導体装置6内部に入射しようとする光のうち光半導体素子5の受光部に受光されない余分な光が光半導体装置6内部に入り込むのを防止することができる。この張り出し部3aは、例えば、枠体3をアルミナセラミックスや樹脂等で形成する際に、その内面の上側が光半導体装置の内側に張り出すように一体に形成することによって形成される。
【0031】
この張り出し部3aを設けることにより、蓋体4の上方から光半導体装置6内に入射する光は、載置部を挟んだ両側の張り出し部3aの間の開口を経て受光部にほとんど全部が入射し、受光部の周辺には入射しないこととなる。これにより、光半導体装置6内部に余分な光が入射して乱反射することは効果的に防止され、正確に光を光半導体素子5に受光させることができる。その結果、例えば光半導体素子5がランセンサーから成る場合、正確な光の検知が可能となる。また、光半導体素子5がCCD等の撮像素子である場合、受光画像の歪みを大幅に抑えることができる。
【0032】
また、張り出し部3aは枠体3に一体に形成されていることから、張り出し部3aが光半導体装置6内で光半導体素子5に対して位置ずれすることがほとんどなく、張り出し部3aの位置精度および寸法精度を高くすることができる。これにより、光半導体装置6内での光の乱反射を効果的に抑制することができる。
【0033】
また、従来のように別体の遮光板等を絶縁基体1の凹部内に接着する必要もないので、製造工程が簡略化されて光半導体装置6を高い歩留まりで容易かつ低コストで製造することができる。
【0034】
さらに、枠体3の上面は張り出し部3aの上面を含む広いものとなるため、枠体3の上面に蓋体4を強固に接合することができる。その結果、光半導体装置6が小型化された場合でも、蓋体4と枠体3との接合面積を大きく取ることができ、蓋体4と枠体3とが強固に接合された、接合および気密の信頼性に優れた小型の光半導体装置6となる。したがって、枠体3の上面と張り出し部3aの上面とは面一になっていることが好ましい。
【0035】
このような張り出し部3aは、枠体3が樹脂から成る場合、枠体3に張り出し部3aが形成されるような金型を用いて樹脂を成型する方法を用いて作製することができる。
【0036】
また張り出し部3aは、その対向する長辺側の内面の間に光半導体素子5の上面の受光部と略同じ形状の開口を形成するような大きさである。なお、この場合の略同じ形状とは、受光部と張り出し部3aによって形成される開口とが同じ形状であるか、または張り出し部3aによって形成される開口が受光部よりもわずかに大きくなるような形状である。開口が受光部よりも小さくなると、必要な光が受光部に届きにくくなり、例えば光半導体素子5がラインセンサーである場合、光の正常な検知を行えなくなるおそれがある。
【0037】
また、張り出し部3aは、光を吸収し遮断するために黒色、褐色、濃紺色等の暗色系の色が好ましい。また、枠体3および張り出し部3aが白色である場合、張り出し部3aの下面および枠体3の内面に黒色等の暗色系の樹脂等から成るコーティング(遮光膜)を形成してもよい。
【0038】
本発明の光半導体装置6は、枠体3を介して絶縁基体1と蓋体4とが接合されていることから、光半導体装置6を外部の回路基板に実装する際のリフロー等の熱処理の際に生じる熱応力を、枠体3により効果的に吸収、緩和することができる。また、枠体3に一体に形成された張り出し部3aの上面に蓋体4を接合できるので、小型の光半導体装置6の場合にも蓋体4と枠体3との接合面積を大きく取ることができ、蓋体4と枠体3とを強固に接合できる。このため、絶縁基体1と蓋体4との接合を長期にわたって確保し、気密封止の信頼性を優れたものとすることができる。
【0039】
熱応力の吸収を枠体3によって効果的に行なううえでは、枠体3は低弾性かつ靭性に優れた材料、例えば、四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)、四ふっ化エチレン、エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂:ETFE)、四ふっ化エチレン、パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂:PFA)等のフッ素樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ビスマレイドトリアジン樹脂、ポリイミド等の樹脂材料で形成することが好ましい。
【0040】
また本発明において、例えば、枠体3を上記の樹脂材料を成形用金型で成型して形成するとともに、枠体3の長辺側の外面を絶縁基体1の側面よりも外側に張り出させることにより、成型時の寸法精度に優れた樹脂成形品から成る枠体3を位置合わせの基準とすることができるため、光半導体装置6を外部の回路基板に高精度に位置合わせすることもできる。したがって、枠体3は、その外面、特に長辺側の外面が絶縁基体1の側面よりも外側に張り出すような寸法とすることが好ましい。
【0041】
また、このように張り出し部3aを絶縁基体1の側面より外側に張り出させる場合、張り出し部3aの絶縁基体1の側面より外側に張り出した部分の下面側を下方に延出し、この延出部で絶縁基体1の長辺側の側面を両側から挟みこむようにしてもよい。この場合、枠体3の絶縁基体1に対する位置合わせがより一層容易かつ確実なものとなる。また、枠体3を絶縁基体1により一層強固に接合させることができる。
【0042】
本発明において、張り出し部3aは、その下面が開口側が向かうに伴って薄くなるように傾斜していることが好ましい。これにより、張り出し部3aの下面が、光半導体素子5の電極と絶縁基体1の上面の電極パッド1aとを接続しているボンディングワイヤに接触しないようにして光半導体装置6を薄型化することができる。また、枠体3が電気的に絶縁性のものであれば、張り出し部3aにボンディングワイヤが接していてもよく、その場合さらなる薄型化が可能になる。
【0043】
また、本発明の光半導体装置6は、焼結体(セラミックス)から成る母基板に絶縁基体1となる基板領域を多数個配列形成しておき、各基板領域に枠体3および光半導体素子5を載置固定し、ボンディングワイヤにより光半導体素子5の電極と各基板領域の上面の電極パッドとの間の電気的な接続を行ない、蓋体4で封止して、多数個の光半導体装置6が配列形成された多数個取り基板を作製した後、この多数個取り基板をダイシング法等により個々の光半導体装置6に切断し分割することにより作製してもよい。その際、蓋体4としては、各基板領域を1個ずつ封止するものではなく、蓋体4となる領域が多数個配列形成された大型の母蓋体を用い、母基板の上面に母蓋体を接合することにより多数個の基板領域を一括して同時に気密封止し、これを切断し分割するようにしてもよい。
【0044】
また、絶縁基体1と枠体3、枠体3と蓋体4、および絶縁基体1と光半導体素子5とをそれぞれ接合する接合材2a,2b,2cは、常温下で紫外線照射により硬化する紫外線硬化性樹脂を用いるのがよく、この場合熱硬化性樹脂に比べ、硬化のための加熱工程が不要であるため、絶縁基体1と光半導体素子5との熱膨張係数の差に起因する反りが絶縁基体1に発生せず、検知精度の劣化や受光画像の歪みなどが発生しないため、より一層高い信頼性の光半導体装置6を作製することができる。
【0045】
さらに、枠体3と蓋体4との接合も紫外線硬化性樹脂2bによって行われるため、光半導体素子5を載置してから蓋体4を取り付けて封止するまで、オーブン等の中に長時間放置する必要がなくなる。その結果、光半導体装置6の内部にダスト、異物等の混入がなくなり、製造歩留まりを飛躍的に向上させ得る。
【0046】
また、エポキシ樹脂等の紫外線硬化性樹脂2bは、余分な外光の入射を遮断するために、上記のような樹脂に黒色,茶褐色,暗緑色,濃青色等の暗色系の顔料や染料を混入させてもよい。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何等差し支えない。
【0048】
【発明の効果】
本発明の光半導体装置によれば、枠体の互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、光半導体素子の受光部に沿って張り出し部が形成されており、張り出し部は枠体と一体であることから、光半導体装置内で張り出し部が光半導体素子に対して位置ずれしにくく、高い位置精度および寸法精度で遮光部としての張り出し部を形成することができる。また、光半導体素子と遮光部との間に生じる隙間を非常に小さくすることができ、光半導体装置内での光の乱反射を効果的に抑えることができる。
【0049】
また、張り出し部が遮光部となっているので別体の遮光板を取着する必要もなくなり、その結果、製造工程が簡略化されて光半導体装置を歩留まり良く低コストで製造できる。
【0050】
また、本発明の光半導体装置は、蓋体と絶縁基体とが遮光性の枠体を介して接合されているため、光半導体装置を外部の回路基板に実装する際のリフロー等の熱処理のときに生じる熱応力を枠体により効果的に吸収、緩和することができる。また、枠体に一体に形成された張り出し部の上面に蓋体を接合できるので、小型の光半導体装置の場合にも蓋体と枠体との接合面積を大きく取ることができ、蓋体と枠体とを強固に接合できる。このため、絶縁基体と蓋体との接合を長期にわたって確保し、気密封止の信頼性を優れたものとすることができる。
【0051】
さらに、本発明の半導体装置は、例えば、樹脂製の枠体を用いるとともに枠体の外面を絶縁基体の側面よりも外側に張り出させることにより、成形時の寸法精度に優れた樹脂成形品から成る枠体を位置合わせの基準とすることができるため、光半導体装置を外部の回路基板に高精度に位置合わせして実装することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体装置の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1の光半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基体
2a,2b,2c:紫外線硬化性樹脂
3:枠体
3a:張り出し部
4:蓋体
5:光半導体素子
6:光半導体装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラインセンサー,フォトダイオード(PD),イメージセンサー等の固体撮像素子またはこれらの画像撮像部を有する光半導体素子を具備した光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラインセンサー,PD,イメージセンサー等の固体撮像素子またはこれらの画像撮像部を有する光半導体素子を具備した光半導体装置は、基本的に、光半導体素子と、光半導体素子を搭載し接着、固定するための絶縁基体と、光半導体素子を覆って封止するための蓋体とにより構成される。
【0003】
この絶縁基体は、通常、光半導体素子の形状に応じた四角形状等のセラミックス等から成り、例えば、光半導体素子がラインセンサーの場合であれば、細長い長方形状のラインセンサーを搭載するのに適した長方形状である。
【0004】
また、蓋体は、透明なガラス板等の、透光性の部材により形成され、絶縁基体に搭載された光半導体素子を覆うようにして絶縁基体に樹脂層等を介して接合、取着される。
【0005】
光半導体素子は、絶縁基体の上面の中央部に載置固定されており、光半導体素子の上面の中央部には受光部が、外周部には電極が設けられている。また、この光半導体素子の電極に対応するようにして、絶縁基体の上面には電極パッドが形成されている。
【0006】
これらの電極と電極パッドとは、Au,Al等からなるボンディングワイヤにより電気的に接続される。
【0007】
なお、絶縁基体の上面には、通常、光半導体素子を収容する凹部が形成されており、凹部の底面が光半導体素子の載置部として機能する。蓋体は、絶縁基体のうち、この凹部を取り囲む枠状部の上面に接合される。また、凹部の内側の、光半導体素子の上面よりも高い位置に、光半導体素子を囲むようにして、Feを主成分とするFe−Ni−Co合金等からなる遮光板が取着されており、光半導体装置内に余分な光が入射することを極力防止するようにしている。そして、絶縁基体の凹部と蓋体とからなる容器の内部に、光半導体素子が気密封止されることになる。
【0008】
このように光半導体素子が気密封止されて成る光半導体装置は、各種の光学機器に部品として実装されて使用される。例えば、光半導体素子がラインセンサーの場合であれば、スキャナーやプリンター,バーコードリーダー等の光学機器内の回路基板等に実装される。なお、このときの光半導体装置の回路基板等に対する位置合わせは、光半導体装置の外縁部を回路基板の所定位置に合わせることにより行われる。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−178168号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の光半導体装置においては、遮光板と絶縁基体との間に位置ずれが生じやすいため、絶縁基体に載置、固定された光半導体素子と遮光板との間に隙間が生じ、光半導体装置内の光半導体素子に外部より入射する光の一部がその隙間を通過し、光半導体素子の側面や光半導体素子の下面を固定するための接着剤等で反射し、さらにその反射光が光半導体装置内部で乱反射し、その結果、光半導体素子の受光部に余分な光が入り込んで光半導体素子が正常に作動しない場合があるという問題があった。
【0011】
このような問題があることから、例えばラインセンサーを気密封止して成る光半導体装置をスキャナーやプリンター,バーコードリーダー等に組み込んだ場合、光半導体装置の内部で乱反射光が発生し、ラインセンサーによる検知に誤作動が生じるといった問題点が発生していた。
【0012】
またこの場合、光半導体装置の構造が複雑になり、製造工程が増加するとともに製造の作業性が悪くなり、小型化やコストダウンが行なえないという問題点があった。
【0013】
また、このような従来の光半導体装置は、セラミックス等から成る絶縁基体の寸法精度にばらつきが生じやすいため、外部の回路基板に実装するときの位置合わせの精度をあまり高くすることができないという問題があった。例えば、光半導体素子がラインセンサーの場合、非常に細長い長方形状であるため、わずかな位置ずれであっても、ラインセンサーの両端部でのずれが非常に大きなものとなり、光半導体装置として正確に光を検知、機能させることができなくなってしまう。
【0014】
また、このような従来の光半導体装置は、セラミックス等から成る絶縁基体にガラス板等から成る蓋体を直接取着した構造であるため、光半導体装置を外部の回路基板に実装する際のリフロー等の熱処理のときに大きな熱応力が絶縁基体と蓋体との間で生じやすく、この熱応力により気密封止の信頼性が低下しやすいという問題もあった。
【0015】
従って、本発明は上記従来の問題に鑑みて完成されたものであり、その目的は、光半導体装置内部で外光の入射による乱反射光が発生するのを抑制して光半導体素子の受光部に乱反射光が入り込むのを防いで光半導体装置の受光特性を良好なものとするとともに、光半導体装置の小型化やコストダウンを達成することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の光半導体装置は、上面の中央部に光半導体素子の載置部を有する長方形状の絶縁基体と、該絶縁基体の前記上面の外周部に前記載置部を取り囲むように接合された長方形状の遮光性の枠体と、前記載置部に載置された、上面の中央部に受光部を有する光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備しており、前記枠体は、互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、前記光半導体素子の受光部に沿って張り出し部が形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の光半導体装置によれば、枠体の互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、光半導体素子の受光部に沿って張り出し部が形成されており、張り出し部は枠体と一体であることから、光半導体装置内で張り出し部が光半導体素子に対して位置ずれしにくく、高い位置精度および寸法精度で遮光部としての張り出し部を形成することができる。また、光半導体素子と遮光部との間に生じる隙間を非常に小さくすることができ、光半導体装置内での光の乱反射を効果的に抑えることができる。
【0018】
また、張り出し部が遮光部となっているので別体の遮光板を取着する必要もなくなり、その結果、製造工程が簡略化されて光半導体装置を歩留まり良く低コストで製造できる。
【0019】
また、本発明の光半導体装置は、蓋体と絶縁基体とが遮光性の枠体を介して接合されているため、光半導体装置を外部の回路基板に実装する際のリフロー等の熱処理のときに生じる熱応力を枠体により効果的に吸収、緩和することができる。また、枠体に一体に形成された張り出し部の上面に蓋体を接合できるので、小型の光半導体装置の場合にも蓋体と枠体との接合面積を大きく取ることができ、蓋体と枠体とを強固に接合できる。このため、絶縁基体と蓋体との接合を長期にわたって確保し、気密封止の信頼性を優れたものとすることができる。
【0020】
さらに、本発明の半導体装置は、例えば、樹脂製の枠体を用いるとともに枠体の外面を絶縁基体の側面よりも外側に張り出させることにより、成形時の寸法精度に優れた樹脂成形品から成る枠体を位置合わせの基準とすることができるため、光半導体装置を外部の回路基板に高精度に位置合わせして実装することもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の光半導体装置について以下に詳細に説明する。図1、図2は、それぞれ本発明の光半導体装置の平面図、断面図である。これらの図において、1は絶縁基体、2aは絶縁基体1と枠体3とを接合する接合材、2bは枠体3と蓋体4とを接合する接合材、2cは絶縁基体1と光半導体素子5とを接合する接合材、3は枠体、4は蓋体、5は光半導体素子である。これらの絶縁基体1,枠体3,蓋体4および光半導体素子5により、光半導体装置6が主に構成される。
【0022】
本発明の光半導体装置6は、上面の中央部に光半導体素子5の載置部を有する長方形状の絶縁基体1と、絶縁基体1の上面の外周部に載置部を取り囲むように接合された長方形状の遮光性の枠体3と、載置部に載置された、上面の中央部に受光部を有する光半導体素子5と、枠体3の上面に接合された蓋体4とを具備し、枠体3は、互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、光半導体素子5の受光部に沿って張り出し部3aが形成されているものである。
【0023】
本発明における絶縁基体1は、アルミナ(Al2O3)質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,炭化珪素(SiC)質焼結体,窒化珪素(Si3N4)質焼結体,ガラスセラミックス等の焼結体(セラミックス)からなる。絶縁基体1が、例えば、アルミナ(Al2O3)質焼結体からなる場合、酸化アルミニウム,酸化珪素等の原料粉末を有機バインダー,溶剤等と混合して得た泥漿物を作製し、この泥漿物を用いてシート状に成形して得たグリーンシートを必要に応じて複数枚上下に積層した後、焼成することにより形成される。
【0024】
絶縁基体1は、上面の中央部に光半導体素子5の載置部を有し、この載置部に光半導体素子5が載置されて接合材2cにより接着固定される。絶縁基体1の上面のうち載置部の周囲には、光半導体素子5に電気的に接続される電極パッド1aが形成されている。例えば、光半導体素子5がラインセンサーの場合、図1に示すように光半導体素子5は細長い長方形状であり、上面の中央部に長い受光部が形成されているとともに両端部に電極が形成された構成である。そして、この電極に対応した電極パッド1aは、枠体3の内側の絶縁基体1の上面の両端に近い部位に偏って形成されている。
【0025】
絶縁基体1の上面の外周部には、載置部を取り囲むように長方形状の遮光性の枠体3が紫外線硬化性の樹脂等から成る接合材2aを介して接合されている。この遮光性の枠体3は、光半導体装置6の内部に余分な光が入り込むのを遮り、光半導体素子5が正常な光のみを受光できるようにするためのものである。
【0026】
この枠体3は、例えば、アルミナセラミックス、ムライト(3Al2O3・2SiO2)セラミックス等のセラミック材料やガラスセラミック材料等の無機材料、または四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)、四ふっ化エチレン、エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂:ETFE)、四ふっ化エチレン、パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂:PFA)等のフッ素樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ビスマレイドトリアジン樹脂、ポリイミド等の樹脂材料によって形成される。
【0027】
そして、枠体3は、遮光性を付与するために顔料や染料が混入されることによって、黒色、黒灰色、茶色、褐色、黒褐色、濃緑色、濃青色、青緑色、濃紫色、暗赤色等の暗色系に着色されているのがよく、特に黒色などの極暗色系が好ましい。
【0028】
この枠体3の上面には蓋体4が紫外線硬化性の樹脂等からなる接合材2bを介して接合されており、絶縁基体1、枠体3および蓋体4により形成される容器の内部に光半導体素子5が気密封止される。蓋体4は、光半導体素子5を気密封止するとともに光半導体素子5の受光部に外部の光を受光させる機能を有している。このため、蓋体4は、全体が透光性の部材で形成されているか、または少なくとも受光部に対応した部分を透光性とした、いわゆる窓状の部材により形成されている。そして、蓋体4は、高い光透過率、製造のし易さ、化学的安定性、強度等の点で、ソーダガラス等のガラス、プラスチック、サファイア(単結晶アルミナ)、石英等から成るのが好ましい。
【0029】
光半導体素子5は、PD,ラインセンサー,イメージセンサー,CCD(Charge Coupled Device),EPROM(Erasable Programmable ROM)等の固体撮像素子、またはこれらの画像撮像部を有する光半導体素子5から成るものである。この光半導体素子5は、ボンディング装置によって光半導体素子5の電極と絶縁基体1の電極パッド1aとがAu,Al等からなるボンディングワイヤ(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0030】
本発明において、枠体3は、互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに光半導体素子5の受光部に沿って張り出し部3aが設けられている。この張り出し部3aは、光半導体装置6を上方からみた際に光半導体素子5の受光部のみを露出させるようにすることができるため、蓋体4を通って光半導体装置6内部に入射しようとする光のうち光半導体素子5の受光部に受光されない余分な光が光半導体装置6内部に入り込むのを防止することができる。この張り出し部3aは、例えば、枠体3をアルミナセラミックスや樹脂等で形成する際に、その内面の上側が光半導体装置の内側に張り出すように一体に形成することによって形成される。
【0031】
この張り出し部3aを設けることにより、蓋体4の上方から光半導体装置6内に入射する光は、載置部を挟んだ両側の張り出し部3aの間の開口を経て受光部にほとんど全部が入射し、受光部の周辺には入射しないこととなる。これにより、光半導体装置6内部に余分な光が入射して乱反射することは効果的に防止され、正確に光を光半導体素子5に受光させることができる。その結果、例えば光半導体素子5がランセンサーから成る場合、正確な光の検知が可能となる。また、光半導体素子5がCCD等の撮像素子である場合、受光画像の歪みを大幅に抑えることができる。
【0032】
また、張り出し部3aは枠体3に一体に形成されていることから、張り出し部3aが光半導体装置6内で光半導体素子5に対して位置ずれすることがほとんどなく、張り出し部3aの位置精度および寸法精度を高くすることができる。これにより、光半導体装置6内での光の乱反射を効果的に抑制することができる。
【0033】
また、従来のように別体の遮光板等を絶縁基体1の凹部内に接着する必要もないので、製造工程が簡略化されて光半導体装置6を高い歩留まりで容易かつ低コストで製造することができる。
【0034】
さらに、枠体3の上面は張り出し部3aの上面を含む広いものとなるため、枠体3の上面に蓋体4を強固に接合することができる。その結果、光半導体装置6が小型化された場合でも、蓋体4と枠体3との接合面積を大きく取ることができ、蓋体4と枠体3とが強固に接合された、接合および気密の信頼性に優れた小型の光半導体装置6となる。したがって、枠体3の上面と張り出し部3aの上面とは面一になっていることが好ましい。
【0035】
このような張り出し部3aは、枠体3が樹脂から成る場合、枠体3に張り出し部3aが形成されるような金型を用いて樹脂を成型する方法を用いて作製することができる。
【0036】
また張り出し部3aは、その対向する長辺側の内面の間に光半導体素子5の上面の受光部と略同じ形状の開口を形成するような大きさである。なお、この場合の略同じ形状とは、受光部と張り出し部3aによって形成される開口とが同じ形状であるか、または張り出し部3aによって形成される開口が受光部よりもわずかに大きくなるような形状である。開口が受光部よりも小さくなると、必要な光が受光部に届きにくくなり、例えば光半導体素子5がラインセンサーである場合、光の正常な検知を行えなくなるおそれがある。
【0037】
また、張り出し部3aは、光を吸収し遮断するために黒色、褐色、濃紺色等の暗色系の色が好ましい。また、枠体3および張り出し部3aが白色である場合、張り出し部3aの下面および枠体3の内面に黒色等の暗色系の樹脂等から成るコーティング(遮光膜)を形成してもよい。
【0038】
本発明の光半導体装置6は、枠体3を介して絶縁基体1と蓋体4とが接合されていることから、光半導体装置6を外部の回路基板に実装する際のリフロー等の熱処理の際に生じる熱応力を、枠体3により効果的に吸収、緩和することができる。また、枠体3に一体に形成された張り出し部3aの上面に蓋体4を接合できるので、小型の光半導体装置6の場合にも蓋体4と枠体3との接合面積を大きく取ることができ、蓋体4と枠体3とを強固に接合できる。このため、絶縁基体1と蓋体4との接合を長期にわたって確保し、気密封止の信頼性を優れたものとすることができる。
【0039】
熱応力の吸収を枠体3によって効果的に行なううえでは、枠体3は低弾性かつ靭性に優れた材料、例えば、四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)、四ふっ化エチレン、エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂:ETFE)、四ふっ化エチレン、パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂:PFA)等のフッ素樹脂、ガラスエポキシ樹脂、ビスマレイドトリアジン樹脂、ポリイミド等の樹脂材料で形成することが好ましい。
【0040】
また本発明において、例えば、枠体3を上記の樹脂材料を成形用金型で成型して形成するとともに、枠体3の長辺側の外面を絶縁基体1の側面よりも外側に張り出させることにより、成型時の寸法精度に優れた樹脂成形品から成る枠体3を位置合わせの基準とすることができるため、光半導体装置6を外部の回路基板に高精度に位置合わせすることもできる。したがって、枠体3は、その外面、特に長辺側の外面が絶縁基体1の側面よりも外側に張り出すような寸法とすることが好ましい。
【0041】
また、このように張り出し部3aを絶縁基体1の側面より外側に張り出させる場合、張り出し部3aの絶縁基体1の側面より外側に張り出した部分の下面側を下方に延出し、この延出部で絶縁基体1の長辺側の側面を両側から挟みこむようにしてもよい。この場合、枠体3の絶縁基体1に対する位置合わせがより一層容易かつ確実なものとなる。また、枠体3を絶縁基体1により一層強固に接合させることができる。
【0042】
本発明において、張り出し部3aは、その下面が開口側が向かうに伴って薄くなるように傾斜していることが好ましい。これにより、張り出し部3aの下面が、光半導体素子5の電極と絶縁基体1の上面の電極パッド1aとを接続しているボンディングワイヤに接触しないようにして光半導体装置6を薄型化することができる。また、枠体3が電気的に絶縁性のものであれば、張り出し部3aにボンディングワイヤが接していてもよく、その場合さらなる薄型化が可能になる。
【0043】
また、本発明の光半導体装置6は、焼結体(セラミックス)から成る母基板に絶縁基体1となる基板領域を多数個配列形成しておき、各基板領域に枠体3および光半導体素子5を載置固定し、ボンディングワイヤにより光半導体素子5の電極と各基板領域の上面の電極パッドとの間の電気的な接続を行ない、蓋体4で封止して、多数個の光半導体装置6が配列形成された多数個取り基板を作製した後、この多数個取り基板をダイシング法等により個々の光半導体装置6に切断し分割することにより作製してもよい。その際、蓋体4としては、各基板領域を1個ずつ封止するものではなく、蓋体4となる領域が多数個配列形成された大型の母蓋体を用い、母基板の上面に母蓋体を接合することにより多数個の基板領域を一括して同時に気密封止し、これを切断し分割するようにしてもよい。
【0044】
また、絶縁基体1と枠体3、枠体3と蓋体4、および絶縁基体1と光半導体素子5とをそれぞれ接合する接合材2a,2b,2cは、常温下で紫外線照射により硬化する紫外線硬化性樹脂を用いるのがよく、この場合熱硬化性樹脂に比べ、硬化のための加熱工程が不要であるため、絶縁基体1と光半導体素子5との熱膨張係数の差に起因する反りが絶縁基体1に発生せず、検知精度の劣化や受光画像の歪みなどが発生しないため、より一層高い信頼性の光半導体装置6を作製することができる。
【0045】
さらに、枠体3と蓋体4との接合も紫外線硬化性樹脂2bによって行われるため、光半導体素子5を載置してから蓋体4を取り付けて封止するまで、オーブン等の中に長時間放置する必要がなくなる。その結果、光半導体装置6の内部にダスト、異物等の混入がなくなり、製造歩留まりを飛躍的に向上させ得る。
【0046】
また、エポキシ樹脂等の紫外線硬化性樹脂2bは、余分な外光の入射を遮断するために、上記のような樹脂に黒色,茶褐色,暗緑色,濃青色等の暗色系の顔料や染料を混入させてもよい。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何等差し支えない。
【0048】
【発明の効果】
本発明の光半導体装置によれば、枠体の互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、光半導体素子の受光部に沿って張り出し部が形成されており、張り出し部は枠体と一体であることから、光半導体装置内で張り出し部が光半導体素子に対して位置ずれしにくく、高い位置精度および寸法精度で遮光部としての張り出し部を形成することができる。また、光半導体素子と遮光部との間に生じる隙間を非常に小さくすることができ、光半導体装置内での光の乱反射を効果的に抑えることができる。
【0049】
また、張り出し部が遮光部となっているので別体の遮光板を取着する必要もなくなり、その結果、製造工程が簡略化されて光半導体装置を歩留まり良く低コストで製造できる。
【0050】
また、本発明の光半導体装置は、蓋体と絶縁基体とが遮光性の枠体を介して接合されているため、光半導体装置を外部の回路基板に実装する際のリフロー等の熱処理のときに生じる熱応力を枠体により効果的に吸収、緩和することができる。また、枠体に一体に形成された張り出し部の上面に蓋体を接合できるので、小型の光半導体装置の場合にも蓋体と枠体との接合面積を大きく取ることができ、蓋体と枠体とを強固に接合できる。このため、絶縁基体と蓋体との接合を長期にわたって確保し、気密封止の信頼性を優れたものとすることができる。
【0051】
さらに、本発明の半導体装置は、例えば、樹脂製の枠体を用いるとともに枠体の外面を絶縁基体の側面よりも外側に張り出させることにより、成形時の寸法精度に優れた樹脂成形品から成る枠体を位置合わせの基準とすることができるため、光半導体装置を外部の回路基板に高精度に位置合わせして実装することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体装置の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1の光半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基体
2a,2b,2c:紫外線硬化性樹脂
3:枠体
3a:張り出し部
4:蓋体
5:光半導体素子
6:光半導体装置
Claims (1)
- 上面の中央部に光半導体素子の載置部を有する長方形状の絶縁基体と、該絶縁基体の前記上面の外周部に前記載置部を取り囲むように接合された長方形状の遮光性の枠体と、前記載置部に載置された、上面の中央部に受光部を有する光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備しており、前記枠体は、互いに対向する長辺側の内面のそれぞれに、前記光半導体素子の受光部に沿って張り出し部が形成されていることを特徴とする光半導体装置。
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