JP2004356201A - 信頼性に優れた極細線プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリント配線板のスルーホールへの樹脂充填が良好で、反り・捻れが良好で、表面平滑性に優れ、吸湿耐熱性、信頼性に優れた永久保護皮膜を有するプリント配線板を得る。
【解決手段】プリント配線板の表面に形成する永久保護皮膜形成方法において、UV選択熱硬化型レジストの代わりに金属箔或いは離型フィルム付きBステージ熱硬化型樹脂組成物を積層或いはラミネートして硬化させて回路高さより少し高い樹脂層を形成後、この表面を厚さ方向に研削して導体回路を表面に露出してから貴金属メッキを行って永久保護皮膜としたプリント配線板とする。又、熱硬化型樹脂組成物として多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を用いる。
【効果】プリント配線板のスルーホールへの樹脂充填性に優れ、反り・捻れも極めて小さく、表面平滑性に極めて優れ、吸湿後の耐熱性、信頼性に優れた永久保護皮膜付きプリント配線板用を作製することができた。
【解決手段】プリント配線板の表面に形成する永久保護皮膜形成方法において、UV選択熱硬化型レジストの代わりに金属箔或いは離型フィルム付きBステージ熱硬化型樹脂組成物を積層或いはラミネートして硬化させて回路高さより少し高い樹脂層を形成後、この表面を厚さ方向に研削して導体回路を表面に露出してから貴金属メッキを行って永久保護皮膜としたプリント配線板とする。又、熱硬化型樹脂組成物として多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を用いる。
【効果】プリント配線板のスルーホールへの樹脂充填性に優れ、反り・捻れも極めて小さく、表面平滑性に極めて優れ、吸湿後の耐熱性、信頼性に優れた永久保護皮膜付きプリント配線板用を作製することができた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、導体幅50μm以下、更には30μm以下の極細線を有するプリント配線板を作製する方法に関し、得られた高密度プリント配線板は、フリップチップ搭載等の半導体プラスチックパッケージ等の小型、軽量の高密度プリント配線板として使用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、ますます小型、薄型、軽量化する電子機器において、高密度のプリント配線板が使用されるようになってきている。このプリント配線板は、従来貴金属メッキを行う場合に、スクリーン印刷法で表面の永久保護皮膜を形成していたが、この印刷法では細密な回路を有するプリント配線板では印刷による位置精度が悪く、問題があるために、近年はUV選択熱硬化型レジストが多く使用されている。しかしながら、このUV選択熱硬化型レジストは、露光、現像等を行うために多くのアクリル系樹脂、不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂、脱泡剤、レベリング剤、光重合開始剤等を添加しており(例えば、特許文献1〜3参照)、特性上、信頼性上は熱硬化型レジストには及ばないものであった。又、塗布し、乾燥して得られる従来の溶剤タイプのUVレジストは、導体回路に追随した表面の凹凸があるために、乾燥後に表面の凹凸が大きく、特にフリップチップ搭載時の問題が見られた。加えて、溶剤タイプのものは、プリント配線板にあけたスルーホールの充填を行うために、溶剤が飛散した場合にスルーホール内に気泡が残る、そのために2度塗りが必要等の欠点が見られ、不良率もかなり大きいものであった。又、極細線回路を形成する方法は、アディティブ法が知られているが、この極細線回路間のUVレジストは上記のUV選択熱硬化型レジストであり、回路間の耐マイグレーション性等の絶縁信頼性に劣り、高密度プリント配線板として使用困難であった。
【0003】
【特許文献1】特開2002−357896号公報
【特許文献2】特開2002−357895号公報
【特許文献3】特開2002−357900号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の問題点を解決した、表面平滑性に優れ、更には特性、信頼性等にも優れた永久保護皮膜の形成された極細線プリント配線板の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明が解決するための手段】
本発明は、導体幅50μm以下の極細線を形成した後、UV選択熱硬化型レジストの代わりに、このプリント配線板の上に、その極細線の高さより高い熱硬化性樹脂組成物層、好適には多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を形成し、硬化後に表面の樹脂組成物を研削して極細線が露出する高さまで平面的に削り、樹脂組成物及び極細線の高さを同一とした後、貴金属メッキを施すことにより、表面平滑で、耐熱性が高く、耐マイグレーション性等の信頼性に優れた極細線を有するプリント配線板を製造できた。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の極細線を有するプリント配線板の上に形成する熱硬化性樹脂組成物の樹脂としては一般に公知のものが使用できる。具体的には一般に公知の各種エポキシ樹脂、多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性シアン酸エステルー多官能性マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、2重結合付加ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂等が1種或いは2種以上組み合わせて使用される。しかしながら、ますます狭くなる導体回路間の耐マイグレーション性等の信頼性の点からは、多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を必須成分とした熱硬化性樹脂組成物が好適に使用される。
【0007】
本発明の好適な熱硬化性樹脂としての多官能性シアン酸エステル化合物は、一般に公知のものが使用される。具体的には、分子内に2個以上のシアナト基を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3−又は1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−又は2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4−ジシアナトビフェニル、ビス(4−ジシアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモー4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4−シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類等である。
【0008】
これらのほかに特公昭41−1928、同43−18468、同44−4791、同45−11712、同46−41112、同47−26853及び特開昭51−63149等に記載の多官能性シアン酸エステル化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合させることにより得られる。この樹脂中には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレポリマーとの混合物の形態をしており、このような原料は本発明の用途に好適に使用される。分子内に臭素、リン等が含有されるものも使用できる。これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使用され、一般には可溶な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0009】
エポキシ樹脂としては、特に限定はなく、一般に公知のものが使用できる。例えばビスフェノールA型ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が1種或いは2種以上組み合わせて使用される。これらのリン含有、臭素含有物も使用できる。これらのエポキシ樹脂は上記多官能性シアン酸エステル類と組み合わせて好適に使用できる。これらも好ましくは、可溶な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0010】
有機溶剤として使用されるものは特に限定はないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられ、これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0011】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて上記以外の種々の添加物を配合することができる。これらの添加物としては、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂等、更にこれらの公知の臭素化物、リン含有化合物等の各種樹脂類、公知の上記以外の無機、有機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて用いられる。必要により、反応基を有する化合物は公知の硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0012】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それ自体は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済性等に劣るため使用した硬化性樹脂に対して公知の硬化触媒を用いる。使用量は、それぞれの硬化性樹脂100重量部に対し、0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
【0013】
本発明で使用する金属箔は特に限定はないが、例えば銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、スズ箔或いはこれらの合金箔が使用され得る。この金属箔表面は特に凹凸がなくても良く、熱硬化性樹脂組成物が付着するものであれば良い。厚みは特に限定はなく、加工後に除去するために、好適には7〜12μmを使用する。
【0014】
本発明で使用する離型フィルムは特に限定はないが、積層成形時に溶融しない融点を有するものが選択使用される。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル等、公知の耐熱性を有するフィルムが使用される。
【0015】
本発明の各成分を均一に分散する方法は、一般に公知の方法が使用され得る。例えば、各成分を溶剤に溶解して配合し、ホモミキサ−等で攪拌混合する方法、三本ロールにて、室温或いは加熱下に混練するか、ボールミル、ライカイ機等、一般に公知の方法が使用される。
【0016】
本発明の金属箔付き熱硬化性樹脂組成物の作製方法は特に限定はなく、一般に公知の方法が使用され得る。塗布する熱硬化性樹脂組成物は、無溶剤、溶剤入りいずれでも良い。Bステージ樹脂組成物は金属箔上に直接ロール等で塗布、乾燥してBステージ化する方法、まず離型フィルムの片面にロールコーター等で塗布、乾燥してBステージ樹脂組成物シートとしてから、加熱、加圧下にラミネート接着して一体化して作製する方法等がある。又、離型フィルムの片面に熱硬化性樹脂組成物層を付着する方法も特に限定はなく、同様にロール等で直接塗布、乾燥してBステージ樹脂組成物シートとする方法等が挙げられる。熱硬化性脂組成物層の厚みは特に限定はないが、導体回路の厚さ、残存率等により適宜選択し、回路間を埋め込んだ後に、樹脂組成物高さが少し導体回路より高ければ良い。好適には1〜20μm高めに形成する。
【0017】
本発明の熱硬化性樹脂組成物はワニス或いは無溶剤で作製した熱硬化性樹脂組成物を細密回路を形成したプリント配線板の上に導体回路高さより高くなるように塗布、乾燥して樹脂組成物層を形成し、その後に研削して導体回路と熱硬化性樹脂組成物を同一高さとすることも可能である。研削する方法はバフ研磨等の機械的研削により極細線が露出する高さまで平面的に削る。これは導体回路表面が平滑になるために、貴金属メッキ後のフリップチップ接続において、接続不良の無いものが得られる。しかしながら、プリント配線板にスルーホールがある場合、無溶剤のものが好ましい。また、貴金属メッキが施された部分は、部品等を搭載した後、封止樹脂等により表面を覆うことが好ましい。
【0018】
本発明で用いるプリント配線板は、特に限定はなく、アディティブ法、サブトラクティブ法等、一般に公知の方法で作製されたプリント配線板が使用され得る。基材はあっても無くても良く、例えば有機或いは無機繊維布基材補強板、有機フィルム基材板等、一般に公知のものが使用できる。好適には多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を用いたプリント配線板が使用される。この導体回路表面は公知の表面処理が施されたものが好適に使用される。具体的には、黒色酸化銅処理等の化学表面処理、メック社のCZ8100+CE8300等の各種化学処理が施されたものが好適に使用される。
【0019】
極細線回路の作製方法は特に限定はなく、サブトラクティブ法、アディティブ法等で形成され、導体回路幅は50μm以下の細密回路に対して、その導体回路間の耐マイグレーション性等の電気絶縁信頼性を保持するために本発明で提供する樹脂組成物、特に多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物を用いるのが好適である。
【0020】
本発明の金属箔或いは離型フィルムに付着したBステージ熱硬化性樹脂組成物を極細線を有するプリント配線板上に形成する方法は特に限定はないが、例えばプレス装置に仕込んで、真空下に最初は低圧にして加熱して熱硬化性樹脂組成物を溶融させて回路間に流し込み、徐々に圧力を上げて成形し、熱硬化して表面平滑な樹脂組成物層を形成する。その後に表層の金属箔或いは離型フィルムを除去し、表面を研削して表面平滑なプリント配線板とする。その後にニッケルメッキ、金メッキを施してプリント配線板とする。本発明の多層化する際の積層成形条件は、特に限定はないが、一般には温度60〜250℃、圧力2〜50kgf/cm2 、時間は0.5〜3時間である。又、真空下に積層成形するのが好ましい。装置は真空ラミネータプレス、一般の多段プレス等、公知のものが使用できる。又、温度60〜200℃、線圧0.5〜50kgf./cmにて真空ラミネート接着し、その後加熱炉にて後硬化させる方法でプリント配線板の上に形成される。
【0021】
【実施例】
以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表す。
(実施例1)
2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンモノマーを400部及びビス(4−マレイミドフェニル)メタン50部を)150℃に熔融させ、撹拌しながら4時間反応させ、平均分子量1,900のモノマーとプレポリマーの混合物を得た。これをメチルエチルケトンとN,N−ジメチルホルムアミド混合溶剤に溶解し、ワニスAとした。これにビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート1001、ジャパンエポキシレジン<株>製)250部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:DEN−431、ダウケミカル<株>製)150部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN−220F、住友化学工業<株>製)100部、液状のエポキシ化ポリブタジエン樹脂(商品名:E−1000−8.0、日本石油化学<株>製)50部を配合し、着色剤としてフタロシアニングリーンを1部、無為充填剤として焼成タルク(平均粒子径:4.1μm)1000部を加え、硬化触媒としてアセチルアセトン鉄0.3部をメチルエチルケトンに溶解して加え、これを3本ロ−ルで良く混練してワニスBとした。このワニスBを厚さ25μmのアルミニウム箔の片面に塗布、乾燥して樹脂組成物層厚さ30μmの銅箔付きBステージ樹脂組成物シートC(170℃でのゲル化時間101秒)を作製した。
【0022】
一方、プリント配線板として、絶縁層厚さ0.4mm、12μm両面電解銅箔のBTレジン銅張積層板(商品名:CCL−HL830、三菱ガス化学<株>製 )を用い、これに金属ドリルにて孔径250μmの貫通孔をあけ、無電解銅メッキ0.7μm、電解銅メッキ15μmを付着させ、これに銅箔残存率50%のライン/スペース=40/40μmの回路を形成し、メック社のCZ8100+CE8300処理を行って銅箔表面を処理後に、この両面に上記銅箔付きBステージ樹脂組成物シートCを配置し、プレス装置に仕込んだ後、190℃、圧力40kgf/cm2で100秒積層成形してから取り出して加熱炉に入れ、190℃で90分加熱硬化した後、表層のアルミニウム箔を薬液で溶解除去した。この熱硬化性樹脂組成物層の厚さが銅箔回路上に4〜8μmとした。この板の表面を研磨機にて研磨し、表面平滑なプリント配線板とした。後は定法にてニッケルメッキ、金メッキを付着させ、プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
【0023】
(実施例2)
2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンモノマーを400部を150℃に熔融させ、撹拌しながら4時間反応させ、平均分子量1,900のモノマーとプレポリマーの混合物を得た。これをメチルエチルケトンに溶解し、ワニスEとした。これに室温で液状のエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート828、ジャパンエポキシレジン<株>製)100部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ化学工業<株>製)150部、ノボラック型エポキシ樹脂(商品名:DEN438、ダウケミカル<株>製)100部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート1001)150部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN220F、住友化学工業<株>製)100部を配合し、熱硬化触媒としてアセチルアセトン鉄0.3部をメチルエチルケトンに溶解して加えた。これに液状のエポキシ化ポリブタジエン樹脂(商品名:E−1000−8.0、日本石油化学<株>製)100部、エポキシ基変性アクリル多層構造粉体(商品名:スタフィロイドIM−203、平均粒子径0.2μm、Max.粒径0.5μm)30部、を加え、良く攪拌混合して均一なワニスFにした。
【0024】
このワニスFを連続して厚さ18μmの銅箔マット面(凹凸3.5〜6.2μm、平均粗度Rz:4.6μm)に塗布、乾燥して銅箔のMax.凸部の先端から25μmの高さのBステージ樹脂組成物層(170℃でのゲル化時間48秒)を形成し、乾燥ゾーンから出てきた時点で樹脂側に厚さ20μmの保護ポリプロピレンフィルムを配置し、100℃、4kgf/cmの線圧でラミネートして銅箔付きBステージ樹脂組成物シートGを作製した。
【0025】
又、上記ワニスEの固形分1000部にビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート1001)700部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ化学工業<株>製)140部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN220F、住友化学工業<株>製)160部を配合し、熱硬化触媒としてアセチルアセトン鉄0.5部をメチルエチルケトンに溶解して加えた。これにエポキシ基変性アクリル多層構造粉体(商品名:スタフィロイドIM−203、平均粒子径0.2μm、Max.粒径0.5μm)100部、タルク(平均粒径1.8μm.Max.粒径4.2μm)400部を加え、良く攪拌混合して均一なワニスHにした。
【0026】
このワニスHを厚さ25μmの表面平滑な離型PETフィルムの片面に連続的に塗布、乾燥してゲル化時間55秒、厚さ15μmのBステージ樹脂層を形成し、乾燥ゾーンを出てきた時に樹脂面に厚さ20μmのポリプロピレン保護フィルムを当て、100℃、線圧4kgf/cmでラミネートし、離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シート I を作製した。
【0027】
一方、内層板として絶縁層厚さ0.2mm、18μm両面銅箔張りのBTレジン銅張積層板(商品名:CCL−HL830、三菱ガス化学<株>製 )に回路を形成し、黒色酸化銅処理を銅箔に施した板の両面に、上記銅箔付きBステージ樹脂組成物シートGを、樹脂層が内層板側を向くように配置し、プレス装置に仕込んだ後、室温から170℃まで25分で温度を上げ、圧力は最初から15kgf/cm2とし、真空度は5mmHgで170℃にて30分保持した後、冷却して取り出し、4層の多層板を得た。この表面の銅箔をエッチング除去後、炭酸ガスレーザー出力15mJで1ショット照射して孔径100μmのブラインドビア孔をあけた。過マンガン酸カリウム系デスミア溶液(日本マクダーミッド<株>)で膨潤、デスミア(溶解)、中和して、表層からの凹凸合計で3.5〜6.0μm(平均粗度Rz:4.5μm)とした。同時にブラインドビア孔底部に残存している樹脂層を溶解除去した。次に、この粗化表面に無電解銅メッキ層を0.7μm付着させ、加熱炉に入れて100℃から徐々に温度を30分で150℃まで上げ、更に徐々に温度を上げて200℃で60分加熱硬化した。この上に厚さ25μmのメッキレジストを形成し、セミアディティブ法にて電気銅メッキ厚さ25μm、ライン/スペース=20/20μmの回路を形成した。銅残率65%とした。この上に上記離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シート I を配置し、5mmHgの真空下で、温度は20分かけて徐々に130℃まで上げ、30分保持して徐々に温度を上げて190℃で90分保持した。圧力は、最初は圧力4kgf/cm2で10分間保持し、その後、徐々に圧力を上げて20kgf/cm2とし、最後まで保持した。これを冷却して取り出した。この樹脂層の厚さは導体上で5〜7μmであった。この表面を均一に研磨して表面平滑なプリント配線板を作製した。評価結果を表1に示す。
【0028】
(比較例1)
実施例1において、銅箔付きBステージ樹脂組成物シートを使用せずに、市販のUV選択熱硬化型レジスト(商品名:PSR4000AUS5、太陽インキ製造<株>製)溶液を同じ厚みとなるように塗布し、80℃で50分乾燥してから、フリップチップ搭載部、ハンダボール接続部の箇所を現像除去し、150℃で1時間硬化した後、ニッケルメッキ、金メッキを付着させ、プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2において、UVレジストを重ね塗りして2度塗りし、ブインドビア孔内の凹みを埋めることを実施し、同様にプリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例2において、ワニスHを用い、これをプリント配線板の上に200メッシュのスクリーンにて、貴金属メッキを行う回路の有る箇所以外に塗布し、150℃で1時間、190℃で30分加熱して永久保護皮膜とした。これを用いて同様にプリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
【0029】
【0030】
<測定方法>
1)半田耐熱性 : プリント配線板を50x50mmの試験片に切断してPCT(121℃/203kPa)で5時間処理後に取り出して、260℃の半田中に30sec.浸漬してから異常の有無を観察した。
2)スルーホール又はブラインビア孔内気泡及び凹み : 孔の断面を100個観察し、気泡の有無、凹みの最大値を示した。
3)回路部表面凹凸 : 各実施例、比較例において、銅箔回路有無の箇所を表面凹凸計で測定し、凹凸の最大値を示した。
4)耐マイグレーション性 : 各実施例、比較例の4層板の表層にライン/スペース=50/50μmの回路を形成し、各実施例、比較例の構成と同様に積層して6層板とした後、表層の金属箔を除去し、この試験片を85℃・85%RH、100VDC印加して端子間の絶縁抵抗値を測定した。
5)冷熱衝撃性 : −55℃←→+150℃を1サイクルとし、これを200サイクル繰り返した後、スルーホール又はブラインドビア孔部100個の断面を観察し、クラック発生の有無を見た。
6)反り・捻れ : 250x250mmのサイズで積層後或いは塗布し、硬化後の反り・捻れの最大値を示した。
【0031】
【発明の効果】
プリント配線板の表面に形成する永久保護皮膜形成方法において、UV選択熱硬化型レジストの代わりに金属箔或いは離型フィルム付きBステージ熱硬化型樹脂組成物を積層或いはラミネートして硬化させて回路高さより少し高い樹脂層を形成後、この表面を厚さ方向に研削して導体回路を表面に露出してから貴金属メッキを行って永久保護皮膜としたプリント配線板とすることにより、更には熱硬化型樹脂組成物として多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を用いることにより、表面が極めて平滑で、プリント配線板のスルーホールへの樹脂充填性に優れ、反り・捻れも極めて小さく、吸湿後の耐熱性、信頼性に優れた永久保護皮膜付きプリント配線板用を作製することができた。
【産業上の利用分野】
本発明は、導体幅50μm以下、更には30μm以下の極細線を有するプリント配線板を作製する方法に関し、得られた高密度プリント配線板は、フリップチップ搭載等の半導体プラスチックパッケージ等の小型、軽量の高密度プリント配線板として使用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、ますます小型、薄型、軽量化する電子機器において、高密度のプリント配線板が使用されるようになってきている。このプリント配線板は、従来貴金属メッキを行う場合に、スクリーン印刷法で表面の永久保護皮膜を形成していたが、この印刷法では細密な回路を有するプリント配線板では印刷による位置精度が悪く、問題があるために、近年はUV選択熱硬化型レジストが多く使用されている。しかしながら、このUV選択熱硬化型レジストは、露光、現像等を行うために多くのアクリル系樹脂、不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂、脱泡剤、レベリング剤、光重合開始剤等を添加しており(例えば、特許文献1〜3参照)、特性上、信頼性上は熱硬化型レジストには及ばないものであった。又、塗布し、乾燥して得られる従来の溶剤タイプのUVレジストは、導体回路に追随した表面の凹凸があるために、乾燥後に表面の凹凸が大きく、特にフリップチップ搭載時の問題が見られた。加えて、溶剤タイプのものは、プリント配線板にあけたスルーホールの充填を行うために、溶剤が飛散した場合にスルーホール内に気泡が残る、そのために2度塗りが必要等の欠点が見られ、不良率もかなり大きいものであった。又、極細線回路を形成する方法は、アディティブ法が知られているが、この極細線回路間のUVレジストは上記のUV選択熱硬化型レジストであり、回路間の耐マイグレーション性等の絶縁信頼性に劣り、高密度プリント配線板として使用困難であった。
【0003】
【特許文献1】特開2002−357896号公報
【特許文献2】特開2002−357895号公報
【特許文献3】特開2002−357900号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の問題点を解決した、表面平滑性に優れ、更には特性、信頼性等にも優れた永久保護皮膜の形成された極細線プリント配線板の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明が解決するための手段】
本発明は、導体幅50μm以下の極細線を形成した後、UV選択熱硬化型レジストの代わりに、このプリント配線板の上に、その極細線の高さより高い熱硬化性樹脂組成物層、好適には多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を形成し、硬化後に表面の樹脂組成物を研削して極細線が露出する高さまで平面的に削り、樹脂組成物及び極細線の高さを同一とした後、貴金属メッキを施すことにより、表面平滑で、耐熱性が高く、耐マイグレーション性等の信頼性に優れた極細線を有するプリント配線板を製造できた。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の極細線を有するプリント配線板の上に形成する熱硬化性樹脂組成物の樹脂としては一般に公知のものが使用できる。具体的には一般に公知の各種エポキシ樹脂、多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性シアン酸エステルー多官能性マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、2重結合付加ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂等が1種或いは2種以上組み合わせて使用される。しかしながら、ますます狭くなる導体回路間の耐マイグレーション性等の信頼性の点からは、多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を必須成分とした熱硬化性樹脂組成物が好適に使用される。
【0007】
本発明の好適な熱硬化性樹脂としての多官能性シアン酸エステル化合物は、一般に公知のものが使用される。具体的には、分子内に2個以上のシアナト基を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3−又は1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−又は2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4−ジシアナトビフェニル、ビス(4−ジシアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモー4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4−シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類等である。
【0008】
これらのほかに特公昭41−1928、同43−18468、同44−4791、同45−11712、同46−41112、同47−26853及び特開昭51−63149等に記載の多官能性シアン酸エステル化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合させることにより得られる。この樹脂中には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレポリマーとの混合物の形態をしており、このような原料は本発明の用途に好適に使用される。分子内に臭素、リン等が含有されるものも使用できる。これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使用され、一般には可溶な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0009】
エポキシ樹脂としては、特に限定はなく、一般に公知のものが使用できる。例えばビスフェノールA型ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が1種或いは2種以上組み合わせて使用される。これらのリン含有、臭素含有物も使用できる。これらのエポキシ樹脂は上記多官能性シアン酸エステル類と組み合わせて好適に使用できる。これらも好ましくは、可溶な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0010】
有機溶剤として使用されるものは特に限定はないが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられ、これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0011】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて上記以外の種々の添加物を配合することができる。これらの添加物としては、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂等、更にこれらの公知の臭素化物、リン含有化合物等の各種樹脂類、公知の上記以外の無機、有機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて用いられる。必要により、反応基を有する化合物は公知の硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0012】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それ自体は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済性等に劣るため使用した硬化性樹脂に対して公知の硬化触媒を用いる。使用量は、それぞれの硬化性樹脂100重量部に対し、0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
【0013】
本発明で使用する金属箔は特に限定はないが、例えば銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、スズ箔或いはこれらの合金箔が使用され得る。この金属箔表面は特に凹凸がなくても良く、熱硬化性樹脂組成物が付着するものであれば良い。厚みは特に限定はなく、加工後に除去するために、好適には7〜12μmを使用する。
【0014】
本発明で使用する離型フィルムは特に限定はないが、積層成形時に溶融しない融点を有するものが選択使用される。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル等、公知の耐熱性を有するフィルムが使用される。
【0015】
本発明の各成分を均一に分散する方法は、一般に公知の方法が使用され得る。例えば、各成分を溶剤に溶解して配合し、ホモミキサ−等で攪拌混合する方法、三本ロールにて、室温或いは加熱下に混練するか、ボールミル、ライカイ機等、一般に公知の方法が使用される。
【0016】
本発明の金属箔付き熱硬化性樹脂組成物の作製方法は特に限定はなく、一般に公知の方法が使用され得る。塗布する熱硬化性樹脂組成物は、無溶剤、溶剤入りいずれでも良い。Bステージ樹脂組成物は金属箔上に直接ロール等で塗布、乾燥してBステージ化する方法、まず離型フィルムの片面にロールコーター等で塗布、乾燥してBステージ樹脂組成物シートとしてから、加熱、加圧下にラミネート接着して一体化して作製する方法等がある。又、離型フィルムの片面に熱硬化性樹脂組成物層を付着する方法も特に限定はなく、同様にロール等で直接塗布、乾燥してBステージ樹脂組成物シートとする方法等が挙げられる。熱硬化性脂組成物層の厚みは特に限定はないが、導体回路の厚さ、残存率等により適宜選択し、回路間を埋め込んだ後に、樹脂組成物高さが少し導体回路より高ければ良い。好適には1〜20μm高めに形成する。
【0017】
本発明の熱硬化性樹脂組成物はワニス或いは無溶剤で作製した熱硬化性樹脂組成物を細密回路を形成したプリント配線板の上に導体回路高さより高くなるように塗布、乾燥して樹脂組成物層を形成し、その後に研削して導体回路と熱硬化性樹脂組成物を同一高さとすることも可能である。研削する方法はバフ研磨等の機械的研削により極細線が露出する高さまで平面的に削る。これは導体回路表面が平滑になるために、貴金属メッキ後のフリップチップ接続において、接続不良の無いものが得られる。しかしながら、プリント配線板にスルーホールがある場合、無溶剤のものが好ましい。また、貴金属メッキが施された部分は、部品等を搭載した後、封止樹脂等により表面を覆うことが好ましい。
【0018】
本発明で用いるプリント配線板は、特に限定はなく、アディティブ法、サブトラクティブ法等、一般に公知の方法で作製されたプリント配線板が使用され得る。基材はあっても無くても良く、例えば有機或いは無機繊維布基材補強板、有機フィルム基材板等、一般に公知のものが使用できる。好適には多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を用いたプリント配線板が使用される。この導体回路表面は公知の表面処理が施されたものが好適に使用される。具体的には、黒色酸化銅処理等の化学表面処理、メック社のCZ8100+CE8300等の各種化学処理が施されたものが好適に使用される。
【0019】
極細線回路の作製方法は特に限定はなく、サブトラクティブ法、アディティブ法等で形成され、導体回路幅は50μm以下の細密回路に対して、その導体回路間の耐マイグレーション性等の電気絶縁信頼性を保持するために本発明で提供する樹脂組成物、特に多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物を用いるのが好適である。
【0020】
本発明の金属箔或いは離型フィルムに付着したBステージ熱硬化性樹脂組成物を極細線を有するプリント配線板上に形成する方法は特に限定はないが、例えばプレス装置に仕込んで、真空下に最初は低圧にして加熱して熱硬化性樹脂組成物を溶融させて回路間に流し込み、徐々に圧力を上げて成形し、熱硬化して表面平滑な樹脂組成物層を形成する。その後に表層の金属箔或いは離型フィルムを除去し、表面を研削して表面平滑なプリント配線板とする。その後にニッケルメッキ、金メッキを施してプリント配線板とする。本発明の多層化する際の積層成形条件は、特に限定はないが、一般には温度60〜250℃、圧力2〜50kgf/cm2 、時間は0.5〜3時間である。又、真空下に積層成形するのが好ましい。装置は真空ラミネータプレス、一般の多段プレス等、公知のものが使用できる。又、温度60〜200℃、線圧0.5〜50kgf./cmにて真空ラミネート接着し、その後加熱炉にて後硬化させる方法でプリント配線板の上に形成される。
【0021】
【実施例】
以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表す。
(実施例1)
2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンモノマーを400部及びビス(4−マレイミドフェニル)メタン50部を)150℃に熔融させ、撹拌しながら4時間反応させ、平均分子量1,900のモノマーとプレポリマーの混合物を得た。これをメチルエチルケトンとN,N−ジメチルホルムアミド混合溶剤に溶解し、ワニスAとした。これにビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート1001、ジャパンエポキシレジン<株>製)250部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:DEN−431、ダウケミカル<株>製)150部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN−220F、住友化学工業<株>製)100部、液状のエポキシ化ポリブタジエン樹脂(商品名:E−1000−8.0、日本石油化学<株>製)50部を配合し、着色剤としてフタロシアニングリーンを1部、無為充填剤として焼成タルク(平均粒子径:4.1μm)1000部を加え、硬化触媒としてアセチルアセトン鉄0.3部をメチルエチルケトンに溶解して加え、これを3本ロ−ルで良く混練してワニスBとした。このワニスBを厚さ25μmのアルミニウム箔の片面に塗布、乾燥して樹脂組成物層厚さ30μmの銅箔付きBステージ樹脂組成物シートC(170℃でのゲル化時間101秒)を作製した。
【0022】
一方、プリント配線板として、絶縁層厚さ0.4mm、12μm両面電解銅箔のBTレジン銅張積層板(商品名:CCL−HL830、三菱ガス化学<株>製 )を用い、これに金属ドリルにて孔径250μmの貫通孔をあけ、無電解銅メッキ0.7μm、電解銅メッキ15μmを付着させ、これに銅箔残存率50%のライン/スペース=40/40μmの回路を形成し、メック社のCZ8100+CE8300処理を行って銅箔表面を処理後に、この両面に上記銅箔付きBステージ樹脂組成物シートCを配置し、プレス装置に仕込んだ後、190℃、圧力40kgf/cm2で100秒積層成形してから取り出して加熱炉に入れ、190℃で90分加熱硬化した後、表層のアルミニウム箔を薬液で溶解除去した。この熱硬化性樹脂組成物層の厚さが銅箔回路上に4〜8μmとした。この板の表面を研磨機にて研磨し、表面平滑なプリント配線板とした。後は定法にてニッケルメッキ、金メッキを付着させ、プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
【0023】
(実施例2)
2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンモノマーを400部を150℃に熔融させ、撹拌しながら4時間反応させ、平均分子量1,900のモノマーとプレポリマーの混合物を得た。これをメチルエチルケトンに溶解し、ワニスEとした。これに室温で液状のエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート828、ジャパンエポキシレジン<株>製)100部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ化学工業<株>製)150部、ノボラック型エポキシ樹脂(商品名:DEN438、ダウケミカル<株>製)100部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート1001)150部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN220F、住友化学工業<株>製)100部を配合し、熱硬化触媒としてアセチルアセトン鉄0.3部をメチルエチルケトンに溶解して加えた。これに液状のエポキシ化ポリブタジエン樹脂(商品名:E−1000−8.0、日本石油化学<株>製)100部、エポキシ基変性アクリル多層構造粉体(商品名:スタフィロイドIM−203、平均粒子径0.2μm、Max.粒径0.5μm)30部、を加え、良く攪拌混合して均一なワニスFにした。
【0024】
このワニスFを連続して厚さ18μmの銅箔マット面(凹凸3.5〜6.2μm、平均粗度Rz:4.6μm)に塗布、乾燥して銅箔のMax.凸部の先端から25μmの高さのBステージ樹脂組成物層(170℃でのゲル化時間48秒)を形成し、乾燥ゾーンから出てきた時点で樹脂側に厚さ20μmの保護ポリプロピレンフィルムを配置し、100℃、4kgf/cmの線圧でラミネートして銅箔付きBステージ樹脂組成物シートGを作製した。
【0025】
又、上記ワニスEの固形分1000部にビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名::エピコート1001)700部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ化学工業<株>製)140部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:ESCN220F、住友化学工業<株>製)160部を配合し、熱硬化触媒としてアセチルアセトン鉄0.5部をメチルエチルケトンに溶解して加えた。これにエポキシ基変性アクリル多層構造粉体(商品名:スタフィロイドIM−203、平均粒子径0.2μm、Max.粒径0.5μm)100部、タルク(平均粒径1.8μm.Max.粒径4.2μm)400部を加え、良く攪拌混合して均一なワニスHにした。
【0026】
このワニスHを厚さ25μmの表面平滑な離型PETフィルムの片面に連続的に塗布、乾燥してゲル化時間55秒、厚さ15μmのBステージ樹脂層を形成し、乾燥ゾーンを出てきた時に樹脂面に厚さ20μmのポリプロピレン保護フィルムを当て、100℃、線圧4kgf/cmでラミネートし、離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シート I を作製した。
【0027】
一方、内層板として絶縁層厚さ0.2mm、18μm両面銅箔張りのBTレジン銅張積層板(商品名:CCL−HL830、三菱ガス化学<株>製 )に回路を形成し、黒色酸化銅処理を銅箔に施した板の両面に、上記銅箔付きBステージ樹脂組成物シートGを、樹脂層が内層板側を向くように配置し、プレス装置に仕込んだ後、室温から170℃まで25分で温度を上げ、圧力は最初から15kgf/cm2とし、真空度は5mmHgで170℃にて30分保持した後、冷却して取り出し、4層の多層板を得た。この表面の銅箔をエッチング除去後、炭酸ガスレーザー出力15mJで1ショット照射して孔径100μmのブラインドビア孔をあけた。過マンガン酸カリウム系デスミア溶液(日本マクダーミッド<株>)で膨潤、デスミア(溶解)、中和して、表層からの凹凸合計で3.5〜6.0μm(平均粗度Rz:4.5μm)とした。同時にブラインドビア孔底部に残存している樹脂層を溶解除去した。次に、この粗化表面に無電解銅メッキ層を0.7μm付着させ、加熱炉に入れて100℃から徐々に温度を30分で150℃まで上げ、更に徐々に温度を上げて200℃で60分加熱硬化した。この上に厚さ25μmのメッキレジストを形成し、セミアディティブ法にて電気銅メッキ厚さ25μm、ライン/スペース=20/20μmの回路を形成した。銅残率65%とした。この上に上記離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シート I を配置し、5mmHgの真空下で、温度は20分かけて徐々に130℃まで上げ、30分保持して徐々に温度を上げて190℃で90分保持した。圧力は、最初は圧力4kgf/cm2で10分間保持し、その後、徐々に圧力を上げて20kgf/cm2とし、最後まで保持した。これを冷却して取り出した。この樹脂層の厚さは導体上で5〜7μmであった。この表面を均一に研磨して表面平滑なプリント配線板を作製した。評価結果を表1に示す。
【0028】
(比較例1)
実施例1において、銅箔付きBステージ樹脂組成物シートを使用せずに、市販のUV選択熱硬化型レジスト(商品名:PSR4000AUS5、太陽インキ製造<株>製)溶液を同じ厚みとなるように塗布し、80℃で50分乾燥してから、フリップチップ搭載部、ハンダボール接続部の箇所を現像除去し、150℃で1時間硬化した後、ニッケルメッキ、金メッキを付着させ、プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2において、UVレジストを重ね塗りして2度塗りし、ブインドビア孔内の凹みを埋めることを実施し、同様にプリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例2において、ワニスHを用い、これをプリント配線板の上に200メッシュのスクリーンにて、貴金属メッキを行う回路の有る箇所以外に塗布し、150℃で1時間、190℃で30分加熱して永久保護皮膜とした。これを用いて同様にプリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
【0029】
【0030】
<測定方法>
1)半田耐熱性 : プリント配線板を50x50mmの試験片に切断してPCT(121℃/203kPa)で5時間処理後に取り出して、260℃の半田中に30sec.浸漬してから異常の有無を観察した。
2)スルーホール又はブラインビア孔内気泡及び凹み : 孔の断面を100個観察し、気泡の有無、凹みの最大値を示した。
3)回路部表面凹凸 : 各実施例、比較例において、銅箔回路有無の箇所を表面凹凸計で測定し、凹凸の最大値を示した。
4)耐マイグレーション性 : 各実施例、比較例の4層板の表層にライン/スペース=50/50μmの回路を形成し、各実施例、比較例の構成と同様に積層して6層板とした後、表層の金属箔を除去し、この試験片を85℃・85%RH、100VDC印加して端子間の絶縁抵抗値を測定した。
5)冷熱衝撃性 : −55℃←→+150℃を1サイクルとし、これを200サイクル繰り返した後、スルーホール又はブラインドビア孔部100個の断面を観察し、クラック発生の有無を見た。
6)反り・捻れ : 250x250mmのサイズで積層後或いは塗布し、硬化後の反り・捻れの最大値を示した。
【0031】
【発明の効果】
プリント配線板の表面に形成する永久保護皮膜形成方法において、UV選択熱硬化型レジストの代わりに金属箔或いは離型フィルム付きBステージ熱硬化型樹脂組成物を積層或いはラミネートして硬化させて回路高さより少し高い樹脂層を形成後、この表面を厚さ方向に研削して導体回路を表面に露出してから貴金属メッキを行って永久保護皮膜としたプリント配線板とすることにより、更には熱硬化型樹脂組成物として多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を用いることにより、表面が極めて平滑で、プリント配線板のスルーホールへの樹脂充填性に優れ、反り・捻れも極めて小さく、吸湿後の耐熱性、信頼性に優れた永久保護皮膜付きプリント配線板用を作製することができた。
Claims (3)
- 導体幅50μm以下の極細線を形成した後、このプリント配線板の上に、その極細線の高さより高い熱硬化性樹脂組成物層を形成し、硬化後に表面の樹脂組成物をバフ研磨等の機械的研削により極細線が露出する高さまで平面的に削り、樹脂組成物及び極細線の高さを同一とした後、貴金属メッキを施すことを特徴とする極細線プリント配線板の製造方法。
- 該樹脂組成物が多官能性シアン酸エステル樹脂組成物を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物である請求項1記載の極細線プリント配線板の製造方法。
- 該熱硬化性樹脂組成物として、金属箔或いは離型フィルムの片面に付着したBステージ樹脂樹脂組成物を用い、加熱、加圧、真空下にプリント配線板上に樹脂組成物を形成して成ることを特徴とする 請求項1又は2記載の極細線プリント配線板の製造方法。
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CN101553090B (zh) * | 2009-05-08 | 2011-03-16 | 深圳市博敏电子有限公司 | Ptfe基板上印制阻焊的方法 |
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2003
- 2003-05-27 JP JP2003149314A patent/JP2004356201A/ja active Pending
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