JP2004355931A - 回路材および該回路材を収容した分岐接続箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】分岐接続箱内に縦バスバーに代えて単芯線と端子材とからなる回路材を配置することにより、分岐接続箱を低コストで作製すると共に、回路設計の自由度を向上させる。
【解決手段】アッパーケース11とロアケース12からなるケース内部に単芯線wを並列配置して回路を形成している分岐接続箱10であって、端子材13の貫通孔13dに単芯線wを挿通して、貫通孔13dを囲む円環部13eを単芯線wの所要箇所にかしめ固定して接続し、該端子材13を他の回路材の端子と接続できる構成としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路材および該回路材を収容した分岐接続箱に関し、詳しくは、タブ等の端子部を突設した回路材を簡単且つ安価に得るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車に搭載するジャンクションボックス等の分岐接続箱内に収容する回路材としては、一般に導電製金属板を打ち抜き加工したバスバーが用いられるいる。このバスバーには展開形状でタブを一体的に打ち抜き、打ち抜き後に折り曲げ加工して回路パターン部より所要箇所に立設したタブが設けられている。
このタブは分岐接続箱のケース外面に設けられたコネクタ収容部、ヒューズ収容部、リレー収容部に突出させて直接的にコネクタ、ヒューズ、リレーと接続したり、中継端子を介して接続している。
また、上記バスバーに代えて、被覆単芯線をケース内部に布線し、一端にタブを設けると共に他端に電線圧接刃を設けた圧接端子を圧接接続させている場合もある。
【0003】
また、上記圧接端子を代えて、電線とタブ材とを組み合わせたものとして、特開平9−82374号公報(特許文献1)では、図9に示すように、単芯線1にL形状としたタブ材2の下端水平部にV形状の溝2aを設け、該溝2aに単芯線1を重ね合わせて溶着したものが提案されている。
さらに、特開平9−97632号(特許文献2)では、図10に示すように、絶縁基板3に突設された配線ガイド3aで狭持されて単芯線1を配線すると共に、該絶縁基板2に端子穴を設けて逆L形状のタブ材2’の垂直部2b’を通して、該垂直部2b’と単芯線1とを接触させると共に、単芯線1の上面に接触する水平部2a’と単芯線1とを溶接している。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−82374号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平9−97632号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
回路材としてタブを一体的に設けたバスバーでは、タブとなる部分を突出させたパターンを打ち抜き形成するため材料の歩留まりが悪くなる問題があると共に、回路変更に応じて打抜金型を新規に起工しなければならずコスト高になる問題がある。
また、電線と圧接端子とを組み合わせて回路材を形成する場合は、電線を分岐接続箱の内部に布線してから圧接端子を打ち込んで接続するため、分岐接続箱の組み立て方法が制限を受け、生産性が悪くなる問題がある。
【0007】
さらに、図9および図10に示す電線にタブ材を溶接する場合、図9に示すタブ材に溝を設ける構成とすると、電線とタブとの接触面積が少なく、且つ、電線の太さに応じて溝幅を設定しなければ電線の保持力が弱くなり、その分、電気接続信頼性に問題がある。
図10に示す絶縁基板に配線ガイドおよび端子穴を設ける場合、絶縁基板の構成が複雑になると共に、配線パターンが相違する毎に絶縁基板を新規起工しなければならず、簡単に回路変更ができない問題がある。
【0008】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、電線にタブ材等の端子材を組みつける手法を採用しながら、電線と端子材との接触面積が大きく、かつ、電線に対して端子材が確実に固定されることを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、端子材と絶縁被覆層が設けられていない単芯線を接続してなる回路材であって、
導電性金属材よりなる細長い平板形状の端子材の下部に、 貫通孔を囲む円環部を設けた円環状接続部を拡幅させて設け、 該円環状接続部の貫通孔に上記単芯線を挿通させて上記円環部を単芯線の外周面にかしめ固定していることを特徴とする回路材を提供している。
【0010】
上記構成とすると、絶縁被覆されていない単芯線を上記端子材の貫通孔に挿通して、所要箇所で端子孔を囲む円環部を単芯線にかしめ固定するだけで回路材を形成することができる。この固定構造では単芯線の全外周に端子材が接触するため、接触面積を大とでき、電気接続信頼性を高めることができると共に、単芯線を端子材の円環部内に固定できるため、単芯線と端子材との固定も確実に為される。かつ、溶接せずにかしめ固着であるため、作業手数がかからない。
【0011】
本発明は、第2に、端子材と絶縁被覆層が設けられていない単芯線を接続してなる回路材であって、
導電性金属材よりなる細長い平板形状の端子材の下端部を屈曲させて設けた円弧状接続部の内部に上記単芯線を挿通させ、該単芯線に上記円弧状接続部を巻き付けた状態で溶接していることを特徴とする回路材を提供している。
【0012】
上記構成とした場合にも、単芯線の半周以上が端子材の円弧状接続部と接触するため、接触面積を増大できるため電気接続信頼性を高めることができると共に、端子材と単芯線との固着力も増強することができる。かつ、円弧状接続部を単芯線に巻き付けて、単芯線が端子材に保持された状態で溶接するため、溶接作業時の位置決めが不要となる。
【0013】
本発明は、第3に、端子材と絶縁被覆層が設けられていない単芯線を接続してなる回路材であって、
導電性金属材よりなる細長い平板形状の端子材の下部を左右両側に分岐させて一対の弾性狭持片からなる接続部を設け、これら弾性狭持片により下端開口をあけると共に上記単芯線の直径よりも小径とした円環部を形成し、該円環部の中空に上記単芯線を下端開口より押し込み、上記左右の弾性狭持片で上記単芯線を挟持固定していることを特徴とする回路材を提供している。
【0014】
上記構成とすると、絶縁被覆されていない単芯線を上記端子材の円環部の中空に下端開口より押し込むと、単芯線を左右の弾性挟持片で挟持固定することができ、溶接作業やかしめ作業が不要となり、ワンタッチ作業で簡単に固定することができる。しかも、単芯線の3/4以上の外周に左右単線狭持片が接触するため、接触面積も増大し電気接続信頼性を高めることができる。
【0015】
本発明は、第4に、端子材と絶縁被覆層が設けられていない単芯線を接続してなる回路材であって、
導電性金属材よりなる細長い平板形状の端子材の先端に鋭角状の突き刺し接続部を設け、上記単芯線の外周面より上記突き刺し接続部を突き刺して上記端子材を上記単芯線と電気接続させていることを特徴とする回路材を提供している。
【0016】
上記構成とすると、絶縁被覆されていない単芯線に上記端子材先端の突き刺し接続部を突き刺して固定するだけで回路材を形成することができるため、溶接作業やかしめ作業が不要となり、低コストで、かつ、容易に該回路材を設けることができる。
【0017】
また、本発明は、第5に、上記回路材をケース内部に収容し、上記端子材がケース内部に布線された単芯線と接続され、これら端子材の他端側に設けた端子部をケース外面に装着するコネクタ、リレー、ヒューズの端子と接続する外部接続端子、あるいは、ケース内部に収容する他の回路材の端子と接続する内部接続端子としている分岐接続箱を提供している。
【0018】
上記構成とすると、分岐接続箱内の内部回路を主として単芯線としているため、回路変更があっても単芯線の布線経路をかえるだけでよく、回路設計の自由度が向上すると共に、回路変更が生じても新たに金型を設ける必要がなく、容易に回路変更に対応することができる。
さらに、端子材のみを金型により形成し、汎用できるために、コスト低下を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は本発明の第1実施形態を示す。
本実施形態の分岐接続箱10は、アッパーケース11とロアケース12の内部に単芯線wに端子材13を接続した回路材20を並列配置している。
【0020】
導電性金属板よりなる細長い平板形状の端子材13は、図2に示すように、その下部に単芯線wを挿通する貫通孔13dを穿設し、該貫通孔13dを囲む部分を挿通した単芯線wをかしめ固定する円環部13eとして、貫通孔13dと円環部13eとで、拡幅させた円環状接続部13fを形成している。また、上端部13aを縮径し、その下部側の一側に段差部13bを設けると共に、他側からアッパーケース11に係止する係止部13cが突出している。
【0021】
上記単芯線wは、図1に示すように、所要長さに切断した単芯線wを並列配置している。なお、分岐接続箱10の仕様に合わせて単芯線を一筆書きで連続的に布線したあと、所要の位置で切断してもよい。
【0022】
図3に示すように、ロアケース12の内面に布線溝12aを設け、該布線溝12aに上記単芯線wを収容配置するようにしている。なお、アッパーケース11とロアケース12内に回路材を積層配置する場合には、絶縁板(図示せず)に布線溝を設け、該布線溝に単芯線を収容配置するようにしている。
アッパーケース11の上面にコネクタ収容部11bを設け、該コネクタ収容部11bの底面に端子挿入穴11dを穿設し、該端子穴11dの内部には端子材13の係止部13cを係止する係止穴(図示せず)を設けている。
【0023】
次に、分岐接続箱10の組み付け方法について説明する。
先ず、図4に示すように、端子材13の貫通孔13dに単芯線wを挿通し、所要箇所で図4(B)に示す矢印方向に力を加えて円環部13eを単芯線wにかしめ固定し、単芯線wから端子材13が直角方向に立設保持している回路材20を形成する。
次いで、回路材20を構成する端子材13をロアケース12の布線溝12aに単芯線wを布線した後、アッパーケース11を被せて、端子挿入穴11dに貫通させて、端子材13の係止部13cを端子挿入穴11dに設けた係止穴に係止し、端子材13の上部をコネクタ収容部11b内に突出させている。
【0024】
上記方法により組み付けられた分岐接続箱10のコネクタ収容部11bに、他の回路を構成する電線端末に接続されたコネクタ30を収容すると、端子材13を介して分岐接続箱10内の回路と上記他の回路とが接続される。
なお、端子材13と接続される相手方の端子は、上記コネクタの端子に限らず、リレーやヒューズの端子でもよい。
【0025】
上記構成とすると、導電性金属板からなるバスバーに代えて、単芯線wを並列配置し、該単芯線wに端子材13をかしめ固定しているため、バスバーが不要となる。これにより、バスバーの形成に要していたコストや作業工数を省くことができ、低コストで分岐接続箱10を作製することができる。
また、端子材13を単芯線wの任意の位置に固定することができるため、設計自由度を向上することができると共に、回路変更が生じても新たに金型を設ける必要がなく、容易に回路変更に対応することができる。
さらに、単芯線の全周に端子材の円環部をかしめ固着しているため、接触面積を増大でき、電気接続信頼性が高められると共に、単芯線に対する端子材の固定力が増強され、単芯線から端子材が垂直方向に確実に立設固定できる。
【0026】
図5は、第1実施形態の変形例を示し、端子材13をケース内部に収容する他の回路材の端子と接続する内部接続端子としている。
具体的には、第1実施形態と同様の回路材20A、20Bをケース内部に収容し、回路材20Aの端子材13Aのタブと回路材20Bの端子材13Bのタブとをメスーメス中継端子40を介して接続している。
【0027】
図6は、本発明の第2実施形態を示し、分岐接続箱内に収容する回路材を構成する端子材を第1実施形態と相違させている。
本実施形態に用いる端子材14は、下部側の形状のみを第1実施形態の端子材13と相違させており、単芯線wとの接続部を単芯線wの外周面に沿うように側方に屈曲させて円弧状接続部14aを設け、端子材全体としてJ形状としている。端子材14の円弧状接続部14aの内部に単芯線wを挿通し、単芯線wの外周面に円弧状接続部14aを巻き付けた状態で、該円弧状接続部14aを単芯線wに溶接接続している。
【0028】
上記構成とすると、導電性金属板からなる縦バスバーに代えて、単芯線wを並列配置し、該単芯線wに端子材14を溶接接続しているため、縦バスバーが不要となる。これにより、縦バスバーの形成に要していたコストや作業工数を省くことができ、低コストで分岐接続箱を作製することができる。
また、単芯線を端子材14の円弧部で巻き付けて保持した状態で溶接するため、溶接時の位置決め保持を不要とでき、溶接作業性を高めることができる。
さらに、単芯線の半周以上が端子材と接触するため接触面積も大きく電気接続信頼性を高めることができる。
他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0029】
図7は、本発明の第3実施形態を示し、分岐接続箱内に収容する回路材を構成する端子材を第1実施形態と相違させている。
本実施形態に用いる端子材15は、下部側の形状のみを第1実施形態の端子材13と相違させており、端子材15の下部を左右両側に分岐させてバネ性を持たせた一対の弾性挟持片からなる接続部15aを設けている。該接続部15aの上部には単芯線wの直径よりも小径とした円環部15a−1を形成すると共に、接続部15aの下部は弾性挟持片の下端を外方に屈曲させて下端開口をあけている。該下端開口より円環部15a−1の中空部に単芯線wを押し込み、左右の弾性挟持片で単芯線wを両側から挟持して固定している。
【0030】
上記構成とすると、単芯線wを端子材15の弾性挟持片の間に押し込むだけのワンタッチ操作で単芯線wに端子材15を接触固定することができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0031】
図8は、本発明の第4実施形態を示し、分岐接続箱内に収容する回路材を構成する端子材を第1実施形態と相違させている。
本実施形態に用いる端子材16は、下部側の形状のみを第1実施形態の端子材13と相違させており、下端に鋭角状の突き刺し接続部16aを設け、該接続部16aを単芯線wに突き刺して、端子材16と単芯線wとを電気接続している。
【0032】
上記構成とすると、単芯線wに端子材16を突き刺すだけで電気接続できると共に端子材16は単芯線wより垂直方向に立設保持させることができる。
なお、他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、絶縁被覆されていない単芯線に端子材を接続するだけで回路材を形成しているので、低コストで、かつ、容易に回路材を設けることができる。
導電性金属板を回路パターンに応じて打ち抜き加工して形成するバスバーにかえて単芯線を用い、かつ、該単芯線に固定する端子材は汎用できるため、回路変更に容易に対応できると共に、製作コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の分岐接続箱の分解斜視図である。
【図2】第1実施形態の端子材の斜視図である。
【図3】分岐接続箱の断面図である。
【図4】(A)(B)は端子材の単芯線への接続方法を示す図面である。
【図5】第1実施形態の変形例を示す図面である。
【図6】第2実施形態の端子材を単芯線に溶接接続した状態を示す図面である。
【図7】第3実施形態の端子材を単芯線に接続した状態を示す図面である。
【図8】第4実施形態の端子材を単芯線に接続した状態を示す図面である。
【図9】従来例を示す図面である。
【図10】他の従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 分岐接続箱
11 アッパーケース
12 ロアケース
13、14、15、 16 端子材
13d 貫通孔
13e 円環部
13f 円環状接続部
14a 円弧状接続部
15a 接続部
15a−1 円環部
20 回路材
w 単芯線

Claims (5)

  1. 端子材と絶縁被覆層が設けられていない単芯線を接続してなる回路材であって、
    導電性金属材よりなる細長い平板形状の端子材の下部に、 貫通孔を囲む円環部を設けた円環状接続部を拡幅させて設け、 該円環状接続部の貫通孔に上記単芯線を挿通させて上記円環部を単芯線の外周面にかしめ固定していることを特徴とする回路材。
  2. 端子材と絶縁被覆層が設けられていない単芯線を接続してなる回路材であって、
    導電性金属材よりなる細長い平板形状の端子材の下端部を屈曲させて設けた円弧状接続部の内部に上記単芯線を挿通させ、該単芯線に上記円弧状接続部を巻き付けた状態で溶接していることを特徴とする回路材。
  3. 端子材と絶縁被覆層が設けられていない単芯線を接続してなる回路材であって、
    導電性金属材よりなる細長い平板形状の端子材の下部を左右両側に分岐させて一対の弾性狭持片からなる接続部を設け、これら弾性狭持片により下端開口をあけると共に上記単芯線の直径よりも小径とした円環部を形成し、該円環部の中空に上記単芯線を下端開口より押し込み、上記左右の弾性狭持片で上記単芯線を挟持固定していることを特徴とする回路材。
  4. 端子材と絶縁被覆層が設けられていない単芯線を接続してなる回路材であって、
    導電性金属材よりなる細長い平板形状の端子材の先端に鋭角状の突き刺し接続部を設け、上記単芯線の外周面より上記突き刺し接続部を突き刺して上記端子材を上記単芯線と電気接続させていることを特徴とする回路材。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回路材をケース内部に収容し、上記端子材がケース内部に布線された単芯線と接続され、これら端子材の他端側に設けた端子部をケース外面に装着するコネクタ、リレー、ヒューズの端子と接続する外部接続端子、あるいは、ケース内部に収容する他の回路材の端子と接続する内部接続端子としている分岐接続箱。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007264169A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Kyocera Mita Corp 接地構造およびこの接地構造が採用された画像形成装置

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