JP2004354452A - 光モジュール及びその製造方法並びに光モジュール用ホルダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光電変換素子8を配設する際のトレランス幅Bを予め設定した後に、ホルダ3の光電変換素子8側の端部における光軸4方向の寸法誤差Aが、前記トレランス幅Bに対して、A<Bなる条件を満足するように前記ホルダ3を形成し、次いで、このように形成された前記ホルダ3の前記光電変換素子8側の端面に、前記光電変換素子8が実装された基板9を当接させること。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光モジュール及びその製造方法並びに光モジュール用ホルダに係り、特に、光ファイバを用いた高速・大容量の光通信を安価に行うのに好適な光モジュール及びその製造方法並びに光モジュール用ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、データ通信のさらなる高速化・大容量化にともなって、光ファイバを用いた光ファイバ通信技術の要請がさらに高まりつつある。
【0003】
このような光ファイバ通信に用いられる光モジュールは、ホルダ内に、CANパッケージと称される光電変換素子を内包したパッケージ(例えば、半導体レーザ等の半導体発光素子又はフォトダイオード等の半導体受光素子が収容されたパッケージ)と、光ファイバの端面を保持するフェルールと、レンズとを収容することによって構成されている。
【0004】
そして、このような光モジュールは、光電変換素子パッケージ内の光電変換素子とフェルールによって保持された光ファイバとをレンズを介して光学的に結合させることによって光通信を可能ならしめている。
【0005】
このような光モジュールとしては、これまでにも、例えば、特許文献1及び特許文献2に示す光モジュールが提案されているが、これらの光モジュールは、光電変換素子パッケージ、フェルールおよびレンズがそれぞれ別体であるため、ホルダ内に収容する際に調心作業を行って各部品の光軸を合わせなければならなかった。従って、これらの光モジュールは、作業効率、組立効率が良好なものとはいえなかった。
【0006】
そこで、本出願人は、特願2003−026656号に係る発明において、レンズとホルダとをプラスチックによって一体成形した光モジュールを提案した。
【0007】
このような光モジュールによれば、レンズの光軸とホルダの軸線との位置合わせが不要になるため、光モジュールの組み立て作業が容易化し、ひいては光モジュールの生産効率を向上させることができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−300994号公報(段落番号0016〜0019,図6および図7参照)
【特許文献2】
特開2002−43675公報(段落番号0021〜0025,図4参照)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来は、ホルダと光電変換素子との位置合わせには、光電変換素子に実際に信号光を発光または受光させることによって光電変換素子の最適位置を求めるアクティブアライメントと称されるアライメント方法が用いられていた。
【0010】
このような方法においては、光軸に直交するX軸方向およびY軸方向ならびに光軸に平行なZ軸方向の3軸すべての軸に対してアライメントを行う必要があった。
【0011】
そこで、本発明者は鋭意研究した結果、このような3軸方向のアライメントを簡略化すれば、さらに組立工数を削減することができ、前述のレンズ一体型ホルダを備えた光モジュールの効果をさらに有効ならしめることができると考えて、本発明をなすに至った。
【0012】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、組立工程をさらに簡素化することができるとともに、部品点数を削減することができ、ひいては製造コストの低廉化と生産性の向上とを図ることができる高性能の光モジュール及びその製造方法並びに光モジュール用ホルダを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の請求項1に係る光モジュールの製造方法の特徴は、光軸方向に沿う一方の端部には光ファイバ取付穴が形成されるとともに、光軸方向に沿う他方の端部には光電変換素子が、前記一方の端部と前記他方の端部との間にはレンズが、それぞれ配設されるホルダを備え、光ファイバと前記光電変換素子とを前記レンズを介して光学的に結合する光モジュールを製造するにあたり、前記光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bを予め設定した後に、前記ホルダの前記他方の端部における光軸方向の寸法誤差Aが、前記トレランス幅Bに対して、A<Bなる条件を満足するように前記ホルダを形成し、次いで、このように形成された前記ホルダの前記他方の端部側の端面に、前記光電変換素子が実装された基板を当接させる点にある。
【0014】
そして、この請求項1に係る発明によれば、光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bを予め設定した後に、ホルダの他方(光電変換素子側)の端部の端面における光軸方向の寸法Aが、Bに対してA<Bなる条件を満足するようにホルダを形成することによって、ホルダの光電変換素子側の端部の端面に基板実装型の光電変換素子を当接させるだけで光電変換素子の光軸方向(Z軸方向)の位置決めを完了することができるため、光軸方向の位置合わせが不要となり、この結果、光モジュールの組立工数を削減することが可能となる。
【0015】
さらに、従来のCANパッケージの替わりに基板実装型の光電変換素子を用いることによって、今後さらなる高速・大容量化が予想される光通信に十分に適応し得る光モジュールを製造することが可能となる。
【0016】
なお、光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bとは、光電変換素子を配設する際において、光ファイバと光電変換素子との間における光信号と電気信号との変換効率が、設定された最大効率から1.0dB低下するまでの光軸方向の幅を意味するものであり、レンズの使用可能範囲を規定するものである。
【0017】
請求項2に係る光モジュールの製造方法の特徴は、請求項1において、前記レンズの倍率βを、0.8≦β≦1.2とした点にある。
【0018】
そして、この請求項2に係る発明によれば、光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bにほぼ一義的に関与するとみなすことができるレンズの倍率βを、0.8≦β≦1.2としたことによって、簡易な設計によって光電変換素子を配設する際のトレランス幅BをA<Bなる条件を十分に満足する値にすることが可能となる。
【0019】
また、光ファイバの端面の光軸上の位置に対する許容範囲も、前述した光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bと同程度にすることができるため、光ファイバの端面の位置のずれによる光学性能への影響を少なくすることができ、取扱い性を向上することが可能となる。
【0020】
さらに、送信側(発光側)および受信側(受光側)のどちらに適用した場合においても満足できる光学性能を得ることができるため、送信側および受信側の光モジュールの仕様を共通化することができ、ひいては部品点数をさらに削減することが可能となる。
【0021】
請求項3に係る光モジュールの製造方法の特徴は、請求項1又は2において、前記レンズが前記ホルダと一体に配設される点にある。
【0022】
そして、この請求項3に係る発明によれば、組立工数をさらに削減することが可能となる。
【0023】
請求項4に係る光モジュール用ホルダの特徴は、光軸方向に沿う一方の端部には光ファイバ取付穴が形成されるとともに、光軸方向に沿う他方の端部には光電変換素子が、前記一方の端部と前記他方の端部との間にはレンズが、それぞれ配設され、光ファイバと前記光電変換素子とを前記レンズを介して光学的に結合する光モジュールに用いられるホルダであって、予め設定された前記光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bと、前記他方の端部における光軸方向の寸法誤差Aとが、A<Bなる条件を満足する点にある。
【0024】
そして、この請求項4に係る発明によれば、予め設定された前記光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bと、他方(光電変換素子側)の端部における光軸方向の寸法誤差Aとが、A<Bなる条件を満足するようにホルダが形成されていることによって、ホルダの光電変換素子側の端部の端面に基板実装型の光電変換素子を当接させるだけで光電変換素子の光軸方向(Z軸方向)の位置決めを完了することができるため、光軸方向の位置合わせが不要となり、この結果、光モジュールの組立工数を低減することが可能となる。
【0025】
さらに、従来のCANパッケージの替わりに基板実装型の光電変換素子を用いることによって、今後さらなる高速・大容量化が予想される光通信に十分に適応することが可能となる。
【0026】
請求項5に係る光モジュール用ホルダの特徴は、請求項4において、前記レンズの倍率βを、0.8≦β≦1.2とした点にある。
【0027】
そして、この請求項5に係る発明によれば、光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bにほぼ一義的に関与するとみなすことができるレンズの倍率βを、0.8≦β≦1.2としたことによって、簡易な設計によって光電変換素子を配設する際のトレランス幅BをA<Bなる条件を十分に満足する値にすることが可能となる。
【0028】
また、光ファイバの端面の光軸上の位置に対する許容範囲も、前述した光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bと同程度にすることができるため、光ファイバの端面の位置のずれによる光学性能への影響を少なくすることができ、取扱い性を向上することが可能となる。
【0029】
さらに、送信側(発光側)および受信側(受光側)のどちらに適用した場合においても満足できる光学性能を得ることができるため、送信側および受信側の光モジュールの仕様を共通化することができ、ひいては部品点数をさらに削減することが可能となる。
【0030】
請求項6に係る光モジュール用ホルダの特徴は、請求項4又は5において、前記レンズが前記ホルダと一体に配設される点にある。
【0031】
そして、この請求項6に係る発明によれば、組立工数をさらに削減することが可能となる。
【0032】
請求項7に係る光モジュールの特徴は、光軸方向に沿う一方の端部には光ファイバ取付穴が形成されるとともに、光軸方向に沿う他方の端部には光電変換素子が、前記一方の端部と前記他方の端部との間にはレンズが、それぞれ配設されるホルダを備え、光ファイバと前記光電変換素子とを前記レンズを介して光学的に結合する光モジュールであって、前記ホルダの前記他方の端部側の端面に、前記光電変換素子が実装された基板が当接されている点にある。
【0033】
そして、この請求項7に係る発明によれば、従来のCANパッケージの替わりに基板実装型の光電変換素子を用いることによって、今後さらなる高速・大容量化が予想される光通信に十分に適応することが可能となる。
【0034】
請求項8に係る光モジュールの特徴は、前記基板の前記ホルダとの当接面とは反対側の面に、前記光電変換素子が実装されている点にある。
【0035】
そして、この請求項8に係る発明によれば、基板のレンズ側の表面に光量減衰フィルタ等の光学部品を搭載することができるため、さらに多様な設計が可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光モジュールの製造方法の実施形態について、図1を参照して説明する。
【0037】
本実施形態において製造される光モジュール1は、図1に示すように、レンズ2と、このレンズ2を外周から保持するホルダ3とを有しており、これらレンズ2およびホルダ3は、例えば、PEI(ポリエーテルイミド)、PC(ポリカーボネート)やPMMA(ポリメタクリル酸メチル)等の光透過性のプラスチック等からなる樹脂材料を射出成形することによって一体的に形成されている。このように、レンズ2とホルダ3とを一体的に形成することによって、光モジュール1の組立工数を削減することが可能となる。
【0038】
ホルダ3は、光軸4に沿って長尺な形状に形成されており、光軸4方向に沿う一方の端部(図1において左端部)には、光ファイバ5(図2、3参照)をフェルール6とともに取付けるための光ファイバ取付穴7が形成されている。
【0039】
一方、ホルダ3の他方の端部(図1において右端部)には、光電変換素子8(図2、3参照)が配設されるようになっている。より具体的には、ホルダ3の他方の端部は、レンズ2の外周から光軸4に沿って光電変換素子8側に延出された筒状に形成されており、この筒状に形成された部位の光電変換素子8側の端面3aには、表面に光電変換素子8が実装された基板9(図2、3参照)が光軸4に直交するように当接保持されるようになっている。
【0040】
また、レンズ2は、光電変換素子8側の面2a(第1面)が凸面とされ、光ファイバ5側の面2b(第2面)が平坦面とされた凸平レンズに形成されているが、これ以外の形状に形成することも可能である。
【0041】
このような基本的な構成を有する光モジュール1を実際に製造する際に、本実施形態においては、まず、予め、光電変換素子8を配設する際の図1に示す光軸4方向(Z軸方向)におけるトレランス幅Bを設定する。
【0042】
ここで、レンズ2を通る光線lの光電変換素子8側の焦点F(光電変換素子8の光軸4上の位置となる)において、光信号と電気信号との変換効率が最大効率になると考えることができる。従って、前述したトレランス幅の定義に基づけば、トレランス幅Bは、図1に示すように、光軸4方向に沿って光電変換素子8の配設位置が焦点Fから離れ、変換効率が1.0dB低下する位置までの光軸4方向の幅となる。
【0043】
このようにトレランス幅Bを設定した後に、実際に光モジュール1を形成する際には、次の(1)に示す条件式を満足するようにホルダ3およびレンズ2を形成する。
【0044】
A<B (1)
但し、(1)式におけるAは、ホルダ3の光電変換素子8側の端部の端面3aにおける光軸4方向の寸法誤差であり、Bは、前述した光電変換素子8を配設する際のトレランス幅Bである。
【0045】
(1)式は、トレランス幅Bをある程度大きくしつつ、ホルダ3の光電変換素子8側の端面3aにおける設計上の寸法管理を厳密にして、トレランス幅Bの範囲内に寸法誤差Aが収まるようにホルダ3およびレンズ2を形成することを意味している。
【0046】
このようにホルダ3およびレンズ2を形成すれば、ホルダ3の光電変換素子8側の端面3aに基板実装型の光電変換素子8を当接させるだけで、光電変換素子8の光軸4方向(Z軸方向)の位置決めを完了することができる。
【0047】
この結果、光軸4方向の位置合わせが不要となり、光モジュール1の組立工数を削減することが可能となる。
【0048】
さらに、従来のCANパッケージの代りに基板実装型の光電変換素子8を用いることによって、今後さらなる高速・大容量化が予想される光通信に十分に適応することが可能となる。すなわち、従来のCANパッケージにおいては、高周波の駆動になると、光電変換素子に接続された配線の部分から電磁波が漏れることによってクロストークが生じてしまうため、10Ghzのような高速通信を適正に行うことができなかった。これに対して、本実施形態のように、光電変換素子を基板実装型にすれば、光電変換素子に接続された配線も基板に形成することができるため、配線長や配線間隔をクロストークを低減するために好適な状態に設計し易くなり、この結果、前記のような10Ghz以上の高速通信にも十分に適応することができる。
【0049】
より好ましい実施形態としては、トレランス幅Bの設定にあたって、次の(2)に示す条件式を満足するようにする。
【0050】
0.8≦β≦1.2(より好ましくはβ=1) (2)
但し、(2)式におけるβは、レンズ2の倍率であり、この倍率は、図1のような凸平レンズを用いる場合、次式を満足する。
【0051】
β=b/a (3)
但し、(3)式におけるaは、レンズ2を通る光線lの光ファイバ5側の焦点F’と、レンズ2の光ファイバ5側の主点H’との間の距離であり、bは、レンズ2を通る光線lの光電変換素子8側の焦点Fと、レンズ2の光電変換素子8側の主点H(レンズ2の凸面2aの頂点)との間の距離である。
【0052】
尚、図示するような平凸レンズにあっては、平面側の主点H’は、光軸と交わる当該平面上の点S’から凸面側にd/n(d:レンズの厚み、n:レンズの屈折率)移動した光軸上の点であり(S’H’=|d/n|)、凸面側の主点Hは、光軸と交わる当該凸面上の点Sと一致する(SH=0)。
【0053】
ここで、βの値が、(2)式に示す値(0.8)に満たない場合は、トレランス幅Bは拡大されるが、光ファイバ5の端面5a(図2、3参照)の光軸4上の位置に対する許容範囲が減少し、例えば、ホルダ3への光ファイバ5の挿抜の際等に生じる光ファイバ5の端面5aの位置ずれによる光学性能への影響(例えば、光結合効率の低下)が大きくなり、却って使い勝手が悪くなってしまう。
【0054】
一方、βの値が、(2)式に示す値(1.2)を超える場合は、トレランス幅Bが小さくなるため、(1)式を満足することが困難になり、製造工程での寸法誤差Aの管理をより厳格に行わなければならなくなる。
【0055】
このように、βの値は、トレランス幅Bに一義的に関与するものとみなすことができるため、このβの値を(2)式のように1.0またはその近傍に設定すれば、簡易な設計によって、(1)の条件式を満足させることが可能となる。
【0056】
また、(2)式を満足すれば、光ファイバ5の端面5aの光軸4上の位置に対する許容範囲を、トレランス幅Bと同程度にすることができるため、光ファイバ5の端面5aの位置ずれによる光学性能への影響を少なくすることができ、取扱い性を向上することが可能となる。
【0057】
さらに、(2)式を満足すれば、送信側および受信側のどちらに適用した場合においても満足できる光学性能を得ることができ、送信側および受信側の光モジュール1の仕様を共通化することによって部品点数をさらに削減することが可能となる。
【0058】
次に、前述した製造方法を用いて製造された本発明に係る光モジュールの第1実施形態について、図2を参照して説明する。
【0059】
図2に示すように、第1実施形態における光モジュール12は、図1に示したホルダ3の光電変換素子8側の端面に、光電変換素子8が実装された基板9を当接させることによって、光軸4方向の位置合わせを省略した簡易な製造工程を経て効率的に製造されたものである。
【0060】
なお、本実施形態においては、基板9のレンズ側の表面9b(第2面)における光軸4上の位置に光電変換素子8が埋設等の手法によって実装されている。
【0061】
また、ファイバ取付穴7には、光ファイバ5がフェルール6とともに着脱可能に取付けられるようになっている。
【0062】
本実施形態においては、レンズ2、ホルダ3の筒状の部位および基板9によって囲繞された空間内に光電変換素子8を密閉状態に保持することができるため、光電変換素子8に塵埃等の異物が付着することを防止して、良好な光学性能を維持することが可能となる。
【0063】
このような光モジュール12は、図2に示すように発光用あるいは受光用の光モジュール12としてハウジング13内に収容され、リード端子がハウジング内の図示しない電気基板に接続されることによって光コネクタ14を構成するようになっている。
【0064】
この場合、光モジュール12は、(2)式に示したように倍率が1.0あるいはその近傍の値となるように形成されているため、発光用または受光用のいずれに用いられる場合においても、満足できる光学性能を発揮することができる。
【0065】
次に、本発明に係る光モジュールの第2実施形態について、図3を参照して説明する。
【0066】
図3に示すように、第2実施形態における光モジュール15は、図2と同様に、図1に示したホルダ3の光電変換素子8側の端面3aに、光電変換素子8が実装された基板9を当接させることによって、光軸4方向の位置合わせを省略した簡易な製造工程を経て効率的に製造されたものである。
【0067】
ただし、本実施形態における光モジュール15は、第1実施形態と異なり、光電変換素子8が、基板9のレンズ2側と反対側の表面9a(第1面)における光軸4上の位置に実装されている。
【0068】
本実施形態においては、基板9のレンズ2側の表面9bに空きができるため、この表面9bに光量減衰フィルタ等の光学部品17を搭載することが可能となる。
【0069】
このような光モジュール15は、図2の光モジュール12と同様に、発光用または受光用のいずれに用いる場合においても、良好な光学性能を発揮することができ、実際に使用される際には、図3に示すようにハウジング13内に収容され、リード端子がハウジング内の図示しない電気基板に接続されることによって光コネクタ16を構成するようになっている。
【0070】
【実施例】
本実施例においては、図3に示したように、基板9のレンズ2側と反対側の表面a(第1面)に光電変換素子8を実装した光モジュール15を製造する。
【0071】
この際に、トレランス幅Bを設定するのであるが、本実施例では、トレランス幅Bを、以下の光学面の条件に従ったレンズ2の倍率βから一義的に求める。
【0072】
なお、以下の光学面の条件において、rは、光学面の曲率半径(レンズ2の場合は中心曲率半径)、dは、次の光学面までの距離、nは、設計中心波長を850nmにした場合の光学系の屈折率、kは、レンズ2の面形状を規定する一係数としての円錐定数とする。
【0073】
【0074】
この場合、光電変換素子8側の主点Hは、レンズ2の第1面2aの頂点となり、光ファイバ5側の主点H’は、レンズ2の第2面2bに対してZ軸の正方向にレンズ厚/nだけ移動した光軸4上の点となる。
【0075】
この場合、(3)式におけるaは、レンズ第2面2bと光ファイバ端面5aとの間の距離(0.30mm)と、F’H’間の距離(3.55/1.5052mm)との和(2.66mm)となる。
【0076】
また、(3)式におけるbは、FH間の距離(2.67mm)となる。このFH間の距離(2.67mm)は、基板(ガラス)の空気換算長0.3/nと、基板第2面からレンズ第1面までの距離との和となる。
【0077】
従って、倍率βは、ほぼ1.0倍となり、(3)式を満足するものとなる。
【0078】
ここで、図4は、倍率βが1.0倍の場合における光信号と電気信号との変換効率の変位を実測した実測データを示したものである。
【0079】
図4において、横軸は、Z軸上の位置であり、変換効率が最大となる点を0点とし、0点に対して光電変換素子8がレンズ2から遠ざかる方向を正、レンズ2に近づく方向を負としている。なお、横軸の0点は、図3における焦点Fとなる。
【0080】
一方、図4において、縦軸は、Z軸の位置に対応する変換効率の低下を出力低下比(dB)によって表したものである。変換効率が最大となる0点においては、変換効率の低下は0.00dBとなっている。
【0081】
図4からも分かるように、0点からZ軸方向に±200μm(±0.2mm)の範囲において、変換効率の低下が最大効率から1.0dB以内に収まるものとみなすことができる。
【0082】
従って、図4の実測データを参照することによって、焦点FからZ軸方向に±0.6mmの範囲を、倍率1.0倍におけるトレランス幅Bと一義的に定めることができる。
【0083】
そして、このようにトレランス幅Bを設定した後、ホルダ3の端面3aの寸法誤差Aが(1)式を満足する範囲に収まるようにレンズ2およびホルダ3を形成する。
【0084】
この寸法誤差Aの管理範囲は、通常、少なくともA<±0.03mmで管理することができるため、寸法誤差Aをトレランス幅B(±0.2mm)よりも小さな値にすることができる。
【0085】
なお、寸法誤差Aの他に熱膨張による誤差その他の設計上の誤差を加味した場合においても、(1)式を十分に満足するようにホルダおよびレンズを形成することができる。
【0086】
なお、本発明は前記実施形態のものに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、高速通信に好適な高性能の光モジュールを安価にかつ効率的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光モジュールの製造方法の実施形態を示す説明図
【図2】本発明に係る光モジュールの第1実施形態を模式的に示す縦断面図
【図3】本発明に係る光モジュールの第2実施形態を模式的に示す縦断面図
【図4】本発明に係る光モジュールの製造方法の実施例において、トレランス幅を設定する際に参照するデータの一例を示す図
【符号の説明】
1,12,15 光モジュール
2 レンズ
3 ホルダ
3a 端面
4 光軸
5 光ファイバ
6 フェルール
7 光ファイバ取付穴
8 光電変換素子
9 基板
9b 基板の第2面
Claims (8)
- 光軸方向に沿う一方の端部には光ファイバ取付穴が形成されるとともに、光軸方向に沿う他方の端部には光電変換素子が、前記一方の端部と前記他方の端部との間にはレンズが、それぞれ配設されるホルダを備え、光ファイバと前記光電変換素子とを前記レンズを介して光学的に結合する光モジュールを製造するにあたり、
前記光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bを予め設定した後に、前記ホルダの前記他方の端部における光軸方向の寸法誤差Aが、前記トレランス幅Bに対して、A<Bなる条件を満足するように前記ホルダを形成し、次いで、このように形成された前記ホルダの前記他方の端部側の端面に、前記光電変換素子が実装された基板を当接させることを特徴とする光モジュールの製造方法。 - 前記レンズの倍率βを、0.8≦β≦1.2とした請求項1記載の光モジュールの製造方法。
- 前記レンズが前記ホルダと一体に配設される請求項1又は2記載の光モジュールの製造方法。
- 光軸方向に沿う一方の端部には光ファイバ取付穴が形成されるとともに、光軸方向に沿う他方の端部には光電変換素子が、前記一方の端部と前記他方の端部との間にはレンズが、それぞれ配設され、光ファイバと前記光電変換素子とを前記レンズを介して光学的に結合する光モジュールに用いられるホルダであって、
予め設定された前記光電変換素子を配設する際のトレランス幅Bと、前記他方の端部における光軸方向の寸法誤差Aとが、A<Bなる条件を満足することを特徴とする光モジュール用ホルダ。 - 前記レンズの倍率βを、0.8≦β≦1.2とした請求項4記載の光モジュール用ホルダ。
- 前記レンズが前記ホルダと一体に配設される請求項4又は5記載の光モジュール用ホルダ。
- 光軸方向に沿う一方の端部には光ファイバ取付穴が形成されるとともに、光軸方向に沿う他方の端部には光電変換素子が、前記一方の端部と前記他方の端部との間にはレンズが、それぞれ配設されるホルダを備え、光ファイバと前記光電変換素子とを前記レンズを介して光学的に結合する光モジュールであって、
前記ホルダの前記他方の端部側の端面に、前記光電変換素子が実装された基板が当接されていることを特徴とする光モジュール。 - 前記基板の前記ホルダとの当接面とは反対側の面に、前記光電変換素子が実装されている請求項7記載の光モジュール。
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