JP2004354064A - 光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置 - Google Patents
光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ヘッドの特定の部分の欠陥を撮像画像から抽出してその部分の欠陥を精度よく検出することができる磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置を提供することにある。
【解決手段】この発明は、磁気ヘッドのスライダ面を測定画像として得て、この測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として測定画像のデータを二値化することで第1のマスク画像を生成し、測定画像の画像データの画像データに対してあるいは測定画像に応じて生成されたスライダ面の画像の画像データに対して第1のマスク画像の二値化データによりマスク処理をして欠陥についての画像データを抽出するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明は、磁気ヘッドのスライダ面を測定画像として得て、この測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として測定画像のデータを二値化することで第1のマスク画像を生成し、測定画像の画像データの画像データに対してあるいは測定画像に応じて生成されたスライダ面の画像の画像データに対して第1のマスク画像の二値化データによりマスク処理をして欠陥についての画像データを抽出するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置に関し、詳しくは、ヘッドトラック幅測定の際に得られる顕微鏡測定光学系を介してカメラにより撮影したMR複合ヘッドの画像(光学系測定画像)からヘッドの特定部分の欠陥を検出するものであって、特定部分のヘッド欠陥を精度よく検出することができるような磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク装置の磁気ヘッドとしては、現在、MR複合ヘッドが利用されている。このMR複合ヘッドは、書込側ヘッドとしてインダクティブヘッド(薄膜ヘッド)が、そして読出側ヘッドとしてMRヘッド、GMRヘッド,TMRヘッドなどのヘッドが1つのスライダに取り付けられたものである。
この種のMR複合ヘッド、特にそのうちのMRヘッド、GMRヘッド,TMRヘッドなどのリードヘッドのトラック幅は、0.3μm以下と非常に幅の狭いものになってきている。これに伴って、インダクティブヘッド(薄膜ヘッド)の幅も同様に0.3μm以下と非常に幅が狭い。なお、この明細書および特許請求の範囲では、MR複合ヘッドには、MRヘッドのほか、GMRヘッド,TMRヘッド等のMRヘッドをリードヘッドとして備えているものを言う。
このような幅の狭いヘッドのトラック幅を顕微鏡光学系の画像をカメラにより採取して測定する技術が公知である(特許文献1〜3)。
それは、測定光学系と二次元CCDカメラを用いて、MR複合ヘッドのスライダ面(浮上面)からみた磁気ヘッド部分の画像を画像メモリ(フレームメモリ)に採取して、その画像からMR複合ヘッドのヘッドギャップ部分における輝度差(コントラスト)によりトラック幅を求める。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−250910号公報
【特許文献2】
特開2000−155015号公報
【特許文献3】
特開2001−153614号号公報
【0004】
図6は、トラック幅計測装置100の構成の一例であって、図7は、測定光学系1によって得たMR複合ヘッドのスライダ面からみた磁気ヘッド部分の画像である。この画像をA/D変換器26によりA/D変換して計算機27により計算機内のフレームメモリに記録する。そして、計算機27は、ここに記録されたMR複合ヘッドの、特にインダクティブヘッドのヘッドギャップ部分のデータを、図7の線5−5上のデータとして読出して、それを反転することで図8(a)に示すような輝度信号6のデータを得る。ただし、図8(a)は、輝度データをアナログ信号としての表示してある。
この輝度信号6は、画像データを反転したものであって、反転することで、輝度レベルの高い金属電極部分のレベルを基準とし、輝度レベルの低いMR複合ヘッドのヘッドギャップ部分のレベルを高い値にしている。
次に、この輝度データ(輝度信号6)をさらに微分して図8(b)の微分データ(微分アナログ信号6a)を得て、ゼロクロス点h1,h2間の距離TWWを求めてMR複合ヘッドの書込側であるインダクティブヘッドのトラック幅とする。
なお、図7において、41は、MR複合ヘッド40のインダクティブヘッドのコア部分、42は、そのギャップ部分、43は、シールド部分(輝度レベルの高い部分)、44は、MRヘッド(そのギャップ部分)を構成する磁気抵抗素子の積層された膜部分である。
【0005】
このような測定を行う、図6のトラック幅計測装置100は、測定光学系1、自動焦点系2、画像信号処理・制御系3、そしてステージ系4で構成されている。
XYZθステージのZステージ16上には、ウエハから切り出されたMR複合磁気ヘッドの帯状の基板であるローバー32が載置され、各MR複合磁気ヘッドのトラック幅がここで測定される。
測定光学系1は、照明光学系として、光源7,リレーレンズ9,偏光板10を光軸8上に備えている。光軸8は、ビームスプリッタ11により、ステージ系4に向かって折り曲げられ、落射照明にされている。ビームスプリッタ11とステージ系4との間の光軸8上には、ダイクロイックミラー12と、対物レンズ13とが配置されている。また、ビームスプリッタ11により光軸8から分離された光の光軸81上には、偏光板23、結像レンズ24、CCD固体撮像素子25が配置されている。なお、ダイクロイックミラー12は、自動焦点系2からの光を対物レンズ13に入射させるために配置されている。
ここで、光源7は、波長248nmのDUV光(遠赤外線)を出射する光源である。具体的には、光源7として、水銀―キセノンランプと、透過中心波長248nmの干渉フイルタとの組み合わせを用い、前記ランプから出射された光のうち中心波長248nmのスベクトルを透過させる構成となっている。また、リレーレンズ9、対物レンズ13および結像レンズ24は、すべてDUV光対応レンズを用いている。
【0006】
画像信号処理・制御系3は、CCD固体撮像素子25からのアナログ画像信号をA/D変換するA/D変換器26と、計算機27と、この計算機27に接続されたメモリ29、30、そしてデイスプレイ28とを有している。計算機27は、ローバー32(ウエハから切り出されたMR複合磁気ヘッドの帯状の基板)の測定位置合わせおよび合焦時にXYの各ステージ14x,14y,θステージ(回転ステージ)15、Zステージ16の駆動を制御するために、ステージドライバ17に接続され、このドライバを駆動する。
なお、測定光学系1により得られた光学系測定画像は、通常、そのCCD固体撮像素子25により撮像した画像としてA/D変換器26においてデジタル値に変換されて出力される。
また、計算機27は、CCD固体撮像素子25により撮像した画像(測定光学系の測定画像を電気信号にしたものに相当)を受取り、これを画像処理してトラック幅等を測定するために、A/D変換器26を介してCCD固体撮像素子25に接続されている。さらに、計算機27には、合焦状態を知るために差分回路21が接続され、この回路から合焦制御のための信号を受ける。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
さて、このような顕微鏡画像に基づいて磁気ヘッドのトラック幅を測定するトラック幅計測装置100にあっては、図7に示されるように、シールド43の領域は、比較的大きな領域として捉えられる。このシールド43の部分にある欠陥は、磁気ヘッドの性能に与える影響が比較的大きいことが最近判ってきた。
そこで、この顕微鏡画像からシールド部分43の画像を得て、欠陥を検出することが考えられる。例えば、テンプレート法によりこの部分の画像だけを抽出して欠陥を検出する。そのようにすると、個々にヘッドの形状が微妙に相違するので、シールド部分43の部分だけの画像を抽出して欠陥検出をすることが難しくなる。ヘッドの性能に関係のない他の領域の欠陥も検出してしまい、本来の欠陥が欠落する問題がある。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、ヘッドの特定の部分の欠陥を撮像画像から抽出してその部分の欠陥を精度よく検出することができる磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するためのこの発明の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置の特徴は、磁気ヘッドのスライダ面を測定画像として得て、この測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として測定画像のデータを二値化することで第1のマスク画像を生成し、測定画像の画像データに対してあるいは測定画像に応じて生成されたスライダ面の画像の画像データに対して第1のマスク画像の二値化データによりマスク処理をして欠陥についての画像データを抽出するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
このように、この発明にあっては、測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として測定画像のデータを二値化することで検査対象のヘッドに対応した形状の第1のマスク画像を生成する。この第1のマスク画像は、二値化されたデータであるので、測定画像に対してかけ算処理で簡単に欠陥の画像データを検査ヘッド対応に得ることができる。そこで、この第1のマスク画像に応じて欠陥検出に必要なヘッドの個所を検査領域として指定して第2のマスク画像を生成すれば、ヘッドの任意の個所の欠陥を容易に検出することができる。
特に、測定画像に応じて生成されたスライダ面の画像を画像データとして、シェーディング補正をすることに換えて各画素が自己画素+n隣接画素のn隣接マスクにおける中央位置の輝度データあるいはこれの近傍の輝度データで各画素が形成される中間輝度画像を検査対象ヘッドごとに生成し、さらに、中間輝度画像を基準として同じくシェーディングを含んだ測定画像との差のスライダ面の画像を生成するようにすれば、検査対象ヘッドの欠陥をシェーディングの影響を低減して検出することができる。
その結果、ヘッドの特定の部分の欠陥を撮像画像から抽出してその部分の欠陥を精度よく検出することができる磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置を容易に実現できる。
【0010】
【実施例】
図1は、この発明を適用した一実施例のMR複合ヘッドの欠陥検査装置の画像処理装置を中心とするブロック図であり、図2は、画像データに対して設定される検査領域の説明図、図3は、その欠陥検出処理のフローチャート、図4は、8隣接積分マスクと、欠陥抽出マスク画像を生成するための輝度ヒストグラムの説明図、図5は、各処理における画像の説明図である。
なお、図6乃至図8と同等の構成要素は、同一の符号をもって示し、それらの説明を割愛する。
図1において、101は、ヘッド欠陥検査装置であって、50は、その画像処理装置である。画像処理装置50は、図6の計算機27と、これに接続されたメモリ29、30と、デイスプレイ28とにより構成される装置に対応している。ヘッド欠陥検査装置101の他の構成は、図6の測定光学系1とステージ系4とからなる。
このヘッド欠陥検査装置101では自動焦点系2が削除されているので、自動焦点系2に関係している2分割受光素子20と差分回路21はない。さらに、偏光光を受けて検出するものではないので、図6の偏光板10と偏光板23とは削除されている。これらに換えて、投光倍率を上げるために、光源7とリレーレンズ9との間に中間レンズが設けられている。これによりヘッドのトラック幅の測定時よりも倍率の高い画像を採取する。
なお、測定光学系1のCCD固体撮像素子25とA/D変換器26とは、ここでは、これらが一体化されたCCDカメラ31が使用されている。
【0011】
画像処理装置50は、MPU51とメモリ52、画像データインタフェース53、CRTディスプレイ54、インタフェース55、そしてキーボード56等により構成され、これらがバス57により相互に接続されている。内蔵ディスク装置(HDD)は省略してあるが、これに記憶されたプログラムがメモリ52にロードされ、データが作業領域に設定され、各種の処理が行われることからメモリ52におけるプログラムで内蔵ディスク装置に記憶されているプログラムも含めている。
ここで、CCDカメラ31(CCD固体撮像素子25とA/D変換器26)により撮像された測定光学系1の光学系測定画像は、1フレーム分の測定画像としてデジタル値で出力されて画像データインタフェース53,バス57を介してMPU51により読込まれてメモリ52の作業領域52eに記憶される。
【0012】
メモリ52には、測定画像データ採取プログラム52a、寸法測定プログラム52b、ヘッド疵検出プログラム52c、大きさ分類・合否判定プログラム52d等が記憶され、さらに検査結果表示プログラム等をはじめとして各種のプログラムが格納されている。また、作業領域52eのほか、パラメータ領域52f等が設けられている。
さらに、インタフェース55を介して接続されたHDD(ハードディスク装置)等の外部記憶装置58には各種データファイルが格納されている。
測定画像データ採取プログラム52aは、MPU51により実行されて、MPU51は、画像データインタフェース53を介して測定画像の1フレーム分を採取してメモリ52に記憶する。そして、寸法測定プログラム52bをコールする。
寸法測定プログラム52bは、MPU51により実行されて、MPU51は、メモリ52の作業領域52eに記憶された画像データから検査範囲A(図2参照)のデータを抽出する。抽出される画像データは、MR複合ヘッドのインダクティブヘッドのコア部分41のヘッドギャップ部分のデータ(図7の線5−5上のデータ)である。先に説明したように、このヘッドの画像データから輝度データ(輝度信号6)を得て、ヘッド幅を算出し、測定する。ヘッド幅が算出された後に、MPU51は、このプログラムの終了した時点でヘッド疵検出プログラム52cをコールする。
【0013】
図2は、作業領域52eに記憶された画像データに対して検査領域を設定する場合の説明図である。個々のヘッドの形状の相違を含む範囲で矩形のエリアをインダクティブヘッドのコア部分41の領域とシールド部分43の領域とにそれぞれ検査範囲A,検査範囲Bとして図示するように検査領域が設定される。
これら検査範囲A,Bの設定は、インダクティブヘッドのコア部分41とシールド部分43の領域とに対応していて、これら結合点を画像データ上から検索して、それを基準点Pとして決定し、この基準点Pの位置に基づいて個々のヘッドごとに検査範囲A,Bが設定される。
ここで、ヘッド疵検出プログラム52cは、シールド領域43の部分にある疵を検出する処理プログラムである。ヘッド幅の測定が終了すると、次にこのプログラムがMPU51により実行されて、MPU51は、作業領域52eの画像データに対して、図3に従って、抽出した画像データを処理して検出結果を作業領域52eに記憶する。そして、大きさ分類・合否判定プログラム52dをコールしてMPU51に続いて実行させる。
図3に従って、その手順を説明すると、▲1▼画像データの採取、▲2▼ノイズ除去処理、▲3▼輝度ヒストグラムの生成、▲4▼マスク画像の生成と線欠陥補修処理(クロージング処理)、▲5▼中央位置輝度画像の生成、▲6▼差分画像による欠陥画像データ生成、▲7▼マスク画像による欠陥画像の抽出処理、▲8▼欠陥の大きさ分類、▲9▼合否判定処理の順でシールド部分43の欠陥検出が行われる。
【0014】
以下、これら手順について詳細に説明する。
▲1▼画像データの採取は、MPU51が測定画像データ採取プログラム52aを実行して作業領域52eに1フレーム分の測定光学係1から得られる測定画像を記憶する処理である。
▲2▼ノイズ除去処理は、得られた測定画像を線形平滑化する処理である。図4(a)〜(c)に示すような、各注目画素に対して3×3画素の8隣接の積分マスクのうち選択された1個の積分マスクをかけて各注目画素の輝度値を算出して、測定時の輝度データと置換える。これにより、作業領域52eにはノイズが除去された測定画像の画像データが記憶される。その結果、例えば、図5(a)に示すような画像を得ることができる。次にMPU51により寸法測定プログラム52bが実行されて、ヘッド幅の測定が行われるが、これについては割愛する。寸法測定プログラム52bの実行が終了すると、MPU51は、次にヘッド疵検出プログラム52cを実行して、ノイズが除去された測定画像に対して▲3▼輝度ヒストグラムの生成〜▲7▼マスク画像による欠陥抽出処理までの処理をする。
▲3▼輝度ヒストグラムを生成は、MPU51がヘッド疵検出プログラム52cを実行して、ノイズを除去した測定画像の画像データから図4(d)に示すような画像全体の輝度ヒストグラムを生成して、背景輝度のうちのピークに当たる輝度P1と、インダクティブヘッドのコア部分、シールド部分、MRヘッド部分等のヘッド構成部分についての輝度のうちのピークに当たる輝度P2を算出して、輝度P1と輝度P2の輝度の間の輝度P0(=(P2−P1)/2+P1)を得る。
なお、図4(d)の縦軸は頻度であり、横軸は輝度である。
▲4▼マスク画像の生成と線欠陥補修処理(クロージング処理)は、ノイズを除去した画像データから前記の輝度P0を基準(閾値)として検査範囲Bのデータを抽出してそれを二値化して検査範囲Bの画像データを得て(第1のマスク画像の画像データに相当)、さらに、検査範囲B以外の領域のデータをすべて“0”にする(第2の画像データに相当)。その結果、図5(b)に示すように、白部分が“1”、黒部分が“0”のマスク画像が得られる。このデータを作業領域52eのうちのマスク画像記憶領域に記憶する。
線欠陥補修処理(クロージング処理)は、二値化されたマスク画像に対して、画像認識で通常行われている、膨張と収縮処理を行う。これは、注目画素に対して8隣接マスクあるいは4隣接マスクを用いて注目画素“1”に対して隣接画素値を“1”に置換える膨張処理をした後に注目画素“0”に対して隣接画素を“0”に置換える収縮処理をして画像データを得ることで線欠陥を消滅させるものである。これによりマスクの境界線に跨って発生している欠陥による線欠落を補修して欠陥により生じる線を消すことでそれぞれのヘッドのシールド部分43に対応したマスク画像ができる。なお、実際の処理としては、8隣接で2回膨張処理を行い、その後に2回の収縮処理を行うとよい。
【0015】
▲5▼中央位置輝度画像の生成は、中央位置フィルタ処理と呼ばれるものであり、作業領域52eのノイズを除去した画像データについて8隣接の積分マスクの3×3の画素のデータ9個についてその輝度のデータについて昇順あるいは降順に並べてその中央位置、すなわち、5番目に位置する輝度値を注目画素の輝度データとする処理である。その結果、図5(c)に示すような画像データが得られる。これを作業領域52eのうちの中央位置輝度画像の記憶領域に記憶する。
なお、5番目に位置する輝度データは、数学的処理としては中央値を得る中央値処理となる。個数が偶数の昇順あるいは降順に並びては、中央位置に相当するものが前後2つになるので、これら2つの位置の輝度データの値の平均値がこの場合の中央値になる。これは、メディアンフィルタ処理と呼ばれるものであり、前記の中央位置フィルタ処理の1つとしてこれに含まれる。
ここで、隣接画素数をnとすれば、nは、2以上であればよく、偶数の場合には自己を含めて奇数となり、中央位置が容易に決定できる。しかし、この場合、中央位置に隣接する前後の位置の輝度データをこの輝度画像のデータとして採用してもよい。隣接画素数が奇数の場合は、全体が偶数になるので、この前後に相当する輝度データのいずれかにしもよい。中央位置輝度画像は、中央位置の輝度データによる必要はなく、nの数が小さい場合には中央位置の輝度データを使用し、nの数が比較的大きい場合、例えば、8か、それ以上の場合には、これに隣接する輝度データを使用してもよい。あるいは中央位置の近傍の輝度データが使用可能である。したがって、中央位置輝度画像は中間輝度画像であればよい。
このメディアンフィルタ処理(中央位置フィルタ処理)で生成される隣接マスク処理の中央位置輝度画像は、照度むら、各受光素子の感度差等によるシェーディングを反映した形でかつ隣接マスク処理のマスクで平均化された値が画素対応に得られる。これによりシェーディングを含んだ隣接マスクにおける平均的な輝度の閾値を得ることができる。
▲6▼差分画像による欠陥画像データ生成は、作業領域52eの画像データにおいて、図5(c)の画像から図5(a)の画像を引算する。その結果、図5(d)に示すような欠陥部分の画像が得られる。その画像データを作業領域52eのうちの欠陥画像記憶領域に記憶する。このとき、ノイズが除去された測定画像は、シェーディングを含んだ画像であるので、これの輝度値から同様にシェーディングを含んだ隣接マスクにおける平均的な輝度閾値分を引算するので、シェーディングの影響が相殺されて、シェーディング補正された欠陥画像を得ることができる。なお、本来なら図5(a)の画像から図5(c)の画像を引く、引算すべきであるが、疵を白として浮き上がらせるために、閾値側画像から測定画像を引く、逆の引算をしている。
ところで、シェーディング補正については、前記のように中間輝度画像を生成して、これと測定画像との差のスライダ面画像を得るほかに、欠陥のない磁気ヘッドのサンプルを多数測定してヘッド構成部分の輝度データからヘッド構成部分についての輝度の平均値を得て、この平均値を各画素対応に得てシェーディング補正の基準として各画素対応にシェーディングを補正することが可能である。また、一般的なシェーディング補正と同様に基準面での輝度を測定して各画素対応のシェーディング補正の基準値を得てもよい。
前者のようにする利点は、このような基準値による画一的なシェーディング補正と異なり、検査ヘッドに対応してシェーディング補正ができる点である。
【0016】
▲7▼マスク画像による欠陥抽出処理は、作業領域52eに記憶された“0”,“1”の二値化データからなる図5(b)のマスク画像のデータに対して図5(d)の欠陥部分の画像データをかけ算して、マスク領域の“0”の部分のデータを消去する。その結果として、欠陥データが存在するマスク白枠部分のデータだけが抽出される。これらが図5(e)に示すシールド領域43の部分の欠陥画像データである。
MPU51は、このようなヘッド疵検出プログラム52cの実行が終了すると、大きさ分類・合否判定プログラム52dを実行して、▲8▼欠陥の大きさ分類〜▲9▼合否判定処理を行う。
▲8▼欠陥の大きさ分類は、図5(e)に示すシールド領域43の部分の欠陥画像データに対して欠陥の面積、長さ、そして基準点からの距離とを算出する。面積は、欠陥となる領域の画素数が面積Aとして算出される。長さは、図5(e)に示すように、X軸方向の長さX長とY軸方向の長さY長とが算出されて、X:Yの長さの比、すなわち、縦横比Bが算出される。
なお、この場合のX軸は、インダクティブヘッドのコア部分41に直交する方向であり、Y軸は、コア部分41と平行な方向である。
ヘッド基準点Pからの距離Lは、図2に示すインダクティブヘッドのコア部分41の根本の基準位置Pからの直線距離である。そこから欠陥の中心までの長さである距離Lが座標演算により算出される。
【0017】
欠陥の大きさ分類は、面積Aの基準値Asと縦横比Bの基準値Bsとにより4段階に分類される。
すなわち、ランク1:面積A>As かつ 縦横比B>Bsの場合、
ランク2:面積A>As かつ 縦横比B<=Bsの場合、
ランク3:面積A<=As かつ 縦横比B>Bsの場合、
ランク4:面積A<=As かつ 縦横比B<=Bsの場合、
▲9▼合否判定処理は、前記の分類されたランクと前記距離Lの基準値Lsと欠陥の個数との関係で合否を判定する処理である。
不合格とする判定条件
1.距離L<=Lsのときに
ランク1の欠陥が1個以上ある場合、
ランク2の欠陥がk個以上ある場合、
ランク3の欠陥がm個以上ある場合、
ランク4の欠陥がn個以上ある場合、
ただし、k>m>nである。
2.距離L>Lsのときに
ランク1の欠陥が複数ある場合、
ランク2の欠陥がj個以上ある場合、
なお、k,m,n,jの値は、実際の検査データと、磁気ヘッドの書込データの読出信号のレベルにおいてそれぞれに決定される。そして、これらk,m,n,jの値とAs,Bs,Lsの値は、それぞれパラメータ領域52fに記憶されている。
ここで、距離LがL<=Lsのときの不合格判定を細かく設定しているのは、コア部分に近い欠陥は、その分、欠陥がインダクティブヘッドの性能に与える影響が大きいからである。この場合には、コアの下に欠陥がある場合には、たとえ、小さな欠陥でも問題になる。この点、コアから離れた欠陥は、たとえ、大きな欠陥でもヘッドの性能に余り影響を与えない。
この判定結果とランク、そして距離Lの値は、次にMPU51により表示処理プログラムが実行されて、CRTディスプレイ54に出力され、検査結果として表示される。また、外部記憶装置58に転送されて検査データとして所定の領域にヘッドの識別コード、例えば、ロット番号等とともに記憶される。
なお、測定されたMR複合ヘッドのインダクティブヘッドのトラック幅TWWもこの測定後にHDD58に転送され、ヘッドの識別コードとともに所定の領域に測定結果として記憶される。
【0018】
以上説明してきたが、実施例では、シールド部分の欠陥を検出する例を挙げているが、この発明における欠陥の検出は、シールド部分に限定されるものではない。ヘッドの性能に与える影響が大きいエリアを限定して、そこでの欠陥を抽出して、集中的に検査することができる。
また、実施例では、ノイズを除去した画像データから輝度P0を基準(閾値)として検査範囲Bのデータを抽出してそれを二値化して第1のマスク画像に相当する検査範囲Bの画像データを得て、さらに、検査範囲B以外の領域のデータをすべて“0”にして第2のマスク画像に相当する画像データを得ているが、第1の画像データは、必ずしも検査範囲Bに限定して抽出される必要はない。
さらに、実施例では、マスク画像を生成する際に、輝度P0(=(P2−P1)/2+P1)を基準(閾値)として画像のデータの抽出をしているが、マスク画像を生成するときの基準は、これに限定されるものではなく、輝度P1と輝度P2の間の輝度を基準とすればよい。
なお、実施例では、MR複合ヘッドの例を挙げているが、この発明は、通常の磁気ヘッド一般の検査にも適用できることはもちろんである。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、この発明にあっては、測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として測定画像のデータを二値化することで検査対象のヘッドに対応した形状の第1のマスク画像を生成する。この第1のマスク画像は、二値化されたデータであるので、測定画像に対してかけ算処理で簡単に欠陥の画像データを検査ヘッド対応に得ることができる。そこで、この第1のマスク画像に応じて欠陥検出に必要なヘッドの個所を検査領域として指定して第2のマスク画像を生成すれば、ヘッドの任意の個所の欠陥を容易に検出することができる。
その結果、ヘッドの特定の部分の欠陥を撮像画像から抽出してその部分の欠陥を精度よく検出することができる磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明を適用した一実施例のMR複合ヘッドの欠陥検査装置の画像処理装置を中心とするブロック図である。
【図2】図2は、画像データに対して設定される検査領域の説明図である。
【図3】図3は、その欠陥検出処理のフローチャートである。
【図4】図4は、8隣接積分マスクと、欠陥抽出マスク画像を生成するための輝度ヒストグラムの説明図である。
【図5】図5は、各処理における画像の説明図である。
【図6】図6は、従来のMRヘッドの欠陥検査装置の構成図である。
【図7】図7は、MRヘッドの測定画像の説明図である。
【図8】図8は、その輝度信号の説明図である。
【符号の説明】
1…測定光学系、2…自動焦点系、3…画像信号処理・制御系、
4…ステージ系、5…画像上のMRヘッドのギャップ部分の線、
6…輝度信号、7…光源、8…光軸、9…リレーレンズ、
10…偏光板、11…ビームスプリッタ、12…ダイクロイックミラー、
13…対物レンズ、14x,14y…X,Yの各ステージ,
15…θステージ(回転ステージ)、16…Zステージ、
17…ステージドライバ、
20…2分割受光素子、
21…差分回路、23…偏光板、24…結像レンズ、
25…CCD固体撮像素子、26…A/D変換器、
27…計算機、28…CRTディスプレイ、29,30,52…メモリ、
40…MR複合ヘッド、41…インダクティブヘッドのコア部分、
42…ギャップ部分、43…シールド部分、44…MRヘッド、
50…画像処理装置、51…MPU、
52a…測定画像データ採取プログラム、
52b…寸法測定プログラム、
52c…ヘッド疵検出プログラム、
52d…大きさ分類・合否判定プログラム、
52e…作業領域、53…画像データインタフェース、
55…インタフェース、54…CRTディスプレイ、
57…バス、58…外部記憶装置、
100…トラック幅計測装置、101…ヘッド欠陥検査装置。
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置に関し、詳しくは、ヘッドトラック幅測定の際に得られる顕微鏡測定光学系を介してカメラにより撮影したMR複合ヘッドの画像(光学系測定画像)からヘッドの特定部分の欠陥を検出するものであって、特定部分のヘッド欠陥を精度よく検出することができるような磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク装置の磁気ヘッドとしては、現在、MR複合ヘッドが利用されている。このMR複合ヘッドは、書込側ヘッドとしてインダクティブヘッド(薄膜ヘッド)が、そして読出側ヘッドとしてMRヘッド、GMRヘッド,TMRヘッドなどのヘッドが1つのスライダに取り付けられたものである。
この種のMR複合ヘッド、特にそのうちのMRヘッド、GMRヘッド,TMRヘッドなどのリードヘッドのトラック幅は、0.3μm以下と非常に幅の狭いものになってきている。これに伴って、インダクティブヘッド(薄膜ヘッド)の幅も同様に0.3μm以下と非常に幅が狭い。なお、この明細書および特許請求の範囲では、MR複合ヘッドには、MRヘッドのほか、GMRヘッド,TMRヘッド等のMRヘッドをリードヘッドとして備えているものを言う。
このような幅の狭いヘッドのトラック幅を顕微鏡光学系の画像をカメラにより採取して測定する技術が公知である(特許文献1〜3)。
それは、測定光学系と二次元CCDカメラを用いて、MR複合ヘッドのスライダ面(浮上面)からみた磁気ヘッド部分の画像を画像メモリ(フレームメモリ)に採取して、その画像からMR複合ヘッドのヘッドギャップ部分における輝度差(コントラスト)によりトラック幅を求める。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−250910号公報
【特許文献2】
特開2000−155015号公報
【特許文献3】
特開2001−153614号号公報
【0004】
図6は、トラック幅計測装置100の構成の一例であって、図7は、測定光学系1によって得たMR複合ヘッドのスライダ面からみた磁気ヘッド部分の画像である。この画像をA/D変換器26によりA/D変換して計算機27により計算機内のフレームメモリに記録する。そして、計算機27は、ここに記録されたMR複合ヘッドの、特にインダクティブヘッドのヘッドギャップ部分のデータを、図7の線5−5上のデータとして読出して、それを反転することで図8(a)に示すような輝度信号6のデータを得る。ただし、図8(a)は、輝度データをアナログ信号としての表示してある。
この輝度信号6は、画像データを反転したものであって、反転することで、輝度レベルの高い金属電極部分のレベルを基準とし、輝度レベルの低いMR複合ヘッドのヘッドギャップ部分のレベルを高い値にしている。
次に、この輝度データ(輝度信号6)をさらに微分して図8(b)の微分データ(微分アナログ信号6a)を得て、ゼロクロス点h1,h2間の距離TWWを求めてMR複合ヘッドの書込側であるインダクティブヘッドのトラック幅とする。
なお、図7において、41は、MR複合ヘッド40のインダクティブヘッドのコア部分、42は、そのギャップ部分、43は、シールド部分(輝度レベルの高い部分)、44は、MRヘッド(そのギャップ部分)を構成する磁気抵抗素子の積層された膜部分である。
【0005】
このような測定を行う、図6のトラック幅計測装置100は、測定光学系1、自動焦点系2、画像信号処理・制御系3、そしてステージ系4で構成されている。
XYZθステージのZステージ16上には、ウエハから切り出されたMR複合磁気ヘッドの帯状の基板であるローバー32が載置され、各MR複合磁気ヘッドのトラック幅がここで測定される。
測定光学系1は、照明光学系として、光源7,リレーレンズ9,偏光板10を光軸8上に備えている。光軸8は、ビームスプリッタ11により、ステージ系4に向かって折り曲げられ、落射照明にされている。ビームスプリッタ11とステージ系4との間の光軸8上には、ダイクロイックミラー12と、対物レンズ13とが配置されている。また、ビームスプリッタ11により光軸8から分離された光の光軸81上には、偏光板23、結像レンズ24、CCD固体撮像素子25が配置されている。なお、ダイクロイックミラー12は、自動焦点系2からの光を対物レンズ13に入射させるために配置されている。
ここで、光源7は、波長248nmのDUV光(遠赤外線)を出射する光源である。具体的には、光源7として、水銀―キセノンランプと、透過中心波長248nmの干渉フイルタとの組み合わせを用い、前記ランプから出射された光のうち中心波長248nmのスベクトルを透過させる構成となっている。また、リレーレンズ9、対物レンズ13および結像レンズ24は、すべてDUV光対応レンズを用いている。
【0006】
画像信号処理・制御系3は、CCD固体撮像素子25からのアナログ画像信号をA/D変換するA/D変換器26と、計算機27と、この計算機27に接続されたメモリ29、30、そしてデイスプレイ28とを有している。計算機27は、ローバー32(ウエハから切り出されたMR複合磁気ヘッドの帯状の基板)の測定位置合わせおよび合焦時にXYの各ステージ14x,14y,θステージ(回転ステージ)15、Zステージ16の駆動を制御するために、ステージドライバ17に接続され、このドライバを駆動する。
なお、測定光学系1により得られた光学系測定画像は、通常、そのCCD固体撮像素子25により撮像した画像としてA/D変換器26においてデジタル値に変換されて出力される。
また、計算機27は、CCD固体撮像素子25により撮像した画像(測定光学系の測定画像を電気信号にしたものに相当)を受取り、これを画像処理してトラック幅等を測定するために、A/D変換器26を介してCCD固体撮像素子25に接続されている。さらに、計算機27には、合焦状態を知るために差分回路21が接続され、この回路から合焦制御のための信号を受ける。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
さて、このような顕微鏡画像に基づいて磁気ヘッドのトラック幅を測定するトラック幅計測装置100にあっては、図7に示されるように、シールド43の領域は、比較的大きな領域として捉えられる。このシールド43の部分にある欠陥は、磁気ヘッドの性能に与える影響が比較的大きいことが最近判ってきた。
そこで、この顕微鏡画像からシールド部分43の画像を得て、欠陥を検出することが考えられる。例えば、テンプレート法によりこの部分の画像だけを抽出して欠陥を検出する。そのようにすると、個々にヘッドの形状が微妙に相違するので、シールド部分43の部分だけの画像を抽出して欠陥検出をすることが難しくなる。ヘッドの性能に関係のない他の領域の欠陥も検出してしまい、本来の欠陥が欠落する問題がある。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、ヘッドの特定の部分の欠陥を撮像画像から抽出してその部分の欠陥を精度よく検出することができる磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するためのこの発明の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置の特徴は、磁気ヘッドのスライダ面を測定画像として得て、この測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として測定画像のデータを二値化することで第1のマスク画像を生成し、測定画像の画像データに対してあるいは測定画像に応じて生成されたスライダ面の画像の画像データに対して第1のマスク画像の二値化データによりマスク処理をして欠陥についての画像データを抽出するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
このように、この発明にあっては、測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として測定画像のデータを二値化することで検査対象のヘッドに対応した形状の第1のマスク画像を生成する。この第1のマスク画像は、二値化されたデータであるので、測定画像に対してかけ算処理で簡単に欠陥の画像データを検査ヘッド対応に得ることができる。そこで、この第1のマスク画像に応じて欠陥検出に必要なヘッドの個所を検査領域として指定して第2のマスク画像を生成すれば、ヘッドの任意の個所の欠陥を容易に検出することができる。
特に、測定画像に応じて生成されたスライダ面の画像を画像データとして、シェーディング補正をすることに換えて各画素が自己画素+n隣接画素のn隣接マスクにおける中央位置の輝度データあるいはこれの近傍の輝度データで各画素が形成される中間輝度画像を検査対象ヘッドごとに生成し、さらに、中間輝度画像を基準として同じくシェーディングを含んだ測定画像との差のスライダ面の画像を生成するようにすれば、検査対象ヘッドの欠陥をシェーディングの影響を低減して検出することができる。
その結果、ヘッドの特定の部分の欠陥を撮像画像から抽出してその部分の欠陥を精度よく検出することができる磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置を容易に実現できる。
【0010】
【実施例】
図1は、この発明を適用した一実施例のMR複合ヘッドの欠陥検査装置の画像処理装置を中心とするブロック図であり、図2は、画像データに対して設定される検査領域の説明図、図3は、その欠陥検出処理のフローチャート、図4は、8隣接積分マスクと、欠陥抽出マスク画像を生成するための輝度ヒストグラムの説明図、図5は、各処理における画像の説明図である。
なお、図6乃至図8と同等の構成要素は、同一の符号をもって示し、それらの説明を割愛する。
図1において、101は、ヘッド欠陥検査装置であって、50は、その画像処理装置である。画像処理装置50は、図6の計算機27と、これに接続されたメモリ29、30と、デイスプレイ28とにより構成される装置に対応している。ヘッド欠陥検査装置101の他の構成は、図6の測定光学系1とステージ系4とからなる。
このヘッド欠陥検査装置101では自動焦点系2が削除されているので、自動焦点系2に関係している2分割受光素子20と差分回路21はない。さらに、偏光光を受けて検出するものではないので、図6の偏光板10と偏光板23とは削除されている。これらに換えて、投光倍率を上げるために、光源7とリレーレンズ9との間に中間レンズが設けられている。これによりヘッドのトラック幅の測定時よりも倍率の高い画像を採取する。
なお、測定光学系1のCCD固体撮像素子25とA/D変換器26とは、ここでは、これらが一体化されたCCDカメラ31が使用されている。
【0011】
画像処理装置50は、MPU51とメモリ52、画像データインタフェース53、CRTディスプレイ54、インタフェース55、そしてキーボード56等により構成され、これらがバス57により相互に接続されている。内蔵ディスク装置(HDD)は省略してあるが、これに記憶されたプログラムがメモリ52にロードされ、データが作業領域に設定され、各種の処理が行われることからメモリ52におけるプログラムで内蔵ディスク装置に記憶されているプログラムも含めている。
ここで、CCDカメラ31(CCD固体撮像素子25とA/D変換器26)により撮像された測定光学系1の光学系測定画像は、1フレーム分の測定画像としてデジタル値で出力されて画像データインタフェース53,バス57を介してMPU51により読込まれてメモリ52の作業領域52eに記憶される。
【0012】
メモリ52には、測定画像データ採取プログラム52a、寸法測定プログラム52b、ヘッド疵検出プログラム52c、大きさ分類・合否判定プログラム52d等が記憶され、さらに検査結果表示プログラム等をはじめとして各種のプログラムが格納されている。また、作業領域52eのほか、パラメータ領域52f等が設けられている。
さらに、インタフェース55を介して接続されたHDD(ハードディスク装置)等の外部記憶装置58には各種データファイルが格納されている。
測定画像データ採取プログラム52aは、MPU51により実行されて、MPU51は、画像データインタフェース53を介して測定画像の1フレーム分を採取してメモリ52に記憶する。そして、寸法測定プログラム52bをコールする。
寸法測定プログラム52bは、MPU51により実行されて、MPU51は、メモリ52の作業領域52eに記憶された画像データから検査範囲A(図2参照)のデータを抽出する。抽出される画像データは、MR複合ヘッドのインダクティブヘッドのコア部分41のヘッドギャップ部分のデータ(図7の線5−5上のデータ)である。先に説明したように、このヘッドの画像データから輝度データ(輝度信号6)を得て、ヘッド幅を算出し、測定する。ヘッド幅が算出された後に、MPU51は、このプログラムの終了した時点でヘッド疵検出プログラム52cをコールする。
【0013】
図2は、作業領域52eに記憶された画像データに対して検査領域を設定する場合の説明図である。個々のヘッドの形状の相違を含む範囲で矩形のエリアをインダクティブヘッドのコア部分41の領域とシールド部分43の領域とにそれぞれ検査範囲A,検査範囲Bとして図示するように検査領域が設定される。
これら検査範囲A,Bの設定は、インダクティブヘッドのコア部分41とシールド部分43の領域とに対応していて、これら結合点を画像データ上から検索して、それを基準点Pとして決定し、この基準点Pの位置に基づいて個々のヘッドごとに検査範囲A,Bが設定される。
ここで、ヘッド疵検出プログラム52cは、シールド領域43の部分にある疵を検出する処理プログラムである。ヘッド幅の測定が終了すると、次にこのプログラムがMPU51により実行されて、MPU51は、作業領域52eの画像データに対して、図3に従って、抽出した画像データを処理して検出結果を作業領域52eに記憶する。そして、大きさ分類・合否判定プログラム52dをコールしてMPU51に続いて実行させる。
図3に従って、その手順を説明すると、▲1▼画像データの採取、▲2▼ノイズ除去処理、▲3▼輝度ヒストグラムの生成、▲4▼マスク画像の生成と線欠陥補修処理(クロージング処理)、▲5▼中央位置輝度画像の生成、▲6▼差分画像による欠陥画像データ生成、▲7▼マスク画像による欠陥画像の抽出処理、▲8▼欠陥の大きさ分類、▲9▼合否判定処理の順でシールド部分43の欠陥検出が行われる。
【0014】
以下、これら手順について詳細に説明する。
▲1▼画像データの採取は、MPU51が測定画像データ採取プログラム52aを実行して作業領域52eに1フレーム分の測定光学係1から得られる測定画像を記憶する処理である。
▲2▼ノイズ除去処理は、得られた測定画像を線形平滑化する処理である。図4(a)〜(c)に示すような、各注目画素に対して3×3画素の8隣接の積分マスクのうち選択された1個の積分マスクをかけて各注目画素の輝度値を算出して、測定時の輝度データと置換える。これにより、作業領域52eにはノイズが除去された測定画像の画像データが記憶される。その結果、例えば、図5(a)に示すような画像を得ることができる。次にMPU51により寸法測定プログラム52bが実行されて、ヘッド幅の測定が行われるが、これについては割愛する。寸法測定プログラム52bの実行が終了すると、MPU51は、次にヘッド疵検出プログラム52cを実行して、ノイズが除去された測定画像に対して▲3▼輝度ヒストグラムの生成〜▲7▼マスク画像による欠陥抽出処理までの処理をする。
▲3▼輝度ヒストグラムを生成は、MPU51がヘッド疵検出プログラム52cを実行して、ノイズを除去した測定画像の画像データから図4(d)に示すような画像全体の輝度ヒストグラムを生成して、背景輝度のうちのピークに当たる輝度P1と、インダクティブヘッドのコア部分、シールド部分、MRヘッド部分等のヘッド構成部分についての輝度のうちのピークに当たる輝度P2を算出して、輝度P1と輝度P2の輝度の間の輝度P0(=(P2−P1)/2+P1)を得る。
なお、図4(d)の縦軸は頻度であり、横軸は輝度である。
▲4▼マスク画像の生成と線欠陥補修処理(クロージング処理)は、ノイズを除去した画像データから前記の輝度P0を基準(閾値)として検査範囲Bのデータを抽出してそれを二値化して検査範囲Bの画像データを得て(第1のマスク画像の画像データに相当)、さらに、検査範囲B以外の領域のデータをすべて“0”にする(第2の画像データに相当)。その結果、図5(b)に示すように、白部分が“1”、黒部分が“0”のマスク画像が得られる。このデータを作業領域52eのうちのマスク画像記憶領域に記憶する。
線欠陥補修処理(クロージング処理)は、二値化されたマスク画像に対して、画像認識で通常行われている、膨張と収縮処理を行う。これは、注目画素に対して8隣接マスクあるいは4隣接マスクを用いて注目画素“1”に対して隣接画素値を“1”に置換える膨張処理をした後に注目画素“0”に対して隣接画素を“0”に置換える収縮処理をして画像データを得ることで線欠陥を消滅させるものである。これによりマスクの境界線に跨って発生している欠陥による線欠落を補修して欠陥により生じる線を消すことでそれぞれのヘッドのシールド部分43に対応したマスク画像ができる。なお、実際の処理としては、8隣接で2回膨張処理を行い、その後に2回の収縮処理を行うとよい。
【0015】
▲5▼中央位置輝度画像の生成は、中央位置フィルタ処理と呼ばれるものであり、作業領域52eのノイズを除去した画像データについて8隣接の積分マスクの3×3の画素のデータ9個についてその輝度のデータについて昇順あるいは降順に並べてその中央位置、すなわち、5番目に位置する輝度値を注目画素の輝度データとする処理である。その結果、図5(c)に示すような画像データが得られる。これを作業領域52eのうちの中央位置輝度画像の記憶領域に記憶する。
なお、5番目に位置する輝度データは、数学的処理としては中央値を得る中央値処理となる。個数が偶数の昇順あるいは降順に並びては、中央位置に相当するものが前後2つになるので、これら2つの位置の輝度データの値の平均値がこの場合の中央値になる。これは、メディアンフィルタ処理と呼ばれるものであり、前記の中央位置フィルタ処理の1つとしてこれに含まれる。
ここで、隣接画素数をnとすれば、nは、2以上であればよく、偶数の場合には自己を含めて奇数となり、中央位置が容易に決定できる。しかし、この場合、中央位置に隣接する前後の位置の輝度データをこの輝度画像のデータとして採用してもよい。隣接画素数が奇数の場合は、全体が偶数になるので、この前後に相当する輝度データのいずれかにしもよい。中央位置輝度画像は、中央位置の輝度データによる必要はなく、nの数が小さい場合には中央位置の輝度データを使用し、nの数が比較的大きい場合、例えば、8か、それ以上の場合には、これに隣接する輝度データを使用してもよい。あるいは中央位置の近傍の輝度データが使用可能である。したがって、中央位置輝度画像は中間輝度画像であればよい。
このメディアンフィルタ処理(中央位置フィルタ処理)で生成される隣接マスク処理の中央位置輝度画像は、照度むら、各受光素子の感度差等によるシェーディングを反映した形でかつ隣接マスク処理のマスクで平均化された値が画素対応に得られる。これによりシェーディングを含んだ隣接マスクにおける平均的な輝度の閾値を得ることができる。
▲6▼差分画像による欠陥画像データ生成は、作業領域52eの画像データにおいて、図5(c)の画像から図5(a)の画像を引算する。その結果、図5(d)に示すような欠陥部分の画像が得られる。その画像データを作業領域52eのうちの欠陥画像記憶領域に記憶する。このとき、ノイズが除去された測定画像は、シェーディングを含んだ画像であるので、これの輝度値から同様にシェーディングを含んだ隣接マスクにおける平均的な輝度閾値分を引算するので、シェーディングの影響が相殺されて、シェーディング補正された欠陥画像を得ることができる。なお、本来なら図5(a)の画像から図5(c)の画像を引く、引算すべきであるが、疵を白として浮き上がらせるために、閾値側画像から測定画像を引く、逆の引算をしている。
ところで、シェーディング補正については、前記のように中間輝度画像を生成して、これと測定画像との差のスライダ面画像を得るほかに、欠陥のない磁気ヘッドのサンプルを多数測定してヘッド構成部分の輝度データからヘッド構成部分についての輝度の平均値を得て、この平均値を各画素対応に得てシェーディング補正の基準として各画素対応にシェーディングを補正することが可能である。また、一般的なシェーディング補正と同様に基準面での輝度を測定して各画素対応のシェーディング補正の基準値を得てもよい。
前者のようにする利点は、このような基準値による画一的なシェーディング補正と異なり、検査ヘッドに対応してシェーディング補正ができる点である。
【0016】
▲7▼マスク画像による欠陥抽出処理は、作業領域52eに記憶された“0”,“1”の二値化データからなる図5(b)のマスク画像のデータに対して図5(d)の欠陥部分の画像データをかけ算して、マスク領域の“0”の部分のデータを消去する。その結果として、欠陥データが存在するマスク白枠部分のデータだけが抽出される。これらが図5(e)に示すシールド領域43の部分の欠陥画像データである。
MPU51は、このようなヘッド疵検出プログラム52cの実行が終了すると、大きさ分類・合否判定プログラム52dを実行して、▲8▼欠陥の大きさ分類〜▲9▼合否判定処理を行う。
▲8▼欠陥の大きさ分類は、図5(e)に示すシールド領域43の部分の欠陥画像データに対して欠陥の面積、長さ、そして基準点からの距離とを算出する。面積は、欠陥となる領域の画素数が面積Aとして算出される。長さは、図5(e)に示すように、X軸方向の長さX長とY軸方向の長さY長とが算出されて、X:Yの長さの比、すなわち、縦横比Bが算出される。
なお、この場合のX軸は、インダクティブヘッドのコア部分41に直交する方向であり、Y軸は、コア部分41と平行な方向である。
ヘッド基準点Pからの距離Lは、図2に示すインダクティブヘッドのコア部分41の根本の基準位置Pからの直線距離である。そこから欠陥の中心までの長さである距離Lが座標演算により算出される。
【0017】
欠陥の大きさ分類は、面積Aの基準値Asと縦横比Bの基準値Bsとにより4段階に分類される。
すなわち、ランク1:面積A>As かつ 縦横比B>Bsの場合、
ランク2:面積A>As かつ 縦横比B<=Bsの場合、
ランク3:面積A<=As かつ 縦横比B>Bsの場合、
ランク4:面積A<=As かつ 縦横比B<=Bsの場合、
▲9▼合否判定処理は、前記の分類されたランクと前記距離Lの基準値Lsと欠陥の個数との関係で合否を判定する処理である。
不合格とする判定条件
1.距離L<=Lsのときに
ランク1の欠陥が1個以上ある場合、
ランク2の欠陥がk個以上ある場合、
ランク3の欠陥がm個以上ある場合、
ランク4の欠陥がn個以上ある場合、
ただし、k>m>nである。
2.距離L>Lsのときに
ランク1の欠陥が複数ある場合、
ランク2の欠陥がj個以上ある場合、
なお、k,m,n,jの値は、実際の検査データと、磁気ヘッドの書込データの読出信号のレベルにおいてそれぞれに決定される。そして、これらk,m,n,jの値とAs,Bs,Lsの値は、それぞれパラメータ領域52fに記憶されている。
ここで、距離LがL<=Lsのときの不合格判定を細かく設定しているのは、コア部分に近い欠陥は、その分、欠陥がインダクティブヘッドの性能に与える影響が大きいからである。この場合には、コアの下に欠陥がある場合には、たとえ、小さな欠陥でも問題になる。この点、コアから離れた欠陥は、たとえ、大きな欠陥でもヘッドの性能に余り影響を与えない。
この判定結果とランク、そして距離Lの値は、次にMPU51により表示処理プログラムが実行されて、CRTディスプレイ54に出力され、検査結果として表示される。また、外部記憶装置58に転送されて検査データとして所定の領域にヘッドの識別コード、例えば、ロット番号等とともに記憶される。
なお、測定されたMR複合ヘッドのインダクティブヘッドのトラック幅TWWもこの測定後にHDD58に転送され、ヘッドの識別コードとともに所定の領域に測定結果として記憶される。
【0018】
以上説明してきたが、実施例では、シールド部分の欠陥を検出する例を挙げているが、この発明における欠陥の検出は、シールド部分に限定されるものではない。ヘッドの性能に与える影響が大きいエリアを限定して、そこでの欠陥を抽出して、集中的に検査することができる。
また、実施例では、ノイズを除去した画像データから輝度P0を基準(閾値)として検査範囲Bのデータを抽出してそれを二値化して第1のマスク画像に相当する検査範囲Bの画像データを得て、さらに、検査範囲B以外の領域のデータをすべて“0”にして第2のマスク画像に相当する画像データを得ているが、第1の画像データは、必ずしも検査範囲Bに限定して抽出される必要はない。
さらに、実施例では、マスク画像を生成する際に、輝度P0(=(P2−P1)/2+P1)を基準(閾値)として画像のデータの抽出をしているが、マスク画像を生成するときの基準は、これに限定されるものではなく、輝度P1と輝度P2の間の輝度を基準とすればよい。
なお、実施例では、MR複合ヘッドの例を挙げているが、この発明は、通常の磁気ヘッド一般の検査にも適用できることはもちろんである。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、この発明にあっては、測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として測定画像のデータを二値化することで検査対象のヘッドに対応した形状の第1のマスク画像を生成する。この第1のマスク画像は、二値化されたデータであるので、測定画像に対してかけ算処理で簡単に欠陥の画像データを検査ヘッド対応に得ることができる。そこで、この第1のマスク画像に応じて欠陥検出に必要なヘッドの個所を検査領域として指定して第2のマスク画像を生成すれば、ヘッドの任意の個所の欠陥を容易に検出することができる。
その結果、ヘッドの特定の部分の欠陥を撮像画像から抽出してその部分の欠陥を精度よく検出することができる磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明を適用した一実施例のMR複合ヘッドの欠陥検査装置の画像処理装置を中心とするブロック図である。
【図2】図2は、画像データに対して設定される検査領域の説明図である。
【図3】図3は、その欠陥検出処理のフローチャートである。
【図4】図4は、8隣接積分マスクと、欠陥抽出マスク画像を生成するための輝度ヒストグラムの説明図である。
【図5】図5は、各処理における画像の説明図である。
【図6】図6は、従来のMRヘッドの欠陥検査装置の構成図である。
【図7】図7は、MRヘッドの測定画像の説明図である。
【図8】図8は、その輝度信号の説明図である。
【符号の説明】
1…測定光学系、2…自動焦点系、3…画像信号処理・制御系、
4…ステージ系、5…画像上のMRヘッドのギャップ部分の線、
6…輝度信号、7…光源、8…光軸、9…リレーレンズ、
10…偏光板、11…ビームスプリッタ、12…ダイクロイックミラー、
13…対物レンズ、14x,14y…X,Yの各ステージ,
15…θステージ(回転ステージ)、16…Zステージ、
17…ステージドライバ、
20…2分割受光素子、
21…差分回路、23…偏光板、24…結像レンズ、
25…CCD固体撮像素子、26…A/D変換器、
27…計算機、28…CRTディスプレイ、29,30,52…メモリ、
40…MR複合ヘッド、41…インダクティブヘッドのコア部分、
42…ギャップ部分、43…シールド部分、44…MRヘッド、
50…画像処理装置、51…MPU、
52a…測定画像データ採取プログラム、
52b…寸法測定プログラム、
52c…ヘッド疵検出プログラム、
52d…大きさ分類・合否判定プログラム、
52e…作業領域、53…画像データインタフェース、
55…インタフェース、54…CRTディスプレイ、
57…バス、58…外部記憶装置、
100…トラック幅計測装置、101…ヘッド欠陥検査装置。
Claims (15)
- 顕微鏡光学系を介して磁気ヘッドをカメラにより撮像して測定画像を得て前記磁気ヘッドの欠陥を検査する光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法であって、
前記磁気ヘッドのスライダ面を前記測定画像として得て、この測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として前記測定画像のデータを二値化することで第1のマスク画像を生成し、前記測定画像の画像データに対してあるいは前記測定画像に応じて生成された前記スライダ面の画像の画像データに対して前記第1のマスク画像の二値化データによりマスク処理をして前記欠陥についての画像データを抽出する光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法。 - さらに、前記第1のマスク画像の二値化データに対してさらに所定の検査範囲外に相当する部分をマスクデータとした第2のマスク画像が生成され、この第2のマスク画像により前記マスク処理をして前記欠陥についての画像データを抽出する請求項1記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法。
- 前記磁気ヘッドはMR複合ヘッドであり、前記所定の検査範囲は、前記MR複合ヘッドのシールド部分に設定され、さらに、前記測定画像の輝度ヒストグラムを生成して、この輝度ヒストグラムにおける前記背景輝度のうちのピークに当たる第1の輝度と前記ヘッド構成部分についての輝度のうちのピークに当たる第2の輝度とを得て、前記第1の輝度と前記第2の輝度の間の輝度を基準として前記第1のマスク画像が生成される請求項2記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法。
- さらに、前記第1の輝度と前記第2の輝度の間の輝度は、前記第1の輝度と前記第2の輝度の中間の輝度であり、この中間の輝度を基準として前記第1のマスク画像が生成され、前記第1および第2のいずれかのマスク画像は、線欠陥補修処理がなされる請求項3記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法。
- さらに、前記測定画像において自己画素+n隣接画素(ただし、nは2以上の整数)の輝度データを順に並べたときの中央位置あるいはこれの近傍の輝度データで各画素が形成される中間輝度画像を生成し、前記スライダ面の画像は、前記測定画像の画像データと前記中間輝度画像の画像データとの差の画像データにより形成される請求項4記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法。
- 前記中間輝度画像は、前記中央位置の輝度データで各画素が形成される中央位置輝度画像であり、前記測定画像は、ノイズ除去の積分マスク処理をした後の画像データによるものであり、nは4あるいは8であり、前記欠陥についての画像データに基づいて検出された前記欠陥の画素数に応じた面積により欠陥の大きさを分類する請求項5記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法。
- 前記中央位置輝度画像は、数学的な中央値処理により得られる輝度データにより生成され、前記マスク処理をして得た前記欠陥についての画像データは、所定の面積値と所定の縦横比とを基準として大きさが分類される請求項6記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の磁気ヘッドの欠陥検査方法を用いる磁気ヘッドの欠陥検査装置。
- 顕微鏡光学系を介して磁気ヘッドをカメラにより撮像して測定画像を得て前記磁気ヘッドの欠陥を検査する光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査装置であって、
前記磁気ヘッドのスライダ面を前記測定画像として撮像する撮像光学系と、この撮像光学系から得られた前記測定画像の画像データを受ける画像処理装置を備え、前記画像処理装置は、前記測定画像から検査対象となるヘッド構成部分の輝度とこのヘッド構成部分の背景となる輝度との間の輝度を基準として前記測定画像のデータを二値化することで第1のマスク画像を生成するマスク画像生成手段と、前記測定画像の画像データに対してあるいは前記測定画像に応じて生成された前記スライダ面の画像の画像データに対して前記第1のマスク画像の二値化データによりマスク処理をして前記欠陥についての画像データを抽出する欠陥画像生成手段とを有する光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査装置。 - さらに、前記マスク画像生成手段は、前記第1のマスク画像の二値化データに対してさらに所定の検査範囲外に相当する部分をマスクデータとした第2のマスク画像を生成し、前記欠陥画像生成手段は、この第2のマスク画像により前記マスク処理をして前記欠陥についての画像データを抽出する請求項9記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査装置。
- さらに、前記画像処理装置は、前記測定画像の輝度ヒストグラムを生成する輝度ヒストグラム生成手段を有し、前記マスク画像生成手段は、前記背景輝度のうちのピークに当たる第1の輝度と前記ヘッド構成部分についての輝度のうちのピークに当たる第2の輝度とを得て、前記第1の輝度と前記第2の輝度の間の輝度を基準として前記第1のマスク画像を生成し、前記磁気ヘッドはMR複合ヘッドであり、前記所定の検査範囲は、前記MR複合ヘッドのシールド部分に設定される請求項10記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査装置。
- さらに、前記画像処理装置は欠陥補修処理手段を有し、前記第1の輝度と前記第2の輝度の間の輝度は、前記第1の輝度と前記第2の輝度の中間の輝度であり、前記マスク画像生成手段は、前記中間の輝度を基準として前記第1のマスク画像を生成し、前記第1および第2のいずれかのマスク画像は、前記欠陥補修処理手段により線欠陥補修が行われる請求項11記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査装置。
- さらに、前記画像処理装置は、前記測定画像において自己画素+n隣接画素(ただし、nは2以上の整数)の輝度データを順に並べたときの中央位置あるいはこれの近傍の輝度データで各画素が形成される中間輝度画像を生成する中間輝度画像生成手段を有し、前記スライダ面の画像は、前記測定画像の画像データと前記中間輝度画像の画像データとの差の画像データにより形成され、前記所定の検査範囲は、前記MR複合ヘッドのシールド部分に設定されたものである請求項12記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査装置。
- さらに、前記画像処理装置は、前記欠陥についての画像データに基づいて検出された前記欠陥の画素数に応じた面積により欠陥の大きさを分類する欠陥分類手段を有し、前記中間輝度画像生成手段は、前記中央位置の輝度データで各画素が形成される中央位置輝度画像を前記中間輝度画像として生成し、前記測定画像は、ノイズ除去の積分マスク処理をした後の画像データによるものであり、nは4あるいは8である請求項13記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査装置。
- 前記中央位置輝度画像は、数学的な中央値処理により得られる輝度データにより生成され、前記欠陥分類手段は、前記マスク処理をして得た前記欠陥についての画像データを、所定の面積値と所定の縦横比とを基準として欠陥の大きさを分類する請求項14記載の光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査装置。
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JP2003148718A JP2004354064A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 光学系測定画像による磁気ヘッドの欠陥検査方法および欠陥検査装置 |
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