JP2004353849A - 安全スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性の一層の向上が可能な安全スイッチ10を提供する。
【解決手段】作業ロボットの駆動範囲付近をフェンスで取り囲んで周囲の安全を確保した作業領域Sの扉Dには安全スイッチ10が設けられている。安全スイッチ10はロック機構部11から突出するアクチュエータ14を安全スイッチ本体12の挿入口16から挿入して内部の係合手段と係合させることで、作業ロボットを動作可能とし、アクチュエータ14と係合手段との係合を解除することで、作業ロボットの動作を強制的に停止させる。安全スイッチ10には、安全スイッチ本体12の挿入口16を閉塞可能な閉塞片20を備える。閉塞片20が閉塞位置へ回動すると安全スイッチ本体12の挿入口16が閉塞片20で閉塞されて、アクチュエータ14が安全スイッチ本体12内へ進入することが規制される。これにより、作業者が扉Dを閉じた状態で作業を行っていた場合に第三者の誤認によって機械を動作可能とすることを防止できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械が設置された作業領域内への出入りを可能とする開口部を開閉する扉に取り付けられる安全スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
作業ロボットのような機械の駆動範囲付近をフェンス等で取り囲んで周囲の安全を確保した作業領域がある。このような作業領域の出入口の扉には、内部に入った作業者等の安全を確保するため、扉の開放を検知して、機械を停止させる安全スイッチが取り付けられている。
従来、この種の安全スイッチとして、例えば特許文献1に記載のもののようなものがあり、扉が閉止されるとアクチュエータを安全スイッチ本体に挿入させて作業ロボットを動作可能とするが、扉が開放されるとアクチュエータを安全スイッチ本体から抜き去って機械を停止させる構造となっている。
【0003】
このような安全スイッチに対して、作業領域内に作業者が残っている場合に誤って扉が閉止されても機械が動作してしまうことのないように、アクチュエータを安全スイッチ本体側へ突出させない格納状態にロックして、単に扉が閉まってもアクチュエータが安全スイッチ本体に挿入できないようにする構造のものが開発されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−302580号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクチュエータが格納状態にロックされていても、安全スイッチ本体に他の部材が挿入されて、機械が動作可能な状態となってしまう場合があり、内部の安全性が確保できない恐れがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、安全性の一層の向上が可能な安全スイッチを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、機械が設置された作業領域内へ出入りするための開口部を回動して開閉する扉の開放を検知するものであって、前記扉に設けられるアクチュエータと、前記扉が前記開口部を閉じた際に前記アクチュエータと相対する位置に設けられて前記アクチュエータが挿入される挿入口と、前記挿入口を介して挿入される前記アクチュエータと係合可能に構成され、かつこの係合状態にあるアクチュエータが前記挿入口より退出移動することによりその係合状態が解除されるよう構成された係合手段とを有する安全スイッチ本体とを備え、前記係合手段の係合状態が解除されることによって前記機械を停止させるための信号を出力する安全スイッチにおいて、前記挿入口を閉塞する閉塞片を、前記挿入口を閉塞する閉塞位置と前記安全スイッチ本体の上面であって前記挿入口を開口させる開放位置との間で回動可能に設けたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記閉塞片は、前記扉の開放時の回動方向に沿って延びる第1シャフト部と前記第1シャフト部に連接されて前記扉の回動範囲外へ延びる第2シャフト部とを備えるシャフトに、回動可能かつ前記扉の開放時の回動方向に沿ってスライド可能に取り付けられているところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、前記閉塞片を前記閉塞位置に係止して施錠可能な施錠機構を備えるところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
安全スイッチ本体の挿入孔が閉塞片で閉塞されると、アクチュエータが安全スイッチ本体内へ進入することが規制される。これにより、誤って扉を閉じてしまった場合でもアクチュエータと安全スイッチ本体とが係合して機械が誤って動作可能となることを防止できるので、安全性の一層の向上が可能となる。
【0010】
<請求項2の発明>
扉の開放時に閉塞片が扉の開放方向に位置して扉と当接した場合でも、閉塞片が扉の開放時の回動方向に沿ってスライドして退避できるので、扉と閉塞片とが引っ掛かることなく、扉の開放の妨害となることがない。
【0011】
<請求項3の発明>
施錠機構に施錠を行うことで閉塞片を確実に閉塞位置に固定できるので、安全性をより一層向上させることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1において符号Sは作業領域を示している。この作業領域Sは作業ロボット(請求項1の「機械」に相当する)Rの駆動範囲付近をフェンスFで取り囲んで周囲の安全を確保したものであり、出入口(請求項1の「開口部」に相当する)のヒンジ式の扉Dには本発明の安全スイッチ10が設けられている。
【0013】
安全スイッチ10は、図1に示すように、扉Dに設けられたロック機構部11と、出入口の縁部に設けられた安全スイッチ本体12とを備え、ロック機構部11と安全スイッチ本体12とは扉Dが閉じた状態で対向するように配設されている。
ロック機構部11は扉Dの開閉操作を行う際に把持するハンドル13を回動可能に備えるとともに、ハンドル13の操作に連動して出し入れされるアクチュエータ14が設けられている。このアクチュエータ14はハンドル13が図2に示すような垂直姿勢にあるときに突出状態となると共に、ハンドル13を時計回りに回動させて水平姿勢に回動させることでロック機構部11の内部に格納されるようになっている(図4参照)。
【0014】
また、安全スイッチ本体12はこれに一体に設けた取付板15により開口部の縁部に相当する支柱Pに固定されており、その扉D側の側面に挿入口16が開口形成されている。この挿入口16は、扉Dが出入口を閉じた際にアクチュエータ14を挿入可能とする位置に形成されており、安全スイッチ本体12は、この挿入口16から上述のアクチュエータ14が挿入されると、内部に設けられた係合手段(図示なし)とアクチュエータ14とを係合させることで、作業ロボットRを動作可能とする制御信号(動作信号)を発するようになっている。また、安全スイッチ本体12は係合手段とアクチュエータ14との係合が解除されると作業ロボットRを強制的に停止させる制御信号(停止信号)を発するようになっている。
【0015】
さて、出入口の縁部の支柱Pにおける安全スイッチ本体12の上方には閉塞片20が配されている。
この閉塞片20は、安全スイッチ本体12の挿入口16を覆い隠して閉塞可能な長方形状の金属板で、その一端には垂直に屈曲させた屈曲面20Aにアイボルト21を固着してなると共に、他端には複数のロック孔20Bが穿設されている。アイボルト21はその中央に穿設された遊嵌孔に対してシャフト22を遊嵌させることで、そのシャフト22を軸に回動可能に取り付けられると共に、シャフト22の延びる方向に沿ってスライド可能とする構造となっている。
【0016】
シャフト22は図1に示すように、一対の並行軸部22A,22Bを屈曲軸部22Cで連結してなる略U字状をなしており、各並行軸部22A,22Bが扉Dの開放時の回動方向に沿って延びる形態で前記取付板15に固定されている。ここで、閉塞片20はシャフト22の並行軸部22Aを中心にして回動可能となると共に、並行軸部22Aの延び方向に沿ってスライド可能となっており、本実施形態では、閉塞片20は、一方の並行軸部22Aから垂下姿勢となって安全スイッチ本体12の挿入口16を閉塞する閉塞位置(図3参照)と、そこから反時計回り方向に回動して他方の並行軸部22Bに当接して止められた開放位置(図2参照)との間を回動するようになっている。
また、本実施形態では並行軸部22Bのうち扉D側のものが請求項2に係る第1シャフト部に相当すると共に、屈曲軸部22Cが並行軸部22Aに連接されて扉Dの回動範囲外へ向かって延びており、請求項2に係る第2シャフト部に相当するものであり、閉塞片20が並行軸部22Aに沿ってスライドして屈曲部22Cに至ることで、扉Dの回動範囲外に退避可能となっている。
【0017】
尚、安全スイッチ本体12には、閉塞位置における閉塞片20の下端部と対向する位置にロック板17が設けられると共に、ロック板17には閉塞片20のロック孔17Aと重なり合うようにロック孔17Aが形成されており、閉塞位置において、閉塞片20とロック板17との双方のロック孔17Aに南京錠18を掛けることで、閉塞片20を閉塞位置に施錠可能となっている(図3参照)。このようなロック孔20B,17Aは本発明に係る施錠機構として機能する。
【0018】
続いて、本実施形態の安全スイッチ10の動作について説明する。
作業領域Sにおいて、扉Dが閉じられ作業ロボットRが動作している場合には、図2に示すように、安全スイッチ本体12にアクチュエータ14が挿入されて、係合手段とアクチュエータ14との係合によって動作信号が出されているので、作業ロボットは動作を継続する。作業ロボットRのメンテナンスをするため、作業者が作業領域S内に進入しようとする場合には、作業者がハンドル13を垂直姿勢から水平姿勢へ回動させると、ハンドル13操作に連動して、アクチュエータ14がロック機構部11の内部に格納される。このとき、アクチュエータ14が安全スイッチ本体12から抜脱されるときに係合手段との係合が解除されると、停止信号が発せられ、作業ロボットRは停止する。
扉Dを開けた作業者は、閉塞片20を開放位置から閉塞位置へ回動させる。そして、閉塞片20とロック板17との双方のロック孔20B,17Aに南京錠18を挿通させて鍵を掛ければ、閉塞片20が閉塞位置に固定される。
この後、作業者は扉Dを閉じてメンテナンス作業を行えばよい。この状態で、仮に第三者が作業領域S内に誰もいないと誤認してハンドル13を操作したような場合でも、挿入口16は閉塞片20で閉塞されているので、アクチュエータ14が安全スイッチ本体12内に進入することが規制され、安全スイッチ10が誤って、動作信号を出すことが無い。
【0019】
一方、作業者が安全スイッチ10を解除して作業ロボットRを停止させた後、閉塞片20を開放位置から閉塞位置に回動させないまま作業領域S内に進入してしまうことも考えられる。この場合、扉Dが閉じられた状態にあって、何らかの拍子に閉塞片20が開放位置から倒れて、ロック機構部11の上方に乗り上げた状態となったとすると(図4参照)、このままでは扉Dの開放の障害となり、作業者が作業領域S内に閉じ込められる可能性がある。
しかしながら、本実施形態では、シャフト22の並行軸部22Aを扉Dの開放時の回動方向に沿って延びる形態とし、閉塞片20を並行軸部22Aにスライド可能としているから、扉Dが開放方向に回動されると、閉塞片20が扉Dに押されれシャフト22の並行軸部22Aに沿って逃げるようにスライドする。すると、図5に示すように、閉塞片20が、扉Dの開放に支障を来たさない位置に移動できるので、扉Dの開放が可能となる。
【0020】
このように、本実施形態の安全スイッチ10は、安全スイッチ本体12の挿入口16を閉塞片20で閉塞するので、第三者の誤認によりハンドル13が操作されてもアクチュエータ14が安全スイッチ本体12に挿入されて動作信号が出力されてしまうことを防ぐことができる。また、閉塞片20が安全スイッチ本体12の挿入口16を閉塞するものであるから、万一開放状態の扉Dに外力が作用してそれが不用意に閉じたとしても、アクチュエータ14が挿入口16に挿入されることはない。
【0021】
また、本実施形態ではロック孔20B,17Aに南京錠18を掛けることで、作業領域S内に作業者がいることを知らしめることができると共に、南京錠18でもって閉塞片20を閉塞位置に施錠できるので、万一、悪意をもった第三者が、故意に動作信号を出そうそしても施錠された閉塞片20で挿入口16が閉塞されているので、挿入口16にアクチュエータ14や他の部材等が挿入されて動作信号を出そうとするような事態も未然に防ぐことができる。
【0022】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、閉塞片20をU字状のシャフト22に取り付けることで、シャフト22に回動可能にかつ扉Dの開放時の回動方向に沿ってスライド可能に取り付けた安全スイッチ10であったが、例えば、閉塞片20を安全スイッチ本体12の上方にヒンジ等で回動可能に取り付けることで、扉Dの開放時の回動時の方向に沿ってのスライドはできないが、開放位置と閉塞位置との間を回動可能とするものであってもよい。
(2)上記実施形態において、施錠機構は、閉塞片20のロック孔20Bとロック板17のロック孔17Aとを重ねて両ロック孔20B,17Aに対して南京錠18を掛けて閉塞片20を係止状態に施錠可能とする構造であったが、例えばシリンダー錠を用いて閉塞片20を係止状態に施錠可能とする構造であってもよい。
(3)上記実施形態では、閉塞片20のみを施錠可能とする構造であったが、それに加えて、さらに、アクチュエータ14をロック機構部11内に格納状態に係止して施錠可能とする構造のものであってもよい。
(4)上記実施形態では、安全スイッチ10は作業領域Sの外側に設けられていたが、内側に設けられるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】作業領域及び安全スイッチを示す斜視図
【図2】閉塞片が開放位置における安全スイッチの平面図
【図3】閉塞片が閉塞位置における安全スイッチの平面図
【図4】閉塞片がロック機構部に乗り上げた状態の斜視図
【図5】閉塞片が退避した状態の斜視図
【符号の説明】
10…安全スイッチ
12…安全スイッチ本体
14…アクチュエータ
16…挿入口
20…閉塞片
22…シャフト
22A…並行軸部(第1シャフト部)
22C…屈曲軸部(第2シャフト部)
D…扉
P…支柱(開口部の縁部)
S…作業領域

Claims (3)

  1. 機械が設置された作業領域内へ出入りするための開口部を回動して開閉する扉の開放を検知するものであって、
    前記扉に設けられるアクチュエータと、
    前記扉が前記開口部を閉じた際に前記アクチュエータと相対する位置に設けられて前記アクチュエータが挿入される挿入口と、前記挿入口を介して挿入される前記アクチュエータと係合可能に構成され、かつこの係合状態にあるアクチュエータが前記挿入口より退出移動することによりその係合状態が解除されるよう構成された係合手段とを有する安全スイッチ本体とを備え、
    前記係合手段の係合状態が解除されることによって前記機械を停止させるための信号を出力する安全スイッチにおいて、
    前記挿入口を閉塞する閉塞片を、前記挿入口を閉塞する閉塞位置と前記安全スイッチ本体の上面であって前記挿入口を開口させる開放位置との間で回動可能に設けたことを特徴とする安全スイッチ。
  2. 前記閉塞片は、前記扉の開放時の回動方向に沿って延びる第1シャフト部と前記第1シャフト部に連接されて前記扉の回動範囲外へ延びる第2シャフト部とを備えるシャフトに、回動可能かつ前記扉の開放時の回動方向に沿ってスライド可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の安全スイッチ。
  3. 前記閉塞片を前記閉塞位置に係止して施錠可能な施錠機構を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の安全スイッチ。
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