JP2004352298A - 包装容器の内圧調整用樹脂蓋 - Google Patents

Abstract

【課題】構造が簡単で、製造コストの安価な、包装容器の内圧調整用樹脂蓋を提供する。
【解決手段】包装容器の内圧調整用樹脂蓋において、弁座の機能を有する樹脂製ベース部材４と、弁としての機能を有する樹脂製キャップ５とにより構成され、前記樹脂製ベース部材は、底壁部中央に中央孔７と、内部底壁面に弁座となる内側及び外側環状突起８、９とを有し、前記樹脂製キャップは、下端が開口し上端が閉じた中空円筒部１６と、前記中空円筒部の外部側壁部から水平方向に伸びる薄肉底壁部と、前記薄肉底壁部に形成された複数の気体抜き孔１７と、前記薄肉底壁部の外周に形成されたシール部１８を有し、包装容器の内圧上昇により樹脂製ベース部材の内外側環状突起間に位置する空気抜き孔と包装容器内が連通する通路が形成されるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、揮発性の液体や発酵性の液体等を貯蔵する包装容器に用いられる内圧調整用樹脂蓋に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、揮発性液体や発酵性液体を収容する包装容器においては、包装容器の蓋に小孔を形成し、前記小孔にスプリング等の付勢手段により閉状態に付勢された弁を設け、包装容器の内圧が上昇すると、弁が付勢手段に逆らって弁を開とし、包装容器内部の気体を外部に排出して、包装容器内の内圧を所定圧以下に保つようにしたものが知られている。
また、実開平６−２５１５２号公報には、包装容器の樹脂製蓋の上面に直線状の切込みを形成し、包装容器の内圧が上昇すると、包装容器内の気体が前記切込みを押し開き外部に排出されるようにしたものが開示されている。
【０００３】
【特許文献１】
実開平６−２５１５２号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、蓋に閉方向に付勢された弁を設ける内圧調整蓋においては、小孔が異物又は内容液の凝固により塞がれ、内圧調整機能が十分に発揮されないという問題点と、スプリング等の付勢手段を必要とし、構造が複雑であり、製造コストが高価になるという問題点を有するものであった。
また、樹脂製蓋の上面に直線状の切込みを形成する内圧調整蓋においては、包装容器が横倒しになった時、シール機能が十分でなく、切込み部から内容液が漏れ出すという問題点を有するものであった。
【０００５】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消する、構造が簡単で、製造コストの安価で横倒しになっても内溶液の漏れがない包装容器の内圧調整用樹脂蓋を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本第１発明は、前記課題を解決するために、包装容器の内圧調整用樹脂蓋において、包装容器の天板の開口に固着される缶口に圧着され、弁座の機能を有する樹脂製ベース部材と、前記樹脂製ベース部材上に載置される弁としての機能を有する樹脂製キャップとにより構成され、前記樹脂製ベース部材は、底壁部中央に中央孔と、内部底壁面に弁座となる内側及び外側環状突起と、前記底壁部の外周から立ち上がる側壁部と、前記側壁部の内側に形成した側壁環状突起と、前記側壁部の上端から水平に外側に伸びる水平鍔部と、前記水平鍔部上から上方に伸びる上部環状突起を有し、前記樹脂製キャップは、下端が開口し上端が閉じた中空円筒部と、前記中空円筒部の外部側壁部から水平方向に伸びる薄肉底壁部と、前記薄肉底壁部に形成された複数の気体抜き孔と、前記薄肉底壁部の外周に形成された外周シール部を有し、前記樹脂製ベース部材の中央孔に前記樹脂製キャップの中空円筒部の下部を位置させ、前記薄肉底壁部の複数の気体抜き孔を前記内外側環状突起間に位置させ、前記シール部を前記側壁環状突起に係合させ、包装容器の内圧上昇により樹脂製ベース部材の内外側環状突起間に位置する空気抜き孔と包装容器内が連通する通路が形成されるようにしたことを特徴とする。
【０００７】
本第２発明は、本第１発明の包装容器の内圧調整用樹脂蓋において、前記樹脂製ベース部材の前記水平鍔部に複数の連結部を残して切込みを形成し、内圧調整用樹脂蓋を缶口から取り外すためのプルトップとすることを特徴とする。
【０００８】
本第３発明は、本第１又は第２発明の包装容器の内圧調整用樹脂蓋において、前記包装容器の内圧調整用樹脂蓋上に弾性爪付きキャップを取り付けることを特徴とする。
【０００９】
【作用】
本発明の包装容器の内圧調整用樹脂蓋は、包装容器の天板の開口に固着される缶口に圧着され、弁座の機能を有する樹脂製ベース部材と、前記樹脂製ベース部材上に載置される弁としての機能を有する樹脂製キャップとからなる二重構造となっており、シール機能に優れ、包装容器が横倒しになっても、内溶液が漏れ出すことがない。
また、内圧調整機能が、樹脂製ベース部材の内部底壁面に形成した内側及び外側環状突起と、樹脂製キャップの薄肉底壁部に形成した複数の気体抜き孔を前記内外側リング状突起間に位置させて弁機構を構成するので、簡単な構成で確実な内圧調整機能を有する樹脂製蓋とすることが可能となる。
樹脂製ベース部材の前記水平鍔部に複数の連結部を残して切込みを形成し、内圧調整用樹脂蓋を缶口から取り外すためのプルトップとする構成により、包装容器の缶口からの樹脂製蓋の取り外しが容易となる。
さらに、包装容器の内圧調整用樹脂蓋上に弾性爪付きキャップを取り付ける構成により、内圧調整用樹脂蓋の内圧調整機能を発揮しつつ包装容器の缶口を確実・安全に封鎖可能とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図により説明する。図１は、包装容器の内圧調整用樹脂蓋の使用状態を示す断面図であり、図２は平面図であり、図３は、断面図である。
【００１１】
本発明の包装容器の内圧調整用樹脂蓋１は、包装容器の天板２に形成した開口に、カシメ等の手段により固着される缶口３に圧着される樹脂製ベース部材４と、前記樹脂製ベース部材４上に嵌着される樹脂製キャップ５により構成される。
樹脂製ベース部材４は、底壁部６の中央に開口７が形成され、底壁部６の上面には、内側環状突起８と外側環状突起９が形成される。底壁部６の外周に側壁部１０が形成され、側壁部１０の内側の所定の高さ位置に側壁環状突起１１が形成される。側壁部１０の上端から水平に外側に伸びる水平鍔部１２が形成され、水平鍔部１２から所定間隔で縦溝を形成した上部環状突起１３が形成される。水平鍔部１２には、複数の連結部を残して切込み部１４を形成する
樹脂製ベース部材４の側壁部１０の外周部を包装容器の缶口３に水平鍔部１２の位置まで圧着する。
【００１２】
樹脂製ベース部材４の上に嵌着される樹脂製キャップ５は、薄肉底壁部１５の中央部に、下端が開口し上端が閉じた中空円筒部１６が形成され、薄肉底壁部１５には複数の空気抜き孔１７が前記樹脂製ベース部材４の底壁部６に形成した内外側環状突起８，９間に位置するように形成される。薄肉底壁部１５の外周には先端シール部１８が形成される。前記中空円筒部１６の下端外周に、前記樹脂製ベース部材４の開口７より若干大径の膨大部１９を形成する。樹脂製ベース部材４の開口７に、樹脂製キャップ５の中空円筒部１６の下端の膨大部１９を押し込み、薄肉底壁１５の底面と樹脂製ベース部材４の内外側環状突起８，９とを係合させ、且つ、薄肉底壁部１５の外周のシール部１８を樹脂製ベース部材４の側壁環状突起１１と係合させることにより樹脂製ベース部材４と樹脂製キャップ５とをシーする。その上に弾性爪付きキャップ２０を取り付ける。樹脂製ベース部材４の水平鍔部１２に形成した切込み部１４は、内圧調整用樹脂製蓋１を缶口３から取り外すためのプルトップとして機能する。
【００１３】
本発明の包装容器の内圧調整用樹脂製蓋１の作用状態を説明する。包装容器の缶口３に圧着される樹脂製ベース部材４と樹脂製キャップ５からなる内圧調整用樹脂製蓋１は、樹脂製ベース部材４の内外側環状突起８、９と樹脂製キャップ５の薄肉底壁部１５の底面との係合によるシールと、樹脂製ベース部材４の側壁環状突起１１と樹脂製キャップ５の外周シール部１８との係合によるシールにより、包装容器内と外界とが密封されている。
包装容器内の揮発性液体や発酵性液体からガスが発生し包装容器内の内圧が上昇する。包装容器内の内圧の上昇は、樹脂製キャップ５の中空円筒部１６に作用し、薄肉底壁部１５を若干上に押し上げ、薄肉底壁部１５の底面と樹脂製ベース部材４の内外側環状突起間８，９との間の係合を解除し、開口７と中空円筒部１６との間の通路、底壁部６と薄肉底壁部１５との間の通路が開通し、包装容器内のガスは空気抜き開口１７から排出され、包装容器内の内圧を所定以下に保持する。
【００１４】
【発明の効果】
本発明の包装容器の内圧調整用樹脂蓋は、包装容器の天板の開口に固着される缶口に圧着され、弁座の機能を有する樹脂製ベース部材と、前記樹脂製ベース部材上に載置される弁としての機能を有する樹脂製キャップとからなる二重構造となっており、シール機能に優れ、包装容器が横倒しになっても、内溶液が漏れ出すことがない。
また、内圧調整機能が、樹脂製ベース部材の内部底壁面に形成した内側及び外側環状突起と、樹脂製キャップの薄肉底壁部に形成した複数の気体抜き孔を前記内外側リング状突起間に位置させて弁機構を構成するので、簡単な構成で確実な内圧調整機能を有する樹脂製蓋とすることが可能となる。
樹脂製ベース部材の前記水平鍔部に複数の連結部を残して切込みを形成し、内圧調整用樹脂蓋を缶口から取り外すためのプルトップとする構成により、包装容器の缶口からの樹脂製蓋の取り外しが容易となる。
さらに、包装容器の内圧調整用樹脂蓋上に弾性爪付きキャップを取り付ける構成により、内圧調整用樹脂蓋の内圧調整機能を発揮しつつ包装容器の缶口を確実・安全に封鎖可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態を示す図。
【図２】本発明の一実施形態を示す図。
【図３】本発明の一実施形態を示す図。
【符号の説明】
１：包装容器の内圧調整用樹脂蓋
２：包装容器の天板
３：缶口
４：樹脂製ベース部材
５：樹脂製キャップ
６：底壁部
７：開口
８：内側環状突起
９：外側環状突起
１０：側壁部
１１：側壁環状突起
１２：水平鍔部
１３：上部環状突起
１４：切込み部
１５：薄肉底壁部
１６：中空円筒部
１７：空気抜き孔
１８：外周シール部
１９：膨大部
２０：弾性爪付きキャップ

Claims (3)

1. 包装容器の天板の開口に固着される缶口に圧着され、弁座の機能を有する樹脂製ベース部材と、前記樹脂製ベース部材上に載置される弁としての機能を有する樹脂製キャップとにより構成され、前記樹脂製ベース部材は、底壁部中央に中央孔と、内部底壁面に弁座となる内側及び外側環状突起と、前記底壁部の外周から立ち上がる側壁部と、前記側壁部の内側に形成した側壁環状突起と、前記側壁部の上端から水平に外側に伸びる水平鍔部と、前記水平鍔部上から上方に伸びる上部環状突起を有し、前記樹脂製キャップは、下端が開口し上端が閉じた中空円筒部と、前記中空円筒部の外部側壁部から水平方向に伸びる薄肉底壁部と、前記薄肉底壁部に形成された複数の気体抜き孔と、前記薄肉底壁部の外周に形成された外周シール部を有し、前記樹脂製ベース部材の中央孔に前記樹脂製キャップの中空円筒部の下部を位置させ、前記薄肉底壁部の複数の気体抜き孔を前記内外側環状突起間に位置させ、前記外周シール部を前記側壁環状突起に係合させ、包装容器の内圧上昇により樹脂製ベース部材の内外側突起間に位置する空気抜き孔と包装容器内が連通する通路が形成されるようにしたことを特徴とする包装容器の内圧調整用樹脂蓋。
2. 前記樹脂製ベース部材の前記水平鍔部に複数の連結部を残して切込みを形成し、内圧調整用樹脂蓋を缶口から取り外すためのプルトップとすることを特徴とする請求項１に記載の包装容器の内圧調整用樹脂蓋。
3. 前記包装容器の内圧調整用樹脂蓋上に弾性爪付きキャップを取り付けることを特徴とする請求項１又は２に記載の包装容器の内圧調整用樹脂蓋。

Images