JP7174556B2 - 吐出キャップ - Google Patents
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Description
また上記特許文献2に記載された吐出キャップにおいては、内容物の吐出がスムーズであると共に、吐出口と逆止弁の間に残留した内容物も容易に容器内に回収することができる点で、優れた吐出キャップである。しかしながら、キャップ本体とは別体に形成された中栓が必要であり、逆止弁も含めると、3つの部品が必要であることから、部品の組み付け等が煩雑であり、生産性に劣ると共に経済性の点でもいまだ充分満足するものではなかった。
1.前記回収部が前記弾性部材に形成されていること、
2.前記回収部が注出方向側に形成されていること、
3.前記回収部が複数の細溝から成ること、
4.前記上蓋には、閉蓋状態において、前記弾性部材を前記栓体に密着せしめる押圧部材が形成されていること、
5.前記注出用ノズルの先端は前記注出方向側に突出した誘導部が形成されており、前記注出方向に向けて傾けながら内容物を注出すること、
6.前記上蓋がキャップ本体にヒンジ連結されていること、
7.内容物を収納する可撓性の内側容器と、該内側容器を内包する外側容器とを備え、前記外側容器に、前記内側容器と前記外側容器との間に外気を吸引可能な吸入弁が形成されている二重容器に適用されること、
が好適である。
また吐出後に外気の容器内への流入を抑制できるため、内容物の酸素による劣化を抑制することもできる。
すなわち、開栓状態(上蓋が開いた状態)において、内容物を注出するために容器を押圧することにより、弁体の機能を有する弾性部材に容器側から圧がかかり、弾性部材は上方に撓んだ状態となる。その結果、弾性部材と栓体が非接触となり、内容物の容器外への流出が可能になる。その一方、容器の押圧を解除すると、弾性部材が元の状態に戻ることから、弾性部材と栓体が接触することにより内容物の回収部は閉鎖されるが、本発明においては、かかる弾性部材と栓体が接触する部分の一部に微小な回収部が形成されていることにより、注出用ノズル内に残留した内容物を、効率よく容器内に戻すことが可能になる。
図1~5に示す、本発明のキャップは、概略的に言って、キャップ本体1とヒンジ連結された上蓋3とから成るヒンジキャップと、弾性部材5とから成る2ピース構造を有している。
図1に示すように、キャップ本体1は、頂板部10と、頂板部10の周縁から垂下するスカート部11とから成り、頂板部11の中央には、内容物の流通経路となる開口12が形成されている。また頂板部11の上面の外周側には、後述する上蓋3の環状突条33と係合して閉栓状態を維持可能にする環状突起13が形成されていると共に、開口12の周縁付近には、後述する弾性部材と係合するための環状係合部14が形成されている。環状係合部14の上端外側には、半径方向外方に突出する周状係合部14aが形成されている。一方、頂板部11の内面側には、頂板部10の内面から下方に延び、容器口部(図示せず)の内面と密着するインナーリング15、及び容器口部(図示せず)を外側から保持するための複数のアウターシール片16,16・・・が形成されている。
この栓体17は、上壁17bと上壁17bの外周縁から垂下する環状側壁17aとから成っており、上壁17bの上面が、環状係合部14の上端とほぼ同じ位置になるように、開口12の内部に一体に形成されている。
上蓋3の天面31の内面側には、閉栓状態において、後述する弾性部材5の注出用ノズル51に対応する位置に、注出用ノズル51の内面に形成された段差55の内径よりも大きい外径を有し、下方に延びる周状突起(押圧部材)35が形成されている。更に、周状突起35と同心円状に、注出用ノズル51の先端外径とほぼ同じ内径を有する周状凸部36が形成されている。
また外側壁53の下端内面には、半径方向内方に突出し、前述したキャップ本体1の周状係合部14aと係合する周状係合部53aが形成されており、環状係合部14の内面への内側壁54の密着と共に、弾性部材5をキャップ本体1の環状係合部14に強固に固定する。また注出用ノズル51の先端は径方向にラッパ状に拡径されており、注出方向(図面左側)の高さが高くなっている。さらに注出方向の上端には外面に突出し先細り形状を有し、当該先端が径方向外方且つ下方を向いた誘導部58が形成されている。これにより内容物の注出方向を把握でき、且つ液体などを注出後の液だれを抑制することができる。更に、注出用ノズル51の内面中間部には、前述した上蓋3の周状突起35の先端が当接する段差55が形成されている。かかる周状突起35が、閉栓状態において弾性部材5を上方から押圧して固定するため、不意の落下衝撃を受け、ウォーターハンマーにより下方からの力が作用した場合にも、弾性部材5がキャップ本体1から外れてしまうことが有効に防止できる。また、周状突起35と段差55が密着することによって、後述する弾性部材5と栓体17との接触面が維持されるため、キャップの液密性も向上できる。
また細溝57が注出用ノズル51の注出方向に形成されているため、容器を注出方向に傾けることにより、注出方向に残留しやすい内容物を効率よく容器内に回収することができる。
キャップ本体1及び上蓋3から成るヒンジキャップは、図1に示すように、上蓋が開いた状態で成形された後、栓体17が形成された開口12を覆うように、弾性部材5が組み付けられる。この際、キャップ本体頂板部10に形成された環状係合部14が、弾性部材5の外側壁53及び内側壁54の間に、挿入されると共に、環状係合部14の周状係合部14aと、弾性部材5の外側壁53の周状係合部53aが上下方向に互いに係合することによって、弾性部材5がキャップ本体1に確実に固定される。尚、図に示す具体例では、弾性部材5の天面52の外面は、キャップ本体1の頂板部10の外面と同じ高さになるように形成されている。これにより、弾性部材5の天面52の外周縁に何らかのひっかかりが生じて、弾性部材5がキャップ本体1から離脱するおそれもない。
上蓋3が閉じられ、上蓋3の環状突条33と、キャップ本体1の環状突起13が係合し、上蓋が固定されると、前述したとおり、上蓋3の天面内側に形成された周状突起35は、弾性部材5の注出用ノズル51内部に挿入し、周状突起35の先端が注出用ノズル51内に形成された段差55に当接し、周状突起35と注出用ノズル51が密着する。
また閉栓状態においては、栓体17の上壁17bと、弾性部材5の内面側のコーナー部56及び天面52の内面側の一部は密着する一方、回収部である細溝57が形成されているが、図3に示すように、圧力が作用しない状態、或いは単に容器を逆さにした程度の圧力では、内容物がこの回収部を通過することはなく、容器の液密性及び気密性は確保されている。
内容物の注出を終えて、容器4の押圧を解除すると、容器内側からの圧力が作用しなくなる一方、容器4は元の形状に戻るために外気を流入しようとするので、弾性部材5は元の形状に戻り、弾性部材5のコーナー部56及び天面52の内面側の一部と栓体17の上壁17bは接触するが、注出用ノズル51内に残留した内容物も容器内方に吸引されるため細溝57を通って、容器内に回収される。
すなわち、図に示したキャップは、キャップ本体及び上蓋がヒンジで連結され、キャップ本体及び上蓋並びに栓体が一体的に成形されるものであったが、上蓋がキャップ本体と別体として成形され、キャップ本体に螺子係合等によって固定されるものであってもよい。この場合でも、栓体はキャップ本体と一体に成形できるため、従来の吐出キャップに比して成形は容易であり、生産性及び経済性に優れている。
また図に示したキャップ本体は、容器口部に係合部同士で嵌合固定されるタイプの打栓キャップであったが、容器口部と螺子係合によって固定されるスカート部に螺子部が形成されたキャップ本体であっても勿論よい。また、袋状の容器、いわゆるパウチ容器に固定される注出具(スパウト)にキャップを適用してもよいし、キャップ本体を注出具(スパウト)として、スパウトに栓体を設け、弾性部材を固定する構成であってもよい。
更に、本発明のキャップにおいて、栓体は弾性部材と接触して液密性及び気密性を確保し得る限りその形状や大きさは限定されず、開口の大きさや注出用ノズルの内径などに応じて適宜変更できる。例えば、栓体が注出用ノズル内に嵌合するような形状及び大きさであってもよい。
細溝の大きさ(回収部の大きさ)は、内容物の種類によって適宜変更することができ、例えば内容物が醤油の場合には、0.01~0.05mmの大きさに形成することにより、液密性及び気密性を確保することが可能になる。
なお、図に示した具体例においては、回収部は、弾性部材のコーナー部及び天面の内面側の一部にわたって形成されていたがこれに限定されず、弾性部材又は栓体の形状に応じて、コーナー部又は弾性部材の天面の内面側の一部或いは注出用ノズルの内面の下方の一部の何れか一方に形成されていてもよい。また図に示した具体例では、回収部は細溝で構成されているが、粗面加工によるものでもよい。
また弾性部材は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム等のゴムから成形することができ、特にポリオレフィン系熱可塑性エラストマーから成ることが好適である。
Claims (8)
- スカート部及び頂板部から成り、該頂板部に内容物注出用開口を有するキャップ本体と、該キャップ本体の内容物注出用開口を覆う天面と該天面から上方に延び前記内容物注出用開口からの内容物を注出する注出用ノズルとから成る弾性部材と、該弾性部材で覆われた前記キャップ本体頂板部を覆う上蓋とを、備えて成るキャップであって、
前記キャップ本体の内容物注出用開口には、前記弾性部材に形成された注出用ノズルの内径よりも大きい外径を有する栓体が、前記弾性部材の天面の上下動に応じて前記弾性部材と接触又は非接触して内容物の注出を制御可能な状態でブリッジ部を介して形成されており、
前記弾性部材には、前記注出用ノズルの付け根部分にコーナー部が形成されており、該コーナー部が前記栓体と接触又は非接触となることにより内容物の注出が制御されており、
前記弾性部材と前記栓体との接触面に回収部が形成されており、該回収部を通して内容物注出後注出用ノズル中に残った内容物を容器内に戻すことを特徴とするキャップ。 - 前記回収部が前記弾性部材に形成されている請求項1記載のキャップ。
- 前記回収部が注出方向側に形成されている請求項1または2記載のキャップ。
- 前記回収部が複数の細溝から成る請求項1~3の何れかに記載のキャップ。
- 前記上蓋には、閉蓋状態において、前記弾性部材を前記栓体に密着せしめる押圧部材が形成されている請求項1~4の何れかに記載のキャップ。
- 前記注出用ノズルの先端は前記注出方向側に突出した誘導部が形成されており、前記注出方向に向けて傾けながら内容物を注出する、請求項1~5の何れかに記載のキャップ
- 前記上蓋がキャップ本体にヒンジ連結されている請求項1~6の何れかに記載のキャップ。
- 内容物を収納する可撓性の内側容器と、該内側容器を内包する外側容器とを備え、前記外側容器に、前記内側容器と前記外側容器との間に外気を吸引可能な吸入弁が形成されている二重容器に適用される請求項1~7の何れかに記載のキャップ。
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