JP2004351672A - 複合部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属ケース(第1の部品)に樹脂部材(第2の部品)を接着する複合部品の製造方法において、金属ケースユニットの製造効率の向上を図ることができるようにする。
【解決手段】金属製のケース2にアルマイト処理を施して表面処理層を形成する表面処理工程と、ケース2内部に部品を固定する固定部材3と、シート状に形成された接着剤からなる接着シート4と、ケース2とを順次厚さ方向に重ね合わせる積層工程と、接着シート4が溶融する溶融温度以上、かつ、表面処理層にクラックが発生するクラック発生温度よりも低い温度にて、接着シート4が溶融するまでケースおよび接着シート4を加熱する加熱工程と、接着シート4が硬化するまでケース2を冷却する冷却工程とを備え、アルマイト処理後から表面処理層の硬度が安定硬度に到達する前に、前記加熱工程を行う複合部品の製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アルマイト処理により表面処理層が形成された金属製の部品と他の部品とを接着した複合部品の製造方法であって、特に、金属製のケースと他の部品とを接着した金属ケースユニットに好適な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機や携帯情報端末等の携帯端末装置のケースとしては、携帯性の向上やケースの収容部に収容される電子部品の保護を図ることを目的として、プラスチック製のケースよりも薄厚で剛性の高い金属製のケースが提供されている。
このようなケースの表面には、耐食性の向上を図るためや美観を保つためにアルマイト処理が施され、表面処理層が形成されている。なお、この表面処理層は、所定温度(クラック発生温度)以上に加熱されるとクラックが発生することが知られている。
【0003】
ケースの収容部には、図3に示すように、前述した電子部品を収容部2aに固定するための固定部材3が設けられている。この固定部材3は、樹脂から形成されており、ケース2の収容部2a底面に接着されている。このケース2と固定部材3との接着には、接着剤をシート状に形成した接着シートを使用する。
この接着シートは、溶融温度以上で所定時間加熱することによって溶融するものであり、これら溶融温度および所定時間は、接着シートの物性に依存している。すなわち、例えば、ポリエステル系の接着シートの場合には、溶融温度は120℃であり、所定時間は4秒間となっている。
また、この接着シートは、溶融している状態から硬化温度以下に冷却されると、硬化して所定の接着力が得られるようになっている。
【0004】
従来、金属製のケース2に固定部材3を接着した金属ケースユニットは、以下のようにして製造される。
はじめに、ケースにアルマイト処理を施して表面処理層を形成し、ケースの収容部底面に接着シートを仮接着する。この仮接着の際には、前述の所定時間よりも短い時間にてケースを加熱して接着シートの温度を上昇させる。
【0005】
次いで、図4(a)に示すように、作業者が、固定部材3を治具21の配置部21aに配置し、固定部材3に接着シート4が当接するように、ケース2を固定部材3に重ね合わせて配置する。さらに、作業者が治具21に設けられた押圧部31をケース2に当接させることにより、ケース2、接着シート4および固定部材3が、押圧部31と配置部21aとによりクランプされる。このクランプは、ケース2および固定部材3の厚さ方向の相対的な位置が大きくずれることを防止している。
【0006】
そして、図4(b)に示すように、クラック発生温度よりも低く、接着シート4の溶融温度よりも高いに温度に保持された加熱ホーン22の穴部22aに押圧部31を挿入すると共に、加熱ホーン22をケース2に当接させることにより、接着シート4が溶融するまでケース2を加熱する。例えば、接着シート4がポリエステル系の接着剤からなり、ケース2がアルミニウム合金からなる場合には、140℃の加熱ホーン22で15秒間加熱する。加熱ホーン22の温度を140℃としたのは、ケース2の表面処理層にクラックを発生させないためであり、15秒間加熱するとしたのは、接着シート4がケース2を介して加熱され、接着シート4が120℃に到達するまで9秒間かかるためである。
【0007】
また、この加熱の際には、加熱ホーン22によりケース2を押圧して、ケース2および固定部材3の厚さ方向の相対的な位置決めを図っている。加熱ホーン22による押圧力は、加熱ホーン22に設けられたストッパー22bを治具21に当接させることにより、加熱ホーン22と治具21との間隙を一定に保持することで調整されている。
【0008】
その後、加熱ホーン22をケース2から離間させて、図4(c)に示すように、アルミニウム合金からなり、常温となっている冷却ホーン23の挿入部23aに押圧部31を挿入すると共に、冷却ホーン23をケース2に当接させることにより、ケース2が冷却される。この際には、冷却ホーン23がケース2の熱を吸収するため、ケース2と共に接着シート4の温度が低下するが、冷却ホーン23の温度が接着シート4の硬化温度以上に上昇するため、接着シート4がその硬化温度まで冷却されない。
【0009】
そこで、図4(d)に示すように、冷却ホーン23をケース2から離間させ、空冷によりケース2と共に接着シート4を硬化温度まで低下させることにより、ケース2と固定部材3とが互いに接着される。
最後に、作業者が、押圧部31をケース2から離間させて、固定部材3と接着されたケース2を治具21の配置部21aから取り外して、金属ケースユニットの製造が終了する。
【0010】
また、上記の他に、ケース2等の金属製部品と固定部材3等の樹脂製部品とを互いに固定する方法としては、例えば、特許文献1に示すように、金属製部品を超音波により加熱して、樹脂製部品をわずかに溶融させながら圧入する方法もある。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−33759号公報(第3頁、第2図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の金属ケースユニットの製造方法においては、表面処理層にクラックを発生させないように、ケース2をクラック発生温度よりも低い温度にて加熱していたため、接着シート4を溶融させる時間が長くなるという問題があった。
また、加熱ホーン22の加熱により溶融された接着シート4は冷却ホーン23により冷却され、さらに空冷されることで硬化していたため、結果として、接着シート4が硬化するまでの時間が長くなるという問題があった。以上のことから、金属ケースユニットの製造時間が長くなるという問題があった。
【0013】
また、加熱ホーン22および冷却ホーン23に押圧部31を挿入する穴部22a,23aを形成する必要があったため、金属ケースユニットを製造する製造装置のコストが高くなるという問題があった。
さらに、作業者は、ケース2等を配置部21aに配置する際に、また、金属ケースユニットを配置部21aから取り外す際に、押圧部31を移動していたため、その作業が面倒であるという問題があった。
【0014】
また、加熱ホーン22の押圧力により、ケース2および固定部材3の厚さ方向の相対的な位置決めを図っているが、この押圧力は接着シート4が硬化する前に解除されてしまうため、ケース2および固定部材3の厚さ方向の相対的な位置精度が悪くなるという問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、金属製の第1の部品にアルマイト処理を施して表面処理層を形成する表面処理工程後、前記第1の部品に第2の部品を加熱により溶融する接着剤を一旦溶融し、再び硬化する加熱および冷却の各工程を施して固定する複合部品の製造方法において、前記アルマイト処理後から前記表面処理層の硬度が安定する安定硬度に到達する前に、前記接着剤の溶融温度以上、かつ前記表面処理層にクラックが発生するクラック発生温度よりも低い温度にて、前記接着剤が溶融するまで前記加熱を行うことを特徴とする複合部品の製造方法を提案している。
【0016】
また、請求項2に係る発明は、金属製のケースにアルマイト処理を施して表面処理層を形成する表面処理工程後、前記ケース内部に収容される部品を固定する固定部材と、シート状に形成された接着剤からなる接着シートと、前記ケースとを順次厚さ方向に重ね合わせる積層工程と、前記接着シートが溶融する溶融温度以上、かつ、表面処理層にクラックが発生するクラック発生温度よりも低い温度にて、前記接着シートが溶融するまで前記ケースを加熱する加熱工程と、該接着シートが硬化するまで前記ケースを冷却する冷却工程とを備え、該アルマイト処理後から前記表面処理層の硬度が安定する安定硬度に到達する前に、前記加熱工程を行うことを特徴とする複合部品の製造方法を提案している。
なお、本発明者らは、表面処理層の硬度が、アルマイト処理後の時間経過と共に上昇し、常温に放置して測定したところ略4〜5日経過すると、1日あたりの硬度の変動率が3%以下となること、すなわち安定硬度となることを見出し、また、クラック発生温度が、表面処理層の硬度の上昇と共に、すなわち安定硬度に近づくほどに低くなるという知見を得た(図2(a)(b)参照)。
【0017】
この発明に係る複合部品の製造方法によれば、表面処理層を安定硬度よりも低い硬度にて加熱することになり、表面処理層の安定硬度におけるクラック発生温度よりも高い温度にて加熱しても、表面処理層にクラックが発生しない。このため、接着シートを溶融させる時間を短くできる。
【0018】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の金属ケースユニットの製造方法において、前記アルマイト処理後から略72時間以内、好ましくは略48時間以内、さらに好ましくは24時間以内に前記加熱工程を行うことを特徴とする複合部品の製造方法を提案している。
なお、本発明者らは、アルマイト処理後から表面処理層の硬度が安定硬度となるまでの経過時間が4〜5日で、その間の硬度が、略3日(72時間)で安定硬度の略95%、略48時間で略85%、略24時間で略70%にそれぞれ到達するという知見を得た。また、クラック発生温度が、この硬度の変動に略逆比例するという知見を得た(図2(a)(b)参照)。
【0019】
この発明に係る複合部品の製造方法によれば、表面処理層の硬度が安定硬度に到達する前に、確実にケースを加熱することになるため、接着シートを溶融させる時間を確実に短くすることができる。
【0020】
また、請求項4に係る発明は、金属製の第1の部品にアルマイト処理を施して表面処理層を形成し、治具上に、第2の部品と、加熱により溶融する接着剤と、前記第1の部品とを順次重ね合わせて配置し、前記接着剤が溶融する溶融温度以上、かつ、前記表面処理層にクラックが発生するクラック発生温度よりも低い温度に保持された加熱ホーンを前記第1の部品に当接させて、前記接着剤が溶融するまで前記第1の部品を加熱した後に、前記加熱ホーンに代えて、前記接着剤の硬化温度以下の温度に保持された冷却ホーンを前記第1の部品に当接させることにより、前記冷却ホーンと治具との間に前記第1の部品、前記接着剤および前記第2の部品をその厚さ方向に挟み込んだ状態にて、前記接着剤が硬化するまで前記第1の部品を冷却することを特徴とする複合部品の製造方法を提案している。
【0021】
さらに、請求項5に係る発明は、金属製のケースにアルマイト処理を施して表面処理層を形成し、治具上に、前記ケース内部に収容される部品を固定する固定部材と、シート状に形成された接着剤からなる接着シートと、前記ケースとを順次重ね合わせて配置し、前記接着シートが溶融する溶融温度以上、かつ、前記表面処理層にクラックが発生するクラック発生温度よりも低い温度に保持された加熱ホーンを前記ケースに当接させて、前記接着シートが溶融するまで前記ケースを加熱した後に、前記加熱ホーンに代えて、前記接着シートの硬化温度以下の温度に保持された冷却ホーンをケースに当接させることにより、冷却ホーンと治具との間に前記ケース、前記接着シートおよび前記固定部材をその厚さ方向に挟み込んだ状態にて、前記接着シートが硬化するまで前記ケースを冷却することを特徴とする複合部品の製造方法を提案している。
【0022】
この発明に係る複合部品の製造方法によれば、接着剤(接着シート)が硬化するまで冷却ホーンにより第1の部品(ケース)を押圧することができるため、第1の部品(ケース)と第2の部品(固定部材)との厚さ方向の相対的な位置精度の向上を図ることができる。
また、冷却ホーンにより第1の部品(ケース)と第2の部品(固定部材)との相対的な位置決めが行うことができるため、複合部品の製造装置の構成を簡素化して、製造コストの削減を図ることができる。
【0023】
さらに、第1の部品(ケース)と第2の部品(固定部材)との相対的な位置決めが、第1の部品(ケース)の冷却時に行われるため、作業者は、複合部品のクランプを行う必要が無くなり、第1の部品(ケース)、接着剤(接着シート)および第2の部品(固定部材)を配置する作業、および、複合部品を治具から取り外す作業を行うだけでよいため、作業者の作業内容が容易となる。
また、冷却ホーンは、硬化温度以下の温度に保持されているため、接着剤(接着シート)が硬化するまで第1の部品(ケース)の熱を吸収し続けることができ、加熱ホーンによる加熱温度が高くても、接着剤(接着シート)が硬化するまでの時間を短くできる。
【0024】
また、請求項6に係る発明は、請求項4または請求項5に記載の複合部品の製造方法において、前記冷却ホーンが、その内部を循環する液体により前記硬化温度以下の温度に保持されていることを特徴とする複合部品の製造方法を提案している。
この発明に係る複合部品の製造方法によれば、冷却ホーンが第1の部品(ケース)から吸収した熱は、その内部を循環する液体に吸収されるため、冷却ホーンを確実に硬化温度以下の温度に保つことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係る一実施形態を示している。この実施の形態に係る製造方法により製造される金属ケースユニットを構成するケース(第1の部品)、固定部材(第2の部品)および接着シート(接着剤)は、前述の従来技術と同様であるため、同じ符号を付してその説明を省略する。また、この実施形態においては、ケースおよび接着シートの材料をそれぞれアルミニウム合金およびポリエステル系の接着剤とする。以下に、この実施の形態に係る金属ケースユニットの製造方法について説明する。
【0026】
はじめに、ケースにアルマイト処理を施して表面処理層を形成し、このアルマイト処理が終了してから24時間経過後にケースの収容部底面に接着シートを仮接着する。なお、この仮接着の際には、ケースを例えば120℃で3秒間加熱して、接着シートを加熱する。
なお、アルマイト処理から24時間経過後に接着シートを仮接着するとしたのは、図2に示すように、本発明者らが、表面処理層の硬度がアルマイト処理の後から、1日あたりの硬度変動率が3%以下となる安定硬度に到達するまでの経過時間が4〜5日であるという知見を得たためであり、表面処理層の硬度が低い程、クラック発生温度が高くなるということを見出したためである。
【0027】
次いで、図1(a)に示すように、作業者が、固定部材3を治具11の配置部11aに配置し、固定部材3に接着シート4が当接するように、ケース2を固定部材3に重ね合わせて配置する。
そして、図1(b)に示すように、例えば190℃に保持された加熱ホーン12をケース2に9秒間当接させることにより、ケース2が加熱されて接着シート4が溶融する。ここで、加熱ホーン12の温度を190℃としたのは、図2(b)に示すように、アルマイト処理後から24時間経過後におけるクラック発生温度よりも低い温度とするためである。また、加熱ホーン12の当接時間を9秒間としたのは、接着シート4がケース2を介して加熱されるためであり、加熱ホーン12がケース2に当接してから接着シート4が120℃に到達するまで5秒間かかるためである。
【0028】
その後、加熱ホーン12をケース2から離間させて、図1(c)に示すように、アルミニウム合金からなる冷却ホーン13をケース2に当接させることにより、冷却ホーン13がケース2の熱を吸収して、ケース2および接着シート4の温度が低下する。
ここで、冷却ホーン13は、その内部に液体L1を循環させるための流路を形成したものとなっている。このため、冷却ホーン13が吸収した熱は液体L1に吸収されて、冷却ホーン13の温度が、接着シート4の硬化温度以下に保持されるようになっている。したがって、ケース2が接着シート4の硬化温度以下まで冷却され、接着シート4が硬化してケース2と固定部材3とが互いに接着されることになる。
【0029】
この冷却の際には、冷却ホーン13によりケース2を押圧して、ケース2および固定部材3の厚さ方向の相対的な位置決めを図っている。冷却ホーン13による押圧力は、冷却ホーン13に設けられたストッパー13aを治具11に当接させることにより、冷却ホーン13と治具11との間隙を一定に保持することで調整されている。
最後に、冷却ホーン13をケース2から離間させ、作業者が、固定部材3と接着されたケース2を治具11の配置部11aから取り外して、金属ケースユニットの製造が終了する。
【0030】
上記の金属ケースユニットの製造方法によれば、アルマイト処理後24時間経過してからケース2および接着シート4を加熱するため、表面処理層の安定硬度におけるクラック発生温度よりも高い温度で加熱できる。したがって、接着シート4を溶融させる時間を短くして、金属ケースユニットの製造時間の短縮を確実に図ることが可能となる。
【0031】
また、冷却ホーン13が、その内部を循環する液体L1により接着シート4の硬化温度以下の温度に保持されているため、加熱ホーン12による加熱温度が高くても、接着シート4が硬化するまでの時間を短くして、金属ケースユニットの製造時間の短縮を図ることができる。
さらに、接着シート4が硬化するまで、冷却ホーン13によりケース2を押圧しておくことができるため、ケース2と固定部材3との厚さ方向の相対的な位置精度の向上を図ることができる。
【0032】
また、冷却ホーン13により、ケース2と固定部材3との厚さ方向の相対的な位置精度の向上を図るため、固定部材3、接着シート4およびケース2を治具11の配置部に配置してから、金属ケースユニットが製造されるまでの間に、固定部材3、接着シート4およびケース2をクランプしておく必要が無くなる。このため、金属ケースユニットの製造装置の構成を簡素化して、製造コストの削減を図ることができると共に、作業者の作業内容が容易となる。
【0033】
なお、上記の実施の形態においては、ケース2がアルミニウム合金から形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくともアルマイト処理が可能な金属製から形成されていればよい。
また、接着シート4がポリエステル系の接着剤からなるとしたが、これに限ることはなく、加熱することにより溶融し、冷却することにより硬化する接着剤であればよい。
【0034】
さらに、アルマイト処理後24時間経過してからケース2に接着シート4を仮接着するとしたが、これに限ることはなく、例えば、アルマイト処理の直後に接着シート4を仮接着し、その後、24時間経過してから加熱ホーン12によるケース2および接着シート4を加熱するとしてもよい。
また、加熱ホーン12によるケース2および接着シート4の加熱は、アルマイト処理後24時間経過してから行われるとしたが、これに限ることはなく、少なくともアルマイト処理後略72時間以内に行えばよい。したがって、この加熱は、アルマイト処理後略24時間以内に行ってもよい。
【0035】
すなわち、表面処理層の硬度は、アルマイト処理後から上昇し、安定硬度に近づく程、その変動率が緩やかになるため、また、クラック発生温度は、硬度が高くなる程低下するため、アルマイト処理が終了してからできるだけ早くケース2および接着シート4の加熱を行うことが好ましい。したがって、硬度の変動率の変化に応じてアルマイト処理後、少なくとも略72時間以内、好ましくは略48時間以内、より好ましくは略24時間以内に行えば、製造時間の短縮を確実に図ることが可能である。
【0036】
また、ケース2に固定部材3を接着シート4により接着する方法について述べたが、これに限ることはなく、アルマイト処理を施した金属製の部品に、他の部品を接着剤により接着する方法に適用することが可能である。ただし、接着剤は、常温において固形状である必要がある。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3に係る発明によれば、アルマイト処理後から表面処理層の硬度が安定硬度に到達する前に第1の部品(ケース)を加熱するため、接着剤(接着シート)を溶融させる時間を短くして、複合部品の製造時間の短縮を図ることが可能となる。
【0038】
請求項4,5に係る発明によれば、冷却ホーンが接着剤(接着シート)の硬化温度以下の温度に保持されているため、第1の部品(ケース)と第2の部品(固定部材)との厚さ方向の相対的な位置精度の向上を図ることができると共に、加熱ホーンによる第1の部品(ケース)の加熱温度が高くても、接着剤(接着シート)が硬化するまでの時間を短くして、複合部品の製造時間の短縮を図ることができる。
また、第2の部品(固定部材)、接着剤(接着シート)および第1の部品(ケース)を治具に配置してから、複合部品が製造されるまでの間に、第2の部品(固定部材)、接着剤(接着シート)および第1の部品(ケース)を重ね合わせた状態でクランプする必要が無くなるため、複合部品の製造装置の構成を簡素化して、製造コストの削減を図ることができると共に、作業者の作業内容が容易となる。
【0039】
請求項6に係る発明によれば、冷却ホーンが第1の部品(ケース)から吸収した熱は、その内部を循環する液体に吸収されるため、冷却ホーンを確実に硬化温度以下の温度に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る金属ケースユニットの製造方法を示す説明図である。
【図2】(a)は、アルマイト処理後の時間経過に伴うアルマイト処理表面層の硬度変化、(b)は、同表面層のクラック発生温度の変化をそれぞれ示すグラフである。
【図3】従来の金属ケースユニットの一例を示す斜視図である。
【図4】従来の金属ケースユニットの製造方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
2 ケース(第1の部品)
3 固定部材(第2の部品)
4 接着シート(接着剤)
11 治具
12 加熱ホーン
13 冷却ホーン
L1 液体

Claims (6)

  1. 金属製の第1の部品にアルマイト処理を施して表面処理層を形成する表面処理工程後、前記第1の部品に第2の部品を加熱により溶融する接着剤を一旦溶融し、再び硬化する加熱および冷却の各工程を施して固定する複合部品の製造方法において、
    前記アルマイト処理後から前記表面処理層の硬度が安定する安定硬度に到達する前に、前記接着剤の溶融温度以上、かつ前記表面処理層にクラックが発生するクラック発生温度よりも低い温度にて、前記接着剤が溶融するまで前記加熱を行うことを特徴とする複合部品の製造方法。
  2. 金属製のケースにアルマイト処理を施して表面処理層を形成する表面処理工程後、
    前記ケース内部に収容される部品を固定する固定部材と、シート状に形成された接着剤からなる接着シートと、前記ケースとを順次厚さ方向に重ね合わせる積層工程と、
    前記接着シートが溶融する溶融温度以上、かつ、表面処理層にクラックが発生するクラック発生温度よりも低い温度にて、前記接着シートが溶融するまで前記ケースを加熱する加熱工程と、
    該接着シートが硬化するまで前記ケースを冷却する冷却工程とを備え、
    該アルマイト処理後から前記表面処理層の硬度が安定する安定硬度に到達する前に、前記加熱工程を行うことを特徴とする複合部品の製造方法。
  3. 前記アルマイト処理後から略72時間以内、好ましくは略48時間以内、さらに好ましくは略24時間以内に前記加熱工程を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合部品の製造方法。
  4. 金属製の第1の部品にアルマイト処理を施して表面処理層を形成し、
    治具上に、第2の部品と、加熱により溶融する接着剤と、前記第1の部品とを順次重ね合わせて配置し、
    前記接着剤が溶融する溶融温度以上、かつ、前記表面処理層にクラックが発生するクラック発生温度よりも低い温度に保持された加熱ホーンを前記第1の部品に当接させて、前記接着剤が溶融するまで前記第1の部品を加熱した後に、
    前記加熱ホーンに代えて、前記接着剤の硬化温度以下の温度に保持された冷却ホーンを前記第1の部品に当接させることにより、前記冷却ホーンと治具との間に前記第1の部品、前記接着剤および前記第2の部品をその厚さ方向に挟み込んだ状態にて、前記接着剤が硬化するまで前記第1の部品を冷却することを特徴とする複合部品の製造方法。
  5. 金属製のケースにアルマイト処理を施して表面処理層を形成し、
    治具上に、前記ケース内部に収容される部品を固定する固定部材と、シート状に形成された接着剤からなる接着シートと、前記ケースとを順次重ね合わせて配置し、
    前記接着シートが溶融する溶融温度以上、かつ、前記表面処理層にクラックが発生するクラック発生温度よりも低い温度に保持された加熱ホーンを前記ケースに当接させて、前記接着シートが溶融するまで前記ケースを加熱した後に、
    前記加熱ホーンに代えて、前記接着シートの硬化温度以下の温度に保持された冷却ホーンをケースに当接させることにより、冷却ホーンと治具との間に前記ケース、前記接着シートおよび前記固定部材をその厚さ方向に挟み込んだ状態にて、前記接着シートが硬化するまで前記ケースを冷却することを特徴とする複合部品の製造方法。
  6. 前記冷却ホーンが、その内部を循環する液体により前記硬化温度以下の温度に保持されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の複合部品の製造方法。
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WO2007046175A1 (ja) * 2005-10-20 2007-04-26 Nabtesco Corporation ケース、ケースの組立方法及び光ファイバ固定装置
CN107336084A (zh) * 2017-05-17 2017-11-10 广东长盈精密技术有限公司 壳体及其加工方法

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