JP2004351645A - Ptp包装体及びその生産方法 - Google Patents

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Shunsuke Ochi
俊介 越智
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】ポリプロピレンを主成分とするPTP包装用シートを用い、直接加熱真空成形機又は直接加熱圧空成形機にてPTP包装体を生産するにあたり、搬送・保管時のPTP包装体角部の割れ発生を抑制した包装体を得る事。
【解決手段】包装体が外部より最も衝撃を受けやすい部分について、ポケット成形時に成形必要箇所以外の部分を非加熱状態で成形する事でPTP包装体の外縁部の結晶化促進を低く抑え、それによりポリプロピレンシートの耐衝撃性の低下を防ぐ事で、包装体の割れの発生を抑制する事を特徴とするPTP包装体及びその生産方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品包装の分野で、固形剤包装用として一般に用いられているPTP(プレス・スルー・パック)用ポリプロピレンシート及びその包装機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医薬品包装の分野で、錠剤、カプセル剤等の固形剤包装用として一般に用いられているPTP包装は透明性、成形性、腰の強さ、コスト面から主に硬質ポリ塩化ビニルからなるシートを底材として用い、該底材をポケット形状に成形し、その中に固形剤(錠剤、カプセル剤など)を充填し、アルミ箔からなる蓋材で密封した包装体であり、1960年代前半に実用化され広く普及してきた。
【0003】
近年、硬質ポリ塩化ビニルシートに変わるものとしてポリプロピレンシートを使用して同様のPTP包装体を生産する事が盛んに行われており、特許文献1や特許文献2に示されるようなシートの開発が進み実用化されている。
【0004】
このようなPTP包装では、底材であるポリ塩化ビニルシート或いはポリプロピレンシートを加熱成形し、固形剤(錠剤、カプセル)を充填し、アルミ箔の蓋材をシール密封するPTP用自動連続成形包装機で梱包される。PTP用自動連続成形機は、底材であるポリ塩化ビニルシート或いはポリプロピレンシートを塑性変形領域の温度に予熱する加熱板または加熱ドラムを有する。底材としてポリプロピレンシートを使用した場合、加熱成形の前後で熱履歴に起因するシートの物性変化が起こり包装体の特性に影響を及ぼす事があり、条件によってはPTP包装体の角部が搬送中の衝撃によって割れを発生し場合によっては包装された医薬品が外気に曝されるという不具合を起こす事がある。
【0005】
これは、ポリプロピレンシートの主成分であるポリプロピレンが結晶性の樹脂である為、加熱成形の影響で加熱された部分の再結晶化が進む事が主な要因であると考えられる。従来広く使用されているポリ塩化ビニルシートについては成分が非晶性の為このような加熱成形前後での物性変化は起こさない。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−157659号公報
【特許文献2】
特開平09−183459号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、PTP包装材にポリプロピレンシートを使用した場合における前述の問題点を解決するため種々の検討を行った結果なされたもので、その目的とするところは、PTP用ポリプロピレンシートを用いPTP連続成形機にて医薬品を充填包装した場合、ポリプロピレンシートの物性変化を抑制し、PTP包装体としての角部割れ、破袋問題を解消する包装体を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリプロピレンを主成分とするPTP包装用シートを用い、直接加熱真空成形機又は直接加熱圧空成形機にてPTP包装体を生産工程であって、成形必要箇所以外の部分を非加熱状態で成形する事でPTP包装体の外縁部の結晶化促進を低く抑え、包装体の割れの発生を抑制する事を特徴とするPTP包装体及びその生産方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のPTP包装体はポリプロピレン樹脂を主成分とする原材料をTダイ法やインフレ法に代表される溶融押し出し法或いは、カレンダーロールによる圧延成形で製膜されたPTP包装用シートを用いて製造される。
【0010】
本発明のPTP包装体は、PTP連続成形機として直接加熱真空成形機又は直接加熱圧空成形機を使用できる。それらPTP連続成形機はポケットを加熱成形する為の熱板或いは熱ロールを有しており、成形熱板或いは熱ロールはポケット成形に直接影響を及ぼさない範囲内で、ポリプロピレンシート上に部分的に非加熱部を作り出すための熱板加工を施して製造される。
【0011】
本発明のPTP包装体は、上述のポケット成形時のシート非加熱部分が、包装体の最も外部より衝撃を受けやすい箇所に配置されるように個片化する事で製造される。
【0012】
【実施例】
以下に示したPTP連続成形機の条件に従いPTP用ポリプロピレンシートをポケット加熱成形、錠剤を充填、アルミシール後打抜き行いPTP包装体を作成した。実施例1.及び比較例1.について使用設備、条件はこれに限定されない。
<実施例1>
PTP成形機:FBP M−2(シー・ケー・ディー株式会社製)
フィルム :スミライトNS−3450(住友ベークライト株式会社製)
熱板 :外縁部非加熱熱板
予熱温度 :138℃
プラグ温度 :138℃
シール温度 :230℃
シール圧力 :4.0kg/cm
上記条件にて作成したPTP包装体は図1に示す斜線部分が成形時に直接加熱されない状態で作成される。
<比較例1>
PTP成形機:FBP M−2(シー・ケー・ディー株式会社製)
フィルム :スミライトNS−3450(住友ベークライト株式会社製)
熱板 :全面加熱熱板
予熱温度 :138℃
プラグ温度 :138℃
シール温度 :230℃
シール圧力 :4.0kg/cm
【0013】
各条件で作成したPTP包装体を評価した結果を表1に示す。
評価方法は以下のとおりである。
1.結晶化度評価;実施例1、比較例1のサンプルにおいて図1の3に示すPTP包装体の外縁部の結晶化度を測定した。
2.耐衝撃性評価;実施例1、比較例1のサンプルにおいて図1の3に示すPTP包装体の外縁部にJIS K7211デュポン衝撃試験法に準拠した方法でアルミシール面側より衝撃を加え割れの発生個数比較で評価した。
3.落下試験評価;実施例1、比較例1のサンプルを25個ずつ結束しそれぞれ2束ずつダンボールケースに入れ800mm高さから落下試験を行い30回落下時の図1の3に示すPTP包装体の外縁部割れの発生個数で比較評価した。
【0014】
【表1】
Figure 2004351645
【0015】
【発明の効果】
本発明に従うと、外部より最も衝撃を受けやすい外縁部のポリプロピレンシートの結晶化度の上昇を抑制する事で耐衝撃性の低下を防ぎ、且つ角部の割れの発生を低減したPTP包装体を得る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】PTP包装体の外観図
【符号の説明】
1:PTP包装体
2:ポケット成形部
3:成形時非加熱部

Claims (1)

  1. ポリプロピレンを主成分とするPTP包装用シートを用い、直接加熱真空成形機又は直接加熱圧空成形機にてPTP包装体を生産する工程であって、成形必要箇所以外の部分を非加熱状態で成形する事でPTP包装体の外縁部の結晶化促進を低く抑え、包装体の割れの発生を抑制する事を特徴とするPTP包装体及びその生産方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10722602B2 (en) 2009-03-19 2020-07-28 Emd Millipore Corporation Removal of microorganisms from fluid samples using nanofiber filtration media
US11154821B2 (en) 2011-04-01 2021-10-26 Emd Millipore Corporation Nanofiber containing composite membrane structures
US12059644B2 (en) 2014-06-26 2024-08-13 Emd Millipore Corporation Filter structure with enhanced dirt holding capacity

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