JP2004351537A - 工作物のエッジ部加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】工作物との非接触時における縦ならいローラの惰性回転を止めることができ、縦ならいローラによる工作物の表面の傷つけを防止できると共に、安定した円滑な面取りを行うこと。
【解決手段】工作物のエッジ部加工装置1は、工作物2のエッジ部2aを面取りするための回転刃物3と、回転刃物3の軸体4に装着され、工作物2の一側面2bに回転可能に当接して回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めするための縦ならいローラ5と、工作物2との非接触時における縦ならいローラ5の惰性回転を止めるための惰性回転防止用ストッパ7とを具備している。
【選択図】 図1
【解決手段】工作物のエッジ部加工装置1は、工作物2のエッジ部2aを面取りするための回転刃物3と、回転刃物3の軸体4に装着され、工作物2の一側面2bに回転可能に当接して回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めするための縦ならいローラ5と、工作物2との非接触時における縦ならいローラ5の惰性回転を止めるための惰性回転防止用ストッパ7とを具備している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作物のエッジ部加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、システムキッチン等に用いられる扉等の板材の端面にエッジ材を取り付け、このエッジ材の周縁部を面取りするための装置として、回転刃物の先端に縦ならいローラを回転可能に取り付け、縦ならいローラを工作物の一側面に当接させた状態で回転刃物を移動させることで、ならい削り加工を行なう装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−337722号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものにあっては、工作物との非接触時において縦ならいローラが軸体の回転に追従して惰性回転を行なうため、縦ならいローラを工作物に接触させた当初に、回転する縦ならいローラが工作物の表面を傷つけるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、工作物との非接触時における縦ならいローラの惰性回転を止めることができ、縦ならいローラによる工作物の表面の傷つけを防止できると共に、安定した円滑な面取りを行うことができる工作物のエッジ部加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る工作物のエッジ部加工装置は、工作物2のエッジ部2aを面取りするための回転刃物3と、回転刃物3の軸体4に装着され、工作物2の一側面2bに回転可能に当接して回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めするための縦ならいローラ5と、工作物2との非接触時における縦ならいローラ5の惰性回転を止めるための惰性回転防止用ストッパ7とを具備していることを特徴としている。
【0007】
このような構成とすることで、縦ならいローラ5によって切削深さ方向Aの面取り量が変化するのを防止できるようになり、しかも、縦ならいローラ5が工作物2に当たる前は、縦ならいローラ5の惰性回転が惰性回転防止用ストッパ7によって止められた状態となり、これにより、工作物2に縦ならいローラ5を接触させた当初に縦ならいローラ5が回転して工作物2の表面に傷をつけるおそれがなくなる。
【0008】
また、上記回転刃物3の軸体4に対して傾斜した別の軸体8に、工作物2の一側面2bと直交する他側面2cに回転可能に当接して回転刃物3を切削奥行き方向Bに位置決めするための円錐台形状をした横ならいローラ6を装着すると共に、横ならいローラ6の側面6aを上記縦ならいローラ5の側面5aと直交する面上に配置するのが好ましい。
【0009】
このような構成とすることで、横ならいローラ6によって切削奥行き方向Bの面取り量が変化するのを防止でき、回転刃物3の切削奥行き方向の切削量が決定されることで、縦ならいローラ5による位置決めとあいまって、安定した円滑な面取りを行なうことができる。しかも、円錐台形状をした横ならいローラ6の軸体8が回転刃物3の軸体4に対して傾斜し且つ横ならいローラ6の側面6aを縦ならいローラ5の側面5aと直交する面上に配置しているため、工作物2のコーナー部2dを面取りする際には、回転刃物3の軸体4が横ならいローラ6の軸体8を中心としたコンパス軌道を描くようになり、これにより、回転刃物3によって工作物2のコーナー部2dをなめらかに連続した曲面状に面取りすることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1(a)は本実施形態に用いられる工作物2のエッジ部加工装置1の一例を示している。図1(a)中のイは切削部分を示している。なお、工作物2としては、例えばシステムキッチンの洗面化粧台や流し台等に用いられる扉やカウンター等の板材9であって、板材の表面の左右両側のコーナー部2dがそれぞれ曲面状に加工され、さらに板材9の端面にエッジ材10が取り付けられたものを例示している。以下、エッジ材10の周縁部を工作物2のエッジ部2aとし、エッジ材10の端面を工作物2の一側面2b(基準仕上げ面)とし、板材9の側面を工作物2の他側面2cとして説明する。
【0012】
本エッジ部加工装置1は、工作物2のエッジ部2aを面取りするための回転刃物3と、工作物2の一側面2bに回転可能に当接して回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めするための縦ならいローラ5と、工作物2との非接触時における縦ならいローラ5の惰性回転を止めるための惰性回転防止用ストッパ7とを具備し、さらに、工作物2の一側面2bと直交する他側面2cに回転可能に当接して回転刃物3を切削奥行き方向Bに位置決めするための横ならいローラ6を具備している。ここでは、回転刃物3と縦ならいローラ5と横ならいローラ6とは別構造であり、回転刃物3を基準にして横ならいローラ6の位置調整が可能となっている。つまり図2に示す横ならいローラ6の固定ネジ11を緩め、調整ネジ12を回して回転刃物3の切削ラインに合わせるようにする。なお、縦ならいローラ5は回転刃物3と同軸上に設けられ且つ回転刃物3と接近(例えば1mm程度)しているため、縦ならいローラ5の位置調整は不要であり、結果として回転刃物3の加工精度が高められると共に、調整箇所が減ることで調整時間を大幅に短縮でき、作業性に優れたものとなる。なお、回転刃物3は摩耗や損傷を生じた段階で交換すればよい。
【0013】
上記回転刃物3は、略円錐筒状をしており、工作物2のエッジ部2aを丸み形状に面取りするための複数の切刃を備えている。
【0014】
回転刃物3の軸体4の一端部は、適当なチャック機構(図示せず)を介して或いは直接にモータ30の出力軸に連結されている。軸体4の他端部は回転刃物3の先端から突出しており、その突出した軸体4部分に縦ならいローラ5が回転自在に装着されている。縦ならいローラ5は工作物2の基準仕上げ面となる一側面2b(本例ではエッジ材10の端面)に回転可能に当接して回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めする働きをする。ここでは図1(b)に示すジャーナル軸受13の外輪13aによって縦ならいローラ5が構成され、ジャーナル軸受の13の内輪13bは回転刃物3の軸体4の他端部に挿入して固着されている。
【0015】
縦ならいローラ5が解放状態にあるときに、内輪13aの回転によりボール15が転動して縦ならいローラ5(外輪13b)が惰性で回転する。この縦ならいローラ5の惰性回転を防止するために本発明では図1(a)、図2に示すように、惰性回転防止用ストッパ7を縦ならいローラ5に圧接させている。惰性回転防止用ストッパ7は縦ならいローラ5の惰性回転を止めることで、縦ならいローラ5が工作物2に接触する当初に工作物2の表面を傷つけるのを防止する働きをする。
【0016】
ここで、惰性回転防止用ストッパ7は、樹脂製の円筒状に形成され、縦ならいローラ5を工作物2の一側面2bに接触させる際において邪魔にならない位置に配置されたローラ軸17に回転自在に支持されている。惰性回転防止用ストッパ7のローラ軸17は回転刃物3の軸体4と平行に配置されており、惰性回転防止用ストッパ7は縦ならいローラ5に圧接した状態で回転可能に保持されている。これにより、縦ならいローラ5を工作物2の一側面2bに押し付けながら回転刃物3を移動させると、縦ならいローラ5の回転方向と逆方向に惰性回転防止用ストッパ7が回転することとなり、切削途中においては縦ならいローラ5が回転することで工作物2の表面を傷つけることがないものである。つまり、惰性回転防止用ストッパ7は、回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めするという縦ならいローラ5の本来の機能を損なうことなく、切削当初だけでなく切削途中においても縦ならいローラ5による工作物2の表面の傷つけを防止する役割を果すものである。
【0017】
しかして、縦ならいローラ5が工作物2に当たる前は、縦ならいローラ5の惰性回転が惰性回転防止用ストッパ7によって止められた状態となり、これにより、工作物2に縦ならいローラ5を接触させた当初に縦ならいローラ5が回転して工作物2の表面に傷をつけるおそれがなくなり、工作物2の表面の美観が損なわれるのを防止できるようになる。しかも、回転可能な惰性回転防止用ストッパ7を縦ならいローラ5に圧接させているだけであるため、切削途中において縦ならいローラ5は工作物2の一側面2bに回転可能に押し付けられるようになり、切削途中においても縦ならいローラ5は工作物2の表面を傷つけることがないものであり、この結果、エッジ部2aをきれいな曲面状に且つ精度良く、ならい削り加工できるものである。しかも、回転可能な惰性回転防止用ストッパ7を縦ならいローラ5に圧接させるだけで、縦ならいローラ5の惰性回転を止めることができ、惰性回転防止用ストッパ7を容易に構成できるという利点もある。
【0018】
ところで、上記縦ならいローラ5は回転刃物3の切削深さ方向Aの位置を決めることができても、回転刃物3の切削奥行き方向Bの位置を決めることができない。
【0019】
そこで本エッジ部加工装置1は、回転刃物3を切削奥行き方向Bに位置決めするための横ならいローラ6を備えている。横ならいローラ6は図1(a)、図2に示すように、円錐台形状に形成され、その側面は縦ならいローラ5の側面5a(ジャーナル軸受の外輪)に対して直交する面となっている。また横ならいローラ6の軸体8は回転刃物3の軸体4に対して約45°の角度で傾斜している。これにより、縦ならいローラ5を工作物2の一側面2bに当接させ且つ横ならいローラ6の側面6aを工作物2の他側面2c(本例では板材9の側面)に当接させた状態で、ならい削り加工を行なう。このとき、縦ならいローラ5によって切削深さ方向Aの面取り量が変化するのを防止でき、同時に横ならいローラ6によって切削奥行き方向Bの面取り量が変化するのを防止でき、これにより、回転刃物3の切削深さ方向A及び切削奥行き方向の各々の切削量が決定されることとなり、安定した円滑な面取りを行えるものである。
【0020】
さらに本例では、工作物2の一側面2bの左右のコーナー部2dはそれぞれ曲面状に形成されており、図1(a)に示すように、円錐台形状をした横ならいローラ6の軸体8は回転刃物3の軸体4に対して約45°の角度で傾斜しており且つ横ならいローラ6の側面6aは縦ならいローラ5の側面5aと直交する面上に位置しているため、図3(d)の矢印で示す方向に回転刃物3を移動させることによって、工作物2のエッジ部2aのコーナー部2dを曲面状に面取りすることができる。例えば、図1(a)のように工作物2の一側面2bに縦ならいローラ5を押し当て、他側面2cに横ならいローラ6を押し当てた状態で、回転刃物3を図3に示す工作物2のコーナー部2dに沿って移動させると、このとき、回転刃物3の軸体4が横ならいローラ6の軸体8を中心とするコンパス軌道を描くようになる。つまり、横ならいローラ6は図3(a)に示す小さな円軌道H1を描いて回転するとき、縦ならいローラ5は図3(a)に示す大きな円軌道H2を描いて回転するようになり、これにより、回転刃物3によって工作物2のコーナー部2dをなめらかに連続した曲面状に面取りすることが可能となる。
【0021】
本発明に係るエッジ部加工装置1は、建材に用いられる扉やカウンター等の各種板材のエッジ加工に広い範囲で適用可能である。
【0022】
【発明の効果】
上述のように本発明にあっては、縦ならいローラによって切削深さ方向の面取り量が変化するのを防止できるので、回転刃物の切削深さ方向の切削量が決定されることで、安定した円滑な面取りを行なうことができる。しかも、縦ならいローラが工作物に当たる前は、縦ならいローラの惰性回転が惰性回転防止用ストッパによって止められた状態となるため、工作物に縦ならいローラを接触させた当初に縦ならいローラが回転して工作物の表面に傷をつけるおそれがなくなり、工作物の表面の美観が損なわれるのを防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(a)は回転刃物と縦ならいローラと横ならいローラと惰性回転防止用ストッパの位置関係の説明図、(b)は縦ならいローラ及び惰性回転防止用ストッパの斜視図である。
【図2】同上の工作物のエッジ部加工装置の側面図である。
【図3】(a)は同上の工作物のエッジ部をならい削り加工した後の斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)はエッジ部のコーナー部をならい削りする場合の回転刃物の移動軌跡の説明図である。
【符号の説明】
1 エッジ部加工装置
2 工作物
2a エッジ部
2b 一側面
2c 他側面
3 回転刃物
4 回転刃物の軸体
5 縦ならいローラ
5a 縦ならいローラの側面
6 横ならいローラ
6a 横ならいローラの側面
7 惰性回転防止用ストッパ
A 切削深さ方向
B 切削奥行き方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作物のエッジ部加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、システムキッチン等に用いられる扉等の板材の端面にエッジ材を取り付け、このエッジ材の周縁部を面取りするための装置として、回転刃物の先端に縦ならいローラを回転可能に取り付け、縦ならいローラを工作物の一側面に当接させた状態で回転刃物を移動させることで、ならい削り加工を行なう装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−337722号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものにあっては、工作物との非接触時において縦ならいローラが軸体の回転に追従して惰性回転を行なうため、縦ならいローラを工作物に接触させた当初に、回転する縦ならいローラが工作物の表面を傷つけるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、工作物との非接触時における縦ならいローラの惰性回転を止めることができ、縦ならいローラによる工作物の表面の傷つけを防止できると共に、安定した円滑な面取りを行うことができる工作物のエッジ部加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る工作物のエッジ部加工装置は、工作物2のエッジ部2aを面取りするための回転刃物3と、回転刃物3の軸体4に装着され、工作物2の一側面2bに回転可能に当接して回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めするための縦ならいローラ5と、工作物2との非接触時における縦ならいローラ5の惰性回転を止めるための惰性回転防止用ストッパ7とを具備していることを特徴としている。
【0007】
このような構成とすることで、縦ならいローラ5によって切削深さ方向Aの面取り量が変化するのを防止できるようになり、しかも、縦ならいローラ5が工作物2に当たる前は、縦ならいローラ5の惰性回転が惰性回転防止用ストッパ7によって止められた状態となり、これにより、工作物2に縦ならいローラ5を接触させた当初に縦ならいローラ5が回転して工作物2の表面に傷をつけるおそれがなくなる。
【0008】
また、上記回転刃物3の軸体4に対して傾斜した別の軸体8に、工作物2の一側面2bと直交する他側面2cに回転可能に当接して回転刃物3を切削奥行き方向Bに位置決めするための円錐台形状をした横ならいローラ6を装着すると共に、横ならいローラ6の側面6aを上記縦ならいローラ5の側面5aと直交する面上に配置するのが好ましい。
【0009】
このような構成とすることで、横ならいローラ6によって切削奥行き方向Bの面取り量が変化するのを防止でき、回転刃物3の切削奥行き方向の切削量が決定されることで、縦ならいローラ5による位置決めとあいまって、安定した円滑な面取りを行なうことができる。しかも、円錐台形状をした横ならいローラ6の軸体8が回転刃物3の軸体4に対して傾斜し且つ横ならいローラ6の側面6aを縦ならいローラ5の側面5aと直交する面上に配置しているため、工作物2のコーナー部2dを面取りする際には、回転刃物3の軸体4が横ならいローラ6の軸体8を中心としたコンパス軌道を描くようになり、これにより、回転刃物3によって工作物2のコーナー部2dをなめらかに連続した曲面状に面取りすることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1(a)は本実施形態に用いられる工作物2のエッジ部加工装置1の一例を示している。図1(a)中のイは切削部分を示している。なお、工作物2としては、例えばシステムキッチンの洗面化粧台や流し台等に用いられる扉やカウンター等の板材9であって、板材の表面の左右両側のコーナー部2dがそれぞれ曲面状に加工され、さらに板材9の端面にエッジ材10が取り付けられたものを例示している。以下、エッジ材10の周縁部を工作物2のエッジ部2aとし、エッジ材10の端面を工作物2の一側面2b(基準仕上げ面)とし、板材9の側面を工作物2の他側面2cとして説明する。
【0012】
本エッジ部加工装置1は、工作物2のエッジ部2aを面取りするための回転刃物3と、工作物2の一側面2bに回転可能に当接して回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めするための縦ならいローラ5と、工作物2との非接触時における縦ならいローラ5の惰性回転を止めるための惰性回転防止用ストッパ7とを具備し、さらに、工作物2の一側面2bと直交する他側面2cに回転可能に当接して回転刃物3を切削奥行き方向Bに位置決めするための横ならいローラ6を具備している。ここでは、回転刃物3と縦ならいローラ5と横ならいローラ6とは別構造であり、回転刃物3を基準にして横ならいローラ6の位置調整が可能となっている。つまり図2に示す横ならいローラ6の固定ネジ11を緩め、調整ネジ12を回して回転刃物3の切削ラインに合わせるようにする。なお、縦ならいローラ5は回転刃物3と同軸上に設けられ且つ回転刃物3と接近(例えば1mm程度)しているため、縦ならいローラ5の位置調整は不要であり、結果として回転刃物3の加工精度が高められると共に、調整箇所が減ることで調整時間を大幅に短縮でき、作業性に優れたものとなる。なお、回転刃物3は摩耗や損傷を生じた段階で交換すればよい。
【0013】
上記回転刃物3は、略円錐筒状をしており、工作物2のエッジ部2aを丸み形状に面取りするための複数の切刃を備えている。
【0014】
回転刃物3の軸体4の一端部は、適当なチャック機構(図示せず)を介して或いは直接にモータ30の出力軸に連結されている。軸体4の他端部は回転刃物3の先端から突出しており、その突出した軸体4部分に縦ならいローラ5が回転自在に装着されている。縦ならいローラ5は工作物2の基準仕上げ面となる一側面2b(本例ではエッジ材10の端面)に回転可能に当接して回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めする働きをする。ここでは図1(b)に示すジャーナル軸受13の外輪13aによって縦ならいローラ5が構成され、ジャーナル軸受の13の内輪13bは回転刃物3の軸体4の他端部に挿入して固着されている。
【0015】
縦ならいローラ5が解放状態にあるときに、内輪13aの回転によりボール15が転動して縦ならいローラ5(外輪13b)が惰性で回転する。この縦ならいローラ5の惰性回転を防止するために本発明では図1(a)、図2に示すように、惰性回転防止用ストッパ7を縦ならいローラ5に圧接させている。惰性回転防止用ストッパ7は縦ならいローラ5の惰性回転を止めることで、縦ならいローラ5が工作物2に接触する当初に工作物2の表面を傷つけるのを防止する働きをする。
【0016】
ここで、惰性回転防止用ストッパ7は、樹脂製の円筒状に形成され、縦ならいローラ5を工作物2の一側面2bに接触させる際において邪魔にならない位置に配置されたローラ軸17に回転自在に支持されている。惰性回転防止用ストッパ7のローラ軸17は回転刃物3の軸体4と平行に配置されており、惰性回転防止用ストッパ7は縦ならいローラ5に圧接した状態で回転可能に保持されている。これにより、縦ならいローラ5を工作物2の一側面2bに押し付けながら回転刃物3を移動させると、縦ならいローラ5の回転方向と逆方向に惰性回転防止用ストッパ7が回転することとなり、切削途中においては縦ならいローラ5が回転することで工作物2の表面を傷つけることがないものである。つまり、惰性回転防止用ストッパ7は、回転刃物3を切削深さ方向Aに位置決めするという縦ならいローラ5の本来の機能を損なうことなく、切削当初だけでなく切削途中においても縦ならいローラ5による工作物2の表面の傷つけを防止する役割を果すものである。
【0017】
しかして、縦ならいローラ5が工作物2に当たる前は、縦ならいローラ5の惰性回転が惰性回転防止用ストッパ7によって止められた状態となり、これにより、工作物2に縦ならいローラ5を接触させた当初に縦ならいローラ5が回転して工作物2の表面に傷をつけるおそれがなくなり、工作物2の表面の美観が損なわれるのを防止できるようになる。しかも、回転可能な惰性回転防止用ストッパ7を縦ならいローラ5に圧接させているだけであるため、切削途中において縦ならいローラ5は工作物2の一側面2bに回転可能に押し付けられるようになり、切削途中においても縦ならいローラ5は工作物2の表面を傷つけることがないものであり、この結果、エッジ部2aをきれいな曲面状に且つ精度良く、ならい削り加工できるものである。しかも、回転可能な惰性回転防止用ストッパ7を縦ならいローラ5に圧接させるだけで、縦ならいローラ5の惰性回転を止めることができ、惰性回転防止用ストッパ7を容易に構成できるという利点もある。
【0018】
ところで、上記縦ならいローラ5は回転刃物3の切削深さ方向Aの位置を決めることができても、回転刃物3の切削奥行き方向Bの位置を決めることができない。
【0019】
そこで本エッジ部加工装置1は、回転刃物3を切削奥行き方向Bに位置決めするための横ならいローラ6を備えている。横ならいローラ6は図1(a)、図2に示すように、円錐台形状に形成され、その側面は縦ならいローラ5の側面5a(ジャーナル軸受の外輪)に対して直交する面となっている。また横ならいローラ6の軸体8は回転刃物3の軸体4に対して約45°の角度で傾斜している。これにより、縦ならいローラ5を工作物2の一側面2bに当接させ且つ横ならいローラ6の側面6aを工作物2の他側面2c(本例では板材9の側面)に当接させた状態で、ならい削り加工を行なう。このとき、縦ならいローラ5によって切削深さ方向Aの面取り量が変化するのを防止でき、同時に横ならいローラ6によって切削奥行き方向Bの面取り量が変化するのを防止でき、これにより、回転刃物3の切削深さ方向A及び切削奥行き方向の各々の切削量が決定されることとなり、安定した円滑な面取りを行えるものである。
【0020】
さらに本例では、工作物2の一側面2bの左右のコーナー部2dはそれぞれ曲面状に形成されており、図1(a)に示すように、円錐台形状をした横ならいローラ6の軸体8は回転刃物3の軸体4に対して約45°の角度で傾斜しており且つ横ならいローラ6の側面6aは縦ならいローラ5の側面5aと直交する面上に位置しているため、図3(d)の矢印で示す方向に回転刃物3を移動させることによって、工作物2のエッジ部2aのコーナー部2dを曲面状に面取りすることができる。例えば、図1(a)のように工作物2の一側面2bに縦ならいローラ5を押し当て、他側面2cに横ならいローラ6を押し当てた状態で、回転刃物3を図3に示す工作物2のコーナー部2dに沿って移動させると、このとき、回転刃物3の軸体4が横ならいローラ6の軸体8を中心とするコンパス軌道を描くようになる。つまり、横ならいローラ6は図3(a)に示す小さな円軌道H1を描いて回転するとき、縦ならいローラ5は図3(a)に示す大きな円軌道H2を描いて回転するようになり、これにより、回転刃物3によって工作物2のコーナー部2dをなめらかに連続した曲面状に面取りすることが可能となる。
【0021】
本発明に係るエッジ部加工装置1は、建材に用いられる扉やカウンター等の各種板材のエッジ加工に広い範囲で適用可能である。
【0022】
【発明の効果】
上述のように本発明にあっては、縦ならいローラによって切削深さ方向の面取り量が変化するのを防止できるので、回転刃物の切削深さ方向の切削量が決定されることで、安定した円滑な面取りを行なうことができる。しかも、縦ならいローラが工作物に当たる前は、縦ならいローラの惰性回転が惰性回転防止用ストッパによって止められた状態となるため、工作物に縦ならいローラを接触させた当初に縦ならいローラが回転して工作物の表面に傷をつけるおそれがなくなり、工作物の表面の美観が損なわれるのを防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(a)は回転刃物と縦ならいローラと横ならいローラと惰性回転防止用ストッパの位置関係の説明図、(b)は縦ならいローラ及び惰性回転防止用ストッパの斜視図である。
【図2】同上の工作物のエッジ部加工装置の側面図である。
【図3】(a)は同上の工作物のエッジ部をならい削り加工した後の斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)はエッジ部のコーナー部をならい削りする場合の回転刃物の移動軌跡の説明図である。
【符号の説明】
1 エッジ部加工装置
2 工作物
2a エッジ部
2b 一側面
2c 他側面
3 回転刃物
4 回転刃物の軸体
5 縦ならいローラ
5a 縦ならいローラの側面
6 横ならいローラ
6a 横ならいローラの側面
7 惰性回転防止用ストッパ
A 切削深さ方向
B 切削奥行き方向
Claims (2)
- 工作物のエッジ部を面取りするための回転刃物と、回転刃物の軸体に装着され、工作物の一側面に回転可能に当接して回転刃物を切削深さ方向に位置決めするための縦ならいローラと、工作物との非接触時における縦ならいローラの惰性回転を止めるための惰性回転防止用ストッパとを具備していることを特徴とする工作物のエッジ部加工装置。
- 上記回転刃物の軸体に対して傾斜した別の軸体に、工作物の一側面と直交する他側面に回転可能に当接して回転刃物を切削奥行き方向に位置決めするための円錐台形状をした横ならいローラを装着すると共に、横ならいローラの側面を上記縦ならいローラの側面と直交する面上に配置したことを特徴とする請求項1記載の工作物のエッジ部加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003149767A JP2004351537A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 工作物のエッジ部加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003149767A JP2004351537A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 工作物のエッジ部加工装置 |
Publications (1)
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Family
ID=34045778
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004351537A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010253613A (ja) * | 2009-04-24 | 2010-11-11 | Ihi Corp | ワーク加工装置とその制御方法 |
JP2014040001A (ja) * | 2013-11-26 | 2014-03-06 | Ihi Corp | ワーク加工装置とその制御方法 |
-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003149767A patent/JP2004351537A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010253613A (ja) * | 2009-04-24 | 2010-11-11 | Ihi Corp | ワーク加工装置とその制御方法 |
JP2014040001A (ja) * | 2013-11-26 | 2014-03-06 | Ihi Corp | ワーク加工装置とその制御方法 |
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