JP2004350644A - 脱穀装置 - Google Patents
脱穀装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004350644A JP2004350644A JP2003154956A JP2003154956A JP2004350644A JP 2004350644 A JP2004350644 A JP 2004350644A JP 2003154956 A JP2003154956 A JP 2003154956A JP 2003154956 A JP2003154956 A JP 2003154956A JP 2004350644 A JP2004350644 A JP 2004350644A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- threshing
- handling
- plate
- feed chain
- teeth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Threshing Machine Elements (AREA)
Abstract
【課題】脱穀装置を軽量コンパクトに構成すると共に、脱穀性能も向上するようにする。
【解決手段】穀稈を挾持して搬送するフィードチェン4を有する脱穀装置5において、該脱穀装置5の扱室25内には複数の扱歯33を有する扱板23と該扱板23の下方に扱網22を設けて構成し、前記扱板23は少なくとも前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cで支持して構成し、該前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cを回転駆動して前記扱板23をクランク揺動する構成とし、該扱板23がクランク揺動すると前記扱板23の扱歯33はフィードチェン4側から反フィードチェン側にかけて移動して穀稈を脱穀するように構成したことを特徴とする脱穀装置の構成とする。
【選択図】 図3
【解決手段】穀稈を挾持して搬送するフィードチェン4を有する脱穀装置5において、該脱穀装置5の扱室25内には複数の扱歯33を有する扱板23と該扱板23の下方に扱網22を設けて構成し、前記扱板23は少なくとも前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cで支持して構成し、該前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cを回転駆動して前記扱板23をクランク揺動する構成とし、該扱板23がクランク揺動すると前記扱板23の扱歯33はフィードチェン4側から反フィードチェン側にかけて移動して穀稈を脱穀するように構成したことを特徴とする脱穀装置の構成とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、穀稈をフィードチェンで挾持して搬送しながら脱穀選別する脱穀装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術としては、回転するベルトにナイロンコード製の扱歯を複数設け、ベルトの下方には扱網を設け、フィードチェンで穀稈を挾持搬送しながらナイロンコード製の扱歯と扱網との相互作用で穀稈を脱穀する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−83455号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開2000−83455号公報に記載の技術は、脱穀装置の上下方向に長さを短くして脱穀装置をコンパクトに構成しようとするものである。このような構成とすることで、円筒型の扱胴と比較すると、上下方向の長さを短く構成できている。しかしながら、図1に記載されているように、ナイロンコード製の扱歯の非作用側のスペースを確保しなくてはならないので、脱穀装置の上下方向の長さを短くするには限界がある。また、図4に示されているように、ナイロンコード製の扱歯の非作用側のスペースを狭くして脱穀装置の上下方向に長さをより短くしようとすると、ナイロンコード製の扱歯が上部カバーに当接して大きな音が発生してしまうという欠点がある。
【0005】
さらに、脱穀された脱穀物のうち、扱網から下方の選別室内に落下しなかった脱穀物は、ナイロンコード製の扱歯によって非作用側に持ち回りされてフィードチェン側に搬送されてしまい、持ち回りされた脱穀物はフィードチェンに挾持搬送されている穀稈の株元側に当接し、脱穀物内に存在する穀粒が穀稈の株元内に入り込んでしまって(ササリ粒)穀稈とともに機外へと搬送されてしまうという欠点がある。
【0006】
本発明の課題は、前述のような不具合を防止して、軽量コンパクトで脱穀性能の良い脱穀装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、請求項1記載の発明では、穀稈を挾持して搬送するフィードチェン4を有する脱穀装置5において、該脱穀装置5の扱室25内には複数の扱歯33を有する扱板23と該扱板23の下方に扱網22を設けて構成し、前記扱板23は少なくとも前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cで支持して構成し、該前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cを回転駆動して前記扱板23をクランク揺動する構成とし、該扱板23がクランク揺動すると前記扱板23の扱歯33はフィードチェン4側から反フィードチェン側にかけて移動して穀稈を脱穀するように構成したことを特徴とする脱穀装置としたものである。
【0008】
請求項1の作用は、扱歯33を有する扱板23は前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cとで支持されていて、前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cが回転駆動すると前記扱板23がクランク揺動する。すると、扱板23に設けられている扱歯33は、フィードチェン4側から反フィードチェン側にかけて移動し、扱網22との相互作用でフィードチェン4にて挾持搬送されている穀稈を脱穀する。
【0009】
請求項2記載の発明では、前記扱網22に切刃45を設けるにあたり、該切刃45は扱網22の反フィードチェン側端部に設けるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置としたものである。
請求項2の作用は、請求項1の作用とともに、扱歯33の作用で切刃45まで移動させられた脱穀物は、切刃45で切断されるとともに、脱粒していない穀粒が穀稈から外れて下方に落下する。
【0010】
請求項3記載の発明では、前記切刃45は、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて所定間隔毎に設けるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の脱穀装置としたものである。
請求項3の作用は、請求項2の作用とともに、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて脱穀物が移動しても、脱穀物の一部は切刃45の切断作用を受ける。
【0011】
請求項4記載の発明では、前記扱板23は、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて所定間隔毎に凹凸部分を形成するように構成し、該凹凸部分のいずれか一方に前記切刃45を設けるように構成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の脱穀装置としたものである。
【0012】
請求項4の作用は、請求項2又は請求項3の作用とともに、扱板23の凹凸部分が穀稈に当接して穀粒の一部を脱粒する。
【0013】
【発明の効果】
本発明は上述のごとく構成したので、請求項1記載の発明においては、脱穀装置5の上下方向の長さを短くでき、脱穀装置全体を軽量コンパクトに構成可能となる。また、穀粒を含む脱穀物が持ち回りされて、搬送されている穀稈の株元側に当接して穀稈とともに機外へと搬送されるような不具合も防止できるようになる。そして、穀粒の回収率が向上するようになる。
【0014】
請求項2記載の発明においては、請求項1の効果とともに、切刃45まで寄せられてきた脱穀物が切刃45にて切断されて脱穀能率が向上し、穀粒の回収率が向上するようになる。
請求項3記載の発明においては、請求項2の効果とともに、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて脱穀物が移動しても、脱穀物の一部は切刃45の切断作用を受けることができるので、さらに、脱穀能率が向上するようになる。
【0015】
請求項4記載の発明においては、請求項2又は請求項3の効果とともに、扱板23の凹凸部分が穀稈に当接することで、さらに、穀稈の脱穀性能が向上するようになる。また、扱板23自体の強度も向上することで、扱室25内に多くの穀稈が搬送されてきても、扱板23の撓みや変形を防止できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の脱穀装置5を搭載したコンバインが示されている。
走行装置1を有する車台2の前方には植立穀稈を刈り取る刈取装置3を設け、車台2上には前記刈取装置3で刈り取った穀稈をフィードチェン4にて挾持搬送しながら脱穀選別する脱穀装置5と、コンバインを操作する操作部6と、前記脱穀装置5にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク7とを設けている。
【0017】
また、グレンタンク7内下方には、一時貯溜している穀粒を機外へ排出する下部ラセン(図示せず)があり、該下部ラセンから搬送されてきた穀粒を引き継いでコンバインの機体上方へと搬送する縦オーガ8が車台2に対して旋回可能に設けられ、さらに、縦オーガ8には横オーガ9が油圧シリンダ9aで昇降可能に設けられている。
【0018】
このように構成されたコンバインにおいて、エンジンからの動力を走行伝動装置10に入力し、任意の速度に変速して走行装置1を駆動する。すると、コンバインは前進を開始する。刈取脱穀作業を行なうには、さらに、刈取装置3,供給搬送装置11及び脱穀装置5に、エンジンからの動力を伝達駆動して作業を行なう。このような状態でコンバインが前進すると、植立穀稈は分草具12により分草されて、引起しケース13の引起しラグ14にて引き起こされ、その後、刈刃15にて刈り取られ、刈り取られた穀稈は、株元搬送装置16により後方の供給搬送装置11の始端部に向かって搬送されていく構成である。
【0019】
株元搬送装置16の終端部まで搬送された穀稈は、後方の供給搬送装置11の始端部に引き継がれ、その後、供給搬送装置11の終端部まで搬送された穀稈は、脱穀装置5のフィードチェン4の始端部に引き継がれると共に、該フィードチェン4に引き継がれた穀稈は、後方に搬送されながら脱穀される。脱穀された脱穀物の一部は、後述する脱穀装置5内の揺動選別棚26上に落下して、該揺動選別棚26の揺動作用と唐箕27からの風選作用により選別され、一番ラセン28内へと取り込まれていき、該一番ラセン28に取り込まれた穀粒は、グレンタンク7内に一時貯溜される構成である。脱穀後の排稈はフィードチェン4の終端部から、排稈チェン20の始端部に引き継がれて搬送されていき、その後、カッター21に送られて切断され下方の圃場上に放出されていく構成となっている。
【0020】
前記脱穀装置5の構成について説明する。
図2は脱穀装置5の側面図、図3は脱穀装置5の正面図である。
脱穀装置5内には、扱網22を有する扱板23を左クランク軸24aとで右クランク軸24bとで軸架した扱室25が構成され、該扱室25の下方には、揺動選別棚26を有する選別室32が構成されている。そして、前記扱板23には複数の扱歯33を固着して設ける構成としている。
【0021】
該揺動選別棚26の下方には、選別風送り方向始端側に唐箕27を設け、該唐箕27から送風される選別風の送り方向下手側には一番ラセン28を設け、該一番ラセン28の選別風送り方向下手側には二番ラセン29を設けている。この二番ラセン29にて収集された二番物を前記揺動選別棚26の始端部へ向けて揚穀するための二番揚穀筒30が設けられている。
【0022】
前記揺動選別棚26の構成について説明する。揺動選別棚26は、選別送り方向の始端側から順番に、落下した脱穀物を後方に移送する移送棚26a,脱穀物を選別するグレンシーブ26b,二番物を選別するチャフシーブ26c,排塵を機外に移送して放出するストローラック26dとから構成されている。該ストローラック26dの下方は、二番物を二番ラセン29内へ案内する二番棚先29aが構成されている。吸引ファン31は、選別室32内の軽い塵埃を機外に排出するためのもので、フィードチェン4の搬送終端部後方下方であって、前記ストローラック26dの左側方に設けられている構成である。
【0023】
前述のように、扱室25内の脱穀物で、揺動選別棚26上に落下しなかった残りの脱穀物は、扱室25の終端部まで搬送される。この扱室25の終端部まで搬送されてきた脱穀物は、下方の揺動選別棚26上に落下して選別作用を受ける構成である。
【0024】
このような揺動選別棚26の揺動作用と唐箕27からの選別風の作用にもかかわらず、一番ラセン28内に取り込まれなかった残りの穀粒は、他の排塵物と共にさらに後方に送られ、二番ラセン29内へと取り込まれていく。該二番ラセン29内に取り込まれた二番物は、二番揚穀筒30にて前記揺動選別棚26の始端側に位置する移送棚26aに還元され、前記扱室25から落下してくる脱穀物と合流し、その後、再び選別風送り方向の下手側に搬送されながら選別されていく構成である。
【0025】
前述のごとく、刈取装置3にて刈り取られて搬送されてきた穀稈は、前記フィードチェン4にて搬送されながら、扱歯33を有する扱板23の動きと扱網22との相互作用によって脱穀されるが、この扱板23によって穀稈を脱穀する構成について詳述する。
【0026】
操作部6に設ける脱穀クラッチレバー38を入り状態にすると、ケーブル38aを介して脱穀テンションクラッチ38bが入り状態となる。すると、エンジン37からの動力は、ベルト34,プーリ35,軸35aから反フィードチェン4側に位置するカウンタギヤボックス36に入力される。このカウンタギヤボックス36に入力された動力は、ベベルギヤ(図示せず)で向きを変換されてプーリ39を駆動し、その後、ベルト40から扱板23の駆動プーリ41を駆動する。このプーリ41に伝達された動力は、図4に図示する軸42を駆動し、該軸42の他端に連結している右クランク軸24bを回転する構成である。軸42は脱穀装置5の前板46に設ける軸受47で支持されている。
【0027】
この右クランク軸24bには軸受43で軸受されている軸44が回転自在に設けられている。そして、軸受43を支持しているハウジング43aに扱板23を設ける構成としている。一方、扱板23の左側は、左クランク軸24aで支持されている。扱板23には、複数の扱歯33が穀稈の株元側から穂先側にかけて作用するように固着して設けられている。図4は、扱室25の左側面図を示しているが、扱板23の前後方向にも、複数の扱歯33が設けられている。
【0028】
前記軸42が図3に示す矢印A方向に回転することで、扱歯33は矢印B方向に作用する。すると、扱歯33は穀稈の株元側から穂先側に掛けて作用し、扱網22との相互作用で穀粒が脱粒される。また、扱歯33の作用で、脱穀物は反フィードチェン4側に寄せされていくが、扱網22の反フィードチェン4側の端部に設ける切刃45によって、脱穀作用がより促進されるようになる。この切刃45にはL型プレート45aとこのL型プレート45aに固定のネジ45bが固定して設けられていて、ネジ45bを下方の機枠62の穴に挿入して、下方からナット45cで固定する構成としている。
【0029】
さらに、この切刃45の間を扱歯33が通過することで、脱穀作用が効率良く実行されるようになる。具体的には、図4の左側面図に示すように、脱穀物送り方向上手側から下手側にかけて、所定間隔毎に切刃45を複数個設けるように構成している。また、切刃45を設ける間隔については、脱穀する品種や湿材等によって、変更してもよい。例えば、稲に対して麦は脱粒性能が良いので切刃45を設ける間隔を長くするようにする。また、同じ品種であっても、湿った被脱穀物については脱っぷの発生が多くなるので、切刃45を設ける間隔を長くするようにする。これにより、効率良く脱穀選別ができるようになる。
【0030】
前述のように、扱板23に扱歯33を設け、扱板23をクランク揺動されることで脱穀作用を実行するように構成することにより、脱穀装置5を軽量コンパクトに構成可能となる。特に、脱穀装置5の上下方向の長さを短く構成できるようになり、コンバイン全体の軽量化を図ることが可能となる。
【0031】
扱板23がクランク揺動するときにおいて、扱板23の下死点位置Fの位置は、穀稈の扱室25の入口部分55の上端部55aに対して上方に位置する構成としている。これにより、穀稈は扱板23の側方に当接することなく、スムーズに扱室25内に入ることができるようになる。
【0032】
前記クランク軸24bの下側には、ゴム板56を設け、このゴム板56の他端は脱穀装置5の前板46に当接するように構成している。これにより、扱室25内の穀粒や脱穀物がメタル52の周辺に侵入するのを防止できて、駆動抵抗となるのを防止できるようになる。
【0033】
前記軸44の後方の支持構成は、脱穀装置5の後板48に軸受49で支持されている軸50を設け、この軸50に固定のクランク軸24cの端部に連結する構成としている。即ち、前側と同様に、ハウジング43aで支持される軸受43で軸44を支持し、クランク軸24cに対して回転自在な構成としている。そして、前記ハウジング43aに対して、扱板23を設ける構成としている。
【0034】
前記軸50の他端には、プーリ51を固着して設け、該プーリ51から排稈チェン20を駆動する構成としている。これにより、効率良く排稈チェン20を駆動できるようになる。
前述したように、脱穀装置5の前板46には、扱板23を揺動駆動するプーリ41が設けられているが、ボルト47bを外すと、軸受47,軸受47のハウジング47a,軸42及びプーリ41が一体で外れるように構成している。このため、軸42にはスプライン42aが形成され、このスプライン42aと嵌め合うスプライン凹部が、クランク軸24b側に固定のメタル52に形成されている。これにより、入力側のプーリ41やその周辺の点検作業や整備作業が容易にできるようになる。
【0035】
前記メタル52と前板46との間には、ゴム材等からなる弾性体52aを設ける構成としている。これにより、扱板23の振動が脱穀装置5全体に伝達されるのを抑制できるようになる。
また、前述した脱穀装置5の後板48側に設ける排稈チェン20への出力プーリ51においても、ボルト49bを外すことで、前記プーリ51,軸50,軸受48及び軸受48のハウジング49aが一体で外れるように構成している。このため、軸50にはスプライン50aが形成され、このスプライン50aと嵌め合うスプライン凹部が、クランク軸24c側に固定のメタル53に形成されている。これにより、排稈チェン20への出力プーリ51やその周辺の点検作業や整備作業が容易にできるようになる。
【0036】
前記メタル53と後板48との間には、ゴム材等からなる弾性体53aを設ける構成としている。これにより、扱板23の振動が脱穀装置5全体に伝達されるのを抑制できるようになる。
前記クランク軸24cの下側には、ゴム板57を設け、このゴム板57の他端は脱穀装置5の後板48に当接するように構成している。これにより、扱室25内の穀粒や脱穀物がメタル53の周辺に侵入するのを防止できて、扱板23の駆動抵抗が大きくなるのを防止できるようになる。
【0037】
前記軸44においては、前側のクランク軸24bから後側のクランク軸24cまで、一体構成としているので、扱板23の支持が強固になり、脱穀装置5の振動を抑制できるようになる。特に、フィードチェン4にて搬送される穀稈の量が多くなっても、扱板23や、クランク軸24b,クランク軸24cの撓みを防止でき、安定した脱穀作業が可能となる。
【0038】
次に、図5と図6について説明する。
扱板23の前側から後側にかけて凹凸部分を連続的に構成し、凹部に扱歯33を溶接等で固着して設けるように構成する。もちろん、扱歯33の固定は、扱板23の後側からナットで固定してもよい。そして、図6に示すように、扱板23の左右方向においては、扱歯33の列をC列,D列,E列の3列設ける構成とする。大型コンバインに搭載する脱穀装置においては、扱板23の左右幅は長くなり、扱歯33の列数も多くなる。前述のごとく、扱板23に凹凸部分を連続的に構成することで、扱板23の強度が向上し、扱板23の変形を防止できるようになる。また、図7に示すように、凹凸のライン54を斜め方向に形成するように構成してもよい。これにより、扱板23に形成される凹凸ライン部分54が穀稈に作用して、脱粒作用が促進されるよになり、脱穀処理能力が向上するようになる。
【0039】
次に、図8について説明する。
複数の扱歯33を有する扱板23の構成とその駆動構成は、前述した構成と同じであるが、前記扱板23の上方は扱室25と連通状態であるので、扱室25内の脱穀物が扱板23の上方に侵入することで、扱板23の重量が重くなり、その結果、扱板23の駆動系に大きな負荷が作用して破損する可能性がある。そこで、図8に示すように、扱板23のフィードチェン4側端部にゴム材からなる弾性体58の一端をピン59と割りピン60で固定し、さらに、前記弾性体58の他端を扱室カバー61の内側にピン59と割りピン60とで固定して設ける構成とする。これにより、扱室25内の脱穀物が扱板23の上方に侵入するのを防止できるようになり、扱板23の伝動系への負荷の増大と破損を防止できるようになるとともに、選別性能の低下を防止できるようになる。
【0040】
また、前記弾性体58の一端は、クランク揺動する扱板23に取り付ける構成としているので、扱板23が下死点位置Fに位置したときにおいて、ある程度の弛みを持たせておくように構成する。これにより、弾性体58に無理な力が作用して、弾性体58が伸びて切断されてしまうような不具合の発生を未然に防止できるようになる。
【0041】
次に、図9について説明する。
前記扱網22の脱穀物送り方向上手側端部と下手側端部には、それぞれピン63とピン64を下方に向けて固着して設け、該ピン63が嵌合する穴65aを有するプレート65と、ピン64が嵌合する穴66aを有するプレート66とを脱穀装置5の機枠に固定して設ける構成としている。
【0042】
脱穀時の作業状態においては、前述のように、ピン63とピン64とをそれぞれ穴65aと穴66aに挿入して扱網22を設置するようにする。この場合、ピン63とピン64は割りピンやヘアピン等で固定してもよいが、扱網22には上方の扱室25からの力と、扱歯33の移動方向、即ち、右側方向への力しか作用しないので、割りピンやヘアピン等で固定しなくても外れることはない。
【0043】
一方、点検作業時に扱網22を外す場合においては、作業者が扱網22を下方から押しあげて穴65aと穴66aから離脱させて、扱室25の入口部分55から容易に外すことができる。これにより、従来のようにフィードチェン4を扱室25の側方に回動離脱させなくても、扱網22の点検作業ができるので、作業の能率が向上するようになる。
【0044】
次に、図10について説明する。
扱歯の下方に位置する扱網22において、該扱網22の左右両端部を曲げ形状Rに構成する。しかも、この曲げ形状Rは、扱歯33の回転軌跡Gに略沿うような形状に構成する。これにより、扱網22の左右両端部においては、扱歯33と扱網22との隙間が広くなりすぎないので、穀稈は扱網22の左右両端部においても扱歯33と扱網22との相互作用によって効率良く脱穀できるようになる。
【0045】
また、扱網22の右側端部においては、扱網22の曲げ形状Rと扱歯33の回転軌跡Gとの間に切刃45を配置するように構成する。これにより、切刃45の切断作用がより向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの左側面図
【図2】脱穀装置の左側面図
【図3】脱穀装置の正面図
【図4】脱穀装置の左側面図
【図5】左側面図
【図6】底面図
【図7】底面図
【図8】脱穀装置の正面図
【図9】脱穀装置の左側面図
【図10】脱穀装置の正面図
【符号の説明】
4…フィードチェン、5…脱穀装置、22…扱網、23…扱板、24b…前側クランク軸、24c…後側クランク軸、25…扱室、33…扱歯、45…切刃、33…分草杆、34…引起装置、36…刈刃、83…ベルト、104…ケーブル、115…テンションクラッチ、141…テンションアーム。
【発明の属する技術分野】
この発明は、穀稈をフィードチェンで挾持して搬送しながら脱穀選別する脱穀装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術としては、回転するベルトにナイロンコード製の扱歯を複数設け、ベルトの下方には扱網を設け、フィードチェンで穀稈を挾持搬送しながらナイロンコード製の扱歯と扱網との相互作用で穀稈を脱穀する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−83455号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開2000−83455号公報に記載の技術は、脱穀装置の上下方向に長さを短くして脱穀装置をコンパクトに構成しようとするものである。このような構成とすることで、円筒型の扱胴と比較すると、上下方向の長さを短く構成できている。しかしながら、図1に記載されているように、ナイロンコード製の扱歯の非作用側のスペースを確保しなくてはならないので、脱穀装置の上下方向の長さを短くするには限界がある。また、図4に示されているように、ナイロンコード製の扱歯の非作用側のスペースを狭くして脱穀装置の上下方向に長さをより短くしようとすると、ナイロンコード製の扱歯が上部カバーに当接して大きな音が発生してしまうという欠点がある。
【0005】
さらに、脱穀された脱穀物のうち、扱網から下方の選別室内に落下しなかった脱穀物は、ナイロンコード製の扱歯によって非作用側に持ち回りされてフィードチェン側に搬送されてしまい、持ち回りされた脱穀物はフィードチェンに挾持搬送されている穀稈の株元側に当接し、脱穀物内に存在する穀粒が穀稈の株元内に入り込んでしまって(ササリ粒)穀稈とともに機外へと搬送されてしまうという欠点がある。
【0006】
本発明の課題は、前述のような不具合を防止して、軽量コンパクトで脱穀性能の良い脱穀装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、請求項1記載の発明では、穀稈を挾持して搬送するフィードチェン4を有する脱穀装置5において、該脱穀装置5の扱室25内には複数の扱歯33を有する扱板23と該扱板23の下方に扱網22を設けて構成し、前記扱板23は少なくとも前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cで支持して構成し、該前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cを回転駆動して前記扱板23をクランク揺動する構成とし、該扱板23がクランク揺動すると前記扱板23の扱歯33はフィードチェン4側から反フィードチェン側にかけて移動して穀稈を脱穀するように構成したことを特徴とする脱穀装置としたものである。
【0008】
請求項1の作用は、扱歯33を有する扱板23は前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cとで支持されていて、前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cが回転駆動すると前記扱板23がクランク揺動する。すると、扱板23に設けられている扱歯33は、フィードチェン4側から反フィードチェン側にかけて移動し、扱網22との相互作用でフィードチェン4にて挾持搬送されている穀稈を脱穀する。
【0009】
請求項2記載の発明では、前記扱網22に切刃45を設けるにあたり、該切刃45は扱網22の反フィードチェン側端部に設けるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置としたものである。
請求項2の作用は、請求項1の作用とともに、扱歯33の作用で切刃45まで移動させられた脱穀物は、切刃45で切断されるとともに、脱粒していない穀粒が穀稈から外れて下方に落下する。
【0010】
請求項3記載の発明では、前記切刃45は、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて所定間隔毎に設けるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の脱穀装置としたものである。
請求項3の作用は、請求項2の作用とともに、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて脱穀物が移動しても、脱穀物の一部は切刃45の切断作用を受ける。
【0011】
請求項4記載の発明では、前記扱板23は、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて所定間隔毎に凹凸部分を形成するように構成し、該凹凸部分のいずれか一方に前記切刃45を設けるように構成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の脱穀装置としたものである。
【0012】
請求項4の作用は、請求項2又は請求項3の作用とともに、扱板23の凹凸部分が穀稈に当接して穀粒の一部を脱粒する。
【0013】
【発明の効果】
本発明は上述のごとく構成したので、請求項1記載の発明においては、脱穀装置5の上下方向の長さを短くでき、脱穀装置全体を軽量コンパクトに構成可能となる。また、穀粒を含む脱穀物が持ち回りされて、搬送されている穀稈の株元側に当接して穀稈とともに機外へと搬送されるような不具合も防止できるようになる。そして、穀粒の回収率が向上するようになる。
【0014】
請求項2記載の発明においては、請求項1の効果とともに、切刃45まで寄せられてきた脱穀物が切刃45にて切断されて脱穀能率が向上し、穀粒の回収率が向上するようになる。
請求項3記載の発明においては、請求項2の効果とともに、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて脱穀物が移動しても、脱穀物の一部は切刃45の切断作用を受けることができるので、さらに、脱穀能率が向上するようになる。
【0015】
請求項4記載の発明においては、請求項2又は請求項3の効果とともに、扱板23の凹凸部分が穀稈に当接することで、さらに、穀稈の脱穀性能が向上するようになる。また、扱板23自体の強度も向上することで、扱室25内に多くの穀稈が搬送されてきても、扱板23の撓みや変形を防止できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の脱穀装置5を搭載したコンバインが示されている。
走行装置1を有する車台2の前方には植立穀稈を刈り取る刈取装置3を設け、車台2上には前記刈取装置3で刈り取った穀稈をフィードチェン4にて挾持搬送しながら脱穀選別する脱穀装置5と、コンバインを操作する操作部6と、前記脱穀装置5にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク7とを設けている。
【0017】
また、グレンタンク7内下方には、一時貯溜している穀粒を機外へ排出する下部ラセン(図示せず)があり、該下部ラセンから搬送されてきた穀粒を引き継いでコンバインの機体上方へと搬送する縦オーガ8が車台2に対して旋回可能に設けられ、さらに、縦オーガ8には横オーガ9が油圧シリンダ9aで昇降可能に設けられている。
【0018】
このように構成されたコンバインにおいて、エンジンからの動力を走行伝動装置10に入力し、任意の速度に変速して走行装置1を駆動する。すると、コンバインは前進を開始する。刈取脱穀作業を行なうには、さらに、刈取装置3,供給搬送装置11及び脱穀装置5に、エンジンからの動力を伝達駆動して作業を行なう。このような状態でコンバインが前進すると、植立穀稈は分草具12により分草されて、引起しケース13の引起しラグ14にて引き起こされ、その後、刈刃15にて刈り取られ、刈り取られた穀稈は、株元搬送装置16により後方の供給搬送装置11の始端部に向かって搬送されていく構成である。
【0019】
株元搬送装置16の終端部まで搬送された穀稈は、後方の供給搬送装置11の始端部に引き継がれ、その後、供給搬送装置11の終端部まで搬送された穀稈は、脱穀装置5のフィードチェン4の始端部に引き継がれると共に、該フィードチェン4に引き継がれた穀稈は、後方に搬送されながら脱穀される。脱穀された脱穀物の一部は、後述する脱穀装置5内の揺動選別棚26上に落下して、該揺動選別棚26の揺動作用と唐箕27からの風選作用により選別され、一番ラセン28内へと取り込まれていき、該一番ラセン28に取り込まれた穀粒は、グレンタンク7内に一時貯溜される構成である。脱穀後の排稈はフィードチェン4の終端部から、排稈チェン20の始端部に引き継がれて搬送されていき、その後、カッター21に送られて切断され下方の圃場上に放出されていく構成となっている。
【0020】
前記脱穀装置5の構成について説明する。
図2は脱穀装置5の側面図、図3は脱穀装置5の正面図である。
脱穀装置5内には、扱網22を有する扱板23を左クランク軸24aとで右クランク軸24bとで軸架した扱室25が構成され、該扱室25の下方には、揺動選別棚26を有する選別室32が構成されている。そして、前記扱板23には複数の扱歯33を固着して設ける構成としている。
【0021】
該揺動選別棚26の下方には、選別風送り方向始端側に唐箕27を設け、該唐箕27から送風される選別風の送り方向下手側には一番ラセン28を設け、該一番ラセン28の選別風送り方向下手側には二番ラセン29を設けている。この二番ラセン29にて収集された二番物を前記揺動選別棚26の始端部へ向けて揚穀するための二番揚穀筒30が設けられている。
【0022】
前記揺動選別棚26の構成について説明する。揺動選別棚26は、選別送り方向の始端側から順番に、落下した脱穀物を後方に移送する移送棚26a,脱穀物を選別するグレンシーブ26b,二番物を選別するチャフシーブ26c,排塵を機外に移送して放出するストローラック26dとから構成されている。該ストローラック26dの下方は、二番物を二番ラセン29内へ案内する二番棚先29aが構成されている。吸引ファン31は、選別室32内の軽い塵埃を機外に排出するためのもので、フィードチェン4の搬送終端部後方下方であって、前記ストローラック26dの左側方に設けられている構成である。
【0023】
前述のように、扱室25内の脱穀物で、揺動選別棚26上に落下しなかった残りの脱穀物は、扱室25の終端部まで搬送される。この扱室25の終端部まで搬送されてきた脱穀物は、下方の揺動選別棚26上に落下して選別作用を受ける構成である。
【0024】
このような揺動選別棚26の揺動作用と唐箕27からの選別風の作用にもかかわらず、一番ラセン28内に取り込まれなかった残りの穀粒は、他の排塵物と共にさらに後方に送られ、二番ラセン29内へと取り込まれていく。該二番ラセン29内に取り込まれた二番物は、二番揚穀筒30にて前記揺動選別棚26の始端側に位置する移送棚26aに還元され、前記扱室25から落下してくる脱穀物と合流し、その後、再び選別風送り方向の下手側に搬送されながら選別されていく構成である。
【0025】
前述のごとく、刈取装置3にて刈り取られて搬送されてきた穀稈は、前記フィードチェン4にて搬送されながら、扱歯33を有する扱板23の動きと扱網22との相互作用によって脱穀されるが、この扱板23によって穀稈を脱穀する構成について詳述する。
【0026】
操作部6に設ける脱穀クラッチレバー38を入り状態にすると、ケーブル38aを介して脱穀テンションクラッチ38bが入り状態となる。すると、エンジン37からの動力は、ベルト34,プーリ35,軸35aから反フィードチェン4側に位置するカウンタギヤボックス36に入力される。このカウンタギヤボックス36に入力された動力は、ベベルギヤ(図示せず)で向きを変換されてプーリ39を駆動し、その後、ベルト40から扱板23の駆動プーリ41を駆動する。このプーリ41に伝達された動力は、図4に図示する軸42を駆動し、該軸42の他端に連結している右クランク軸24bを回転する構成である。軸42は脱穀装置5の前板46に設ける軸受47で支持されている。
【0027】
この右クランク軸24bには軸受43で軸受されている軸44が回転自在に設けられている。そして、軸受43を支持しているハウジング43aに扱板23を設ける構成としている。一方、扱板23の左側は、左クランク軸24aで支持されている。扱板23には、複数の扱歯33が穀稈の株元側から穂先側にかけて作用するように固着して設けられている。図4は、扱室25の左側面図を示しているが、扱板23の前後方向にも、複数の扱歯33が設けられている。
【0028】
前記軸42が図3に示す矢印A方向に回転することで、扱歯33は矢印B方向に作用する。すると、扱歯33は穀稈の株元側から穂先側に掛けて作用し、扱網22との相互作用で穀粒が脱粒される。また、扱歯33の作用で、脱穀物は反フィードチェン4側に寄せされていくが、扱網22の反フィードチェン4側の端部に設ける切刃45によって、脱穀作用がより促進されるようになる。この切刃45にはL型プレート45aとこのL型プレート45aに固定のネジ45bが固定して設けられていて、ネジ45bを下方の機枠62の穴に挿入して、下方からナット45cで固定する構成としている。
【0029】
さらに、この切刃45の間を扱歯33が通過することで、脱穀作用が効率良く実行されるようになる。具体的には、図4の左側面図に示すように、脱穀物送り方向上手側から下手側にかけて、所定間隔毎に切刃45を複数個設けるように構成している。また、切刃45を設ける間隔については、脱穀する品種や湿材等によって、変更してもよい。例えば、稲に対して麦は脱粒性能が良いので切刃45を設ける間隔を長くするようにする。また、同じ品種であっても、湿った被脱穀物については脱っぷの発生が多くなるので、切刃45を設ける間隔を長くするようにする。これにより、効率良く脱穀選別ができるようになる。
【0030】
前述のように、扱板23に扱歯33を設け、扱板23をクランク揺動されることで脱穀作用を実行するように構成することにより、脱穀装置5を軽量コンパクトに構成可能となる。特に、脱穀装置5の上下方向の長さを短く構成できるようになり、コンバイン全体の軽量化を図ることが可能となる。
【0031】
扱板23がクランク揺動するときにおいて、扱板23の下死点位置Fの位置は、穀稈の扱室25の入口部分55の上端部55aに対して上方に位置する構成としている。これにより、穀稈は扱板23の側方に当接することなく、スムーズに扱室25内に入ることができるようになる。
【0032】
前記クランク軸24bの下側には、ゴム板56を設け、このゴム板56の他端は脱穀装置5の前板46に当接するように構成している。これにより、扱室25内の穀粒や脱穀物がメタル52の周辺に侵入するのを防止できて、駆動抵抗となるのを防止できるようになる。
【0033】
前記軸44の後方の支持構成は、脱穀装置5の後板48に軸受49で支持されている軸50を設け、この軸50に固定のクランク軸24cの端部に連結する構成としている。即ち、前側と同様に、ハウジング43aで支持される軸受43で軸44を支持し、クランク軸24cに対して回転自在な構成としている。そして、前記ハウジング43aに対して、扱板23を設ける構成としている。
【0034】
前記軸50の他端には、プーリ51を固着して設け、該プーリ51から排稈チェン20を駆動する構成としている。これにより、効率良く排稈チェン20を駆動できるようになる。
前述したように、脱穀装置5の前板46には、扱板23を揺動駆動するプーリ41が設けられているが、ボルト47bを外すと、軸受47,軸受47のハウジング47a,軸42及びプーリ41が一体で外れるように構成している。このため、軸42にはスプライン42aが形成され、このスプライン42aと嵌め合うスプライン凹部が、クランク軸24b側に固定のメタル52に形成されている。これにより、入力側のプーリ41やその周辺の点検作業や整備作業が容易にできるようになる。
【0035】
前記メタル52と前板46との間には、ゴム材等からなる弾性体52aを設ける構成としている。これにより、扱板23の振動が脱穀装置5全体に伝達されるのを抑制できるようになる。
また、前述した脱穀装置5の後板48側に設ける排稈チェン20への出力プーリ51においても、ボルト49bを外すことで、前記プーリ51,軸50,軸受48及び軸受48のハウジング49aが一体で外れるように構成している。このため、軸50にはスプライン50aが形成され、このスプライン50aと嵌め合うスプライン凹部が、クランク軸24c側に固定のメタル53に形成されている。これにより、排稈チェン20への出力プーリ51やその周辺の点検作業や整備作業が容易にできるようになる。
【0036】
前記メタル53と後板48との間には、ゴム材等からなる弾性体53aを設ける構成としている。これにより、扱板23の振動が脱穀装置5全体に伝達されるのを抑制できるようになる。
前記クランク軸24cの下側には、ゴム板57を設け、このゴム板57の他端は脱穀装置5の後板48に当接するように構成している。これにより、扱室25内の穀粒や脱穀物がメタル53の周辺に侵入するのを防止できて、扱板23の駆動抵抗が大きくなるのを防止できるようになる。
【0037】
前記軸44においては、前側のクランク軸24bから後側のクランク軸24cまで、一体構成としているので、扱板23の支持が強固になり、脱穀装置5の振動を抑制できるようになる。特に、フィードチェン4にて搬送される穀稈の量が多くなっても、扱板23や、クランク軸24b,クランク軸24cの撓みを防止でき、安定した脱穀作業が可能となる。
【0038】
次に、図5と図6について説明する。
扱板23の前側から後側にかけて凹凸部分を連続的に構成し、凹部に扱歯33を溶接等で固着して設けるように構成する。もちろん、扱歯33の固定は、扱板23の後側からナットで固定してもよい。そして、図6に示すように、扱板23の左右方向においては、扱歯33の列をC列,D列,E列の3列設ける構成とする。大型コンバインに搭載する脱穀装置においては、扱板23の左右幅は長くなり、扱歯33の列数も多くなる。前述のごとく、扱板23に凹凸部分を連続的に構成することで、扱板23の強度が向上し、扱板23の変形を防止できるようになる。また、図7に示すように、凹凸のライン54を斜め方向に形成するように構成してもよい。これにより、扱板23に形成される凹凸ライン部分54が穀稈に作用して、脱粒作用が促進されるよになり、脱穀処理能力が向上するようになる。
【0039】
次に、図8について説明する。
複数の扱歯33を有する扱板23の構成とその駆動構成は、前述した構成と同じであるが、前記扱板23の上方は扱室25と連通状態であるので、扱室25内の脱穀物が扱板23の上方に侵入することで、扱板23の重量が重くなり、その結果、扱板23の駆動系に大きな負荷が作用して破損する可能性がある。そこで、図8に示すように、扱板23のフィードチェン4側端部にゴム材からなる弾性体58の一端をピン59と割りピン60で固定し、さらに、前記弾性体58の他端を扱室カバー61の内側にピン59と割りピン60とで固定して設ける構成とする。これにより、扱室25内の脱穀物が扱板23の上方に侵入するのを防止できるようになり、扱板23の伝動系への負荷の増大と破損を防止できるようになるとともに、選別性能の低下を防止できるようになる。
【0040】
また、前記弾性体58の一端は、クランク揺動する扱板23に取り付ける構成としているので、扱板23が下死点位置Fに位置したときにおいて、ある程度の弛みを持たせておくように構成する。これにより、弾性体58に無理な力が作用して、弾性体58が伸びて切断されてしまうような不具合の発生を未然に防止できるようになる。
【0041】
次に、図9について説明する。
前記扱網22の脱穀物送り方向上手側端部と下手側端部には、それぞれピン63とピン64を下方に向けて固着して設け、該ピン63が嵌合する穴65aを有するプレート65と、ピン64が嵌合する穴66aを有するプレート66とを脱穀装置5の機枠に固定して設ける構成としている。
【0042】
脱穀時の作業状態においては、前述のように、ピン63とピン64とをそれぞれ穴65aと穴66aに挿入して扱網22を設置するようにする。この場合、ピン63とピン64は割りピンやヘアピン等で固定してもよいが、扱網22には上方の扱室25からの力と、扱歯33の移動方向、即ち、右側方向への力しか作用しないので、割りピンやヘアピン等で固定しなくても外れることはない。
【0043】
一方、点検作業時に扱網22を外す場合においては、作業者が扱網22を下方から押しあげて穴65aと穴66aから離脱させて、扱室25の入口部分55から容易に外すことができる。これにより、従来のようにフィードチェン4を扱室25の側方に回動離脱させなくても、扱網22の点検作業ができるので、作業の能率が向上するようになる。
【0044】
次に、図10について説明する。
扱歯の下方に位置する扱網22において、該扱網22の左右両端部を曲げ形状Rに構成する。しかも、この曲げ形状Rは、扱歯33の回転軌跡Gに略沿うような形状に構成する。これにより、扱網22の左右両端部においては、扱歯33と扱網22との隙間が広くなりすぎないので、穀稈は扱網22の左右両端部においても扱歯33と扱網22との相互作用によって効率良く脱穀できるようになる。
【0045】
また、扱網22の右側端部においては、扱網22の曲げ形状Rと扱歯33の回転軌跡Gとの間に切刃45を配置するように構成する。これにより、切刃45の切断作用がより向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの左側面図
【図2】脱穀装置の左側面図
【図3】脱穀装置の正面図
【図4】脱穀装置の左側面図
【図5】左側面図
【図6】底面図
【図7】底面図
【図8】脱穀装置の正面図
【図9】脱穀装置の左側面図
【図10】脱穀装置の正面図
【符号の説明】
4…フィードチェン、5…脱穀装置、22…扱網、23…扱板、24b…前側クランク軸、24c…後側クランク軸、25…扱室、33…扱歯、45…切刃、33…分草杆、34…引起装置、36…刈刃、83…ベルト、104…ケーブル、115…テンションクラッチ、141…テンションアーム。
Claims (4)
- 穀稈を挾持して搬送するフィードチェン4を有する脱穀装置5において、該脱穀装置5の扱室25内には複数の扱歯33を有する扱板23と該扱板23の下方に扱網22を設けて構成し、前記扱板23は少なくとも前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cで支持して構成し、該前側のクランク軸24bと後側のクランク軸24cを回転駆動して前記扱板23をクランク揺動する構成とし、該扱板23がクランク揺動すると前記扱板23の扱歯33はフィードチェン4側から反フィードチェン側にかけて移動して穀稈を脱穀するように構成したことを特徴とする脱穀装置。
- 前記扱網22に切刃45を設けるにあたり、該切刃45は扱網22の反フィードチェン側端部に設けるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置。
- 前記切刃45は、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて所定間隔毎に設けるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の脱穀装置。
- 前記扱板23は、フィードチェン4による穀稈送り方向上手側から下手側にかけて所定間隔毎に凹凸部分を形成するように構成し、該凹凸部分のいずれか一方に前記切刃45を設けるように構成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の脱穀装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003154956A JP2004350644A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 脱穀装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003154956A JP2004350644A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 脱穀装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004350644A true JP2004350644A (ja) | 2004-12-16 |
Family
ID=34049467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003154956A Pending JP2004350644A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 脱穀装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004350644A (ja) |
-
2003
- 2003-05-30 JP JP2003154956A patent/JP2004350644A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5953934B2 (ja) | コンバイン | |
JP6472357B2 (ja) | コンバイン | |
JP4950706B2 (ja) | コンバイン | |
JP6640633B2 (ja) | 汎用コンバイン | |
JP4664935B2 (ja) | 脱穀装置 | |
JP2004350644A (ja) | 脱穀装置 | |
JP2004208573A (ja) | コンバインの脱穀制御装置 | |
JP2014233230A (ja) | 脱穀装置 | |
JP2007174999A (ja) | 全稈投入形コンバインの排稈処理構造 | |
JP2020065474A (ja) | コンバイン | |
JPH05268822A (ja) | 脱穀装置 | |
JP7142553B2 (ja) | 汎用コンバイン | |
JP4569193B2 (ja) | 脱穀装置 | |
JP6061179B2 (ja) | コンバイン | |
JP5166885B2 (ja) | コンバイン | |
JP4096500B2 (ja) | 脱穀装置 | |
JP2001352825A (ja) | コンバイン | |
JP3428228B2 (ja) | コンバインの脱穀装置 | |
JP2531941Y2 (ja) | コンバインの脱穀装置 | |
JP2007252260A (ja) | 収穫機 | |
JPH10295180A (ja) | コンバインの刺さり粒除去板 | |
JP3601045B2 (ja) | 脱穀装置 | |
JP4782260B2 (ja) | 汎用コンバイン | |
JP2005021027A (ja) | 脱穀装置 | |
JP2004097078A (ja) | コンバインの刈取り部構造 |