JP2004350594A - 穀物貯蔵タンク - Google Patents
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Abstract
【課題】購入者の多様なニーズに合った各種の穀物を分けて貯蔵できると共に、穀物のトレーサビリティーの確認を容易にできる穀物貯蔵タンクを得る。
【解決手段】穀物貯蔵タンク10では、籾Mが供給コンベア60によって供給ホッパ58へ搬送されて、分配弁62の制御によって所定の供給管78を介して所定のサイロ38に供給されるため、各サイロ38に籾Mを種類毎に別々に貯蔵できる。また、所定のサイロ38に貯蔵された所定の種類の籾Mが、所定の排出弁48の制御によって所定の排出管46及び排出ホッパ56を介して排出されるため、各サイロ38から籾Mを種類毎に別々に排出できる。これにより、購入者の多様なニーズに合った各種の籾Mをサイロ38毎にきめ細かく分けて貯蔵できる。しかも、履歴が異なる籾Mをサイロ38毎にきめ細かく分けて貯蔵できるため、籾Mのトレーサビリティーの確認を容易にできる。
【選択図】 図1
【解決手段】穀物貯蔵タンク10では、籾Mが供給コンベア60によって供給ホッパ58へ搬送されて、分配弁62の制御によって所定の供給管78を介して所定のサイロ38に供給されるため、各サイロ38に籾Mを種類毎に別々に貯蔵できる。また、所定のサイロ38に貯蔵された所定の種類の籾Mが、所定の排出弁48の制御によって所定の排出管46及び排出ホッパ56を介して排出されるため、各サイロ38から籾Mを種類毎に別々に排出できる。これにより、購入者の多様なニーズに合った各種の籾Mをサイロ38毎にきめ細かく分けて貯蔵できる。しかも、履歴が異なる籾Mをサイロ38毎にきめ細かく分けて貯蔵できるため、籾Mのトレーサビリティーの確認を容易にできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、穀物が貯蔵される穀物貯蔵タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
米の過剰基調が継続し、これが在庫の増加、米価の低下を引き起こし、その結果、生産者の水田農業経営が困難な状況に立ち至っている。他方、購入者(消費者、卸業者、加工業者等)のニーズが多様化し、これに決め細やかに対応した安定供給の必要性が高まってきている。
【0003】
ところで、従来の米の流通形態では、各集落毎や、各大規模農家毎で、栽培した米を品種のみで分別し、所謂CE(カントリーエレベータ)又はRC(ライスセンター)と呼ばれる共同の大型穀物乾燥調製施設に持ち込んで乾燥し、大型の穀物貯蔵タンクに品種毎に大量に混合貯蔵し、大量に調製(籾摺、精選、必要に応じて精米)して購入者に提供していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、上記の穀物貯蔵タンクでは、米が混合されて貯蔵される。このため、生産者の多様な生産条件を活かして生産された特徴ある米を、そのまま購入者に届けることができない。
【0005】
つまり、消費者は、高くても好みに合った米が欲しい、味が一般的でも安い米が欲しい、粘りがあって甘い米が欲しい、冷めてもおいしい米が欲しい、もちもちした感触の米が欲しい、低アレルギーの米が欲しいなどのように、多様な品質、食味の米を要求しているが、これらのニーズを考慮した米及び米に関する生産者側の情報を消費者に提供することができない。
【0006】
さらに、卸業者、加工業者等も、ファミリレストラン用飯米が欲しい、弁当、おにぎり用等コンビニエンス向けの米が欲しい、すし、ピラフ、パエリア用等飲食店向けの米が欲しい、レトルト米、冷凍米用等原料米に適した米が欲しい、ポン菓子、まんじゅう用等加工適性がある米が欲しい等のように、多様な品質、食味の米を要求しているが、これらのニーズを考慮した米及び米に関する生産者側の情報を卸業者、加工業者等に提供することができない。
【0007】
また、生産者は、購入者ニーズを十分に知ることができなかったため、購入者のニーズを米の生産に反映させることができない。
【0008】
このため、購入者の多様なニーズに合った米をきめ細かく分けて貯蔵でき、かつ、米のトレーサビリティの確認(履歴(例えば生産条件)の追跡)が容易な穀物貯蔵タンクの開発の要請がある。
【0009】
さらに、上記の穀物貯蔵タンクでは、米を長期間貯蔵(例えば通年貯蔵)することで、米を購入者に安定供給できることが望まれている。
【0010】
【特許文献1】
特許第3362735号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮し、購入者の多様なニーズに合った穀物を分けて貯蔵できると共に、穀物のトレーサビリティの確認が容易な穀物貯蔵タンクを得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の穀物貯蔵タンクは、垂直に立設され、穀物を貯蔵可能とされた複数の貯蔵室と、穀物を前記各貯蔵室へ別々に供給する供給手段と、穀物を前記各貯蔵室の下端から別々に排出する排出手段と、を備えている。
【0013】
請求項1に記載の穀物貯蔵タンクでは、供給手段が穀物を各貯蔵室へ供給することで、各貯蔵室に穀物が貯蔵される。また、排出手段が各貯蔵室から穀物を排出する。
【0014】
ここで、供給手段は穀物を各貯蔵室へ別々に供給すると共に、排出手段は各貯蔵室から穀物を別々に排出する。
【0015】
このため、購入者の多様なニーズに合った各種の穀物を、貯蔵室毎に分けて貯蔵することができる。
【0016】
しかも、履歴(例えば生産地や生産方法等の生産条件)が異なる穀物を貯蔵室毎に分けて貯蔵できるため、穀物のトレーサビリティーの確認(履歴追跡)を容易に行うことができる。
【0017】
さらに、貯蔵室は垂直に立設されると共に、排出手段は穀物を貯蔵室の下端から排出する。これにより、穀物を貯蔵室内から流下させて排出することができるため、穀物を貯蔵室内から排出するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0018】
請求項2に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項1に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記供給手段は、前記各貯蔵室に対応して設けられ、穀物が供給されることで対応する前記貯蔵室へ穀物を流下させて供給する複数の供給路と、穀物を前記各供給路へ別々に供給する分配手段と、を有することを特徴としている。
【0019】
請求項2に記載の穀物貯蔵タンクでは、供給手段において、各貯蔵室に対応して設けられた各供給路へ分配手段が穀物を別々に供給することで、穀物が供給された供給路を経て当該供給路に対応する貯蔵室へ供給される。
【0020】
ここで、穀物は供給路を流下されて貯蔵室へ供給されるため、穀物を供給路において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0021】
請求項3に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項1または請求項2に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記排出手段は、前記各貯蔵室に対応して設けられた複数の排出路と、前記各排出路を閉鎖して設けられ、前記各排出路を別々に開放することで開放された前記排出路に対応する前記貯蔵室から穀物が当該排出路を流下されて排出される開閉手段と、を有することを特徴としている。
【0022】
請求項3に記載の穀物貯蔵タンクでは、排出手段において、各貯蔵室に対応して設けられた各排出路を開閉手段が閉鎖しており、各排出路を開閉手段が別々に開放することで、開放された排出路に対応する貯蔵室から穀物が当該排出路を経て排出される。
【0023】
ここで、穀物は排出路を流下されて貯蔵室から排出されるため、穀物を排出路において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0024】
請求項4に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記複数の貯蔵室の外周に設けられ、前記複数の貯蔵室との間に冷風が送風される隙間が設けられた外壁を備えた、ことを特徴としている。
【0025】
請求項4に記載の穀物貯蔵タンクでは、複数の貯蔵室の外周に設けられた外壁と複数の貯蔵室との間の隙間に冷風が送風されるため、貯蔵室内の穀物が良好に冷却される。このため、穀物を冷却しつつ貯蔵する保冷倉庫として機能でき、穀物を長期間貯蔵することができる。
【0026】
請求項5に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項4に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記外壁は、建造物の外周を構成する、ことを特徴としている。
【0027】
請求項5に記載の穀物貯蔵タンクでは、外壁が建造物の外周を構成して、穀物貯蔵タンクが建造物と一体化されているため、低コスト化を図ることができる。
【0028】
請求項6に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記貯蔵室内に設けられ、風を発生させる風発生手段を備えた、ことを特徴としている。
【0029】
請求項6に記載の穀物貯蔵タンクでは、貯蔵室内に設けられた風発生手段が風を発生させるため、貯蔵室内の穀物が更に良好に冷却される。このため、穀物を更に長期間貯蔵することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンク10が設けられた建造物12が縦断面図にて示されており、図2には、建造物12が横断面図にて示されている。
【0031】
本実施の形態に係る穀物貯蔵タンク10は、多品種乾燥調製システム(高付加価値流通システム)を構成している。
【0032】
穀物貯蔵タンク10は、外壁としての正方形筒状の外囲14を備えており、外囲14は断熱材(例えば内側にウレタン断熱材が張設されたサイデイング)とされている。
【0033】
外囲14の上面は、屋根16に覆われており、屋根16は外囲14に支持されている。屋根16は略矩形板状の屋根板18を一対有しており、一対の屋根板18は、互いに反対側へ傾斜されて、それぞれ上側部位が外囲14の中央側に配置されると共に下側部位が外囲14の外側に配置されている。一方の屋根板18上端は、他方の屋根板18上端の上方に配置されており、一方の屋根板18上端と他方の屋根板18上端との間には、供給開口20が形成されている。また、図7(A)に示す如く、各屋根板18は、所謂折版屋根とされて、複数の台形状の突出部18Aが等間隔に折曲形成されており、各突出部18Aは屋根板18の傾斜方向に沿って配置されている。
【0034】
外囲14の内側には、各角部の近傍において、機枠22を構成する正方形柱状の外柱24が立設されている。外柱24と、外柱24近傍における外囲14の各側壁と、の間には、外柱24における上部、下部及び上下方向中央において、棒状の支杆26が架け渡されており、外柱24は各支杆26を介して外囲14を支持している。
【0035】
4つの外柱24の内側には、機枠22を構成する平面視正方形状の受座28が設けられており、受座28の各角部は各外柱24の下部近傍に固定されている。図3の(A)に示す如く、受座28は格子状とされており、受座28には16個の同一の正方形状とされた受座孔30が、前後方向及び左右方向に4つずつ並べられた状態で、貫通形成されている。また、図3(B)に示す如く、受座孔30の外枠32の上部は断面二等辺三角形状にされている。
【0036】
受座28外周の各辺中央には、機枠22を構成する正方形柱状の内柱34が立設されており、内柱34の上端は外柱24の上端と同一の高さにされている。内柱34と、内柱34近傍における外囲14の側壁と、の間には、少なくとも内柱34における上部及び下部(必要に応じてさらに上下方向中央)において、上記と同様の支杆26が架け渡されており、内柱34は各支杆26を介して外囲14を支持している。
【0037】
互いに隣設された内柱34と外柱24との間には、内柱34における上部及び下部において、機枠22を構成する断面矩形棒状の梁36が架け渡されており、各梁36により機枠22の強度が向上されている。
【0038】
機枠22内には、16個の同一のサイロ38が設置されており、サイロ38は容器状とされて内部が貯蔵室40(ロット)にされている。サイロ38の下部以外の部位は正方形筒状にされると共に、サイロ38の下部は逆四角錘形の漏斗状にされており、サイロ38の下部が、受座28の受座孔30に貫通された状態で、受座孔30周囲の外枠32上部に嵌合係止されることで、サイロ38が、受座28(受座孔30周囲の外枠32)に支持されて、サイロ38(貯蔵室40)の軸方向が垂直に立設されている。これにより、互いに隣設されたサイロ38の下部以外の部位が、互いに接触しており、16個のサイロ38の下部以外の部位は、機枠22内に嵌合状態で配置されると共に、外囲14との間に16個のサイロ38の全外周に配置された隙間42を形成している。また、図7(B)に示す如く、サイロ38の外板は、所謂デッキプレートとされて、複数の台形状の凸部38Aが等間隔に折曲形成されており、各凸部38Aは横方向に平行に配置されている。
【0039】
サイロ38(貯蔵室40)の下端(下部における頂部)には、排出手段の排出路を構成する正方形状の排出口44が形成されている。排出口44には、排出手段の排出路を構成する正方形管状の排出管46が接続されており、排出管46の軸方向は垂直に配置されている。
【0040】
排出管46には、排出手段の開閉手段を構成する排出弁48(ロータリー弁)が介在されている。図6(B)に示す如く、排出弁48は円盤50を有しており、円盤50は排出管46に回転可能に支持されている。円盤50には湾曲板状の弁体52が固定されており、通常時には、弁体52は排出口44に対向する回転位置に配置されて排出管46を閉塞(閉鎖)している。円盤50は、図6(A)に示す排出モータ54に接続されており、排出モータ54が駆動されることで、円盤50が回転されて、弁体52が円盤50と一体に回転される。これにより、弁体52が排出口44に対向しない回転位置に配置されて排出管46を開放可能とされている(図6(B)参照)。
【0041】
4つの外柱24の内側には、16個のサイロ38の下方において、逆四角錘形の漏斗状とされた排出ホッパ56が設けられており、排出ホッパ56上端の各角部は各外柱24の下部(受座28より下方の部位)に固定されている。これにより、排出ホッパ56の各側壁は各排出管46の下端より下方に配置されている。
【0042】
また、上記外囲14は建造物12の外周を構成しており、さらに、上記屋根16、機枠22(各外柱24、受座28、各内柱34及び各梁36)、各支杆26、各サイロ38、排出ホッパ56及び下記各支持棒80は、建造物12を構成している。
【0043】
機枠22の上方(屋根16内の上部)には、供給ホッパ58が配置されている。供給ホッパ58の直上には、供給コンベア60(ベルトコンベア)の一端が設置されており、供給コンベア60は、屋根16の供給開口20を介して建造物12の外側まで延伸されて、他端が多品種乾燥調製システムの乾燥部(図示省略)に接続されている。乾燥部は、複数の乾燥機(図示省略)を有すると共に、多品種乾燥調製システムの図示しない集中制御装置(中央制御装置)に接続されており、乾燥部では、集中制御装置の制御により、購入者の多様なニーズに合った各種の籾M(穀物)が、種類毎に別々の乾燥機で乾燥される。
【0044】
供給ホッパ58の下端には、供給手段の分配手段としての分配弁62が固定されている。図4及び図5に示す如く、分配弁62は、円柱形の容器状とされたカバー64を有している。カバー64の上壁中央には、円状の入口66が貫通形成されており、入口66は供給ホッパ58の下端に接続されている。カバー64の下壁には、16個の出口68が貫通形成されており、16個の出口68はカバー64下壁の周方向へ等間隔に配置されている。
【0045】
カバー64内にはロータ70が収容されており、ロータ70は、下側部位の径が上側部位の径より大きくされた段付き円柱状にされている。ロータ70の下側部位はカバー64の周壁内に嵌合されて、ロータ70がカバー64内で回転可能とされると共に、ロータ70の上側部位は歯車とされいる。カバー64の上壁上面には分配モータ72(例えばステッピングモータ)が固定されており、分配モータ72の駆動軸72Aは、カバー64内に挿入されている。カバー64内における駆動軸72Aの先端には、駆動ギヤ74が固定されており、駆動ギヤ74はロータ70の上側部位に噛合されている。これにより、分配モータ72が駆動されることで、駆動軸72A及び駆動ギヤ74を介してロータ70が回転可能とされている。
【0046】
ロータ70には、断面円状の分配孔76が貫通形成されており、分配孔76は、ロータ70における上面の中心から下面の周部位に亘って傾斜されて配置されて、上端がカバー64の入口66に連通されると共に、下端がロータ70の回転位置に応じてカバー64の各出口68に連通可能とされている。
【0047】
カバー64の下面には、供給手段の供給路としての円管状の供給管78が16個固定されており、各供給管78はカバー64の各出口68に連通されている。各供給管78は、必要に応じて傾斜されて、各サイロ38中央の上方まで延伸されており、各供給管78の少なくとも下端は、軸方向が垂直に配置されている。16個の供給管78の下端は、一列に並んだ4個毎に支持棒80に支持されており、16個の供給管78を支持する合計4本の支持棒80は、16個のサイロ38の上方において、外囲14の対向する側壁間に架け渡されている。これにより、上記供給ホッパ58及び分配弁62も、4本の支持棒80に支持されている。
【0048】
上記供給コンベア60及び分配弁62の分配モータ72は、上記集中制御装置に接続されており、乾燥部の所定(1つ)の乾燥機から所定(1つ)の種類の籾Mを所定(1つ)のサイロ38(貯蔵室40)へ供給する指示が集中制御装置に入力された際には、集中制御装置の制御により、供給コンベア60が乾燥部の所定の乾燥機から所定の種類の籾Mを搬送して供給ホッパ58へ供給すると共に、分配モータ72が駆動されて分配弁62のロータ70が回転されることで所定のサイロ38に対応する供給管78に連通するカバー64の出口68にロータ70の分配孔76下端が連通される。これにより、供給ホッパ58から所定の種類の籾Mが、自然流下することで、カバー64の入口66、分配孔76、当該出口68及び当該供給管78を介して、所定の貯蔵室40に供給されて(張り込まれて)貯蔵される。
【0049】
これが終了した後に、乾燥部の他の所定(1つ)の乾燥機から他の所定(1つ)の種類の籾Mを他の所定(1つ)のサイロ38へ供給する指示が集中制御装置に入力された際には、同様に乾燥部の他の所定の乾燥機から他の所定の種類の籾Mが他の所定のサイロ38へ供給されて貯蔵される。
【0050】
以後、この工程が繰り返されることで、各サイロ38に籾Mが種類毎に別々に貯蔵される。
【0051】
外囲14内の下端中央には、排出コンベア82(ベルトコンベア)が設けられており、排出コンベア82の一端は、排出ホッパ56下端(頂部)開口の下方に配置されている。排出コンベア82の他端は、外囲14の外側まで延伸されて、多品種乾燥調製システムの調製部(図示省略)に接続されており、調製部は上記集中制御装置に接続されている。
【0052】
上記各排出弁48の排出モータ54及び排出コンベア82は、上記集中制御装置に接続されており、所定(1つ)のサイロ38(貯蔵室40)に貯蔵された所定(1つ)の種類の籾Mを排出して調製部に供給する指示が集中制御装置に入力された際には、集中制御装置の制御により、所定のサイロ38に対応する排出弁48において排出モータ54が駆動されて弁体52が回転されることで対応する排出管46が開放されると共に、排出コンベア82が駆動される。これにより、所定のサイロ38に貯蔵された所定の種類の籾Mが、自然流下して、所定のサイロ38の排出口44から当該排出管46を経て排出され、さらに、排出ホッパ56を経て排出コンベア82上に落下することで、排出コンベア82によって調製部へ搬送される。
【0053】
これが終了した後に、他の所定(1つ)のサイロ38に貯蔵された他の所定(1つ)の種類の籾Mを排出して調製部に供給する指示が集中制御装置に入力された際には、同様に他の所定のサイロ38に貯蔵された他の所定の種類の籾Mが排出されて調製部に供給される。
【0054】
以後、この工程が繰り返されることで、調製部へ籾Mが種類毎に別々に供給される。さらに、調製部では、集中制御装置の制御により、籾Mが供給された種類毎に別々に調製(籾摺、精選、必要に応じて精米)されることで、精選された玄米または白米が種類毎に別々に各購入者へ出荷される。
【0055】
外囲14の外側には、クーラーユニット84が設けられている。クーラーユニット84は、送風管86の一端に連通されており、各送風管86の他端は、外囲14内の上部(16個のサイロ38の上方)に連通されている。クーラーユニット84は、上記集中制御装置に接続されており、クーラーユニット84は、集中制御装置の制御により、例えば15℃程度の冷風(冷気)を生成して、この冷風を送風管86を介して外囲14内の上部に送風する。これにより、各サイロ38(貯蔵室40)内に上方から冷風が送風されると共に、16個のサイロ38全外周(外囲14と16個のサイロ38との間)の隙間42及び各サイロ38の下方空間に冷風が送風される。これにより、各サイロ38(貯蔵室40)内に貯蔵された籾Mが冷却される構成である。
【0056】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0057】
以上の構成の穀物貯蔵タンク10では、乾燥部の所定(1つ)の乾燥機で乾燥された所定(1つ)の種類の籾Mが、供給コンベア60によって供給ホッパ58へ搬送されて、分配弁62の制御によって所定(1つ)の供給管78を介して所定(1つ)のサイロ38(貯蔵室40)に供給される。さらに、これが終了した後には、乾燥部の他の所定(1つ)の乾燥機で乾燥された他の所定(1つ)の種類の籾Mが、供給コンベア60によって供給コンベア60へ搬送されて、分配弁62の制御によって他の所定(1つ)の供給管78を介して他の所定(1つ)のサイロ38に供給される。以後、この工程が繰り返されることで、各サイロ38に籾Mが種類毎に別々に貯蔵される。
【0058】
また、所定(1つ)のサイロ38に貯蔵された所定(1つ)の種類の籾Mが、所定(1つ)の排出弁48の制御によって所定(1つ)の排出管46及び排出ホッパ56を介して排出されて、排出コンベア82によって搬送されることで、調製部へ供給される。さらに、これが終了した後には、他の所定(1つ)のサイロ38に貯蔵された他の所定(1つ)の種類の籾Mが、他の所定(1つ)の排出弁48の制御によって他の所定(1つ)の排出管46及び排出ホッパ56を介して排出されて、排出コンベア82によって搬送されることで、調製部へ供給される。以後、この工程が繰り返されることで、籾Mが種類毎に別々に調製部へ供給される。これにより、調製部で籾Mが供給された種類毎に別々に調製されることで、精選された玄米または白米が種類毎に別々に各購入者へ出荷される。
【0059】
ここで、穀物貯蔵タンク10は16個のサイロ38を有しており、上述の如く、分配弁62の制御によって籾Mが乾燥部から各サイロ38へ別々に供給されると共に、16個の排出弁48の制御によって各サイロ38から籾Mが調製部へ別々に排出される。
【0060】
このため、購入者の多様なニーズに合った各種の籾Mを、サイロ38毎に個別にきめ細かく分けて貯蔵することができる。これにより、購入者の多様なニーズに合った各種の玄米または白米を各購入者に提供することができる。
【0061】
しかも、履歴(例えば生産地や生産方法等の生産条件)が異なる籾Mをサイロ38毎に個別にきめ細かく分けて貯蔵できるため、籾M(玄米または白米)のトレーサビリティーの確認(履歴追跡)を容易に行うことができる。
【0062】
また、クーラーユニット84からの冷風が、送風管86を介して外囲14内の上部に送風されて、16個のサイロ38と外囲14との間(16個のサイロ38の全外周)の隙間42に送風される。これにより、各サイロ38内に貯蔵された籾Mが良好に冷却されるため、穀物貯蔵タンク10が籾Mを冷却しつつ貯蔵する保冷倉庫として機能でき、籾Mを長期間貯蔵することができる。このため、玄米または白米を購入者に安定して供給することができる。
【0063】
しかも、クーラーユニット84から外囲14内の上部に送風された冷風が、各サイロ38内に上方から送風されると共に、各サイロ38の下方空間に送風される。これにより、各サイロ38内に貯蔵された籾Mが一層良好に冷却されるため、籾Mを一層長期間貯蔵することができる。
【0064】
また、籾Mは、供給ホッパ58、分配弁62及び供給管78を自然流下されてサイロ38へ供給されるため、籾Mを供給ホッパ58、分配弁62及び供給管78において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0065】
さらに、サイロ38は垂直に立設されると共に、籾Mはサイロ38下端の排出口44から排出される。これにより、籾Mをサイロ38内から自然流下させて排出することができるため、籾Mをサイロ38内から排出するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0066】
しかも、籾Mは、排出管46及び排出ホッパ56を自然流下されてサイロ38から排出されるため、籾Mを排出管46及び排出ホッパ56において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0067】
また、穀物貯蔵タンク10の外囲14が建造物12の外周を構成すると共に、穀物貯蔵タンク10の屋根16、機枠22、各支杆26、各サイロ38、排出ホッパ56及び各支持棒80が建造物12を構成して、穀物貯蔵タンク10が建造物12と一体化されている。このため、低コスト化を図ることができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、各サイロ38に籾Mを種類毎に分けて貯蔵する構成としたが、複数のサイロ(貯蔵室)に同一の種類の籾(穀物)を貯蔵する構成としてもよい。
【0069】
さらに、本実施の形態では、穀物貯蔵タンク10が16個のサイロ38を有する構成としたが、穀物貯蔵タンクは複数のサイロ(貯蔵室)を有する構成であればよい。
【0070】
また、図8に示す如く、本実施の形態において、サイロ38(貯蔵室40)内に風発生手段としての冷却器88(例えばグレンエアレータ(R))を必要に応じて設けた構成としてもよい。
【0071】
この場合、例えば、サイロ38の互いに対向する一対の側壁間には、断面L字板状のアングル材90がサイロ38内上端の中央を通過する状態に架設されており、アングル材90は左右方向または前後方向に平行に配置されている。
【0072】
冷却器88は、長尺円筒状の吸気筒92を有しており、吸気筒92の周壁には多数の吸気孔94が貫通形成されると共に、吸気筒92の下端は逆円錐状とされて閉じられている。吸気筒92の上端近傍は、アングル材90の中央にバンド96により固定されており、これにより、吸気筒92は、サイロ38内の中央に上下方向に平行に配置されると共に、吸気筒92の下部はサイロ38内の下部に配置されている。
【0073】
吸気筒92の上端には、ブロワ98(吸気手段)が固定されており、ブロワ98の上部にはモータ98Aが設けられている。ブロワ98には吐気管100の一端が接続されており、吐気管100の他端は外囲14の外側まで延伸されている。ブロワ98(モータ98A)は集中制御装置に接続されており、集中制御装置の制御により、ブロワ98(モータ98A)が駆動されることで、サイロ38内の籾層内の温気が吸気筒92の多数の吸気孔94から吸引されて吐気管100を介して外囲14の外側へ排出される。これにより、サイロ38内に風が発生されて、サイロ38内に貯蔵された籾Mが更に一層良好に冷却されるため、籾Mを更に一層長期間貯蔵(例えば通年貯蔵)することができる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1に記載の穀物貯蔵タンクでは、供給手段が穀物を各貯蔵室へ別々に供給すると共に排出手段が各貯蔵室から穀物を別々に排出するため、購入者の多様なニーズに合った各種の穀物を貯蔵室毎に分けて貯蔵することができると共に、穀物のトレーサビリティーの確認を容易に行うことができる。さらに、貯蔵室は垂直に立設されると共に排出手段は穀物を貯蔵室の下端から排出するため、穀物を貯蔵室内から排出するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0075】
請求項2に記載の穀物貯蔵タンクでは、穀物が供給路を流下されて貯蔵室へ供給されるため、穀物を供給路において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0076】
請求項3に記載の穀物貯蔵タンクでは、穀物が排出路を流下されて貯蔵室から排出されるため、穀物を排出路において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0077】
請求項4に記載の穀物貯蔵タンクでは、外壁と複数の貯蔵室との間の隙間に冷風が送風されるため、穀物を長期間貯蔵することができる。
【0078】
請求項5に記載の穀物貯蔵タンクでは、外壁が建造物の外周を構成するため、低コスト化を図ることができる。
【0079】
請求項6に記載の穀物貯蔵タンクでは、貯蔵室内の風発生手段が風を発生させるため、穀物を更に長期間貯蔵することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクが設けられた建造物を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクが設けられた建造物を示す横断面図である。
【図3】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける受座を示す図であり、(A)は、受座の平面図であり、(B)は、受座の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける分配弁を示す一部破断した正面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける分配弁の内部構成を示す平面図である。
【図6】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける排出弁を示す図であり、(A)は、排出弁の正面図であり、(B)は、排出弁の断面図である。
【図7】(A)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける屋根を詳細に示す断面図であり、(B)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおけるサイロの外板を詳細に示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおけるサイロ内に冷却器を設けた状況を示す一部破断した正面図である。
【符号の説明】
10 穀物貯蔵タンク
12 建造物
14 外囲(外壁)
40 貯蔵室
42 隙間
44 排出口(排出手段、排出路)
46 排出管(排出手段、排出路)
48 排出弁(排出手段、開閉手段)
62 分配弁(供給手段、分配手段)
78 供給管(供給手段、供給路)
88 冷却器(風発生手段)
M 籾(穀物)
【発明の属する技術分野】
本発明は、穀物が貯蔵される穀物貯蔵タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
米の過剰基調が継続し、これが在庫の増加、米価の低下を引き起こし、その結果、生産者の水田農業経営が困難な状況に立ち至っている。他方、購入者(消費者、卸業者、加工業者等)のニーズが多様化し、これに決め細やかに対応した安定供給の必要性が高まってきている。
【0003】
ところで、従来の米の流通形態では、各集落毎や、各大規模農家毎で、栽培した米を品種のみで分別し、所謂CE(カントリーエレベータ)又はRC(ライスセンター)と呼ばれる共同の大型穀物乾燥調製施設に持ち込んで乾燥し、大型の穀物貯蔵タンクに品種毎に大量に混合貯蔵し、大量に調製(籾摺、精選、必要に応じて精米)して購入者に提供していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、上記の穀物貯蔵タンクでは、米が混合されて貯蔵される。このため、生産者の多様な生産条件を活かして生産された特徴ある米を、そのまま購入者に届けることができない。
【0005】
つまり、消費者は、高くても好みに合った米が欲しい、味が一般的でも安い米が欲しい、粘りがあって甘い米が欲しい、冷めてもおいしい米が欲しい、もちもちした感触の米が欲しい、低アレルギーの米が欲しいなどのように、多様な品質、食味の米を要求しているが、これらのニーズを考慮した米及び米に関する生産者側の情報を消費者に提供することができない。
【0006】
さらに、卸業者、加工業者等も、ファミリレストラン用飯米が欲しい、弁当、おにぎり用等コンビニエンス向けの米が欲しい、すし、ピラフ、パエリア用等飲食店向けの米が欲しい、レトルト米、冷凍米用等原料米に適した米が欲しい、ポン菓子、まんじゅう用等加工適性がある米が欲しい等のように、多様な品質、食味の米を要求しているが、これらのニーズを考慮した米及び米に関する生産者側の情報を卸業者、加工業者等に提供することができない。
【0007】
また、生産者は、購入者ニーズを十分に知ることができなかったため、購入者のニーズを米の生産に反映させることができない。
【0008】
このため、購入者の多様なニーズに合った米をきめ細かく分けて貯蔵でき、かつ、米のトレーサビリティの確認(履歴(例えば生産条件)の追跡)が容易な穀物貯蔵タンクの開発の要請がある。
【0009】
さらに、上記の穀物貯蔵タンクでは、米を長期間貯蔵(例えば通年貯蔵)することで、米を購入者に安定供給できることが望まれている。
【0010】
【特許文献1】
特許第3362735号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮し、購入者の多様なニーズに合った穀物を分けて貯蔵できると共に、穀物のトレーサビリティの確認が容易な穀物貯蔵タンクを得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の穀物貯蔵タンクは、垂直に立設され、穀物を貯蔵可能とされた複数の貯蔵室と、穀物を前記各貯蔵室へ別々に供給する供給手段と、穀物を前記各貯蔵室の下端から別々に排出する排出手段と、を備えている。
【0013】
請求項1に記載の穀物貯蔵タンクでは、供給手段が穀物を各貯蔵室へ供給することで、各貯蔵室に穀物が貯蔵される。また、排出手段が各貯蔵室から穀物を排出する。
【0014】
ここで、供給手段は穀物を各貯蔵室へ別々に供給すると共に、排出手段は各貯蔵室から穀物を別々に排出する。
【0015】
このため、購入者の多様なニーズに合った各種の穀物を、貯蔵室毎に分けて貯蔵することができる。
【0016】
しかも、履歴(例えば生産地や生産方法等の生産条件)が異なる穀物を貯蔵室毎に分けて貯蔵できるため、穀物のトレーサビリティーの確認(履歴追跡)を容易に行うことができる。
【0017】
さらに、貯蔵室は垂直に立設されると共に、排出手段は穀物を貯蔵室の下端から排出する。これにより、穀物を貯蔵室内から流下させて排出することができるため、穀物を貯蔵室内から排出するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0018】
請求項2に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項1に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記供給手段は、前記各貯蔵室に対応して設けられ、穀物が供給されることで対応する前記貯蔵室へ穀物を流下させて供給する複数の供給路と、穀物を前記各供給路へ別々に供給する分配手段と、を有することを特徴としている。
【0019】
請求項2に記載の穀物貯蔵タンクでは、供給手段において、各貯蔵室に対応して設けられた各供給路へ分配手段が穀物を別々に供給することで、穀物が供給された供給路を経て当該供給路に対応する貯蔵室へ供給される。
【0020】
ここで、穀物は供給路を流下されて貯蔵室へ供給されるため、穀物を供給路において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0021】
請求項3に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項1または請求項2に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記排出手段は、前記各貯蔵室に対応して設けられた複数の排出路と、前記各排出路を閉鎖して設けられ、前記各排出路を別々に開放することで開放された前記排出路に対応する前記貯蔵室から穀物が当該排出路を流下されて排出される開閉手段と、を有することを特徴としている。
【0022】
請求項3に記載の穀物貯蔵タンクでは、排出手段において、各貯蔵室に対応して設けられた各排出路を開閉手段が閉鎖しており、各排出路を開閉手段が別々に開放することで、開放された排出路に対応する貯蔵室から穀物が当該排出路を経て排出される。
【0023】
ここで、穀物は排出路を流下されて貯蔵室から排出されるため、穀物を排出路において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0024】
請求項4に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記複数の貯蔵室の外周に設けられ、前記複数の貯蔵室との間に冷風が送風される隙間が設けられた外壁を備えた、ことを特徴としている。
【0025】
請求項4に記載の穀物貯蔵タンクでは、複数の貯蔵室の外周に設けられた外壁と複数の貯蔵室との間の隙間に冷風が送風されるため、貯蔵室内の穀物が良好に冷却される。このため、穀物を冷却しつつ貯蔵する保冷倉庫として機能でき、穀物を長期間貯蔵することができる。
【0026】
請求項5に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項4に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記外壁は、建造物の外周を構成する、ことを特徴としている。
【0027】
請求項5に記載の穀物貯蔵タンクでは、外壁が建造物の外周を構成して、穀物貯蔵タンクが建造物と一体化されているため、低コスト化を図ることができる。
【0028】
請求項6に記載の穀物貯蔵タンクは、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の穀物貯蔵タンクにおいて、前記貯蔵室内に設けられ、風を発生させる風発生手段を備えた、ことを特徴としている。
【0029】
請求項6に記載の穀物貯蔵タンクでは、貯蔵室内に設けられた風発生手段が風を発生させるため、貯蔵室内の穀物が更に良好に冷却される。このため、穀物を更に長期間貯蔵することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンク10が設けられた建造物12が縦断面図にて示されており、図2には、建造物12が横断面図にて示されている。
【0031】
本実施の形態に係る穀物貯蔵タンク10は、多品種乾燥調製システム(高付加価値流通システム)を構成している。
【0032】
穀物貯蔵タンク10は、外壁としての正方形筒状の外囲14を備えており、外囲14は断熱材(例えば内側にウレタン断熱材が張設されたサイデイング)とされている。
【0033】
外囲14の上面は、屋根16に覆われており、屋根16は外囲14に支持されている。屋根16は略矩形板状の屋根板18を一対有しており、一対の屋根板18は、互いに反対側へ傾斜されて、それぞれ上側部位が外囲14の中央側に配置されると共に下側部位が外囲14の外側に配置されている。一方の屋根板18上端は、他方の屋根板18上端の上方に配置されており、一方の屋根板18上端と他方の屋根板18上端との間には、供給開口20が形成されている。また、図7(A)に示す如く、各屋根板18は、所謂折版屋根とされて、複数の台形状の突出部18Aが等間隔に折曲形成されており、各突出部18Aは屋根板18の傾斜方向に沿って配置されている。
【0034】
外囲14の内側には、各角部の近傍において、機枠22を構成する正方形柱状の外柱24が立設されている。外柱24と、外柱24近傍における外囲14の各側壁と、の間には、外柱24における上部、下部及び上下方向中央において、棒状の支杆26が架け渡されており、外柱24は各支杆26を介して外囲14を支持している。
【0035】
4つの外柱24の内側には、機枠22を構成する平面視正方形状の受座28が設けられており、受座28の各角部は各外柱24の下部近傍に固定されている。図3の(A)に示す如く、受座28は格子状とされており、受座28には16個の同一の正方形状とされた受座孔30が、前後方向及び左右方向に4つずつ並べられた状態で、貫通形成されている。また、図3(B)に示す如く、受座孔30の外枠32の上部は断面二等辺三角形状にされている。
【0036】
受座28外周の各辺中央には、機枠22を構成する正方形柱状の内柱34が立設されており、内柱34の上端は外柱24の上端と同一の高さにされている。内柱34と、内柱34近傍における外囲14の側壁と、の間には、少なくとも内柱34における上部及び下部(必要に応じてさらに上下方向中央)において、上記と同様の支杆26が架け渡されており、内柱34は各支杆26を介して外囲14を支持している。
【0037】
互いに隣設された内柱34と外柱24との間には、内柱34における上部及び下部において、機枠22を構成する断面矩形棒状の梁36が架け渡されており、各梁36により機枠22の強度が向上されている。
【0038】
機枠22内には、16個の同一のサイロ38が設置されており、サイロ38は容器状とされて内部が貯蔵室40(ロット)にされている。サイロ38の下部以外の部位は正方形筒状にされると共に、サイロ38の下部は逆四角錘形の漏斗状にされており、サイロ38の下部が、受座28の受座孔30に貫通された状態で、受座孔30周囲の外枠32上部に嵌合係止されることで、サイロ38が、受座28(受座孔30周囲の外枠32)に支持されて、サイロ38(貯蔵室40)の軸方向が垂直に立設されている。これにより、互いに隣設されたサイロ38の下部以外の部位が、互いに接触しており、16個のサイロ38の下部以外の部位は、機枠22内に嵌合状態で配置されると共に、外囲14との間に16個のサイロ38の全外周に配置された隙間42を形成している。また、図7(B)に示す如く、サイロ38の外板は、所謂デッキプレートとされて、複数の台形状の凸部38Aが等間隔に折曲形成されており、各凸部38Aは横方向に平行に配置されている。
【0039】
サイロ38(貯蔵室40)の下端(下部における頂部)には、排出手段の排出路を構成する正方形状の排出口44が形成されている。排出口44には、排出手段の排出路を構成する正方形管状の排出管46が接続されており、排出管46の軸方向は垂直に配置されている。
【0040】
排出管46には、排出手段の開閉手段を構成する排出弁48(ロータリー弁)が介在されている。図6(B)に示す如く、排出弁48は円盤50を有しており、円盤50は排出管46に回転可能に支持されている。円盤50には湾曲板状の弁体52が固定されており、通常時には、弁体52は排出口44に対向する回転位置に配置されて排出管46を閉塞(閉鎖)している。円盤50は、図6(A)に示す排出モータ54に接続されており、排出モータ54が駆動されることで、円盤50が回転されて、弁体52が円盤50と一体に回転される。これにより、弁体52が排出口44に対向しない回転位置に配置されて排出管46を開放可能とされている(図6(B)参照)。
【0041】
4つの外柱24の内側には、16個のサイロ38の下方において、逆四角錘形の漏斗状とされた排出ホッパ56が設けられており、排出ホッパ56上端の各角部は各外柱24の下部(受座28より下方の部位)に固定されている。これにより、排出ホッパ56の各側壁は各排出管46の下端より下方に配置されている。
【0042】
また、上記外囲14は建造物12の外周を構成しており、さらに、上記屋根16、機枠22(各外柱24、受座28、各内柱34及び各梁36)、各支杆26、各サイロ38、排出ホッパ56及び下記各支持棒80は、建造物12を構成している。
【0043】
機枠22の上方(屋根16内の上部)には、供給ホッパ58が配置されている。供給ホッパ58の直上には、供給コンベア60(ベルトコンベア)の一端が設置されており、供給コンベア60は、屋根16の供給開口20を介して建造物12の外側まで延伸されて、他端が多品種乾燥調製システムの乾燥部(図示省略)に接続されている。乾燥部は、複数の乾燥機(図示省略)を有すると共に、多品種乾燥調製システムの図示しない集中制御装置(中央制御装置)に接続されており、乾燥部では、集中制御装置の制御により、購入者の多様なニーズに合った各種の籾M(穀物)が、種類毎に別々の乾燥機で乾燥される。
【0044】
供給ホッパ58の下端には、供給手段の分配手段としての分配弁62が固定されている。図4及び図5に示す如く、分配弁62は、円柱形の容器状とされたカバー64を有している。カバー64の上壁中央には、円状の入口66が貫通形成されており、入口66は供給ホッパ58の下端に接続されている。カバー64の下壁には、16個の出口68が貫通形成されており、16個の出口68はカバー64下壁の周方向へ等間隔に配置されている。
【0045】
カバー64内にはロータ70が収容されており、ロータ70は、下側部位の径が上側部位の径より大きくされた段付き円柱状にされている。ロータ70の下側部位はカバー64の周壁内に嵌合されて、ロータ70がカバー64内で回転可能とされると共に、ロータ70の上側部位は歯車とされいる。カバー64の上壁上面には分配モータ72(例えばステッピングモータ)が固定されており、分配モータ72の駆動軸72Aは、カバー64内に挿入されている。カバー64内における駆動軸72Aの先端には、駆動ギヤ74が固定されており、駆動ギヤ74はロータ70の上側部位に噛合されている。これにより、分配モータ72が駆動されることで、駆動軸72A及び駆動ギヤ74を介してロータ70が回転可能とされている。
【0046】
ロータ70には、断面円状の分配孔76が貫通形成されており、分配孔76は、ロータ70における上面の中心から下面の周部位に亘って傾斜されて配置されて、上端がカバー64の入口66に連通されると共に、下端がロータ70の回転位置に応じてカバー64の各出口68に連通可能とされている。
【0047】
カバー64の下面には、供給手段の供給路としての円管状の供給管78が16個固定されており、各供給管78はカバー64の各出口68に連通されている。各供給管78は、必要に応じて傾斜されて、各サイロ38中央の上方まで延伸されており、各供給管78の少なくとも下端は、軸方向が垂直に配置されている。16個の供給管78の下端は、一列に並んだ4個毎に支持棒80に支持されており、16個の供給管78を支持する合計4本の支持棒80は、16個のサイロ38の上方において、外囲14の対向する側壁間に架け渡されている。これにより、上記供給ホッパ58及び分配弁62も、4本の支持棒80に支持されている。
【0048】
上記供給コンベア60及び分配弁62の分配モータ72は、上記集中制御装置に接続されており、乾燥部の所定(1つ)の乾燥機から所定(1つ)の種類の籾Mを所定(1つ)のサイロ38(貯蔵室40)へ供給する指示が集中制御装置に入力された際には、集中制御装置の制御により、供給コンベア60が乾燥部の所定の乾燥機から所定の種類の籾Mを搬送して供給ホッパ58へ供給すると共に、分配モータ72が駆動されて分配弁62のロータ70が回転されることで所定のサイロ38に対応する供給管78に連通するカバー64の出口68にロータ70の分配孔76下端が連通される。これにより、供給ホッパ58から所定の種類の籾Mが、自然流下することで、カバー64の入口66、分配孔76、当該出口68及び当該供給管78を介して、所定の貯蔵室40に供給されて(張り込まれて)貯蔵される。
【0049】
これが終了した後に、乾燥部の他の所定(1つ)の乾燥機から他の所定(1つ)の種類の籾Mを他の所定(1つ)のサイロ38へ供給する指示が集中制御装置に入力された際には、同様に乾燥部の他の所定の乾燥機から他の所定の種類の籾Mが他の所定のサイロ38へ供給されて貯蔵される。
【0050】
以後、この工程が繰り返されることで、各サイロ38に籾Mが種類毎に別々に貯蔵される。
【0051】
外囲14内の下端中央には、排出コンベア82(ベルトコンベア)が設けられており、排出コンベア82の一端は、排出ホッパ56下端(頂部)開口の下方に配置されている。排出コンベア82の他端は、外囲14の外側まで延伸されて、多品種乾燥調製システムの調製部(図示省略)に接続されており、調製部は上記集中制御装置に接続されている。
【0052】
上記各排出弁48の排出モータ54及び排出コンベア82は、上記集中制御装置に接続されており、所定(1つ)のサイロ38(貯蔵室40)に貯蔵された所定(1つ)の種類の籾Mを排出して調製部に供給する指示が集中制御装置に入力された際には、集中制御装置の制御により、所定のサイロ38に対応する排出弁48において排出モータ54が駆動されて弁体52が回転されることで対応する排出管46が開放されると共に、排出コンベア82が駆動される。これにより、所定のサイロ38に貯蔵された所定の種類の籾Mが、自然流下して、所定のサイロ38の排出口44から当該排出管46を経て排出され、さらに、排出ホッパ56を経て排出コンベア82上に落下することで、排出コンベア82によって調製部へ搬送される。
【0053】
これが終了した後に、他の所定(1つ)のサイロ38に貯蔵された他の所定(1つ)の種類の籾Mを排出して調製部に供給する指示が集中制御装置に入力された際には、同様に他の所定のサイロ38に貯蔵された他の所定の種類の籾Mが排出されて調製部に供給される。
【0054】
以後、この工程が繰り返されることで、調製部へ籾Mが種類毎に別々に供給される。さらに、調製部では、集中制御装置の制御により、籾Mが供給された種類毎に別々に調製(籾摺、精選、必要に応じて精米)されることで、精選された玄米または白米が種類毎に別々に各購入者へ出荷される。
【0055】
外囲14の外側には、クーラーユニット84が設けられている。クーラーユニット84は、送風管86の一端に連通されており、各送風管86の他端は、外囲14内の上部(16個のサイロ38の上方)に連通されている。クーラーユニット84は、上記集中制御装置に接続されており、クーラーユニット84は、集中制御装置の制御により、例えば15℃程度の冷風(冷気)を生成して、この冷風を送風管86を介して外囲14内の上部に送風する。これにより、各サイロ38(貯蔵室40)内に上方から冷風が送風されると共に、16個のサイロ38全外周(外囲14と16個のサイロ38との間)の隙間42及び各サイロ38の下方空間に冷風が送風される。これにより、各サイロ38(貯蔵室40)内に貯蔵された籾Mが冷却される構成である。
【0056】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0057】
以上の構成の穀物貯蔵タンク10では、乾燥部の所定(1つ)の乾燥機で乾燥された所定(1つ)の種類の籾Mが、供給コンベア60によって供給ホッパ58へ搬送されて、分配弁62の制御によって所定(1つ)の供給管78を介して所定(1つ)のサイロ38(貯蔵室40)に供給される。さらに、これが終了した後には、乾燥部の他の所定(1つ)の乾燥機で乾燥された他の所定(1つ)の種類の籾Mが、供給コンベア60によって供給コンベア60へ搬送されて、分配弁62の制御によって他の所定(1つ)の供給管78を介して他の所定(1つ)のサイロ38に供給される。以後、この工程が繰り返されることで、各サイロ38に籾Mが種類毎に別々に貯蔵される。
【0058】
また、所定(1つ)のサイロ38に貯蔵された所定(1つ)の種類の籾Mが、所定(1つ)の排出弁48の制御によって所定(1つ)の排出管46及び排出ホッパ56を介して排出されて、排出コンベア82によって搬送されることで、調製部へ供給される。さらに、これが終了した後には、他の所定(1つ)のサイロ38に貯蔵された他の所定(1つ)の種類の籾Mが、他の所定(1つ)の排出弁48の制御によって他の所定(1つ)の排出管46及び排出ホッパ56を介して排出されて、排出コンベア82によって搬送されることで、調製部へ供給される。以後、この工程が繰り返されることで、籾Mが種類毎に別々に調製部へ供給される。これにより、調製部で籾Mが供給された種類毎に別々に調製されることで、精選された玄米または白米が種類毎に別々に各購入者へ出荷される。
【0059】
ここで、穀物貯蔵タンク10は16個のサイロ38を有しており、上述の如く、分配弁62の制御によって籾Mが乾燥部から各サイロ38へ別々に供給されると共に、16個の排出弁48の制御によって各サイロ38から籾Mが調製部へ別々に排出される。
【0060】
このため、購入者の多様なニーズに合った各種の籾Mを、サイロ38毎に個別にきめ細かく分けて貯蔵することができる。これにより、購入者の多様なニーズに合った各種の玄米または白米を各購入者に提供することができる。
【0061】
しかも、履歴(例えば生産地や生産方法等の生産条件)が異なる籾Mをサイロ38毎に個別にきめ細かく分けて貯蔵できるため、籾M(玄米または白米)のトレーサビリティーの確認(履歴追跡)を容易に行うことができる。
【0062】
また、クーラーユニット84からの冷風が、送風管86を介して外囲14内の上部に送風されて、16個のサイロ38と外囲14との間(16個のサイロ38の全外周)の隙間42に送風される。これにより、各サイロ38内に貯蔵された籾Mが良好に冷却されるため、穀物貯蔵タンク10が籾Mを冷却しつつ貯蔵する保冷倉庫として機能でき、籾Mを長期間貯蔵することができる。このため、玄米または白米を購入者に安定して供給することができる。
【0063】
しかも、クーラーユニット84から外囲14内の上部に送風された冷風が、各サイロ38内に上方から送風されると共に、各サイロ38の下方空間に送風される。これにより、各サイロ38内に貯蔵された籾Mが一層良好に冷却されるため、籾Mを一層長期間貯蔵することができる。
【0064】
また、籾Mは、供給ホッパ58、分配弁62及び供給管78を自然流下されてサイロ38へ供給されるため、籾Mを供給ホッパ58、分配弁62及び供給管78において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0065】
さらに、サイロ38は垂直に立設されると共に、籾Mはサイロ38下端の排出口44から排出される。これにより、籾Mをサイロ38内から自然流下させて排出することができるため、籾Mをサイロ38内から排出するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0066】
しかも、籾Mは、排出管46及び排出ホッパ56を自然流下されてサイロ38から排出されるため、籾Mを排出管46及び排出ホッパ56において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0067】
また、穀物貯蔵タンク10の外囲14が建造物12の外周を構成すると共に、穀物貯蔵タンク10の屋根16、機枠22、各支杆26、各サイロ38、排出ホッパ56及び各支持棒80が建造物12を構成して、穀物貯蔵タンク10が建造物12と一体化されている。このため、低コスト化を図ることができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、各サイロ38に籾Mを種類毎に分けて貯蔵する構成としたが、複数のサイロ(貯蔵室)に同一の種類の籾(穀物)を貯蔵する構成としてもよい。
【0069】
さらに、本実施の形態では、穀物貯蔵タンク10が16個のサイロ38を有する構成としたが、穀物貯蔵タンクは複数のサイロ(貯蔵室)を有する構成であればよい。
【0070】
また、図8に示す如く、本実施の形態において、サイロ38(貯蔵室40)内に風発生手段としての冷却器88(例えばグレンエアレータ(R))を必要に応じて設けた構成としてもよい。
【0071】
この場合、例えば、サイロ38の互いに対向する一対の側壁間には、断面L字板状のアングル材90がサイロ38内上端の中央を通過する状態に架設されており、アングル材90は左右方向または前後方向に平行に配置されている。
【0072】
冷却器88は、長尺円筒状の吸気筒92を有しており、吸気筒92の周壁には多数の吸気孔94が貫通形成されると共に、吸気筒92の下端は逆円錐状とされて閉じられている。吸気筒92の上端近傍は、アングル材90の中央にバンド96により固定されており、これにより、吸気筒92は、サイロ38内の中央に上下方向に平行に配置されると共に、吸気筒92の下部はサイロ38内の下部に配置されている。
【0073】
吸気筒92の上端には、ブロワ98(吸気手段)が固定されており、ブロワ98の上部にはモータ98Aが設けられている。ブロワ98には吐気管100の一端が接続されており、吐気管100の他端は外囲14の外側まで延伸されている。ブロワ98(モータ98A)は集中制御装置に接続されており、集中制御装置の制御により、ブロワ98(モータ98A)が駆動されることで、サイロ38内の籾層内の温気が吸気筒92の多数の吸気孔94から吸引されて吐気管100を介して外囲14の外側へ排出される。これにより、サイロ38内に風が発生されて、サイロ38内に貯蔵された籾Mが更に一層良好に冷却されるため、籾Mを更に一層長期間貯蔵(例えば通年貯蔵)することができる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1に記載の穀物貯蔵タンクでは、供給手段が穀物を各貯蔵室へ別々に供給すると共に排出手段が各貯蔵室から穀物を別々に排出するため、購入者の多様なニーズに合った各種の穀物を貯蔵室毎に分けて貯蔵することができると共に、穀物のトレーサビリティーの確認を容易に行うことができる。さらに、貯蔵室は垂直に立設されると共に排出手段は穀物を貯蔵室の下端から排出するため、穀物を貯蔵室内から排出するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0075】
請求項2に記載の穀物貯蔵タンクでは、穀物が供給路を流下されて貯蔵室へ供給されるため、穀物を供給路において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0076】
請求項3に記載の穀物貯蔵タンクでは、穀物が排出路を流下されて貯蔵室から排出されるため、穀物を排出路において搬送するための搬送機器を必要とせず、低コスト化を図ることができる。
【0077】
請求項4に記載の穀物貯蔵タンクでは、外壁と複数の貯蔵室との間の隙間に冷風が送風されるため、穀物を長期間貯蔵することができる。
【0078】
請求項5に記載の穀物貯蔵タンクでは、外壁が建造物の外周を構成するため、低コスト化を図ることができる。
【0079】
請求項6に記載の穀物貯蔵タンクでは、貯蔵室内の風発生手段が風を発生させるため、穀物を更に長期間貯蔵することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクが設けられた建造物を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクが設けられた建造物を示す横断面図である。
【図3】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける受座を示す図であり、(A)は、受座の平面図であり、(B)は、受座の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける分配弁を示す一部破断した正面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける分配弁の内部構成を示す平面図である。
【図6】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける排出弁を示す図であり、(A)は、排出弁の正面図であり、(B)は、排出弁の断面図である。
【図7】(A)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおける屋根を詳細に示す断面図であり、(B)は、本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおけるサイロの外板を詳細に示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る穀物貯蔵タンクにおけるサイロ内に冷却器を設けた状況を示す一部破断した正面図である。
【符号の説明】
10 穀物貯蔵タンク
12 建造物
14 外囲(外壁)
40 貯蔵室
42 隙間
44 排出口(排出手段、排出路)
46 排出管(排出手段、排出路)
48 排出弁(排出手段、開閉手段)
62 分配弁(供給手段、分配手段)
78 供給管(供給手段、供給路)
88 冷却器(風発生手段)
M 籾(穀物)
Claims (6)
- 垂直に立設され、穀物を貯蔵可能とされた複数の貯蔵室と、
穀物を前記各貯蔵室へ別々に供給する供給手段と、
穀物を前記各貯蔵室の下端から別々に排出する排出手段と、
を備えた穀物貯蔵タンク。 - 前記供給手段は、
前記各貯蔵室に対応して設けられ、穀物が供給されることで対応する前記貯蔵室へ穀物を流下させて供給する複数の供給路と、
穀物を前記各供給路へ別々に供給する分配手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の穀物貯蔵タンク。 - 前記排出手段は、
前記各貯蔵室に対応して設けられた複数の排出路と、
前記各排出路を閉鎖して設けられ、前記各排出路を別々に開放することで開放された前記排出路に対応する前記貯蔵室から穀物が当該排出路を流下されて排出される開閉手段と、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の穀物貯蔵タンク。 - 前記複数の貯蔵室の外周に設けられ、前記複数の貯蔵室との間に冷風が送風される隙間が設けられた外壁を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の穀物貯蔵タンク。
- 前記外壁は、建造物の外周を構成する、ことを特徴とする請求項4記載の穀物貯蔵タンク。
- 前記貯蔵室内に設けられ、風を発生させる風発生手段を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の穀物貯蔵タンク。
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- 2003-05-29 JP JP2003152889A patent/JP2004350594A/ja active Pending
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