JP2004348545A - アプリケーション/データ更新システム - Google Patents
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Abstract
【課題】路線バス運行中であっても運転手に負担を掛けることなくアプリケーションを更新することができる。
【解決手段】バスの配信先リストと、該配信先リストに対応したバスの車載器に登録されたデータおよびアプリケーションの少なくとも一方に対する更新データとを関連づけて格納するデータセンターと、車載器に無線通信でアクセスし、該車載器のデータおよびアプリケーションの構成を変更することが可能な更新用サーバとを備え、データセンターは、更新データと配信先リストを該サーバに送信し、該サーバは、受信した配信先リストに対応した車載器にアクセスし、該車載器のアプリケーションを、受信した更新データに基づいて更新するシステムを構築する。
【選択図】 図1
【解決手段】バスの配信先リストと、該配信先リストに対応したバスの車載器に登録されたデータおよびアプリケーションの少なくとも一方に対する更新データとを関連づけて格納するデータセンターと、車載器に無線通信でアクセスし、該車載器のデータおよびアプリケーションの構成を変更することが可能な更新用サーバとを備え、データセンターは、更新データと配信先リストを該サーバに送信し、該サーバは、受信した配信先リストに対応した車載器にアクセスし、該車載器のアプリケーションを、受信した更新データに基づいて更新するシステムを構築する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バスの運行に関連したアプリケーション及びデータが登録された車載器の該アプリケーション及び該データの一方または両方を更新するアプリケーション/データ更新システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
GPS測位システムを用いて、各路線バスの運行状況を、路線バス利用者がweb上で閲覧できるようにしたサービス、いわゆるバスロケーションサービスが提案され、近年実用に供している。このバスロケーションサービスを簡単に説明する。先ず、路線バス運営業者などのサービス提供側が、各路線バスに搭載されたGPS受信機からそれぞれの位置情報を収集する。そして、路線バス運営業者は、収集した位置情報に基づいて各路線バスの運行状況(例えば、現在位置や、停留所への到着予定時刻など)を解析し、解析した情報を、webを通じて路線バス利用者に開示する。路線バス利用者は、運行状況を閲覧することによって、待ち時間を減らしたり、乗車すべき路線バスを適切に選択できたりするため、より快適に路線バスを利用することができる。
【0003】
GPSにより位置情報を収集した路線バス運営業者は、これらの収集した位置情報を、路線バス利用者へのサービスだけでなく自分達の管理にも利用する。ここでいう管理とは、例えばバスダイヤの管理、乗務員の勤務実績管理、バス車両の管理などである。これらの管理情報は、路線バスの位置情報に加えて、路線バスが運行する地域に関連した情報(例えば、地域内にある施設の情報や、特定の日に催されるイベントなど)、時刻、乗客数等の様々な情報を考慮して解析することにより得られる。このような路線バスの管理方法には、種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
上述したような路線バスには、路線バスの運行に関連した各種アプリケーションを実行する車載器が設置されている。ここでいう各種アプリケーションとは、例えば、位置情報や乗客数などの情報を路線バス運営業者に送信するためのアプリケーションや、乗客数を算出するアプリケーション、路線バス運営業者側で解析された管理情報を利用する(例えば電光掲示板に表示させる)アプリケーションなどである。
【0005】
近年の技術革新により、これらのアプリケーションは多機能化し、また、要求されるアプリケーションの機能も高度なものになっている。そのため、アプリケーションのプログラムは複雑化している。その結果、アプリケーションの不具合が発生する危険性は高まる一方である。アプリケーションの不具合の発生を抑えるためには、アプリケーションの見直しの強化が有効な手段であるが、短納期及びコストダウンが求められる現状において、上記手段は困難なものとなっている。また、他のアプリケーションとの相性も考慮に入れると、潜在的に全く不具合の生じないアプリケーションを開発することは事実上不可能である。また、より良いサービスを路線バス利用者に提供するためには、定期的にアプリケーションをアップグレードさせる必要がある。これらの課題を解決するには種々の方法がある。
【0006】
例えば、車載器にアプリケーション更新用の端子を設置することにより、アプリケーションの不具合を解消したりアプリケーションをアップグレードさせたりする方法がある。この方法の場合、発見された不具合に対する更新データ若しくはアップグレード用のデータが作成されると、このアプリケーション更新用の端子に専用の装置を接続し、該更新データ若しくはアップグレード用のデータを書き込むことによって発見された不具合を解消したりアプリケーションを最新のものにしたりすることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−63692号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の方法によると、更新データ若しくはアップグレード用のデータが作成される度に車載器に装置を接続する必要があるため、バス事業者にとってこの更新作業は負担となっていた。また、この方法によると、路線バス運行中はアプリケーションを更新することができないため、アプリケーションの不具合が致命的なものである場合、該不具合に対して迅速に対応できず、バスロケーションサービスや運行管理に支障をきたしかねなかった。また、複数の路線バスに対してアップグレード作業を行う場合、作業時間に大きな制約が加わるため、アップグレード用のデータがあっても迅速な対応ができなかった。また、該データの書き込み作業を深夜に行う必要があったため、バス事業者にとって大きな負担となっていた。
【0009】
また、車載器を操作してアプリケーションの更新データをネットワークを介してダウンロードするように車載器を構成することも可能であるが、運転手が運転中にそのような操作を行うのは危険であるため、結局はより良いサービスを路線バス利用者に提供するのに時間を費やしていた。
【0010】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、路線バス運行中であっても運転手に負担を掛けることなくアプリケーションおよびデータのいずれか又は両方を更新することができるアプリケーション/データ更新システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の一態様に係るアプリケーション/データ更新システムは、バス運行に関連したアプリケーションを実行するための車載器が設置されたバスの運行管理システムにおいて該アプリケーションを更新するシステムであって、少なくとも1台のバスが登録された配信先リストと、該配信先リストに対応した各バスの車載器に登録されたデータおよびアプリケーションの少なくとも一方に対する更新データとを関連づけて格納するデータセンターと、車載器に無線通信でアクセスし、アクセスした車載器に登録されているデータおよびアプリケーションの構成を変更することが可能な更新用サーバとを備えている。このアプリケーション/データ更新システムに備えられたデータセンターは、更新データと配信先リストを更新サーバに送信し、該サーバは、受信した配信先リストに対応した車載器にアクセスし、アクセスした車載器のデータおよびアプリケーションの少なくとも一方を、受信した更新データに基づいて更新する。すなわち、更新サーバ側が車載器のアプリケーションをアクティブに更新するため、例えバスが運行している間であっても車載器のアプリケーションは自動更新される。
【0012】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、更新サーバは、OSGiサーバであってもよい。
【0013】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、アプリケーションは、バスの位置データ、乗客数のいずれかまたは両方を所定の方法で送信するためのアプリケーションであってもよい。
【0014】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、配信先リストは、バスの車両番号、車載器のアドレスの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0015】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、更新サーバは、運転手を識別するための運転手識別情報と該識別情報に関連づけられたスタフデータのデータベースと、バスを運転する運転手によって入力された情報に対して認証を行う認証手段とを有し、スタフデータのデータベースの中から認証手段によって認証された特定の情報に関連づけられたスタフデータを選択し、車載器に配信することができる。
【0016】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、更新サーバは、バスの運行を管理する事業者によりスタフデータのデータベースが更新されると、車載器に配信済みのスタフデータのうち、更新箇所に対応するデータを自動的に更新することができる。
【0017】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、車載器は、広告データと該広告データを表示するための条件を規定する広告表示条件データとを含むデータテーブルを記憶する記憶手段と、現在の運行条件がデータテーブルにおけるいずれかの広告表示条件に合致するかどうかを判定する判定手段と、判定手段により合致した広告表示条件に対応する広告データを所定の方法により表示させる表示制御手段とをさらに備えていてもよい。
【0018】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、更新サーバは、事業者からの指示に応じてデータテーブルの少なくとも一部を更新することができる。
【0019】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、広告表示条件には、時刻と位置の少なくとも一方が含まれていてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態のアプリケーション/データ更新システムが組み込まれたバス運行管理システム100の概略構成を表すブロック図である。図1に示すように、バス運行管理システム100は、サーバシステム10、バス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40、バス利用者等の一般ユーザ50、バスB1、B2、…、Bnとから構成される。サーバシステム10は、バス運行管理に関する種々のデータを保管するデータベースサーバ11と、外部から送信されるデータやアプリケーションおよびデータベースサーバ11に保管されるデータを用いて様々な処理を実行するOSGiサーバ12とを有する。各バスB1〜Bnは、それぞれ運行を制御する車載器M1〜Mnを有する。
【0021】
バスB1〜Bnは、位置情報や乗客数といったバス運行状況に関するデータ(以下、運行状況データという)を定期的にサーバシステム10にアップロードしている。OSGiサーバ12は、アップロードされた運行状況データをデータベースサーバ11に保管する。また、バス事業所20は、すべてのバスの運行を掌握しており、定期的または任意のタイミングでバス運行に関する様々なデータや指示をサーバシステム10に送信する。例えば、バス事業所20は、スタフデータ(どの停留所を何時に通過するかを示した一日分の運行計画表)およびその配信指示をサーバシステム10に与える。広告代理店30は、運行中のバス車内において表示される広告に関するデータをサーバシステム10に送信する。アプリケーション作成センタ40は、車載器M1〜Mnに関するアプリケーションもしくは該アプリケーションの更新プログラム等をサーバシステム10に送信する。
【0022】
サーバシステム10のOSGiサーバ12は、バス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40から送信されるデータやアプリケーションをデータベースサーバ11に保管する。またOSGiサーバ12は、データやアプリケーションを定期的もしくは任意のタイミングで各バスB1〜Bnに配信して、各バスB1〜Bnの車載器M1〜Mnにおけるデータやアプリケーションを更新する。
【0023】
また、一般ユーザ50が、自らの携帯電話やパーソナルコンピュータ等を用いてサーバシステム10に接続すると、OSGiサーバ12は、該ユーザ50が必要とする現在のバスの運行状況や時刻表、所定の停留所への到着予定時刻をリアルタイムで提供する。
【0024】
以下、本実施形態のアプリケーション/データ更新システム60について詳説する。図2は、本実施形態のアプリケーション/データ更新システム60を示すブロック図である。なお、図2に示すブロック図は、便宜上、バスB1とサーバシステム10とバス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40との関係についてのみ示している。実際のサーバシステム10は、図1に示すようにバスB1を含む複数のバスと無線通信(例えばセルラー網)によってネットワーク接続されている。つまり、以下に説明するバスB1とサーバシステム10とバス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40との関係は、他のバスB2〜Bnにも該当する。
【0025】
バスB1は車載器M1、電光掲示板7、スピーカ8等を有する。車載器M1は、CPU1、情報入力部2、メモリ3、通信装置4、アンテナ5、操作部6、GPS9を有する。サーバシステム10は、各サーバ11、12の他、通信装置13、アンテナ14、認証装置15を有する。サーバシステム10は、インターネットNを介してバス事業所20と常時接続されている。
【0026】
データベースサーバ11は、バス事業所20によって予め作成された、該事業所に所属する運転手の指紋データおよびスタフデータを相互に関連づけた状態で保管し、さらに、広告代理店30によって予め作成された広告データを、時刻や、場所、配信先等の種々のパラメータに関連づけた状態で保管している。また、このデータベースサーバ11は、アプリケーション作成センタ40から送信された各種アプリケーション(例えば、運行状況データをバス事業所20に送信するためのアプリケーションや、乗客数を算出するアプリケーション、スタフデータや広告データを電光掲示板に表示させたりスピーカで音声再生させたりするためのアプリケーション等)や、これらのアプリケーションの更新データを一時的に格納することができる。
【0027】
OSGiサーバ12は、データベースサーバ11に保管されている各データを用いて様々な処理を実行することができる。本実施形態のバス運行管理システム100で実行される該処理を具体的に挙げると、各バスとサーバシステム10との間で行われるスタフデータの配信処理、各バスとサーバシステム10と広告代理店30との間で行われる広告配信処理、各バスとサーバシステム10とアプリケーション作成センタ40の間で行われるアプリケーション更新処理がある。先ず、バスB1とサーバシステム10との間で行われるスタフデータの配信処理について説明する。
【0028】
バス運転手は、一日の業務の開始にあたり、情報入力部2に該運転手に関する情報を入力する。本実施形態では、運転手に関する情報として該運転手の指紋を用い、情報入力部2は、指紋認識手段を備えている。指紋認識手段により、運転手から採取された指紋データはCPU1に送られる。CPU1は、受信した指紋データを通信装置4、アンテナ5を介してサーバシステム10に送信する。但し、運転手に関する情報は、指紋に限定されるモノではなく、種々のバイオメトリクスデータをはじめ、IDカード等の運転手の所有物、パスワード等の運転手が持つ知識あるいはこれらの組み合わせであってもよい。この場合、情報入力部2は、入力される情報に対応した認識手段を備える構成になっている。例えば、IDカード使用時は、カードリーダが、パスワード使用時はテンキーがそれぞれ情報入力部2に該当する。
【0029】
サーバシステム10において、CPU1から送信された指紋データは、アンテナ14、通信装置13を介してOSGiサーバ12に送信される。OSGiサーバ12は、指紋データを受信すると、該指紋データを認証装置15に送信する。
【0030】
認証装置15は、上記指紋データがデータベースサーバ11に予め保存されている複数の運転手の指紋データのいずれかと一致するかどうか認証を行う。認証の結果、車載器M1から送信された指紋データがデータベースサーバ11内にあるいずれかの指紋データと合致する場合(認証成功時)、認証装置15は、認証が成功したことを表す制御信号をOSGiサーバ12に送信する。
【0031】
OSGiサーバ12は、上記の制御信号を受信すると、車載器M1から送信された指紋データに対応するスタフデータをデータベースサーバ11から読み出す。そして、OSGiサーバ12は、読み出したスタフデータを通信装置13、アンテナ14を介して車載器M1のCPU1に配信する。
【0032】
車載器M1のCPU1は、サーバシステム10から送信されたスタフデータを受け取ると、メモリ3に格納する。運転手が操作部6を用いた所定の操作をすると、CPU1は、メモリ3に格納されたスタフデータの一部または全部、及びメモリ3に記憶されているスタフデータ再生用のアプリケーションを用いて、該所定の操作に対応した映像信号か音声信号の少なくとも一方を生成する。ビデオドライバ7Aは、CPU1及び該アプリケーションにより生成された映像信号に従って電光掲示板7に所定の情報を映像表示させる。オーディオドライバ8Aは、上記の音声信号に従ってスピーカ8から所定の情報を音声表示する。ここで、所定の情報としては、次の停留所の名称等が例示される。
【0033】
以上が、バスB1とサーバシステム10との間で行われるスタフデータの配信処理である。基本的には、バスB1は、上記の処理で配信されたスタフデータに基づいて運行していく。しかしながら実際には、交通事情をはじめとする様々な理由によってスタフデータ通りの運行(時刻表通りの運行)が行われるとは限らない。このような運行の乱れが発生した場合に、運行途中に各バスB1〜Bnのスタフデータの一部を書き換えや、追加、削除といったスタフデータの更新処理が自動的に行われると、より一層の負担軽減や経費削減につながる。
【0034】
そこで、本実施形態では、以下のようにして各バスのスタフデータ更新処理の自動化を実現している。すなわち、上記のような運行の乱れが発生した場合、バス事業所20は、インターネットNを介してサーバシステム10にアクセスし、データベースサーバ11にあるデータテーブルを更新する。この更新は、直接該データテーブルの内容を書き換えてもよいし、バス事業所20側のパーソナルコンピュータ等によって予め作成した新たなデータテーブルをデータベースサーバ11上に上書きする状態でアップロードしてもよい。バス事業所20は、データテーブルの更新が完了すると、OSGiサーバ12に対して再配信の指示を行う。
【0035】
バス事業所20からの再配信の指示を受けたOSGiサーバ12は、更新必要となったスタフデータによって運行がなされているバスの車載器に更新前後のスタフデータの差分を配信することにより、各バスのスタフデータを自動的に更新する。これにより、従来必要とされていた、終点に従業員を配置して運転手に直接回送指示を出す手間や、あるいは携帯電話によって連絡を取るといった手間を省くことができ、より一層の負担軽減や経費削減が実現される。
【0036】
なお上記の説明では、OSGiサーバ12は、バス事業所20から送信される再配信の指示を待って各バスのスタフデータの更新処理を行っている。ここで、OSGiサーバ12は、バス事業所20によるデータテーブルの更新が行われたことを認識すると、更新が行われたスタフデータにより運行中のバスに自動的にアクセスし、更新処理を行う構成にしてもよい。
【0037】
次に、バスB1と、サーバシステム10、広告代理店30の間で行われる広告配信処理について説明する。
【0038】
バス事業所20や広告代理店30によって作成されたデータテーブルは、インターネットNを介してサーバシステム10にアップロードされる。OSGiサーバ12は、アップロードされたデータテーブルをデータベースサーバ11に保管する。
【0039】
バスの車載器M1は、一日の業務の開始にあたり、その日運行中に表示する広告についてのデータテーブルをサーバシステム10から取得する。具体的には、CPU1は、バス運転手が行う所定の動作を契機として、通信装置4、アンテナ5を介してサーバシステム10にアクセスし、データテーブルのダウンロードを要求する。ここで所定の動作としては、例えば、運転手がキーを挿入しエンジンをかける、もしくは操作部6を操作するなどが考えられる。また、ダウンロードを要求する信号には、バスB1を識別するための情報も含まれる。
【0040】
サーバシステム10において、CPU1からのダウンロード要求は、アンテナ14、通信装置13を介してOSGiサーバ12に送信される。OSGiサーバ12は、該要求を受信すると、バスB1に対応するデータテーブルをデータベースサーバ11から取り出し、車載器M1に配信する。車載器M1のCPU1は、データベースが送信されるとメモリ3に格納する。
【0041】
運行中、GPS9は常時または定期的に現在の運行位置情報を取得し、CPU1に送信する。また、CPU1は、CPU1内に搭載されたクロック(不図示)から現在時刻情報も取得する。そしてCPU1は、取得した現在の運行条件(位置情報、時刻情報)がメモリ3に格納されるデータテーブルの広告表示条件と合致する広告リストがあるかどうか判断する。CPU1は、判断の結果、位置情報と時刻情報のいずれも広告表示条件と合致する広告リストがある場合には、該リストの広告データを読み出し、音声信号もしくは映像信号の少なくとも一方に変換する。ビデオドライバ7Aは、CPU1により生成された映像信号に従って電光掲示板7に広告内容を映像表示させる。オーディオドライバ8Aは、上記の音声信号に従ってスピーカ8から広告内容を音声表示する。
【0042】
図3を参照しつつ、広告表示の具体例を説明する。GPS9から取得した現在の位置情報がAバス停近傍、現在時刻が午前10時であるとする。すると、現在の運行条件は、広告リスト(番号1)の広告表示条件と合致する。従って、車内には「お買い物はJデパートへ」という音声アナウンスや映像表示が行われる。
【0043】
また、バスがC交差点にさしかかった場合、現在時刻が何時であっても、バスB1の運行条件は、広告リスト(番号3)の広告表示条件に合致する。そこで、上記と同様、広告リスト(番号3)の広告の項目を参照すると、広告内容ではなく”Check the server”という指示データが書き込まれている。この場合、CPU1は、該指示データに従いサーバシステム10にアクセスする。
【0044】
OSGiサーバ12は、広告リスト(番号3)に対応する最新情報を常にインターネット等の通信網を用いて入手している。そして、上記のようなCPU1からのアクセスがあった場合には、該最新情報を車載器M1に送信する。CPU1は、電光掲示板7やスピーカ8を介して、該最新情報を車内で広告表示する。このように、予め与えられた広告データだけでなく、必要に応じてサーバシステム10が保有する最新情報に基づく広告を行うことにより、よりユーザのニーズに対応した効果の高い広告表示が可能になる。なお、最新情報に基づく広告としては、電車の到着時刻や映画の上映開始時刻までの残り時間、観覧車の待ち時間、といった時々刻々と変化する広告が例示される。
【0045】
また、本実施形態の広告配信システム60では、予めメモリ3に記憶されたデータテーブルに対してサーバシステム10側から更新処理を施すことができる。更新処理としては、広告リストの追加、削除だけでなく、既存の広告リストにおける広告表示条件の変更や広告内容の訂正等も含まれる。
【0046】
具体的には、広告主からの依頼を受けてバス事業所20や広告代理店30は、更新したい広告リストを作成し、サーバシステム10に随時アップロードする。OSGiサーバ12は、バス事業所20等から更新された広告リストが送信されると現在データベースサーバ11内にあるデータテーブルを参照する。そして、該更新された広告リストに対応する広告リストがある場合には、更新された広告リストで該広告リストを上書き更新し、対応する広告リストがない場合には、新規の広告リストとして追加する。
【0047】
そして、バス事業所20等からの配信指示を受信する、もしくはデータベースサーバ11での更新処理が終了すると、OSGiサーバ12は、広告更新要求とともに、データベースサーバ11での更新内容に関する更新データをCPU1に送信する。CPU1は、広告更新要求があると、メモリ3に記憶されているデータテーブルを更新データに基づいて更新する。このような更新処理によって追加されたデータを図3中、リスト番号n−1、nに示す。
【0048】
また本実施形態の広告配信システム60では、広告表示の緊急度を設定することができる。緊急度あり(図3中緊急項目「1」)と設定された広告リストは、他の広告リストよりも優先的に処理されて、広告表示の対象となる。具体的には、図3において広告リスト(番号n)の緊急項目は「1」に設定されている。従って、データテーブルが更新されて広告リスト(番号n)がデータテーブルに追加されると、CPU1は、他の広告リストにおける広告表示を無視して、優先的に「15時10分頃、W小学校近くで事故発生」という広告(情報)を表示する。CPU1は、緊急度ある広告を所定期間もしくは所定回数表示した後、自動的にデータテーブルから削除したり、緊急項目を、緊急度なしを意味する「0」に変更したりする。
【0049】
なお、図3には示していないが、緊急度の設定に代えて、または緊急度の設定と共に広告表示の優先度について設定することも可能である。広告表示の優先度を設定することにより、広告表示条件が共通の広告データが複数あった場合でも、CPU1は優先度に関するデータに従って、表示順位を決定する。従ってCPU1に係る処理負担を軽減することができる。また、バス事業者20等の広告提供者は、より柔軟な広告表示計画を立てることができる。
【0050】
さらに本実施形態の広告配信システム60では、現在の運行条件に合致する広告リストが存在しない場合、CPU1がサーバシステム10にアクセスして、OSGiサーバ12に対して現在の運行条件に合致する広告リストがある場合には送信するように要求する。OSGiサーバ12は、データベースサーバ11上のデータテーブルを参照し、バスB1の現在の運行条件に合致する新たな広告リストがある場合には、該新たな広告リストを車載器M1に配信する。データベースサーバ11上のデータテーブルを参照し、バスB1の現在の運行条件に合致する新たな広告リストがない場合、OSGiサーバは、該当リストがないことをしらせる制御信号をCPU1に送信する。あるいはバスB1の現在の運行条件に合致する新たな広告リストがない場合、運行条件に関係なく表示可能な広告データ、例えばバス事業所からのお願い、案内等を車載器M1に配信してもよい。CPU1は、OSGiサーバ12から上記いずれかの広告データを受信した場合には、該広告データに対応する広告を表示する。
【0051】
次に、バスB1と、サーバシステム10、アプリケーション作成センタ40の間で行われるアプリケーション更新処理について説明する。
【0052】
アプリケーション作成センタ40は、バスB1で用いられる各種アプリケーションを作成している事業者である。ここでいう各種アプリケーションとは、メモリ3に登録されているプログラムであって、例えば、バスB1に搭載された周知のGPS受信機9によって取得した位置情報や、発行した整理券や支払われた料金等から算出された乗客数(運行状況データ)をバス事業所20に送信するためのアプリケーションや、スタフデータや広告データを電光掲示板7に表示させたりスピーカ8で音声再生させたりするためのアプリケーション等を示している。
【0053】
バスB1を始めとする各バスで使用されている各種アプリケーションに不具合が発見されると、このアプリケーション作成センタ40は、該不具合を解析し、該不具合を解消する更新データ(以下、更新データとする)を作成する。また、このアプリケーション作成センタ40は、各種アプリケーションの利便性をより高めるために、定期的に各種アプリケーションのアップグレード用のデータ(以下、アップグレードデータとする)を作成している。以下に、更新データによるアプリケーション更新処理を説明する。なお、更新データによるアプリケーション更新処理と、アップグレードデータによるアプリケーション更新処理は、実質的に同等の処理であるため、アップグレードデータによるアプリケーション更新処理のここでの詳細な説明は、更新データによるアプリケーション更新処理の詳細な説明をもって省略する。
【0054】
例えば、運行状況データをバス事業所20に送信するためのアプリケーション(以下、運行管理アプリケーション)に不具合が発見された場合、アプリケーション作成センタ40は、該不具合を解析し、更新データを作成する。さらに、アプリケーション作成センタ40は、バス事業所20が所有しているバスの中で不具合が発見された該運行管理アプリケーションを登録している全てのバス(詳説すると車載器)のアドレスまたはバスの車両番号の少なくとも一方を含んだ配信先リストを作成する。そしてこのアプリケーション作成センタ40は、作成した該更新データと該配信先リストをOSGiサーバ12に送信する。
【0055】
アプリケーション作成センタ40からOSGiサーバ12に、該更新データと、車載器のアドレスを含んだ配信先リストが送信された場合、OSGiサーバ12は、受信した配信先リストにある車載器のアドレスに基づいて各車載器にアクセスする。また、アプリケーション作成センタ40からOSGiサーバ12に、該更新データと、バスの車両番号を含んだ配信先リストが送信された場合、OSGiサーバ12は、データベースサーバ11に含まれた各バスの情報(車両番号、車種、アドレスなどの情報)を参照して、各車載器にアクセスする。また、各車載器へのアクセスが失敗した場合(例えば、車載器の電源が入っていない場合)、OSGiサーバ12は、更新データをデータベースサーバ11に一時的に格納し、各車載器へのアクセスが成功するまで一定の間隔で車載器に対するアクセスを試行する。
【0056】
OSGiサーバ12は、アプリケーション作成センタ40から受信した更新データに基づいて、アクセスした車載器の運行管理アプリケーションをアクティブに更新することができる。以下に、OSGiサーバ12により行われる車載器M1の運行管理アプリケーションの更新処理例を説明する。
【0057】
配信先リストに基づいてOSGiサーバ12が車載器M1にアクセスすると、このOSGiサーバ12は、メモリ3に登録されている運行管理アプリケーションのバージョンと、アプリケーション作成センタ40から送信された更新データのバージョンとを比較する。このとき更新データのバージョンが運行管理アプリケーションのバージョンより新しいと、OSGiサーバ12は、該更新データに対応する運行管理アプリケーションのデータ(例えば更新データのファイルと同一ファイル名の運行管理アプリケーションのデータ)を検索し、検索された該データを削除して該更新データを書き込む。
【0058】
このときOSGiサーバ12により検索されるデータは、運行管理アプリケーションの不具合の原因となるデータであるため、このデータを削除し、該更新データを書き込むことにより、運行管理アプリケーションの不具合は解消される。すなわち本実施形態のアプリケーション/データ更新システムによると、車載器に装置を接続して更新データを書き込んだり運転手が車載器を操作して更新データをダウンロードしたりする必要がなく、サーバ側がアクティブに車載器のアプリケーションを更新できるため、不具合に対して迅速に対応することができる。
【0059】
OSGiサーバ12が車載器のアプリケーションを更新するタイミングには、上述したタイミング(アプリケーション作成センタ40から更新データを受信したと同時のタイミング)以外に、OSGiサーバ12側の設定や、更新データ若しくは配信先リストに付加された情報に応じたタイミング等様々なものがある。例えばバス運行時間外にOSGiサーバ12がアプリケーション作成センタ40から更新データを受信した場合を想定して、指紋データの認証が成功すると同時にOSGiサーバ12が車載器にアクセスしてアプリケーションを更新するように、OSGiサーバ12を設定することができる。すなわち上記設定によると、OSGiサーバ12は、バスの運行が行われていない間は車載器にアクセスしないが、バスの運行が開始される(すなわち指紋データの認証が成功する)と車載器にアクセスし、アプリケーションを更新する。また、OSGiサーバ12に対する指示情報であって、上記の指紋データの認証成功のタイミングで該更新データを車載器に送信するように指示する指示情報を、更新データ若しくは配信先リストに付加してもよい。この場合、OSGiサーバ12は、該指示情報に基づいて車載器にアクセスし、アプリケーションを更新することができる。
【0060】
また、このOSGiサーバ12による車載器のアプリケーションを更新するプログラムは、JAVA(登録商標)またはこれに相当するプログラミング言語を用いて作成されている。従って、バス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40を始めとする、様々な事業者は、それぞれ異なったプラットフォームに対応したソフトウェアで車載器用のアプリケーションを作成することができる。つまり本実施形態のアプリケーション/データ更新システムでは、アプリケーションを作成する各業者は、それぞれ独自の手法でアプリケーションを作成することができる。また、車載器へのアプリケーション更新処理はOSGiサーバ12が自動的に行うため、該業者は、アプリケーションを作成してOSGiサーバ12に送信する作業のみで本システムに参入することができる。
【0061】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明のアプリケーション/データ更新システムでは、サーバ側が車載器のアプリケーション及びデータのいずれかまたは両方をアクティブに更新するため、例えバスが運行している間であっても運転手に負担を掛けることなく車載器のアプリケーション・データが更新される。従って、バス事業者側の負担は軽減し、かつ車載器には常に最新のアプリケーションが短期間のうち登録される。その結果、路線バス利用者に対してより良いサービスを提供することができる。また、バス事業者側はより効率良く運行管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のアプリケーション/データ更新システムが組み込まれたバス運行管理システムの概略構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態のアプリケーション/データ更新システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の広告配信処理に用いられる広告表示テーブルの具体例である。
【符号の説明】
10 サーバシステム
11 データベースサーバ
12 OSGiサーバ
20 バス事業所
30 広告代理店
40 アプリケーション作成センタ
B1〜Bn バス
M1〜Mn 車載器
60 アプリケーション/データ更新システム
100 バス運行管理システム
【発明の属する技術分野】
この発明は、バスの運行に関連したアプリケーション及びデータが登録された車載器の該アプリケーション及び該データの一方または両方を更新するアプリケーション/データ更新システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
GPS測位システムを用いて、各路線バスの運行状況を、路線バス利用者がweb上で閲覧できるようにしたサービス、いわゆるバスロケーションサービスが提案され、近年実用に供している。このバスロケーションサービスを簡単に説明する。先ず、路線バス運営業者などのサービス提供側が、各路線バスに搭載されたGPS受信機からそれぞれの位置情報を収集する。そして、路線バス運営業者は、収集した位置情報に基づいて各路線バスの運行状況(例えば、現在位置や、停留所への到着予定時刻など)を解析し、解析した情報を、webを通じて路線バス利用者に開示する。路線バス利用者は、運行状況を閲覧することによって、待ち時間を減らしたり、乗車すべき路線バスを適切に選択できたりするため、より快適に路線バスを利用することができる。
【0003】
GPSにより位置情報を収集した路線バス運営業者は、これらの収集した位置情報を、路線バス利用者へのサービスだけでなく自分達の管理にも利用する。ここでいう管理とは、例えばバスダイヤの管理、乗務員の勤務実績管理、バス車両の管理などである。これらの管理情報は、路線バスの位置情報に加えて、路線バスが運行する地域に関連した情報(例えば、地域内にある施設の情報や、特定の日に催されるイベントなど)、時刻、乗客数等の様々な情報を考慮して解析することにより得られる。このような路線バスの管理方法には、種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
上述したような路線バスには、路線バスの運行に関連した各種アプリケーションを実行する車載器が設置されている。ここでいう各種アプリケーションとは、例えば、位置情報や乗客数などの情報を路線バス運営業者に送信するためのアプリケーションや、乗客数を算出するアプリケーション、路線バス運営業者側で解析された管理情報を利用する(例えば電光掲示板に表示させる)アプリケーションなどである。
【0005】
近年の技術革新により、これらのアプリケーションは多機能化し、また、要求されるアプリケーションの機能も高度なものになっている。そのため、アプリケーションのプログラムは複雑化している。その結果、アプリケーションの不具合が発生する危険性は高まる一方である。アプリケーションの不具合の発生を抑えるためには、アプリケーションの見直しの強化が有効な手段であるが、短納期及びコストダウンが求められる現状において、上記手段は困難なものとなっている。また、他のアプリケーションとの相性も考慮に入れると、潜在的に全く不具合の生じないアプリケーションを開発することは事実上不可能である。また、より良いサービスを路線バス利用者に提供するためには、定期的にアプリケーションをアップグレードさせる必要がある。これらの課題を解決するには種々の方法がある。
【0006】
例えば、車載器にアプリケーション更新用の端子を設置することにより、アプリケーションの不具合を解消したりアプリケーションをアップグレードさせたりする方法がある。この方法の場合、発見された不具合に対する更新データ若しくはアップグレード用のデータが作成されると、このアプリケーション更新用の端子に専用の装置を接続し、該更新データ若しくはアップグレード用のデータを書き込むことによって発見された不具合を解消したりアプリケーションを最新のものにしたりすることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−63692号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の方法によると、更新データ若しくはアップグレード用のデータが作成される度に車載器に装置を接続する必要があるため、バス事業者にとってこの更新作業は負担となっていた。また、この方法によると、路線バス運行中はアプリケーションを更新することができないため、アプリケーションの不具合が致命的なものである場合、該不具合に対して迅速に対応できず、バスロケーションサービスや運行管理に支障をきたしかねなかった。また、複数の路線バスに対してアップグレード作業を行う場合、作業時間に大きな制約が加わるため、アップグレード用のデータがあっても迅速な対応ができなかった。また、該データの書き込み作業を深夜に行う必要があったため、バス事業者にとって大きな負担となっていた。
【0009】
また、車載器を操作してアプリケーションの更新データをネットワークを介してダウンロードするように車載器を構成することも可能であるが、運転手が運転中にそのような操作を行うのは危険であるため、結局はより良いサービスを路線バス利用者に提供するのに時間を費やしていた。
【0010】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、路線バス運行中であっても運転手に負担を掛けることなくアプリケーションおよびデータのいずれか又は両方を更新することができるアプリケーション/データ更新システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の一態様に係るアプリケーション/データ更新システムは、バス運行に関連したアプリケーションを実行するための車載器が設置されたバスの運行管理システムにおいて該アプリケーションを更新するシステムであって、少なくとも1台のバスが登録された配信先リストと、該配信先リストに対応した各バスの車載器に登録されたデータおよびアプリケーションの少なくとも一方に対する更新データとを関連づけて格納するデータセンターと、車載器に無線通信でアクセスし、アクセスした車載器に登録されているデータおよびアプリケーションの構成を変更することが可能な更新用サーバとを備えている。このアプリケーション/データ更新システムに備えられたデータセンターは、更新データと配信先リストを更新サーバに送信し、該サーバは、受信した配信先リストに対応した車載器にアクセスし、アクセスした車載器のデータおよびアプリケーションの少なくとも一方を、受信した更新データに基づいて更新する。すなわち、更新サーバ側が車載器のアプリケーションをアクティブに更新するため、例えバスが運行している間であっても車載器のアプリケーションは自動更新される。
【0012】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、更新サーバは、OSGiサーバであってもよい。
【0013】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、アプリケーションは、バスの位置データ、乗客数のいずれかまたは両方を所定の方法で送信するためのアプリケーションであってもよい。
【0014】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、配信先リストは、バスの車両番号、車載器のアドレスの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0015】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、更新サーバは、運転手を識別するための運転手識別情報と該識別情報に関連づけられたスタフデータのデータベースと、バスを運転する運転手によって入力された情報に対して認証を行う認証手段とを有し、スタフデータのデータベースの中から認証手段によって認証された特定の情報に関連づけられたスタフデータを選択し、車載器に配信することができる。
【0016】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、更新サーバは、バスの運行を管理する事業者によりスタフデータのデータベースが更新されると、車載器に配信済みのスタフデータのうち、更新箇所に対応するデータを自動的に更新することができる。
【0017】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、車載器は、広告データと該広告データを表示するための条件を規定する広告表示条件データとを含むデータテーブルを記憶する記憶手段と、現在の運行条件がデータテーブルにおけるいずれかの広告表示条件に合致するかどうかを判定する判定手段と、判定手段により合致した広告表示条件に対応する広告データを所定の方法により表示させる表示制御手段とをさらに備えていてもよい。
【0018】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、更新サーバは、事業者からの指示に応じてデータテーブルの少なくとも一部を更新することができる。
【0019】
また、上記アプリケーション/データ更新システムにおいて、広告表示条件には、時刻と位置の少なくとも一方が含まれていてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態のアプリケーション/データ更新システムが組み込まれたバス運行管理システム100の概略構成を表すブロック図である。図1に示すように、バス運行管理システム100は、サーバシステム10、バス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40、バス利用者等の一般ユーザ50、バスB1、B2、…、Bnとから構成される。サーバシステム10は、バス運行管理に関する種々のデータを保管するデータベースサーバ11と、外部から送信されるデータやアプリケーションおよびデータベースサーバ11に保管されるデータを用いて様々な処理を実行するOSGiサーバ12とを有する。各バスB1〜Bnは、それぞれ運行を制御する車載器M1〜Mnを有する。
【0021】
バスB1〜Bnは、位置情報や乗客数といったバス運行状況に関するデータ(以下、運行状況データという)を定期的にサーバシステム10にアップロードしている。OSGiサーバ12は、アップロードされた運行状況データをデータベースサーバ11に保管する。また、バス事業所20は、すべてのバスの運行を掌握しており、定期的または任意のタイミングでバス運行に関する様々なデータや指示をサーバシステム10に送信する。例えば、バス事業所20は、スタフデータ(どの停留所を何時に通過するかを示した一日分の運行計画表)およびその配信指示をサーバシステム10に与える。広告代理店30は、運行中のバス車内において表示される広告に関するデータをサーバシステム10に送信する。アプリケーション作成センタ40は、車載器M1〜Mnに関するアプリケーションもしくは該アプリケーションの更新プログラム等をサーバシステム10に送信する。
【0022】
サーバシステム10のOSGiサーバ12は、バス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40から送信されるデータやアプリケーションをデータベースサーバ11に保管する。またOSGiサーバ12は、データやアプリケーションを定期的もしくは任意のタイミングで各バスB1〜Bnに配信して、各バスB1〜Bnの車載器M1〜Mnにおけるデータやアプリケーションを更新する。
【0023】
また、一般ユーザ50が、自らの携帯電話やパーソナルコンピュータ等を用いてサーバシステム10に接続すると、OSGiサーバ12は、該ユーザ50が必要とする現在のバスの運行状況や時刻表、所定の停留所への到着予定時刻をリアルタイムで提供する。
【0024】
以下、本実施形態のアプリケーション/データ更新システム60について詳説する。図2は、本実施形態のアプリケーション/データ更新システム60を示すブロック図である。なお、図2に示すブロック図は、便宜上、バスB1とサーバシステム10とバス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40との関係についてのみ示している。実際のサーバシステム10は、図1に示すようにバスB1を含む複数のバスと無線通信(例えばセルラー網)によってネットワーク接続されている。つまり、以下に説明するバスB1とサーバシステム10とバス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40との関係は、他のバスB2〜Bnにも該当する。
【0025】
バスB1は車載器M1、電光掲示板7、スピーカ8等を有する。車載器M1は、CPU1、情報入力部2、メモリ3、通信装置4、アンテナ5、操作部6、GPS9を有する。サーバシステム10は、各サーバ11、12の他、通信装置13、アンテナ14、認証装置15を有する。サーバシステム10は、インターネットNを介してバス事業所20と常時接続されている。
【0026】
データベースサーバ11は、バス事業所20によって予め作成された、該事業所に所属する運転手の指紋データおよびスタフデータを相互に関連づけた状態で保管し、さらに、広告代理店30によって予め作成された広告データを、時刻や、場所、配信先等の種々のパラメータに関連づけた状態で保管している。また、このデータベースサーバ11は、アプリケーション作成センタ40から送信された各種アプリケーション(例えば、運行状況データをバス事業所20に送信するためのアプリケーションや、乗客数を算出するアプリケーション、スタフデータや広告データを電光掲示板に表示させたりスピーカで音声再生させたりするためのアプリケーション等)や、これらのアプリケーションの更新データを一時的に格納することができる。
【0027】
OSGiサーバ12は、データベースサーバ11に保管されている各データを用いて様々な処理を実行することができる。本実施形態のバス運行管理システム100で実行される該処理を具体的に挙げると、各バスとサーバシステム10との間で行われるスタフデータの配信処理、各バスとサーバシステム10と広告代理店30との間で行われる広告配信処理、各バスとサーバシステム10とアプリケーション作成センタ40の間で行われるアプリケーション更新処理がある。先ず、バスB1とサーバシステム10との間で行われるスタフデータの配信処理について説明する。
【0028】
バス運転手は、一日の業務の開始にあたり、情報入力部2に該運転手に関する情報を入力する。本実施形態では、運転手に関する情報として該運転手の指紋を用い、情報入力部2は、指紋認識手段を備えている。指紋認識手段により、運転手から採取された指紋データはCPU1に送られる。CPU1は、受信した指紋データを通信装置4、アンテナ5を介してサーバシステム10に送信する。但し、運転手に関する情報は、指紋に限定されるモノではなく、種々のバイオメトリクスデータをはじめ、IDカード等の運転手の所有物、パスワード等の運転手が持つ知識あるいはこれらの組み合わせであってもよい。この場合、情報入力部2は、入力される情報に対応した認識手段を備える構成になっている。例えば、IDカード使用時は、カードリーダが、パスワード使用時はテンキーがそれぞれ情報入力部2に該当する。
【0029】
サーバシステム10において、CPU1から送信された指紋データは、アンテナ14、通信装置13を介してOSGiサーバ12に送信される。OSGiサーバ12は、指紋データを受信すると、該指紋データを認証装置15に送信する。
【0030】
認証装置15は、上記指紋データがデータベースサーバ11に予め保存されている複数の運転手の指紋データのいずれかと一致するかどうか認証を行う。認証の結果、車載器M1から送信された指紋データがデータベースサーバ11内にあるいずれかの指紋データと合致する場合(認証成功時)、認証装置15は、認証が成功したことを表す制御信号をOSGiサーバ12に送信する。
【0031】
OSGiサーバ12は、上記の制御信号を受信すると、車載器M1から送信された指紋データに対応するスタフデータをデータベースサーバ11から読み出す。そして、OSGiサーバ12は、読み出したスタフデータを通信装置13、アンテナ14を介して車載器M1のCPU1に配信する。
【0032】
車載器M1のCPU1は、サーバシステム10から送信されたスタフデータを受け取ると、メモリ3に格納する。運転手が操作部6を用いた所定の操作をすると、CPU1は、メモリ3に格納されたスタフデータの一部または全部、及びメモリ3に記憶されているスタフデータ再生用のアプリケーションを用いて、該所定の操作に対応した映像信号か音声信号の少なくとも一方を生成する。ビデオドライバ7Aは、CPU1及び該アプリケーションにより生成された映像信号に従って電光掲示板7に所定の情報を映像表示させる。オーディオドライバ8Aは、上記の音声信号に従ってスピーカ8から所定の情報を音声表示する。ここで、所定の情報としては、次の停留所の名称等が例示される。
【0033】
以上が、バスB1とサーバシステム10との間で行われるスタフデータの配信処理である。基本的には、バスB1は、上記の処理で配信されたスタフデータに基づいて運行していく。しかしながら実際には、交通事情をはじめとする様々な理由によってスタフデータ通りの運行(時刻表通りの運行)が行われるとは限らない。このような運行の乱れが発生した場合に、運行途中に各バスB1〜Bnのスタフデータの一部を書き換えや、追加、削除といったスタフデータの更新処理が自動的に行われると、より一層の負担軽減や経費削減につながる。
【0034】
そこで、本実施形態では、以下のようにして各バスのスタフデータ更新処理の自動化を実現している。すなわち、上記のような運行の乱れが発生した場合、バス事業所20は、インターネットNを介してサーバシステム10にアクセスし、データベースサーバ11にあるデータテーブルを更新する。この更新は、直接該データテーブルの内容を書き換えてもよいし、バス事業所20側のパーソナルコンピュータ等によって予め作成した新たなデータテーブルをデータベースサーバ11上に上書きする状態でアップロードしてもよい。バス事業所20は、データテーブルの更新が完了すると、OSGiサーバ12に対して再配信の指示を行う。
【0035】
バス事業所20からの再配信の指示を受けたOSGiサーバ12は、更新必要となったスタフデータによって運行がなされているバスの車載器に更新前後のスタフデータの差分を配信することにより、各バスのスタフデータを自動的に更新する。これにより、従来必要とされていた、終点に従業員を配置して運転手に直接回送指示を出す手間や、あるいは携帯電話によって連絡を取るといった手間を省くことができ、より一層の負担軽減や経費削減が実現される。
【0036】
なお上記の説明では、OSGiサーバ12は、バス事業所20から送信される再配信の指示を待って各バスのスタフデータの更新処理を行っている。ここで、OSGiサーバ12は、バス事業所20によるデータテーブルの更新が行われたことを認識すると、更新が行われたスタフデータにより運行中のバスに自動的にアクセスし、更新処理を行う構成にしてもよい。
【0037】
次に、バスB1と、サーバシステム10、広告代理店30の間で行われる広告配信処理について説明する。
【0038】
バス事業所20や広告代理店30によって作成されたデータテーブルは、インターネットNを介してサーバシステム10にアップロードされる。OSGiサーバ12は、アップロードされたデータテーブルをデータベースサーバ11に保管する。
【0039】
バスの車載器M1は、一日の業務の開始にあたり、その日運行中に表示する広告についてのデータテーブルをサーバシステム10から取得する。具体的には、CPU1は、バス運転手が行う所定の動作を契機として、通信装置4、アンテナ5を介してサーバシステム10にアクセスし、データテーブルのダウンロードを要求する。ここで所定の動作としては、例えば、運転手がキーを挿入しエンジンをかける、もしくは操作部6を操作するなどが考えられる。また、ダウンロードを要求する信号には、バスB1を識別するための情報も含まれる。
【0040】
サーバシステム10において、CPU1からのダウンロード要求は、アンテナ14、通信装置13を介してOSGiサーバ12に送信される。OSGiサーバ12は、該要求を受信すると、バスB1に対応するデータテーブルをデータベースサーバ11から取り出し、車載器M1に配信する。車載器M1のCPU1は、データベースが送信されるとメモリ3に格納する。
【0041】
運行中、GPS9は常時または定期的に現在の運行位置情報を取得し、CPU1に送信する。また、CPU1は、CPU1内に搭載されたクロック(不図示)から現在時刻情報も取得する。そしてCPU1は、取得した現在の運行条件(位置情報、時刻情報)がメモリ3に格納されるデータテーブルの広告表示条件と合致する広告リストがあるかどうか判断する。CPU1は、判断の結果、位置情報と時刻情報のいずれも広告表示条件と合致する広告リストがある場合には、該リストの広告データを読み出し、音声信号もしくは映像信号の少なくとも一方に変換する。ビデオドライバ7Aは、CPU1により生成された映像信号に従って電光掲示板7に広告内容を映像表示させる。オーディオドライバ8Aは、上記の音声信号に従ってスピーカ8から広告内容を音声表示する。
【0042】
図3を参照しつつ、広告表示の具体例を説明する。GPS9から取得した現在の位置情報がAバス停近傍、現在時刻が午前10時であるとする。すると、現在の運行条件は、広告リスト(番号1)の広告表示条件と合致する。従って、車内には「お買い物はJデパートへ」という音声アナウンスや映像表示が行われる。
【0043】
また、バスがC交差点にさしかかった場合、現在時刻が何時であっても、バスB1の運行条件は、広告リスト(番号3)の広告表示条件に合致する。そこで、上記と同様、広告リスト(番号3)の広告の項目を参照すると、広告内容ではなく”Check the server”という指示データが書き込まれている。この場合、CPU1は、該指示データに従いサーバシステム10にアクセスする。
【0044】
OSGiサーバ12は、広告リスト(番号3)に対応する最新情報を常にインターネット等の通信網を用いて入手している。そして、上記のようなCPU1からのアクセスがあった場合には、該最新情報を車載器M1に送信する。CPU1は、電光掲示板7やスピーカ8を介して、該最新情報を車内で広告表示する。このように、予め与えられた広告データだけでなく、必要に応じてサーバシステム10が保有する最新情報に基づく広告を行うことにより、よりユーザのニーズに対応した効果の高い広告表示が可能になる。なお、最新情報に基づく広告としては、電車の到着時刻や映画の上映開始時刻までの残り時間、観覧車の待ち時間、といった時々刻々と変化する広告が例示される。
【0045】
また、本実施形態の広告配信システム60では、予めメモリ3に記憶されたデータテーブルに対してサーバシステム10側から更新処理を施すことができる。更新処理としては、広告リストの追加、削除だけでなく、既存の広告リストにおける広告表示条件の変更や広告内容の訂正等も含まれる。
【0046】
具体的には、広告主からの依頼を受けてバス事業所20や広告代理店30は、更新したい広告リストを作成し、サーバシステム10に随時アップロードする。OSGiサーバ12は、バス事業所20等から更新された広告リストが送信されると現在データベースサーバ11内にあるデータテーブルを参照する。そして、該更新された広告リストに対応する広告リストがある場合には、更新された広告リストで該広告リストを上書き更新し、対応する広告リストがない場合には、新規の広告リストとして追加する。
【0047】
そして、バス事業所20等からの配信指示を受信する、もしくはデータベースサーバ11での更新処理が終了すると、OSGiサーバ12は、広告更新要求とともに、データベースサーバ11での更新内容に関する更新データをCPU1に送信する。CPU1は、広告更新要求があると、メモリ3に記憶されているデータテーブルを更新データに基づいて更新する。このような更新処理によって追加されたデータを図3中、リスト番号n−1、nに示す。
【0048】
また本実施形態の広告配信システム60では、広告表示の緊急度を設定することができる。緊急度あり(図3中緊急項目「1」)と設定された広告リストは、他の広告リストよりも優先的に処理されて、広告表示の対象となる。具体的には、図3において広告リスト(番号n)の緊急項目は「1」に設定されている。従って、データテーブルが更新されて広告リスト(番号n)がデータテーブルに追加されると、CPU1は、他の広告リストにおける広告表示を無視して、優先的に「15時10分頃、W小学校近くで事故発生」という広告(情報)を表示する。CPU1は、緊急度ある広告を所定期間もしくは所定回数表示した後、自動的にデータテーブルから削除したり、緊急項目を、緊急度なしを意味する「0」に変更したりする。
【0049】
なお、図3には示していないが、緊急度の設定に代えて、または緊急度の設定と共に広告表示の優先度について設定することも可能である。広告表示の優先度を設定することにより、広告表示条件が共通の広告データが複数あった場合でも、CPU1は優先度に関するデータに従って、表示順位を決定する。従ってCPU1に係る処理負担を軽減することができる。また、バス事業者20等の広告提供者は、より柔軟な広告表示計画を立てることができる。
【0050】
さらに本実施形態の広告配信システム60では、現在の運行条件に合致する広告リストが存在しない場合、CPU1がサーバシステム10にアクセスして、OSGiサーバ12に対して現在の運行条件に合致する広告リストがある場合には送信するように要求する。OSGiサーバ12は、データベースサーバ11上のデータテーブルを参照し、バスB1の現在の運行条件に合致する新たな広告リストがある場合には、該新たな広告リストを車載器M1に配信する。データベースサーバ11上のデータテーブルを参照し、バスB1の現在の運行条件に合致する新たな広告リストがない場合、OSGiサーバは、該当リストがないことをしらせる制御信号をCPU1に送信する。あるいはバスB1の現在の運行条件に合致する新たな広告リストがない場合、運行条件に関係なく表示可能な広告データ、例えばバス事業所からのお願い、案内等を車載器M1に配信してもよい。CPU1は、OSGiサーバ12から上記いずれかの広告データを受信した場合には、該広告データに対応する広告を表示する。
【0051】
次に、バスB1と、サーバシステム10、アプリケーション作成センタ40の間で行われるアプリケーション更新処理について説明する。
【0052】
アプリケーション作成センタ40は、バスB1で用いられる各種アプリケーションを作成している事業者である。ここでいう各種アプリケーションとは、メモリ3に登録されているプログラムであって、例えば、バスB1に搭載された周知のGPS受信機9によって取得した位置情報や、発行した整理券や支払われた料金等から算出された乗客数(運行状況データ)をバス事業所20に送信するためのアプリケーションや、スタフデータや広告データを電光掲示板7に表示させたりスピーカ8で音声再生させたりするためのアプリケーション等を示している。
【0053】
バスB1を始めとする各バスで使用されている各種アプリケーションに不具合が発見されると、このアプリケーション作成センタ40は、該不具合を解析し、該不具合を解消する更新データ(以下、更新データとする)を作成する。また、このアプリケーション作成センタ40は、各種アプリケーションの利便性をより高めるために、定期的に各種アプリケーションのアップグレード用のデータ(以下、アップグレードデータとする)を作成している。以下に、更新データによるアプリケーション更新処理を説明する。なお、更新データによるアプリケーション更新処理と、アップグレードデータによるアプリケーション更新処理は、実質的に同等の処理であるため、アップグレードデータによるアプリケーション更新処理のここでの詳細な説明は、更新データによるアプリケーション更新処理の詳細な説明をもって省略する。
【0054】
例えば、運行状況データをバス事業所20に送信するためのアプリケーション(以下、運行管理アプリケーション)に不具合が発見された場合、アプリケーション作成センタ40は、該不具合を解析し、更新データを作成する。さらに、アプリケーション作成センタ40は、バス事業所20が所有しているバスの中で不具合が発見された該運行管理アプリケーションを登録している全てのバス(詳説すると車載器)のアドレスまたはバスの車両番号の少なくとも一方を含んだ配信先リストを作成する。そしてこのアプリケーション作成センタ40は、作成した該更新データと該配信先リストをOSGiサーバ12に送信する。
【0055】
アプリケーション作成センタ40からOSGiサーバ12に、該更新データと、車載器のアドレスを含んだ配信先リストが送信された場合、OSGiサーバ12は、受信した配信先リストにある車載器のアドレスに基づいて各車載器にアクセスする。また、アプリケーション作成センタ40からOSGiサーバ12に、該更新データと、バスの車両番号を含んだ配信先リストが送信された場合、OSGiサーバ12は、データベースサーバ11に含まれた各バスの情報(車両番号、車種、アドレスなどの情報)を参照して、各車載器にアクセスする。また、各車載器へのアクセスが失敗した場合(例えば、車載器の電源が入っていない場合)、OSGiサーバ12は、更新データをデータベースサーバ11に一時的に格納し、各車載器へのアクセスが成功するまで一定の間隔で車載器に対するアクセスを試行する。
【0056】
OSGiサーバ12は、アプリケーション作成センタ40から受信した更新データに基づいて、アクセスした車載器の運行管理アプリケーションをアクティブに更新することができる。以下に、OSGiサーバ12により行われる車載器M1の運行管理アプリケーションの更新処理例を説明する。
【0057】
配信先リストに基づいてOSGiサーバ12が車載器M1にアクセスすると、このOSGiサーバ12は、メモリ3に登録されている運行管理アプリケーションのバージョンと、アプリケーション作成センタ40から送信された更新データのバージョンとを比較する。このとき更新データのバージョンが運行管理アプリケーションのバージョンより新しいと、OSGiサーバ12は、該更新データに対応する運行管理アプリケーションのデータ(例えば更新データのファイルと同一ファイル名の運行管理アプリケーションのデータ)を検索し、検索された該データを削除して該更新データを書き込む。
【0058】
このときOSGiサーバ12により検索されるデータは、運行管理アプリケーションの不具合の原因となるデータであるため、このデータを削除し、該更新データを書き込むことにより、運行管理アプリケーションの不具合は解消される。すなわち本実施形態のアプリケーション/データ更新システムによると、車載器に装置を接続して更新データを書き込んだり運転手が車載器を操作して更新データをダウンロードしたりする必要がなく、サーバ側がアクティブに車載器のアプリケーションを更新できるため、不具合に対して迅速に対応することができる。
【0059】
OSGiサーバ12が車載器のアプリケーションを更新するタイミングには、上述したタイミング(アプリケーション作成センタ40から更新データを受信したと同時のタイミング)以外に、OSGiサーバ12側の設定や、更新データ若しくは配信先リストに付加された情報に応じたタイミング等様々なものがある。例えばバス運行時間外にOSGiサーバ12がアプリケーション作成センタ40から更新データを受信した場合を想定して、指紋データの認証が成功すると同時にOSGiサーバ12が車載器にアクセスしてアプリケーションを更新するように、OSGiサーバ12を設定することができる。すなわち上記設定によると、OSGiサーバ12は、バスの運行が行われていない間は車載器にアクセスしないが、バスの運行が開始される(すなわち指紋データの認証が成功する)と車載器にアクセスし、アプリケーションを更新する。また、OSGiサーバ12に対する指示情報であって、上記の指紋データの認証成功のタイミングで該更新データを車載器に送信するように指示する指示情報を、更新データ若しくは配信先リストに付加してもよい。この場合、OSGiサーバ12は、該指示情報に基づいて車載器にアクセスし、アプリケーションを更新することができる。
【0060】
また、このOSGiサーバ12による車載器のアプリケーションを更新するプログラムは、JAVA(登録商標)またはこれに相当するプログラミング言語を用いて作成されている。従って、バス事業所20、広告代理店30、アプリケーション作成センタ40を始めとする、様々な事業者は、それぞれ異なったプラットフォームに対応したソフトウェアで車載器用のアプリケーションを作成することができる。つまり本実施形態のアプリケーション/データ更新システムでは、アプリケーションを作成する各業者は、それぞれ独自の手法でアプリケーションを作成することができる。また、車載器へのアプリケーション更新処理はOSGiサーバ12が自動的に行うため、該業者は、アプリケーションを作成してOSGiサーバ12に送信する作業のみで本システムに参入することができる。
【0061】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明のアプリケーション/データ更新システムでは、サーバ側が車載器のアプリケーション及びデータのいずれかまたは両方をアクティブに更新するため、例えバスが運行している間であっても運転手に負担を掛けることなく車載器のアプリケーション・データが更新される。従って、バス事業者側の負担は軽減し、かつ車載器には常に最新のアプリケーションが短期間のうち登録される。その結果、路線バス利用者に対してより良いサービスを提供することができる。また、バス事業者側はより効率良く運行管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のアプリケーション/データ更新システムが組み込まれたバス運行管理システムの概略構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態のアプリケーション/データ更新システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の広告配信処理に用いられる広告表示テーブルの具体例である。
【符号の説明】
10 サーバシステム
11 データベースサーバ
12 OSGiサーバ
20 バス事業所
30 広告代理店
40 アプリケーション作成センタ
B1〜Bn バス
M1〜Mn 車載器
60 アプリケーション/データ更新システム
100 バス運行管理システム
Claims (9)
- バス運行に関連したアプリケーションを実行するための車載器が設置されたバスの運行管理システムにおいて前記アプリケーションを更新するアプリケーション/データ更新システムであって、
少なくとも1台のバスが登録された配信先リストと、該配信先リストに対応した各バスの車載器に登録されたデータおよびアプリケーションの少なくとも一方に対する更新データと、を関連づけて格納するデータセンターと、
前記車載器に無線通信でアクセスし、アクセスした車載器に登録されているデータおよびアプリケーションの構成を変更することが可能な更新用サーバと、を備え、
前記データセンターは、前記更新データと前記配信先リストを前記更新サーバに送信し、
前記更新サーバは、受信した配信先リストに対応した車載器にアクセスし、アクセスした車載器のデータおよびアプリケーションの少なくとも一方を、受信した更新データに基づいて更新すること、を特徴とするアプリケーション/データ更新システム。 - 前記更新サーバは、OSGi(登録商標)サーバであること、を特徴とする請求項1に記載のアプリケーション/データ更新システム。
- 前記アプリケーションは、前記バスの位置データ、乗客数のいずれかまたは両方を所定の方法で送信するためのアプリケーションであること、を特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のアプリケーション/データ更新システム。
- 前記配信先リストは、前記バスの車両番号、車載器のアドレスの少なくとも1つを含んでいること、を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のアプリケーション/データ更新システム。
- 前記更新サーバは、運転手を識別するための運転手識別情報と該識別情報に関連づけられたスタフデータのデータベースと、前記バスを運転する運転手によって入力された情報に対して認証を行う認証手段とを有し、前記スタフデータのデータベースの中から前記認証手段によって認証された特定の情報に関連づけられたスタフデータを選択し、前記車載器に配信すること、を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のアプリケーション/データ更新システム。
- 前記更新サーバは、前記バスの運行を管理する事業者により前記スタフデータのデータベースが更新されると、前記車載器に配信済みの前記スタフデータのうち、更新箇所に対応するデータを自動的に更新すること、を特徴とする請求項5に記載のアプリケーション/データ更新システム。
- 前記車載器は、広告データと該広告データを表示するための条件を規定する広告表示条件データとを含むデータテーブルを記憶する記憶手段と、
現在の運行条件が前記データテーブルにおけるいずれかの広告表示条件に合致するかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により合致した広告表示条件に対応する広告データを所定の方法により表示させる表示制御手段と、をさらに備えたこと、を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のアプリケーション/データ更新システム。 - 前記更新サーバは、前記事業者からの指示に応じて前記データテーブルの少なくとも一部を更新すること、を特徴とする請求項7に記載のアプリケーション/データ更新システム。
- 前記広告表示条件には、時刻と位置の少なくとも一方が含まれること、を特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載のアプリケーション/データ更新システム。
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