JP2004347239A - 車両ボディの乾燥方法及び車両ボディ用乾燥炉 - Google Patents

車両ボディの乾燥方法及び車両ボディ用乾燥炉 Download PDF

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征弘 後藤
Hideaki Hara
秀明 原
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Abstract

【課題】乾燥炉長を比較的容易に短縮できるため乾燥炉の設置スペースの低減や省エネが可能であって、しかも車両ボディの変形等も伴わない乾燥方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、車両ボディWが載置された搬送台車21を乾燥炉10内にて走行させ、車両ボディWを搬送しながら、その表面を乾燥させる車両ボディWの乾燥方法に関する。搬送台車21に車両ボディWをずり落ち不能な状態で載置する。この状態で、車両ボディWごと搬送台車21を吊り下げて縦向き姿勢にしたまま搬送しながら、車両ボディWを乾燥させる。これにより、略水平な姿勢のまま横向き姿勢で搬送を行う場合に比べて、乾燥炉10内における車両ボディ1台あたりのスペースが少なくて済むようになる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送されつつ乾燥される車両ボディの姿勢に特徴を有する乾燥方法、及びかかる乾燥方法を実施するのに好適な乾燥炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、自動車ボディの塗装ラインにおいては、自動車ボディを搬送台車上に載置して横向き姿勢のまま搬送しながら塗装を行った後、さらに自動車ボディごと搬送台車を高温の塗装用乾燥炉内に搬入して塗膜の焼付乾燥を行う。このような塗膜の乾燥に使用される乾燥炉としては、山形のものが従来よく知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。この種の乾燥炉では、被乾燥物(ワーク)である自動車ボディを搬入出する炉本体の入口と出口とが、自動車ボディの塗膜を乾燥させる加熱ゾーンよりも下方にて開口されている。そのため、熱空気の逃散が少なく、熱効率が非常に良いという利点を有している。一般的な乾燥炉の場合、炉本体の入口と加熱ゾーンとの間に位置する搬入ゾーンは、自動車ボディの搬送方向から見て上り勾配の傾斜通路となっている。また、炉本体の加熱ゾーンと出口との間に位置する搬出ゾーンは、自動車ボディの搬送方向から見て下り勾配の傾斜通路となっている。なお、これら傾斜通路の長さは15m〜20m程度である。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−28409号公報(図1,図3)
【0004】
【特許文献2】
特開2000−37653号公報(図5)
【0005】
【特許文献3】
特開平10−34051号公報(図1,図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車ボディの塗膜乾燥炉に用いる山形炉は、その炉長が数十m〜百m以上にも及ぶため、多大な設置スペースを要するという問題があった。しかも、長大な乾燥炉内には多量の熱風を供給する必要があり、省エネを達成しにくいという問題があった。また、略水平な姿勢のまま横向き姿勢で自動車ボディの搬送を行う従来技術の場合、乾燥炉内におけるボディ1台あたりのスペースを自動車ボディ長以下にすることはできない。よって、短ピッチ搬送による乾燥炉長の短縮は、実現困難な状況にあった。
【0007】
また、例えば、ワークを吊り下げた状態に維持して搬送しながら乾燥を行うという手法も従来提案されており、仮にこの手法を自動車ボディに適用すれば、ボディ1台あたりのスペースを短縮することも一応可能と考えられる。しかしながら、自動車ボディのような大型かつ重いワークの乾燥に前記手法を適用した場合、自動車ボディを吊り下げるためにはボディ剛性を高めないと変形等が生じやすくなる。
【0008】
そこで本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、乾燥炉長を比較的容易に短縮できるため乾燥炉の設置スペースの低減や省エネが可能であって、しかも車両ボディの変形等も伴わない乾燥方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記の優れた乾燥方法を実施するのに好適な車両ボディ用乾燥炉を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、乾燥炉内にて前記車両ボディを搬送しながら、その表面を乾燥させる車両ボディの乾燥方法において、搬送用治具に前記車両ボディを脱落不能な状態で設け、前記搬送用治具を介して前記車両ボディを縦向き姿勢にしたまま搬送しながら、前記車両ボディの乾燥を行うことを特徴とする車両ボディの乾燥方法をその要旨とする。また、請求項2に記載の発明では、車両ボディが載置された搬送台車を乾燥炉内にて走行させ、前記車両ボディを搬送しながら、その表面を乾燥させる車両ボディの乾燥方法において、前記搬送台車に前記車両ボディをずり落ち不能な状態で載置し、前記車両ボディごと前記搬送台車を吊り下げて縦向き姿勢にしたまま搬送しながら、前記車両ボディの乾燥を行うことを特徴とする車両ボディの乾燥方法をその要旨とする。
【0010】
従って、請求項1,2に記載の発明によると、略水平な姿勢のまま横向き姿勢で搬送を行う場合に比べて、乾燥炉内における車両ボディ1台あたりのスペース(具体的には、搬送方向に沿った車両ボディ1台あたりのスペース)が少なくて済む。ゆえに、乾燥炉長を無理なく容易に短縮することが可能となる。そして、このような乾燥炉長の短縮に伴い、乾燥炉内に供給すべき熱量を少なくすることができるようになり、省エネを達成することができる。さらに、これらの発明では車両ボディを直接把持等せずに搬送用治具や搬送台車を介して搬送するため、車両ボディを直接把持等して吊り下げる場合とは異なり、車両ボディが変形等を起こす心配もない。
【0011】
ここで、吊り下げ搬送時における車両ボディの向きについては特に限定されない。しかし、特には、フロント側を進行方向に向けた状態で前記車両ボディを搬送台車に載置し、前記車両ボディのフロント側が上側になるように吊り下げることが好ましい。車両ボディ1台あたりのスペースの低減を図るうえでは、このようにすることが最も効果的だからである。例えば、車両ボディの重心が後ろ寄りにある場合には、上記のようにフロント側を上側にして吊り下げることがより望ましい。
【0012】
請求項3に記載の発明は、内部に搬送路を有する炉本体と、車両ボディがずり落ち不能な状態で載置され、炉本体内を略水平方向に走行する搬送台車と、この搬送台車を横向き姿勢から縦向き姿勢に変更する姿勢変更手段と、車両ボディごと搬送台車を吊り下げて縦向き姿勢にしたまま、車両ボディを略水平方向に搬送する懸架搬送手段と、搬送台車を縦向き姿勢から横向き姿勢に戻す姿勢復帰手段とを備えることを特徴とする車両ボディ用乾燥炉をその要旨とする。
【0013】
従って、請求項3に記載の発明によると、姿勢変更手段によって車両ボディがずり落ち不能な状態で載置された搬送台車を横向き姿勢から縦向き姿勢に変更できる。そして、その搬送台車を吊り下げて縦向き姿勢にしたまま、懸架搬送手段によって略水平方向に搬送し、姿勢復帰手段によって再度横向き姿勢に戻すことができる。よって、上記の優れた乾燥方法を実施するのに好適な車両ボディ用乾燥炉を提供することができる。
【0014】
本発明では、乾燥炉内における車両ボディを縦向き姿勢にする位置を限定していないが、省エネをさらに促進するためには、加熱ゾーンにおいて縦向き姿勢にして搬送を行うことが好ましい。本発明の構成の車両ボディ用乾燥炉を用いることによって、車両ボディを搬送台車に載置したまま略水平な姿勢で搬送し、入口と加熱ゾーンとの間の搬入ゾーンにて車両ボディを搬送台車に載置したまま縦向き姿勢に変更し、加熱ゾーンと出口との間の搬出ゾーンにて横向き姿勢に復帰させることが可能となる。また、乾燥炉長をさらに短縮化するためには、搬入ゾーン及び搬出ゾーンの双方についても車両ボディを縦向き姿勢にして搬送を行うことがより好ましい。
【0015】
請求項3に記載の発明において使用される搬送台車は、進行方向前側に、姿勢変更手段の有する被係止部に係止しうる第1係止部と、懸架搬送手段の有する被係止部に係止しうる第2係止部とを別個に備えることが好ましい。
【0016】
この場合、第1係止部に姿勢変更手段の被係止部が係止した状態で姿勢変更手段が駆動することにより、搬送台車の進行方向前側が持ち上げられる結果、搬送台車とともに車両ボディがスムーズに横向き姿勢から縦向き姿勢に変更される。そして、第1係止部とは別個に設けられた第2係止部に懸架搬送手段の被係止部が係止した状態で懸架搬送手段が駆動することにより、搬送台車及び車両ボディが縦向き姿勢を維持したまま懸架搬送手段にスムーズに受け渡される。このため、かかる構成の車両ボディ用乾燥炉を用いれば、搬入ゾーンや搬出ゾーンにて車両ボディを搬送台車に載置したまま略水平な姿勢にする一方、加熱ゾーンにて車両ボディを縦向き姿勢にした状態で搬送することが可能となる。ゆえに、上記の優れた乾燥方法を実施するのにさらに好適な車両ボディ用乾燥炉を提供することができる。
【0017】
なお、本発明の車両ボディ用乾燥炉の具体例としては、下塗り塗装の塗膜を乾燥させる下塗り炉、中塗り炉、上塗り炉などがあるほか、塗装ゾーンに搬入して塗装を行う前に表面に付着している水分を乾燥除去する水切り炉などがある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態の自動車ボディ用乾燥炉10を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態の自動車ボディ用乾燥炉10を示す全体概略図である。また、図2は、本実施形態の自動車ボディ用乾燥炉10に用いられる搬送台車21を示す概略図である。
【0019】
図1に示されるように、本実施形態の自動車ボディ乾燥炉10は、凸状に形成された炉本体11を備えている。つまり、この炉本体11は第1水平通路→第1垂直通路→第2水平通路→第2垂直通路→第3水平通路をこの順序で備えている。この炉本体11は、搬入ゾーンZ1、加熱ゾーンZ2、搬出ゾーンZ3の3ゾーンに分かれている。そして、搬入ゾーンZ1及び搬出ゾーンZ3は略直線状に水平に延びており、加熱ゾーンZ2は搬入ゾーンZ1及び搬出ゾーンZ3の両ゾーンにまたがる形態で上側に配置されている。
【0020】
搬入ゾーンZ1の一端側には入口12が設けられ、他端側には姿勢変更手段である垂直上昇コンベア31が設けられている。垂直上昇コンベア31は、搬入ゾーンZ1と加熱ゾーンZ2とにまたがる形態で配置されている。搬入ゾーンZ1の床面には、炉の長手方向に沿って延びる搬送路となるコンベアレール(図示略)が敷設されている。そのコンベアレール上には、複数の搬送台車21が列状にかつ走行可能に設置されている。ワークである自動車ボディWは、搬送台車21上に横向き姿勢で載置された状態で、入口12から搬入される。そして、自動車ボディWは略水平方向に搬送されて、垂直上昇コンベア31に到達する。垂直上昇コンベア31は、自動車ボディWごと、搬送台車21を横向き姿勢から縦向き姿勢に変更するとともに、搬入ゾーンZ1の他端側上部に連設された加熱ゾーンZ2に搬送する。
【0021】
加熱ゾーンZ2の天井面には、炉の長手方向に沿って延びる懸架搬送手段である懸架コンベア41が配置されている。垂直上昇コンベア31によって搬送されてきた自動車ボディWは、搬送台車21とともに懸架コンベア41によって吊り下げられた状態で、加熱ゾーンZ2の出口方向に搬送されていく。加熱ゾーンZ2の出口側には、姿勢復帰手段である垂直下降コンベア51が搬出ゾーンZ3にまたがる形態で配置されている。搬送されてきた自動車ボディWは、この垂直下降コンベア51によって、加熱ゾーンZ2の出口側下部に連設された搬出ゾーンZ3に降下搬送される。なお、加熱ゾーンZ2における側面には、図示しない熱風吹出ダクト及び熱風吸込ダクトが配設されている。
【0022】
搬出ゾーンZ3の一端側には垂直下降コンベア51が配置され、他端側には出口13が設けられている。搬出ゾーンZ3の床面には、搬入ゾーンZ1と同様に長手方向に沿って延びる搬送路となるコンベアレール(図示略)が敷設されている。また、垂直下降コンベア51よりも出口13とは反対側の床面には、出口13よりも反対側に行くに従って下がって行くスロープ15が設けられている。自動車ボディWごと搬送台車21が加熱ゾーンZ2から縦向き姿勢で下降搬送されてくると、このスロープ15を利用して縦向き姿勢から横向き姿勢に姿勢が復帰する。そして、自動車ボディWが搬送台車21に横向き姿勢で載置された状態で、出口13から搬出される。
【0023】
次に、上述した自動車ボディ用乾燥炉10において使用される搬送台車21の構成について述べる。図2に示されるように、本実施形態の搬送台車21は、矩形平板状の台車本体23を備えている。台車本体23の下面23b側には4つの車輪22が回転可能に設けられていて、それら車輪22は前記コンベアレールにより支持されている。また、4つの車輪22のうちの2つは、搬送台車21を横向き姿勢から縦向き姿勢に姿勢変更した際に台車本体23の後端が床面に接触しないように、台車本体23の進行方向最後端位置に配設されている。図面では便宜上これらの車輪については22aという部材番号も付している。台車本体23における進行方向前方側の両側面には、第1係止部である円柱状の支持体28が一対突設されている。これらの支持体28は、垂直上昇コンベア31(図1参照)に設けられた支持ステー33(図4参照)に係脱可能である。また、台車本体23における進行方向前方側には、第2係止部である長方形状の係止孔29が貫通形成されている。係止孔29は、懸架コンベア41(図1参照)に設けられた懸架ステー43に係脱可能である。台車本体23の上側の面は自動車ボディWがずり落ち不能な状態で載置されるボディ載置面23aとなっている。
【0024】
自動車ボディWは、フロント側F1を進行方向に向け、かつ、リア側R1を進行方向とは反対側に向けた状態で、ボディ載置面23aに載置される。横向き姿勢時において自動車ボディWは、リア側R1を搬送台車21の後端から張り出さない状態で載置されるようになっている。また、自動車ボディWをずり落ち不能な状態で載置する方法としては周知の方法を用いればよいためここでは詳述しないが、自動車ボディWの塗装が不要となっている部分をステー等によって台車本体23に固定する等によって行えばよい。あるいは、ねじやクランプ等を用いて自動車ボディWを台車本体23に固定するという方法であってもよい。
【0025】
次に、上述した垂直上昇コンベア31の構成等について図3及び図4に基づいて述べる。図3(a)は、垂直上昇コンベア31によって自動車ボディWごと搬送台車21が上昇搬送される状態を自動車ボディWの上側から見た概略正面図である。図3(b)は、同じく、自動車ボディWの下側から見た概略背面図である。図3に示されるように、姿勢変更手段である垂直上昇コンベア31は、平行に配置された一対の垂直上昇コンベアベルト34,34、その被係止部である複数の支持ステー33等を備えている。複数の支持ステー33は、垂直上昇コンベアベルト34に対して等間隔に配置されている。
【0026】
図4(a)は、台車本体23の前方側面に設けられた支持体28と、垂直上昇コンベアベルト34に複数配置された支持ステー33との係止状態を示す概略正面図である。図4(b)は、同じくその概略側面図である。図4に示されるように支持ステー33は、円柱状の支持体28を下から支えることができるように、断面略半円弧状に形成されている。
【0027】
図3に示されるように、台車本体23の支持体28,28が各垂直上昇コンベアベルト34,34の支持ステー33,33に係止し、この状態で内側の垂直上昇コンベアベルト34が上昇回転すると、自動車ボディWごと搬送台車21が横向き姿勢から縦向き姿勢に姿勢変更されるようになっている(図1参照)。ここで、2つの車輪22aは台車本体23の最後端に配置されており、自動車ボディWはリア側R1を搬送台車21の後端から張り出さない状態で載置固定されている。そのため、搬送台車21を横向き姿勢から縦向き姿勢に姿勢変更した際、台車本体23の後端や自動車ボディWが床面に接触することはない。そして、さらに垂直上昇コンベアベルト34が回転駆動することによって、搬送台車21が支持ステー33,33によって吊り下げられた状態で、自動車ボディWが搬入ゾーンZ1から加熱ゾーンZ2に上昇搬送されて行く。
【0028】
そして、上述した懸架コンベア41の構成等について図1に基づいて述べる。懸架コンベア41は、懸架コンベアベルト44、この懸架コンベアベルト44に等間隔に複数配置された懸架ステー43等を備えており、加熱ゾーンZ2の天井面に配設されている。これらの懸架ステー43は、搬送台車21の台車本体23に設けられた係止孔29に嵌り込むように断面略L字状に形成されている。懸架コンベアベルト44は、加熱ゾーン入口側ローラ45aと加熱ゾーン出口側ローラ45bとの間に架け渡されている。
【0029】
図3に示すように、搬送台車21が垂直上昇コンベア31によって加熱ゾーンZ2に上昇搬送されてくると、台車本体23に設けられた係止孔29に懸架ステー43の先端が嵌り込む。懸架コンベア41が回転しつづけると、台車本体23の側面に設けられた支持体29が垂直上昇コンベア34に設けられた支持ステー33から外れる。その結果、搬送台車21等が垂直上昇コンベア31から懸架コンベア41に受け渡される。そして、懸架コンベア41は、自動車ボディWごと搬送台車21を吊り下げて縦向き姿勢にしたまま、それらを炉の搬送方向前方側に向けて略水平方向に搬送する。なお、懸架ステー43の先端が係止孔29に嵌り込んだ時に、垂直上昇コンベアベルト34が若干逆方向に回転するように制御してもよい。このような制御を行うと、支持ステー33から支持体29を外れやすくすることができる。
【0030】
次に、上述した垂直下降コンベア51の構成等について図1及び図5に基づいて述べる。垂直下降コンベア51は、平行に配置された一対の垂直下降コンベアベルト54,54を備えている。図5に示されるように、これらの垂直下降コンベアベルト54は、等間隔に複数配置された姿勢復帰ステー53a及び離脱ステー53bをそれぞれ備えている。そして、垂直下降コンベアベルト54は、第一ローラ55a、第二ローラ55b及び第三ローラ55cに架け渡されており、略三角形状を呈している。第一ローラ55aは、懸架コンベアベルト44が架け渡されている加熱ゾーン出口側ローラ45bよりも若干入口側で、かつ、懸架ステー43の下端よりも若干低い位置に配置されている。また、第二ローラ55bは、懸架コンベアベルト44が架け渡されている加熱ゾーン出口側ローラ45bよりも若干出口側で、かつ、懸架ステー43の下端よりも若干高い位置に配置されている。そして、第三ローラ55cは、搬出ゾーンZ3の床面近傍に配置されており、垂直下降コンベアベルト54は、第一ローラ55aから第二ローラ55bを経て、第三ローラ55cの方向に回転駆動される(図5の矢印参照)。
【0031】
垂直下降コンベアベルト54の回転方向前方側には、姿勢復帰ステー53aが配置されている。一方、垂直下降コンベアベルト54の回転方向後方側には、離脱ステー53bが配置されている。姿勢復帰ステー53aと離脱ステー53bとの間には、台車本体23の側面に配置された円柱状の支持体28が嵌り込むことが可能な程度の間隔が設けられている。姿勢復帰ステー53aの先端は、離脱ステー53b側に略L字状に折り曲げられている。
【0032】
図5(a)は、懸架ステー43に吊り下げられている台車本体23の側面に設けられた支持体28が、姿勢復帰ステー53aと離脱ステー53bとの間に嵌り込んだ状態を示している。図5(b)は、垂直下降コンベアベルト54が少し回転することによって、支持体28が離脱ステー53bに引っ掛かり、搬送台車21が少し上方に持ち上げられて懸架ステー43から外れた状態を示している。その結果、懸架コンベア41によって吊り下げられた搬送台車21が、垂直下降コンベア51に受け渡される。
【0033】
図1に示されるように、垂直下降コンベアベルト54がさらに回転すると、自動車ボディWごと搬送台車21が加熱ゾーンZ2から搬出ゾーンZ3に搬送される。そして、台車本体23の最後端に設けられた車輪22aが搬出ゾーンZ3の床面に接地すると、スロープ15によって台車本体23の下面23bが床面側を向くように移動し、自動車ボディWが縦向きから横向きにスムーズに復帰する。
【0034】
以上詳述したように、本実施形態では、搬送台車21に自動車ボディWをずり落ち不能な状態で載置し、自動車ボディWごと搬送台車21を吊り下げて縦向き姿勢にしたまま搬送しながら、加熱ゾーンZ2にて塗膜の乾燥を行っている。そのため、加熱ゾーンZ2内における自動車ボディ1台あたりのスペースが少なくて済む。具体的には、一般的な自動車ボディ長(4m〜5m)よりも少なく(例えば2m〜3m程度)にすることが可能である。ゆえに、短ピッチ搬送を実現することができ、加熱ゾーンZ2の長さ、ひいては乾燥炉長を無理なく容易に短縮することが可能となる。そして、このような乾燥炉長の短縮に伴い、乾燥炉10内に供給すべき熱量を少なくすることができるようになり、省エネを達成することができる。
【0035】
さらに、本実施形態では、自動車ボディWを搬送台車21にずり落ち不能な状態で載置して、自動車ボディWごと搬送台車21を吊り下げて搬送している。このため、自動車ボディWを直接把持等して吊り下げる場合とは異なり、自動車ボディWが変形等を起こす心配もない。
【0036】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態の乾燥炉10は、自動車ボディW等のワークをほぼ一定の速度で搬送しながら加熱ゾーンZ2で乾燥を行う加熱対流式の連続乾燥炉としたが、勿論これに限定されることはない。例えば、搬入ゾーンZ1及び搬出ゾーンZ3でも乾燥を行ってもよいし、搬送と一旦停止とを繰り返しながらワークの乾燥を行うバッチ乾燥炉として具体化してもよい。
・前記実施形態では、自動車ボディWを乾燥するための乾燥炉10として具体化したが、勿論これに限定されることはない。例えば、本発明を、列車ボディのように自動車ボディW以外の車両ボディを乾燥するための乾燥炉として具体化してもよい。また、車両ボディ以外のもの(特に車両のように大きくて重いワーク)を乾燥するための乾燥炉として具体化してもよい。
【0037】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)前記炉本体に搬入ゾーン、加熱ゾーン及び搬出ゾーンを設け、少なくとも前記加熱ゾーンにおいて、前記車両ボディを縦向き姿勢にしたまま搬送しながら乾燥を行うことを特徴とする請求項3に記載の車両ボディ用乾燥炉。
(2)前記搬入ゾーン、加熱ゾーン及び搬出ゾーンがこの順に凸状に配置されていることを特徴とする技術的思想(1)に記載の車両ボディ用乾燥炉。
(3)フロント側を進行方向に向けた状態で前記車両ボディを前記搬送台車のボディ載置面に載置し、縦向き姿勢時には前記車両ボディのフロント側を持ち上げることを特徴とする請求項3,技術的思想(1)及び(2)のいずれか1項に記載の車両ボディ用乾燥炉。
(4)前記搬送台車の進行方向最後端の車輪は前記台車本体の最後端に配置される一方、前記車両ボディはリア側を前記搬送台車の後端から張り出さない状態で載置されることを特徴とする請求項3及び技術的思想(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の車両ボディ用乾燥炉。
(5)前記搬出ゾーンの床面には、前記搬送台車を縦向き姿勢から横向き姿勢に戻すためのスロープが形成されていることを特徴とする請求項3及び技術的思想(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の車両ボディ用塗装炉。
(6)前記搬送台車は、進行方向前側に、前記姿勢変更手段の有する被係止部に係止しうる第1係止部と、前記懸架搬送手段の有する被係止部に係止しうる第2係止部とを別個に備えることを特徴とする請求項3に記載の車両ボディ用乾燥炉。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1,2に記載の発明によれば、乾燥炉長を比較的容易に短縮できるため乾燥炉の設置スペースの低減や省エネが可能であって、しかも車両ボディの変形等も伴わない乾燥方法を提供することにある。請求項3に記載の発明によれば、上記の優れた乾燥方法を実施するのに好適な車両ボディ用乾燥炉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した本実施形態の自動車ボディ用乾燥炉を示す全体概略図。
【図2】(a)は本実施形態の搬送台車の概略正面図、(b)は本実施形態の搬送台車の概略側面図。
【図3】(a)は本実施形態の垂直上昇コンベアの概略正面図、(b)はその本実施形態の垂直上昇コンベアの概略背面図。
【図4】(a)は本実施形態の台車本体の支持体と垂直上昇コンベアベルトの支持ステーとの係止状態を示す概略正面図、(b)は本実施形態の台車本体の支持体と垂直上昇コンベアベルトの支持ステーとの係止状態を示す概略側面図。
【図5】(a)は本実施形態の台車本体の支持体が、姿勢復帰ステーと離脱ステーとの間に嵌り込んだ状態を示す概略図、(b)は本実施形態の垂直下降コンベアベルトの回転により、搬送台車が上方に持ち上げられて懸架ステーから外れた状態を示す概略図。
【符号の説明】
10…車両ボディ用乾燥炉としての自動車ボディ用乾燥炉
11…炉本体
21…搬送台車
28…第1係止部としての支持体
29…第2係止部としての係止孔
31…姿勢変更手段としての垂直上昇コンベア
33…姿勢変更手段の被係止部としての支持ステー
41…懸架搬送手段としての懸架コンベア
43…懸架搬送手段の被係止部としての懸架ステー
51…姿勢復帰手段としての垂直下降コンベア
W…車両ボディとしての自動車ボディ

Claims (3)

  1. 乾燥炉内にて前記車両ボディを搬送しながら、その表面を乾燥させる車両ボディの乾燥方法において、
    搬送用治具に前記車両ボディを脱落不能な状態で設け、前記搬送用治具を介して前記車両ボディを縦向き姿勢にしたまま搬送しながら、前記車両ボディの乾燥を行うことを特徴とする車両ボディの乾燥方法。
  2. 車両ボディが載置された搬送台車を乾燥炉内にて走行させ、前記車両ボディを搬送しながら、その表面を乾燥させる車両ボディの乾燥方法において、
    前記搬送台車に前記車両ボディをずり落ち不能な状態で載置し、前記車両ボディごと前記搬送台車を吊り下げて縦向き姿勢にしたまま搬送しながら、前記車両ボディの乾燥を行うことを特徴とする車両ボディの乾燥方法。
  3. 内部に搬送路を有する炉本体と、
    車両ボディがずり落ち不能な状態で載置され、前記炉本体内を略水平方向に走行する搬送台車と、
    前記搬送台車を横向き姿勢から縦向き姿勢に変更する姿勢変更手段と、
    前記車両ボディごと前記搬送台車を吊り下げて縦向き姿勢にしたまま、前記車両ボディを略水平方向に搬送する懸架搬送手段と、
    前記搬送台車を縦向き姿勢から横向き姿勢に戻す姿勢復帰手段と
    を備えることを特徴とする車両ボディ用乾燥炉。
JP2003145124A 2003-05-22 2003-05-22 車両ボディの乾燥方法及び車両ボディ用乾燥炉 Pending JP2004347239A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2821147A1 (de) * 2013-07-01 2015-01-07 Sturm Maschinen- & Anlagenbau GmbH Beschichtungsanlage und Beschichtungsverfahren

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