JP2004346959A - カム式動力伝達機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯車式やワイヤー式に比べて簡単な構造でコンパクトに構成可能なカム式動力伝達機構を提案する。
【解決手段】回転中心線2a、3aが所定の角度で交叉するように配列された第1および第2の回転軸2、3の間で回転力を伝達するカム式動力伝達機構1は、第1の回転軸2に取り付けたカム4と、第2の回転軸3に取り付けたカムフォロワ5とを有し、カム4は、球体を曲面あるいは平面で切断することにより得られる切断面をカム面4aとし、第1の回転軸の回転中心線2aが球体の中心を通るように、当該第1の回転軸2に連結されている。カムフォロワ5は、第2の回転軸3の回転中心線3aを中心とする所定半径の円周軌道を描くように、当該第2の回転軸3に取り付けたローラ5eを備えている。一方の回転軸が回転すると、カム4のカム面4aに沿ってカムフォロワ5のローラ5eが相対的に摺動して、他方の回転軸が有限回転する。
【選択図】 図1
【解決手段】回転中心線2a、3aが所定の角度で交叉するように配列された第1および第2の回転軸2、3の間で回転力を伝達するカム式動力伝達機構1は、第1の回転軸2に取り付けたカム4と、第2の回転軸3に取り付けたカムフォロワ5とを有し、カム4は、球体を曲面あるいは平面で切断することにより得られる切断面をカム面4aとし、第1の回転軸の回転中心線2aが球体の中心を通るように、当該第1の回転軸2に連結されている。カムフォロワ5は、第2の回転軸3の回転中心線3aを中心とする所定半径の円周軌道を描くように、当該第2の回転軸3に取り付けたローラ5eを備えている。一方の回転軸が回転すると、カム4のカム面4aに沿ってカムフォロワ5のローラ5eが相対的に摺動して、他方の回転軸が有限回転する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物模倣ロボット(Bio−mimetic Robot)等の関節機構に用いるのに適したカム式動力伝達機構に関するものである。さらに詳しくは、シンプルな構造のカムとカムフォロワの組合せにより、ねじれ関係にある2つの回転軸間のトルク伝達を可能としたカム式動力伝達機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】
従来において、ねじれ関係にある2つの回転軸間での回転力を伝達するロボットなどの関節機構においては、一般に、歯車機構やワイヤ機構を用いて回転方向を変換するようにしている。
【0003】
しかしながら、歯車機構では精密な加工が必要であり、バックラッシを無くすことが困難であるという問題点がある。一方、ワイヤ機構では張力を掛けるための調整しろが不可欠であり、ワイヤの取り回しに制約があるという問題点がある。
【0004】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、カム機構を用いて、簡単な構成により、ねじれ関係にある2つの回転軸間のトルク伝達を可能としたカム式動力伝達機構を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、回転中心線が所定の角度で交叉するように配列された第1および第2の回転軸の間で回転力を伝達するカム式動力伝達機構において、
前記第1の回転軸に取り付けたカムと、
前記第2の回転軸に取り付けたカムフォロワとを有し、
前記カムは、球体を曲面あるいは平面で切断することにより得られる切断面をカム面とし、前記第1の回転軸の回転中心線が前記球体の中心を通るように、当該第1の回転軸に連結されており、
前記カムフォロワは、前記第2の回転軸の回転中心線を中心とする所定半径の円周軌道を描くように、当該第2の回転軸に連結されており、
前記第1あるいは第2の回転軸が回転すると、前記カムの前記カム面に沿って前記カムフォロワが相対的に摺動して、前記第2あるいは第1の回転軸が有限回転することを特徴としている。
【0006】
本発明のカム式動力伝達機構によれば、簡単な構造でねじれ関係にある2つの回転軸の間でトルク伝達を行うことのできる機構を実現できる。また、カム面の形状を変えることにより、様々な入出力関係の伝達機構を簡単に構築できる。
【0007】
ここで、カム面の取り方によってはカムフォロワを1本しか用いることができず、一方向のトルク伝達しか行えない場合がある。この場合には、前記カムフォロワを前記カム面に付勢するばねなどの付勢部材を用いて、逆方向(カム面をカムフォロワに押し付ける方向)にトルクを掛けておくことで、双方向のトルク伝達が可能である。また、このようにすると、付勢部材による押し付けによってカムとカムフォロワとの間のがたつきが吸収されるので、原理上バックラッシが発生しないという利点も得られる。
【0008】
2本のカムフォロワを配置した場合には、双方向のトルク伝達が可能である。
【0009】
次に、前記第1の回転軸は中空回転軸とし、前記カムに、前記第1の回転軸の中空部に連続している貫通穴を形成してもよい。同様に、前記第2の回転軸を中空回転軸とし、前記カムフォロワに、前記第2の回転軸の中空部に連続している貫通穴を形成してもよい。
【0010】
このような中空構造を採用することにより、中空部分を利用して配線の引き回しなどが容易になるなどの利点がある。
【0011】
次に、本発明のカム式動力伝達機構はロボットの関節機構として用いることができる。例えば、生物模倣ロボットの関節(ヒューマノイドロボットの指、肘関節など)では、サイズの制限のために関節回転軸の延長上にアクチュエータを置くことが困難な場合がある。本発明のカム式動力伝達機構を採用して、そのカムフォロワ側を入力軸とし、そのカム側を出力軸として用いれば、関節の内部にアクチュエータを配置することが可能になるという利点がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したカム式動力伝達機構の実施の形態を説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1(a)、(b)および(c)は、1本のカムフォロワを用いて構成されたカム式動力伝達機構を示す正面図、側面図および斜視図である。カム式動力伝達機構1は、回転中心線2a、3aが直交するように配列された第1および第2の回転軸2、3の間でトルクを伝達するものであり、第1の回転軸2に取り付けたカム4と、第2の回転軸3に取り付けたカムフォロワ5とを有している。
【0014】
カム4は、球体を曲面あるいは平面で切断することにより得られる切断面をカム面4aとし、第1の回転軸2の回転中心線2aが当該球体の中心を通るように、当該第1の回転軸2の先端に連結されている。本例のカム4では、球体をその中心を通る平面で切断した半球形状をしており、そのカム面4aは円形平面である。
【0015】
カムフォロワ5は、第2の回転軸3の回転中心線3aを中心とする所定半径の円周軌道を描くように、当該第2の回転軸3の先端に連結されている。本例のカムフォロワ5は、第2の回転軸3の先端に同軸状態に連結した連結用円盤5aと、この連結用円盤5aの円形端面5bの外周縁から回転中心線3aに平行な方向に延びる支持腕5cと、この支持腕5cの先端において回転中心線3aに直交する回転中心線5dを中心として回転自在の状態で支持されているローラ5eとを備えている。
【0016】
なお、図示を省略してあるが、カム4のカム面4aは、回転ばねを用いて、常にカムフォロワ5、すなわちローラ5eに押付けられた状態に保持されている。
【0017】
この構成のカム式動力伝達機構1において、第1あるいは第2の回転軸2、3が回転すると、カム4のカム面4aに沿ってカムフォロワ5のローラ5eが相対的に摺動して、第2あるいは第1の回転軸3、2にトルクが伝達され有限回転する。
【0018】
(実施の形態2)
図2(a)、(b)および(c)は、2本のカムフォロワを備えたカム式動力伝達機構を示す正面図、側面図および斜視図である。本例のカム式動力伝達機構10は、2本のカムフォロワ5A、5Bを備えている点以外は、基本的に図1の機構1と同様であるので、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明を省略するものとする。
【0019】
カムフォロワ5A、5Bは、共通の連結用円盤5aの円形端面5bにおける直径方向の両端に配置されている。この構成によれば、回転ばねを用いることなく、カム面4aにカムフォロワ5A、5Bが当接した状態を保持でき、双方向のトルク伝達が可能である。
【0020】
(実施の形態3)
図3(a)、(b)および(c)は、図1のカム式動力伝達機構の変形例を示す正面図、側面図および斜視図である。このカム式動力伝達機構20は、第1および第2の回転軸2、3がそれらの回転中心線2a、3aが45度の角度で交叉するように配置されている以外は図1の機構と同様である。
【0021】
(実施の形態4)
図4(a)、(b)および(c)は、図1のカム式動力伝達機構の別の例を示す正面図、側面図および斜視図である。このカム式動力伝達機構30では、第1および第2の回転軸2C、3Cが中空回転軸であり、第1の回転軸2Cの中空部2bに連続するように、カム4Cには貫通穴41が形成されている。貫通穴41はカム面4aに開口している。また、第2の回転軸3Cの中空部3bに連続するように、カムフォロワ5Cの連結用円盤5aにも貫通穴51が形成され、この貫通穴51は連結用円盤5aの円形端面5bに開口している。これ以外の構成は図1の機構1と同様であるので、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0022】
本例では、中空部が形成されているので、ここを配線引き回し用のスペースなどとして利用できるので、設置スペースに制限があるロボットの関節機構などに用いる場合に適している。
【0023】
(実施の形態5)
図5(a)、(b)および(c)は、本発明を適用したカム式動力伝達機構を備えたロボットの関節機構の例を示す斜視図、その上面図および正面図である。これらの図に示すように、ロボットの関節機構60は、関節入力軸61と関節出力軸62を有している。関節入力軸61の軸線である回転中心線61aに対して、関節出力軸62の回転中心線62aが直交するように、関節入力軸61と関節出力軸62の間にカム式動力伝達機構70が組み込まれている。
【0024】
カム式動力伝達機構70は、関節出力軸62の先端に連結されているカム71と、関節入力軸61の先端に連結されているカムフォロワ72とを備えている。カム71は、図4に示すカムと同様に、中空型のものである。カムフォロワ72も中空型のものであり、図2に示すカムフォロワと同様に2本の支持腕の先端に、カム面71aを摺動可能な2個のローラ72a、72bが回転自在に支持された構造となっている。カムフォロワ72が取り付けられている関節入力軸61の後方には同軸状態でモータおよび減速機から構成されるアクチュエータ73が連結されている。
【0025】
アクチュエータ73を駆動して関節入力軸61を回転中心線61a回りに回転させると、関節出力軸62は回転中心線62aを中心として回転する。図においては、関節入力軸61の回転によって関節出力軸62が回転中心線62aの周りを所定角度だけ旋回した状態を示してある。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカム式動力伝達機構によれば、ねじれ関係にある回転軸間の動力伝達機構を、歯車式やワイヤー式の動力伝達機構に比べて、簡単な構造でコンパクトに構成できる。また、カム面の形状を変えることにより、様々な入出力関係の伝達機構を実現できる。さらに、本発明のカム式動力伝達機構をロボットなどの関節機構に採用した場合には、関節の内部にアクチュエータを配置できるなど、設置スペースが制約されている部分に組み込むことができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)および(c)は、1本のカムフォロワを用いて構成されたカム式動力伝達機構を示す正面図、側面図および斜視図である。
【図2】(a)、(b)および(c)は、2本のカムフォロワを備えたカム式動力伝達機構を示す正面図、側面図および斜視図である。
【図3】(a)、(b)および(c)は、図1のカム式動力伝達機構の変形例を示す正面図、側面図および斜視図である。
【図4】(a)、(b)および(c)は、図1のカム式動力伝達機構の別の例を示す正面図、側面図および斜視図である。
【図5】(a)、(b)および(c)は、本発明を適用したカム式動力伝達機構を備えたロボットの関節機構の例を示す斜視図、上面図および正面図である。
【符号の説明】
1、10、20、30、70 カム式動力伝達機構
2、3 回転軸
2a、3a 回転中心線
4、4C、71 カム
4a カム面
5、5A、5B、5C、72 カムフォロワ
5e ローラ
60 ロボットの関節機構
61 関節入力軸
62 関節出力軸
61a、62a 回転中心線
73 アクチュエータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物模倣ロボット(Bio−mimetic Robot)等の関節機構に用いるのに適したカム式動力伝達機構に関するものである。さらに詳しくは、シンプルな構造のカムとカムフォロワの組合せにより、ねじれ関係にある2つの回転軸間のトルク伝達を可能としたカム式動力伝達機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】
従来において、ねじれ関係にある2つの回転軸間での回転力を伝達するロボットなどの関節機構においては、一般に、歯車機構やワイヤ機構を用いて回転方向を変換するようにしている。
【0003】
しかしながら、歯車機構では精密な加工が必要であり、バックラッシを無くすことが困難であるという問題点がある。一方、ワイヤ機構では張力を掛けるための調整しろが不可欠であり、ワイヤの取り回しに制約があるという問題点がある。
【0004】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、カム機構を用いて、簡単な構成により、ねじれ関係にある2つの回転軸間のトルク伝達を可能としたカム式動力伝達機構を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、回転中心線が所定の角度で交叉するように配列された第1および第2の回転軸の間で回転力を伝達するカム式動力伝達機構において、
前記第1の回転軸に取り付けたカムと、
前記第2の回転軸に取り付けたカムフォロワとを有し、
前記カムは、球体を曲面あるいは平面で切断することにより得られる切断面をカム面とし、前記第1の回転軸の回転中心線が前記球体の中心を通るように、当該第1の回転軸に連結されており、
前記カムフォロワは、前記第2の回転軸の回転中心線を中心とする所定半径の円周軌道を描くように、当該第2の回転軸に連結されており、
前記第1あるいは第2の回転軸が回転すると、前記カムの前記カム面に沿って前記カムフォロワが相対的に摺動して、前記第2あるいは第1の回転軸が有限回転することを特徴としている。
【0006】
本発明のカム式動力伝達機構によれば、簡単な構造でねじれ関係にある2つの回転軸の間でトルク伝達を行うことのできる機構を実現できる。また、カム面の形状を変えることにより、様々な入出力関係の伝達機構を簡単に構築できる。
【0007】
ここで、カム面の取り方によってはカムフォロワを1本しか用いることができず、一方向のトルク伝達しか行えない場合がある。この場合には、前記カムフォロワを前記カム面に付勢するばねなどの付勢部材を用いて、逆方向(カム面をカムフォロワに押し付ける方向)にトルクを掛けておくことで、双方向のトルク伝達が可能である。また、このようにすると、付勢部材による押し付けによってカムとカムフォロワとの間のがたつきが吸収されるので、原理上バックラッシが発生しないという利点も得られる。
【0008】
2本のカムフォロワを配置した場合には、双方向のトルク伝達が可能である。
【0009】
次に、前記第1の回転軸は中空回転軸とし、前記カムに、前記第1の回転軸の中空部に連続している貫通穴を形成してもよい。同様に、前記第2の回転軸を中空回転軸とし、前記カムフォロワに、前記第2の回転軸の中空部に連続している貫通穴を形成してもよい。
【0010】
このような中空構造を採用することにより、中空部分を利用して配線の引き回しなどが容易になるなどの利点がある。
【0011】
次に、本発明のカム式動力伝達機構はロボットの関節機構として用いることができる。例えば、生物模倣ロボットの関節(ヒューマノイドロボットの指、肘関節など)では、サイズの制限のために関節回転軸の延長上にアクチュエータを置くことが困難な場合がある。本発明のカム式動力伝達機構を採用して、そのカムフォロワ側を入力軸とし、そのカム側を出力軸として用いれば、関節の内部にアクチュエータを配置することが可能になるという利点がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したカム式動力伝達機構の実施の形態を説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1(a)、(b)および(c)は、1本のカムフォロワを用いて構成されたカム式動力伝達機構を示す正面図、側面図および斜視図である。カム式動力伝達機構1は、回転中心線2a、3aが直交するように配列された第1および第2の回転軸2、3の間でトルクを伝達するものであり、第1の回転軸2に取り付けたカム4と、第2の回転軸3に取り付けたカムフォロワ5とを有している。
【0014】
カム4は、球体を曲面あるいは平面で切断することにより得られる切断面をカム面4aとし、第1の回転軸2の回転中心線2aが当該球体の中心を通るように、当該第1の回転軸2の先端に連結されている。本例のカム4では、球体をその中心を通る平面で切断した半球形状をしており、そのカム面4aは円形平面である。
【0015】
カムフォロワ5は、第2の回転軸3の回転中心線3aを中心とする所定半径の円周軌道を描くように、当該第2の回転軸3の先端に連結されている。本例のカムフォロワ5は、第2の回転軸3の先端に同軸状態に連結した連結用円盤5aと、この連結用円盤5aの円形端面5bの外周縁から回転中心線3aに平行な方向に延びる支持腕5cと、この支持腕5cの先端において回転中心線3aに直交する回転中心線5dを中心として回転自在の状態で支持されているローラ5eとを備えている。
【0016】
なお、図示を省略してあるが、カム4のカム面4aは、回転ばねを用いて、常にカムフォロワ5、すなわちローラ5eに押付けられた状態に保持されている。
【0017】
この構成のカム式動力伝達機構1において、第1あるいは第2の回転軸2、3が回転すると、カム4のカム面4aに沿ってカムフォロワ5のローラ5eが相対的に摺動して、第2あるいは第1の回転軸3、2にトルクが伝達され有限回転する。
【0018】
(実施の形態2)
図2(a)、(b)および(c)は、2本のカムフォロワを備えたカム式動力伝達機構を示す正面図、側面図および斜視図である。本例のカム式動力伝達機構10は、2本のカムフォロワ5A、5Bを備えている点以外は、基本的に図1の機構1と同様であるので、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明を省略するものとする。
【0019】
カムフォロワ5A、5Bは、共通の連結用円盤5aの円形端面5bにおける直径方向の両端に配置されている。この構成によれば、回転ばねを用いることなく、カム面4aにカムフォロワ5A、5Bが当接した状態を保持でき、双方向のトルク伝達が可能である。
【0020】
(実施の形態3)
図3(a)、(b)および(c)は、図1のカム式動力伝達機構の変形例を示す正面図、側面図および斜視図である。このカム式動力伝達機構20は、第1および第2の回転軸2、3がそれらの回転中心線2a、3aが45度の角度で交叉するように配置されている以外は図1の機構と同様である。
【0021】
(実施の形態4)
図4(a)、(b)および(c)は、図1のカム式動力伝達機構の別の例を示す正面図、側面図および斜視図である。このカム式動力伝達機構30では、第1および第2の回転軸2C、3Cが中空回転軸であり、第1の回転軸2Cの中空部2bに連続するように、カム4Cには貫通穴41が形成されている。貫通穴41はカム面4aに開口している。また、第2の回転軸3Cの中空部3bに連続するように、カムフォロワ5Cの連結用円盤5aにも貫通穴51が形成され、この貫通穴51は連結用円盤5aの円形端面5bに開口している。これ以外の構成は図1の機構1と同様であるので、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0022】
本例では、中空部が形成されているので、ここを配線引き回し用のスペースなどとして利用できるので、設置スペースに制限があるロボットの関節機構などに用いる場合に適している。
【0023】
(実施の形態5)
図5(a)、(b)および(c)は、本発明を適用したカム式動力伝達機構を備えたロボットの関節機構の例を示す斜視図、その上面図および正面図である。これらの図に示すように、ロボットの関節機構60は、関節入力軸61と関節出力軸62を有している。関節入力軸61の軸線である回転中心線61aに対して、関節出力軸62の回転中心線62aが直交するように、関節入力軸61と関節出力軸62の間にカム式動力伝達機構70が組み込まれている。
【0024】
カム式動力伝達機構70は、関節出力軸62の先端に連結されているカム71と、関節入力軸61の先端に連結されているカムフォロワ72とを備えている。カム71は、図4に示すカムと同様に、中空型のものである。カムフォロワ72も中空型のものであり、図2に示すカムフォロワと同様に2本の支持腕の先端に、カム面71aを摺動可能な2個のローラ72a、72bが回転自在に支持された構造となっている。カムフォロワ72が取り付けられている関節入力軸61の後方には同軸状態でモータおよび減速機から構成されるアクチュエータ73が連結されている。
【0025】
アクチュエータ73を駆動して関節入力軸61を回転中心線61a回りに回転させると、関節出力軸62は回転中心線62aを中心として回転する。図においては、関節入力軸61の回転によって関節出力軸62が回転中心線62aの周りを所定角度だけ旋回した状態を示してある。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカム式動力伝達機構によれば、ねじれ関係にある回転軸間の動力伝達機構を、歯車式やワイヤー式の動力伝達機構に比べて、簡単な構造でコンパクトに構成できる。また、カム面の形状を変えることにより、様々な入出力関係の伝達機構を実現できる。さらに、本発明のカム式動力伝達機構をロボットなどの関節機構に採用した場合には、関節の内部にアクチュエータを配置できるなど、設置スペースが制約されている部分に組み込むことができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)および(c)は、1本のカムフォロワを用いて構成されたカム式動力伝達機構を示す正面図、側面図および斜視図である。
【図2】(a)、(b)および(c)は、2本のカムフォロワを備えたカム式動力伝達機構を示す正面図、側面図および斜視図である。
【図3】(a)、(b)および(c)は、図1のカム式動力伝達機構の変形例を示す正面図、側面図および斜視図である。
【図4】(a)、(b)および(c)は、図1のカム式動力伝達機構の別の例を示す正面図、側面図および斜視図である。
【図5】(a)、(b)および(c)は、本発明を適用したカム式動力伝達機構を備えたロボットの関節機構の例を示す斜視図、上面図および正面図である。
【符号の説明】
1、10、20、30、70 カム式動力伝達機構
2、3 回転軸
2a、3a 回転中心線
4、4C、71 カム
4a カム面
5、5A、5B、5C、72 カムフォロワ
5e ローラ
60 ロボットの関節機構
61 関節入力軸
62 関節出力軸
61a、62a 回転中心線
73 アクチュエータ
Claims (6)
- 回転中心線が所定の角度で交叉するように配列された第1および第2の回転軸の間で回転力を伝達するカム式動力伝達機構において、
前記第1の回転軸に取り付けたカムと、
前記第2の回転軸に取り付けたカムフォロワとを有し、
前記カムは、球体を曲面あるいは平面で切断することにより得られる切断面をカム面とし、前記第1の回転軸の回転中心線が前記球体の中心を通るように、当該第1の回転軸に連結されており、
前記カムフォロワは、前記第2の回転軸の回転中心線を中心とする所定半径の円周軌道を描くように、当該第2の回転軸に連結されており、
前記第1あるいは第2の回転軸が回転すると、前記カムの前記カム面に沿って前記カムフォロワが相対的に摺動して、前記第2あるいは第1の回転軸が有限回転することを特徴とするカム式動力伝達機構。 - 請求項1において、
前記カムフォロワを前記カム面に付勢する付勢部材を有していることを特徴とする動力伝達機構。 - 請求項1において、
前記カムフォロワは第1および第2のカムフォロワを含むことを特徴とするカム式動力伝達機構。 - 請求項1、2または3において、
前記第1の回転軸は中空回転軸であり、
前記カムには、前記第1の回転軸の中空部に連続している貫通穴が形成されていることを特徴とするカム式動力伝達機構。 - 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記第2の回転軸は中空回転軸であり、
前記カムフォロワには、前記第2の回転軸の中空部に連続している貫通穴が形成されていることを特徴とするカム式動力伝達機構。 - 請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載のカム式動力伝達機構を備えたロボットの関節機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003141683A JP2004346959A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | カム式動力伝達機構 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003141683A JP2004346959A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | カム式動力伝達機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004346959A true JP2004346959A (ja) | 2004-12-09 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004346959A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011155071A1 (ja) * | 2010-06-11 | 2011-12-15 | 国立大学法人福島大学 | 多自由度マニピュレータ |
US8418572B2 (en) | 2007-05-31 | 2013-04-16 | National University Corporation Fukushima University | Three-dimensional cam mechanism |
JP2017015195A (ja) * | 2015-07-02 | 2017-01-19 | 務 石田 | 傾斜円形軌道式回転量伝達継手 |
WO2020174844A1 (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | シナノケンシ株式会社 | ロボットハンド |
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-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003141683A patent/JP2004346959A/ja active Pending
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