JP2004346710A - 水栓装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水用の操作スイッチ42Rと温調水を吐水させる湯用の操作スイッチ42Lとをそれぞれ吐止水スイッチとして構成する。そして水又は温調水の何れを吐水しているときにも、水用の操作スイッチ42R及び湯用の操作スイッチ42Lの何れかが操作されたとき止水を行わせるようにする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は水栓装置に関し、詳しくは冷水を吐止水させるための水用の操作スイッチと、給湯源からの湯若しくは湯と冷水とを混合して成る温調水を吐止水させるための湯用の操作スイッチとを備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷水を吐水させるための水用の操作部と、給湯源からの湯と冷水との混合水から成る温調水を吐水させるための湯用の操作部とを備え、その水用の操作部を操作することによって吐水口から冷水を吐水させ、また湯用の操作部を操作することによって吐水口から温調水を吐水させるように成した水栓装置が公知である(下記特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
実開平3−119064号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの水栓装置において、冷水を吐水中に湯用の操作部が操作されたり或いは逆に温調水を吐水中に水用の操作部が操作されたりすることがあり、この場合特許文献1に開示の水栓装置では、今まで吐水されていた冷水を温調水の吐水に切り替えたり、或いは今まで吐水されていた温調水を冷水の吐水に切り替えたりするように成している。
【0005】
しかしながらこのようにすると、それら操作部を簡単な押ボタンスイッチ、特に触れるだけで操作可能なタッチスイッチや非接触で操作可能な非接触スイッチとなした場合、使用者が様々な動きをする中でそれと知らずにそれら操作部を操作してしまうことがあり、この場合例えば冷水を吐水中に湯用の操作部を操作してしまうと、今まで水を出していたつもりが気付かないうちにいつのまにか湯に切り替わったりしてしまうことがあり、使用者が危険に気付かず湯に手等を触れてしまうといった問題が生ずる。
【0006】
水用の操作部,湯用の操作部を上記のようなタッチスイッチ或いは非接触スイッチとなした場合、操作に際して力が要らず、従って特に身体が不自由な人等において使い易い利点が得られる反面、上記のように誤って操作部を操作してしまい易く気付かないうちに水が湯に切り替わっていたり、或いは逆に湯が水に切り替わっていたりするといった問題を生ずるのである。
【0007】
或いはまた上記のようなタッチスイッチ或いは非接触スイッチとなした場合、その上にタオルや布巾等が被せられたりすると、そのことによって水から湯に或いはその逆に吐水が切り替わったりしてしまう問題も生ずる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の水栓装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、冷水を吐止水させるための水用の操作スイッチと、給湯源からの湯若しくは該湯と冷水との混合水からなる温調水を吐止水させるための湯用の操作スイッチと、それら操作スイッチからの信号を受けて吐水口から水又は湯若しくは温調水を吐止水させる制御部とを有し、該制御部は、水又は湯若しくは温調水の何れを吐水しているときにも前記水用の操作スイッチ及び湯用の操作スイッチの何れかが操作されたときに止水を行わせるようになしてあることを特徴とする。
【0009】
請求項2のものは、請求項1において、前記操作スイッチが触れるだけで操作可能なタッチスイッチ又は非接触で操作可能な非接触スイッチであることを特徴とする。
【0010】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記操作スイッチが操作毎に吐水と止水とを交互に行わせるものであることを特徴とする。
【0011】
【作用及び発明の効果】
以上のように本発明は冷水用の操作スイッチ及び湯用の操作スイッチのそれぞれを吐止水操作スイッチとして構成し、そして水又は湯若しくは温調水の何れを吐水しているときにも水用の操作スイッチ及び湯用の操作スイッチの何れかが操作されたときに吐水口からの吐水を停止(止水)させるようになしたもので、このようにすれば、水を出していたつもりが何時の間にか湯若しくは温調水に切り替わっていたり、或いはその逆に湯若しくは温調水を出していたつもりが水に切り替わっていたりするといった不都合を防止し、併せて危険回避することができる。
【0012】
また使用者にとって止水を行う際、水用の操作スイッチ及び湯用の操作スイッチの何れを操作しても止水を行わせることができるため、吐水中に緊急に止水動作が必要となったとき、現在の吐水が冷水であるのか湯若しくは温調水であるのかを確認した上で、対応する水用の操作スイッチ或いは湯用の操作スイッチを区別して操作するといったことを行う必要がなく、何れかの操作スイッチを操作することで止水できるため、迅速に止水を行うことができる。
【0013】
本発明は、上記操作スイッチが触れるだけで操作可能なタッチスイッチ又は非接触で操作可能な非接触スイッチである場合に適用して特に効果が大である(請求項2)。
【0014】
本発明において、上記操作スイッチは操作毎に吐水と止水とを行わせる交互スイッチとなしておくことができる(請求項3)。
【0015】
【実施例】
次に本発明をキッチン用の水栓装置として構成した場合の実施例を図面に基づいて以下に詳しく説明する。
図1において、10はキッチンに設置された流し台で、12はシンク、14はキャビネット、16はカウンターで、このカウンター16上に本例のシングルレバー式の水栓装置18が設置されている。
【0016】
この水栓装置18は、カウンター16から上方に起立する水栓本体20と、水栓本体20からシンク12側に向けて前方に延び出した吐水管22と、水栓本体20の上部に設けられたシングルレバー操作部24とを有しており、そのシングルレバー操作部24の操作によって、吐水管22先端部の下向きの吐水口26から吐水と止水とが行われる。
【0017】
詳しくは、この例ではシングルレバー操作部24を左右に回動操作することで、水と給湯源からの湯との混合比率の調節即ち温度調節が行われ、また上下に回動操作することで吐水口26からの吐水及び止水更に吐水の流量調節が行われる。
【0018】
図2において、28,30はそれぞれ冷水(水道水),給湯源からの高温の湯を供給する給水路及び給湯路で、これら給水路28及び給湯路30を通じて冷水及び湯がそれぞれ水栓本体20内部に供給される。
供給された冷水及び湯は、混合弁部32で所定比率に混合され温度調節された上で、流出路34を通じて一旦水栓本体20から流出した後、吐水管22内部を通って吐水口26へと導かれる。
混合弁部32は、シングルレバー操作部24の手動操作によって作動状態を変化させ、冷水と湯との混合比率を調節するとともに併せて流出路34の開閉即ち吐水及び止水も行う。
【0019】
給水路28からは分岐路36が分岐して延び出しており、その先端が流出路34に接続されている。
そしてこの接続部より上流側において流出路34には開閉弁(給水弁)としての2つの電磁弁38−1,38−2が並列に設けられており、また分岐路36においても開閉弁(給水弁)としての2つの電磁弁40−1,40−2が並列に設けられている。
そしてそれら電磁弁38−1,38−2及び40−1,40−2が制御部41によって作動制御されるようになっている。
【0020】
図3に示しているように、吐水管22先端部且つ右側面と左側面とにはそれぞれ非接触で手等の人体を感知する、詳しくは吐水管22の側方を感知エリアとしてそこに差し出された手等を感知する赤外線式のセンサから成る水用の吐止水操作スイッチ(以下単に操作スイッチとする)42R及び温調水を吐止水させるための湯用の吐止水操作スイッチ(以下単に操作スイッチとする)42Lが設けられている。
【0021】
これら操作スイッチ42R,42Lは、それぞれ上記の制御部41に電気接続されており、それらが手等を感知したとき制御部41に対し信号入力されるようになっている。
制御部41はこの信号を受けて電磁弁38−1,38−2及び40−1,40−2を作動制御する。
【0022】
本例では、図4(I)に示すように吐水管22の右側面の水用の操作スイッチ42Rの側方に手をかざし、センサから成る操作スイッチ42Rによりこれを感知させることで操作スイッチ42Rをオン操作する。
すると操作スイッチ42Rからの信号に基づいて制御部41が分岐路36上の電磁弁40−1,40−2を開弁させて、図5にも示しているように冷水を流出路34を通じて吐水口26から吐水させる(図4(II)参照)。
【0023】
その際、本例では手をかざしている時間、即ち操作スイッチ42Rをオン操作している時間に応じて制御部41が電磁弁40−1及び40−2の何れか一方或いは両方を開弁させ、小流量で或いは大流量で吐水口26から吐水させる。
詳しくは、手かざしによるオン操作時間が短いときには制御部41が電磁弁40−1,40−2の一方のみを開弁させて吐水口26から小流量で吐水(小吐水)させ、また手かざしによるオン操作時間がこれより長いときには制御部41が2つの電磁弁40−1,40−2の両方を開弁させて吐水口26から大流量で吐水(大吐水)させる。
【0024】
そして吐水継続中に再び図4(III)に示しているように操作スイッチ42Rの側方に手をかざすと、操作スイッチ42Rがこれを感知することで制御部41が開弁中の電磁弁40−1,40−2の一方又は両方を閉弁させ、吐水口26からの冷水の吐水を停止即ち止水させる(図4(IV)参照)。
【0025】
即ち操作スイッチ42Rは、その側方に手をかざすごとにオン動作とオフ動作とを交互に繰り返し、吐水口26からの吐水と止水とを交互に行わせる交互スイッチとして構成されている。
この点は以下に述べる湯用の操作スイッチ42Lも同様である。
【0026】
一方、予めシングルレバー操作部24を開操作且つ温度調節操作した状態で、吐水管22の左側面の操作スイッチ42Lの側方に手をかざしてこれを操作スイッチ42Lに感知させ、以って操作スイッチ42Lをオン操作すると、これに基づいて制御部41が流出路34上の電磁弁38−1,38−2を開弁させる。
これにより予め温度調節された温調水が吐水口26から吐水される。
【0027】
その際、冷水吐水の場合と同様に操作スイッチ42Lの側方に手をかざしている時間、即ち操作スイッチ42Lをオン操作している時間の長短に応じて、吐水口26から小流量で或いは大流量で吐水が行われる。
詳しくは、手かざしによるオン操作時間が短いときには制御部41が電磁弁38−1,38−2の一方のみを開弁させて、吐水口26から小流量で温調水を吐水(小吐水)させる。
また手かざしによるオン操作時間がこれより長いときには制御部41が2つの電磁弁38−1,38−2の両方を開弁させて、吐水口26から大流量で温調水を吐水(大吐水)させる。
【0028】
そしてその吐水継続中において再び操作スイッチ42Lの側方に手をかざしこれをオフ操作すると、その操作スイッチ42Lの感知に基づいて制御部41が開弁中の電磁弁38−1,38−2の一方又は両方を閉弁させて、吐水口26からの温調水の吐水を停止(止水)させる。
【0029】
上記のように本例では、水用及び湯用の何れの操作スイッチ42R,42Lも、操作ごとに吐水と止水とを交互に行わせる交互スイッチとして構成されており、且つオン操作及びオフ操作後においてそれらの感知エリアから手を外しても即ち操作状態を解除しても、吐水或いは止水状態がその後も継続される。
【0030】
本例では吐水口26からの吐水が冷水及び温調水の何れであってもその吐水中において、操作スイッチ42R及び42Lの何れかを手かざしによってスイッチ操作することで、吐水口26からの吐水を停止させるように制御部41が制御動作する。
この点を図5のタイムチャートに基づいて以下に詳しく説明する。
【0031】
図5は、水用の操作スイッチ42R及び湯用の操作スイッチ42Lの操作のタイミングと冷水の吐水,温調水の吐水との関係を表したタイムチャートで、図示のように本例では止水中において水用の操作スイッチ42Rを操作することで、その操作スイッチ42Rからの信号SC−1により吐水口26から冷水の吐水が開始される。
【0032】
そして再び操作スイッチ42Rを操作すると、その操作スイッチ42Rからの信号SC−2によって吐水が停止(止水)する。
【0033】
一方水用の操作スイッチ42Rからの信号SC−3により冷水を吐水させ且つその吐水継続中において、湯用の操作スイッチ42Lを操作すると、本例では吐水口26からの吐水が冷水から温調水に切り替わるのでなく、湯用の操作スイッチ42Lからの信号SH−1によって今まで出ていた水が止水する。
【0034】
このパターンは冷水を吐水中に湯用の操作スイッチ42Lを操作した場合のパターンであるが、逆に止水中に湯用の操作スイッチ42Lを操作し、信号SH−2によって温調水を吐水させ且つその温調水の吐水継続中に湯用の操作スイッチ42Lを操作し、信号SH−3を出力させた場合にも、或いは信号SH−4により温調水を吐水させた状態において水用の操作スイッチ42Rを操作し、信号SC−4を出力させた場合の何れにおいても温調水が止水する。
【0035】
以上のように本例によれば、水を出していたつもりが何時の間にか温調水に切り替わっていたり、或いはその逆に温調水を出していたつもりが何時の間にか水に切り替わっていたりするといったことがなく、危険を回避することができる。
【0036】
また使用者にとって止水を行う際、現在の吐水が冷水であるのか温調水であるのかを確認した上で、対応する水用の操作スイッチ42R或いは湯用の操作スイッチ42Lを区別して操作するといった煩わしいことを行わなくても、何れの操作スイッチ42R,42Lを操作することによっても止水できるため、吐水中において緊急を要する止水が必要となったとき、迅速に止水操作を行うことができる。
【0037】
図6は本発明の他の実施例を示している。
この例はカウンター16の上面に操作スイッチ42R,42Lを設けた例である。
この操作スイッチ42R,42Lは、それぞれ上記のような非接触式のスイッチとして構成しておくこともできるが、特にこのようにカウンター16上面に操作スイッチ42R,42Lを設ける場合には、これを静電容量式或いは電波式のスイッチとして構成し、触れるだけで操作可能なタッチスイッチ或いは指の接近によって操作可能な非接触式のスイッチとして構成しておくこともできる。
或いはまた押込式のスイッチとなすことも可能である。
【0038】
尚、図6の例では上例とは異なった形態の水栓装置56における吐水管22がカウンター16から起立しているが、勿論この水栓装置56を様々な形態の水栓装置として構成することが可能である。
【0039】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明においては、給湯路30から分岐する分岐路を設けてその分岐路を流出路34に接続し、その分岐路上にこれを開閉する電磁弁を設けて吐水口26から湯を吐止水させるように成すとともに、湯の吐止水用の操作スイッチを設けて、その操作スイッチの操作により、吐水口26から高温の湯を吐水させたり止水させたりするように成すようことも可能であるし、更に本発明は上例の水栓装置以外の様々な水栓装置に適用することが可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の水栓装置を流し台に設置した状態で示す図である。
【図2】同実施例の水栓装置の構成要素を模式的に表した図である。
【図3】同実施例の水栓装置の操作スイッチの感知エリアを周辺部とともに示す図である。
【図4】同実施例の水栓装置の作用説明図である。
【図5】同実施例の水栓装置における操作スイッチの操作状態と吐水口からの吐水状態との関係をタイムチャートで表す図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
18 水栓装置
26 吐水口
41 制御部
42R 水用の操作スイッチ
42L 湯用の操作スイッチ
Claims (3)
- 冷水を吐止水させるための水用の操作スイッチと、給湯源からの湯若しくは該湯と冷水との混合水からなる温調水を吐止水させるための湯用の操作スイッチと、それら操作スイッチからの信号を受けて吐水口から水又は湯若しくは温調水を吐止水させる制御部とを有し、該制御部は、水又は湯若しくは温調水の何れを吐水しているときにも前記水用の操作スイッチ及び湯用の操作スイッチの何れかが操作されたときに止水を行わせるようになしてあることを特徴とする水栓装置。
- 請求項1において、前記操作スイッチが触れるだけで操作可能なタッチスイッチ又は非接触で操作可能な非接触スイッチであることを特徴とする水栓装置。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記操作スイッチが操作毎に吐水と止水とを交互に行わせるものであることを特徴とする水栓装置。
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