JP2004345975A - カルボン酸エステルの連続的製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、酸素の存在下でアルデヒドとアルコールを反応させてカルボン酸エステルを製造する方法に関し、高いカルボン酸エステル選択率と高いアルデヒド転化率を長期に渡り安定して維持するカルボン酸エステルの製造方法を提供する。
【解決手段】酸素の存在下でアルデヒドとアルコールを触媒と反応させてカルボン酸エステルを連続的に製造する方法において、下記a.および/またはb.で規定される溶媒を、反応器に吹き込む酸素を含むガスに飛沫同伴および/または蒸発同伴させて供給することを特徴とするカルボン酸エステルの連続的製造方法。a. 反応溶液のpHを所定の値に保つために供給する塩基性化合物と反応で生成するカルボン酸との中和物を溶解することのできる溶媒。b. アルデヒドおよび対応するカルボン酸とカルボン酸エステルが重合可能な場合は、その重合物を溶解することのできる溶媒。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素の存在下でアルデヒドとアルコールを反応させてカルボン酸エステルを連続的に製造する方法に関し、高いアルデヒド転化率と高いカルボン酸エステル選択率を長期間に渡り安定して実現するカルボン酸エステルの連続的製造法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
工業的に有用なメタクリル酸メチル又はアクリル酸メチルを製造する方法として、メタクロレイン又はアクロレインをメタノールと反応させて直接、メタクリル酸メチル又はアクリル酸メチルを製造する酸化エステル化法が提案されている。この製法ではメタクロレイン又はアクロレインをメタノール中で分子状酸素と反応させることによって行われ、パラジウムと鉛、ビスマス、タリウム、水銀を含む触媒を用いた例が知られ(特許文献1〜4)、また、パラジウムとこれら金属との金属間化合物を触媒とする例が開示されている(特許文献5)。
【0003】
また、パラジウムとビスマスを用いた触媒が知られ(たとえば特許文献6)、ルテニウムと鉛を用いた触媒も例示されている(特許文献7)。
これらの開示例に示される触媒は全て、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナなどの担体に担持された固体触媒であり、反応は、これらの固体触媒をアルコールとアルデヒドの溶液中に分散させて(以下、場合により触媒スラリーと略記する)酸素を含むガスを吹き込んで行われるのが一般的であり、本件発明者らも気泡塔反応器を用いてメタクロレインとメタノールと触媒のスラリーに酸素を含むガスを吹き込んでメタクリル酸メチルを製造する実験を長期にわたり連続的に行っていた
ところが、単にガスを吹き込むだけでは、長時間反応を継続するとガスの吹き出し口の圧力上昇が認められ、反応の安定な運転が困難になってしまった。
【0004】
そこで、吹き出し口の様子を詳細に検討したところ、反応液のpHを中性付近に保つために供給する塩基性化合物に由来すると思われる塩類や、ポリマー様の物質が蓄積しており、これらの固形物が吹き出し口の周辺に固着してガスの流通を困難にしていることが判明した。
このような吹き出し口の閉塞は、本件反応系に特有の現象であり、実際に長期連続運転を行うまでは全く予想もできないことであったため、早急に解決することが求められていた。
【0005】
【特許文献1】
特公昭57−35856号公報
【特許文献2】
特公昭57−35857号公報
【特許文献3】
特公昭57−35858号公報
【特許文献4】
特公昭57−35859号公報
【特許文献5】
特公昭62−7902号公報
【特許文献6】
特開平9−216850号公報
【特許文献7】
特開2001−220367号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本件発明はこのような情況に鑑みてなされたものであって、高いアルデヒド転化率と高いカルボン酸エステル選択率を長期間に渡り安定して実現するカルボン酸エステルの連続的製造法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この問題を解決するため、本件発明者らが鋭意検討した結果、吹き出し口の閉塞の原因となっていた塩類やポリマー様の固形物を溶解せしめる液体を、該ガスに飛沫同伴あるいは蒸発同伴させて供給することで上記課題を解決できることを見出し本件発明をなした。
反応器への原料の供給は、液体は液体、気体は気体で、別々に供給するのが一般的である。それは、液体と気体を一緒に供給すると、パイプの中で気体と液体が分離して液体の供給が間欠的になったり、場合によってはベーパ−ロックして供給が一時的に停止したりするからである。また、気泡を巻き込んだ状態で液体を供給すると、正確な供給量を維持し難いということもある。
【0008】
例外的に、液体に溶存量程度の少量の気体を溶解させて供給したり、気体に蒸気圧相当の少量の液体を蒸発させて供給したりする方法は知られているが、本件発明のように大量のガス中に液体を飛沫で同伴させて供給するという方法によって本件課題が解決できようとは、当業者には予想できることではなかった。
すなわち、本件発明は、次の1.〜4.に係る。
【0009】
1. 酸素の存在下でアルデヒドとアルコールを触媒と反応させてカルボン酸エステルを連続的に製造する方法において、下記a.および/またはb.で規定される溶媒を、反応器に吹き込む酸素を含むガスに飛沫同伴および/または蒸発同伴させて供給することを特徴とするカルボン酸エステルの連続的製造方法。
a. 反応溶液のpHを所定の値に保つために供給する塩基性化合物と反応で生成するカルボン酸との中和物を溶解することのできる溶媒。
b. アルデヒドおよび対応するカルボン酸とカルボン酸エステルが重合可能な場合は、その重合物を溶解することのできる溶媒。
【0010】
2. 上記1.記載のa.および/またはb.に規定される溶媒が、原料アルコールおよび/またはアルデヒドであって、それらの全部または一部を、反応器に吹き込む酸素を含むガスに飛沫同伴および/または蒸発同伴させて供給することを特徴とする上記1.記載のカルボン酸エステルの連続的製造方法。
3. 該触媒が、パラジウムおよび/またはルテニウムとX(Xは鉛、ビスマス、水銀、タリウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属を示す)を含む触媒であることを特徴とする上記1または2記載のカルボン酸エステルの連続的製造方法。
4. アルデヒドがアクロレインおよび/またはメタクロレインで、アルコールがメタノールおよび/またはエタノールである上記1ないし3記載のカルボン酸エステルの連続的製造法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明において使用するアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、グリオキサールなどの脂肪族飽和アルデヒド;アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒドなどの脂肪族不飽和アルデヒド;ベンズアルデヒド、トリルアルデヒド、ベンジルアルデヒド、フタルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド;並びにこれらアルデヒドの誘導体などがあげられる。これらのアルデヒドは単独もしくは任意の二種以上の混合物として用いることができる。
【0012】
特に、アクロレインとメタクロレインは好ましく用いられる。
本発明において使用するアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、オクタノールなどの脂肪族飽和アルコール;エチレングリコール、ブタンジオールなどのジオール;アリルアルコール、メタリルアルコールなどの脂肪族不飽和アルコール;ベンジルアルコールなどの芳香族アルコールなどがあげられる。特にメチルアルコール、エチルアルコールなどの低級アルコールが反応が速やかで好ましい。これらのアルコールは単独もしくは任意の二種以上の混合物として用いることができる。
【0013】
本発明反応におけるアルデヒドとアルコールとの使用量比には特に限定はなく例えばアルデヒド/ アルコールのモル比で10〜1/1000のような広い 範囲で実施できるが、一般にはアルデヒドの量が少ない方が好ましく、1/2〜1/50の範囲にするのが好ましい。
本発明で使用する酸素は分子状酸素、すなわち酸素ガス自体又は酸素ガスを反応に不活性な希釈剤、例えば窒素、炭酸ガスなどで希釈した混合ガスの形とすることができ、空気を用いることもできる。反応系に存在させる酸素の量は、反応に必要な化学量論量以上、すなわち、アルデヒド/アルコールのモル比が1/2から1/50の好ましい条件では、アルデヒドに対して1/2モル以上の酸素、好ましくは化学量論量の1.2倍以上の酸素があれば充分である。
【0014】
反応の全圧は減圧から加圧下の任意の広い圧力範囲で実施することができるが、通常は1〜20kg/cmの圧力で実施される。反応系に供給する酸素の分圧は、反応器出口側の酸素分圧が0.8kg/cm以下となるように管理するのが好ましく、より好ましくは0.4kg/cm以下である。一方、反応器流出ガスの酸素濃度が爆発範囲(8%)を越えないように全圧を設定するとよい。
本発明反応は、気相反応、液相反応、潅液反応などの任意の従来公知の方法で実施できる。例えば液相で実施する際には気泡塔反応器、ドラフトチューブ型反応器、撹拌槽反応器などの任意の反応器形式によることができる。反応器形式も固定床式、流動床式、撹拌槽式などの従来公知の任意の形式によることができる。
【0015】
反応は、無溶媒でも実施できるが、反応成分に対して不活性な溶媒、例えば、ヘキサン、デカン、ベンゼン、ジオキサンなどを用いて実施することができる。
本件発明が開示するのは、原料アルデヒドや原料アルコールと酸素を含むガスの供給方法の好ましい技術様態である。
本件反応は、触媒が原料アルデヒドと原料アルコールの液体中に分散したスラリーに、酸素を含むガスを供給して行われるが、該ガスの供給方法としては、酸素を含むガスを該スラリーに吹き込む方法が好ましく採用される。この場合該ガスは、気泡の生成を促しスラリー中でガスの溶解を促すために、ノズル様の吹き出し口や金網を備えた吹き出し口からスラリー中に細かい気泡状で吹き出されることが好ましい。
【0016】
本件発明は、該ガスに、原料アルデヒドやアルコールを飛沫同伴および/または蒸発同伴させて、吹き出し口を常時これらの液体で濡らして洗浄させることを特徴とするものである。
本件発明の飛沫同伴とは、該液体をスプレーなどで霧状に噴霧してガスと一緒に供給する方法、該液体を細いチューブから少しずつ供給し、流れるガスの勢いにより管壁をつたって流れるように供給する方法、あるいは、該ガスを細いパイプに高速で流してその勢いで液滴状に吹き飛ばすように供給する方法などが例示され、これらのいずれの方法も簡便で好ましい。
【0017】
本件発明の蒸発同伴とは、蒸気圧相当分の少量の液体を含むガスを供給するもので、本件発明の好ましい実施様態となる。反応器に吹き出される吹き出し口では断熱状態で急減圧されるため、断熱膨張によるガス温の低下が起こり、液体が一部凝縮し吹き出し口を濡らす効果を得られるものと推察している。
吹き出し口の構造は、細いノズルから高速でスラリー中に該ガスをブローする方法や、該ガスの出口に金網を設置し、気泡を細かく切りながら供給する方法などが例示され、いずれも好ましく実施され得る。
【0018】
酸素を含むガスに同伴させる液体は、以下のa.およびb.で規定される液体である。
a. 反応溶液のpHを所定の値に保つために供給する塩基性化合物と反応で生成するカルボン酸の中和物を溶解することのできる溶媒。
b. アルデヒドおよび対応するカルボン酸とカルボン酸エステルが重合可能な場合は、その重合物を溶解することのできる溶媒。
【0019】
a.の液体としては、塩類を溶解し得る液体であれば特に制限は無いが、反応に対する影響が少なく、利便性、価格、安全性の高いものが好ましい。具体的には、水、低級アルコールなどの極性溶媒が例示され、原料アルコールを用いることもできる。
b.の液体としては、重合性の原料を用いる場合に生成する重合物を溶解しうる溶媒であれば特に制限は無く、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、アセトンなどの含酸素化合物、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素など、幅広く選択することができる。アルコールも少量ながらポリマーを溶解しうるので、本件発明に用いることが可能であり、原料アルコールをそれに充てることも可能である。
【0020】
このように、原料アルコールはa.およびb.の条件を満たす溶媒として本件発明で使用することができる。同じ理由で原料アルデヒドを用いても良い。
以下、本件発明において、重量%は、該触媒全重量を100重量%としたときの値を示す。
本発明に用いる触媒はパラジウムおよび/またはルテニウムと、X(Xは鉛、ビスマス、水銀、タリウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属)を含むことが好ましい。パラジウムおよび/またはルテニウムとXが合金、金属間化合物を形成しても良い。
【0021】
また、異種元素 としてFe、Te、Ni、Cr、Co、Cd、In、Ta、Cu、Zn、Zr、Hf、W、Mn、As、Ag、Re、Sb、Sn、Rh、Ru、Ir、Pt、A u、Ti、Al、B、Si、Ge、Se、Ta等は、カルボン酸エステル選択性を上げるなどの好ましい効果を期待できるため含んでもよい。これらの異種元素は通常、5重量%、好ましくは1重量%を超えない範囲で含むことができる。
【0022】
さらにはアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも一員を含むものは反応活性が高くなるなどの利点がある。アルカリ金属、アルカリ土類金属は通常0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲から選ばれる。
これらの異種元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属化合物などは結晶格子間に少量、侵入したり、結晶格子金属の一部と置換していてもよい。また、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物は、触媒調製時にパラジウム化合物、ルテニウム化合物、あるいはXの化合物を含む溶液に加えておき担体に吸着あるいは付着させてもよいし、あらかじめこれらを担持した担体を利用して触媒を調製することもできる。また、反応条件下に反応系に添加することも可能である。
【0023】
これらの触媒構成要素は単独にあるいはシリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チタン、炭酸塩、水酸化物、活性炭、ジルコニアなどの担体に担持されたものがよい。
本発明におけるパラジウムおよび/またはルテニウム担持触媒の担持量は、特に限定はないが、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%であり、アルカリ金属化合物もしくはアルカリ土類金属化合物を使用する場合、担持量は、通常、0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜15重量%である。
【0024】
本発明の触媒は公知の調製方法で準備することができる。代表的な触媒調製方法について説明すれば、たとえば、可溶性の鉛化合物および塩化パラジウムなどの可溶性のパラジウム塩を含む水溶液に担体を加えて加温含浸させ、パラジウム、鉛を含浸する。ついでホルマリン、ギ酸、ヒドラジンあるいは水素ガスなどで還元する。この例で示すならば、パラジウムを担持する前に鉛を担持してもよいし、パラジウムと鉛を同時に担持してもよい。
【0025】
触媒調製のために用いられるパラジウム化合物及びルテニウム化合物は、例えば蟻酸塩、酢酸塩などの有機酸塩、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩のごとき無機酸塩、アンミン錯体、ベンゾニトリル錯体、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体などの有機金属錯体、酸化物、水酸化物などのなかから適宜選ばれるが、パラジウム化合物としては塩化パラジウム、酢酸パラジウムなどが、ルテニウム化合物としては塩化ルテニウムなどが好ましい。
【0026】
Xの化合物としては硝酸塩、酢酸塩などの無機塩、ホスフィン錯体など有機金属錯体を用いることができ、硝酸塩、酢酸塩などが好適である。
またアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物についても有機酸塩、無機酸塩、水酸化物などから選ばれる。
触媒の使用量は、反応原料の種類、触媒の組成や調製法、反応条件、反応形式などによって大巾に変更することができ、特に限定はないが、触媒をスラリー状態で反応させる場合には反応液1リットル中に0.04〜0.5kg使用するのが好ましい。
【0027】
本発明の反応は、反応系にアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物(例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩など)を添加して反応系のpHを6〜9に保持することが好ましい。特にpHを6以上にすることで触媒中のX成分の溶解を防ぐ効果がある。これらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物は単独もしくは二種以上組み合わせて使用することができる。
本発明反応は、100℃以上の高温でも実施できるが、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは60〜90℃である。
反応時間は特に限定されるものではなく、設定した条件により異なるので一義的には決められないが 通常1〜20時間である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例をもって本発明の実施の形態を具体的に説明する。
担体として富士シリシア社製のシリカゲル (キャリアクト10(登録商標)平均粒子径 50μm)にパラジウム5重量%、鉛5重量%、マグネシウム4重量%を担持した触媒375gを、液相部が3リットルのステンレス製外部循環型気泡塔反応器に仕込み、34重量%のメタクロレイン/メタノールを1.35リットル/h、NaOH/メタノールを0.15リットル/hで供給し、温度80℃、圧力5.0kg/cmで空気を供給しながら反応を行った。
【0029】
反応液のpHが7.1となるようにNaOH濃度調製し、また、供給原料液中の鉛濃度が20ppmとなるように酢酸鉛をメタクロレイン/メタノールに溶かして連続的に供給した。
一方、反応器出口酸素濃度は、4%(酸素分圧0.20kg/cm)となるように空気量を調整しながら反応器に空気を供給した。
不飽和アルデヒド転化率、不飽和カルボン酸エステル選択率は以下のように評価した。
反応液ならびに反応器出口ガスの分析は、通常のガスクロマトグラム法にて、島津製作所製GC−8A型機に化学品検査協会製G−100カラム(ほぼ沸点順に溶出する)を装着し、恒温槽をプログラム昇温させて、水素炎検出器(FID)を用いて行った。
【0030】
【実施例1】
反応器下部のガス吹き込み管にメッシュ径40メッシュのステンレス金網を装着し(上記触媒が網目から落下しない孔径)、供給するメタクロレイン/メタノールをガス吹き込み管と同じラインから供給した。入り口圧力5.2kg/cmとして反応を行った。
反応を500時間継続したが、ガスの吹き込み口で閉塞は起こらず、安定に実施できた。
メタクロレイン転化率61%、メタクリル酸メチル選択率90%の反応成績を得た。
【0031】
【比較例1】
メタクロレイン/メタノール供給ラインを反応器の中段付近に設置し、ガスのみ単独で供給した以外は、実施例1と同様に反応を行った。
反応開始1日目から入り口圧力は単調に上昇し、3日目、入り口圧力を7.0kg/cm以上に上げないとガスを供給できなくなってしまったため、反応を中断した。
ガスの吹き込み口を観察したところ、白色の固形物が析出していた。
【0032】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、酸素の存在下でアルデヒドとアルコールを反応させてカルボン酸エステルを製造する方法に関し、高いアルデヒドまたはアルコール転化率と高いカルボン酸エステル選択性を長期に渡り安定して実現でき、その有用性は高い。

Claims (4)

  1. 酸素の存在下でアルデヒドとアルコールを触媒と反応させてカルボン酸エステルを連続的に製造する方法において、下記a.および/またはb.で規定される溶媒を、反応器に吹き込む酸素を含むガスに飛沫同伴および/または蒸発同伴させて供給することを特徴とするカルボン酸エステルの連続的製造方法。
    a. 反応溶液のpHを所定の値に保つために供給する塩基性化合物と反応で生成するカルボン酸との中和物を溶解することのできる溶媒。
    b. アルデヒドおよび対応するカルボン酸とカルボン酸エステルが重合可能な場合は、その重合物を溶解することのできる溶媒。
  2. 請求項1記載のa.および/またはb.に規定される溶媒が、原料アルコールおよび/またはアルデヒドであって、それらの全部または一部を、反応器に吹き込む酸素を含むガスに飛沫同伴および/または蒸発同伴させて供給することを特徴とする請求項1記載のカルボン酸エステルの連続的製造方法。
  3. 該触媒が、パラジウムおよび/またはルテニウムと、X(Xは鉛、ビスマス、水銀、タリウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属を示す)を含む触媒であることを特徴とする請求項1または2記載のカルボン酸エステルの連続的製造方法。
  4. アルデヒドがアクロレインおよび/またはメタクロレインで、アルコールがメタノールおよび/またはエタノールである請求項1〜3記載のカルボン酸エステルの連続的製造法。
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