JP2004345835A - 昇降装置及び同期回転出力軸装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械室等の大きなスペースを必要とせず、停電等の異常時でも安全に昇降台を停止することのできる昇降装置を提供することを目的とする。
【解決手段】支持部18に回転可能に設けられた複数のねじ軸11と、各ねじ軸に螺合するナット部17を有し、ねじ軸11が同期して回転されることにより昇降する昇降台16と、支持部18に平行に配置された旋回盤19と、旋回盤19に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸20aと、各回転軸と対応するねじ軸11とを連結するクランク部と、旋回盤19をねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】支持部18に回転可能に設けられた複数のねじ軸11と、各ねじ軸に螺合するナット部17を有し、ねじ軸11が同期して回転されることにより昇降する昇降台16と、支持部18に平行に配置された旋回盤19と、旋回盤19に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸20aと、各回転軸と対応するねじ軸11とを連結するクランク部と、旋回盤19をねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ等に使用可能な昇降装置及び同期回転出力軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、昇降装置であるエレベータは、天井側に配設された綱車に巻き回されているロープの一端が、人が乗り降りするかごに取り付けられ、他端にバランスをとるための錘が取り付けられて構成されている。そして、かごの昇降は、電動機による綱車の回転によって行なわれる。
このような構成によるエレベータは、天井側に機械室を配置する大きなスペースを要していた。
さらに、こういったエレベータは、停電等の異常時に作動する安全装置として、昇降中のかごを停止させるための制動装置を要する。制動装置としては例えば、ブレーキライニングとブレーキドラムの組み合わせによって、かごと錘を保持するブレーキがあるが、ブレーキが故障した場合を考えて2重、3重にも安全装置を備えなければならなかった。
【0003】
そこで、本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、機械室等の大きなスペースを必要とせず、停電等の異常時でも安全に昇降台を停止することのできる昇降装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、本発明は、支持部に軸線を中心として回転可能に設けられた複数のねじ軸と、前記支持部と平行に配置された旋回盤と、該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、該各回転軸と対応する前記ねじ軸とを連結するクランク部と、前記旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、該駆動部により前記旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ねじ軸を同期して回転駆動させることを特徴とする。
【0005】
また、本発明は、鉛直方向に配設され、固定配置された支持部に軸線を中心として回転可能に設けられた複数のねじ軸と、該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、前記ねじ軸が同期して回転されることにより昇降する昇降台と、前記支持部と平行に配置された旋回盤と、該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、該各回転軸と対応する前記ねじ軸とを連結するクランク部と、前記旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、該駆動部により前記旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ねじ軸を同期して回転駆動して前記昇降台を昇降動させることを特徴とする。
【0006】
また、前記駆動部は、複数の前記ねじ軸のうち1本と連結されて、これを回転させる駆動モータを含むことを特徴とする。
また、前記駆動部は、前記支持部上に設けられる駆動モータと、前記旋回盤に回転自在に取り付けられた駆動用回転軸と、前記駆動モータのモータ回転軸と前記駆動用回転軸とを連結するクランク部とを含むことを特徴とする。
【0007】
また、前記ねじ軸と前記回転軸とが軸線を偏倚させて端面同士が一体に接合されることによって前記クランク部が構成されていることを特徴とする。
また、前記昇降台が前記ねじ軸上に所要間隔をおいて複数配設されていることを特徴とする。
【0008】
また、固定部に固定されて鉛直方向に配設された複数のねじ軸と、該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、該ナット部がねじ軸上で同期して回転されることにより昇降する昇降台と、該昇降台と平行に配置され、前記各ねじ軸が遊挿する貫通孔を有する旋回盤と、該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、該各回転軸と対応する前記ナット部とを連結するクランク部と、 前記旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、該駆動部により前記旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ナット部を同期して回転駆動して前記昇降台を昇降動させることを特徴とする。
【0009】
また、固定部に固定されて鉛直方向に配設された複数のねじ軸と、該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、該ナット部がねじ軸上で同期して回転されることにより昇降する複数の昇降台と、該各昇降台と平行に配置され、前記各ねじ軸が遊挿する貫通孔を有する旋回盤と、該各旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、該各回転軸と対応する前記ナット部とを連結するクランク部と、前記各旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、
該各駆動部を個別に駆動し、前記ナット部を回転させることにより前記旋回盤および前記クランク部を介して前記ナット部を同期して回転駆動して前記各昇降台を個別に昇降動させることを特徴とする。
【0010】
また、前記駆動部は、前記昇降台上に設けられる駆動モータと、前記旋回盤に回転自在に取り付けられた駆動用回転軸と、前記駆動モータのモータ回転軸と前記駆動用回転軸とを連結するクランク部とを含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、第1、第2の2つの実施形態を挙げ、添付図面と共に詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、昇降装置の正面図である。図2はその駆動部、支持部及び旋回盤を説明する断面図である。図3は、回転軸とねじ軸の連結状態を説明する断面図である。そして、図4は、旋回盤の平面図である。
【0012】
11は、螺刻されたねじ部11aを有するねじ軸である。4本のねじ軸11はそれぞれ、上端部11bが天井面12に固定された軸受14に挿入され、下端部20bが地面13に固定配置された支持部15に回転可能に軸支されている。これにより、4本のねじ軸11は、軸線を中心として回転可能に、昇降装置10を配設する天井面12と地面13との間で互いに平行に鉛直方向に立設されている。
そして、4本のねじ軸11は、駆動部によって、連動して同期回転するよう設けられている。
【0013】
平面形状が四角形の昇降台16の4隅には、それぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔16aが配設されている。4つの貫通孔16a内にはそれぞれ、ナット部17がその下部で外方に突出するフランジ部17aを昇降台16の下面に当接させた状態で、嵌入されて固定されている。
こうして昇降台16に配設された4つのナット部17に、ねじ軸11がそれぞれ螺合し挿通されることにより、昇降台16は、天井面12と地面13の間で保持される。
駆動部により4本のねじ軸11が同周期で回転をすると、ねじ軸11のねじ部に螺合するナット部17は、昇降台16により回転が阻止されるので、4つのナット部17は、ねじ軸11に螺合しながら移動する。これにより、昇降台16が矢印A方向に昇降移動することになる。
【0014】
次に、4本のねじ軸11を同期して回転駆動する機構について説明する。
支持部18は、板状に形成され、その下面に配設される脚部29によって地面13上に載置、固定されている。また、支持部18、脚部29及び地面13に囲まれる空間には、支持部18より一回り小さな旋回盤19が、支持部18に対して平行に配設される。
この支持部18と旋回盤19は、共に金属等から形成されていて、静止している支持部18に対して旋回盤19が相対的に、支持部18に固定された駆動モータ21の駆動によって旋回運動をするよう構成されている。
【0015】
図2に示されるように、支持部18には旋回盤19と向かい合う側の面の4隅に4つの凹部が設けられ、その内部にはそれぞれベアリング18aが嵌め込まれて固定されている。ベアリング18a内には、ねじ軸より大径に形成される支持軸20bが、その軸線を中心として回転可能に軸支されている。
そして、ねじ軸11の下部11cが、支持部18と共に支持軸20bを貫通し、支持軸20bに固定される。このとき、ねじ軸11と支持軸20bは、互いの軸線を一致させて一体化される。こうして、支持軸20bは、ねじ軸11の下端部となり、下端部20bは支持部18に回転可能に軸支される。
【0016】
さらに、ねじ軸11の下端部20bが、支持軸20bと同一形状からなる回転軸20aに接合されて、ねじ軸11と回転軸20aは一体化している。この際、ねじ軸11と回転軸20aは、互いの軸線を偏倚させた状態で下端部(支持軸)20bと回転軸20aの端面同士が接合されて一体化される。
つまり、4本のねじ軸11は、それぞれ回転軸20aと、両者の軸線が所定の距離d(偏倚距離d)をおいて平行となるように、端面同士が接合されて一体化している。
尚、このように2つの軸や部材(ねじ軸と回転軸)を、両者の軸線が偏倚した状態で連結する構造をクランク部と称す。また、ねじ軸と回転軸が連結されたものをクランクねじ軸と呼ぶ。
【0017】
また、旋回盤19には、支持部18と向い合う側の面の4隅に、4つの凹部が設けられ、その内部にはそれぞれベアリング19aが嵌め込まれて固定されている。そして、4つのベアリング19a内では、それぞれ回転軸20aが、その軸線を中心に回転可能に軸支される。
こうして、支持部18と旋回盤19は、回転軸20aとねじ軸の下端部(支持軸)20bを介して連結されるが、このとき、支持軸20bにはワッシャ23が外嵌され、回転軸20aにはワッシャ24が外嵌されて、旋回盤19側と支持部18側の干渉が防止される。ワッシャの代わりに、支持軸20b、回転軸20aに鍔状に張り出すフランジ部を両者の接合面側にそれぞれ設けて、支持部18と旋回盤19の間に配設してもよい。
【0018】
次に、旋回盤19を旋回駆動させる駆動部について説明する。
駆動モータ21は、支持部18の上面に固定され、そのモータ回転軸25は、支持部18を貫通して支持部18の下方に延出されている(図2参照)。このモータ回転軸25の外周面には径方向に突出する凸部が、軸線方向に延びるように設けられている。
【0019】
また、旋回盤19の上面の、モータ回転軸25に対向する位置には、凹部27が設けられ、駆動用のベアリング28が嵌め込まれて固定されている。この駆動用のベアリング28内には、モータ回転軸25が一体化される駆動用回転軸26が挿入され、軸線を中心に回転可能に軸支される。
駆動用回転軸26には、モータ回転軸25が挿入され嵌合する貫通孔が軸線方向に形成されていて、凸部が形成されたモータ回転軸25が、この貫通孔内に嵌合することにより、駆動用回転軸26はモータ回転軸25と一体化して回転することになる。
【0020】
このとき、貫通孔に挿入され嵌合したモータ回転軸25の軸線と、駆動用回転軸26の軸線は平行で、両者の距離は、前述の偏倚距離dに等しく設定される(つまり、モータ回転軸と駆動用回転軸はクランク部によって連結される状態となる。)。
そして、昇降装置を作動させるには、4本のクランクねじ軸の、回転軸20aに対するねじ軸11のクランク方向(回転軸20aの軸線に対するねじ軸の軸線の位置)と、駆動用回転軸26に対するモータ回転軸25のクランク方向が揃えられた状態で、駆動モータ21を始動させ、モータ回転軸25を回転させる。すると、駆動用回転軸26が回転し、静止状態である支持部18に対して旋回盤19が駆動用回転軸26の回転に伴って旋回運動をする。
【0021】
つまり、旋回盤19は、向きを一定の方向に向けたまま(すなわち自転することなく)、円運動をする。すなわち、旋回盤19上の任意の点は、偏位距離dを半径とする円運動をする。
従って、クランクねじ軸が配設されて支持される旋回盤19は、ねじ軸の軸線に対して直角な状態で、ねじ軸の軸線を中心に円運動をする(ねじ軸回りに旋回運動をする)こととなる。これにより、4本の回転軸20aが連動して回転し、さらに回転軸20bにそれぞれ連結される4本のねじ軸が同周期で回転する。そして、前述したように昇降台16が昇降移動することになる。
【0022】
旋回盤19の旋回運動は、モータ回転軸25の回転方向、スピード等を調整することにより逆方向に回転させたり、回転速度を減速したり加速させたりすることができる。これにより、ねじ軸の回転を制御して、昇降台16の昇降スピード、昇り、降りも制御することができる。
【0023】
このような昇降装置10は、綱車等を設置する機械室が不要なので、省スペースに適している。また、停電等により駆動モータ21が停止しても、昇降台16はねじ軸11とナット部17の螺合によって保持されるので、急降下や急上昇をすることがなく、特別な制動装置が不要となる。
【0024】
また、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
例えば、上記実施形態では回転軸とねじ軸の連結にあたって、両者の端部同士を接合したが、図9に示すようにねじ軸の下端部20bと回転軸20aとをクランクアーム50を介して接合してもよい。
【0025】
また、支持部と旋回盤を天井側に配設してもよい。この場合、旋回盤を支持部の上方に配置し、旋回盤に軸支される回転軸と、ねじ軸の上端部とをクランク部を介して連結する。
また、駆動モータを旋回盤に固定し、モータ回転軸と、ねじ軸の端部とを、互いの軸線が偏倚した状態で連結してもよい(つまり、クランク部によってモータ回転軸とねじ軸を連結する)。
さらに、図10に示すように複数のねじ軸のうちの1本を直接、駆動モータと連結してもよい。天井側に配設された駆動モータ21のモータ回転軸25は、ねじ軸11と同心に一体化されている。これによると、1本のねじ軸11の回転運動が旋回盤によって伝達されて、複数のねじ軸を同周期で回転させることができる。
また、複数の昇降台を、間隔を空けて配設してもよい。この場合、昇降台は間隔を空けながら同時に昇降移動をすることになる。
【0026】
さらに、図11に示されるように、ねじ軸51の天井側で固定されていた端部51bを開放すると、複数のねじ軸51が同期して回転駆動される同期回転出力軸装置52となる。この装置52は、旋回盤19を駆動部によって旋回させることにより、複数のねじ軸51が同期して回転駆動する。このねじ軸を出力軸として使用することができる。
この際も駆動部は、駆動モータ21のモータ回転軸25と、複数のねじ軸51のうちの一本とを連結してこれを回転駆動させる構成であってもよいし、支持部18に固定される駆動モータ21のモータ回転軸25と、旋回盤に回転自在に取りつけられた駆動用回転軸26とをクランク部によって連結する構成であってもよい(図11参照)。
また、同期回転出力軸装置52においては、支持部18は固定されなくてもよいし、ねじ軸51にねじ部が配設されていなくてもよい。さらに、ねじ軸の配設方向は、鉛直方向でなく、どちらの方向を向いていてもよい。
【0027】
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。
図5は、昇降装置の正面図である。図6はその昇降部を説明する断面図であり、図7は昇降部のナット部と回転軸の連結状態を説明する断面図である。そして、図8は、昇降部における旋回盤の平面図である。
【0028】
図5において、32は、螺刻されたねじ部32aを有するねじ軸である。4本のねじ軸32はそれぞれ、上端部32bが天井面12に配設される固定部によって天井面12側で固定され、下端部32cが地面13に配設される固定部によって地面13側で固定されることにより、昇降装置31を配設する天井面12と地面13との間に互いに平行に、鉛直方向に立設されている。
【0029】
図6に示されるように昇降部33は、昇降台34と、昇降台34と略同一形状に形成され、昇降台34に平行に配置される旋回盤35とを有している。昇降台34と旋回盤35は、共に金属等からなり、平面形状が略四角形に形成されている。
旋回盤35の4隅には、それぞれ上方に開口する凹部が形成され、凹部内にはベアリング35aが挿入され、固定されている。ベアリング35a内には、回転軸36aが、その軸線を中心として回転自在に挿入されている。
昇降台34の下面の、回転軸36aに対応する位置には、それぞれ下方に開口する凹部が形成され、凹部内にはベアリング34aが挿入、固定されている。このベアリング34a内には、支持軸36bが、その軸線を中心に回転可能に挿入されている。支持軸36bは、回転軸36aと略同一形状に形成される。
【0030】
そして、対応する回転軸36aと支持軸36bは、両者の軸線が所定の距離h(偏倚距離h)をおいて平行となるように、端面同士が接合されて一体化される。
また、ねじ軸と螺合するナット部44が、支持軸36b側から貫通し、回転軸36a及び支持軸36bと一体化されている。ナット部44にはその上部に鍔状に張り出すフランジ部44aが形成されていて、このフランジ部44aが支持軸36bの上面に当接して、ナット部44が固定されている。このとき、ナット部44の軸線と支持軸36bの軸線は一致している。
【0031】
こうして、ナット部44と回転軸36aは、両者の軸線が偏倚距離hをおいて平行となるように連結される。(つまり、回転軸36aとナット部44はクランク部によって連結される。)
このとき、旋回盤側と昇降台側の干渉を防ぐために、回転軸と支持軸には、ワッシャ39、40が外嵌されている。
また、これらワッシャの代わりに、回転軸と支持軸に鍔状に外方に張り出すフランジ部を両者の接合面側にそれぞれ設けて、昇降台と旋回盤の間に配設してもよい。
【0032】
上記構成を有する昇降部33は、旋回盤35に対して昇降台34を上方に配置した姿勢で、ナット部44にねじ軸32をそれぞれ挿入し螺合させることで天井面12と地面13の間で保持される。
この際、旋回盤35には、ねじ軸32が遊挿される貫通孔35n(図6参照)が設けられる。また、図ではナット部44が完全に回転軸36aを貫通していないが、完全に貫通するよう設けてもよい。ナット部44が完全に貫通していない場合は、回転軸36aにもねじ軸が遊挿される貫通孔36nが設けられる。
【0033】
次に旋回盤を回転駆動する駆動部について説明する。駆動部は、昇降台34に固定される駆動モータ37を有し、そのモータ回転軸42は昇降台34を貫通して旋回盤側に延出している。このモータ回転軸42に対応する旋回盤の位置には、上方に開口する凹部が設けられ、凹部内にはベアリングが挿入、固定されている。さらに、このベアリング内には駆動用回転軸41が、その軸線を中心に回転可能に挿入されている。この駆動用回転軸41には、モータ回転軸42が挿入され嵌合する貫通孔が軸線方向に形成されていて、この貫通孔にモータ回転軸が嵌合することにより、駆動用回転軸41とモータ回転軸42とは一体化される。このとき、モータ回転軸42の軸線と、駆動用回転軸41の軸線は平行で、両者の距離は、前述の偏倚距離hに等しく設定される。(つまり、モータ回転軸と駆動用回転軸は、クランク部によって連結される。)
【0034】
このような構成からなる昇降装置31は、駆動モータ37を作動させると、モータ回転軸42が回転し、これと一体化されている駆動用回転軸41が回転する。すると、駆動用回転軸41の回転に伴って旋回盤35が、昇降台34に対して相対的に旋回運動をする。
つまり、旋回盤35は向きを一定の方向に向けたまま(すなわち自転することなく)、円運動をする。すなわち、旋回盤上の任意の点は、偏倚距離hを半径とする円運動をする。従って、ねじ軸が貫通されて支持される旋回盤35は、ねじ軸の軸線に対して直角な状態で、ねじ軸の軸線を中心に円運動をする(ねじ軸回りに旋回運動をする)こととなる。
【0035】
そして、旋回運動をする旋回盤によって、4個の回転軸が連動して回転し、回転軸にクランク部を介して連結されている4個のナット部が同期して回転することとなる。
これにより、天井面12と地面13の間で固定されているねじ軸32に対して4個のナット部44が螺合しながら同時に昇降移動することとなって、昇降部33が矢印B方向に昇降する。
【0036】
昇降装置31は、第1実施形態と同様、綱車等を設置する機械室が不要なので、省スペースに適している。また、停電等により駆動モータ37が停止しても、昇降部33はねじ軸とナット部の螺合によって保持されるので、急降下や急上昇をすることがなく、特別な制動装置が不要となる。
【0037】
さらに、図5に示されるように昇降部33を複数設けても良い。駆動モータがそれぞれ配設された複数の昇降部33は、互いに独立して昇降運動をすることができる。
また、支持軸と回転軸は、図9で示したようにクランクアームを介して連結される構成であってもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明による昇降装置は、機械室が不要なので、省スペースに適している。また、停電等により駆動モータが停止しても、急降下や急上昇をすることがないので特別な制動装置が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による昇降装置の正面図である。
【図2】図1に示した昇降装置の駆動部の断面図である。
【図3】駆動部のクランク機構の断面図である。
【図4】旋回盤の平面図である。
【図5】他の実施形態の昇降装置の正面図である。
【図6】図5に示した昇降装置の昇降部の断面図である。
【図7】昇降部のクランク機構の断面図である。
【図8】旋回盤の平面図である。
【図9】他のクランク部の構成を示す断面図である。
【図10】駆動モータの他の配設方法を示す概略図である。
【図11】本発明による同期回転出力軸装置の概略図である。
【符号の説明】
10 昇降装置
11 ねじ軸
15 駆動部
16 昇降台
17 ナット部
18 支持部
19 旋回盤
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ等に使用可能な昇降装置及び同期回転出力軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、昇降装置であるエレベータは、天井側に配設された綱車に巻き回されているロープの一端が、人が乗り降りするかごに取り付けられ、他端にバランスをとるための錘が取り付けられて構成されている。そして、かごの昇降は、電動機による綱車の回転によって行なわれる。
このような構成によるエレベータは、天井側に機械室を配置する大きなスペースを要していた。
さらに、こういったエレベータは、停電等の異常時に作動する安全装置として、昇降中のかごを停止させるための制動装置を要する。制動装置としては例えば、ブレーキライニングとブレーキドラムの組み合わせによって、かごと錘を保持するブレーキがあるが、ブレーキが故障した場合を考えて2重、3重にも安全装置を備えなければならなかった。
【0003】
そこで、本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、機械室等の大きなスペースを必要とせず、停電等の異常時でも安全に昇降台を停止することのできる昇降装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、本発明は、支持部に軸線を中心として回転可能に設けられた複数のねじ軸と、前記支持部と平行に配置された旋回盤と、該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、該各回転軸と対応する前記ねじ軸とを連結するクランク部と、前記旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、該駆動部により前記旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ねじ軸を同期して回転駆動させることを特徴とする。
【0005】
また、本発明は、鉛直方向に配設され、固定配置された支持部に軸線を中心として回転可能に設けられた複数のねじ軸と、該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、前記ねじ軸が同期して回転されることにより昇降する昇降台と、前記支持部と平行に配置された旋回盤と、該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、該各回転軸と対応する前記ねじ軸とを連結するクランク部と、前記旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、該駆動部により前記旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ねじ軸を同期して回転駆動して前記昇降台を昇降動させることを特徴とする。
【0006】
また、前記駆動部は、複数の前記ねじ軸のうち1本と連結されて、これを回転させる駆動モータを含むことを特徴とする。
また、前記駆動部は、前記支持部上に設けられる駆動モータと、前記旋回盤に回転自在に取り付けられた駆動用回転軸と、前記駆動モータのモータ回転軸と前記駆動用回転軸とを連結するクランク部とを含むことを特徴とする。
【0007】
また、前記ねじ軸と前記回転軸とが軸線を偏倚させて端面同士が一体に接合されることによって前記クランク部が構成されていることを特徴とする。
また、前記昇降台が前記ねじ軸上に所要間隔をおいて複数配設されていることを特徴とする。
【0008】
また、固定部に固定されて鉛直方向に配設された複数のねじ軸と、該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、該ナット部がねじ軸上で同期して回転されることにより昇降する昇降台と、該昇降台と平行に配置され、前記各ねじ軸が遊挿する貫通孔を有する旋回盤と、該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、該各回転軸と対応する前記ナット部とを連結するクランク部と、 前記旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、該駆動部により前記旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ナット部を同期して回転駆動して前記昇降台を昇降動させることを特徴とする。
【0009】
また、固定部に固定されて鉛直方向に配設された複数のねじ軸と、該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、該ナット部がねじ軸上で同期して回転されることにより昇降する複数の昇降台と、該各昇降台と平行に配置され、前記各ねじ軸が遊挿する貫通孔を有する旋回盤と、該各旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、該各回転軸と対応する前記ナット部とを連結するクランク部と、前記各旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、
該各駆動部を個別に駆動し、前記ナット部を回転させることにより前記旋回盤および前記クランク部を介して前記ナット部を同期して回転駆動して前記各昇降台を個別に昇降動させることを特徴とする。
【0010】
また、前記駆動部は、前記昇降台上に設けられる駆動モータと、前記旋回盤に回転自在に取り付けられた駆動用回転軸と、前記駆動モータのモータ回転軸と前記駆動用回転軸とを連結するクランク部とを含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、第1、第2の2つの実施形態を挙げ、添付図面と共に詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、昇降装置の正面図である。図2はその駆動部、支持部及び旋回盤を説明する断面図である。図3は、回転軸とねじ軸の連結状態を説明する断面図である。そして、図4は、旋回盤の平面図である。
【0012】
11は、螺刻されたねじ部11aを有するねじ軸である。4本のねじ軸11はそれぞれ、上端部11bが天井面12に固定された軸受14に挿入され、下端部20bが地面13に固定配置された支持部15に回転可能に軸支されている。これにより、4本のねじ軸11は、軸線を中心として回転可能に、昇降装置10を配設する天井面12と地面13との間で互いに平行に鉛直方向に立設されている。
そして、4本のねじ軸11は、駆動部によって、連動して同期回転するよう設けられている。
【0013】
平面形状が四角形の昇降台16の4隅には、それぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔16aが配設されている。4つの貫通孔16a内にはそれぞれ、ナット部17がその下部で外方に突出するフランジ部17aを昇降台16の下面に当接させた状態で、嵌入されて固定されている。
こうして昇降台16に配設された4つのナット部17に、ねじ軸11がそれぞれ螺合し挿通されることにより、昇降台16は、天井面12と地面13の間で保持される。
駆動部により4本のねじ軸11が同周期で回転をすると、ねじ軸11のねじ部に螺合するナット部17は、昇降台16により回転が阻止されるので、4つのナット部17は、ねじ軸11に螺合しながら移動する。これにより、昇降台16が矢印A方向に昇降移動することになる。
【0014】
次に、4本のねじ軸11を同期して回転駆動する機構について説明する。
支持部18は、板状に形成され、その下面に配設される脚部29によって地面13上に載置、固定されている。また、支持部18、脚部29及び地面13に囲まれる空間には、支持部18より一回り小さな旋回盤19が、支持部18に対して平行に配設される。
この支持部18と旋回盤19は、共に金属等から形成されていて、静止している支持部18に対して旋回盤19が相対的に、支持部18に固定された駆動モータ21の駆動によって旋回運動をするよう構成されている。
【0015】
図2に示されるように、支持部18には旋回盤19と向かい合う側の面の4隅に4つの凹部が設けられ、その内部にはそれぞれベアリング18aが嵌め込まれて固定されている。ベアリング18a内には、ねじ軸より大径に形成される支持軸20bが、その軸線を中心として回転可能に軸支されている。
そして、ねじ軸11の下部11cが、支持部18と共に支持軸20bを貫通し、支持軸20bに固定される。このとき、ねじ軸11と支持軸20bは、互いの軸線を一致させて一体化される。こうして、支持軸20bは、ねじ軸11の下端部となり、下端部20bは支持部18に回転可能に軸支される。
【0016】
さらに、ねじ軸11の下端部20bが、支持軸20bと同一形状からなる回転軸20aに接合されて、ねじ軸11と回転軸20aは一体化している。この際、ねじ軸11と回転軸20aは、互いの軸線を偏倚させた状態で下端部(支持軸)20bと回転軸20aの端面同士が接合されて一体化される。
つまり、4本のねじ軸11は、それぞれ回転軸20aと、両者の軸線が所定の距離d(偏倚距離d)をおいて平行となるように、端面同士が接合されて一体化している。
尚、このように2つの軸や部材(ねじ軸と回転軸)を、両者の軸線が偏倚した状態で連結する構造をクランク部と称す。また、ねじ軸と回転軸が連結されたものをクランクねじ軸と呼ぶ。
【0017】
また、旋回盤19には、支持部18と向い合う側の面の4隅に、4つの凹部が設けられ、その内部にはそれぞれベアリング19aが嵌め込まれて固定されている。そして、4つのベアリング19a内では、それぞれ回転軸20aが、その軸線を中心に回転可能に軸支される。
こうして、支持部18と旋回盤19は、回転軸20aとねじ軸の下端部(支持軸)20bを介して連結されるが、このとき、支持軸20bにはワッシャ23が外嵌され、回転軸20aにはワッシャ24が外嵌されて、旋回盤19側と支持部18側の干渉が防止される。ワッシャの代わりに、支持軸20b、回転軸20aに鍔状に張り出すフランジ部を両者の接合面側にそれぞれ設けて、支持部18と旋回盤19の間に配設してもよい。
【0018】
次に、旋回盤19を旋回駆動させる駆動部について説明する。
駆動モータ21は、支持部18の上面に固定され、そのモータ回転軸25は、支持部18を貫通して支持部18の下方に延出されている(図2参照)。このモータ回転軸25の外周面には径方向に突出する凸部が、軸線方向に延びるように設けられている。
【0019】
また、旋回盤19の上面の、モータ回転軸25に対向する位置には、凹部27が設けられ、駆動用のベアリング28が嵌め込まれて固定されている。この駆動用のベアリング28内には、モータ回転軸25が一体化される駆動用回転軸26が挿入され、軸線を中心に回転可能に軸支される。
駆動用回転軸26には、モータ回転軸25が挿入され嵌合する貫通孔が軸線方向に形成されていて、凸部が形成されたモータ回転軸25が、この貫通孔内に嵌合することにより、駆動用回転軸26はモータ回転軸25と一体化して回転することになる。
【0020】
このとき、貫通孔に挿入され嵌合したモータ回転軸25の軸線と、駆動用回転軸26の軸線は平行で、両者の距離は、前述の偏倚距離dに等しく設定される(つまり、モータ回転軸と駆動用回転軸はクランク部によって連結される状態となる。)。
そして、昇降装置を作動させるには、4本のクランクねじ軸の、回転軸20aに対するねじ軸11のクランク方向(回転軸20aの軸線に対するねじ軸の軸線の位置)と、駆動用回転軸26に対するモータ回転軸25のクランク方向が揃えられた状態で、駆動モータ21を始動させ、モータ回転軸25を回転させる。すると、駆動用回転軸26が回転し、静止状態である支持部18に対して旋回盤19が駆動用回転軸26の回転に伴って旋回運動をする。
【0021】
つまり、旋回盤19は、向きを一定の方向に向けたまま(すなわち自転することなく)、円運動をする。すなわち、旋回盤19上の任意の点は、偏位距離dを半径とする円運動をする。
従って、クランクねじ軸が配設されて支持される旋回盤19は、ねじ軸の軸線に対して直角な状態で、ねじ軸の軸線を中心に円運動をする(ねじ軸回りに旋回運動をする)こととなる。これにより、4本の回転軸20aが連動して回転し、さらに回転軸20bにそれぞれ連結される4本のねじ軸が同周期で回転する。そして、前述したように昇降台16が昇降移動することになる。
【0022】
旋回盤19の旋回運動は、モータ回転軸25の回転方向、スピード等を調整することにより逆方向に回転させたり、回転速度を減速したり加速させたりすることができる。これにより、ねじ軸の回転を制御して、昇降台16の昇降スピード、昇り、降りも制御することができる。
【0023】
このような昇降装置10は、綱車等を設置する機械室が不要なので、省スペースに適している。また、停電等により駆動モータ21が停止しても、昇降台16はねじ軸11とナット部17の螺合によって保持されるので、急降下や急上昇をすることがなく、特別な制動装置が不要となる。
【0024】
また、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
例えば、上記実施形態では回転軸とねじ軸の連結にあたって、両者の端部同士を接合したが、図9に示すようにねじ軸の下端部20bと回転軸20aとをクランクアーム50を介して接合してもよい。
【0025】
また、支持部と旋回盤を天井側に配設してもよい。この場合、旋回盤を支持部の上方に配置し、旋回盤に軸支される回転軸と、ねじ軸の上端部とをクランク部を介して連結する。
また、駆動モータを旋回盤に固定し、モータ回転軸と、ねじ軸の端部とを、互いの軸線が偏倚した状態で連結してもよい(つまり、クランク部によってモータ回転軸とねじ軸を連結する)。
さらに、図10に示すように複数のねじ軸のうちの1本を直接、駆動モータと連結してもよい。天井側に配設された駆動モータ21のモータ回転軸25は、ねじ軸11と同心に一体化されている。これによると、1本のねじ軸11の回転運動が旋回盤によって伝達されて、複数のねじ軸を同周期で回転させることができる。
また、複数の昇降台を、間隔を空けて配設してもよい。この場合、昇降台は間隔を空けながら同時に昇降移動をすることになる。
【0026】
さらに、図11に示されるように、ねじ軸51の天井側で固定されていた端部51bを開放すると、複数のねじ軸51が同期して回転駆動される同期回転出力軸装置52となる。この装置52は、旋回盤19を駆動部によって旋回させることにより、複数のねじ軸51が同期して回転駆動する。このねじ軸を出力軸として使用することができる。
この際も駆動部は、駆動モータ21のモータ回転軸25と、複数のねじ軸51のうちの一本とを連結してこれを回転駆動させる構成であってもよいし、支持部18に固定される駆動モータ21のモータ回転軸25と、旋回盤に回転自在に取りつけられた駆動用回転軸26とをクランク部によって連結する構成であってもよい(図11参照)。
また、同期回転出力軸装置52においては、支持部18は固定されなくてもよいし、ねじ軸51にねじ部が配設されていなくてもよい。さらに、ねじ軸の配設方向は、鉛直方向でなく、どちらの方向を向いていてもよい。
【0027】
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。
図5は、昇降装置の正面図である。図6はその昇降部を説明する断面図であり、図7は昇降部のナット部と回転軸の連結状態を説明する断面図である。そして、図8は、昇降部における旋回盤の平面図である。
【0028】
図5において、32は、螺刻されたねじ部32aを有するねじ軸である。4本のねじ軸32はそれぞれ、上端部32bが天井面12に配設される固定部によって天井面12側で固定され、下端部32cが地面13に配設される固定部によって地面13側で固定されることにより、昇降装置31を配設する天井面12と地面13との間に互いに平行に、鉛直方向に立設されている。
【0029】
図6に示されるように昇降部33は、昇降台34と、昇降台34と略同一形状に形成され、昇降台34に平行に配置される旋回盤35とを有している。昇降台34と旋回盤35は、共に金属等からなり、平面形状が略四角形に形成されている。
旋回盤35の4隅には、それぞれ上方に開口する凹部が形成され、凹部内にはベアリング35aが挿入され、固定されている。ベアリング35a内には、回転軸36aが、その軸線を中心として回転自在に挿入されている。
昇降台34の下面の、回転軸36aに対応する位置には、それぞれ下方に開口する凹部が形成され、凹部内にはベアリング34aが挿入、固定されている。このベアリング34a内には、支持軸36bが、その軸線を中心に回転可能に挿入されている。支持軸36bは、回転軸36aと略同一形状に形成される。
【0030】
そして、対応する回転軸36aと支持軸36bは、両者の軸線が所定の距離h(偏倚距離h)をおいて平行となるように、端面同士が接合されて一体化される。
また、ねじ軸と螺合するナット部44が、支持軸36b側から貫通し、回転軸36a及び支持軸36bと一体化されている。ナット部44にはその上部に鍔状に張り出すフランジ部44aが形成されていて、このフランジ部44aが支持軸36bの上面に当接して、ナット部44が固定されている。このとき、ナット部44の軸線と支持軸36bの軸線は一致している。
【0031】
こうして、ナット部44と回転軸36aは、両者の軸線が偏倚距離hをおいて平行となるように連結される。(つまり、回転軸36aとナット部44はクランク部によって連結される。)
このとき、旋回盤側と昇降台側の干渉を防ぐために、回転軸と支持軸には、ワッシャ39、40が外嵌されている。
また、これらワッシャの代わりに、回転軸と支持軸に鍔状に外方に張り出すフランジ部を両者の接合面側にそれぞれ設けて、昇降台と旋回盤の間に配設してもよい。
【0032】
上記構成を有する昇降部33は、旋回盤35に対して昇降台34を上方に配置した姿勢で、ナット部44にねじ軸32をそれぞれ挿入し螺合させることで天井面12と地面13の間で保持される。
この際、旋回盤35には、ねじ軸32が遊挿される貫通孔35n(図6参照)が設けられる。また、図ではナット部44が完全に回転軸36aを貫通していないが、完全に貫通するよう設けてもよい。ナット部44が完全に貫通していない場合は、回転軸36aにもねじ軸が遊挿される貫通孔36nが設けられる。
【0033】
次に旋回盤を回転駆動する駆動部について説明する。駆動部は、昇降台34に固定される駆動モータ37を有し、そのモータ回転軸42は昇降台34を貫通して旋回盤側に延出している。このモータ回転軸42に対応する旋回盤の位置には、上方に開口する凹部が設けられ、凹部内にはベアリングが挿入、固定されている。さらに、このベアリング内には駆動用回転軸41が、その軸線を中心に回転可能に挿入されている。この駆動用回転軸41には、モータ回転軸42が挿入され嵌合する貫通孔が軸線方向に形成されていて、この貫通孔にモータ回転軸が嵌合することにより、駆動用回転軸41とモータ回転軸42とは一体化される。このとき、モータ回転軸42の軸線と、駆動用回転軸41の軸線は平行で、両者の距離は、前述の偏倚距離hに等しく設定される。(つまり、モータ回転軸と駆動用回転軸は、クランク部によって連結される。)
【0034】
このような構成からなる昇降装置31は、駆動モータ37を作動させると、モータ回転軸42が回転し、これと一体化されている駆動用回転軸41が回転する。すると、駆動用回転軸41の回転に伴って旋回盤35が、昇降台34に対して相対的に旋回運動をする。
つまり、旋回盤35は向きを一定の方向に向けたまま(すなわち自転することなく)、円運動をする。すなわち、旋回盤上の任意の点は、偏倚距離hを半径とする円運動をする。従って、ねじ軸が貫通されて支持される旋回盤35は、ねじ軸の軸線に対して直角な状態で、ねじ軸の軸線を中心に円運動をする(ねじ軸回りに旋回運動をする)こととなる。
【0035】
そして、旋回運動をする旋回盤によって、4個の回転軸が連動して回転し、回転軸にクランク部を介して連結されている4個のナット部が同期して回転することとなる。
これにより、天井面12と地面13の間で固定されているねじ軸32に対して4個のナット部44が螺合しながら同時に昇降移動することとなって、昇降部33が矢印B方向に昇降する。
【0036】
昇降装置31は、第1実施形態と同様、綱車等を設置する機械室が不要なので、省スペースに適している。また、停電等により駆動モータ37が停止しても、昇降部33はねじ軸とナット部の螺合によって保持されるので、急降下や急上昇をすることがなく、特別な制動装置が不要となる。
【0037】
さらに、図5に示されるように昇降部33を複数設けても良い。駆動モータがそれぞれ配設された複数の昇降部33は、互いに独立して昇降運動をすることができる。
また、支持軸と回転軸は、図9で示したようにクランクアームを介して連結される構成であってもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明による昇降装置は、機械室が不要なので、省スペースに適している。また、停電等により駆動モータが停止しても、急降下や急上昇をすることがないので特別な制動装置が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による昇降装置の正面図である。
【図2】図1に示した昇降装置の駆動部の断面図である。
【図3】駆動部のクランク機構の断面図である。
【図4】旋回盤の平面図である。
【図5】他の実施形態の昇降装置の正面図である。
【図6】図5に示した昇降装置の昇降部の断面図である。
【図7】昇降部のクランク機構の断面図である。
【図8】旋回盤の平面図である。
【図9】他のクランク部の構成を示す断面図である。
【図10】駆動モータの他の配設方法を示す概略図である。
【図11】本発明による同期回転出力軸装置の概略図である。
【符号の説明】
10 昇降装置
11 ねじ軸
15 駆動部
16 昇降台
17 ナット部
18 支持部
19 旋回盤
Claims (9)
- 支持部に軸線を中心として回転可能に設けられた複数のねじ軸と、
前記支持部と平行に配置された旋回盤と、
該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、
該各回転軸と対応する前記ねじ軸とを連結するクランク部と、
前記旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、
該駆動部により前記旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ねじ軸を同期して回転駆動させることを特徴とする同期回転出力軸装置。 - 鉛直方向に配設され、固定配置された支持部に軸線を中心として回転可能に設けられた複数のねじ軸と、
該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、前記ねじ軸が同期して回転されることにより昇降する昇降台と、
前記支持部と平行に配置された旋回盤と、
該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、
該各回転軸と対応する前記ねじ軸とを連結するクランク部と、
前記旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、
該駆動部により前記旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ねじ軸を同期して回転駆動して前記昇降台を昇降動させることを特徴とする昇降装置。 - 前記駆動部は、複数の前記ねじ軸のうち1本と連結されて、これを回転させる駆動モータを含むことを特徴とする請求項2記載の昇降装置。
- 前記駆動部は、
前記支持部上に設けられる駆動モータと、
前記旋回盤に回転自在に取り付けられた駆動用回転軸と、
前記駆動モータのモータ回転軸と前記駆動用回転軸とを連結するクランク部とを含むことを特徴とする請求項2記載の昇降装置。 - 前記ねじ軸と前記回転軸とが軸線を偏倚させて端面同士が一体に接合されることによって前記クランク部が構成されていることを特徴とする請求項2〜4のうちのいずれか一項記載の昇降装置。
- 前記昇降台が前記ねじ軸上に所要間隔をおいて複数配設されていることを特徴とする請求項2〜5のうちのいずれか一項記載の昇降装置。
- 固定部に固定されて鉛直方向に配設された複数のねじ軸と、
該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、該ナット部がねじ軸上で同期して回転されることにより昇降する昇降台と、
該昇降台と平行に配置され、前記各ねじ軸が遊挿する貫通孔を有する旋回盤と、
該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、
該各回転軸と対応する前記ナット部とを連結するクランク部と、
前記旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、
該駆動部により前記旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ナット部を同期して回転駆動して前記昇降台を昇降動させることを特徴とする昇降装置。 - 固定部に固定されて鉛直方向に配設された複数のねじ軸と、該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、該ナット部がねじ軸上で同期して回転されることにより昇降する複数の昇降台と、
該各昇降台と平行に配置され、前記各ねじ軸が遊挿する貫通孔を有する旋回盤と、
該各旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、
該各回転軸と対応する前記ナット部とを連結するクランク部と、
前記各旋回盤を、前記ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを具備し、
該各駆動部を個別に駆動し、前記ナット部を回転させることにより前記旋回盤および前記クランク部を介して前記ナット部を同期して回転駆動して前記各昇降台を個別に昇降動させることを特徴とする昇降装置。 - 前記駆動部は、
前記昇降台上に設けられる駆動モータと、
前記旋回盤に回転自在に取り付けられた駆動用回転軸と、
前記駆動モータのモータ回転軸と前記駆動用回転軸とを連結するクランク部とを含むことを特徴とする請求項7または8記載の昇降装置。
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JP2011001179A (ja) * | 2009-06-19 | 2011-01-06 | Noboru Nishimura | 昇降式台装置 |
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2003
- 2003-05-23 JP JP2003146921A patent/JP2004345835A/ja active Pending
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