JP2007106587A - 回転機の据え付け工法及び回転機の据え付け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定のストローク長を有するスクリュージャッキの採用により仮設調整架台の不要化を図ると共に、回転機の支持が外れることを防止し、高い位置決め精度、及び荷重保持の安全性並びに工事の安全性の改善などを可能とする回転機の据え付け工法を提供する。
【解決手段】固定子と回転子を有する回転機の据え付け工法において、上記固定子に上記回転子を挿入した状態で、上記回転子を吊り上げ手段で吊り上げて支持すると共に、上記固定子を所定のストローク長を有するスクリュージャッキを複数個使用して下方から支持し、上記それぞれのスクリュージャッキで上記固定子を僅かずつ段階的に下降させ、それに合わせて上記回転子を下降させて上記固定子と上記回転子間のギャップを調整することにより上記回転機を据え付けることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】固定子と回転子を有する回転機の据え付け工法において、上記固定子に上記回転子を挿入した状態で、上記回転子を吊り上げ手段で吊り上げて支持すると共に、上記固定子を所定のストローク長を有するスクリュージャッキを複数個使用して下方から支持し、上記それぞれのスクリュージャッキで上記固定子を僅かずつ段階的に下降させ、それに合わせて上記回転子を下降させて上記固定子と上記回転子間のギャップを調整することにより上記回転機を据え付けることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この発明は、固定子と回転子を有する大型回転機をジャッキダウン工法により据え付ける回転機の据え付け工法及び回転機の据え付け装置に関するものである。
例えば、火力発電所の大型発電機や大容量空気圧縮機用の電動機などの大型回転機は総重量が数十トン以上にもなる。一般に、このように重量の大きい大型回転機における回転子は、固定子に挿入した状態でその両外側に配置した別の軸受機構で軸支される。このように構成される大型回転機を基礎部に据え付けるには、天井クレーンの最大許容荷重や建て屋の天井高さ等の制約から、一般にジャッキダウン工法が採用されている。
従来の大型回転機のジャッキダウン工法は、例えば回転子を固定子に挿入した状態で、回転子の両軸端部をそれぞれクレーン等の吊り上げ手段で吊り上げて支持すると共に、固定子を下側から複数の油圧ジャッキと仮設調整架台で支持する。次に、それら油圧ジャッキと仮設調整架台を操作して固定子を僅かずつ段階的に下降させながら、それに合わせて吊り上げ手段を操作して回転子を下降させ、最終的に据え付け基礎部上の所定位置に大型回転機を据え付けている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献に開示されているジャッキダウン工法は、複数の油圧ジャッキと仮設調整架台を使用して行われるので、回転機の固定子と回転子間のギャップ量相当分の下げ代に対応する油圧ジャッキの架台と、固定子の荷重を保持する仮設調整架台を設置しなければならず、仮設調整架台を、固定子の荷重に対する強度や重量、あるいは大きさの制限を考慮し、その都度、設計、製作を行う必要がある。また、油圧ジャッキの据え付け変更や仮設調整架台の高さ調整に多大な労力を要するなどの問題点があった。
この発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、所定のストローク長を有するスクリュージャッキの採用により仮設調整架台の不要化を図ると共に、油圧ジャッキの油漏れなどによる圧力低下から支持が外れることを防止し、高い位置決め精度を得ると共に、荷重保持の安全性並びに据え付け工事の安全性の改善などを可能とする回転機の据え付け工法及び回転機の据え付け装置を提供するものである。
この発明にかかる回転機の据え付け工法は、固定子と回転子を有する回転機の据え付け工法において、上記固定子に上記回転子を挿入した状態で、上記回転子を吊り上げ手段で吊り上げて支持すると共に、上記固定子を所定のストローク長を有するスクリュージャッキを複数個使用して下方から支持し、上記それぞれのスクリュージャッキで上記固定子を僅かずつ段階的に下降させ、それに合わせて上記回転子を下降させて上記固定子と上記回転子間のギャップを調整することにより上記回転機を据え付けることを特徴とするものである。
また、この発明にかかる回転機の据え付け装置は、固定子と回転子を有する回転機の据え付け支援装置において、上記固定子に上記回転子を挿入した状態で、上記回転子を吊り上げて支持する吊り上げ手段と、上記固定子を下方から支持すると共に、ねじ軸の回転により移動するトラベリングナットの下降により上記固定子を下降させる複数個のスクリュージャッキと、を備えたことを特徴とするものである。
この発明によれば、固定子と回転子を有する大型回転機を据え付け基礎部上の所定位置に据え付けるに当たり、所定長のストロークを有するスクリュージャッキを採用したので、仮設調整架台を不要とし、油圧ジャッキの油漏れなどによる圧力低下から支持が外れることもなく、高い位置決め精度を得ると共に、荷重保持の安全性並びに据え付け工事の安全性の改善が図れ、更には仮設機材の削減、作業の省力化が図れる効果がある。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる回転機の据え付け工法及び回転機の据え付け装置について好適な実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1から図5はこの発明の実施の形態1を説明する図で、図1は回転機の据え付け装置により、大型回転機を据え付けている状態を示す斜視図、図2は図1に示すスクリュージャッキを示す図、図3及び図4は回転機の固定子とスクリュージャッキとの結合部を説明する図で、それぞれ(a)は平面図、(b)は側面図を示している。また、図5は回転機の固定子と回転子のジャッキダウンの状況を示す図である。
図1から図5はこの発明の実施の形態1を説明する図で、図1は回転機の据え付け装置により、大型回転機を据え付けている状態を示す斜視図、図2は図1に示すスクリュージャッキを示す図、図3及び図4は回転機の固定子とスクリュージャッキとの結合部を説明する図で、それぞれ(a)は平面図、(b)は側面図を示している。また、図5は回転機の固定子と回転子のジャッキダウンの状況を示す図である。
図1において、回転機1は固定子2と回転子3を有し、回転子3は固定子2の横方向から固定子2に挿入され、挿入された状態でその両外側に配置される別の軸受機構(図示せず)で軸支される。一例を挙げれば、固定子2は略40〜50トン程度、回転子3は略30〜40トン程度の重量を有し、回転機1の総重量は70〜90トン程度の重量となる。
固定子2は、その平面から見た形状が方形に形成されており、下部の4隅には中央部に穴hが形成された支持部4が設けられ、上部には吊り上げ用の受け部(図示せず)が設けられている。また、回転子3の一方の端部には図示しない負荷設備に連結する連結部(カップリング)5が設けられている。この回転子3は、ワイヤロープ6で吊り下げられたリフティングビーム7と、回転子3の両軸端部とリフティングビーム7との間に吊り下げられるワイヤロープ8を用いて吊り下げられ、固定子2にその横方向から挿入されて回転機1を構成する。
実施の形態1による回転機の据え付け装置では、図1あるいは図2に示すように、固定子2を支持してジャッキダウンする4個のスクリュージャッキ9が使用される。このスクリュージャッキ9は、支持荷重や移動量の支持条件に応じて、必要な容量、ストローク長が選定されるものであり、スクリュージャッキ本体9aと、このスクリュージャッキ本体9aに垂直方向に立設されるねじ軸9bと、スクリュージャッキ本体9aに回転可能に装着され、ねじ軸9bの回転を司るハンドホィール9cと、ねじ軸9bの回転により、ねじ軸9bの下方端から上方端までを移動するトラベリングナット9dとから構成されている。なお、スクリュージャッキ本体9aは、回転機1の設置場所のベース10上に設置されている。
実施の形態1による回転機の据え付け支援装置は上記のように構成されており、次に、回転機1をジャッキダウンして据え付ける手順について説明する。先ず、固定子2と回転子3を個別に、または固定子2に回転子3を挿入した状態で設置場所付近に搬送する。
一例として、固定子2と回転子3を個別に搬送した場合は、固定子2の上部に設けた吊り上げ受部(図示せず)を利用し、固定子2をクレーン等の吊り上げ手段を用いて設置位置付近の仮置き場所に搬送する。
次に、固定子2の下部の4隅に設けられた支持部4と、4個のスクリュージャッキ9のトラベリングナット9dとを、図1及び図4に示すように連結接続させるにあたり、ジャッキダウン寸法α(略800〜2200mm)とスクリュージャッキ9のストローク長(図2参照)からトラベリングナット9dの高さ位置を決めて、固定子2が水平になるように、4個のスクリュージャッキ9により調整を行いつつ、固定子2の下部の4隅にある支持部4とトラベリングナット9dとを接続固定する。即ち、スクリュージャッキ9のねじ軸9bを、固定子2の支持部4に形成される穴hに挿入することにより支持部4とトラベリングナット9dとを接続固定する。その後、固定子2を設置場所の基礎部10上に移動し、クレーン等の吊り上げ手段でワイヤロープ6、リフティングビーム7、及びワイヤロープ8を用いて両端部を吊り上げた回転子3を、固定子2に挿入することによりジャッキダウンの準備が完了する。この時の固定子2と回転子3との位置関係が図5(a)に示されている。
次に、4個のスクリュージャッキ本体9aに回転可能に装着されたハンドホィール9cを回転操作し、固定子2を僅かに下降させる。その下降量は固定子2と回転子3のギャップ量β(例えば40mm程度)より小さい値とする。即ち、吊り上げ手段で固定している回転子3に固定子2が接触しない範囲で、先ず固定子2を僅かに、例えば30mm程度降下させる。なお、ハンドホィール9cの回転操作は、4個のハンドホィール9cを固定子2にずれが生じない(ハンドホィール9cの回転操作にアンバランスが生じると、固定子2には横方向のずれ分力が発生する)程度に適宜回転操作すればよいが、4個同期回転操作するのが好ましく、この時の固定子2と回転子3との位置関係が図5(b)に示されている。
次に、回転子3を吊り上げている吊り上げ手段を操作し、固定子2の下降量に相当する量だけ回転子3を下降させることにより、固定子2と回転子3の上下関係をもとの状態に戻す。この時の固定子2と回転子3との位置関係が図5(c)に示されている。
上記のように1回分の僅かな固定子2の下降操作ごとに、回転子3の下降操作を行い、同様の操作を順次繰り返すことにより、最終的に大型回転機1は、設置場所の基礎部10上に設置される。その後、回転子3を軸支して、固定子2を基礎部10に固定することにより、大型回転機1の据付施工が完了する。なお、この時の固定子2と回転子3との位置関係が図5(d)に示されている。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、固定子2に回転子3を挿入した状態で、回転子2を吊り上げ手段で吊り上げて支持すると共に、固定子2を4個のスクリュージャッキ9で下方から支持し、ジャッキダウンするので、仮設調整架台を不要とし、油圧ジャッキの油漏れなどによる圧力低下から支持が外れることもなく、高い位置決め精度を得ると共に、荷重保持の安全性並びに工事の安全性の改善が図れ、更には仮設機材の削減、作業の省力化が図れる効果がある。
実施の形態2.
実施の形態1においては、スクリュージャッキに回転可能に装着された4個のハンドホィールを回転操作することにより、ねじ軸を回転させ、固定子をジャッキダウンする回転機の据え付け工法及び回転機の据え付け装置について図示説明したが、この実施の形態1によれば、ハンドホィールの回転操作に4人の操作者が必要となり、ハンドホィールの操作量にアンバランスが生じる可能性があり、これにより固定子に横方向のずれ分力が発生する恐れがある。
実施の形態1においては、スクリュージャッキに回転可能に装着された4個のハンドホィールを回転操作することにより、ねじ軸を回転させ、固定子をジャッキダウンする回転機の据え付け工法及び回転機の据え付け装置について図示説明したが、この実施の形態1によれば、ハンドホィールの回転操作に4人の操作者が必要となり、ハンドホィールの操作量にアンバランスが生じる可能性があり、これにより固定子に横方向のずれ分力が発生する恐れがある。
実施の形態2はこの問題点を解決するもので、図6に示すように、4個のスクリュージャッキのそれぞれのねじ軸を同期回転させる同期回転手段を備えたものである。
図6において、4個のスクリュージャッキ9のそれぞれのねじ軸9bは、周知の回転駆動装置、例えば、ギャードモータ60により回転駆動される構成になっており、このギャードモータ60は、制御装置61により回転制御される。但し、図6では3個のスクリュージャッキ9とギャードモータ60との結合状態が示されているのみで、他の1個のスクリュージャッキ9とギャードモータ60との結合状態の図示は省略されている。制御装置61は、交流電源62から交流電力の供給を受け、ギャードモータ60を回転制御する。
ここで、4個のスクリュージャッキ9のそれぞれのねじ軸9bをギャードモータ60により回転駆動される構成としては、図6で示したように、4個のねじ軸9bそれぞれを、同一仕様の4台のギャードモータ60で回転駆動させる方法を選択してもよく、また、1台のギャードモータ60の回転駆動力を4個のねじ軸9bに均等伝達させる手段を選択してもよい。なお、ギャードモータ60と制御装置61は、同期回転手段63を構成するものであり、その他の構成については、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態2によれば、実施の形態1の効果に加え、4個のスクリュージャッキのそれぞれのねじ軸を同期回転させるので、固定子に横方向のずれ分力を発生させることがなくなり、固定子の安定したジャッキダウンを可能にする効果を有する。
以上のように、この発明にかかる回転機の据え付け工法及び据え付け装置は、回転機のジャッキダウン時に、油圧ジャッキの油漏れなどによる圧力低下から支持が外れることもなく、高い位置決め精度を得ると共に、荷重保持の安全性並びに工事の安全性の改善が図れ、更には仮設機材の削減、作業の省力化を可能とし、産業上の利用可能性は大なるものである。
1 回転機
2 固定子
3 回転子
4 支持部
5 連結部(カップリング)
6,8 ワイヤロープ
7 リフティングビーム
9 スクリュージャッキ
9a スクリュージャッキ本体
9b ねじ軸
9c ハンドホィール
9d トラベリングナット
10 基礎部
2 固定子
3 回転子
4 支持部
5 連結部(カップリング)
6,8 ワイヤロープ
7 リフティングビーム
9 スクリュージャッキ
9a スクリュージャッキ本体
9b ねじ軸
9c ハンドホィール
9d トラベリングナット
10 基礎部
Claims (3)
- 固定子と回転子を有する回転機の据え付け工法において、上記固定子に上記回転子を挿入した状態で、上記回転子を吊り上げ手段で吊り上げて支持すると共に、上記固定子を所定のストローク長を有するスクリュージャッキを複数個使用して下方から支持し、上記それぞれのスクリュージャッキで上記固定子を僅かずつ段階的に下降させ、それに合わせて上記回転子を下降させて上記固定子と上記回転子間のギャップを調整することにより上記回転機を据え付ける回転機の据え付け工法。
- 固定子と回転子を有する回転機の据え付け支援装置において、上記固定子に上記回転子を挿入した状態で、上記回転子を吊り上げて支持する吊り上げ手段と、上記固定子を下方から支持すると共に、ねじ軸の回転により移動するトラベリングナットの下降により上記固定子を下降させる複数個のスクリュージャッキと、を備えたことを特徴とする回転機の据え付け装置。
- 上記複数のスクリュージャッキのそれぞれのねじ軸の回転を同期回転させる同期回転手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の回転機の据え付け装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005302057A JP2007106587A (ja) | 2005-10-17 | 2005-10-17 | 回転機の据え付け工法及び回転機の据え付け装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005302057A JP2007106587A (ja) | 2005-10-17 | 2005-10-17 | 回転機の据え付け工法及び回転機の据え付け装置 |
Publications (1)
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JP2007106587A true JP2007106587A (ja) | 2007-04-26 |
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ID=38032754
Family Applications (1)
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JP2005302057A Pending JP2007106587A (ja) | 2005-10-17 | 2005-10-17 | 回転機の据え付け工法及び回転機の据え付け装置 |
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-
2005
- 2005-10-17 JP JP2005302057A patent/JP2007106587A/ja active Pending
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A02 | Decision of refusal |
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