JP5798029B2 - エレベータ用巻上機 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータ用の巻上機に関し、特に、綱車が昇降路内の壁面に面して設置される巻上機に関する。
一般的なエレベータにおいては、乗りかごを上下に昇降させるための巻上機、そのモータを制御する制御装置、乗りかごの速度が過剰に上がったような非常時に乗りかごを制動する調速機などは、建物の最上部にある機械室に設置されている。
しかし、機械室を設けずに巻上きや制御装置などを昇降路内に設置する機械室レスエレベータもある。機械室レスエレベータは乗りかごの昇降速度が比較的遅いような用途で普及している。
このような機械室レスエレベータの場合、一般的なエレベータでは機械室に設置されるような機器が全て昇降路内に設置される。乗りかごに接続されたロープを巻きかけた綱車を回転させることによって乗りかごを昇降させる巻上機も昇降路内に設置される。
巻上機の昇降路内への設置形態には様々な形態がある。例えば、昇降路の最下部または最上部において、巻上機の一部または全体と乗りかごとが重なるように巻上機を設置する形態の機械室レスエレベータがある。
また、昇降路の高さ方向の中間部に、乗りかごと昇降路壁との隙間に巻上機を設置する形態の機械室レスエレベータもある。乗りかごと昇降路壁の隙間は通常数百mm程度であるため、その隙間に巻上機を設置するために、扁平形状のいわゆる薄型巻上機が用いられる。
図1は、薄型巻上機を用いた機械室レスエレベータの一例における昇降路の水平断面の断面図である。薄型巻上機(以下、単に「巻上機」という)1は昇降路壁2と乗りかご3の間にある数百mm程度の隙間に、昇降路壁2に対面するように設置されている。巻上機1の隣には釣合いおもり4が配置されている。つまり、巻上機1は、昇降路壁2、乗りかご3、釣合いおもり4によって四方を囲まれている。
そして、ロープを巻きかけて回転する綱車7が昇降路壁2側となり、筐体が乗りかご3側となっている。そのため、エレベータの出入口や昇降路内からは綱車7は筐体に隠れて視認できない。
綱車7に巻きかけられたロープの両端には釣合いおもり4と乗りかご3が接続されている。巻上機1がロープを巻き上げると、釣合いおもり4が釣合いおもり用のガイドレール5に沿って、乗りかご3が乗りかご用のガイドレール5に沿って、つるべ式に昇降する。
また、乗りかご3には、乗りかご用のガイドレール5を挟むことによって制動力を発生する非常止め装置8が設けられている。
図2は、薄型巻上機を用いた機械室レスエレベータを側方から見た模式図である。
乗りかご3と釣合いおもり4は、複数のプーリ10を介して、主索(ロープ)9で連結されている。乗りかご3と釣合いおもり4の中間部に、主索9を駆動する綱車7が組み込まれた巻上機1が配置されている。
また、主索9が切断した場合など、何らかの異常事態に備え、乗りかご3には非常止め装置8が装備されている。そして、この非常止め装置8が正常に動作するかどうかを定期的に確認することが義務付けられている。
非常止め装置8の動作確認の方法として、乗りかご3を落下させるなど、実際に非常止め装置8が動作するのと同じ条件で試験を行うことも考えられる。しかし、そうすると、非常止め装置8、乗りかご3、あるいはガイドレール5など、エレベータ機器の一部が損傷する可能性があるため、得策とは言えない。そのため、一般には、乗りかご3を実際に落下させることなく、代替的な方法で動作確認が行われる。
例えば、まず、乗りかごの非常止め装置8を、制動力を発生するように意図的に動作させておき、その状態で、釣合いおもり4を上昇させるように巻上機1の綱車7を駆動させる。非常止め装置8が正常に機能していれば、このとき乗りかご3が下降できないので、釣合いおもり4を持ち上げようとする力だけが発生する。
しかし、綱車7と主索9の間の摩擦力は乗りかご3を固定したままで釣合いおもり4を持ち上げられる程には強くない。そのため綱車7が空転する。すなわち、主索9が動かず、綱車7だけが回転するという状態が発生する。この綱車7の空転を目視にて確認することで、非常止め装置8が正常に機能していると確認できる。上述のような綱車7の空転の確認は、作業中の確認者の安全を確保するために、昇降路外すなわちエレベータ出入口の外の乗り場から目視が行われる。
また、巻上機1における綱車7の空転の確認は定期的なメンテナンスにおいて行われるので、メンテナンス性を確保するため、巻上機1は昇降路における最下階の建屋の床面よりも高い位置に設置される場合が多い。これは、昇降路の下部に巻上機1が設置されていれば、作業者は昇降路最下部のピット床面またはピット床面に置いた踏み台から作業や目視をすることができ、作業性が良くかつ安全だからである。また、昇降路の最下部に設けられたピットが深いエレベータの場合は、巻上機近傍に設置した専用の点検台からメンテナンスを実施する必要があるが、点検台にはピットからアクセスできるため、巻上機1が昇降路の下部にあれば、作業者は容易に点検台に上ることができる。
また、巻上機1の綱車7は、昇降路における最下階の建屋の床面よりも高い位置に設置される場合が多い。これは、自然災害などで建屋に大量の水が浸入し、昇降路最下部が冠水した場合でも、巻上機1が水に浸からないようにするためである。
一方、巻上機1を昇降路の最下部ではなく、昇降路の中間部あるいは上部に設置した場合、乗りかご3の天井上に作業者が乗ってメンテナンスを行うか、あるいは巻上機1の近傍に設けた点検台を使ってメンテナンスを行う必要がある。いずれの場合も、ピット近傍での作業と比べて作業性、高所に対する安全性、作業場所へのアクセス性が劣る。
以上のような理由で巻上機1は昇降路の下部かつ最下階の建屋床面よりも上側となるように設置されることが多い。具体的には、巻上機1は底面の位置が建屋最下階の床面付近となるように設置される。そして、非常止め装置8の動作確認のための綱車7の空転の目視確認は、建屋最下階のエレベータ出入口で行われる。
しかし巻上機1は、設置された状態では、綱車7が昇降路壁2と対向し、その綱車7のエレベータ出入口側に筐体があるので、エレベータ出入口から綱車7の空転を直接目視することは困難である。
ブレーキパッドやブレーキドラムといったブレーキの制動面の状態を目視確認するために、筐体に点検穴を設けたエレベータ用巻上機が特許文献1〜4に開示されている。
特開2010−1102号公報 特開2008−260588号公報 特開2008−222372号公報 特開2006−8258号公報
しかし、特許文献1〜4に開示された点検穴は、いずれもブレーキの制動面の状態を目視確認するためのものである。これらによってブレーキの制動面の確認は可能となるが、綱車7の回転を目視確認するには不向きなものであった。通常、ブレーキディスクやブレーキドラムの制動面はその性質上、平面であるため、ブレーキディスクやブレーキドラムの回転を目視で確認しずらい。特に、非常止め装置8の動作確認においてはエレベータ出入口の外という遠くから目視確認を行うため、更に目視確認が困難になる。
本発明の目的は、綱車を昇降路側に配置するように昇降路内に設置される巻上機において、綱車の回転を容易に目視確認できるようにする技術を提供することである。
本発明の一態様によるエレベータ用巻上機は、乗りかごの懸垂荷重を支持する筐体と、前記筐体に対して回転可能に前記筐体内に設置され、綱車を構成する綱車構成部と、を有し、前記綱車構成部の前記筐体に対向する側に、回転軸を中心とした円状に物理的凹凸形状を有する円環状部分があり、前記筐体は前記綱車に対向する面における前記円環状部分の一部の真横に貫通穴を有するものである。
また、本発明の他の態様として、前記筐体には前記綱車構成部を回転させるためのモータの固定子が取り付けられ、前記綱車構成部には前記モータの回転子が取り付けられており、前記綱車構成部の物理的凹凸形状は、前記回転子を前記綱車構成部に固定するための固定用部品で構成されていてもよい。
また、本発明の他の態様として、前記回転子が積層電磁鋼板を含んで構成され、前記固定用部品が前記積層電磁鋼板を前記綱車構成部に固定する、円環状に配置されたボルトであってもよい。
また、本発明の他の態様として、前記エレベータ用巻上機の設置状態での高さ方向において、前記貫通穴の中心線が前記固定用部品の中心と同じ高さであってもよい。
また、本発明の他の態様として、前記エレベータ用巻上機の設置状態での高さ方向において、前記貫通穴が前記綱車構成部の回転軸よりも上に設けられていてもよい。
また、本発明の他の態様として、前記貫通穴は、前記綱車構成部における前記円環状部分と同一曲率で前記円環状部分に沿って湾曲して伸びる円弧状の長穴であってもよい。
本発明によれば、綱車を昇降路側に配置するように昇降路内に設置される巻上機において、綱車の回転を容易に目視確認できるようになる。
薄型巻上機を用いた機械室レスエレベータの一例における昇降路の水平断面の断面図である。 薄型巻上機を用いた機械室レスエレベータを側方から見た模式図である。 巻上機1を綱車7の反対側から見た背面図である。 巻上機1の側面図である。 巻上機1を綱車7の正面から見た正面図である。 図5におけるA−A断面の断面図である。 図3の筐体11に設けた貫通穴付近の拡大図である。 昇降路内に設置された巻上機1を側面から見た断面図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態のエレベータは基本的には図1に示したものと同様の薄型巻上機を用いた機械室レスエレベーターである。
図1を参照して説明すると、巻上機1は昇降路壁2と乗りかご3の間にある隙間に、昇降路壁2に対面するように設置されている。巻上機1の隣には釣合いおもり4が配置されている。そして、ロープが巻きかけられ、回転する綱車7が昇降路壁2側となり、筐体が乗りかご3側となっている。
綱車7に巻きかけられたロープの両端には釣合いおもり4と乗りかご3が接続されている。巻上機1がロープを巻き上げると、釣合いおもり4が釣合いおもり用のガイドレール5に沿って、乗りかご3が乗りかご用のガイドレール5に沿って、つるべ式に昇降する。そして、乗りかご3には、乗りかご用のガイドレール5を挟むことによって制動力を発生する非常止め装置8が設けられている。
本実施形態の機械室レスエレベータを側方から見た場合についても図2に示したものと同様となっている。
図2を参照して説明すると、乗りかご3と釣合いおもり4は、複数のプーリ10を介して、主索(ロープ)9で連結されている。乗りかご3と釣合いおもり4の中間部に、主索9を駆動する綱車7が組み込まれた巻上機1が配置されている。
また、主索9が切断した場合など、何らかの異常事態に備え、乗りかご3には非常止め装置8が装備されている。
非常止め装置8が正常に動作するかどうかを定期的に確認することが義務付けられている。
ここでは乗りかご3を実際に落下させることなく、動作確認が行われる。
具体的には、まず、乗りかごの非常止め装置8を、制動力を発生するように意図的に動作させておき、その状態で、釣合いおもり4を上昇させるように巻上機1の綱車7を駆動させる。非常止め装置8が正常に機能していれば、このとき乗りかご3が下降できないので、釣合いおもり4を持ち上げようとする力だけが発生する。しかし、綱車7と主索9の間の摩擦力は乗りかご3を固定したままで釣合いおもり4を持ち上げられる程には強くないため綱車7が空転する。この綱車7の空転を目視にて確認することで、非常止め装置8が正常に機能していると確認できる。綱車7の空転の確認は、作業中の確認者の安全を確保するために、昇降路外すなわちエレベータ出入口の外の乗り場から目視が行われる。
以下、上述のようなエレベータに用いる巻上機の実施例について説明する。
図3は巻上機1を綱車7の反対側から見た背面図、図4は側面図、図5は巻上機1を綱車7の正面から見た正面図、図6は図5におけるA−A断面の断面図、図7は図3の筐体11に設けた貫通穴付近の拡大図である。
この薄型の巻上機1は主に、綱車7、筐体11、ブレーキドラム12、軸受13、主軸14、軸受カバー15、16、モータの回転子を構成する積層電磁鋼板17および永久磁石18、積層電磁鋼板17を固定するボルト19、モータの固定子を構成する積層電磁鋼板20および固定子巻線21、電磁ブレーキ装置22から構成される。
筐体11は鋳鉄でおおよその形状に成形した後、機械加工したものであり、中心部は中空円筒形状になっている。中空円筒形状部には主軸14の一端を締まりばめ勘合で片持ち支持し、主軸14の他端には軸受13を固定している。
ここでは綱車7とその綱車7と一体に成形されたブレーキドラム12とを含む綱車構成部が鋳鉄で成形されている。ブレーキドラム12は綱車7よりも大径である。綱車構成部が軸受13の外周部に固定されている。ブレーキドラム12の外周部付近の断面形状はL型で、それによりブレーキドラム12は綱車7とは反対側に凹形状を有する有底の円筒状となっている。なお、綱車7とブレーキドラム12は一体となって筐体に対して回転すれば良く、それぞれ別体部品で成形し、焼きばめなどで連結しても良い。
ブレーキドラム12において軸受13が固定された部分の側面には、軸受13を保護するための軸受カバー15および16が固定されている。
ブレーキドラム12の内径部には円環状の積層電磁鋼板17が配され、積層電磁鋼板17は綱車7とは反対側の側面から複数のボルト19でブレーキドラム12に固定されている。
円環状の積層電磁鋼板17の内径部には複数の永久磁石18が貼り付けられており、積層電磁鋼板17と永久磁石18とによって表面磁石式モータの回転子が構成されている。
筐体11の内部には綱車7の側に凹の有底円筒部を有し、その円筒部の外周面に、円環状の積層電磁鋼板20が固定されている。積層電磁鋼板20は固定子巻線21を備え、積層電磁鋼板20と固定子巻線21とによって上記表面磁石式モータの固定子を構成している。
前述の回転子と固定子はエアギャップを挟んで径方向に対向し、かつ回転子が固定子の外周側となるように配置され、いわゆるラジアルギャップ型のアウタロータモータを構成する。
筐体11の上下にはそれぞれ1セットの電磁ブレーキ装置22が固定されており、その電磁ブレーキ装置22がブレーキドラム12の最外周面を制動することで綱車7の回転を静止せしめる。なお、本ブレーキは、電磁ブレーキ装置22が2セットなのでダブルブレーキである。ただし、ここに示した構成は一例であり、電磁ブレーキ装置22の設置位置は上下である必要は必ずしも無い。
更に、本実施例の巻上機1では、筐体11の側面、かつモータ回転子を構成する積層電磁鋼板17を固定するボルト19の真横に、すなわち貫通穴30の中心線がボルト19の中心と同じ高さとなる位置に、筐体11の外部と内部を完全に貫く貫通穴30が設けられている。この貫通穴30を設けることで、エレベータ出入り口側から、前述の積層電磁鋼板17およびボルト19が回転している様子を目視することが可能となっている。積層電磁鋼板17とボルト19はブレーキドラム12と一体に回転し、ブレーキドラム12は綱車7と一体に回転するため、積層電磁鋼板17とボルト19の回転を目視確認することで、綱車7が回転していることを確認できる。
目視確認するのはブレーキドラム12の側面でも良いが、ブレーキドラム側面は一般に加工面であるため、平滑かつ単一色であり、またエレベータ出入り口から巻上機までの距離は数m以上ある上に、昇降路内は薄暗いため、回転しているかどうかを目視で判断するのは困難である。そこで、ブレーキドラム12の側面を、例えば縞模様に塗装するなどの手法が考えられるが、塗装の手間が増えるのに加えて、経年的な汚れ、塗装の剥がれなどで目視困難となるため、定期的な清掃や再塗装も必要となる。
一方、本実施例では、積層電磁鋼板17を固定する複数のボルト19で構成された物理的凹凸形状を有する円環状部分を真横の貫通穴30から目視するので、薄暗い昇降路内で目視しやすく、また経年的に汚れが生じても目視が可能な状態が維持される。
ところで筐体11はエレベータの懸垂荷重を支持しており、筐体11に貫通穴を設けると強度や剛性が低下するため、貫通穴の大きさは最小限とするのが好ましい。機械室レスエレベータに使用する薄型巻上機は小型であることが要求される。巻上機が大型化すると、それに応じて昇降路断面も拡大しなければならないためである。つまり筐体11に設けた貫通穴による強度や剛性の低下が大きいと、それを補うために筐体11を大型化する必要があり、機械室レスエレベータに不適切な巻上機となってしまう。
筐体11は鋳鉄などで成形するが、エレベータの懸垂荷重を支持するために、その肉厚は一般に10〜30mm程度が必要であり、貫通穴30の大きさを最小限とするために、ボルト19とボルト19の真横に設けた筐体11の貫通穴30とを結ぶ直線の延長線上から目視確認作業を行えるようにするのがよい。
一方、延長線上ではなく斜めから目視確認作業を行う場合、筐体11に設ける貫通穴30が小さいと、筐体11の影に隠れて積層電磁鋼板17とボルト19を目視できなくなってしまう。つまり、この場合、筐体11に設ける貫通穴30が大型化するため、貫通穴30によって低下する筐体11の強度や剛性を補うために筐体11の大型化を招くことになる。
また、綱車7の回転に伴って移動するボルト19を目視するので、ボルト19が移動している様子が分かるように貫通穴30は大きい方がよい。しかし、上述のように、貫通穴30が大きくなると、筐体11の強度や剛性が低下する。そこで、本実施例では、貫通穴30をできるだけ小さく、かつボルト19の移動の様子が目視しやすいように、貫通穴30を、ボルト19の移動経路をなす円弧状部分と同一曲率で円弧状部分に沿って湾曲した長穴としている。
また、図8に示すように薄型巻上機は、巻上機1の最下面の位置が、建屋最下階の床面付近となるように昇降路に設置される場合が多い。昇降路が浸水しても巻上機1が水に浸からないように、例えば、建屋最下階の床面から200mm程度上に巻上機1の最下面が位置するように巻上機1が設置される場合が多い。そして、機械室レスエレベータで使用される薄型巻上機の全高は一般に1000mm以下程度である。そのため、作業者が自然な姿勢で立って、ボルト19とボルト19の真横に設けた筐体11の貫通穴30を結ぶ直線の延長線上から目視確認作業を行えるようにするには、綱車7の中心軸より上側に貫通穴30を設けるのが良く、筐体11の最上部付近に設けるのが最良となる。
例えば、筐体11に設けた貫通穴30が綱車7の中心軸と同じ高さの場合で、エレベータ出入口の床面に対する貫通穴の高さ位置は、500mmかそれより少し高い程度となる。そのため、作業者が膝を床面に付ける程度の容易な姿勢で、目視確認することができる。しかし、貫通穴30がそれよりも低い位置、すなわち、綱車7の中心軸より下側になると、作業者はエレベータ出入口の床面に寝転ぶような姿勢を取らねばならない。作業者は目視作業と同時に、機器の操作をする必要があるため、目視確認性および機器作業性が著しく悪化する。
以上、本実施例により、機械室レスエレベータに好適な薄型巻上機を、昇降路の下部付近かつ建屋最下階の床面よりも上側に設置し、巻上機1の綱車7が昇降路壁2に対向配置される機械室レスエレベータに関して、非常止め装置の動作確認手段として、綱車7の空転を容易かつ長期間に渡って安定的に目視確認することが可能となる。
また、本実施例では、複数のボルト19による物理的凹凸形状を貫通穴30から目視確認する例を示した。目視確認用に別途、物理的凹凸形状を設ける必要が無いので、構成が単純化できるが、必ずしも本発明がこれに限定されるものではない。他の例として、貫通穴30からの目視確認用に物理的凹凸形状を設けることにしてもよい。その場合には目視確認を行いやすい位置に物理的凹凸形状を設けることができる。
上記実施例1では、ブレーキドラム12の内径部に、積層電磁鋼板17と永久磁石18で構成された回転子を配するアウターロータ構成のモータを例示したが、本発明がこれに限定されることはない。実施例2は、インナーロータ構成のモータに本発明を適用した例である。
本実施例2では、ブレーキドラム12の外周面にボルト19によって積層電磁鋼板17を固定し、積層電磁鋼板17の外周面に永久磁石18を貼り付ける。また筐体11に固定する固定子はエアギャップを挟んで径方向に対向し、かつ回転子が固定子の内側となるように配置する。また電磁ブレーキ装置22は筐体11の内部に固定し、ブレーキドラム12の内周面を制動する構造とする。
そして、本実施例でも実施例1と同様に、ボルト19の真横に、すなわち貫通穴30の中心線がボルト19の中心と同じ高さとなる位置に、筐体11の外部と内部を完全に貫く貫通穴30が設けられており、エレベータ出入口側から、積層電磁鋼板17およびボルト19が回転している様子を目視dきるようになっている。
上述した本発明の実施例は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
1…巻上機、10…プーリ、11…筺体、12…ブレーキドラム、13…軸受、14…主軸、15…軸受カバー、16…軸受カバー、17…積層電磁鋼板、18…永久磁石、19…ボルト、2…昇降路壁、20…積層電磁鋼板、21…固定子巻線、22…電磁ブレーキ装置、30…貫通穴、5…ガイドレール、7…綱車、8…非常止め装置、9…主索

Claims (2)

  1. 乗りかごの懸垂荷重を支持する筐体と、
    前記筐体に対して回転可能に前記筐体内に設置され、綱車を構成する綱車構成部と、を有し、
    前記綱車構成部の前記筐体に対向する側に、回転軸を中心とした円状に物理的凹凸形状を有する円環状部分があり、
    前記筐体は前記綱車に対向する面における前記円環状部分の一部の真横に貫通穴を有し、
    前記筐体には前記綱車構成部を回転させるためのモータの固定子が取り付けられ、
    前記綱車構成部には前記モータの回転子が取り付けられており、
    前記綱車構成部の物理的凹凸形状は、前記回転子を前記綱車構成部に固定するための固定用部品で構成され、
    前記エレベータ用巻上機の設置状態での高さ方向において、前記貫通穴の中心線が前記固定用部品の中心と同じ高さであり、
    前記エレベータ用巻上機の設置状態での高さ方向において、前記貫通穴が前記綱車構成部の回転軸よりも上に設けられ、
    前記貫通穴は、前記綱車構成部における前記円環状部分と同一曲率で前記円環状部分に沿って湾曲して伸びる円弧状の長穴である、
    エレベータ用巻上機。
  2. 前記回転子が積層電磁鋼板を含んで構成され、前記固定用部品が前記積層電磁鋼板を前記綱車構成部に固定する、円環状に配置されたボルトである、請求項に記載のエレベータ用巻上機。
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