JP2004345344A - 帯電防止シート製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 真空成形を施し、次いでマスキングフィルムを剥離した後においても表面外観に優れ、かつ高い帯電防止性能を維持する帯電防止性シート製品を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂シートの少なくとも一面に帯電防止剤を付着させた帯電防止シートの当該帯電防止剤が付着された面にマスキングフィルムを貼付した帯電防止シート製品であって、当該マスキングフィルムの密着力が帯電防止剤塗布前のポリカーボネート樹脂シートに対して0.05〜1.0N/50mmの範囲であることを特徴とする帯電防止シート製品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂シートの少なくとも一面に帯電防止剤を付着させた帯電防止シートの当該帯電防止剤が付着された面にマスキングフィルムを貼付した帯電防止シート製品に関する。更に詳しくは、真空成形後も帯電防止性能を維持することの出来る帯電防止性能に優れた帯電防止シート製品に関する。
従来、プラスチック成形品の表面に帯電防止性能を付与する方法としては、帯電防止剤を含む塗料をブラシで塗布したり、かかる塗料にプラスチック成形品を浸漬したり、あるいは帯電防止剤を含む塗料(殊に水溶液または水分散液)を微粒子噴霧装置等でエアロゾル化し、これを被処理物のプラスチック成形品の表面に噴霧し、プラスチックス成形品の表面に帯電防止剤から成る薄膜を形成させたり、ノズルより供給された帯電防止剤を含む塗料をロールを用いて塗り広げる方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
帯電防止剤から成る薄膜を形成させたプラスチック成形品、特にシート状の成形品には、該成形品の傷付き防止の為にマスキングフィルムを貼付する必要があり、通常帯電防止剤塗布直後にマスキングフィルムを貼付する。しかしながら、マスキングフィルム貼付時にマスキングフィルムとシートとの密着性が強い場合、例えばマスキングフィルムを貼付したまま真空成形等を行う場合、その成形後マスキングフィルムを剥離させる際に塗布した帯電防止剤がマスキングフィルムに付着しやすく、その結果目標とする帯電防止性能が得られないという問題が生じる。
特公平01−060309号公報 特開平07−261277号公報
本発明の目的は、真空成形を施し、次いでマスキングフィルムを剥離した後においても表面外観に優れ、かつ高い帯電防止性能を維持する帯電防止性シート製品を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂シートの表面に帯電防止剤を付着させたシートの当該帯電防止剤が付着された面に、特定の密着力を有するマスキングフィルムを貼付することにより、真空成形等を施し、次いでマスキングフィルムを剥離した後においても帯電防止性能を維持する帯電防止性シート製品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、
1.熱可塑性樹脂シートの少なくとも一面に帯電防止剤を付着させた帯電防止シートの当該帯電防止剤が付着された面にマスキングフィルムを貼付した帯電防止シート製品であって、当該マスキングフィルムの密着力が帯電防止剤塗布前の熱可塑性樹脂シートに対して0.05〜1.0N/50mmの範囲であることを特徴とする帯電防止シート製品。
2.前記帯電防止シート製品は、帯電防止剤を含む水溶液または水分散液のエアロゾルを熱可塑性樹脂シートの少なくとも一面に塗布し、次いで乾燥する方法で得られた帯電防止シートの当該帯電防止剤が付着された面にマスキングフィルムを貼付したものである前項1記載の帯電防止シート製品。
3.前記帯電防止シート製品は、帯電防止剤を含む塗料をロールにより熱可塑性樹脂シートの少なくとも一面に塗布し、次いで乾燥する方法で得られた帯電防止シートの当該帯電防止剤が付着された面にマスキングフィルムを貼付したものである前項1記載の帯電防止シート製品。
4.前記乾燥方法は、遠赤外線ヒーターまたは熱風を用いてシート表面温度を30〜95℃にして乾燥させる方法である前項2または前項3記載の帯電防止シート製品。
5.前記熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂である前項1記載の帯電防止シート製品。
6.前記熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂であり、且つ帯電防止シート製品を真空成形し、成形後マスキングフィルムを剥離して得られる帯電防止シートの表面抵抗値が1×10〜1×1013Ωである前項1記載の帯電防止シート製品。
7.前項1記載の帯電防止シート製品から形成されたディスプレイ用ダミー缶またはダミーボトル。
が提供される。
本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート等のポリエステル樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/スチレン/共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)等の樹脂が挙げられる。
なかでも、透明性を有しかつ安価で機械的強度に優れたポリカーボネート樹脂やポリメタクリレート樹脂が好ましく、特にポリカーボネート樹脂が好ましく使用される。
本発明において、特に好ましく使用されるポリカーボネート樹脂は、一例として二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、中でもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的には塩化カルボニル、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するにあたっては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して通常15,000〜40,000、好ましくは18,000〜35,000である。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/C=[η]+0.45×[η]C (但し、[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
C=0.7
本発明に使用される帯電防止剤は合成樹脂の帯電防止剤に通常使用される帯電防止剤であって、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジエタノールアミン、ステアリルアミン塩酸塩等のカチオン系帯電防止剤、アルキルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩類等のアニオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等の非イオン系帯電防止剤等が挙げられ、これらの中では溶液の安全性や取り扱い性に優れた非イオン系帯電防止剤が好ましい。
帯電防止剤を塗布する際に帯電防止剤の水溶液または水分散液を使用する場合は、帯電防止剤の塗布する際に均一な膜を形成するためには帯電防止剤の水溶液または水分散液の表面張力を下げることが好ましく、その効果を高めるためにはフッ素系界面活性剤を添加することが好ましい。例えば、フルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、フルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチル・パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキル第4級アンモニウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、パーフルオロアルカリスルホンアミド誘導体、パーフルオロアルキルアミン、パーフルオロアルキルイミダゾリン、パーフルオロアルキルベタイン、ポリオキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル、ポリオキシエチレンパーフルオロアルキルフェノール、ポリオキシエチレンパーフルオロアルキルアミン、パーフルオロアルキルカルボン酸ソルビタンエステル等が挙げられる。これらのフッ素系界面活性剤において、炭素数が6〜22の範囲である化合物が特に好ましい。
また、帯電防止剤の塗料中に、帯電防止成分の沈殿防止の為にエタノールやイソプロパノール等のアルコールを添加することもより好ましい。
帯電防止剤を熱可塑性樹脂シートに付着させる方法としては、帯電防止剤を含む塗料をブラシで塗布したり、かかる塗料にシートを浸漬したり、あるいは帯電防止剤を含む塗料(殊に水溶液または水分散液)をシートの表面に噴霧し表面に帯電防止剤から成る薄膜を形成させたり、ノズルより供給された帯電防止剤を含む塗料をロールを用いてシートの表面に塗り広げる方法等が挙げられ、なかでも帯電防止剤を含む塗料(殊に水溶液または水分散液)をシートの表面に噴霧し表面に帯電防止剤から成る薄膜を形成させる方法およびノズルより供給された帯電防止剤を含む塗料をロールを用いてシートの表面に塗り広げる方法が帯電防止性能の維持効果が高く好ましい。
前記帯電防止剤を含む水溶液または水分散液をシートの表面に噴霧し表面に帯電防止剤から成る薄膜を形成させる方法としては、帯電防止剤を含む水溶液または水分散液を微粒子噴霧ノズル等でエアロゾル化してシートの表面に付着させるエアロゾル噴霧装置を用い、エアロゾルをシートに噴霧して帯電防止剤を塗布する方法が好ましい。また、エアロゾル発生にはエアロゾル粒子が小さくまた均一なものが得られる超音波発振器を利用した方法を用いることが好ましい。
水溶液または水分散液中の帯電防止剤及び界面活性剤の濃度は、帯電防止剤の濃度が0.5〜5重量%であることが好ましく、界面活性剤の濃度は0.01〜1重量%が好ましい。かかる範囲より多い帯電防止剤や界面活性剤を添加してもさらなる効果の向上はみられないことが多い。帯電防止剤の噴霧量としては、シートの単位面積(1平方メートル)あたり8〜15ccが好ましい。8ccを下回ると目標とする帯電防止効果が低く、また15ccを超えると帯電防止性能のさらなる効果の向上はみられないことが多い。
また、前記ノズルより供給された帯電防止剤を含む塗料をロールを用いてシートの表面に塗り広げる方法としては、連続的に押出されるシートの幅方向に沿って一定間隔にて穴を開けたノズルを用いて帯電防止剤を含む塗料を供給し、その直後(好ましくは0.3〜1秒後)にロールを用いてシートの表面に帯電防止剤を塗り広げる方法がある。帯電防止剤を含む塗料の供給量はシートの幅方向1m当り10〜30cc/minが好ましい。また帯電防止剤を含む塗料を塗り広げるロールの材質としてはシートへの傷付きがし難い材質が好ましく、なかでもゴム製のロールが好ましい。また、塗料中の帯電防止剤の濃度は0.5〜5重量%であることが好ましい。
前記エアロゾルをシートに噴霧して帯電防止剤を塗布する方法や帯電防止剤を含む塗料をロールを用いてシートの表面に塗り広げる方法において、帯電防止剤を含む塗料をシートに塗布した後、次いで乾燥する方法が好ましく採用される。乾燥方法としては、遠赤外線ヒーターまたは熱風を用いてシート表面に付着した帯電防止剤成分を乾燥させる方法が好ましく、その際乾燥温度はシート表面温度が好ましくは30〜95℃の範囲、より好ましくは35〜90℃の範囲に調製する。30℃を下回ると十分な乾燥効果が得られず、マスキングフィルムの剥離時にマスキングフィルムに帯電防止成分が付着しやすくなり、また、95℃を超えると熱によりシートの平滑性が損なわれる恐れがある。
また、帯電防止熱可塑性樹脂シートの当該帯電防止剤が付着された面に貼付するマスキングフィルムとしては、耐擦傷性に優れ、かつシートとの密着性に優れ、さらに剥離する作業を考慮した場合に剥離しやすく、シートとの密着力が帯電防止剤を塗布する前の生の熱可塑性樹脂シートに対して0.05〜1.0N/50mmの範囲であり、0.05〜0.8N/50mmの範囲が好ましく、0.05〜0.3N/50mmの範囲がさらに好ましい。0.05N/50mmより低いとシートの搬送時等ハンドリング時の剥離が起きやすく、また、1.0N/50mmを超えるとマスキングフィルムを剥離した後の表面抵抗値が低下し、所望の帯電防止性能が得られなくなり好ましくない。
また、シートと密着させるマスキングフィルムの粘着成分としては低分子量ポリエチレンやエチレン酢酸ビニル共重合体が好ましい。マスキングフィルムの厚みは30〜60μmの範囲が剥離し易く好ましい。
本発明の帯電防止シート製品はマスキングフィルムを剥離した後のシート表面の表面抵抗値が1×10〜1×1013Ωであることが好ましい。表面抵抗値が前記範囲であるとゴミや埃がつきにくくなる。
本発明において得られる帯電防止シート製品は、帯電防止性能等の特性を生かして、ゴミや埃等の付着を嫌う意匠部品に広く利用され、具体的には自動販売機で販売している商品のディスプレイに使用されるダミー缶やダミーボトル、ダミーたばこ、パチンコやパチスロ等の遊戯機器に好適であり、特にダミー缶やダミーボトル用途に好適である。
本発明によると、帯電防止シートの帯電防止剤が付着された面にマスキングフィルムの密着力が適度なマスキングフィルムを選択して貼付することで、熱成形し、マスキングフィルムを剥離した後においても高い帯電防止性能を維持する帯電防止シートを提供することが可能となり、その奏する工業的効果は格別なものである。
以下、本発明で使用される好ましい形態を実施例を挙げて説明する。
[実施例1〜5、比較例1〜3]
図1は本発明の方法を実施するに適したフィルムの製造装置の一例を示す概略図である。図中の1はTダイリップ、2は第1冷却ロール、3は第2冷却ロール、4は第3冷却ロール、5はエアロゾル(ミスト)噴霧装置、6は乾燥用遠赤外線ヒーター、7はマスキングフィルムが巻かれているロール、8はマスキングフィルム貼付も合わせて行う一対の引き取りロールである。
ビスフェノールAとホスゲンから界面重合法により製造した粘度平均分子量24,500のポリカーボネート樹脂を図1に示す溶融押出シート製造装置によりスクリュー径120mmのTダイリップの付いた押出機にて温度約280℃で押出しし、幅1000mm、シート厚み0.5mmで連続的に押出した後、帯電防止処理として複数の帯電防止剤を含む水溶液を微粒子噴霧ノズル(メイキ樹脂工業(株)製エアロゾル噴霧装置「MEC−1505PC」)でエアロゾルにし、押出しにより製造されたポリカーボネート樹脂シートの片面に12cc/1平方メートルの流量で噴霧させた。なお、前記帯電防止剤としてはメイキ樹脂工業(株)製のポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールからなる非イオン系帯電防止剤、フッ素系界面活性剤及びアルコール混合物(主成分エタノール)からなる「CPL−3」を使用した。
乾燥は空気の循環を伴わない遠赤外線ヒーターを用い、押出されたポリカーボネート樹脂シート表面の温度が35〜45℃となるように遠赤外線ヒーターの設置する位置を調整した。
帯電防止剤を噴霧させた面にはポリカーボネート樹脂シートとの密着力がそれぞれ異なるマスキングフィルムを図1の7に設置し、図1の8の一対の引き取りロールにて一定の圧力(0.3MPa)で貼付させた。実施例1および比較例3では東レ合成フィルム(株)製表面保護フィルム「FM5030」(厚み30μm)、実施例2では東レ合成フィルム(株)製表面保護フィルム「FM5300」(厚み50μm)、実施例3では積水化学工業(株)製「プロテクトテープ#622AX」(厚み60μm)実施例4では積水化学工業(株)製「プロテクトテープ624L」(厚み50μm)、実施例5では(株)サンエー化研製「サニテクトPAK−4K−50」、(厚み50μm)、比較例1では積水化学工業(株)製「プロテクトテープ#622B」(厚み60μm)を使用した。また、比較例2はマスキングフィルムを貼付しない場合、比較例3は遠赤外線ヒーターによる乾燥を行わない場合を示した。表1に各々のマスキングフィルムの初期密着力と真空成形前後におけるマスキングフィルム剥離後の帯電防止面の表面抵抗値を示した。
[実施例6、比較例4]
ビスフェノールAとホスゲンから界面重合法により製造した粘度平均分子量24,500のポリカーボネート樹脂を溶融押出シート製造装置(図1の1〜4で示された装置)によりスクリュー径120mmのTダイリップの付いた押出機にて温度約280℃で押出しし、幅1000mm、シート厚み0.5mmで連続的に押出した後、シートの幅方向に沿って約3cmの間隔で直径約3mmの穴を開けたノズルを用いて帯電防止剤を含む塗料を供給し、0.3〜1秒後に直径約80mmの外周の材質がゴムからなるロールを用いて塗料を塗り広げた(帯電防止処理装置としてメコン(株)製「LRC−1200」を使用した)。
図2にかかる帯電防止剤を含む塗料の塗布方法の概略図(断面概略図)を示した。図中9は連続的に押出されるシート、10は帯電防止剤を含む塗料を供給するノズル、11は直径約3mmの塗料が供給されるノズル口、12は直径約80mmの外周の材質がゴムからなるロールを示す。塗料は連続的に押出されるシートに幅方向1mあたり20cc/min供給した。なお、ロールによる塗布後に余った帯電防止液は装置内で回収し再供給した。帯電防止剤を含む塗料が塗布されたシートは70〜90℃の熱風により約10〜20秒シート表面を乾燥させた。なお、帯電防止剤としては(有)理究製の多価アルコールと脂肪酸の縮合物およびイソプロパノ−ルからなる「RQ−05」を使用した。
帯電防止剤を塗布させた面にはマスキングフィルム貼付装置(図1の7、8で示された装置)を使用して、マスキングフィルムを図中7に設置し、図中8の一対の引き取りロールにて一定の圧力(0.3MPa)で貼付させた。マスキングフィルムとしては東レ合成フィルム(株)製表面保護フィルム「FM5030」(厚み30μm)を使用した。なお、比較例4は熱風による乾燥を行わない場合を示した。表1に各々のマスキングフィルムの初期密着力と真空成形前後におけるマスキングフィルム剥離後の帯電防止面の表面抵抗値を示した。
各種特性の評価方法は以下の通りである。
(1)初期密着力
長さ150mm、幅50mm、厚み0.5mmの粘度平均分子量24,500のポリカーボネート樹脂シートに圧力0.3MPaで貼付したマスキングフィルムの端面を剥離し、180°に折り曲げたマスキングフィルムを300mm/minの速さでマスキングフィルムを長辺方向に引っ張った時にかかる力を示す。
(2)表面抵抗値
JIS K6911に準拠し、一辺50mmの正方形、厚み0.5mmのポリカーボネート樹脂シートの表面抵抗値を求めた。値が小さいほど帯電防止性能が高いことを示す。表面抵抗値は1×10〜1×1013Ωであるとゴミや埃がつきにくい。
(3)真空成形後の表面抵抗値
成光産業(株)製真空成形機「Formech450」を用い、一辺500mmの正方形、厚み0.5mmのポリカーボネート樹脂シートを170℃にて20秒加熱し真空成形して図3に示した半筒状の成形品(半径26mmの半円×高さ105mm)を得、常温まで自然放置した後にマスキングフィルムを剥離した時の表面抵抗値を測定した。
Figure 2004345344
実施例1〜6のように初期密着力が0.1〜0.7N/50mmのマスキングフィルムを貼付した場合、真空成形前および真空成形後の表面抵抗値はそれぞれ2×1010〜3×1011Ωおよび1×1011〜2×1012Ωであり、高い帯電防止性能を示す。一方、比較例1のように密着力の高いマスキングフィルムを剥離した場合の真空成形前および真空成形後の表面抵抗値はそれぞれ3×1012Ωおよび2×1013Ωと高い値を示す。また、比較例2のようにマスキングフィルムを貼付しない場合は真空成形後の表面抵抗値が高くなる。さらに、比較例3、4のように塗布後に乾燥を行わない場合も、真空成形後の表面抵抗値が高くなる。
図1は、本発明の帯電防止シート製品を製造する装置(エアロゾル法)の一例を示す図である。 図2は、本発明の帯電防止シート製品を製造する装置(ロールにて塗布する方法)の一例を示す図である。 図3は、本発明の実施例において、真空成形して得られた半筒状の成形品を示す図である。
符号の説明
1.Tダイリップ
2.第1冷却ロール
3.第2冷却ロール
4.第3冷却ロール
5.エアロゾル(ミスト)噴霧装置
6.乾燥用遠赤外線ヒーター
7.マスキングフィルムが巻かれているロール
8.マスキングフィルムの貼付を行う一対の引き取りロール
9.連続的に押出されるシート
10.帯電防止剤を含む塗料を供給するノズル
11.直径約3mmの塗料が供給されるノズル口
12.直径約80mmの外周の材質がゴムからなるロール

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂シートの少なくとも一面に帯電防止剤を付着させた帯電防止シートの当該帯電防止剤が付着された面にマスキングフィルムを貼付した帯電防止シート製品であって、当該マスキングフィルムの密着力が帯電防止剤塗布前の熱可塑性樹脂シートに対して0.05〜1.0N/50mmの範囲であることを特徴とする帯電防止シート製品。
  2. 前記帯電防止シート製品は、帯電防止剤を含む水溶液または水分散液のエアロゾルを熱可塑性樹脂シートの少なくとも一面に塗布し、次いで乾燥する方法で得られた帯電防止シートの当該帯電防止剤が付着された面にマスキングフィルムを貼付したものである請求項1記載の帯電防止シート製品。
  3. 前記帯電防止シート製品は、帯電防止剤を含む塗料をロールにより熱可塑性樹脂シートの少なくとも一面に塗布し、次いで乾燥する方法で得られた帯電防止シートの当該帯電防止剤が付着された面にマスキングフィルムを貼付したものである請求項1記載の帯電防止シート製品。
  4. 前記乾燥方法は、遠赤外線ヒーターまたは熱風を用いてシート表面温度を30〜95℃にして乾燥させる方法である請求項2または請求項3記載の帯電防止シート製品。
  5. 前記熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂である請求項1記載の帯電防止シート製品。
  6. 前記熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂であり、且つ帯電防止シート製品を真空成形し、成形後マスキングフィルムを剥離して得られる帯電防止シートの表面抵抗値が1×10〜1×1013Ωである請求項1記載の帯電防止シート製品。
  7. 請求項1記載の帯電防止シート製品から形成されたディスプレイ用ダミー缶またはダミーボトル。
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