JP4118595B2 - 粘着シートの貼付方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シートの貼付方法に関し、さらに詳しくは、粘着シート、特にサイズの大きな塗装代替用粘着シートを、多様な形状の被着体に対し、意匠性を損なうことなく、正確かつ迅速に貼付する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車体の各部位には、意匠性をもたせるために各種の塗装が行われている。しかしながら、この塗装においては、塗工液の液だれを防止しながら、塗装むらが生じないように塗装しなければならず、塗装作業がやっかいである上、有機溶剤を用いるなど、環境汚染をもたらすなどの問題があった。
そこで、近年、塗装を施す代わりに、所望の色彩を有する塗装代替用粘着シートを、自動車の車体に貼り付けることにより、色付けを行うことが試みられている。このような塗装代替用粘着シートを貼付する方法によれば、前記塗装における問題点、すなわち、塗工液の液だれ防止や塗装むら防止に伴う塗装作業の不便性及び環境汚染などの問題点を解消することができる。
従来、このような塗装代替用粘着シートを被着体に貼付する方法としては、該塗装代替用粘着シートを被着体の形状に打ち抜き、このものをスキージなどの圧着具を用いて、手作業により貼付する方法が、一般的に実施されている。そして、前記圧着具として、通常プラスチック板に発泡体を巻いたものなどが用いられている。
このような圧着具を用いて手作業により貼付する方法においては、まず剥離シートを剥がした粘着シートが、被着体の所定の場所に位置するように位置決めを行い、圧着具を用いて空気を追い出しながら、しわやエア噛みが発生しないように、該粘着シートの端部から少しずつ圧着して貼付する。そして、仮にしわやエア噛みが発生した場合には、圧着具を発生部位に押し当てて発生部位を移動させていき、しわやエア噛みを除去しながら完全に圧着させる作業が行われるが、この作業は極めて熟練を要する。
また、サイズの大きな粘着シートの場合、該シートの端部方向へ空気を追い出しながら貼付する作業を数回にわたって繰り返し実施する必要が生じ、その繰り返し作業によって圧着境界線が発現し、塗装としての意匠性が損なわれるなど、好ましくない事態を招来する。その上、大きなサイズの粘着シートを被着体に貼付する場合には、粘着シートの被着体に対する所定位置への位置決めや、貼付作業を一人で行うことが困難で、複数人で行う場合がある。しかしながら、このように複数人で行っても、粘着シートが被着体の所定外の位置に貼着し、その結果作業性が悪くなるばかりでなく、しわやエア噛みが発生しやすくなるという問題が生じる。このような問題は、特に被着体の形状が曲面を有する場合などに顕著である。このような場合には、位置決め、圧着の作業を繰り返し行わなければならず、しわやエア噛みなどの問題が頻繁に発生し、さらに作業性が悪くなる。
圧着具を用いて手作業により、粘着シートを被着体に貼付する方法は、前述のような問題点を有しており、そして、粘着シートを被着体の正確な位置に、均質で良好な仕上げ状態で貼付するためには、作業者の熟練度に頼っているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、粘着シート、特にサイズの大きな塗装代替用粘着シートを、多様な形状を有する被着体の正確な位置に、しわ、エア噛み、圧着境界線などが発生することなく、意匠性を損なわずに、均質で良好な仕上げ状態になるように迅速かつ作業性よく貼付する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、水の運動量が特定の範囲になるように、水を噴射させ、粘着シートを被着体に押圧し、貼付することにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)垂直方向に移動可能な支持枠体に、該支持枠体の空間部全面を覆うように固定された防水シートを介して、移動式水噴射部材により噴射することにより、該防水シートに接着剤層を外側に向けて仮着された粘着シートの粘着剤層を被着体に対面させて押圧し貼付することを特徴とする粘着シートの貼付方法、
(2)1cm2、1秒間当たりの水量をMg、流速をVm/secとした場合、粘着シートに印加される1cm2、1秒間当たりの水の運動量[M・V]が0.1〜1.5g・m/secの範囲になるように前記の水量M及び流速Vを選択する第1項記載の粘着シートの貼付方法、
(3)貼付時の被着体と粘着シート間の対面距離が3〜100mmである第1項又は第2項記載の粘着シートの貼付方法、
(4)粘着シートのサイズが300mm×300mm以上又は9×104mm2以上である第1項ないし第3項のいずれかに記載の粘着シートの貼付方法、
(5)粘着シートが塗装代替用粘着シートである第1項ないし第4項のいずれかに記載の粘着シートの貼付方法、及び
(6)粘着シートが、空気流通経路を設けた粘着剤層を有するものである第1項ないし第項のいずれかに記載の粘着シートの貼付方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着シートの貼付方法は、水の噴射により、粘着シートを被着体に押圧し貼付する方法であって、1cm2、1秒間当たりの水量をMg、流速をVm/secとした場合、粘着シートに印加される1cm2、1秒間当たりの水の運動量[M・V]が0.1〜1.5g・m/secの範囲になるように、前記の水量M及び流速Vを選択する方法、好ましくは防水シートを介して、粘着シートに水を噴射する方法である。
本発明方法が適用できる粘着シートについては特に制限はないが、粘着シートが方形状の場合は、300mm×300mm以上の大きさのもの、また他の形状の場合は面積が9×104mm2以上の大きさのものに本発明方法を適用するのが有利であり、特に、自動車の車体塗装の代わりに用いられる塗装代替用粘着シートに適用するのが有利である。この粘着シートについては、後で詳述する。
次に、本発明方法の実施態様について添付図面に従って説明する。
図1は、本発明方法を実施するための貼付装置の1例の概略図、図2は、該貼付装置を用い、移動式水噴射部材により粘着シートを被着体に貼付する方法の異なる例を示す説明図である。
貼付装置20は、被着体10を支持する支持台9が載置された固定治具2と、防水シート7及び粘着シート8を支持し、かつ垂直方向に移動可能な支持枠体3と、ノズル6を備えた移動式水噴射部材4とから構成されている。
まず、固定治具2上に載置された支持台9によって、被着体10を支持する。一方、粘着シート8が、粘着剤層を外側にして仮着された防水シート7を、該粘着剤層が被着体10に対面するように、かつ支持枠体3の空間部全面を覆うように、支持枠体3の上端部に固定する。防水シート7は、移動式水噴射部材4から水を噴射した際に、支持枠体3の上端部から外れることなく、粘着シート8の粘着剤層が被着体に接し得るように、弛み又は弾力性を有することが肝要である。この防水シート7が、水噴射時に支持枠体3から外れた場合には、水が被着体にかかり、不都合が生じる原因となる。
【0006】
この防水シートとしては、ある程度の耐水性を有するものであればよく、特に制限されず、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、さらには各種の熱可塑性エラストマーやゴム状弾性体などからなるシートの片面に粘着シートを保持するための再剥離型粘着剤層や吸盤などが設けられたものを用いることができる。この防水シートの厚さは、通常10〜500μm、好ましくは30〜100μmの範囲である。
なお、粘着シートにアプリケーションシートなどの保護シートが設けられている場合には、この保護シートを、防水シートとして利用することができる。
前記防水シートは、透明であると、被着体に対する粘着シートの貼付状態を透視できるので、作業上有利である。
この防水シートを支持枠体3の上端部に固定する方法としては、例えば防水シートの粘着剤層で固定する方法、両面粘着テープで固定する方法、マグネットを利用して固定する方法などを用いることができる。また、該防水シートに粘着シートを仮着させる方法としては、前述した防水シートに施された再剥離型粘着剤層や吸盤などにより、仮着させる方法が一般的であるが、シート基材自体の静電気や付着力により、仮着させるなどの方法も用いることができる。
次に、仮着された粘着シート8を有する防水シート7が上端部に固定された支持枠体3を、支持枠体移動機構(図示せず)により被着体10の被着面に対し、垂直方向に移動させて、被着体10と粘着シート8との間隔が、通常3〜100mm、好ましくは5〜70mmの範囲内の所望の値になるように調整する。なお、支持枠体3は、垂直方向に移動し得るように、その下端部が固定治具2の中に嵌入されている。
【0007】
その後、移動式水噴射部材4のノズル6より水を噴射させて、粘着シート8の被着体10への貼付を開始する。
貼付方法としては、例えば図1において、防水シート7の左右方向を長手方向とした場合、図2(a)のように長手方向にわたり、左端側から、右端側方向へ、また右端側から、左端側方向へと▲1▼〜▲3▼の順に順次水を噴射させる方法を用いることができる。この水の噴射により、防水シート7が湾曲し、まず粘着シート8の左端側の粘着剤層が被着体10に付着し、粘着シート8が部分的に貼付され、次いで粘着シート8の貼付が順次右端側に移動していき、全面的に粘着シート8が貼付される。また、この図2(a)以外に、図2(b)のように上下方向(幅方向)に、あるいは図2(c)のように一方向で水を順次噴射してもよい。なお、図2(c)の場合には、長さ方向、幅方向のいずれでもよく、また一遍に行うこともできる。
また、移動式水噴射部材4におけるノズル6の水噴射口の形状としては特に制限はなく、円形、楕円形、正方形、長方形など、いずれであってもよい。さらに、ノズル口の面積としては特に制限はないが、ノズル1個当たり、通常0.5〜10mm2、好ましくは0.8〜5mm2の範囲である。
以上の説明は、防水シート7の左右方向、上下方向あるいは一方方向に順次水を噴射させる方法についての説明であるが、本発明は、この方法に限定されるものではなく、例えば、防水シート7の中央部付近にまず水を噴射し、その後前記と同様にして、中央部から右端側(又は左端側)、さらに左端側(又は右端側)に水を順次噴射させていく方法などを用いることもできる。
本発明においては、さらに図3に示す貼付装置を用いて、粘着シートを被着体に貼付することができる。図3は、本発明方法を実施するための貼付装置の別の例の概略図であって、貼付装置30は、収容ケース1内に、被着体10を支持する支持台9が載置された固定治具2と、防水シート7及び粘着シート8を支持し、かつ被着体10の被着面に対し、垂直方向に移動可能な支持枠体3と、ノズル6'を備えた固定式水噴射部材5とが収容されると共に、収容ケース1の外部に、水噴射部材5によって噴射された水を、排水口11を介して受けるための貯水槽15と、この貯水槽15の水を水噴射部材5に循環させるためのろ過装置12、循環ポンプ13及び循環ライン14が設置されている。
【0008】
被着体10の支持、粘着シート8が仮着された防水シート7の固定などは、前述した貼付装置20の場合と同様である。
次に、仮着された粘着シート8を有する防水シート7が上端部に固定された支持枠体3を、支持枠体移動機構(図示せず)により垂直方向に移動させて、被着体10と粘着シート8との間隔が、通常3〜100mm、好ましくは5〜70mmの範囲内の所望の値になるように調整する。なお、支持枠体3は、垂直方向に移動し得るように、その下端部が固定治具2の中に嵌入されている。
その後、循環ポンプ13を稼動し、貯水槽15中の水をろ過装置12及び循環ライン14を介して水噴射部材5に供給し、ノズル6'より噴射させて、粘着シート8の被着体10への貼付を開始する。
貼付方法としては、例えば図3において、防水シート7の左右方向を長手方向とした場合、幅方向の略全面にわたり、左端側から、右端側方向へ順次水を噴射させる方法を用いることができる。この水の噴射により、防水シート7が湾曲し、まず粘着シート8の左端側の粘着剤層が被着体10に付着し、粘着シート8が部分的に貼付され、次いで粘着シート8の貼付が順次右端側に移動していき、全面的に粘着シート8が貼付される。
図4(a)は、固定式水噴射部材5をノズル口側から見た1例の平面図であって、幅方向に平行なノズル列a〜fが設けられた構造を示している。図4(b)は、移動式水噴射部材4'をノズル口側から見た1例の平面図であって、幅方向に1つのノズル列が設けられた構造を示している。なお、6''はノズルである。図4(a)及び図4(b)において、ノズル口の形状は円形であるが、このノズル口の形状としては特に制限はなく、円形、楕円形、正方形、長方形など、いずれであってもよい。また、ノズル口の面積は、前述のとおりである。さらに、ノズル列において、各ノズルを幅方向に不連続的に設けてもよいし、幅方向に連続的にスリットを設けてもよい。
この貼付方法において、防水シート7の左端側から、右端側方向へ順次水を噴射させる方法としては、図3及び図4(a)で示すような固定式水噴射部材5に、ノズル列切替え機構を設け(図示せず)、自動的にノズル列をaから順次f方向へ切替えていく方法、あるいは図4(b)で示す移動式水噴射部材4'を用い、防水シート7の左端側から右端側方向へ移動させながら水を噴射させていく方法などを用いることができる。
【0009】
前記図3の説明は、防水シート7の左端側から右端側に順次水を噴射させる方法についての説明であるが、本発明は、この方法に限定されるものではなく、例えば、防水シート7の中央部付近にまず水を噴射し、その後前記と同様にして、中央部から右端側(又は左端側)、さらに左端側(又は右端側)に水を順次噴射させていく方法などを用いることもできる。
本発明においては、水を噴射して粘着シートを被着体に押圧し、貼付する際、1cm2、1秒間当たりの水量をMg、流速をVm/secとした場合、粘着シートに印加される1cm2、1秒間当たりの水の運動量[M・V]が0.1〜1.5g・m/secの範囲になるように、前記の水量M及び流速Vが選択される。前記水の運動量が0.1g・m/sec未満では粘着シートが被着体に十分に押圧されず、貼付されにくいし、1.5g・m/secを超えると粘着シートの粘着剤層が変形し、粘着シート表面に凹凸形状が発生する原因となる。この水の好ましい運動量は0.2〜1.2g・m/secの範囲である。
このようにして、被着体に対する粘着シートの貼付作業が完了したのち、粘着シート上に仮着されている防水シートを剥がすことにより、粘着シートが貼付された被着体が得られる。このような方法を用いることにより、粘着シートは、多様な形状を有する被着体の正確な位置に、しわ、エア噛み、圧着境界線などが発生することなく、意匠性を損なわずに、均質で良好な仕上げ状態で、迅速かつ作業性よく貼付される。したがって、特に自動車の車体塗装の代わりに、塗装代替用粘着シートを貼付する場合に、この方法を適用するのが有利である。
【0010】
次に、本発明方法で使用する粘着シートについて説明する。
本発明方法が適用される粘着シートについては特に制限はなく、基材と粘着剤層からなる様々な種類の粘着シートに本発明方法を適用することができるが、これらの中で、前述したようにサイズの大きな塗装代替用粘着シートに適用するのが有利である。
この塗装代替用粘着シートは、一般に基材の一方の面に粘着剤層及び所望により剥離シートが順に設けられると共に、該基材の他方の面に所望の色彩を有する塗料層、クリアコート層及び所望により保護シートが順に設けられた構造を有している。前記基材としては、耐候性に優れると共に、収縮率が小さい上、貼付作業性の面から、あまり硬質でないものが好ましく、したがって、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ四フッ化エチレン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂などからなるシート基材が好適である。これらの中で、経済性などの面から、ポリ塩化ビニル系樹脂シート、特に収縮率の小さいキャスト法で作製されたポリ塩化ビニル系樹脂シート、あるいは熱可塑性ポリウレタン系樹脂シートが好ましく用いられる。この基材は、コロナ放電処理やプライマー処理を施し、粘着剤層や塗料層との密着性を向上させることが望ましい。
この基材の厚さは、粘着シートの用途にもよるが、通常10〜300μmの範囲、好ましくは30〜200μmの範囲で選定される。また、該基材の一方の面に設けられる粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲で選定される。
粘着剤層を構成する粘着剤の種類としては特に制限はなく、従来公知のアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを用いることができるが、これらの中で、耐候性などの点から、アクリル系粘着剤が好適である。
粘着剤層の厚さは、一般には10〜100μm、好ましくは15〜60μmの範囲である。
【0011】
この粘着剤層には、当該粘着シートを被着体に貼付する際に、空気が逃げやすくて密着性よく、きれいに貼付し得るように、粘着剤層表面に空気流通経路を形成することが好ましい。この空気流通経路の形成方法としては特に制限はなく、様々な方法、例えば、粘着剤層表面に多数の凹凸部を形成する方法、両端部が粘着シート端縁部で開口してなる凹条溝を間隔を開けて平行に複数形成する方法、前記凹条溝を斜格子状に形成する方法などを用いることができる。
この粘着剤層の上に、所望により設けられる剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙及びポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種プラスチックフィルムにシリコーン樹脂、フッ素樹脂、長鎖アルキル系樹脂などの剥離剤を塗布し剥離剤層を形成したものが挙げられる。剥離シートの厚さは一般には20〜300μm、好ましくは30〜150μmの範囲である。
前記剥離シートが設けられた粘着シートは、粘着剤層が外側になるように、防水シートに仮着されて前述した貼付装置に固定する前後に剥離シートを剥がして用いられる。
前記基材の粘着剤層とは反対側の面に設けられる塗料層は、一般に、所望の色調を有する塗料を吹き付けたり、コーティングすることにより形成される。この塗料層の厚さは、通常10〜30μm程度である。また、この塗料層上に設けられるクリアコート層は、一般に、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などを含むクリアコート用塗料を吹き付けたり、コーティングすることにより形成される。このクリアコート層の厚さは、通常10〜50μm程度である。
さらに、前記クリアコート層上に、所望により設けられる保護シートとしては特に制限はなく、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などからなるフィルムの片面に厚さ5〜30μm程度の再剥離型粘着剤層が設けられたものを挙げることができる。この保護シートの厚さは、通常25〜200μm、好ましくは30〜100μmの範囲である。また、この保護シートは、前述の貼付作業時に、防水シートとして利用することができる。
被着体としては特に制限はなく、例えば金属、塗装金属、ガラス、セラミックス、石材、木質材、プラスチック、紙類などの板状体、構造体などが挙げられる。これらの中で、金属板、プラスチック板が好適である。本発明方法は、特に自動車の車体塗装の代替として、該車体に塗装代替用粘着シートを貼付するのに好ましく適用することができる。
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例ににより、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、粘着シートの貼付状態の評価は、塗料を被着体に吹き付け塗装したものとの仕上がり性(しわ、エア噛み、すじの発生など)を目視観察で比較し、下記の基準に従って評価した。
◎:仕上がり状態が全く同等であって、肉眼では両者を区別できない。
○:わずかに相違がみられる。
×:明らかに区別される。
実施例1
粘着シートとして、厚さ100μmの熱可塑性ポリウレタンシートの片面に厚さ30μmで、粘着剤層表面に多数の凹凸を形成したアクリル系粘着剤層を有し、かつ該熱可塑性ポリウレタンシートの他方の面に、厚さ15μmの銀色の塗料層及び厚さ30μmのアクリル系クリアコート層が順に設けられた、500mm×700mmサイズの長方形状の塗装代替用粘着シートを用い、被着体として、前記粘着シートより、若干サイズの小さいABS製の板を用いた。また、防水シートとして、600mm×800mmサイズで、厚さ70μmの透明ポリプロピレンフィルムの片面に厚さ10μmの再剥離型粘着剤層が施された保護シートを用い、上記粘着シートのクリアコート層面に、防水シートの縦横それぞれ50mmずつ余白が出るように仮着して用いた。
図1の貼付装置を用いて、まず固定治具2上に載置された支持台9上に被着体10を支持させると共に、粘着シート8が粘着剤層を外側にして仮着された防水シート7を、該粘着剤層が被着体10に対面するように、かつ支持枠体3の空間部全面を覆うように、支持枠体3の上端部に固定した。この図1において、左右方向が粘着シート8の長手方向となる。
次いで、仮着粘着シート8を有する防水シート7が上端部に固定された支持枠体3を被着体10の被着面に対し、垂直方向に移動させて、被着体10と粘着シート8とが30mmの間隔を有するように設定した。
【0013】
次に、市販の移動式高圧水洗浄機(ノズル仕様:円形1個、面積1mm2)を用い、図2(a)のように防水シート7の左端側から、右端側方向へまた、右端側から左端側方向へと順次水を噴射させることにより、粘着シート8を被着体10上に貼付した。この際、粘着シート1cm2、1秒間当たりに印加される水の運動量は、1cm2、1秒間当たりの水量Mが0.14g、その流速Vが4.5m/secであるので、M・V=0.63g・m/secであった。
貼付終了後、防水シートを剥がし、貼付状態を評価したところ、仕上がり性は◎であり、また、貼付作業時間は30秒であった。
比較例1
実施例1と同様の塗装代替用粘着シート及び被着体を用い、下記の条件で手作業により、粘着シートを被着体に貼付した。
〈貼付条件〉
圧着具:スキージ
貼付圧:0.1MPa
被着体と粘着シート間距離:30mm
貼付終了後、貼付状態を評価したところ、仕上がり性は×であり、また、貼付作業時間は6分であった。
【0014】
【発明の効果】
本発明方法によれば、粘着シート、特にサイズの大きな塗装代替用粘着シートを、多様な形状を有する被着体の正確な位置に、しわ、エア噛み、圧着境界線などが発生することなく、意匠性を損なわずに、均質で良好な仕上げ状態になるように迅速かつ作業性よく貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法を実施するための貼付装置の1例の概略図である。
【図2】図2は、図1に示す貼付装置を用い、移動式水噴射部材により粘着シートを被着体に貼付する方法の異なる例を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明方法を実施するための貼付装置の別の例の概略図である。
【図4】図4は、固定式水噴射部材及び移動式水噴射部材のノズル口側から見た1例の平面図である。
【符号の説明】
1 収容ケース
2 固定治具
3 支持枠体
4、4' 移動式水噴射部材
5 固定式水噴射部材
6、6'、6'' ノズル
7 防水シート
8 粘着シート
9 支持台
10 被着体
11 排水口
12 ろ過装置
13 循環ポンプ
14 循環ライン
15 貯水槽
20 貼付装置
30 貼付装置

Claims (6)

  1. 垂直方向に移動可能な支持枠体に、該支持枠体の空間部全面を覆うように固定された防水シートを介して、移動式水噴射部材により噴射することにより、該防水シートに接着剤層を外側に向けて仮着された粘着シートの粘着剤層を被着体に対面させて押圧し貼付することを特徴とする粘着シートの貼付方法。
  2. 1cm2、1秒間当たりの水量をMg、流速をVm/secとした場合、粘着シートに印加される1cm2、1秒間当たりの水の運動量[M・V]が0.1〜1.5g・m/secの範囲になるように前記の水量M及び流速Vを選択する請求項1記載の粘着シートの貼付方法。
  3. 貼付時の被着体と粘着シート間の対面距離が3〜100mmである請求項1又は2記載の粘着シートの貼付方法。
  4. 粘着シートのサイズが300mm×300mm以上又は9×104mm2以上である請求項1ないしのいずれかに記載の粘着シートの貼付方法。
  5. 粘着シートが塗装代替用粘着シートである請求項1ないし4のいずれかに記載の粘着シートの貼付方法。
  6. 粘着シートが、空気流通経路を設けた粘着剤層を有するものである請求項1ないしのいずれかに記載の粘着シートの貼付方法。
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