JP2004344478A - 眼内挿入用レンズの挿入システム - Google Patents

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Toshiichi Kikuchi
敏一 菊池
Kenichi Kobayashi
研一 小林
Takashi Masuda
高 増田
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Abstract

【課題】眼内挿入用レンズを変形して眼内に挿入する挿入システムにおいて、レンズ押出時にレンズの支持部を所定形状に形状規制する。
【解決手段】変形可能な光学部と前記光学部を眼内で支持する支持部とを有する眼内挿入用レンズ20と、光学部に応力をかけない状態でレンズを内部に保持する機構を有する保持手段10と、前記レンズを小さく変形する変形手段、並びに、変形されたレンズを内腔を通して眼内に挿入する挿入筒32および前記レンズを挿入筒先端部32a開口から眼内に押出す押出機構34を有する眼内挿入用レンズの挿入器具30とで構成され、且つ前記保持手段には、レンズ移動機構を備えた眼内挿入用レンズの挿入システムであって、前記レンズ押出時に前記支持部を所定形状にするための規制部材100を備えた。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、白内障で水晶体を摘出した後に水晶体の代わりに挿入される、屈折異常を矯正する等の目的で眼内に挿入される眼内挿入用レンズを眼内に挿入するためのシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
眼内挿入用レンズは、白内障手術の際に除去した水晶体(無水晶体眼)の屈折力を補うために水晶体の位置に挿入されるものが一般的であり、1949年にリドレイ(Ridley)により初めて移植されて以来、その素材、形状等についてさまざまな研究がなされてきた。
また、近年になってこのような白内障術後の屈折異常を矯正する目的以外に水晶体を持った眼(有水晶体眼)に対して近視、遠視の矯正のために眼内に挿入する屈折矯正用眼内挿入用レンズに関しても研究が進んでいる。
白内障手術に関しても、超音波乳化吸引術等の普及もあり小さい切開創で混濁した水晶体を除去する水晶体摘出手術が可能になっている。それらの進歩に伴い眼内挿入用レンズも例えば、特開昭58−146346号公報に開示されている発明のように光学部が弾性体等の変形可能な素材で構成され、折畳んだ形状で小さな切開創から眼内に挿入し、眼内をもとの形状に復元させることによってレンズとして機能させる眼内挿入用レンズが実用化されている。
これらの技術に伴い、光学部の素材も硬いポリメチルメタクリレート(PMMA)から、折畳んで眼内挿入可能なシリコーンやソフトアクリル樹脂に次第に移行している。
【0003】
また、近年ではヒドロキシエチルメタクリレートとメチルメタクルレート等との共重合体やメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)等の親水性材料も研究の対象となっている。さらに、その形状も円形の光学部とは別素材で構成したループ状の支持部を持つもの、ループ状の支持部が光学部と同一素材で一体化したもの、支持部が板状のもの等さまざまなものが研究され実用化されている。さらにまた、上記に示した変形可能な眼内挿入用レンズを圧縮したり、折り曲げたりして眼球内に挿入する挿入装置として、特表平9−506285公報に開示された発明がある。上記発明に記載されている実施例では、中間準備領域に応力のない状態でレンズを保持し、中間準備領域を本体部に取り付けた上で、さらに眼内にレンズを挿入するカニューレ(挿入筒)をはめ込むことで、眼内レンズを眼内に挿入する装置が開示されていると共に、中間領域がレンズパッケージとして使用され得る技術が開示されている。また、任意の構成要素として、水晶体(眼内レンズ)を保持するための中間準備領域を形成する棚部(レンズを設置する部分)に設けられたホール(注入口)より粘弾性の材料(眼内レンズを通過させるための潤滑剤)を挿入(注入)する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、前記特表平9−506285に提案される発明は、あらかじめ中間領域にレンズを設置してレンズパッケージとして使用する点が示されているが、カニューレ(挿入筒)部分が別部材であるため、使用の際にはカニューレを取り付ける作業が発生するという問題があった。
また、あらかじめ眼内レンズを押出軸の中心上にある中間領域に保管しておくことも開示されているが、この発明では、レンズを保管するのに最適な材料で中間領域を構成することが不可能であると共に、特にループ上の支持部を有する眼内レンズにあっては、ループ上の支持部とレンズ光学部との間には所定の角度を保持させておく必要があるが、これを維持するための機能を持たせた構成を前記中間領域に設けることは非常に困難であるという問題点があった。
【0005】
この問題点に対して、本発明の出願人は、特開2001−104347において、操作を簡略化した眼内挿入用レンズの挿入システムを提案している。
即ち、前記特開2001−104347では、眼内挿入用レンズを挿入器具のレンズ保持部材に保管し、使用時には、レンズ移動機構によりレンズを所定位置にセットできる構成を備えることで、挿入器具自体にレンズ保管中にその光学部に応力をかけることなく、かつ支持部の角度を一定にした状態に保持されているため、従来必要であった眼内挿入用レンズの支持部の角度を一定に保つための機構を有する別個のレンズケースを不要とし、また挿入器具に眼内挿入用レンズをその都度設置する設置操作をなくし、もしくは簡略化して設置操作にかかわる時間を節約するばかりでなく、術者の挿入操作などに伴うレンズの破損、あるいはレンズが正常に眼内に挿入されないという不具合を解消し、さらには眼内挿入用レンズ及び挿入器具を滅菌状態のまま提供することができるようにした眼内挿入用レンズの挿入システムが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、上述した従来の発明には、未使用時には眼内挿入用レンズを挿入器具の保持部材に保管し、使用時には、レンズ移動機構によりレンズを所定位置にセットできる構成が開示されているが、レンズに設けられた支持部を所定形状に形状規制するための規制部材は開示されていなかった。
【0007】
本発明は、前述した問題点を解決しようとするもので、眼内挿入用レンズを未使用の保持状態から押出し可能な位置に移動させてレンズを押し出す際にレンズに設けられた支持部を所定形状に形状規制することでレンズが変形して挿入筒内を移動した時にレンズの支持部が不必要な力を受けず、レンズが眼内に挿入された場合の支持部の変形を防止することを目的とする。
また、前記支持部を所定形状にするための規制部材は、具体的には挿入筒先
端部から挿入され、レンズの光学部外周部とレンズの支持部との間に位置する末端部にフック形状を形成したものである。
さらに、支持部を所定形状にするための規制部材が、眼内挿入用レンズを未使用の保持状態から押出可能な位置に移動させるレンズ移動機構に設けられた誤動作防止機能を兼ね備えることにより、使用前にレンズ移動機構を誤って操作してしまい、意図せずレンズが押出可能な位置に移動してしまったり、搬送時の振動や衝撃などの影響による誤動作の問題を解消することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、変形可能な光学部と前記光学部を眼内で支持する支持部とを有する眼内挿入用レンズからなるレンズと、光学部に応力をかけない状態でレンズを内部に保持する機構を有する保持手段と、前記レンズを小さく変形する変形手段、並びに、変形されたレンズを内腔を通して眼内に挿入する挿入筒および前記レンズを挿入筒先端部開口から眼内に押出す押出機構を有する眼内挿入用レンズの挿入器具とで構成され、前記保持手段には、前記レンズを未使用の保持状態から前記押出機構により押出し可能な使用状態位置に移動させるためのレンズ移動機構を備えた眼内挿入用レンズの挿入システムであって、前記レンズ押出時に前記支持部を所定形状にするための規制部材を備えたことを特徴とする。
前記規制部材を設けたことで、押出機構によりレンズが眼内に押し出される過程でレンズに設けられた支持部に不要な力を加えることを回避し、眼内に押し出された後に支持部が変形してしまったりするなどの付具合を回避することが可能である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の眼内挿入用レンズの挿入システムにおいて、前記支持部を所定形状にする規制部材は、挿入筒先端部開口より挿入され、抜き差し可能な末端部が前記光学部の外周部と前記支持部との間に配置され得るようにしたフック形状を有するものである点を具体的に限定したものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1に記載の眼内挿入用レンズの挿入システムにおいて、前記規制部材が、前記レンズ移動機構の誤動作防止機能をも備えることを特徴とするもので、誤った操作や、振動、衝撃等により眼内挿入用レンズの意図しない移動を確実に防止することも可能になるという利点を持つようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による眼内挿入用レンズの挿入システムの一実施の形態を示すもので、本実施の形態においては、眼内挿入用レンズ20の保持手段としてのレンズ保持部材10に設置したレンズ20の水平状態の前後方向中心と挿入器具30の押出軸33の軸方向中心とが互いに一致していない状態で装着される第1の未使用の保持状態と、レンズ20が押出軸33により押出し可能な位置に移動した第2の使用設置状態およびレンズ移動機構である押圧部13により前記第1から第2の状態に遷移させるレンズ移動機構により構成されていること示している。
即ち、図1の(a)はレンズ保持部材10を挿入器具30に組付け装着した前記第1の未使用の保持状態を示す正面図、(b)は第2の使用設置状態を示した正面図である。
【0012】
本発明の前記システムは大きく分けて眼内挿入用レンズ20を保管するレンズ保持手段であるレンズ保持部材10と、眼内挿入用レンズ20を患者の眼内に挿入する挿入器具30により構成されている。
図中、30は眼内挿入用レンズの挿入システムにおける挿入器具で、透明又は半透明製のプラスチックなどで成型され、基端部31a側を太径に且つ先端部31b側を小径に形成した内部中空の筒本体31と、該筒本体31の軸方向中心上に軸中心が位置するように内装配設された押出軸33と、前記筒本体31の基端部31aに取付けられ前記押出軸33の基端部31aと連結され、前記押出軸33を図面上の左右方向に移動させる押出機構34と、前記筒本体31の先端部31bに形成された装着部35には保持手段であるレンズ保持部材10とが装着され、該装着部35の先端側に前記筒本体31の軸心と一致する内腔を有する先細の挿入筒32が形成されたもので、挿入筒32の先端部32aから眼内挿入用レンズ20を小さく変形して押し出せるようにしたものである。
【0013】
図1の(a)ではレンズの中心が一点鎖線Lで表す押出軸33の軸方向の中心とが一致しない状態で配置されていることがわかる。眼内挿入用レンズ20は、レンズ保持部材10内で図1の(a)に示す第1の未使用の保持状態で保管されている。
図1の(b)は、前記第1の未使用の保持状態からトップ部材12の押圧部13を紙面下方に押し込んで眼内挿入用レンズ20を装着部35の中心部に押し出し、押出軸33の軸方向中心とほぼ一致する第2の使用設置状態に移動させた様子を表している。
【0014】
この第2の使用設置状態では、筒本体31の基端部31a側に設けられた押出機構34により押出軸33を先端側に移動することで、眼内挿入用レンズ20を挿入筒32の先端部32aより眼内に押し出すことが可能となる。
また、符号100は、後述の眼内挿入用レンズ20の支持部22を所定形状に形状規制するための規制部材で、この規制部材100の先端部には使用者が指で挟持できる大きさの円盤状の挟持部100bを有し、該挟持部100bには前記挿入筒32の先端部32a開口より挿入される小径の操作杆100cが連続形成されており、その末端部には前記眼内挿入用レンズ20の支持部22を形状規制する末端を折曲げ形成したフック部100aが形成されたものである。
【0015】
図2は、図1(a)に示すレンズ保持部材10が挿入器具30に装着された組付け状態を示す図で、(a)は未使用の状態での部分拡大正面図、(b)は使用設置状態での部分拡大正面図である。図2の(a)に示すレンズ保持部材10は、例えば、円形の光学部21とは別素材で構成したループ状の一対の支持部22,22を有する眼内挿入用レンズ20の支持部22,22と、光学部21とのなす角度θを保持するために、前後方向に対峙して左右方向に伸び、角度θの傾斜面11aをもったベース部材11の係止部11b(図3参照)上に前記レンズ20の外周部を係止させて置き、ベース部材11の傾斜面11aと合わさる角度を底面14bに形成したトップ部材12の挟持部14で前記眼内挿入用レンズ20の支持部22,22を挟み込む構造を有している。
また、前記規制部材100の挿入筒32へ挿入された末端フック部100aは、投影方向で眼内挿入用レンズ20の光学部21外周部と前記挿入筒32側に位置する支持部22との間隙に配置されている。
【0016】
図2の(b)では、押圧部13を紙面下方に押し込んでトップ部材12によりレンズが使用設置状態に移動した状態を示している。この状態で支持部22の規制部材100の末端フック部100aは、前記光学部21と前記挿入筒382側の支持部22との間に位置し、規制部材100を移動させた場合に支持部22を末端のフック部100aに引っかけて所定形状に変形(形状規制)することのできる位置に配置されている。
この図2(b)の状態で押出軸先端33aによりレンズ20の光学部21を押すことにより、レンズ20の支持部22を巻き込むことなくレンズ20の光学部21の前方に位置したままで前記眼内挿入用レンズ20を押し出すことができる。
【0017】
前記規制部材100は、レンズ移動部39、挿入筒32の内壁に接触しても傷つけることのなくレンズ20の支持部22を変形させるのに十分な強度をもつ弾性体もしくは柔軟性を持つ素材で構成されている。
【0018】
この状態をより見やすくしたものが、図2(a),(b)の紙面上方向からの投影方向から見た図3(a),(b)である。これから容易にわかるようにレンズ20の光学部21の外周部とレンズ20の支持部22との間隙に前記規制部材100の末端のフック部100aが配置されている。図3(b)は押圧部13を押し下げて使用設置状態にした場合で、しかも前記規制部材100を図3(a)に示した状態より矢印方向に方向に引き抜いた状態を示している。
可撓性材料からなる前記眼内挿入用レンズ20の前記支持部22は、規制部材100の末端のフック部100aにより変形させられ、支持部22の湾曲形状がレンズ移動部39から挿入筒32へ連続する空間の内壁により伸ばされた所定の形状で固定される。
【0019】
前記レンズ保持部材10は、図4の(a),(b)によく示すように、上面に開口部11cを有し、且つ、前,後側壁11d,11dの下端部にそれぞれ前記装着部35の前,後側面下端近傍外周面に形成した係止段部38と弾撥的に結合する突状11e,11eを形成した左右方向開口の断面コ字状に構成されるとともに、前記前,後側壁11d,11dの内面ほぼ中央部には、眼内挿入用レンズ20の支持部22,22及び光学部21の外周を載置させる左右方向に伸びる一対の係止部11bが形成されている。そして、前記係止部11bは、図2(a)に示すように、眼内挿入用レンズ20の支持部22,22と光学部21との角度θを保持するために、角度θを有する傾斜面11aが形成されたものである。
【0020】
一方、前記ベース部材11の上面開口部11cに挿入されるトップ部材12は、中空矩形の角筒状に形成した挟持部14とこの挟持部14に上下方向移動可能に配設される押圧部13とから構成されている。前記挟持部14の底面14bは前記ベース部材11の係止部11bの傾斜面11aと同様の傾斜面14aが形成されていると共に、前後方向の内壁面14cには、互いに対峙させて所定の間隔で上,下に一対の凹部14d,14eが形成されている。
【0021】
前記押圧部13は、前記挟持部14の開口部14fより挿入されて、前記眼内挿入用レンズ20を未使用の保持状態から使用設置状態に移動させるためのものである。そして、上部には大径の頭部13aと、この頭部13aに連続する角柱状の脚部13bとから構成されると共に、脚部13bの下端近傍外面には突子13cが形成され、前記挟持部14の凹部14d,14eのいずれか一方に係合するようになっている。すなわち、未使用の保持状態では、凹部14dと、また、使用設置状態では押圧によって移動し凹部14eと係合するようになっている。また脚部13bの底面には凹面13dが形成され、該凹面13dには眼内挿入用レンズ20の外周部を保持する突起13fが形成されたものである。
【0022】
以上のように構成された本発明の実施の形態によれば、図4の(a)に示す第1の未使用の保持状態より図4の(b)に示す第2の使用設置状態にするには、レンズ保持部材10のベース部材11とトップ部材12によって、その外周の一部が挟み込まれたレンズ20をトップ部材12の押圧部13の大径の頭部13aを下方に押圧移動させることにより装着部35の凹状に湾曲した溝状のレンズ移動部39方向へ眼内挿入用レンズ20を移動させ、眼内挿入用レンズ20の外周部を前記湾曲凹部39aの開口突縁39bの裏面に係止させる。
このレンズ移動機構の操作によりレンズ20の中心と不図示の押出軸33の軸方向中心とがほぼ一致する状態となり、押出軸33を左方向へ移動させることでレンズ移動部39内の空間15を紙面垂直方向に移動して装着部35に一体に設けた挿入筒32の内腔を通過した後、眼内に押し出される。
なお、前記押圧部13は、突子13cが押圧によって移動して凹部14eと係合することでレンズ移動部39へ移動させた眼内挿入用レンズ20の復元を防止し位置決めが確実にできる。
【0023】
また、レンズ移動部39ヘレンズ20が移動した状態を確認することができるようにレンズ保持部材10に使用する成型材料は、透明または半透明の樹脂材料であることが望ましい。
また、図4によりトップ部材12の下方の面と、装着部35に形成したレンズ移動部39との間に、眼内挿入用レンズ20が移動する空間15を形成していることも確認できる。すなわちトップ部材12の押圧部13はレンズ20を下方に移動させる機能と装着部35との組合せによりレンズ移動空間15を形成するという2通りの機能を果すこととなる。
【0024】
以上のように、この発明の実施の形態におけるベース部材11,挟持部14及び押圧部13を備えたトップ部材12で構成されるレンズ保持部材10は、挿入器具30に組み込んで挿入器具30の機構の一部として機能するものである。
なお、前述の実施形態では、挿入器具30の筒本体31とレンズ保持部材10とを分離可能な別体構成のものを組付けて挿入器具30を構成するようにしたが、前記ベース部材11は筒本体31の装着部35と一体成型することも可能であると共に、トップ部材12についてもベース部材11の上面端部にヒンジを介して一体に成型することも勿論可能である。
また、本図は、眼内挿入用レンズ20を小さく変形させる変形手段の一部をレンズ保持部材10と一体に構成したことを特徴とすることも説明することができる。
【0025】
レンズ移動部39が湾曲の溝状としていること、トップ部材12でレンズ20をレンズ移動部39へ押し付けながら移動させること、及びレンズ移動部39の寸法Jとレンズ50の寸法KによりJ寸法よりK寸法が長いこと、の3点から、レンズ20が装着部35のレンズ移動部39へ移動した際に、変形手段の一部をレンズ保持部材10と一体に構成したことを確認できる。
【0026】
図5は、本発明の実施の形態の眼内挿入用レンズ20の支持部22を所定形状にする規制部材100の変形例を示した規制部材101を示している。この変形例における規制部材101では、眼内挿入用レンズ20の支持部22の形状を規制する末端のフック部101aと、トップ部材12が未使用時にレンズ12移動部39に移動して、未使用状態に保持した眼内挿入用レンズ20を変形させることのないようにした、誤動作防止手段40とを一体に構成したものである。
【0027】
前記誤動作防止手段40は、前記レンズ保持部材10のベース部材11の上面とトップ部材12の押圧部13の頭部13aに連続する角柱状の脚部13bの両側との間に配設されて,前記トップ部材12への予期しない押圧力による下向への移動に対応して、前記移動を阻止する一対の挟持部40a,40aを有し、先端部は前記規制部材101の操作杆101bの先端部と連結された一体成型のものからなる。なお、この第2実施形態における規制部材101の末端の折曲げフック部101aは、未使用状態から使用状態に操作する際に、前記誤動作防止手段40と一体成形されているので、同時に移動を開始するが、フック部101aの折り曲げ長さを長くしてあり、前記眼内挿入用レンズ20の未使用の保持状態にあっても、フック部101aと前記支持部22とが互いに係合状態になっているので、使用するためにトップ部材12を押し下げた状態では、挿入筒32側に位置する前記支持部22の先端形状を規制して支持部22の先端を挿入筒32の壁面に案内する。
【0028】
また、前記規制部材101のフック部101aの長さを前記挿入筒32の先端部開口の直径長さより長くしたが、規制部材101は支持部22を変形させるのに十分な強度をもつ弾性体もしくは柔軟性を持つ素材で構成されているため、挿入筒32への抜き差しにおいては前記柔軟性を利用して若干変形させた状態で装着が可能となる。
また、前記実施形態では規制部材101と誤動作防止手段40を一体成型したものについて説明したが、夫々別体構成とし、先端側で互いに連結するように構成しても良いことは勿論である。
【0029】
このような構成の規制部材101によれば、眼内挿入用レンズ20の眼内挿入に際しては誤動作防止手段40を紙面左方向に引き抜いてレンズ20をレンズ移動部39に移動するだけで、前記誤動作防止手段40と共に移動する末端フック部101aによって、支持部22を所定形状に形状規制することができるので、誤動作防止手段と所定形状への手段との両機能を兼ね備えることができる。
【0030】
特に、眼内挿入用レンズ20の挿入システムが使用される環境では無菌の環境が必要とされるため、実際の使用時に操作者は手袋等をはめた状態で作業をする必要があり、細かいものへの操作性が低下するため、レンズ保持部材10より大きく持ちやすい挿入器具30をもって、レンズ保持部材10の押圧部13を上方から下方に押し付ける動作により第1の未使用の保持状態より第2の使用設置状態に眼内挿入用レンズ20を移動させて挿入器具30から眼内挿入用レンズ20を眼内に挿入できることは、より好ましい操作形態といえる。
【0031】
また、前述の実施の形態では、レンズ保持部材10と挿入筒32の双方で眼内挿入用レンズ20を変形させる変形手段を示したが、特にこれに限定することなく、レンズ保持部材10のみで眼内挿入用レンズ20を眼内に挿入する小さな形状に変形させた上で、挿入筒32の内腔を通過させて眼内に挿入する構成としたり、レンズ保持部材10には前記変形手段を形成することなく、変形手段を挿入筒32に持たせる構成とするなど、容易に変更出来ることは勿論である。
【0032】
また、前記使用した眼内挿入用レンズ20の中心とは、眼内挿入用レンズ20を水平にした状態で、光学部21の垂直中心を通る前後方向且つ厚さ方向の中心を指すものである。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、変形可能な光学部と光学部を眼内で支持する支持部材を有する眼内挿入用レンズからなるレンズと、光学部に応力をかけない状態でレンズを内部に保持する機構を有する保持手段と、前記レンズを小さく変形する変形手段、並びに、変形されたレンズを内腔を通して眼内に挿入する挿入筒および前記レンズを挿入筒先端部開口から眼内に押出す押出機構を有する眼内挿入用レンズの挿入器具とで構成され、前記保持手段には、前記レンズを未使用の保持状態から前記押出機構により押出し可能な位置に移動させるためのレンズ移動機構を備えた眼内挿入用レンズの挿入システムであって、レンズ押出時に前記支持部を所定形状にするための規制部材を備えることで、変形、押出時において支持部に無理な力がかかることを防止することが可能であるため、眼内挿入時に支持部が変形することを回避し、安全性と安定性を向上させた眼内挿入用レンズの挿入システムの提供が可能となる。
請求項2の発明は、請求項1に記載した眼内挿入用レンズの挿入システムにおいて、押出時に支持部を所定形状にするための規制部材は、挿入筒先端より挿入される抜き差し可能な末端フック部が、前記光学部の外周部と前記支持部との間に配置されたフック形状を有する部材であるため、前記眼内挿入用レンズを挿入筒先端より押し出す時には確実に支持部を所定形状にしておくことが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1に記載した眼内挿入用レンズの挿入システムにおいて、前記支持部を所定形状にするための規制部材に、レンズ移動機構の誤動作防止機能を兼ねる機構を付加したので、上記の利点に加えて挿入システムの未使用の保持状態を確実に維持することが可能であり、使用前の誤動作や搬送時の振動や衝撃などによる誤動作を確実に防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る眼内挿入用レンズの挿入システムの一実施の形態を示す図であり、(a)はレンズ保持部材を挿入器具に装着して前記第1の未使用の保持状態を示す正面図、(b)は第2の使用設置状態を示した正面図である。
【図2】図1の(a)の部分拡大図で、(a)はレンズ保持状態を示す部分拡大正面図、(b)は使用設置状態を示す拡大正面図である。
【図3】図2の平面投影図で、(a)は、支持部フックが当初の位置に配置された図、(b)は、支持部フックを引き抜いて支持部が所定形状に変形された図。
【図4】図1の(a),(b)実施の形態の要部の断面を示すもので、(a)は、図1(a)における1−1線に沿う拡大断面図、(b)は、図1(b)における2−2線に沿う拡大断面である。
【図5】本発明の実施形態の眼内挿入用レンズの支持部を挿入筒側への押出動作前に支持部を所定形状にする規制部材の変形例を示す要部拡大正面図である。
【図6】図5の変形例の規制部材のみを示した平面図である。
【符号の説明】
10 レンズ保持部材(保持手段)
11 ベース部材
12 トップ部材
13 押圧部
13a 大径の頭部
13b 脚部
13c 突子
14 挟持部
14a 傾斜面
14b 底面
14c 内壁面
14d,14e 凹部
14f 開口部
15 空間
20 眼内挿入用レンズ
21 光学部
22 支持部
30 挿入器具
31 筒本体
31a 基端部
31b 先端部
32 挿入筒
32a 挿入筒先端部開口
33 押出軸
34 押出機構
35 装着部
39 装着部のレンズ移動部
39a 湾曲面
39b 突縁
40 誤動作防止手段
100,101 規制部材
100a 末端フック部

Claims (3)

  1. 変形可能な光学部と前記光学部を眼内で支持する支持部とを有する眼内挿入用レンズからなるレンズと、光学部に応力をかけない状態でレンズを内部に保持する機構を有する保持手段と、前記レンズを小さく変形する変形手段、並びに、変形されたレンズを内腔を通して眼内に挿入する挿入筒および前記レンズを挿入筒先端部開口から眼内に押出す押出機構を有する眼内挿入用レンズの挿入器具とで構成され、前記保持手段には、前記レンズを未使用の保持状態から前記押出機構により押出し可能な使用状態位置に移動させるためのレンズ移動機構を備えた眼内挿入用レンズの挿入システムであって、前記レンズ押出時に前記支持部を所定形状にするための規制部材を備えたことを特徴とする眼内挿入用レンズの挿入システム。
  2. 前記支持部を所定形状にする規制部材は、挿入筒先端部開口より挿入され、抜き差し可能な末端部が前記光学部の外周部と前記支持部との間に配置されたフック形状を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の眼内挿入用レンズの挿入システム。
  3. 前記規制部材が、前記レンズ移動機構の誤動作防止機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の眼内挿入用レンズの挿入システム。
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