JP7327956B2 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents

眼内レンズ挿入器具 Download PDF

Info

Publication number
JP7327956B2
JP7327956B2 JP2019045673A JP2019045673A JP7327956B2 JP 7327956 B2 JP7327956 B2 JP 7327956B2 JP 2019045673 A JP2019045673 A JP 2019045673A JP 2019045673 A JP2019045673 A JP 2019045673A JP 7327956 B2 JP7327956 B2 JP 7327956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intraocular lens
insertion device
hollow body
protrusion
lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019045673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020146198A (ja
Inventor
和徳 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2019045673A priority Critical patent/JP7327956B2/ja
Priority to PCT/JP2019/050238 priority patent/WO2020183856A1/ja
Priority to US17/435,762 priority patent/US20220151767A1/en
Priority to EP19919001.8A priority patent/EP3939542A4/en
Priority to CN201980093397.4A priority patent/CN113498333A/zh
Priority to KR1020217030550A priority patent/KR20210138612A/ko
Publication of JP2020146198A publication Critical patent/JP2020146198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7327956B2 publication Critical patent/JP7327956B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/14Eye parts, e.g. lenses, corneal implants; Implanting instruments specially adapted therefor; Artificial eyes
    • A61F2/16Intraocular lenses
    • A61F2/1662Instruments for inserting intraocular lenses into the eye
    • A61F2/167Instruments for inserting intraocular lenses into the eye with pushable plungers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F9/00Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
    • A61F9/007Methods or devices for eye surgery
    • A61F9/00736Instruments for removal of intra-ocular material or intra-ocular injection, e.g. cataract instruments
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/14Eye parts, e.g. lenses, corneal implants; Implanting instruments specially adapted therefor; Artificial eyes
    • A61F2/16Intraocular lenses
    • A61F2/1662Instruments for inserting intraocular lenses into the eye
    • A61F2/1678Instruments for inserting intraocular lenses into the eye with a separate cartridge or other lens setting part for storage of a lens, e.g. preloadable for shipping
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/14Eye parts, e.g. lenses, corneal implants; Implanting instruments specially adapted therefor; Artificial eyes
    • A61F2/16Intraocular lenses
    • A61F2002/1681Intraocular lenses having supporting structure for lens, e.g. haptics

Description

本発明は眼内レンズ挿入器具に関する。
白内障手術においては、超音波乳化術による混濁した水晶体の除去、および水晶体除去後の眼内への埋植が広く行われている。そして現在では、シリコーンエストラマー等の軟質な材料からなる軟性の眼内レンズを、眼内レンズ挿入器具を用いて眼内に挿入することが行われている。
軟性の眼内レンズを眼内に挿入する場合、該眼内レンズを折り畳むことが可能となり、角膜に対する切開創を小さくすることができる。
眼内レンズを折り畳む方法として、眼内レンズ挿入器具内にて折り畳む手法が知られている(例えば本出願人による特許文献1)。特許文献1に記載の手法は、ケースに突起部を設けておき、眼内レンズ挿入器具とケースとを嵌合することにより、眼内レンズ挿入器具に設けられた突起挿入孔からケースの突起部が突出する(段落0038、図3~図6等)。
この状態で、光学機能を有する略円盤状の光学部と該光学部から延在する一対の支持部とを有する眼内レンズを、ノズル部の排出孔に向かって前進させる。前進に伴い、眼内レンズの前方支持部の先端が突起部に当接し、後方に折り返させることができる(段落0041、図6、図7等)。
特許第5254669号明細書
特許文献1に記載の手法によれば、眼内レンズの前方支持部を後方に折り返すことが可能である。その一方、以下の現象が生じ得ることが本発明者の調べにより明らかとなった。
特許文献1に記載の手法だと、眼内レンズの前進によって、眼内レンズの前方支持部を後方に折り返すとともに、眼内レンズの光学部も折り畳まれていく。この折り畳みの際に内側となる面(以降、内面と称する。)により前方支持部が包まれるのが理想である。このような理想の折り畳みの状態をタッキングとも称する。
その一方、眼内レンズの前進の際に、光学部の内面の反対面である外面と眼内レンズ挿入器具の内壁との間に前方支持部が入り込むおそれがあることが、本発明者の調べにより明らかとなった。
光学部の外面と眼内レンズ挿入器具の内壁との間に前方支持部が入り込んでしまった場合、眼内レンズを放出後すなわち患者の眼内にて術者が前方支持部の歪な折れ曲がりを元に戻さなければならない。その場合、術者に大きな負担を強いる。
本発明は、タッキングの精度を向上させる眼内レンズ挿入器具を提供することを技術的課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討を加えた。その際、特許文献1に記載の突出部に前方支持部が当接した場合の動きに本発明者は着目した。その結果、特許文献1に記載の突出部だと、眼内レンズ全体が前方に進行する際に、前方支持部が後方に向かって折れ曲がり続けて前方支持部の先端が眼内レンズ挿入器具の内壁近傍に移動するタイミングと、折り畳まれた眼内レンズにおける光学部の周縁が前進するタイミングとが非常に近いないし前方支持部の先端の方が早く内壁に移動する傾向があることが明らかとなった。
そこで本発明者は、このタイミングを意図的にずらすべく、眼内レンズ全体が前進する際に、後方に向かって折れ曲がる前方支持部の先端を一旦保持することにより前方支持部の折れ曲がりを抑制し、眼内レンズ挿入器具の内壁近傍に移動するタイミングを遅らせる、という技術的思想を創出した。
上記の知見に基づいて得られた構成は以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
光学機能を有する光学部と前記光学部から延在する支持部とを有する眼内レンズを眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具であって、
前記眼内レンズが設置される中空体の内壁に沿って前記眼内レンズを前進させることにより前記光学部の内面を内側にして折り畳まれた前記眼内レンズを前記中空体の外に放出する際に、前記支持部のうちの一つであって前方に配置された前方支持部に当接させて前記前方支持部を折り曲げる突起部を有し、
前記突起部は、前記眼内レンズの折り畳みの際に、前記前方支持部の保持により前記前方支持部の折り曲げの進行を一時的に抑制する保持部を有する、眼内レンズ挿入器具である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明であって、
挿入器具本体である前記中空体と、
前記中空体の内部に設けられるレンズ設置部と、
前記レンズ設置部に配置される前記眼内レンズを前進させる前進部材と、
前記レンズ設置部より前方に配置され且つ前記中空体の内壁から突出する前記突起部と、
前記中空体の前方先端部に配置される挿入筒と、
を有し、
前記挿入筒は、中空の挿入筒本体と、管状のノズル部とを有し、
前記突起部は、前記前進部材により前記眼内レンズが前進する際に、前記前方支持部と当接することにより前記前方支持部を折り曲げる第1当接部と、前記第1当接部の前方に配置される前記保持部とを有し、
前記保持部は、前記前方支持部が前記第1当接部から離れた後に前記前方支持部を支える支持部受け部と、前記支持部受け部の前方に配置され且つ前記支持部受け部にて支えられながら前記前方支持部と当接する第2当接部と、を有する。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の発明であって、
前記第1当接部と前記保持部との間は面取りされている。
本発明の第4の態様は、
光学部と前記光学部から延在する支持部とを有する眼内レンズを眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具であって、
前記眼内レンズの光軸方向を上下方向として前記眼内レンズが載置されるレンズ設置部を有する中空体と、
前記中空体の内壁から突出し、且つ、前記レンズ設置部から前方に向かって見た時に少なくとも上方に向かう1段の段差と該段差の前方に配置された壁とを有する突起部と、を有する、眼内レンズ挿入器具である。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の発明であって、
前記突起部は、前記中空体の内壁の下方から上方へと突出し、且つ、前記レンズ設置部から前方に向かって見た時に少なくとも上方に向かう2段の段差を有する。
本発明の第6の態様は、第1~第5のいずれかの態様に記載の発明であって、
前記突起部における最も後方側にスロープが配置される。
本発明の第7の態様は、第1~第6のいずれかの態様に記載の発明であって、
前記中空体と嵌合するケースを更に有し、
前記突起部は前記ケースに設けられており、
前記中空体には、前記突起部を嵌合可能な孔が形成される。
本発明の第8の態様は、第1~第7のいずれかの態様に記載の発明であって、
前記眼内レンズを更に有し、
前記眼内レンズの前記光学部および前記支持部の基端側は軟質材料により構成され、
前記眼内レンズの前記光学部は、光学機能を奏する有効光学部と、前記有効光学部の周囲に配置され且つ平板状の周縁部とを有する。
本発明によれば、タッキングの精度を向上させる眼内レンズ挿入器具を提供できる。
図1は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具の外観の構成例を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る挿入器具本体の先端部分の構造および配置を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具のケースの斜視図である。 図4は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具をケースに装着した様子を示す斜視図である。 図5は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す斜視図である。 図6は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す、Y1からY2方向に向かって見た時の側面図である。 図7は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具における突起部に対する前方支持部(断面視)の動きを示す概略断面図である。 図8は、本発明の変形例(その1)に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す、Y1からY2方向に向かって見た時の概略側面図である。 図9は、本発明の変形例(その2)に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す、Y1からY2方向に向かって見た時の概略側面図である。 図10は、本発明の変形例(その3)に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す、Y1からY2方向に向かって見た時の概略側面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書において「~」は所定の値以上かつ所定の値以下を指す。
本実施形態においては、眼内レンズ挿入器具の各部の相対的な位置関係や動作の方向などを説明するにあたって、X軸方向の一方をX1方向、同他方をX2方向、Y軸方向の一方をY1方向、同他方をY2方向、Z軸方向の一方をZ1方向、同他方をZ2方向とする。そして、X1方向を先端側(前方、レンズ進行方向)、X2方向を後端側(後方)、Y1方向を左側(左方)、Y2方向を右側(右方)、Z1方向を上側(上方、眼内レンズを配置した時の厚さ方向及び光軸方向)、Z2方向を下側(下方)と定義する。このうち、X1方向およびX2方向は、眼内レンズ挿入器具1の長さ方向に相当し、Y1方向およびY2方向は、眼内レンズ挿入器具の幅方向に相当し、Z1方向およびZ2方向は、眼内レンズ挿入器具1の高さ方向に相当する。
なお、先に述べておくと、本実施形態における主な特徴部分は特許文献1に記載の突起部21(特許文献1の第1の実施の形態における図3~図6等)、突起部52(特許文献1の第2の実施の形態における図7等)、突起部80(特許文献1の第3の実施の形態における図8、図10、図11等)の態様にある。そのため、眼内レンズ挿入器具における前方支持部を折り曲げるための突起部に係る部分以外については説明を簡素化する。
前方支持部を折り曲げるための突起部に係る部分以外は公知の眼内レンズ挿入器具の構成を採用して差し支えない。例えば本出願人によるWO2018/003854号公報等の構成を採用して差し支えない。以下に記載が無い内容は、公知の眼内レンズ挿入器具の構成(例えばWO2018/003854号公報の構成)を採用するものとし、WO2018/003854号公報の記載は本明細書に全て記載されているものとする。
<眼内レンズ挿入器具の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具の外観の構成例を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る挿入器具本体の先端部分の構造および配置を示す斜視図である。
なお、本願図1、図2は、WO2018/003854号公報の図1、図6と、眼内レンズ4以外は構成が類似する。そのため、本願図2に記載の符号のうち本明細書に記載のない符号はWO2018/003854号公報に記載の説明の通りである。
眼内レンズ挿入器具1は、眼内レンズを眼内に挿入する際に使用されるものである。本実施形態においては、眼内レンズの一例として、シリコーンエラストマーや軟性アクリルなどの軟質材料からなるワンピースタイプの眼内レンズ4(図2参照)であって、光学的な機能を果たす円形の有効光学部41aおよびその周縁部41bを備える光学部41と、この光学部41の外周部の2箇所から湾曲して外向きに延びる2つの支持部42a,42bとを有する眼内レンズ4を取り扱うものとする。符合42aは、レンズ設置部11に設置されたときに前方に配置される前方支持部を示し、符号42bは、後方に配置される後方支持部を示す。
眼内レンズ4の光学部41および光学部41と連結する支持部42a,42bの基端側は軟質材料により構成される場合を例示する。この構成により眼内レンズ4の折り畳みが容易になる。なお、支持部42a,42bの末端側も同様に軟質材料により構成されてもよいし、硬質材料(例:ポリエチレン、PMMA等)により構成されてもよい。
なお、光学部41における有効光学部41aは光学機能を奏する形状を有し、周縁部41bは有効光学部41aの周囲に円環状に形成されており、その円環が平板状である。もちろんそれ以外の構成を採用しても構わない。例えば、有効光学部41aのみから光学部41が構成されても構わない。また、周縁部41bが有効光学部41aと連続して形成されていても構わない、つまり、周縁部41bと有効光学部41aとが滑らかに連結され、連続面を形成しても構わない。
眼内レンズ挿入器具1は、挿入器具本体5と、スライダ6と、挿入筒7と、回転部材8と、プランジャ9と、ロッド(図1の眼内レンズ挿入器具1の内部に配置されて隠れているため不図示)と、を備えた構成となっている。これらの構成要素は、好ましくは、それぞれ樹脂の成形品によって構成されるものである。
挿入器具本体5および挿入筒7は、それぞれ中空構造をなし、互いに連結されることによって中空体を構成するものである。
スライダ6は、挿入器具本体5に装着されている。
挿入筒7は、挿入器具本体5の先端部と連通するように配置されている。挿入筒7と挿入器具本体5の先端部とは一体成型されてもよいし、別体に成形され且つ該先端部に挿入筒7が装着されてもよい。挿入筒7は、中空の挿入筒本体7aと、細い管状のノズル部7bとを有している。その際、挿入器具本体5のレンズ設置部11は、そこに設置された眼内レンズ4と一緒に、挿入筒7の挿入筒本体7a内に収容して配置される。挿入筒本体7aの上面には注入孔7cが形成されている。注入孔7cは、粘弾性物質(たとえば、ヒアルロン酸ナトリウムなど)を注入するためのものである。注入孔7cから注入される粘弾性物質は、レンズ設置部11に設置される眼内レンズ4に供給される。
回転部材8は、挿入器具本体5の後端部に回転自在に連結されている。
プランジャ9は、挿入器具本体5と同軸に配置されている。プランジャ9の一部は回転部材8を介して挿入器具本体5の内部に配置され、プランジャ9の他部は回転部材8から後方に突出する状態で配置されている。
ロッドは、挿入器具本体5および挿入筒7からなる中空体の内部に配置されている。ロッドはプランジャ9と連結され、眼内レンズ4を前進させる役割を担う。
レンズ設置部11は、図2に示すように、底面部11aと、レンズ受け部11bと、レンズガイド部11cとを備えている。レンズ受け部11bは、眼内レンズ4を下方から受けて支持するものである。眼内レンズ4は、前方支持部42aをその名の通り前方(X1方向)、他方の後方支持部42bをその名の通り後方(X2方向)に配置した状態でレンズ設置部11に設置される。眼内レンズ挿入器具1は、予め眼内レンズ4が挿入器具本体5のレンズ設置部11に設置されるプリロードタイプとなっている。このため、眼内レンズ4は、眼内レンズ挿入器具1の構成要素の1つとなる。但し、本発明を実施するにあたっては、必ずしもプリロードタイプである必要はない。
後述の突起部20を除いて眼内レンズ挿入器具1の構成を表現すると、以下の通りである。
「挿入器具本体5である前記中空体と、
前記中空体の内部に設けられるレンズ設置部11と、
前記レンズ設置部11に配置される前記眼内レンズ4を前進させる前進部材(スライダ6またはプランジャ9と連結したロッド)と、
前記レンズ設置部11より前方に配置され且つ前記中空体の内壁から突出する前記突起部20と、
前記中空体の前方先端部に配置される挿入筒7と、
を有し、
前記挿入筒7は、中空の挿入筒本体7aと、管状のノズル部7bとを有する、眼内レンズ挿入器具1。」
<ケースの構成>
ケースの構成としては、例えば本出願人による特許文献1の構成を採用して差し支えない。ケースの構成に関し、以下に記載が無い内容は、特許文献1の構成を採用するものとし、特許文献1の記載は本明細書に全て記載されているものとする。
なお、上記WO2018/003854号公報の記載の内容と特許文献1に記載の内容に齟齬がある場合は、上記WO2018/003854号公報の記載を優先する。例えば、特許文献1だと突起部80により前方支持部を折り曲げた状態で眼内レンズ4をレンズ設置部に設置していると記載されているが、本実施形態においてはWO2018/003854号公報に記載のように折り曲げ前の状態の眼内レンズ4を載置する箇所をレンズ設置部11として扱う。
図3は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具のケースの斜視図である。
図4は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具をケースに装着した様子を示す斜視図である。
本実施形態に係る眼内レンズ挿入器具1は、例えば合成樹脂素材により一体成形されたケース62に着脱自在に取り付けられ得る。特許文献1の図10(本願における図3が対応)に示すように、ケース62には、眼内レンズ挿入器具1を取り囲むようにして底板部75にU字状の壁部76が立設され、当該底板部75の所定位置に突起部20が立設されている。
突起部20は、特許文献1の図11(本願における図4が対応)に示すように、眼内レンズ挿入器具1がケース62に装着されることにより眼内レンズ挿入器具1の突起挿入孔73に挿入し得るように構成されている。これにより眼内レンズ挿入器具1には、ケース62の突起部20が先端部材71の移動空間の中央領域に配置され得るようになされている。
図4に示すように、眼内レンズ挿入器具1をケース62に取り付けた状態で、スライダ6により、レンズ設置部11に載置された眼内レンズ4をノズル部7bの排出孔に向かって前進させる。なお、スライダ6を設けない構成を採用する場合、この前進はプランジャ9(直接的にはプランジャ9と連結したロッド)にて行ってもよい。そのため、スライダ6またはプランジャ9と連結したロッドのことを前進部材とも称する。
この前進により、眼内レンズ4は、突起部20に前方支持部42aが当接して前方支持部42aの先端がレンズ進行方向(前方、X1方向)とは逆方向の後方(X2方向)に折り返され、ほぼU字状に折り曲げられる。
また、この眼内レンズ挿入器具1は、この状態のままケース62から離脱され、前方支持部42aが折り曲げられた状態のまま眼内レンズ4を前方(X1方向)に向けてプランジャ9で押し出してゆき、眼内レンズ4をノズル部7bから眼内に放出し得る。
<本実施形態に係る突起部の詳細>
その一方、眼内レンズ4の放出の際に上述のように前方支持部42aの先端が中空体の内壁と光学部41の外面との間に入り込むという課題が生じる。この課題を解決すべく、本実施形態においては突起部20を以下の態様とした眼内レンズ挿入器具1を使用する。
「光学部41と前記光学部41から延在する支持部42a,42bとを有する眼内レンズ4を眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具1であって、
前記眼内レンズ4の光軸方向を上下方向として前記眼内レンズ4が載置されるレンズ設置部11を有する中空体と、
前記中空体の内壁から突出し、且つ、前記レンズ設置部11から前方に向かって見た時に少なくとも上方に向かう1段の段差22(22a,22b)と該段差の前方に壁23aとを有する突起部20と、
を有する、眼内レンズ挿入器具1。」
本実施形態における突起部20の態様について詳述する。レンズ設置部11に眼内レンズ4が載置された状態からスライダ6により眼内レンズ4を前進させる際の前方支持部42aの動きを時系列順に説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す斜視図である。
図6は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す、Y1からY2方向に向かって見た時の側面図である。
図7は、本発明の実施形態に係る眼内レンズ挿入器具における突起部に対する前方支持部(断面視)の動きを示す概略断面図である。
眼内レンズ4が前進し始めると、前方支持部42aが突起部20における段差22の起立部分22aに当接する。この段差22は、図6に示すように、上方に向かう1段の段差すなわち上り階段の形状の段差である。眼内レンズ4が前進し続けると、該段差22との当接によって前方支持部42aが後方に折り返されるとともに光学部41の前進により前方支持部42aが段差22を摺り上る(図7(a)→(b)→(c))。
更に眼内レンズ4が前進し続けると、前方支持部42aは段差22を上り切る。前方支持部42aが段差22を上り切ると、前方支持部42aは該段差22の上に乗り上げつつも該段差22の前方の壁部23aに向かって改めて前進を開始する(図7(c)→(d))。この乗り上げおよび改めての前進の一連の動きの際、段差22の摺り上りの時に比べ、前方支持部42aの折れ曲がりが一時的に抑制される。
そして、眼内レンズ4が更に前進すると、1段目の段差22と同じ現象すなわち壁23aに対する前方支持部42aの摺り上りが生じるとともに前方支持部42aの折れ曲がり度合いが再び増加に転じる(図7(d)→(e))。
これにより、眼内レンズ4の光学部41の折り畳まれた周縁部41bが前進するタイミングに対し、前方支持部42aの先端が中空体の内壁近傍に移動するタイミングを遅らせることが可能となる。その結果、タッキングの精度を向上させることが可能となる。
なお、特許文献1に記載の突起部であって前方支持部を折り曲げる突起部21は、単なるピン状の突起である。このピン状の突起を段差とみなせたとしても、その前方に、本実施形態の突起部20のような壁23aは存在しない。また、特許文献1に記載の別の突起部52,80は、レンズ設置部から前方に向かって見たときに凹状湾曲が形成されているものの、レンズ設置部から前方に向かって見た時には1段の段差しか存在せず、その前方に、本実施形態の突起部20のような壁23aは存在しない。
突起部20の具体的な態様としては、上記構成(中空体の内壁から突出、段差、壁)を満たすのならば特に限定はない。例えば、突起部20は、中空体の内壁の下方から上方へと突出し、且つ、前レンズ設置部11から前方に向かって見たときに少なくとも上方に向かう2段の段差を有してもよい。
図5、図6に示すように、突起部20が下方から上方へと突出する場合、上方に向かう段差の数は2段以上であれば特に制限は無いが、2~4段だと上記タイミングを効果的にずらせ且つ眼内レンズ挿入器具1の製造し易さ的に好ましい。もちろん更に多くの段差を設けたとしても(言い方を変えると一つの段差22の起立部分22aの上下方向の距離が小さくなっても)、特許文献1に記載の突起部に比べ、眼内レンズ4の光学部41の折り畳まれた周縁部41bが前進するタイミングに対し、前方支持部42aの先端が中空体の内壁近傍に移動するタイミングを遅らせることに変わりはない。
上方に向かう段差22の詳細についてであるが、例えば、段差のうち最も後方の起立部分22aは、眼内レンズ4の進行方向に対し、上方を正、下方を負としたとき45~95°傾いて配置され、段差22における上の部分22bの傾きは、眼内レンズ4の進行方向に対して-30~30°の範囲に設定するのが、上記タイミングを効果的にずらせ且つタッキングの精度を更に向上させやすくなり、好ましい。そして段差22の前方に配置された壁23a(2段目の段差23における起立部分)は、眼内レンズ4の進行方向に対して60~100°傾いて配置されるのが同様に好ましい。なお、2段目の段差23における上の部分23bの傾きについては特に限定は無いが、1段目の段差22における上の部分22bと同様、眼内レンズ4の進行方向に対して-30~30°の範囲に設定してもよい。以降、特記無い限り、段差とは1段目の段差22のことを指す。
段差22のうち最も後方の起立部分22aの上下方向の距離は例えば0.3~1.5mmであってもよく、段差22における上の部分22bの前後方向の距離は0.2~1.5mmであってもよく、壁23aの上下方向の距離は例えば0.3~1.5mmであってもよい。段差が複数存在する場合、各段差の起立部分の上下方向の距離は一律に0.3~1.5mmとしてもよい。これらの条件により、上記タイミングを効果的にずらせ且つタッキングの精度を向上させやすくなる。
なお、突起部20全体の上下方向の距離は、眼内レンズ挿入器具1という用途を鑑み、1.5~3.0mmとするのがよい。
図5~図7に示すように、段差22の後方に上りスロープ(傾斜)21を配置しても構わない。スロープ21を配置することにより、眼内レンズ4が前進し始めの際に前方支持部42aが当接すべき段差22の起立部分22aへと前方支持部42aを誘導することが可能となる。なお、スロープ21の角度には特に限定はないが、あくまでスロープ21であることから眼内レンズの進行方向に対して0°を超え且つ45°以下とするのが好ましい。
なお、該スロープ21は、中空体の内壁下方に対して連続面となっているのがよいが、幾ばくかの段差(例えば上下方向0.1mm以下)は許容される。それ以上の距離がある場合、段差22とみなして構わない。このような状況を加味したうえで、本明細書においては少なくとも2つの段差、という表現を用いている。
図8は、本発明の変形例(その1)に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す、Y1からY2方向に向かって見た時の概略側面図である。
なお、本実施形態では該段差22と該壁23aとが一体となっている場合を例示するが、図8に示すように、互いに離間して形成されていてもよい。但し、離間幅が大きすぎると前方支持部42aが嵌ってタッキングに影響をもたらす可能性がある。そのため、離間させるにしても、前方支持部42aの断面最小幅よりも小さい離間幅とするのが好ましい。
突起部20が中空体の内壁から突出する際の態様についてであるが、本実施形態では特許文献1に記載のようにケース62に突起部20を設け且つ眼内レンズ挿入器具1に突起挿入孔73を設ける場合を例示した。
つまり、
「前記中空体と嵌合するケース62を更に有し、 前記突起部20は前記ケース62に設けられており、
前記中空体には、前記突起部20を嵌合可能な孔73が形成された、眼内レンズ挿入器具1。」
を本実施形態では例示した。
その一方、眼内レンズ挿入器具1の中空体の内壁に対して該突起部20またはその一部を設けてももちろん構わない。
また、本実施形態では突起部20が下方から上方へと突出する場合について例示した。その場合が好ましい一方で、その場合には本発明は限定されない。
図9は、本発明の変形例(その2)に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す、Y1からY2方向に向かって見た時の概略側面図である。
例えば、図9に示すように、中空体の内壁の上方から下方へと突起部20が突出する場合、内壁下方手前で突出を止めつつ、レンズ設置部11から前方を見たときに、上記上方に向かう段差22および壁23aが、中空体の内壁上方からぶら下がる形で配置されても構わない。同様に、中空体の内壁側方から突起部20を突出させても構わない。
段差22のうち最も後方の起立部分22aと上の部分22bとの間すなわち階段の角の部分を面取りすることにより、タッキングの精度を更に向上させられることが本発明者の調べにより明らかとなっている。面取りの態様には特に限定は無く、図5、図6のように角を切り取って平面化してもよいし、丸みをつけてもよい。
また、前段落の面取りを、段差22および段差23に係る全ての角の部分に対して行ってもよい。
図10は、本発明の変形例(その3)に係る眼内レンズ挿入器具における突起部の近傍の様子を示す、Y1からY2方向に向かって見た時の概略側面図である。
図10の場合、起立部分22aの部分および壁23aの部分における曲面の接線が、眼内レンズ4の進行方向に対して例えば60~100°傾いたときに前方支持部42aの折れ曲がりと摺り上りが効果的に生じる。また、段差22における上の部分22bに対応する部分の接線の傾きが、眼内レンズ4の進行方向に対して例えば-30~30°であるときに、前方支持部42aが該部分22bの上に乗り、折れ曲がりが一時的に抑制される。
また、術式の条件(特に眼内レンズ4の周縁部41bの柔軟性)により、光学部41の外面と眼内レンズ挿入器具1の内壁との間に前方支持部42aが入り込むおそれの度合いが変化することも本発明者の調べにより明らかとなっている。その知見を反映させた構成は以下のとおりである。
「前記眼内レンズ4を更に有し、
前記眼内レンズ4の前記光学部41および前記支持部42a,42bの基端側は軟質材料により構成され、
前記眼内レンズ4の前記光学部41は、光学機能を奏する有効光学部41aと、前記有効光学部41aの周囲に配置され且つ平板状の周縁部41bとを有する、眼内レンズ挿入器具。」
以上、本実施形態に係る突起部20の態様を具体的に特定した。その一方、本発明の技術的思想は、眼内レンズ4の光学部41の折り畳まれた周縁部41bが前進するタイミングに対し、前方支持部42aの先端が眼内レンズ挿入器具1の内壁近傍に移動するタイミングを遅らせることを旨としている。技術的思想として本発明を表現すると以下の構成となる。
「光学機能を有する光学部41と前記光学部41から延在する支持部42a,42bとを有する眼内レンズ4を眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具1であって、
前記眼内レンズ4が設置される中空体の内壁に沿って前記眼内レンズ4を前進させることにより前記光学部41の内面を内側にして折り畳まれた前記眼内レンズ4を前記中空体の外に放出する際に、前記支持部42a,42bのうちの一つであって前方に配置された前方支持部42aに当接させて前記前方支持部42aを折り曲げる突起部20を有し、
前記突起部20は、前記眼内レンズ4の折り畳みの際に、前記前方支持部42aの保持により前記前方支持部42aの折り曲げの進行を一時的に抑制する保持部を有する、眼内レンズ挿入器具1。」
なお、これまでに述べてきた本実施形態に係る突起部20の態様を具体的に特定した際の好適例は、上記構成にも適用可能である。
前段落の突起部20は、これまで述べてきた段差22および壁23aに該当する。そしてこの突起部20が有する保持部は、これまで述べてきた段差22の上の部分22bおよび壁23aに該当する。つまり、段差22の上の部分22bと壁23aとの間に前方支持部42aが一時的に収まることにより、前方支持部42aが一時的に保持される。但し、その保持はあくまで一時的なものであり、眼内レンズ4が更に前進すると、1段目の段差22と同じ現象が生じる、すなわち壁23aに対する前方支持部42aの摺り上りが生じるとともに前方支持部42aの折れ曲がり度合いが再び増加に転じる。なお、上記のような本発明の表現だと、突起部20は段差22,23に限定されない。保持部においても同様に、段差22の上の部分22bとその前方の壁23aに限定されない。
更に好ましくは、技術的思想として本発明を表現すると以下の構成となる。
「前記突起部20は、前記前進部材により前記眼内レンズ4が前進する際に、前記前方支持部42aと当接することにより前記前方支持部42aを折り曲げる第1当接部と、前記第1当接部の前方に配置される前記保持部とを有し、
前記保持部は、前記前方支持部42aが前記第1当接部から離れた後に前記前方支持部42aを支える支持部受け部と、前記支持部受け部の前方に配置され且つ前記支持部受け部にて支えられながら前記前方支持部42aと当接する第2当接部と、を有する、眼内レンズ挿入器具1。」
第1当接部、支持部受け部および第2当接部の各々の対応関係を以下のように整理する。
第1当接部としては、図5~図10における段差22の起立部分22aが該当する。
支持部受け部としては、図5~図10における段差22の上の部分22bが該当する。
第2当接部としては、図5~図10における段差22の前方に配置された壁23aが該当する。
なお、「折り曲げの進行を一時的に抑制する保持部」という表現を用いた意図は以下の通りである。
特許文献1に記載の突起部は、眼内レンズの進行方向で見たとき単なる1段の段差である。該段差の起立部分に前方支持部42aが当接した場合、折れ曲がりは連続的に進行する。そして、仮に、前方支持部42aが該段差を上り切るとすると、上り切った瞬間は折り曲げの進行が抑制されるが、そのときには既に前方支持部42aの先端が眼内レンズ4の光学部40の周縁部41bよりも先に中空体の内壁に到達している可能性があることを、本発明者は知見した。その場合、光学部40の内面の反対面である外面と眼内レンズ挿入器具の内壁との間に前方支持部42aが入り込むことになる。
その一方、本実施形態では段差の前方に第2当接部が存在するため、支持部受け部にて前方支持部42aが支えられたまま前進して第2当接部に当接し、再び前方支持部42aの折り曲げ度合いは増加する。このように、前方支持部42aの折り曲げ度合いの増加、減少、増加を経ることを表現すべく、上記構成では「折り曲げの進行を一時的に抑制する保持部」という表現を用いている。これは、折り曲げ度合いの減少を挟んだ不連続変化を少なくとも2回もたらすことを意味する。
以上、具体的な態様にしても、本発明の技術的思想を表現した構成にしても、折り畳まれた眼内レンズにおける周縁部41bが前進するタイミングに対し、前方支持部42aの先端が中空体の内壁近傍に移動するタイミングを遅らせることが可能となる。その結果、タッキングの精度を向上させることが可能となる。
1…眼内レンズ挿入器
5…挿入器具本体
6…スライダ
7…挿入筒
7a…挿入筒本体
7b…ノズル部
7c…注入孔
8…回転部材
9…プランジャ
11…レンズ設置部
11a…底面部
11b…レンズ受け部
11c…レンズガイド部
73…突起挿入孔

62…ケース
20…突起部
21…スロープ
22…(1段目の)段差
22a…(1段目の)段差の起立部分
22b…(1段目の)段差の上の部分
23…(2段目の)段差
23a…(2段目の)壁
23b…(2段目の)段差の上の部分
75…底板部
76…U字状の壁部

4…眼内レンズ
41…光学部
41a…有効光学部
41b…周縁部
42a…前方支持部
42b…後方支持部

Claims (6)

  1. 光学機能を有する光学部と前記光学部から延在する支持部とを有する眼内レンズを眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具であって、
    前記眼内レンズが設置される中空体の内壁に沿って前記眼内レンズを前進させることにより前記光学部の内面を内側にして折り畳まれた前記眼内レンズを前記中空体の外に放出する際に、前記支持部のうちの一つであって前方に配置された前方支持部に当接させて前記前方支持部を折り曲げる突起部を有し、
    前記突起部は、前記眼内レンズの折り畳みの際に、前記前方支持部の保持により前記前方支持部の折り曲げの進行を一時的に抑制する保持部を有し、
    挿入器具本体である前記中空体と、
    前記中空体の内部に設けられるレンズ設置部と、
    前記レンズ設置部に配置される前記眼内レンズを前進させる前進部材と、
    前記レンズ設置部より前方に配置され且つ前記中空体の内壁から突出する前記突起部と、
    前記中空体の前方先端部に配置される挿入筒と、
    を有し、
    前記挿入筒は、中空の挿入筒本体と、管状のノズル部とを有し、
    前記突起部は、前記前進部材により前記眼内レンズが前進する際に、前記前方支持部と当接することにより前記前方支持部を折り曲げる第1当接部と、前記第1当接部の前方に配置される前記保持部とを有し、
    前記保持部は、前記前方支持部が前記第1当接部から離れた後に前記前方支持部を支える支持部受け部と、前記支持部受け部の前方に配置され且つ前記支持部受け部にて支えられながら前記前方支持部と当接する第2当接部と、を有する、眼内レンズ挿入器具。
  2. 前記第1当接部と前記保持部との間は面取りされている、請求項に記載の眼内レンズ挿入器具。
  3. 光学部と前記光学部から延在する支持部とを有する眼内レンズを眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具であって、
    前記眼内レンズの光軸方向を上下方向として前記眼内レンズが載置されるレンズ設置部を有する中空体と、
    前記中空体の内壁から突出し、且つ、前記レンズ設置部から前方に向かって見た時に少なくとも上方に向かう1段の段差と該段差の前方に配置された壁とを有する突起部と、
    を有し、
    前記突起部は、前記中空体の内壁の下方から上方へと突出し、且つ、前記レンズ設置部から前方に向かって見た時に少なくとも上方に向かう2段の段差を有する、眼内レンズ挿入器具。
  4. 前記突起部における最も後方側にスロープが配置された、請求項1~のいずれかに記載の眼内レンズ挿入器具。
  5. 前記中空体と嵌合するケースを更に有し、
    前記突起部は前記ケースに設けられており、
    前記中空体には、前記突起部を嵌合可能な孔が形成された、請求項1~のいずれかに記載の眼内レンズ挿入器具。
  6. 前記眼内レンズを更に有し、
    前記眼内レンズの前記光学部および前記支持部の基端側は軟質材料により構成され、
    前記眼内レンズの前記光学部は、光学機能を奏する有効光学部と、前記有効光学部の周囲に配置され且つ平板状の周縁部とを有する、請求項1~のいずれかに記載の眼内レンズ挿入器具。
JP2019045673A 2019-03-13 2019-03-13 眼内レンズ挿入器具 Active JP7327956B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019045673A JP7327956B2 (ja) 2019-03-13 2019-03-13 眼内レンズ挿入器具
PCT/JP2019/050238 WO2020183856A1 (ja) 2019-03-13 2019-12-23 眼内レンズ挿入器具
US17/435,762 US20220151767A1 (en) 2019-03-13 2019-12-23 Intraocular lens injector
EP19919001.8A EP3939542A4 (en) 2019-03-13 2019-12-23 TOOL FOR INSERTING AN INTRAOCULAR LENS
CN201980093397.4A CN113498333A (zh) 2019-03-13 2019-12-23 眼内透镜插入器具
KR1020217030550A KR20210138612A (ko) 2019-03-13 2019-12-23 안내 렌즈 삽입 기구

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019045673A JP7327956B2 (ja) 2019-03-13 2019-03-13 眼内レンズ挿入器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020146198A JP2020146198A (ja) 2020-09-17
JP7327956B2 true JP7327956B2 (ja) 2023-08-16

Family

ID=72426419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019045673A Active JP7327956B2 (ja) 2019-03-13 2019-03-13 眼内レンズ挿入器具

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20220151767A1 (ja)
EP (1) EP3939542A4 (ja)
JP (1) JP7327956B2 (ja)
KR (1) KR20210138612A (ja)
CN (1) CN113498333A (ja)
WO (1) WO2020183856A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2161005B1 (en) 2007-05-30 2016-12-28 Hoya Corporation Intraocular lens inserting tool

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5254669B2 (ja) 2008-06-05 2013-08-07 Hoya株式会社 眼内レンズ挿入器具及びカートリッジ
JP2014079630A (ja) 2013-11-25 2014-05-08 Kowa Company Ltd 眼内レンズ挿入器具
JP2017055940A (ja) 2015-09-16 2017-03-23 Hoya株式会社 眼内レンズ挿入器具

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05254669A (ja) 1992-03-11 1993-10-05 Technol Risooshizu Inkooporeetetsudo:Kk 貨物移載装置
SG11201811530UA (en) 2016-06-28 2019-01-30 Hoya Corp Intraocular lens injector

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5254669B2 (ja) 2008-06-05 2013-08-07 Hoya株式会社 眼内レンズ挿入器具及びカートリッジ
JP2014079630A (ja) 2013-11-25 2014-05-08 Kowa Company Ltd 眼内レンズ挿入器具
JP2017055940A (ja) 2015-09-16 2017-03-23 Hoya株式会社 眼内レンズ挿入器具

Also Published As

Publication number Publication date
EP3939542A1 (en) 2022-01-19
US20220151767A1 (en) 2022-05-19
CN113498333A (zh) 2021-10-12
JP2020146198A (ja) 2020-09-17
WO2020183856A1 (ja) 2020-09-17
KR20210138612A (ko) 2021-11-19
EP3939542A4 (en) 2022-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9980811B2 (en) Ocular implant insertion apparatus and methods
US10517717B2 (en) Intraocular lens insertion device and cartridge
EP3351213B1 (en) Intraocular lens insertion tool
EP1961399B1 (en) Instrument for inserting intraocular lens
EP3351212B2 (en) Intraocular lens insertion tool
JP7127028B2 (ja) 眼内レンズインジェクタ
JP6458409B2 (ja) 眼内レンズ挿入器具
JP7327956B2 (ja) 眼内レンズ挿入器具
JP6027536B2 (ja) 眼内レンズの挿入器具
JP7430128B2 (ja) 眼内レンズ挿入器具及びその設計方法
JP2004344478A (ja) 眼内挿入用レンズの挿入システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7327956

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150