JP2004344249A - 放射線撮影装置、放射線撮影方法、放射線撮影プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体等の対象物を透過した放射線に関する情報を速やかに把握することができる放射線撮影装置、放射線撮影方法、放射線撮影プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】放射線撮影装置には、対象物に放射線を照射するX線照射手段145と、対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能なX線検出器110と、X線検出器110から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する画像解析手段125とが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】放射線撮影装置には、対象物に放射線を照射するX線照射手段145と、対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能なX線検出器110と、X線検出器110から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する画像解析手段125とが設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線検出器等を備えた放射線撮影装置、放射線撮影方法、放射線撮影プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線撮影において、検診者のX線像を取得するX線センサとして、カセッテにフィルムと増感紙を挟んだFilm/Screen系やコンピューティッドラジオグラフィーで使用されるカセッテに入ったImaging Plateが使用されている。
【0003】
近年では、X線像をリアルタイムで直接にデジタル信号に変換できるX線センサが提案されている。このようなX線センサとして、例えば、石英ガラスから成る基板上にアモルファス半導体を挟んで、透明導電膜と導電膜とから成る固体光検出素子をマトリクス状に配列した固体光検出器の製作が可能になり、この固体光検出器とX線を可視光に変換するシンチレータとを積層したX線検出器がある。
【0004】
このX線検出器を用いた場合のX線デジタル画像の取得過程は、次のようなものである。先ず、X線検出器に対象物を透過したX線を照射することにより、X線がシンチレータで可視光に変換される。そして、この可視光が固体光検出素子の光電変換部により電気信号として検出される。この電気信号は各固体光検出素子から所定の読み出し方法により読み出され、この信号がA/D変換され、X線画像信号が得られる。
【0005】
このようなX線検出器の詳細は、特開平8−116044号公報に記載されている。またシンチレータを用いずに直接X線を固体光検出器で取得するX線検出器も多数提案されている。
【0006】
これらのX線検出器はX線の強度を電荷量として検出するので、X線画像信号を正確に蓄積し、X線画像を取得するために、画素中の電荷の吐き出し、画素中の電位のリセット、X線信号を蓄積するための電荷の蓄積、及び画素中の電荷の読み出しのように、一定サイクルの駆動が必要とされる。
【0007】
最近では、上述したX線検出器の駆動サイクルを、1秒間に十回以上繰り返すことのできるX線検出器が開発され、X線デジタル画像を動画像として取得できる撮影装置も開発されてきている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−116044号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
X線画像は暗い部分から明るい部分まできわめてX線量に依存して広い濃度分布を持つ。そのため、関心部位などを適切に画像処理等し、取得されたX線デジタル動画像を表示して、観察するには、処理時間がかかり速やかにX線透視画像、X線静止画像が得ることができないという問題点がある。
【0010】
また、上述したようにX線デジタル画像を取得する場合、関心部位などの観察等に必要以上のX線量が照射されたときは、被曝線量を低減させるためX線発生装置の出力を下げる等の制御がX線照射中に必要となる。
【0011】
更に、関心領域のX線検出器の画素が飽和状態になる前に蓄積を終了したり、X線照射が終了してすぐに信号電荷を読み出し始めるような検出器の制御が必要となる。
【0012】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、被検体等の対象物を透過した放射線に関する情報を速やかに把握することができる放射線撮影装置、放射線撮影方法、放射線撮影プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記の態様に想到した。
【0014】
本発明に係る放射線撮影装置は、対象物に放射線を照射する放射線照射手段と、前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段と、前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する解析手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るX線撮影装置(放射線撮影装置)、X線撮影方法(放射線撮影方法)、X線撮影プログラム(放射線撮影プログラム)及び記録媒体について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
このX線撮影装置には、X線検知手段101と、破壊読み出し手段115と、非破壊読み出し手段120と、検出器制御手段123を備えた非破壊読み出しが可能なX線検出器(放射線撮像手段)110、画像解析手段125、画像処理手段130、画像表示及び保存手段135、X線制御手段140及びX線照射手段(放射線照射手段)145が設けられている。ここで、本明細書では、X線検出器に設けられた画素内に蓄積された信号電荷の読み出し方法に関し、信号電荷の蓄積状態が変化しない読み出しを非破壊読み出しといい、蓄積状態が変化する又は変化させる読み出しを破壊読み出しという。なお、詳細は後述するが、X線検出器110は、X線像をリアルタイムでデジタル信号に変換できるように構成されている。
【0018】
ここで、破壊読み出し手段115、非破壊読み出し手段120、検出器制御手段123、画像解析手段125、画像処理手段130及びX線制御手段140は、X線撮影プログラムを実行することが可能な情報処理装置、例えばコンピュータにより構成されていてもよい。このとき、このX線撮影プログラムは、下記の説明において、破壊読み出し手段115、非破壊読み出し手段120、検出器制御手段123、画像解析手段125、画像処理手段130及びX線制御手段140が行う処理を、上記情報処理装置に行わせるように構成されたものである。
【0019】
図2は、X線検出器110の構成を示す模式図である。
【0020】
X線検出器110は、X線を直接検出するタイプとX線を蛍光体で一度可視光に変換して、可視光を検出するタイプのいずれであってもよい。但し、どちらも信号を検出する画素をアレー状に組み合わせて構成されている。これが検出器アレー200である。X線検出器110には、更に、ラインセレクタ232、信号読み出し回路240及び駆動器262が設けられている。
【0021】
検出器アレー200には、例えば4096×4096個の画素201が配置されている。1個の画素201には、1つのX線又は光の信号を検出する信号検出部と、信号の蓄積と読み取りを切り替えるスイッチングTFTとが設けられている。
【0022】
例えば、信号検出部として、光電変換素子(フォトダイオード)PD(1,1)〜(4096,4096)が設けられている。また、スイッチングTFTとして、スイッチSW(1,1)〜(4096,4096)が設けられている。本明細書では、第n行第m列に位置する画素に対して、光電変換素子PD(n,m)、スイッチSW(n,m)と表す。各光電変換素子PD(n,m)には、ゲート電極G及び共通電極Dが設けられており、各電極に違う電圧を印加することにより電荷の蓄積及び吐き出しが行われる。
【0023】
X線検出器110には、列ごとに、列信号線Lcmが(1≦m≦4096)が設けられ、行ごとに、行選択線Lrn(1≦n≦4096)が設けられている。行選択線Lrnは、例えば1対の信号線から構成されている。更に、配線Lb1〜Lb3が設けられ、配線Lb1〜Lb3は、夫々共通電位241−1、241−2、241−3に接続されている。各画素のゲートは、対応する1対のスイッチSW(n,m)を介して、列信号線Lcm及び配線Lb3に接続されており、スイッチSW(n,m)の制御端子は行選択線Lrnに接続されている。
【0024】
どの行の画素から信号電荷を読み出すかを選択するラインセレクタ232には、行選択線Lr1〜Lr4096が接続されている。ラインセレクタ232には、検出器制御手段120からの制御信号を解読し、どのラインの光電変換素子PD(n,m)の信号電荷を読み出すべきかを決定するアドレスデコーダ234が設けられている。また、電源Vgh及びVglと行選択線Lr1〜Lr4096との間に、アドレスデコーダ234の出力に従って開閉される1対のスイッチ素子236−nが接続されている。
【0025】
画素201の信号電荷を読み出す信号読み出し回路240内には、列信号線Lcm毎に、列信号線Lcmからの信号電位を増幅するアンプ246−m、及びアンプ246−mの出力をサンプルホールドするサンプルホールド回路248−mが設けられている。
【0026】
信号読み出し回路240には、更に、サンプルホールド回路248の出力を時間軸で多重化するアナログ・マルチプレクサ250、及びアナログ・マルチプレクサ250のアナログ出力をデジタル化するA/D変換器252が設けられている。
【0027】
駆動器262は、X線検出器110自体を駆動する。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。画素201には、X線を吸収した蛍光体の光を信号電荷として蓄積する光電変換素子PD(n,m)、蓄積された信号電荷を保持する蓄積電荷保持部307、保持された信号電荷を増幅する増幅素子312、リセットスイッチ355及び読み出し360が設けられている。リセットスイッチ355及び読み出しスイッチ360のオン/オフは、行選択線Lrnにより制御される。リセットスイッチ355は、図2中の配線Lb3に接続されたスイッチSW(n,m)に対応し、読み出しスイッチ360は、図2中の列信号線Lcmに接続されたSW(n,m)に対応している。
【0029】
光電変換素子PD(n,m)に、共通電位241−1からバイアス電圧が印加される。増幅素子312には、共通電位241−2から電圧が印加される。蓄積電荷保持部307には、リセットスイッチ355を介して、共通電位241−3から、蓄積電荷保持部307に保持された信号電荷をリセットするための電圧が印加される。
【0030】
X線の照射により光電変換素子PD(n,m)で生成され蓄積電荷保持部307に保持された電荷は、増幅素子312により増幅され、読み出しスイッチ360を介して列信号線Lcmに転送される。そして、列信号線Lcmに転送された信号は、信号読み出し回路240に転送される。
【0031】
このように構成された画素201において、行選択線Lrnからリセットスイッチ355に電位Vghが印加され、リセットスイッチ355が導通されると、蓄積電荷保持部307に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307がリセットされる。
【0032】
その後、行選択線Lrnからリセットスイッチ355に電位Vglが印加され、リセットスイッチ355が閉じられると、蓄積電荷保持部307はリセットされたまま浮遊状態になる。この状態で、光電変換素子PD(n,m)にX線が照射されると、信号電荷が生成され、蓄積電荷保持部307に蓄積される。そして、信号電荷に応じて蓄積電荷保持部307の電位が上昇する。
【0033】
続いて、行選択線Lrnから読み出しスイッチ360に電位Vghが印加され、読み出しスイッチ360が導通されると、上昇した電位に応じて増幅素子312により増幅された信号が列信号線Lcmへと転送される。
【0034】
以上の一連の動作をX線検出器110の蓄積状態時に繰り返し行うことで、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出すことができる。また、読み出された信号の出力値を見ることで、X線がX線検出器110に入射開始され、入射終了されたか、またX線検出器110に適正なX線量が照射されているか、また、破壊読み出し手段115による読み出しの前に、取得されるべきX線画像のX線量分布を検出することができる。
【0035】
このように、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出す方法に関し、信号電荷読み出しの次の読み出しで、リセットスイッチ355をオンにして信号電荷のリセットを行うと、信号電荷の蓄積状態が変化する。このため、このような読み出しは、破壊読み出しである。
【0036】
これに対し、信号電荷読み出しの次の読み出しで、リセットスイッチ355をオンにせず信号電荷のリセットを行わない場合には、信号電荷の蓄積状態は変化しない。このため、このような読み出しは、非破壊読み出しである。即ち、本実施形態では、蓄積電荷保持部307へ転送され蓄積された信号電荷を保存したまま読み出すことができる。つまり、これらの画素201を備えたX線検出器110は、破壊読み出し及び非破壊読み出しが可能なように構成されている。
【0037】
次に、光電変換素子のリセット、電荷の蓄積、電荷の読み出し、空読み出し等のX線検出器110における駆動方法について、図2及び図3を参照して説明する。
【0038】
先ず、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、配線Lb3に接続されたリセットスイッチSW(1,1)〜(1,4096)(図3中のリセットスイッチ355)をオンする。この結果、前述のように、第1行目の4096個の画素201に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307に蓄積されていた電荷がリセットされる。
【0039】
次に、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vglをかけることにより、配線Lb3に接続されたリセットスイッチSW(1,1)〜(1,4096)をオフする。この結果、第1行目の4096個の画素201に共通電位241−1が印加される。この状態で、光電変換素子PD(1,m)にX線が照射されると、X線の照射量に比例して電荷が発生し、共通電位241−1からの電位のずれに比例した量の電荷が蓄積電荷保持部307に蓄積される。但し、このとき、光電変換素子PD(1,m)には、X線信号以外に温度によって励起される暗電流が流れ、この暗電流による電荷もX線量に比例する電荷と共に、蓄積電荷保持部307に蓄積される。
【0040】
次に、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、列信号線Lcmに接続された読み出しスイッチSW(1,1)〜(1,4096)(読み出しスイッチ360)をオンにする。この結果、蓄積電荷保持部307に保持されていた電荷が、増幅素子312により増幅された後、画素201から信号読み出し回路240により読み出される。
【0041】
信号読み出し回路240内では、読み出された信号がアンプ246−mにより増幅される。アンプ246−mの出力信号は、サンプルホールド回路248−mによりサンプルホールドされる。その後、サンプルホールド回路248の出力信号が、アナログ・マルチプレクサ250により時間軸に関して多重化される。そして、A/D変換器252により、アナログ・マルチプレクサ250から出力されたアナログ信号がデジタル信号に変換されて読み出される。
【0042】
これらの一連の動作を、すべての第1〜4096行目まで繰り返して行うことにより、全画素の蓄積電荷が読み出される。ここでは、光電変換素子PDのリセット、電荷の蓄積、読み出しを1行ごとにセットにして説明したが、すべての第1〜4096行の画素201を1行ごとにリセット及び蓄積状態にした後、すべての第1〜4096行の画素201又は一部の画素201の読み出しを信号電荷の蓄積中に任意の回数行うこともできる。
【0043】
X線量に比例する蓄積電荷のみを読み出すためには、暗電流による電荷を同じ時間だけもう一度蓄積して読み出し、この分を差し引けば良い。この暗電流のみの蓄積電荷の読み出しを空読み出しという。また、決まった蓄積時間の暗電流のみによる画像をあらかじめ取得しておき、読み出された画像から暗電流成分を差し引くこともできる。
【0044】
次に、上述のように構成されたX線撮影装置の動作の概要について、図1を参照して説明する。
【0045】
先ず、検出器制御手段123によりX線検出器110の駆動を開始し、X線照射による信号の蓄積状態になった後、撮影者がX線照射手段145よりX線照射を行う。X線照射は、X線検出器110の駆動とのタイミングをとって行われる。X線照射のタイミングは、撮影者が判断しても良いし、X線照射合図の信号をX線制御手段140から検出器制御手段123に送り、X線照射手段145とX線検出器110の駆動の同期をとって制御しても良い。
【0046】
X線照射が行われると、X線検出器110の各画素中に信号電荷が蓄積される。信号電荷の蓄積が終了した後か、又は信号電荷の蓄積途中で、非破壊読み出し手段120は、破壊読み出し手段115による破壊読み出しが行われる前に、X線検出器100内の駆動器262を制御して非破壊読み出しを行う。そして、画像解析手段125が、非破壊読み出しされたX線画像を解析する。
【0047】
この結果、信号電荷が蓄積された状態を保持したまま、蓄積された信号電荷の蓄積状態、又は蓄積途中の信号電荷の蓄積状態を把握することが可能となる。つまり、X線照射終了後、又はX線照射中に、X線照射の出力が適正であるか、X線照射が開始又は終了しているかどうかを判断したり、X線検出器110の関心部分における特定の画素が蓄積飽和しているかどうかを判断したり、現在撮影されている画像がどのような画像かを、最終的な画像を得る前に解析したりすることができるようになる。
【0048】
非破壊読み出し手段120による非破壊読み出しが行われた後、破壊読み出し手段115は、X線画像を破壊読出しにより読み出し、続いて、次の蓄積のための電荷又は電位のリセットを行う。このとき、各画素に蓄積された信号電荷の一部又は全部が破壊読み出しのために欠落する。
【0049】
ここで、非破壊読み出しにより得られたデータを利用する方法について説明する。
【0050】
画像解析手段125によるX線画像の解析の種類としては、例えば、被写体における関心部位を適切な濃度で表示するための関心部位部分のヒストグラム解析がある。また、強調処理等を画像に施す場合の、X線量子ノイズやX線検出器110自身に存在するノイズが目立つ画像上の領域を特定するための解析もある。但し、これらに限定されるものではない。
【0051】
画像解析手段125は、X線画像を解析した結果を、検出器制御手段123、画像処理手段130及び/又はX線制御手段140に送信する。検出器制御手段123及びX線制御手段140は、夫々X線検出器110、X線照射手段145を制御する。
【0052】
X線検出器110の制御の一例としては、前述のように、X線検出器110の関心部分におけるある画素が蓄積飽和しているかどうかを判断して、まだ全く飽和していなかったらX線検出器110の蓄積状態を継続し、飽和しそうであったら、蓄積を即座に終了し、次のX線検出器110の駆動に移行させるという制御がある。また、X線照射が終了していなかったらX線検出器110の蓄積状態を継続し、X線照射が終了していたら、蓄積を即座に終了し、次のX線検出器110の駆動に移行させるという制御もある。
【0053】
X線照射手段145の制御の一例としては、X線検出器110の関心部分における特定の画素において、信号電荷の蓄積量が少なければ、X線照射の強度をより強くし、また蓄積飽和しているかどうかを判断して、飽和しそうであったら、X線照射を即座に終了するという制御がある。
【0054】
画像解析手段125から画像解析結果が画像処理手段130に送信された場合、画像処理手段130は、画像解析結果に基づいて、破壊読み出し手段115により破壊読み出しされたX線画像に画像処理を施す。そして、画像処理後のX線画像の表示及び/又は保存が、画像表示及び保存手段135によって行われる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、X線検出器110の構造が第1の実施形態と相違している。具体的には、各行選択線Lrnが3本の信号線から構成され、各画素201に、3個のトランジスタが設けられている。更に、ラインセレクタ232内のスイッチ素子236−nは、1行ごとに3本の信号線に、電源Vgh又はVglを選択的に接続するように構成されている。
【0056】
図4は、本発明の第2の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。本実施形態では、画素201には、第1の実施形態と同様に、光電変換素子PD(n,m)、蓄積電荷保持部307、増幅素子312、リセットスイッチ355及び読み出しスイッチ360が設けられている。更に、光電変換素子PD(n,m)と蓄積電荷保持部307との間に、転送スイッチ450が接続されている。リセットスイッチ355、読み出しスイッチ360及び転送スイッチ450のオン/オフは、行選択線Lrnにより制御される。
【0057】
このように構成された画素201において、行選択線Lrnからリセットスイッチ355に電位Vghが印加され、リセットスイッチ355が導通されると、蓄積電荷保持部307に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307がリセットされる。
【0058】
その後、行選択線Lrnからリセットスイッチ355に電位Vglが印加され、リセットスイッチ355が閉じられると、蓄積電荷保持部307はリセットされたまま浮遊状態になる。この状態で、光電変換素子PD(n,m)にX線が照射されると、信号電荷が生成され、転送スイッチ450が導通されていると、蓄積電荷保持部307に蓄積される。そして、信号電荷に応じて蓄積電荷保持部307の電位が上昇する。
【0059】
続いて、行選択線Lrnから読み出しスイッチ360に電位Vghが印加され、読み出しスイッチ360が導通されると、上昇した電位に応じて増幅素子312により増幅された信号が列信号線Lcmへと転送される。
【0060】
以上の一連の動作をX線検出器110の蓄積状態時に繰り返し行うことで、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出すことができる。また、読み出された信号の前後の差分変化を得ることで、X線のX線検出器110への入射が開始されたか、又は終了されたかを検出することができる。また、X線検出器110へのX線の照射分布を得ることができる。
【0061】
また、本実施形態においては、蓄積電荷保持部307の信号電荷の飽和閾値を予め把握しておき、非破壊読み出し手段120を介して、随時蓄積され保持された信号電荷を検出する。そして、蓄積電荷保持部407の信号電荷が飽和しそうになったら、リセットスイッチ455が閉じられた状態のまま、行選択線Lrnから転送スイッチ450に電位Vghが印加され、転送スイッチ450が閉じられる。この結果、リセットスイッチ455が閉じられた状態のまま、蓄積電荷保持部407への蓄積電荷の転送が停止される。
【0062】
このように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態で得られる効果の他に、蓄積電荷保持部407の蓄積電荷が飽和する前に蓄積を終了することができるという効果が得られる。また、転送スイッチ450の開閉を夫々蓄積開始時と終了時に全画素同時に行うことで、一部の画素に対し信号電荷の読み出しを走査的に行っても、信号電荷の蓄積時間を同時にできるという効果がある。但し、第1の実施形態には、画素201内のスイッチ数が少ないため、画素中の受光面積を大きくして高い感度が得られ、また、構造が簡素であるため、X線検出器110の歩留まりが高いという有利な点もある。
【0063】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、非破壊読み出し手段120による非破壊読み出しの方法が第1及び第2の実施形態のものと相違している。具体的には、X線検出器110内の全画素210から非破壊読み出しが行われるのではなく、間引きをして一部の画素210のみから非破壊読み出しが行われる。図5は、本発明の第3の実施形態に係るX線撮影装置の動作を示すタイミングチャートである。但し、図5には、X線検出器110の全画素210の数を12とし、間引き読み出しをする画素210の数を3とし、間引き読み出しの回数を2回とした例を示している。
【0064】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、個々の画素210からの読み出し等の駆動は、ラインセレクタ232及びアナログ・マルチプレクサ250を用いて時系列的に行われる。従って、画素の位置に応じて、夫々蓄積開始時刻及び読み出し開始時刻が相違する。
【0065】
図5中の「全画素蓄積開始」及び「全画素読み出し開始」は、夫々蓄積時間軸上で、X線検出器110の全画素210における蓄積開始、読み出し開始の時刻を示している。また、2つの「間引き非破壊読み出し開始」は、間引き非破壊読み出しが2回行われることを示すと共に、各間引き非破壊読み出しを開始する時刻を示している。「全画素蓄積開始」、「全画素読み出し開始」及び「間引き非破壊読み出し開始」を示している四角集合において、個々の四角は夫々の四角集合における個々の画素210の駆動時刻を示している。
【0066】
また、図5中の時刻A、C、E及びGは、一方の間引き非破壊読み出しの対象である特定の画素における蓄積開始、非破壊読み出し開始、読み出し開始の時刻を示している。同様に、時刻B、D、F及びHは、他方の間引き非破壊読み出し対象である特定の画素における蓄積開始、非破壊読み出し開始、読み出し開始の時刻を示している。そして、時間AG及びBHは、夫々上記2つの画素の蓄積開始から破壊読み出し開始までの蓄積時間を示している。時間AG及びBHは互いに一致しているが、図5に示すように、蓄積開始から非破壊読み出し開始までの蓄積時間である時間ACと時間BDとは一致しておらず、また、時間AEと時間BFとも一致していない。この結果、X線照射や暗電流についての蓄積時間が相違することとなり、画像上にシェーディングが生じる。従って、本実施形態では、シェーディングのない間引きによる非破壊読み出しを行うために、2回の間引き非破壊読み出しを行い、両者の差分を求める。「時間CE=時間AE−時間AC」と「時間DF=時間BF−時間BD」とが互いに等しいため、上記のような差分を求めることにより、画像上に蓄積時間が相違する領域がなくなり、シェーディングの発生を回避することができる。この2回の間引きによる非破壊読み出しの前にX線が照射されるようにすると、差分によりX線照射の蓄積時間を同じにすることができる。また、2回の間引きによる非破壊読み出しの後にX線が照射されるようにすると、差分により暗電流のみの蓄積時間を同じにすることができる。さらに、前者の間引きによる非破壊読み出しのフレームレイトと、間引きによる非破壊読み出しのフレームレイトが同じならば、前者の差分画像から、後者の差分画像を差し引くことで、間引きによる非破壊読み出し画像の暗電流補正が行える。
【0067】
非破壊読み出し手段(間引き読み出し手段)120がこのような間引きによる非破壊読み出しを行うことにより、第1及び第2の実施形態と比較すると、非破壊読み出しに要する時間を短縮することができる。
【0068】
なお、間引き非破壊読み出しの対象とする画素の数は特に限定されるものではない。また、行単位で間引き非破壊読み出しを行うことによっても同様の効果を得ることができる。
【0069】
次に、画像解析手段125の構成の一例、この構成を用いて実行される処理及びその結果が反映される対象(手段)について、X線画像の肺領域における解析を例にとって、説明する。図6は、非破壊読み出しされたX線画像に対し、画像解析手段125で行われる処理と、処理結果の反映部分応用を説明した図である。図の点線で囲まれた部分が画像解析手段125に対応する。
【0070】
画像解析手段125は、例えば、非破壊読み出ししたX線画像から肺領域内の最大画素値及び縦隔内の最小画素値を取得する特徴量抽出部601、特徴量抽出部601で取得された特徴量から閾値を算出する閾値推定部602、閾値推定部602で算出された閾値に基づき画像を2値化する閾値処理部603、閾値処理部603で2値化された画像をラベリングするラベリング部604、ラベリング部604でラベリングされた画像のうちから画像端に接する領域を削除し、削除されなかった領域を肺領域とする肺領域抽出部605、肺領域画素値から適正なX線量が到達しているかどうかを判定し、また素抜け領域(X線照射領域で被写体がない部分)の画像から、適正な照射野であるかどうかを判定する線量分析部610、線量分析部610からの判定情報により、X線照射量の強度調節を行い、また照射野を制御する絞り調節をするX線制御部615、肺領域画像から特定の画素値部分の領域を特定する特定画素値判定部620、特定画素値判定部620から特定された領域の画像濃度(輝度)をある指定濃度(輝度)に処理する画像処理部625、肺領域の画素の蓄積電荷量がX線照射によりどの程度蓄積されたかを検知する線量検知部630、並びに線量検知部630で、例えばX線の照射がすでに終了したと判定された場合や、蓄積電荷量が飽和に近いと判定された場合にX線検出器の蓄積を終了する等の検出器の駆動を変更する検出器制御部635から構成されている。
【0071】
これらのうち、X線制御部615は、図1中のX線制御手段140に相当し、画像処理部625は画像処理手段130に相当し、検出器制御部635は検出器制御手段123に相当する。
【0072】
このように構成された画像解析手段125では、先ず、特徴量抽出部601が、照射領域内の素抜け領域及び素抜け領域と一定間隔内で接する体領域をある閾値で分離し、0で置き換える。次に、上記処理後の画像から最大画素値を取得し、最大画素値をとる肺領域のプロファイルから縦隔の最低画素値を算出し、前記最大画素値及び最小画素値を求める。
【0073】
次いで、閾値推定部602が、特徴量抽出部601で算出した肺領域内の最大画素値、及び縦隔領域内の最小画素値より閾値を推定する。推定に用いる関数は、例えば線形回帰式、ニューラルネットワーク等であるが、これらに限定されない。
【0074】
閾値処理部603は、閾値推定部602で算出された閾値に基づき、入力画像の閾値処理(2値化等)を行う。
【0075】
ラベリング部604は、閾値推定部602で2値化された画像データのうち、画素値1の領域に対してラベリング処理を行う。ここで、ラベリング処理とは、2値化により連結した部分を区別するラベル付けを行う処理である。
【0076】
肺領域抽出部605は、ラベリング部604でラベル付けされた連結領域のうち、面積がある値以下かつ画像端に接する領域を削除する。この処理の結果、残った領域が肺領域である。なお、画像端に接する領域は素抜け領域画像である。このようにして、肺領域抽出部605は、非破壊読み出し手段120によって非破壊読み出しされたX線画像から、肺領域画像及び素抜け領域画像を抽出する。
【0077】
肺領域抽出部605により抽出された画像は、線量分析部610、特定画素値判定部620、線量検知部630に入力される。
【0078】
線量分析部610は、最大画素値又は平均画素値を用いて、肺領域画像から被写体から抜けてX線検出器110に入射したX線の線量を把握する。このX線の線量の把握は、例えば入射X線量と画素出力との関係を予め取得しておくことで達成することができる。
【0079】
次に、X線制御部615は、前記把握されたX線量に対し、X線量が少ない場合に、単位時間当たりのX線強度を上げるか、又はX線照射時間を長くする等のX線照射手段145に対する制御を行う。
【0080】
特定画素値判定部620は、肺領域画像から、最大画素値、又は最大画素値と平均画素値との中間値にあたる値を特定する。
【0081】
次に、画像処理部625では、前記最大画素値又は中間値の濃度(モニタの場合は輝度)が適正な濃度(例えば胸部画像では濃度1.7等)になるように、破壊読み出し手段115によって読み出された画像の階調変換を行う。
【0082】
線量検知部630は、肺領域内の画素で蓄積電荷が飽和に近い画素があるかどうかを検知する。蓄積電荷が飽和に近いかどうかは、飽和線量が照射された画像を予め取得しておくことで判断できる。
【0083】
次に、検出器制御部635は、蓄積電荷が飽和に近いことが判断されると、X線検出器110の蓄積を即座に終了して、破壊読み出し手段115でX線画像を読み出す等の駆動制御を行う。
【0084】
以上説明したように、本実施形態によれば、X線検出器110の電荷蓄積中に、非破壊読み出しによりX線画像を取得し、画像解析手段125で解析した結果に基づいてX線の制御を行うことにより、被写体に対して被曝線量の少ない適切な線量で、X線画像を取得できる。また、X線検出器110の制御に関し、画素の蓄積電荷飽和によりX線画像を損失してしまうことを防ぐことができる。更に、画像処理に関し、予め非破壊読み出ししたX線画像に基づいて画像解析を行っておくことにより、破壊読み出しされた画像を迅速に階調処理し、リアルタイムに表示することもできる。
【0085】
なお、第3の実施形態のように、間引き非破壊読み出し等で必要な場合には、図6中の最初の入力における「非破壊読み出しX線画像」として、少なくとも2枚の非破壊読み出しした画像同士の差分画像を用いることとなる。
【0086】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、X線検出器110の構造が第1、第2の実施形態と相違している。具体的には、図3のリセットスイッチ355で、破壊読出しにおけるスイッチの役割も兼ねた点である。図7に示すように、本実施形態では、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755からの出力先は、非破壊読み出しスイッチ760の出力先と同じ信号線Lcmである。このため画素201の蓄積電荷のリセットのための第3共通電位241−3は、信号線Lcmを介してリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755につながるように構成されている。さらに、1つの信号線Lcmを用いて蓄積電荷のリセットと、破壊読出しができるように共通電位スイッチ710を設けている。
【0087】
図7は、本発明の第4の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。本実施形態では、画素201には、第1の実施形態と同様に、光電変換素子PD(n,m)、蓄積電荷保持部307、増幅素子312、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755及び非破壊読み出しスイッチ760が設けられている。リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755、非破壊読み出しスイッチ760及び転送スイッチ450のオン/オフは、行選択線Lrnにより制御される。
【0088】
このように構成された画素201において、共通電位スイッチ710が導通され、行選択線Lrnからリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vghが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が導通されると、蓄積電荷保持部307に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307がリセットされる。
【0089】
その後、行選択線Lrnからリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vglが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が閉じられると、蓄積電荷保持部307はリセットされたまま浮遊状態になる。この状態で、光電変換素子PD(n,m)にX線が照射されると、信号電荷が生成され、蓄積電荷保持部307に蓄積される。そして、信号電荷に応じて蓄積電荷保持部307の電位が上昇する。
【0090】
続いて、共通電位スイッチ710を閉じた状態で、行選択線Lrnから非破壊読出しスイッチ760に電位Vghが印加され、非破壊読出しスイッチ760が導通されると、上昇した電位に応じて増幅素子312により増幅された信号が列信号線Lcmへと転送される。これは、蓄積電荷保持部307に蓄積電荷を保持したまま信号電荷を読み出すので非破壊読み出しである。
【0091】
以上の一連の動作をX線検出器110の蓄積状態時に繰り返し行うことで、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出すことができる。また、読み出された信号の前後の差分変化を得ることで、X線のX線検出器110への入射が開始されたか、又は終了されたかを検出することができる。また、任意の2枚の非破壊読み出し差分画像より、X線検出器110へのX線の照射分布を得ることができる。
【0092】
これに対し、共通電位スイッチ710を閉じた状態で、行選択線Lrnから非破壊読出しリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vghが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が導通されると、蓄積電荷保持部307に蓄積された電荷が、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を通って、信号線Lcmに出力されて、信号電荷が読み出される。この読み出しにより、蓄積電荷保持部307に蓄積された電荷は、1回のみの読み出しにより一部又は全部が消失する。従って、これは、蓄積電荷保持部307に蓄積電荷を保持しないで信号電荷を読み出すので破壊読み出しである。
【0093】
破壊読出しの後は、もはやX線の照射量後の状態とは関係ない、また蓄積前の状態とは関係ない電荷が蓄積電荷保持部307に残されるのみであるので、再度X線量に関係した信号電荷の読み出しを行うために、破壊読出しの際に開いたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を、開いた状態にしたまま共通電位スイッチ710を導通させることにより画素201をリセットする必要がある。
【0094】
このように、第4の実施形態によれば、第1又は第2の実施形態で得られる効果の他に、信号電荷の破壊読み出しと同時に画素201のリセットを行うことができ、無駄のないX線検出器110の駆動ができるという効果が得られる。
【0095】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、X線検出器110の構造が第1、第2、第4の実施形態と相違している。具体的には、画素201の破壊読出しの構成が違っており、図8に示すように、第4の実施形態において、蓄積電荷保持部307とつながっていたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755との間にコンデンサ810を設けている点である。
【0096】
この場合、蓄積電荷保持部307に保持された電荷は、第4の実施形態にあるように、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755から吐き出されない。したがって、蓄積電荷保持部307に保持された電荷を、光電変換素子PDを通して、第1共通電位241−1側に吐き出させるように、第1共通電位241−1と第3共通電位241−3の電位差を調整しなくてはならない。
【0097】
図8は、本発明の第5の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。本実施形態では、画素201には、第1の実施形態と同様に、光電変換素子PD(n,m)、蓄積電荷保持部307、増幅素子312、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755及び非破壊読み出しスイッチ760が設けられている。リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755、非破壊読み出しスイッチ760及び転送スイッチ450のオン/オフは、行選択線Lrnにより制御される。
【0098】
このように構成された画素201において、共通電位スイッチ710が導通され、行選択線Lrnからリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vghが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が導通されると、蓄積電荷保持部307に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307がリセットされる。このとき、蓄積電荷保持部307に保持されるように、蓄積電荷保持部307と第1共通電位241−1の電位差が設定されているが、蓄積電荷を吐き出すためには、第3共通電位241−3と導通している蓄積電荷保持部307と、第1共通電位241−1の電位差が先とは逆になるように設定されなければならない。
【0099】
その後、行選択線Lrnからリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vglが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が閉じられると、蓄積電荷保持部307はリセットされたまま浮遊状態になる。この状態で、光電変換素子PD(n,m)にX線が照射されると、信号電荷が生成され、蓄積電荷保持部307とコンデンサ810に蓄積される。そして、信号電荷に応じて蓄積電荷保持部307の電位が上昇する。
【0100】
続いて、共通電位スイッチ710を閉じた状態で、行選択線Lrnから非破壊読出しスイッチ760に電位Vghが印加され、非破壊読出しスイッチ760が導通されると、上昇した電位に応じて増幅素子312により増幅された信号が列信号線Lcmへと転送される。これは、蓄積電荷保持部307に蓄積電荷を保持したまま信号電荷を読み出すので非破壊読み出しである。
【0101】
以上の一連の動作をX線検出器110の蓄積状態時に繰り返し行うことで、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出すことができる。また、読み出された信号の前後の差分変化を得ることで、X線のX線検出器110への入射が開始されたか、又は終了されたかを検出することができる。また、任意の2枚の非破壊読み出し差分画像より、X線検出器110へのX線の照射分布を得ることができる。
【0102】
これに対し、共通電位スイッチ710を閉じた状態で、行選択線Lrnから非破壊読出しリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vghが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が導通されると、X線量を反映したコンデンサ810の蓄積電荷に対応した逆電荷が、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を通して信号線Lcmを通して流れ、信号線Lcmの電位が、X線照射前の状態に対して、X線量に比例して変化する。このX線照射前の電位と、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を導通した後の電位の差をアンプ246−m等で増幅させることにより、X線照射量に比例した信号を読み出すことができる。
【0103】
コンデンサ810にかかる電位は、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を導通する前後では違う可能性が高いので、蓄積電荷保持部307の蓄積電荷量も変化する。したがって、これは、蓄積電荷保持部307の蓄積電荷を保持しないで信号電荷を読み出すので破壊読み出しである。
【0104】
また、コンデンサ810への蓄積電荷も、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を導通する前後では違うので、2回目以降リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を通した読み出しはもはやX線量を反映しない。したがって、次の読み出しでは画素201をリセットする必要がある。
【0105】
この第5の実施形態の例では、破壊読出しは電位差による信号の読み出しである。したがって、図8に示す増幅素子312は、蓄積電荷保持部307の電位を増幅するものでなくてはならない。しかし、破壊読出し時のコンデンサ810への電流を読み出す例であれば、図8に示す増幅素子312は、蓄積電荷保持部307へ流れる電荷に応じて、非破壊読み出しスイッチへの電流を増幅させるものでなくてはならない。
【0106】
第5の実施形態によれば、第4の実施形態で得られる効果の他に、画素201を構成する破壊読出しの部分は、光電変換素子PDとリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が同じ構造で形成できるMIS−Type(参考文献:Novel Large Area MIS type X−ray Image Sensor for Radiography, SPIE Vol.3336 Physics of Medical Imaging (1998))にでき、X線検出器110の製造歩留まりが良いという効果がある。また、第4の実施形態における画素201を構成する破壊読出しの部分は、PIN−Typeの構造をしており、MIS−Typeより、X線に対し一般的に感度が良いというという効果がある。
【0107】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態では、X線検出器110の構造が第1、第2、第4、第5の実施形態と相違している。具体的には、画素201からの破壊読出しによる信号と、画素201からの非破壊読出しによる信号が別の信号線により出力される点が相違している。破壊読出しと非破壊読み出しの信号線を別にすることにより、夫々の読み出し方法に適した信号の増幅、デジタル化ができる。そのため、第6の実施形態には、図9及び図10に示すように、破壊読出しと非破壊読み出し夫々の信号線に対して、アンプ246−m、サンプルホールド回路248−m、アナログ・マルチプレクサ250、A/D変換器252が設けられている。
【0108】
図9及び図10に示す第6の実施形態は、図2、図3に対し信号線Lcmを、非破壊読み出し用の信号線Lcmと破壊読出し用の信号線Ldmに分けるように構成されている。図2と違う構成について説明すると、非破壊読み出しスイッチ760からの信号は信号線Lcmに出力され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755からの信号は信号線Ldmに出力される。信号線Ldmは、共通電位スイッチ710(図9では共通電位スイッチ2242−m)を介して、配線Lb3により第3共通電位241−3につながっている。
【0109】
信号線Lcmからの非破壊読み出し出力は、図2と同様、アンプ246−mで増幅され、サンプルホールド回路248−mで増幅信号がサンプルホールドされ、アナログ・マルチプレクサ250で時間軸において多重化されて、A/D変換器252でデジタル画像となる。信号線Ldmからの破壊読出し出力は、アンプ2246−mで増幅され、サンプルホールド回路2248−mで増幅信号がサンプルホールドされ、アナログ・マルチプレクサ2250で時間軸において多重化されて、A/D変換器2252でデジタル画像となる。
【0110】
次に、光電変換素子PDのリセット、電荷の蓄積、電荷の読み出しのX線検出器110における駆動方法について、図9及び図10を参照して説明する。
【0111】
先ず、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、配線Lb3に接続されたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)SW(1,1)〜(1,4096)(図10中のリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755)をオンし、共通電位スイッチ2242−m(図10中の共通電位スイッチ710)をオンにする。この結果、第1行目の4096個の画素201に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307に蓄積されていた電荷がリセットされる。
【0112】
次に、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vglをかけることにより、信号線Ld1に接続されたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)SW(1,1)〜(1,4096)をオフする。この結果、第1行目の4096個の画素201に共通電位241−1が印加される。この状態で、光電変換素子PD(1,m)にX線が照射されると、X線の照射量に比例して電荷が発生し、共通電位241−1からの電位のずれに比例した量の電荷が蓄積電荷保持部307に蓄積される。但し、このとき、光電変換素子PD(1,m)には、X線信号以外に温度によって励起される暗電流が流れ、この暗電流による電荷もX線量に比例する電荷と共に、蓄積電荷保持部307に蓄積される。
【0113】
次に、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、列信号線Lcmに接続された非破壊読み出しスイッチSW(1,1)〜(1,4096)(非破壊読み出しスイッチ760)をオンにする。この結果、蓄積電荷保持部307に保持されていた電荷が、増幅素子312により増幅された後、画素201から信号読み出し回路240により読み出される。
【0114】
信号読み出し回路240内では、読み出された信号がアンプ246−mにより増幅される。アンプ246−mの出力信号は、サンプルホールド回路248−mによりサンプルホールドされる。その後、サンプルホールド回路248の出力信号が、アナログ・マルチプレクサ250により時間軸に関して多重化される。そして、A/D変換器252により、アナログ・マルチプレクサ250から出力されたアナログ信号がデジタル信号に変換されて読み出される。
【0115】
これらの一連の動作を、すべての第1〜4096行目まで繰り返して行うことにより、全画素の蓄積電荷が非破壊読み出される。ここでは、光電変換素子PDのリセット、電荷の蓄積、非破壊読み出しを1行ごとにセットにして説明したが、すべての第1〜4096行の画素201を1行ごとにリセット及び蓄積状態にした後、すべての第1〜4096行の画素201又は一部の画素201の非破壊読み出しを信号電荷の蓄積中に任意の回数行うこともできる。
【0116】
X線照射が終了すると、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、共通電位スイッチをオフにした状態で、列信号線Ldmに接続されたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)SW(1,1)〜(1,4096)(リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755)をオンにする。この結果、蓄積電荷保持部307及びコンデンサ810に蓄積されていた蓄積電荷に比例した信号が破壊読み出しされる。この読み出しの結果、蓄積電荷保持部307及びコンデンサ810の状態が変化する。
【0117】
破壊読み出しの直後、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)SW(1,1)〜(1,4096)(リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755)をオンにした状態で、共通電位スイッチをオンにすると、第1行の画素201がリセットされる。
【0118】
ここでは、読み出しと同時にリセットも行ったが、第1行の画素201のリセットをせずに、すべての行の画素201の破壊読出しをしても良い。
【0119】
これらの一連の動作を、すべての第1〜4096行目まで繰り返して行うことにより、全画素の蓄積電荷が破壊読み出される。
【0120】
破壊読出し時のリセットと、上述した蓄積前のリセットを同一にした場合、破壊読出しのフレームレイトを高くすることができるという効果がある。
【0121】
このように非破壊読み出しによる出力と破壊読出しによる出力を別々に分けることで、夫々に適した信号の増幅、サンプリング、デジタル化が行える。例えば、非破壊読み出しでは、出力された画像は、X線照射手段145の制御や、X線検出器110の制御や、画像処理のための解析、又は被写体等の動きの観察等を行うため、リアルタイムな処理が要求され、動画のようなフレームレイトの高い処理ができるように、信号読み出し回路240を最適化できる効果がある。また、破壊読出しでは、出力された画像は、主に静止画像のようなSNRの高い、また多くのX線量を検出できるようダイナミックレンジの広い画像特性が要求されるため、破壊読出しの構成に適した信号読み出し回路2240が最適化できる効果がある。
【0122】
第1乃2の実施形態では、検出器の駆動制御により非破壊読み出しと破壊読出しは区別されたが、第4乃至6の実施形態では物理的に非破壊読み出しと破壊読出しが区別される例を説明した。
【0123】
(第7の実施形態)
第7の実施形態の説明では、本発明のX線撮影装置の動作について説明する。
【0124】
図11は、本発明の第7の実施形態に係るX線撮影装置の動作を示すフロー図である。まず、撮影者がX線照射の信号を送ると、X線検出器110は、ステップS1105で画素のリセットを行い、ステップS1110で画素信号の蓄積を開始する。蓄積を開始するとすぐに、ステップS1120で画素信号の非破壊読み出しが始まる。
【0125】
蓄積が開始されると、X線照射手段145によりX線が照射される。X線照射のタイミングは蓄積が開始されるとすぐに行っても良いし、ステップS1135でX線の制御を受けても良い。
【0126】
X線が照射されている間、ステップS1120で非破壊読み出しを繰り返す。非破壊読み出しした画像は間引き読み出しされていれば、2枚の非破壊読み出し画像の差分画像が取得される。
【0127】
非破壊読み出しされた画像は、ステップS1122で暗電流補正、さらにステップS1125で個々の画素のゲイン補正を行った後、ステップS1130で非破壊読み出し画像の解析が行われる。暗電流補正のための画像は、X線照射前に2回非破壊読み出しした画像の差分により求めることができる。また、撮影前に事前に取得しておくこともできる。また、ゲイン補正のための画像は事前に取得しておくことが望ましい。
【0128】
非破壊読み出しされた画像の解析の結果X線量が適切でなければ、ステップS1135によりX線の制御が行われる。非破壊読み出し画像の解析結果に基づき、ステップS1140では、X線照射がつづく間、X線検出器110を蓄積状態のままにしておく。また、X線照射が終了していれば速やかにステップS1150で、破壊読み出しを開始する。
【0129】
ステップS1165で破壊読出しと同時に画素信号のリセットを行う。このリセットは、続けて撮影を行う場合には、ステップS1105のリセットと同一となる。
【0130】
破壊読出し、及び画素信号のリセットの終了後、ステップS1165で画素信号の空読み出しが開始される。ステップS1175では、破壊読出し画像と空読み出し画像を用いて、破壊読出し画像の暗電流補正が行われる。さらに暗電流補正後、ステップS1180では個々の画素のゲイン補正が行われる。
【0131】
ステップS1185では、暗電流補正及びゲイン補正が行われた破壊読出し画像において、ステップS1130の解析結果に基づき、破壊読出し画像の画像処理が行われる。画像処理後の画像は、ステップS1190にて画像の表示又は保存が行われる。また、ステップS1190における画像の表示又は保存は、破壊読み出しされた画像だけではなく、非破壊読み出しされた画像でも行っても良い。その場合は、ステップS1145において非破壊読み出し画像の画像処理を行い、ステップS1190で画像の表示又は保存が行われる。
【0132】
本発明の実施形態は、前述のように、コンピュータがプログラムを実行することによっても実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
【0133】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0134】
(実施態様1) 対象物に放射線を照射する放射線照射手段と、
前記対象物を透過して
得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する解析手段と、
を有することを特徴とする放射線撮影装置。
【0135】
(実施態様2) 前記解析手段による解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段から読み出された放射線投影像の情報に対して画像処理を施す画像処理手段を有することを特徴とする実施態様1に記載の放射線撮影装置。
【0136】
この放射線撮影装置によれば、破壊読み出しによる画像を取得する前に画像解析を行うことが可能であるため、破壊読み出しによる画像が読み出された後、速やかに、階調処理等の画像処理を実行することができる。また、動画像取得によりリアルタイム表示も可能となる。
【0137】
(実施態様3) 前記解析手段による解析の結果に基づいて前記放射線照射手段の動作を制御する放射線照射制御手段を有することを特徴とする実施態様1又は2に記載の放射線撮影装置。
【0138】
この放射線撮影装置によれば、放射線撮像装置に蓄積されている電荷に基づいて、X線の照射条件が適切であるかどうかを判断でき、被写体等の対象物に照射される無駄なX線量を低減できる。
【0139】
(実施態様4) 前記解析手段による解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段の動作を制御する撮像制御手段を有することを特徴とする実施態様1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0140】
この放射線撮影装置によれば、放射線の照射状況に応じて、放射線撮像手段の動作を適宜制御することができる。
【0141】
(実施態様5) 前記撮像制御手段は、前記放射線撮像手段における電荷の蓄積量を観察し、前記電荷の蓄積量が飽和値に到達する前に、前記放射線撮像手段に電荷の蓄積を終了させることを特徴とする実施態様4に記載の放射線撮影装置。
【0142】
この放射線撮影装置によれば、例えば画像の関心領域における画素が飽和する前に蓄積を終了することができる。
【0143】
(実施態様6) 前記放射線撮像手段に設けられた複数の画素のうちから選択した一部の画素のみから非破壊読み出しにより信号を読み出し、該信号を前記解析手段に解析させる間引き読み出し手段を有することを特徴とする実施態様1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0144】
この放射線撮影装置によれば、間引き読み出しによって、高速に非破壊読み出しを行うことが可能となり、また画像の情報量が小さくなるため、高速にその解析を行うことができる。
【0145】
(実施態様7) 前記間引き読み出し手段は、前記一部の画素のみからの信号の読み出しを少なくとも2回行い、
前記解析手段は、同一の画素から読み出された信号の差分情報を求め、前記差分情報に基づく解析を行うことを特徴とする実施態様6に記載の放射線撮影装置。
【0146】
この放射線撮影装置によれば、間引き非破壊読み出しによる各画素の蓄積時間の違いによるシェーディングの発生を防止することができる。
【0147】
(実施態様8) 放射線照射手段に、対象物に放射線を照射させる工程と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段から、該信号を非破壊読み出しにより読み出す工程と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する工程と、
を有することを特徴とする放射線撮影方法。
【0148】
(実施態様9) 前記解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段から読み出された放射線投影像の情報に対して画像処理を施す工程を有することを特徴とする実施態様8に記載の放射線撮影方法。
【0149】
(実施態様10) 前記解析の結果に基づいて前記放射線照射手段の照射条件を調整する工程を有することを特徴とする実施態様8又は9に記載の放射線撮影方法。
【0150】
(実施態様11) 前記解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段の動作を制御する工程を有することを特徴とする実施態様8乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮影方法。
【0151】
(実施態様12) 前記放射線撮像手段の動作を制御する工程において、前記放射線撮像手段における電荷の蓄積量を観察し、前記電荷の蓄積量が飽和値に到達する前に、前記放射線撮像手段に電荷の蓄積を終了させることを特徴とする実施態様11に記載の放射線撮影方法。
【0152】
(実施態様13) 前記信号を非破壊読み出しにより読み出す工程において、前記放射線撮像手段に設けられた複数の画素のうちから選択した一部の画素のみから非破壊読み出しにより信号を読み出すことを特徴とする実施態様8乃至12のいずれか1項に記載の放射線撮影方法。
【0153】
(実施態様14) 前記一部の画素のみからの信号の読み出しを少なくとも2回行い、
前記信号を解析する工程において、同一の画素から読み出された信号の差分情報を求め、前記差分情報に基づく解析を行うことを特徴とする実施態様13に記載の放射線撮影方法。
【0154】
(実施態様15) コンピュータに、
放射線照射手段に、対象物に放射線を照射させる処理と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段から、該信号を非破壊読み出しにより読み出す処理と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する処理と、
を実行させることを特徴とする放射線撮影プログラム。
【0155】
(実施態様16) コンピュータに、
放射線照射手段に、対象物に放射線を照射させる処理と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段から、該信号を非破壊読み出しにより読み出す処理と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する処理と、
を実行させる放射線撮影プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0156】
(実施態様17) 前記放射線撮像手段は破壊読出しが可能であることを特徴とする実施態様1乃至7のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0157】
(実施態様18) 前記放射線撮像手段に2つのスイッチのみが設けられていることを特徴とする実施態様1乃至7のいずれか1項、又は実施態様17に記載の放射線撮影装置。
【0158】
この放射線撮像手段によれば、画素に2つのスイッチのみで非破壊読み出しが可能となるので、検出器製造の歩留まりがあがるという効果がある。
【0159】
(実施態様19) 前記放射線撮像手段に3つのスイッチのみが設けられていることを特徴とする実施態様1乃至7のいずれか1項、又は実施態様17に記載の放射線撮影装置。
【0160】
この放射線撮像手段によれば、画素に3つのスイッチがあることで、X線信号の蓄積開始と蓄積終了を全画素同時にできる非破壊読み出しが可能な検出器が得られるという効果がある。
【0161】
(実施態様20) 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しのスイッチと破壊読出しのスイッチとが互いに個別に設けられていることを特徴とする実施態様1乃至5、実施態様17及び19のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0162】
この放射線撮像手段によれば、画素の蓄積電荷のリセットを簡単に破壊読出しと同時にできるという効果がある。
【0163】
(実施態様21) 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しの読み出し信号線と破壊読出しの読み出し信号線とが共通していることを特徴とする実施態様1乃至5のいずれか1項、又は実施態様17乃至20のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0164】
この放射線撮像手段によれば、画素に1つの信号線のみで非破壊読み出しと破壊読出しが可能となるので、検出器製造の歩留まりがあがるという効果がある。
【0165】
(実施態様22) 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しの読み出し信号線と破壊読出しの読み出しの信号線とが互いに個別に設けられていることを特徴とする実施態様1乃至5のいずれか1項、又は実施態様17乃至20のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0166】
(実施態様23) 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しの読み出し回路と破壊読出しの読み出し回路とが互いに個別に設けられていることを特徴とする実施態様1乃至5のいずれか1項、又は実施態様17乃至22のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0167】
この放射線撮像手段によれば、非破壊読み出しと破壊読出しで回路系を含め夫々最適化できるという効果がある。
【0168】
(実施態様24) 前記解析手段は、放射線照射の前後で非破壊読み出しを行い、非破壊読み出し画像の暗電流補正を行うことを特徴とする実施態様7に記載の放射線撮影装置。
【0169】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被検体等の対象物を透過した放射線に関する情報を速やかに把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるX線検出器110の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第2の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るX線撮影装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】画像解析手段125の構成等を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に関し、X線検出器110が非破壊読み出し機能及び破壊読出し機能を有する例を示した図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に関し、X線検出器110が非破壊読み出し機能及び破壊読出し機能を有する例を示した図である。
【図9】本発明の第6の実施形態におけるX線検出器110の構成を示す模式図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に関し、X線検出器110が非破壊読み出し機能及び破壊読出し機能を有する例を示した図である。
【図11】本発明のX線撮影装置の動作フローを示すフロー図である。
【符号の説明】
101:X線検知手段
110:X線検出器
115:破壊読み出し手段
120:非破壊読み出し手段
123:検出器制御手段
125:画像解析手段
130:画像処理手段
135:画像表示及び保存手段
140:X線制御手段
145:X線照射手段
601:特徴量抽出部
602:閾値推定部
603:閾値処理部
604:ラベリング部
605:肺領域抽出部
610:線量分析部
615:X線制御部
620:特定画素値判定部
625:画像処理部
630:線量検知部
635:検出器制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線検出器等を備えた放射線撮影装置、放射線撮影方法、放射線撮影プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線撮影において、検診者のX線像を取得するX線センサとして、カセッテにフィルムと増感紙を挟んだFilm/Screen系やコンピューティッドラジオグラフィーで使用されるカセッテに入ったImaging Plateが使用されている。
【0003】
近年では、X線像をリアルタイムで直接にデジタル信号に変換できるX線センサが提案されている。このようなX線センサとして、例えば、石英ガラスから成る基板上にアモルファス半導体を挟んで、透明導電膜と導電膜とから成る固体光検出素子をマトリクス状に配列した固体光検出器の製作が可能になり、この固体光検出器とX線を可視光に変換するシンチレータとを積層したX線検出器がある。
【0004】
このX線検出器を用いた場合のX線デジタル画像の取得過程は、次のようなものである。先ず、X線検出器に対象物を透過したX線を照射することにより、X線がシンチレータで可視光に変換される。そして、この可視光が固体光検出素子の光電変換部により電気信号として検出される。この電気信号は各固体光検出素子から所定の読み出し方法により読み出され、この信号がA/D変換され、X線画像信号が得られる。
【0005】
このようなX線検出器の詳細は、特開平8−116044号公報に記載されている。またシンチレータを用いずに直接X線を固体光検出器で取得するX線検出器も多数提案されている。
【0006】
これらのX線検出器はX線の強度を電荷量として検出するので、X線画像信号を正確に蓄積し、X線画像を取得するために、画素中の電荷の吐き出し、画素中の電位のリセット、X線信号を蓄積するための電荷の蓄積、及び画素中の電荷の読み出しのように、一定サイクルの駆動が必要とされる。
【0007】
最近では、上述したX線検出器の駆動サイクルを、1秒間に十回以上繰り返すことのできるX線検出器が開発され、X線デジタル画像を動画像として取得できる撮影装置も開発されてきている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−116044号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
X線画像は暗い部分から明るい部分まできわめてX線量に依存して広い濃度分布を持つ。そのため、関心部位などを適切に画像処理等し、取得されたX線デジタル動画像を表示して、観察するには、処理時間がかかり速やかにX線透視画像、X線静止画像が得ることができないという問題点がある。
【0010】
また、上述したようにX線デジタル画像を取得する場合、関心部位などの観察等に必要以上のX線量が照射されたときは、被曝線量を低減させるためX線発生装置の出力を下げる等の制御がX線照射中に必要となる。
【0011】
更に、関心領域のX線検出器の画素が飽和状態になる前に蓄積を終了したり、X線照射が終了してすぐに信号電荷を読み出し始めるような検出器の制御が必要となる。
【0012】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、被検体等の対象物を透過した放射線に関する情報を速やかに把握することができる放射線撮影装置、放射線撮影方法、放射線撮影プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記の態様に想到した。
【0014】
本発明に係る放射線撮影装置は、対象物に放射線を照射する放射線照射手段と、前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段と、前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する解析手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るX線撮影装置(放射線撮影装置)、X線撮影方法(放射線撮影方法)、X線撮影プログラム(放射線撮影プログラム)及び記録媒体について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
このX線撮影装置には、X線検知手段101と、破壊読み出し手段115と、非破壊読み出し手段120と、検出器制御手段123を備えた非破壊読み出しが可能なX線検出器(放射線撮像手段)110、画像解析手段125、画像処理手段130、画像表示及び保存手段135、X線制御手段140及びX線照射手段(放射線照射手段)145が設けられている。ここで、本明細書では、X線検出器に設けられた画素内に蓄積された信号電荷の読み出し方法に関し、信号電荷の蓄積状態が変化しない読み出しを非破壊読み出しといい、蓄積状態が変化する又は変化させる読み出しを破壊読み出しという。なお、詳細は後述するが、X線検出器110は、X線像をリアルタイムでデジタル信号に変換できるように構成されている。
【0018】
ここで、破壊読み出し手段115、非破壊読み出し手段120、検出器制御手段123、画像解析手段125、画像処理手段130及びX線制御手段140は、X線撮影プログラムを実行することが可能な情報処理装置、例えばコンピュータにより構成されていてもよい。このとき、このX線撮影プログラムは、下記の説明において、破壊読み出し手段115、非破壊読み出し手段120、検出器制御手段123、画像解析手段125、画像処理手段130及びX線制御手段140が行う処理を、上記情報処理装置に行わせるように構成されたものである。
【0019】
図2は、X線検出器110の構成を示す模式図である。
【0020】
X線検出器110は、X線を直接検出するタイプとX線を蛍光体で一度可視光に変換して、可視光を検出するタイプのいずれであってもよい。但し、どちらも信号を検出する画素をアレー状に組み合わせて構成されている。これが検出器アレー200である。X線検出器110には、更に、ラインセレクタ232、信号読み出し回路240及び駆動器262が設けられている。
【0021】
検出器アレー200には、例えば4096×4096個の画素201が配置されている。1個の画素201には、1つのX線又は光の信号を検出する信号検出部と、信号の蓄積と読み取りを切り替えるスイッチングTFTとが設けられている。
【0022】
例えば、信号検出部として、光電変換素子(フォトダイオード)PD(1,1)〜(4096,4096)が設けられている。また、スイッチングTFTとして、スイッチSW(1,1)〜(4096,4096)が設けられている。本明細書では、第n行第m列に位置する画素に対して、光電変換素子PD(n,m)、スイッチSW(n,m)と表す。各光電変換素子PD(n,m)には、ゲート電極G及び共通電極Dが設けられており、各電極に違う電圧を印加することにより電荷の蓄積及び吐き出しが行われる。
【0023】
X線検出器110には、列ごとに、列信号線Lcmが(1≦m≦4096)が設けられ、行ごとに、行選択線Lrn(1≦n≦4096)が設けられている。行選択線Lrnは、例えば1対の信号線から構成されている。更に、配線Lb1〜Lb3が設けられ、配線Lb1〜Lb3は、夫々共通電位241−1、241−2、241−3に接続されている。各画素のゲートは、対応する1対のスイッチSW(n,m)を介して、列信号線Lcm及び配線Lb3に接続されており、スイッチSW(n,m)の制御端子は行選択線Lrnに接続されている。
【0024】
どの行の画素から信号電荷を読み出すかを選択するラインセレクタ232には、行選択線Lr1〜Lr4096が接続されている。ラインセレクタ232には、検出器制御手段120からの制御信号を解読し、どのラインの光電変換素子PD(n,m)の信号電荷を読み出すべきかを決定するアドレスデコーダ234が設けられている。また、電源Vgh及びVglと行選択線Lr1〜Lr4096との間に、アドレスデコーダ234の出力に従って開閉される1対のスイッチ素子236−nが接続されている。
【0025】
画素201の信号電荷を読み出す信号読み出し回路240内には、列信号線Lcm毎に、列信号線Lcmからの信号電位を増幅するアンプ246−m、及びアンプ246−mの出力をサンプルホールドするサンプルホールド回路248−mが設けられている。
【0026】
信号読み出し回路240には、更に、サンプルホールド回路248の出力を時間軸で多重化するアナログ・マルチプレクサ250、及びアナログ・マルチプレクサ250のアナログ出力をデジタル化するA/D変換器252が設けられている。
【0027】
駆動器262は、X線検出器110自体を駆動する。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。画素201には、X線を吸収した蛍光体の光を信号電荷として蓄積する光電変換素子PD(n,m)、蓄積された信号電荷を保持する蓄積電荷保持部307、保持された信号電荷を増幅する増幅素子312、リセットスイッチ355及び読み出し360が設けられている。リセットスイッチ355及び読み出しスイッチ360のオン/オフは、行選択線Lrnにより制御される。リセットスイッチ355は、図2中の配線Lb3に接続されたスイッチSW(n,m)に対応し、読み出しスイッチ360は、図2中の列信号線Lcmに接続されたSW(n,m)に対応している。
【0029】
光電変換素子PD(n,m)に、共通電位241−1からバイアス電圧が印加される。増幅素子312には、共通電位241−2から電圧が印加される。蓄積電荷保持部307には、リセットスイッチ355を介して、共通電位241−3から、蓄積電荷保持部307に保持された信号電荷をリセットするための電圧が印加される。
【0030】
X線の照射により光電変換素子PD(n,m)で生成され蓄積電荷保持部307に保持された電荷は、増幅素子312により増幅され、読み出しスイッチ360を介して列信号線Lcmに転送される。そして、列信号線Lcmに転送された信号は、信号読み出し回路240に転送される。
【0031】
このように構成された画素201において、行選択線Lrnからリセットスイッチ355に電位Vghが印加され、リセットスイッチ355が導通されると、蓄積電荷保持部307に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307がリセットされる。
【0032】
その後、行選択線Lrnからリセットスイッチ355に電位Vglが印加され、リセットスイッチ355が閉じられると、蓄積電荷保持部307はリセットされたまま浮遊状態になる。この状態で、光電変換素子PD(n,m)にX線が照射されると、信号電荷が生成され、蓄積電荷保持部307に蓄積される。そして、信号電荷に応じて蓄積電荷保持部307の電位が上昇する。
【0033】
続いて、行選択線Lrnから読み出しスイッチ360に電位Vghが印加され、読み出しスイッチ360が導通されると、上昇した電位に応じて増幅素子312により増幅された信号が列信号線Lcmへと転送される。
【0034】
以上の一連の動作をX線検出器110の蓄積状態時に繰り返し行うことで、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出すことができる。また、読み出された信号の出力値を見ることで、X線がX線検出器110に入射開始され、入射終了されたか、またX線検出器110に適正なX線量が照射されているか、また、破壊読み出し手段115による読み出しの前に、取得されるべきX線画像のX線量分布を検出することができる。
【0035】
このように、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出す方法に関し、信号電荷読み出しの次の読み出しで、リセットスイッチ355をオンにして信号電荷のリセットを行うと、信号電荷の蓄積状態が変化する。このため、このような読み出しは、破壊読み出しである。
【0036】
これに対し、信号電荷読み出しの次の読み出しで、リセットスイッチ355をオンにせず信号電荷のリセットを行わない場合には、信号電荷の蓄積状態は変化しない。このため、このような読み出しは、非破壊読み出しである。即ち、本実施形態では、蓄積電荷保持部307へ転送され蓄積された信号電荷を保存したまま読み出すことができる。つまり、これらの画素201を備えたX線検出器110は、破壊読み出し及び非破壊読み出しが可能なように構成されている。
【0037】
次に、光電変換素子のリセット、電荷の蓄積、電荷の読み出し、空読み出し等のX線検出器110における駆動方法について、図2及び図3を参照して説明する。
【0038】
先ず、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、配線Lb3に接続されたリセットスイッチSW(1,1)〜(1,4096)(図3中のリセットスイッチ355)をオンする。この結果、前述のように、第1行目の4096個の画素201に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307に蓄積されていた電荷がリセットされる。
【0039】
次に、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vglをかけることにより、配線Lb3に接続されたリセットスイッチSW(1,1)〜(1,4096)をオフする。この結果、第1行目の4096個の画素201に共通電位241−1が印加される。この状態で、光電変換素子PD(1,m)にX線が照射されると、X線の照射量に比例して電荷が発生し、共通電位241−1からの電位のずれに比例した量の電荷が蓄積電荷保持部307に蓄積される。但し、このとき、光電変換素子PD(1,m)には、X線信号以外に温度によって励起される暗電流が流れ、この暗電流による電荷もX線量に比例する電荷と共に、蓄積電荷保持部307に蓄積される。
【0040】
次に、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、列信号線Lcmに接続された読み出しスイッチSW(1,1)〜(1,4096)(読み出しスイッチ360)をオンにする。この結果、蓄積電荷保持部307に保持されていた電荷が、増幅素子312により増幅された後、画素201から信号読み出し回路240により読み出される。
【0041】
信号読み出し回路240内では、読み出された信号がアンプ246−mにより増幅される。アンプ246−mの出力信号は、サンプルホールド回路248−mによりサンプルホールドされる。その後、サンプルホールド回路248の出力信号が、アナログ・マルチプレクサ250により時間軸に関して多重化される。そして、A/D変換器252により、アナログ・マルチプレクサ250から出力されたアナログ信号がデジタル信号に変換されて読み出される。
【0042】
これらの一連の動作を、すべての第1〜4096行目まで繰り返して行うことにより、全画素の蓄積電荷が読み出される。ここでは、光電変換素子PDのリセット、電荷の蓄積、読み出しを1行ごとにセットにして説明したが、すべての第1〜4096行の画素201を1行ごとにリセット及び蓄積状態にした後、すべての第1〜4096行の画素201又は一部の画素201の読み出しを信号電荷の蓄積中に任意の回数行うこともできる。
【0043】
X線量に比例する蓄積電荷のみを読み出すためには、暗電流による電荷を同じ時間だけもう一度蓄積して読み出し、この分を差し引けば良い。この暗電流のみの蓄積電荷の読み出しを空読み出しという。また、決まった蓄積時間の暗電流のみによる画像をあらかじめ取得しておき、読み出された画像から暗電流成分を差し引くこともできる。
【0044】
次に、上述のように構成されたX線撮影装置の動作の概要について、図1を参照して説明する。
【0045】
先ず、検出器制御手段123によりX線検出器110の駆動を開始し、X線照射による信号の蓄積状態になった後、撮影者がX線照射手段145よりX線照射を行う。X線照射は、X線検出器110の駆動とのタイミングをとって行われる。X線照射のタイミングは、撮影者が判断しても良いし、X線照射合図の信号をX線制御手段140から検出器制御手段123に送り、X線照射手段145とX線検出器110の駆動の同期をとって制御しても良い。
【0046】
X線照射が行われると、X線検出器110の各画素中に信号電荷が蓄積される。信号電荷の蓄積が終了した後か、又は信号電荷の蓄積途中で、非破壊読み出し手段120は、破壊読み出し手段115による破壊読み出しが行われる前に、X線検出器100内の駆動器262を制御して非破壊読み出しを行う。そして、画像解析手段125が、非破壊読み出しされたX線画像を解析する。
【0047】
この結果、信号電荷が蓄積された状態を保持したまま、蓄積された信号電荷の蓄積状態、又は蓄積途中の信号電荷の蓄積状態を把握することが可能となる。つまり、X線照射終了後、又はX線照射中に、X線照射の出力が適正であるか、X線照射が開始又は終了しているかどうかを判断したり、X線検出器110の関心部分における特定の画素が蓄積飽和しているかどうかを判断したり、現在撮影されている画像がどのような画像かを、最終的な画像を得る前に解析したりすることができるようになる。
【0048】
非破壊読み出し手段120による非破壊読み出しが行われた後、破壊読み出し手段115は、X線画像を破壊読出しにより読み出し、続いて、次の蓄積のための電荷又は電位のリセットを行う。このとき、各画素に蓄積された信号電荷の一部又は全部が破壊読み出しのために欠落する。
【0049】
ここで、非破壊読み出しにより得られたデータを利用する方法について説明する。
【0050】
画像解析手段125によるX線画像の解析の種類としては、例えば、被写体における関心部位を適切な濃度で表示するための関心部位部分のヒストグラム解析がある。また、強調処理等を画像に施す場合の、X線量子ノイズやX線検出器110自身に存在するノイズが目立つ画像上の領域を特定するための解析もある。但し、これらに限定されるものではない。
【0051】
画像解析手段125は、X線画像を解析した結果を、検出器制御手段123、画像処理手段130及び/又はX線制御手段140に送信する。検出器制御手段123及びX線制御手段140は、夫々X線検出器110、X線照射手段145を制御する。
【0052】
X線検出器110の制御の一例としては、前述のように、X線検出器110の関心部分におけるある画素が蓄積飽和しているかどうかを判断して、まだ全く飽和していなかったらX線検出器110の蓄積状態を継続し、飽和しそうであったら、蓄積を即座に終了し、次のX線検出器110の駆動に移行させるという制御がある。また、X線照射が終了していなかったらX線検出器110の蓄積状態を継続し、X線照射が終了していたら、蓄積を即座に終了し、次のX線検出器110の駆動に移行させるという制御もある。
【0053】
X線照射手段145の制御の一例としては、X線検出器110の関心部分における特定の画素において、信号電荷の蓄積量が少なければ、X線照射の強度をより強くし、また蓄積飽和しているかどうかを判断して、飽和しそうであったら、X線照射を即座に終了するという制御がある。
【0054】
画像解析手段125から画像解析結果が画像処理手段130に送信された場合、画像処理手段130は、画像解析結果に基づいて、破壊読み出し手段115により破壊読み出しされたX線画像に画像処理を施す。そして、画像処理後のX線画像の表示及び/又は保存が、画像表示及び保存手段135によって行われる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、X線検出器110の構造が第1の実施形態と相違している。具体的には、各行選択線Lrnが3本の信号線から構成され、各画素201に、3個のトランジスタが設けられている。更に、ラインセレクタ232内のスイッチ素子236−nは、1行ごとに3本の信号線に、電源Vgh又はVglを選択的に接続するように構成されている。
【0056】
図4は、本発明の第2の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。本実施形態では、画素201には、第1の実施形態と同様に、光電変換素子PD(n,m)、蓄積電荷保持部307、増幅素子312、リセットスイッチ355及び読み出しスイッチ360が設けられている。更に、光電変換素子PD(n,m)と蓄積電荷保持部307との間に、転送スイッチ450が接続されている。リセットスイッチ355、読み出しスイッチ360及び転送スイッチ450のオン/オフは、行選択線Lrnにより制御される。
【0057】
このように構成された画素201において、行選択線Lrnからリセットスイッチ355に電位Vghが印加され、リセットスイッチ355が導通されると、蓄積電荷保持部307に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307がリセットされる。
【0058】
その後、行選択線Lrnからリセットスイッチ355に電位Vglが印加され、リセットスイッチ355が閉じられると、蓄積電荷保持部307はリセットされたまま浮遊状態になる。この状態で、光電変換素子PD(n,m)にX線が照射されると、信号電荷が生成され、転送スイッチ450が導通されていると、蓄積電荷保持部307に蓄積される。そして、信号電荷に応じて蓄積電荷保持部307の電位が上昇する。
【0059】
続いて、行選択線Lrnから読み出しスイッチ360に電位Vghが印加され、読み出しスイッチ360が導通されると、上昇した電位に応じて増幅素子312により増幅された信号が列信号線Lcmへと転送される。
【0060】
以上の一連の動作をX線検出器110の蓄積状態時に繰り返し行うことで、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出すことができる。また、読み出された信号の前後の差分変化を得ることで、X線のX線検出器110への入射が開始されたか、又は終了されたかを検出することができる。また、X線検出器110へのX線の照射分布を得ることができる。
【0061】
また、本実施形態においては、蓄積電荷保持部307の信号電荷の飽和閾値を予め把握しておき、非破壊読み出し手段120を介して、随時蓄積され保持された信号電荷を検出する。そして、蓄積電荷保持部407の信号電荷が飽和しそうになったら、リセットスイッチ455が閉じられた状態のまま、行選択線Lrnから転送スイッチ450に電位Vghが印加され、転送スイッチ450が閉じられる。この結果、リセットスイッチ455が閉じられた状態のまま、蓄積電荷保持部407への蓄積電荷の転送が停止される。
【0062】
このように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態で得られる効果の他に、蓄積電荷保持部407の蓄積電荷が飽和する前に蓄積を終了することができるという効果が得られる。また、転送スイッチ450の開閉を夫々蓄積開始時と終了時に全画素同時に行うことで、一部の画素に対し信号電荷の読み出しを走査的に行っても、信号電荷の蓄積時間を同時にできるという効果がある。但し、第1の実施形態には、画素201内のスイッチ数が少ないため、画素中の受光面積を大きくして高い感度が得られ、また、構造が簡素であるため、X線検出器110の歩留まりが高いという有利な点もある。
【0063】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、非破壊読み出し手段120による非破壊読み出しの方法が第1及び第2の実施形態のものと相違している。具体的には、X線検出器110内の全画素210から非破壊読み出しが行われるのではなく、間引きをして一部の画素210のみから非破壊読み出しが行われる。図5は、本発明の第3の実施形態に係るX線撮影装置の動作を示すタイミングチャートである。但し、図5には、X線検出器110の全画素210の数を12とし、間引き読み出しをする画素210の数を3とし、間引き読み出しの回数を2回とした例を示している。
【0064】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、個々の画素210からの読み出し等の駆動は、ラインセレクタ232及びアナログ・マルチプレクサ250を用いて時系列的に行われる。従って、画素の位置に応じて、夫々蓄積開始時刻及び読み出し開始時刻が相違する。
【0065】
図5中の「全画素蓄積開始」及び「全画素読み出し開始」は、夫々蓄積時間軸上で、X線検出器110の全画素210における蓄積開始、読み出し開始の時刻を示している。また、2つの「間引き非破壊読み出し開始」は、間引き非破壊読み出しが2回行われることを示すと共に、各間引き非破壊読み出しを開始する時刻を示している。「全画素蓄積開始」、「全画素読み出し開始」及び「間引き非破壊読み出し開始」を示している四角集合において、個々の四角は夫々の四角集合における個々の画素210の駆動時刻を示している。
【0066】
また、図5中の時刻A、C、E及びGは、一方の間引き非破壊読み出しの対象である特定の画素における蓄積開始、非破壊読み出し開始、読み出し開始の時刻を示している。同様に、時刻B、D、F及びHは、他方の間引き非破壊読み出し対象である特定の画素における蓄積開始、非破壊読み出し開始、読み出し開始の時刻を示している。そして、時間AG及びBHは、夫々上記2つの画素の蓄積開始から破壊読み出し開始までの蓄積時間を示している。時間AG及びBHは互いに一致しているが、図5に示すように、蓄積開始から非破壊読み出し開始までの蓄積時間である時間ACと時間BDとは一致しておらず、また、時間AEと時間BFとも一致していない。この結果、X線照射や暗電流についての蓄積時間が相違することとなり、画像上にシェーディングが生じる。従って、本実施形態では、シェーディングのない間引きによる非破壊読み出しを行うために、2回の間引き非破壊読み出しを行い、両者の差分を求める。「時間CE=時間AE−時間AC」と「時間DF=時間BF−時間BD」とが互いに等しいため、上記のような差分を求めることにより、画像上に蓄積時間が相違する領域がなくなり、シェーディングの発生を回避することができる。この2回の間引きによる非破壊読み出しの前にX線が照射されるようにすると、差分によりX線照射の蓄積時間を同じにすることができる。また、2回の間引きによる非破壊読み出しの後にX線が照射されるようにすると、差分により暗電流のみの蓄積時間を同じにすることができる。さらに、前者の間引きによる非破壊読み出しのフレームレイトと、間引きによる非破壊読み出しのフレームレイトが同じならば、前者の差分画像から、後者の差分画像を差し引くことで、間引きによる非破壊読み出し画像の暗電流補正が行える。
【0067】
非破壊読み出し手段(間引き読み出し手段)120がこのような間引きによる非破壊読み出しを行うことにより、第1及び第2の実施形態と比較すると、非破壊読み出しに要する時間を短縮することができる。
【0068】
なお、間引き非破壊読み出しの対象とする画素の数は特に限定されるものではない。また、行単位で間引き非破壊読み出しを行うことによっても同様の効果を得ることができる。
【0069】
次に、画像解析手段125の構成の一例、この構成を用いて実行される処理及びその結果が反映される対象(手段)について、X線画像の肺領域における解析を例にとって、説明する。図6は、非破壊読み出しされたX線画像に対し、画像解析手段125で行われる処理と、処理結果の反映部分応用を説明した図である。図の点線で囲まれた部分が画像解析手段125に対応する。
【0070】
画像解析手段125は、例えば、非破壊読み出ししたX線画像から肺領域内の最大画素値及び縦隔内の最小画素値を取得する特徴量抽出部601、特徴量抽出部601で取得された特徴量から閾値を算出する閾値推定部602、閾値推定部602で算出された閾値に基づき画像を2値化する閾値処理部603、閾値処理部603で2値化された画像をラベリングするラベリング部604、ラベリング部604でラベリングされた画像のうちから画像端に接する領域を削除し、削除されなかった領域を肺領域とする肺領域抽出部605、肺領域画素値から適正なX線量が到達しているかどうかを判定し、また素抜け領域(X線照射領域で被写体がない部分)の画像から、適正な照射野であるかどうかを判定する線量分析部610、線量分析部610からの判定情報により、X線照射量の強度調節を行い、また照射野を制御する絞り調節をするX線制御部615、肺領域画像から特定の画素値部分の領域を特定する特定画素値判定部620、特定画素値判定部620から特定された領域の画像濃度(輝度)をある指定濃度(輝度)に処理する画像処理部625、肺領域の画素の蓄積電荷量がX線照射によりどの程度蓄積されたかを検知する線量検知部630、並びに線量検知部630で、例えばX線の照射がすでに終了したと判定された場合や、蓄積電荷量が飽和に近いと判定された場合にX線検出器の蓄積を終了する等の検出器の駆動を変更する検出器制御部635から構成されている。
【0071】
これらのうち、X線制御部615は、図1中のX線制御手段140に相当し、画像処理部625は画像処理手段130に相当し、検出器制御部635は検出器制御手段123に相当する。
【0072】
このように構成された画像解析手段125では、先ず、特徴量抽出部601が、照射領域内の素抜け領域及び素抜け領域と一定間隔内で接する体領域をある閾値で分離し、0で置き換える。次に、上記処理後の画像から最大画素値を取得し、最大画素値をとる肺領域のプロファイルから縦隔の最低画素値を算出し、前記最大画素値及び最小画素値を求める。
【0073】
次いで、閾値推定部602が、特徴量抽出部601で算出した肺領域内の最大画素値、及び縦隔領域内の最小画素値より閾値を推定する。推定に用いる関数は、例えば線形回帰式、ニューラルネットワーク等であるが、これらに限定されない。
【0074】
閾値処理部603は、閾値推定部602で算出された閾値に基づき、入力画像の閾値処理(2値化等)を行う。
【0075】
ラベリング部604は、閾値推定部602で2値化された画像データのうち、画素値1の領域に対してラベリング処理を行う。ここで、ラベリング処理とは、2値化により連結した部分を区別するラベル付けを行う処理である。
【0076】
肺領域抽出部605は、ラベリング部604でラベル付けされた連結領域のうち、面積がある値以下かつ画像端に接する領域を削除する。この処理の結果、残った領域が肺領域である。なお、画像端に接する領域は素抜け領域画像である。このようにして、肺領域抽出部605は、非破壊読み出し手段120によって非破壊読み出しされたX線画像から、肺領域画像及び素抜け領域画像を抽出する。
【0077】
肺領域抽出部605により抽出された画像は、線量分析部610、特定画素値判定部620、線量検知部630に入力される。
【0078】
線量分析部610は、最大画素値又は平均画素値を用いて、肺領域画像から被写体から抜けてX線検出器110に入射したX線の線量を把握する。このX線の線量の把握は、例えば入射X線量と画素出力との関係を予め取得しておくことで達成することができる。
【0079】
次に、X線制御部615は、前記把握されたX線量に対し、X線量が少ない場合に、単位時間当たりのX線強度を上げるか、又はX線照射時間を長くする等のX線照射手段145に対する制御を行う。
【0080】
特定画素値判定部620は、肺領域画像から、最大画素値、又は最大画素値と平均画素値との中間値にあたる値を特定する。
【0081】
次に、画像処理部625では、前記最大画素値又は中間値の濃度(モニタの場合は輝度)が適正な濃度(例えば胸部画像では濃度1.7等)になるように、破壊読み出し手段115によって読み出された画像の階調変換を行う。
【0082】
線量検知部630は、肺領域内の画素で蓄積電荷が飽和に近い画素があるかどうかを検知する。蓄積電荷が飽和に近いかどうかは、飽和線量が照射された画像を予め取得しておくことで判断できる。
【0083】
次に、検出器制御部635は、蓄積電荷が飽和に近いことが判断されると、X線検出器110の蓄積を即座に終了して、破壊読み出し手段115でX線画像を読み出す等の駆動制御を行う。
【0084】
以上説明したように、本実施形態によれば、X線検出器110の電荷蓄積中に、非破壊読み出しによりX線画像を取得し、画像解析手段125で解析した結果に基づいてX線の制御を行うことにより、被写体に対して被曝線量の少ない適切な線量で、X線画像を取得できる。また、X線検出器110の制御に関し、画素の蓄積電荷飽和によりX線画像を損失してしまうことを防ぐことができる。更に、画像処理に関し、予め非破壊読み出ししたX線画像に基づいて画像解析を行っておくことにより、破壊読み出しされた画像を迅速に階調処理し、リアルタイムに表示することもできる。
【0085】
なお、第3の実施形態のように、間引き非破壊読み出し等で必要な場合には、図6中の最初の入力における「非破壊読み出しX線画像」として、少なくとも2枚の非破壊読み出しした画像同士の差分画像を用いることとなる。
【0086】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、X線検出器110の構造が第1、第2の実施形態と相違している。具体的には、図3のリセットスイッチ355で、破壊読出しにおけるスイッチの役割も兼ねた点である。図7に示すように、本実施形態では、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755からの出力先は、非破壊読み出しスイッチ760の出力先と同じ信号線Lcmである。このため画素201の蓄積電荷のリセットのための第3共通電位241−3は、信号線Lcmを介してリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755につながるように構成されている。さらに、1つの信号線Lcmを用いて蓄積電荷のリセットと、破壊読出しができるように共通電位スイッチ710を設けている。
【0087】
図7は、本発明の第4の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。本実施形態では、画素201には、第1の実施形態と同様に、光電変換素子PD(n,m)、蓄積電荷保持部307、増幅素子312、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755及び非破壊読み出しスイッチ760が設けられている。リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755、非破壊読み出しスイッチ760及び転送スイッチ450のオン/オフは、行選択線Lrnにより制御される。
【0088】
このように構成された画素201において、共通電位スイッチ710が導通され、行選択線Lrnからリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vghが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が導通されると、蓄積電荷保持部307に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307がリセットされる。
【0089】
その後、行選択線Lrnからリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vglが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が閉じられると、蓄積電荷保持部307はリセットされたまま浮遊状態になる。この状態で、光電変換素子PD(n,m)にX線が照射されると、信号電荷が生成され、蓄積電荷保持部307に蓄積される。そして、信号電荷に応じて蓄積電荷保持部307の電位が上昇する。
【0090】
続いて、共通電位スイッチ710を閉じた状態で、行選択線Lrnから非破壊読出しスイッチ760に電位Vghが印加され、非破壊読出しスイッチ760が導通されると、上昇した電位に応じて増幅素子312により増幅された信号が列信号線Lcmへと転送される。これは、蓄積電荷保持部307に蓄積電荷を保持したまま信号電荷を読み出すので非破壊読み出しである。
【0091】
以上の一連の動作をX線検出器110の蓄積状態時に繰り返し行うことで、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出すことができる。また、読み出された信号の前後の差分変化を得ることで、X線のX線検出器110への入射が開始されたか、又は終了されたかを検出することができる。また、任意の2枚の非破壊読み出し差分画像より、X線検出器110へのX線の照射分布を得ることができる。
【0092】
これに対し、共通電位スイッチ710を閉じた状態で、行選択線Lrnから非破壊読出しリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vghが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が導通されると、蓄積電荷保持部307に蓄積された電荷が、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を通って、信号線Lcmに出力されて、信号電荷が読み出される。この読み出しにより、蓄積電荷保持部307に蓄積された電荷は、1回のみの読み出しにより一部又は全部が消失する。従って、これは、蓄積電荷保持部307に蓄積電荷を保持しないで信号電荷を読み出すので破壊読み出しである。
【0093】
破壊読出しの後は、もはやX線の照射量後の状態とは関係ない、また蓄積前の状態とは関係ない電荷が蓄積電荷保持部307に残されるのみであるので、再度X線量に関係した信号電荷の読み出しを行うために、破壊読出しの際に開いたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を、開いた状態にしたまま共通電位スイッチ710を導通させることにより画素201をリセットする必要がある。
【0094】
このように、第4の実施形態によれば、第1又は第2の実施形態で得られる効果の他に、信号電荷の破壊読み出しと同時に画素201のリセットを行うことができ、無駄のないX線検出器110の駆動ができるという効果が得られる。
【0095】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、X線検出器110の構造が第1、第2、第4の実施形態と相違している。具体的には、画素201の破壊読出しの構成が違っており、図8に示すように、第4の実施形態において、蓄積電荷保持部307とつながっていたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755との間にコンデンサ810を設けている点である。
【0096】
この場合、蓄積電荷保持部307に保持された電荷は、第4の実施形態にあるように、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755から吐き出されない。したがって、蓄積電荷保持部307に保持された電荷を、光電変換素子PDを通して、第1共通電位241−1側に吐き出させるように、第1共通電位241−1と第3共通電位241−3の電位差を調整しなくてはならない。
【0097】
図8は、本発明の第5の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。本実施形態では、画素201には、第1の実施形態と同様に、光電変換素子PD(n,m)、蓄積電荷保持部307、増幅素子312、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755及び非破壊読み出しスイッチ760が設けられている。リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755、非破壊読み出しスイッチ760及び転送スイッチ450のオン/オフは、行選択線Lrnにより制御される。
【0098】
このように構成された画素201において、共通電位スイッチ710が導通され、行選択線Lrnからリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vghが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が導通されると、蓄積電荷保持部307に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307がリセットされる。このとき、蓄積電荷保持部307に保持されるように、蓄積電荷保持部307と第1共通電位241−1の電位差が設定されているが、蓄積電荷を吐き出すためには、第3共通電位241−3と導通している蓄積電荷保持部307と、第1共通電位241−1の電位差が先とは逆になるように設定されなければならない。
【0099】
その後、行選択線Lrnからリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vglが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が閉じられると、蓄積電荷保持部307はリセットされたまま浮遊状態になる。この状態で、光電変換素子PD(n,m)にX線が照射されると、信号電荷が生成され、蓄積電荷保持部307とコンデンサ810に蓄積される。そして、信号電荷に応じて蓄積電荷保持部307の電位が上昇する。
【0100】
続いて、共通電位スイッチ710を閉じた状態で、行選択線Lrnから非破壊読出しスイッチ760に電位Vghが印加され、非破壊読出しスイッチ760が導通されると、上昇した電位に応じて増幅素子312により増幅された信号が列信号線Lcmへと転送される。これは、蓄積電荷保持部307に蓄積電荷を保持したまま信号電荷を読み出すので非破壊読み出しである。
【0101】
以上の一連の動作をX線検出器110の蓄積状態時に繰り返し行うことで、光電変換素子PD(n,m)から蓄積電荷保持部307へ随時転送され蓄積された信号電荷を読み出すことができる。また、読み出された信号の前後の差分変化を得ることで、X線のX線検出器110への入射が開始されたか、又は終了されたかを検出することができる。また、任意の2枚の非破壊読み出し差分画像より、X線検出器110へのX線の照射分布を得ることができる。
【0102】
これに対し、共通電位スイッチ710を閉じた状態で、行選択線Lrnから非破壊読出しリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755に電位Vghが印加され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が導通されると、X線量を反映したコンデンサ810の蓄積電荷に対応した逆電荷が、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を通して信号線Lcmを通して流れ、信号線Lcmの電位が、X線照射前の状態に対して、X線量に比例して変化する。このX線照射前の電位と、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を導通した後の電位の差をアンプ246−m等で増幅させることにより、X線照射量に比例した信号を読み出すことができる。
【0103】
コンデンサ810にかかる電位は、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を導通する前後では違う可能性が高いので、蓄積電荷保持部307の蓄積電荷量も変化する。したがって、これは、蓄積電荷保持部307の蓄積電荷を保持しないで信号電荷を読み出すので破壊読み出しである。
【0104】
また、コンデンサ810への蓄積電荷も、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を導通する前後では違うので、2回目以降リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755を通した読み出しはもはやX線量を反映しない。したがって、次の読み出しでは画素201をリセットする必要がある。
【0105】
この第5の実施形態の例では、破壊読出しは電位差による信号の読み出しである。したがって、図8に示す増幅素子312は、蓄積電荷保持部307の電位を増幅するものでなくてはならない。しかし、破壊読出し時のコンデンサ810への電流を読み出す例であれば、図8に示す増幅素子312は、蓄積電荷保持部307へ流れる電荷に応じて、非破壊読み出しスイッチへの電流を増幅させるものでなくてはならない。
【0106】
第5の実施形態によれば、第4の実施形態で得られる効果の他に、画素201を構成する破壊読出しの部分は、光電変換素子PDとリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755が同じ構造で形成できるMIS−Type(参考文献:Novel Large Area MIS type X−ray Image Sensor for Radiography, SPIE Vol.3336 Physics of Medical Imaging (1998))にでき、X線検出器110の製造歩留まりが良いという効果がある。また、第4の実施形態における画素201を構成する破壊読出しの部分は、PIN−Typeの構造をしており、MIS−Typeより、X線に対し一般的に感度が良いというという効果がある。
【0107】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態では、X線検出器110の構造が第1、第2、第4、第5の実施形態と相違している。具体的には、画素201からの破壊読出しによる信号と、画素201からの非破壊読出しによる信号が別の信号線により出力される点が相違している。破壊読出しと非破壊読み出しの信号線を別にすることにより、夫々の読み出し方法に適した信号の増幅、デジタル化ができる。そのため、第6の実施形態には、図9及び図10に示すように、破壊読出しと非破壊読み出し夫々の信号線に対して、アンプ246−m、サンプルホールド回路248−m、アナログ・マルチプレクサ250、A/D変換器252が設けられている。
【0108】
図9及び図10に示す第6の実施形態は、図2、図3に対し信号線Lcmを、非破壊読み出し用の信号線Lcmと破壊読出し用の信号線Ldmに分けるように構成されている。図2と違う構成について説明すると、非破壊読み出しスイッチ760からの信号は信号線Lcmに出力され、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755からの信号は信号線Ldmに出力される。信号線Ldmは、共通電位スイッチ710(図9では共通電位スイッチ2242−m)を介して、配線Lb3により第3共通電位241−3につながっている。
【0109】
信号線Lcmからの非破壊読み出し出力は、図2と同様、アンプ246−mで増幅され、サンプルホールド回路248−mで増幅信号がサンプルホールドされ、アナログ・マルチプレクサ250で時間軸において多重化されて、A/D変換器252でデジタル画像となる。信号線Ldmからの破壊読出し出力は、アンプ2246−mで増幅され、サンプルホールド回路2248−mで増幅信号がサンプルホールドされ、アナログ・マルチプレクサ2250で時間軸において多重化されて、A/D変換器2252でデジタル画像となる。
【0110】
次に、光電変換素子PDのリセット、電荷の蓄積、電荷の読み出しのX線検出器110における駆動方法について、図9及び図10を参照して説明する。
【0111】
先ず、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、配線Lb3に接続されたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)SW(1,1)〜(1,4096)(図10中のリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755)をオンし、共通電位スイッチ2242−m(図10中の共通電位スイッチ710)をオンにする。この結果、第1行目の4096個の画素201に共通電位241−3が印加され、蓄積電荷保持部307に蓄積されていた電荷がリセットされる。
【0112】
次に、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vglをかけることにより、信号線Ld1に接続されたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)SW(1,1)〜(1,4096)をオフする。この結果、第1行目の4096個の画素201に共通電位241−1が印加される。この状態で、光電変換素子PD(1,m)にX線が照射されると、X線の照射量に比例して電荷が発生し、共通電位241−1からの電位のずれに比例した量の電荷が蓄積電荷保持部307に蓄積される。但し、このとき、光電変換素子PD(1,m)には、X線信号以外に温度によって励起される暗電流が流れ、この暗電流による電荷もX線量に比例する電荷と共に、蓄積電荷保持部307に蓄積される。
【0113】
次に、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、列信号線Lcmに接続された非破壊読み出しスイッチSW(1,1)〜(1,4096)(非破壊読み出しスイッチ760)をオンにする。この結果、蓄積電荷保持部307に保持されていた電荷が、増幅素子312により増幅された後、画素201から信号読み出し回路240により読み出される。
【0114】
信号読み出し回路240内では、読み出された信号がアンプ246−mにより増幅される。アンプ246−mの出力信号は、サンプルホールド回路248−mによりサンプルホールドされる。その後、サンプルホールド回路248の出力信号が、アナログ・マルチプレクサ250により時間軸に関して多重化される。そして、A/D変換器252により、アナログ・マルチプレクサ250から出力されたアナログ信号がデジタル信号に変換されて読み出される。
【0115】
これらの一連の動作を、すべての第1〜4096行目まで繰り返して行うことにより、全画素の蓄積電荷が非破壊読み出される。ここでは、光電変換素子PDのリセット、電荷の蓄積、非破壊読み出しを1行ごとにセットにして説明したが、すべての第1〜4096行の画素201を1行ごとにリセット及び蓄積状態にした後、すべての第1〜4096行の画素201又は一部の画素201の非破壊読み出しを信号電荷の蓄積中に任意の回数行うこともできる。
【0116】
X線照射が終了すると、駆動器262は、行選択線Lr1に電位Vghをかけることにより、共通電位スイッチをオフにした状態で、列信号線Ldmに接続されたリセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)SW(1,1)〜(1,4096)(リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755)をオンにする。この結果、蓄積電荷保持部307及びコンデンサ810に蓄積されていた蓄積電荷に比例した信号が破壊読み出しされる。この読み出しの結果、蓄積電荷保持部307及びコンデンサ810の状態が変化する。
【0117】
破壊読み出しの直後、リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)SW(1,1)〜(1,4096)(リセットスイッチ(及び破壊読出しスイッチ)755)をオンにした状態で、共通電位スイッチをオンにすると、第1行の画素201がリセットされる。
【0118】
ここでは、読み出しと同時にリセットも行ったが、第1行の画素201のリセットをせずに、すべての行の画素201の破壊読出しをしても良い。
【0119】
これらの一連の動作を、すべての第1〜4096行目まで繰り返して行うことにより、全画素の蓄積電荷が破壊読み出される。
【0120】
破壊読出し時のリセットと、上述した蓄積前のリセットを同一にした場合、破壊読出しのフレームレイトを高くすることができるという効果がある。
【0121】
このように非破壊読み出しによる出力と破壊読出しによる出力を別々に分けることで、夫々に適した信号の増幅、サンプリング、デジタル化が行える。例えば、非破壊読み出しでは、出力された画像は、X線照射手段145の制御や、X線検出器110の制御や、画像処理のための解析、又は被写体等の動きの観察等を行うため、リアルタイムな処理が要求され、動画のようなフレームレイトの高い処理ができるように、信号読み出し回路240を最適化できる効果がある。また、破壊読出しでは、出力された画像は、主に静止画像のようなSNRの高い、また多くのX線量を検出できるようダイナミックレンジの広い画像特性が要求されるため、破壊読出しの構成に適した信号読み出し回路2240が最適化できる効果がある。
【0122】
第1乃2の実施形態では、検出器の駆動制御により非破壊読み出しと破壊読出しは区別されたが、第4乃至6の実施形態では物理的に非破壊読み出しと破壊読出しが区別される例を説明した。
【0123】
(第7の実施形態)
第7の実施形態の説明では、本発明のX線撮影装置の動作について説明する。
【0124】
図11は、本発明の第7の実施形態に係るX線撮影装置の動作を示すフロー図である。まず、撮影者がX線照射の信号を送ると、X線検出器110は、ステップS1105で画素のリセットを行い、ステップS1110で画素信号の蓄積を開始する。蓄積を開始するとすぐに、ステップS1120で画素信号の非破壊読み出しが始まる。
【0125】
蓄積が開始されると、X線照射手段145によりX線が照射される。X線照射のタイミングは蓄積が開始されるとすぐに行っても良いし、ステップS1135でX線の制御を受けても良い。
【0126】
X線が照射されている間、ステップS1120で非破壊読み出しを繰り返す。非破壊読み出しした画像は間引き読み出しされていれば、2枚の非破壊読み出し画像の差分画像が取得される。
【0127】
非破壊読み出しされた画像は、ステップS1122で暗電流補正、さらにステップS1125で個々の画素のゲイン補正を行った後、ステップS1130で非破壊読み出し画像の解析が行われる。暗電流補正のための画像は、X線照射前に2回非破壊読み出しした画像の差分により求めることができる。また、撮影前に事前に取得しておくこともできる。また、ゲイン補正のための画像は事前に取得しておくことが望ましい。
【0128】
非破壊読み出しされた画像の解析の結果X線量が適切でなければ、ステップS1135によりX線の制御が行われる。非破壊読み出し画像の解析結果に基づき、ステップS1140では、X線照射がつづく間、X線検出器110を蓄積状態のままにしておく。また、X線照射が終了していれば速やかにステップS1150で、破壊読み出しを開始する。
【0129】
ステップS1165で破壊読出しと同時に画素信号のリセットを行う。このリセットは、続けて撮影を行う場合には、ステップS1105のリセットと同一となる。
【0130】
破壊読出し、及び画素信号のリセットの終了後、ステップS1165で画素信号の空読み出しが開始される。ステップS1175では、破壊読出し画像と空読み出し画像を用いて、破壊読出し画像の暗電流補正が行われる。さらに暗電流補正後、ステップS1180では個々の画素のゲイン補正が行われる。
【0131】
ステップS1185では、暗電流補正及びゲイン補正が行われた破壊読出し画像において、ステップS1130の解析結果に基づき、破壊読出し画像の画像処理が行われる。画像処理後の画像は、ステップS1190にて画像の表示又は保存が行われる。また、ステップS1190における画像の表示又は保存は、破壊読み出しされた画像だけではなく、非破壊読み出しされた画像でも行っても良い。その場合は、ステップS1145において非破壊読み出し画像の画像処理を行い、ステップS1190で画像の表示又は保存が行われる。
【0132】
本発明の実施形態は、前述のように、コンピュータがプログラムを実行することによっても実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
【0133】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0134】
(実施態様1) 対象物に放射線を照射する放射線照射手段と、
前記対象物を透過して
得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する解析手段と、
を有することを特徴とする放射線撮影装置。
【0135】
(実施態様2) 前記解析手段による解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段から読み出された放射線投影像の情報に対して画像処理を施す画像処理手段を有することを特徴とする実施態様1に記載の放射線撮影装置。
【0136】
この放射線撮影装置によれば、破壊読み出しによる画像を取得する前に画像解析を行うことが可能であるため、破壊読み出しによる画像が読み出された後、速やかに、階調処理等の画像処理を実行することができる。また、動画像取得によりリアルタイム表示も可能となる。
【0137】
(実施態様3) 前記解析手段による解析の結果に基づいて前記放射線照射手段の動作を制御する放射線照射制御手段を有することを特徴とする実施態様1又は2に記載の放射線撮影装置。
【0138】
この放射線撮影装置によれば、放射線撮像装置に蓄積されている電荷に基づいて、X線の照射条件が適切であるかどうかを判断でき、被写体等の対象物に照射される無駄なX線量を低減できる。
【0139】
(実施態様4) 前記解析手段による解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段の動作を制御する撮像制御手段を有することを特徴とする実施態様1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0140】
この放射線撮影装置によれば、放射線の照射状況に応じて、放射線撮像手段の動作を適宜制御することができる。
【0141】
(実施態様5) 前記撮像制御手段は、前記放射線撮像手段における電荷の蓄積量を観察し、前記電荷の蓄積量が飽和値に到達する前に、前記放射線撮像手段に電荷の蓄積を終了させることを特徴とする実施態様4に記載の放射線撮影装置。
【0142】
この放射線撮影装置によれば、例えば画像の関心領域における画素が飽和する前に蓄積を終了することができる。
【0143】
(実施態様6) 前記放射線撮像手段に設けられた複数の画素のうちから選択した一部の画素のみから非破壊読み出しにより信号を読み出し、該信号を前記解析手段に解析させる間引き読み出し手段を有することを特徴とする実施態様1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0144】
この放射線撮影装置によれば、間引き読み出しによって、高速に非破壊読み出しを行うことが可能となり、また画像の情報量が小さくなるため、高速にその解析を行うことができる。
【0145】
(実施態様7) 前記間引き読み出し手段は、前記一部の画素のみからの信号の読み出しを少なくとも2回行い、
前記解析手段は、同一の画素から読み出された信号の差分情報を求め、前記差分情報に基づく解析を行うことを特徴とする実施態様6に記載の放射線撮影装置。
【0146】
この放射線撮影装置によれば、間引き非破壊読み出しによる各画素の蓄積時間の違いによるシェーディングの発生を防止することができる。
【0147】
(実施態様8) 放射線照射手段に、対象物に放射線を照射させる工程と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段から、該信号を非破壊読み出しにより読み出す工程と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する工程と、
を有することを特徴とする放射線撮影方法。
【0148】
(実施態様9) 前記解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段から読み出された放射線投影像の情報に対して画像処理を施す工程を有することを特徴とする実施態様8に記載の放射線撮影方法。
【0149】
(実施態様10) 前記解析の結果に基づいて前記放射線照射手段の照射条件を調整する工程を有することを特徴とする実施態様8又は9に記載の放射線撮影方法。
【0150】
(実施態様11) 前記解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段の動作を制御する工程を有することを特徴とする実施態様8乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮影方法。
【0151】
(実施態様12) 前記放射線撮像手段の動作を制御する工程において、前記放射線撮像手段における電荷の蓄積量を観察し、前記電荷の蓄積量が飽和値に到達する前に、前記放射線撮像手段に電荷の蓄積を終了させることを特徴とする実施態様11に記載の放射線撮影方法。
【0152】
(実施態様13) 前記信号を非破壊読み出しにより読み出す工程において、前記放射線撮像手段に設けられた複数の画素のうちから選択した一部の画素のみから非破壊読み出しにより信号を読み出すことを特徴とする実施態様8乃至12のいずれか1項に記載の放射線撮影方法。
【0153】
(実施態様14) 前記一部の画素のみからの信号の読み出しを少なくとも2回行い、
前記信号を解析する工程において、同一の画素から読み出された信号の差分情報を求め、前記差分情報に基づく解析を行うことを特徴とする実施態様13に記載の放射線撮影方法。
【0154】
(実施態様15) コンピュータに、
放射線照射手段に、対象物に放射線を照射させる処理と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段から、該信号を非破壊読み出しにより読み出す処理と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する処理と、
を実行させることを特徴とする放射線撮影プログラム。
【0155】
(実施態様16) コンピュータに、
放射線照射手段に、対象物に放射線を照射させる処理と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段から、該信号を非破壊読み出しにより読み出す処理と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する処理と、
を実行させる放射線撮影プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0156】
(実施態様17) 前記放射線撮像手段は破壊読出しが可能であることを特徴とする実施態様1乃至7のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0157】
(実施態様18) 前記放射線撮像手段に2つのスイッチのみが設けられていることを特徴とする実施態様1乃至7のいずれか1項、又は実施態様17に記載の放射線撮影装置。
【0158】
この放射線撮像手段によれば、画素に2つのスイッチのみで非破壊読み出しが可能となるので、検出器製造の歩留まりがあがるという効果がある。
【0159】
(実施態様19) 前記放射線撮像手段に3つのスイッチのみが設けられていることを特徴とする実施態様1乃至7のいずれか1項、又は実施態様17に記載の放射線撮影装置。
【0160】
この放射線撮像手段によれば、画素に3つのスイッチがあることで、X線信号の蓄積開始と蓄積終了を全画素同時にできる非破壊読み出しが可能な検出器が得られるという効果がある。
【0161】
(実施態様20) 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しのスイッチと破壊読出しのスイッチとが互いに個別に設けられていることを特徴とする実施態様1乃至5、実施態様17及び19のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0162】
この放射線撮像手段によれば、画素の蓄積電荷のリセットを簡単に破壊読出しと同時にできるという効果がある。
【0163】
(実施態様21) 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しの読み出し信号線と破壊読出しの読み出し信号線とが共通していることを特徴とする実施態様1乃至5のいずれか1項、又は実施態様17乃至20のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0164】
この放射線撮像手段によれば、画素に1つの信号線のみで非破壊読み出しと破壊読出しが可能となるので、検出器製造の歩留まりがあがるという効果がある。
【0165】
(実施態様22) 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しの読み出し信号線と破壊読出しの読み出しの信号線とが互いに個別に設けられていることを特徴とする実施態様1乃至5のいずれか1項、又は実施態様17乃至20のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0166】
(実施態様23) 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しの読み出し回路と破壊読出しの読み出し回路とが互いに個別に設けられていることを特徴とする実施態様1乃至5のいずれか1項、又は実施態様17乃至22のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
【0167】
この放射線撮像手段によれば、非破壊読み出しと破壊読出しで回路系を含め夫々最適化できるという効果がある。
【0168】
(実施態様24) 前記解析手段は、放射線照射の前後で非破壊読み出しを行い、非破壊読み出し画像の暗電流補正を行うことを特徴とする実施態様7に記載の放射線撮影装置。
【0169】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被検体等の対象物を透過した放射線に関する情報を速やかに把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るX線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるX線検出器110の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第2の実施形態において、第n行第m列に位置する画素201の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るX線撮影装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】画像解析手段125の構成等を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に関し、X線検出器110が非破壊読み出し機能及び破壊読出し機能を有する例を示した図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に関し、X線検出器110が非破壊読み出し機能及び破壊読出し機能を有する例を示した図である。
【図9】本発明の第6の実施形態におけるX線検出器110の構成を示す模式図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に関し、X線検出器110が非破壊読み出し機能及び破壊読出し機能を有する例を示した図である。
【図11】本発明のX線撮影装置の動作フローを示すフロー図である。
【符号の説明】
101:X線検知手段
110:X線検出器
115:破壊読み出し手段
120:非破壊読み出し手段
123:検出器制御手段
125:画像解析手段
130:画像処理手段
135:画像表示及び保存手段
140:X線制御手段
145:X線照射手段
601:特徴量抽出部
602:閾値推定部
603:閾値処理部
604:ラベリング部
605:肺領域抽出部
610:線量分析部
615:X線制御部
620:特定画素値判定部
625:画像処理部
630:線量検知部
635:検出器制御部
Claims (24)
- 対象物に放射線を照射する放射線照射手段と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する解析手段と、
を有することを特徴とする放射線撮影装置。 - 前記解析手段による解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段から読み出された放射線投影像の情報に対して画像処理を施す画像処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
- 前記解析手段による解析の結果に基づいて前記放射線照射手段の動作を制御する放射線照射制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮影装置。
- 前記解析手段による解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段の動作を制御する撮像制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記撮像制御手段は、前記放射線撮像手段における電荷の蓄積量を観察し、前記電荷の蓄積量が飽和値に到達する前に、前記放射線撮像手段に電荷の蓄積を終了させることを特徴とする請求項4に記載の放射線撮影装置。
- 前記放射線撮像手段に設けられた複数の画素のうちから選択した一部の画素のみから非破壊読み出しにより信号を読み出し、該信号を前記解析手段に解析させる間引き読み出し手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記間引き読み出し手段は、前記一部の画素のみからの信号の読み出しを少なくとも2回行い、
前記解析手段は、同一の画素から読み出された信号の差分情報を求め、前記差分情報に基づく解析を行うことを特徴とする請求項6に記載の放射線撮影装置。 - 放射線照射手段に、対象物に放射線を照射させる工程と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段から、該信号を非破壊読み出しにより読み出す工程と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する工程と、
を有することを特徴とする放射線撮影方法。 - 前記解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段から読み出された放射線投影像の情報に対して画像処理を施す工程を有することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮影方法。
- 前記解析の結果に基づいて前記放射線照射手段の照射条件を調整する工程を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の放射線撮影方法。
- 前記解析の結果に基づいて前記放射線撮像手段の動作を制御する工程を有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮影方法。
- 前記放射線撮像手段の動作を制御する工程において、前記放射線撮像手段における電荷の蓄積量を観察し、前記電荷の蓄積量が飽和値に到達する前に、前記放射線撮像手段に電荷の蓄積を終了させることを特徴とする請求項11に記載の放射線撮影方法。
- 前記信号を非破壊読み出しにより読み出す工程において、前記放射線撮像手段に設けられた複数の画素のうちから選択した一部の画素のみから非破壊読み出しにより信号を読み出すことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の放射線撮影方法。
- 前記一部の画素のみからの信号の読み出しを少なくとも2回行い、
前記信号を解析する工程において、同一の画素から読み出された信号の差分情報を求め、前記差分情報に基づく解析を行うことを特徴とする請求項13に記載の放射線撮影方法。 - コンピュータに、
放射線照射手段に、対象物に放射線を照射させる処理と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段から、該信号を非破壊読み出しにより読み出す処理と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する処理と、
を実行させることを特徴とする放射線撮影プログラム。 - コンピュータに、
放射線照射手段に、対象物に放射線を照射させる処理と、
前記対象物を透過して得られる放射線投影像を信号に変換すると共に該信号の非破壊読み出しが可能な放射線撮像手段から、該信号を非破壊読み出しにより読み出す処理と、
前記放射線撮像手段から非破壊読み出しにより読み出された信号を解析する処理と、
を実行させる放射線撮影プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 前記放射線撮像手段は破壊読出しが可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記放射線撮像手段に2つのスイッチのみが設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項、又は請求項17に記載の放射線撮影装置。
- 前記放射線撮像手段に3つのスイッチのみが設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項、又は請求項17に記載の放射線撮影装置。
- 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しのスイッチと破壊読出しのスイッチとが互いに個別に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5、請求項17及び19のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しの読み出し信号線と破壊読出しの読み出し信号線とが共通していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項、又は請求項17乃至20のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しの読み出し信号線と破壊読出しの読み出しの信号線とが互いに個別に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項、又は請求項17乃至20のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記放射線撮像手段の非破壊読み出しの読み出し回路と破壊読出しの読み出し回路とが互いに個別に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項、又は請求項17乃至22のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記解析手段は、放射線照射の前後で非破壊読み出しを行い、非破壊読み出し画像の暗電流補正を行うことを特徴とする請求項7に記載の放射線撮影装置。
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